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JP6569049B2 - 架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜、架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体及び架橋性樹脂組成物溶液 - Google Patents

架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜、架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体及び架橋性樹脂組成物溶液 Download PDF

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Description

本発明は、架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜、架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体及び架橋性樹脂組成物溶液に関する。
フッ素系材料は撥水撥油性、高耐熱性を有することからコーティング分野等において広く使用されている。このような分野においては撥水撥油性が優れるという観点から、有効成分として、炭素数が8以上のフルオロアルキル基を有するフッ素系重合体を用いることが多かった(例えば特許文献1を参照)。
特に工業的な撥水・撥油剤としては、主に炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体が使用されてきた。しかしながら、炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体が分解されるとパーフルオロオクタン酸(以下、PFOA)を生成することがある。PFOAは、生体への蓄積性が懸念されるため、近年では、炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系重合体に代わる製品、材料、プロセスなどが検討されている。
近年、炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体に代わる撥水撥油剤として、炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体が提案されている。しかしながら、炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する公知のフッ素系材料をコーティング分野で用いた場合、炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系重合体を用いた場合と比べて、基材に付与される撥水・撥油性が劣っている。又、上記のような炭素数が6あるいは8以上の長鎖のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、耐熱性、耐湿性あるいは耐候性のような安定性が不十分であるという問題点も抱えている。そのため、従来の炭素数が6あるいは8以上の長鎖のパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の上記の問題点を抜本的に解決した新材料の開発が望まれていた。
これまで、長鎖のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体とは異なる構造を有し、分解してもPFOAを発生しない撥水・撥油性剤として以下のような重合体が報告されている。
特許文献2には、パーフルオロポリエーテル基含有アルコール鎖がエステル結合を介して(メタ)アクリル酸ポリマー骨格に連結しているポリマーからなる撥水撥油剤が開示されている。しかしながら、当該ポリマーはエステル結合を有するため、耐熱性、耐湿性あるいは耐候性のような安定性が不十分であるという問題点があった。
特許文献3には、パーフルオロポリエーテル鎖がポリスチレンの芳香核に直接結合している改質ポリスチレン樹脂が開示されている。しかしながら、当該ポリマーの合成には、導入しようとするパーフルオロポリエーテル鎖と同じモル数のパーフルオロポリエーテル基含有パーオキシドを使用するので、安全性と経済性の懸念より工業的な量産製造は困難である。
特許文献4には、ポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖(すなわち、ポリフルオロポリエーテル鎖およびポリフルオロエーテル鎖)がポリスチレンの芳香核にエーテル結合を介して結合している含フッ素ポリスチレン樹脂が開示されている。しかしながら、当該含フッ素ポリスチレン樹脂はガラス転移温度が室温あるいはそれ以下の軟質材料でその表面は粘着性があるので成型材料やコーティング膜材料としての使用は困難である。また、特許文献4には、当該含フッ素ポリスチレンのコーティング膜に求められる諸特性(すなわち、
表面特性(撥水・撥油性、表面硬度)、安定性(耐熱性、耐湿性、耐候性等)あるいは各種基材との密着性等)に関する具体的なデータは何も示されていない。
特開2006−299016号公報 特開昭63−42954号広報 特開平5−78419号広報 特開平2−103210号広報
炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は人体に有害なパーフルオロオクタン酸(PFOA)を発生するおそれがあるので、それに替わる撥水撥油剤として炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体が提案されている。しかしながら、当該代替材料は撥水・撥油性が十分ではない上に、炭素数が8以上の長鎖のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体と同様に、耐熱性、耐湿性あるいは耐候性のような安定性が不十分であるという本質的な問題点も抱えている。更に、炭素数が6あるいは8以上のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を基材(特に有機材料基材)にコートした場合には、基材との密着性が極めて低いというコーティング材料としての本質的な問題も抱えている。
そのため、コーティング分野等においては、炭素数が6あるいは8以上の長鎖パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体が抱えている上記の問題点を抜本的に解決した新材料の開発が望まれていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、長期間安定して充分な撥水・撥油性を基材に付与することが出来る架橋コーティング膜(架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜)、および当該架橋コーティング膜を基材にコートして形成される複合材料等を提供する。
本発明者は、ポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した各種のポリスチレン系樹脂の特性を精査し、その問題点を解決することにより、従来の長鎖パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体に代わる実用的な撥水撥油剤を開発すべく鋭意検討を続けた。その結果、本発明者は特定のポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合したポリスチレン系樹脂に架橋基を導入した架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を合成し、その利用法を検討することにより様々な実用特性を備えた有用材料を開発し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は従来の長鎖パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる撥水撥油剤の課題を解決する以下の発明に関するものである。
<1> 下記式[1]で表される繰り返し単位を1質量%以上99質量%以下と架橋基含有繰り返し単位を1質量%以上95質量%以下の範囲で含有する架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含有する架橋性樹脂組成物溶液を基材にコートした後に架橋処理して作製される架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜であって、下記の(A)、(B)及び(C)の要件を満たすことを特徴とした架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜。
Figure 0006569049
(式[1]中、Yは水素原子または炭素数が6以下のアルキル基を表し、Qは少なくとも1個のエーテル結合を含有し炭素原子の合計数が5個以下の2価の基を表し、Rfは少なくとも1個のエーテル基を含有する炭素原子の合計数が25個以下の1個の水素原子を含んでも良い1価のパーフルオロエーテル基である。zは1〜3から選ばれる整数である。Qの芳香核への結合位置は、芳香核とポリマー主鎖の結合位置に対してオルト位、メタ位、あるいはパラ位のいずれでもよい。式[1]中の芳香核に結合している水素原子の一部又はすべてはフッ素原子で置換されていてもよい。)
(A)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の表面の水の接触角が100°以上またはヘキサデカンの接触角が60°以上、もしくは水の接触角が100°以上かつヘキサデカンの接触角が60°以上であること。
(B)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の有機材料製基材および無機材料製基材から選ばれる少なくとも一種の基材に対する密着性評価試験で残存枡の数が、25枡中24枡以上であること。
(C)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜が、下記の(1)ないし(3)の条件の少なくとも1項目を満たすこと。
(1)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の表面硬度が鉛筆(引っかき)硬度3B以上であること。
(2)前記架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜を大気中250℃の温度条件で3時間加熱した後の表面の水の接触角が加熱前の接触角の90%以上であること。
(3)前記架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜を500時間の耐侯性試験に晒した後の表面の水の接触角が試験前の接触角の93%以上であること。
<2> 前記式[1]で表される繰り返し単位が下記の式[1−1]で表される繰り返し単位であることを特徴とする前記<1>に記載の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜。
Figure 0006569049
(式[1−1]中、Y1は水素原子またはメチル基であり、Q1は炭素原子数が3以下であるエーテル結合を含有する2価基である。RfoはRfa−O−[CF(CF)CFO]n1−[CFCFCFO]n2−[CFCFO]n3−[CFO]n4−Rfc−であって、Rfaは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、n1、n2、n3、n4はそれぞれ0または1〜6から選ばれる整数であるとともに、n1+n2+n3+n4は0〜6であり、Rfcは炭素原子数が3以下の1個の水素原子を含んでも良いパーフルオロアルキレン基である。)
<3> 前記式[1]あるいは前記式[1−1]で表される繰り返し単位が下記の式[1−2]で表される繰り返し単位であることを特徴とする前記<1>または<2>に記載の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜。
Figure 0006569049
(式[1−2]中、Y2は水素原子またはメチル基、Lは0または1〜6から選ばれる整数、Rfaは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である)。
<4> 前記<1>ないし<3>のいずれか1つに記載の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜であって、前記(1)ないし(3)の条件の2項目以上を満たすことを特徴とした架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜。
<5> 前記(B)の密着性評価試験における基材が有機材料製基材であることを特徴とする前記<1>ないし<4>のいずれか一項に記載の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜。
<6> 前記有機材料製基材がアクリル樹脂製基材、ポリカーボネート樹脂製基材、エステル系樹脂製基材およびポリスチレン系樹脂製基材から選ばれる少なくとも一種の有機材料製基材であることを特徴とする<5>に記載の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜。
<7> 前記の式[1]、式[1−1]あるいは式[1−2]で表される繰り返し単位を1質量%以上99質量%以下と架橋基含有繰り返し単位を1質量%以上95質量%以下の範囲で含有する架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体。
<8> 前記の式[1]、式[1−1]あるいは式[1−2]で表される繰り返し単位を1質量%以上99質量%以下と架橋基含有繰り返し単位を1質量%以上95質量%以下の範囲で含有する架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体であって、当該架橋コーティング膜が前記<1>に記載の(A)、(B)及び(C)の要件を満たすことを特徴とした架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体。
<9> 前記<1>ないし<6>の何れか1つに記載の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜により有機材料製基材および無機材料製基材から選ばれる基材がコートされて形成される複合材料。
<10> 基材が有機材料製基材であることを特徴とした前記<9>に記載の複合材料。
<11> 有機材料製基材がアクリル樹脂製基材、ポリカーボネート樹脂製基材、エステル系樹脂製基材およびポリスチレン系樹脂製基材から選ばれる基材であることを特徴とする前記<10>に記載の複合材料。
<12> 有機材料製基材が透明樹脂製基材であることを特徴とする前記<10>に記載の複合材料。
<13> 前記の式[1]、式[1−1]あるいは式[1−2]で表される繰り返し単位を1質量%以上99質量%以下と架橋基含有繰り返し単位を1質量%以上95質量%以下の範囲で含有する架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含有する架橋性樹脂組成物溶液。
<14> 前記<1>ないし<6>のいずれか1つに記載の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の作製に使用される架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含有する架橋性樹脂組成物溶液。
本発明者はポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した各種のポリスチレン系樹脂の特性を詳細に検討しその特性を改良する方法を鋭意検討した結果、特定の構造のポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合したポリスチレン系樹脂に架橋基を導入した架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を合成しその利用法を検討することにより、下記に示すような様々な優れた実用特性を有する有用材料が実現された。
(撥水撥油性と機械特性)
ポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合したポリスチレン系樹脂は、特許文献4に開示されていて公知であるが、特許文献4には、当該ポリマーがどの程度の撥水・撥油性を示すのかについては何も示されていない。そこで、本発明者がポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した各種の含フッ素ポリスチレン系樹脂の撥水撥油性を詳細に評価したところ、特定の構造のポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した含フッ素ポリスチレン系樹脂が炭素数が6や8のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体と同等、あるいはそれ以上の撥水・撥油性を示すことが確認された。従来、長鎖パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の優れた撥水・撥油性は、剛直な長鎖パーフルオロアルキル鎖が配向・凝集することによって低表面エネルギーの表面が形成されるためと解釈されていた。したがって、上記のようにフレキシブルなポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した含フッ素ポリスチレン系樹脂が、炭素数が6や8の剛直なパーフルオロアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体と同等、あるいはそれ以上の撥水・撥油性を示すことは従来の知見からは全く予期できない発見であった。
しかしながら、当該含フッ素ポリスチレン系樹脂はフレキシブルなポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖を含有する故にガラス転移温度が低く、自己保持性に劣る軟質材料であったり、その表面が粘着性であったり、あるいは使用温度での機械的強度が不足していたりするため、成型材料やコーティング膜材料としての使用は困難であった。
そこで、本発明者らがその問題を解決する方法を鋭意検討した結果、特定の構造のポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した含フッ素ポリスチレン系樹脂に架橋基を導入した架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体(以下、「本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体」と略記することがある。)から形成される架橋コーティング膜は粘着性が無く十分な硬度を有しており、優れた撥水撥油性と優れた機械特性を併せ持つことが確認された。例えば、本発明に使用される架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含む未架橋のコーティング膜が鉛筆硬度が6B以下である場合でも、架橋処理することにより容易に鉛筆硬度が3B以上あるいはHB以上の実用的な表面硬度が実現される。
更に、本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体は、下記に示すような様々な予期できない優れた特徴を有する有用材料であることも確認された。
(多様な均一溶液組成物形成能)
本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体は、極めて多様な溶媒に可溶であることが見いだされた。すなわち、本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体はその構造により含フッ素有機溶媒から非フッ素系有機溶媒まで、極めて広範な種類の溶媒に対して良好な溶解性を示すことが分った。したがって、本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含有する様々な種類の均一な架橋性樹脂組成物溶液の形成が可能であった。
本発明における架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含有する「架橋性樹脂組成物溶液」とは当該架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含有する架橋反応が可能な組成物を溶解した均一溶液を意味しており、その例としては、例えば、a)単独で架橋反応が可能な当該架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を溶解した均一溶液、b)当該架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体と当該架橋基と反応する多官能性化合物の混合物を溶解した均一溶液、c)当該架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体と当該架橋基の重合開始剤との混合物を溶解した均一溶液、d)前記のa)〜c)の溶液に更にフッ素系ポリマー及び非フッ素系ポリマーから選ばれる少なくとも一種類の他のポリマーを加えた均一溶液、あるいはe)前記のa)〜d)の溶液更に様々な添加剤(樹脂特性改質剤や着色剤等)を加えた均一溶液等が挙げられる。
すなわち、本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体は、低分子量体から高分子量体までの様々な分子量で様々な分子構造を有する多様な物質と均一な架橋性樹脂組成物溶液を形成することが可能である。したがってこれらの多様な架橋性樹脂組成物溶液を使用することにより、様々な組成の架橋コーティング膜の製造が可能となり、目的に合わせて幅広い機能を有する材料を作製できる道が拓けた。例えば、本発明のポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体は(フッ素系材料だけでなく)各種の非フッ素系ポリマーや各種の多官能性非フッ素系オリゴマーとも両者の共通溶媒を使用することにより、均一な架橋性樹脂組成物溶液が形成可能である。当該架橋性樹脂組成物溶液の利用例としては、例えば、当該架橋性樹脂組成物溶液の組成を最適化してその溶液を塗布・乾燥・架橋することにより本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体に由来する優れた撥水撥油性と非フッ素系材料の機械的特性を併せ持つ架橋コーティング膜の作製が可能となった。
一方、従来の炭素数が6あるいは8以上の長鎖で剛直なパーフルオロアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の場合には、高い撥水・撥油性を示す高フッ素含有率ポリマーはフッ素系有機溶媒にしか良好な溶解性を示さない。また、各種の非フッ素系ポリマーや非フッ素系添加剤あるいは非フッ素系多官能性物質はフッ素系有機溶媒にはほとんど溶解しない。したがって、高フッ素含有率の(メタ)アクリル酸エステル系重合体は上記のような各種の非フッ素系材料とは均一溶液を形成しないので、高フッ素含有率の(メタ)アクリル酸エステル系重合体の非フッ素系材料による特性改質(例えば機械的強度の向上)の余地は少ない。
以上のような、本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体と上記のような様々な種類の添加剤からなる均一な架橋性樹脂組成物溶液、当該架橋性樹脂組成物溶液から製造される優れた撥水撥油性と優れた機械特性を併せ持つ架橋含フッ素ポリスチレン誘導体のコーティング膜は、従来の撥水撥油ポリマーである高フッ素含有率の(メタ)アクリル酸エステル系重合体の知見からは予測困難であり、本発明の検討により初めて実現されたものである。
上記の架橋性樹脂組成物溶液から形成される架橋コーティング膜について、特に注目すべき特徴としては、上記のd)に記載の溶液の一種である非フッ素系樹脂を含有する架橋性樹脂組成物溶液を各種の基材にコートした後に架橋処理して形成される架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜においては、本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体の含有量が極めて低い場合でも優れた撥水・撥油性が発現することが挙げられる。この理由は明確ではないが、ひとつの可能性として、当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜では架橋性樹脂組成物のコート時にポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖の効果により架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体が高効率で表面濃縮されるためと推察される。
(耐熱性と耐候性)
本発明のポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含有する架橋性樹脂組成物から形成される架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は、上記の優れた撥水・撥油性に加えて極めて優れた耐熱性や耐候性を示すことが確認され、実用性に優れた高耐久性の撥水・撥油性材料を提供することが可能となった。
本発明のポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体の骨格であるポリスチレン構造では、光反応、酸素酸化反応、あるいは光照射下での酸素酸化反応に活性なベンジル水素を有する。したがって、ポリスチレンは酸化反応を受けやすい樹脂であり、特に光酸化反応を受けやすいので屋外用途での使用は避けられている。それに対して、ポリスチレンと同様にベンジル水素を有する本発明のポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体から形成される架橋コーティング膜が優れた耐熱性や耐候性(光照射下での耐酸化性)を示すことは、従来のポリスチレン系材料に関する知見からは全く予期できず、本発明者らの検討により初めて発見された実用的に極めて重要な特性である。
従来の炭素数が6あるいは8以上の長鎖で剛直なパーフルオロアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、耐熱性や耐候性に劣るので屋外用コーティング材料として使用することは困難である。それに対して、本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は撥水撥油性だけなく、耐熱性や耐候性に優れているので従来困難であった屋外用の高耐久性の撥水撥油性コーティング膜を提供するものである。
(各種基材に対する密着性)
従来から使用されていた長鎖パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート系ポリマーからなる撥水撥油性コーティング膜は、無機材料製基材および有機材料製基材のいずれに対しても密着性が不十分であり、特に有機材料製基材に対しては密着性が極めて不良であるという問題を抱えていた。それに対して、本発明のポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体から形成される架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は、無機材料製基材に対しては勿論のこと各種の有機材料製基材に対しても極めて優れた密着性を示すことが確認された。
したがって、本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜により、各種の基材の表面に優れた表面特性(高撥水撥油性、高防食性、高低屈折率等)と高耐久性(高耐候性、高耐熱性、高密着性)を併せ持つ高性能コーティング膜の形成が可能となった。その中でも、特に、「各種の有機材料製基材上に形成された本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜」は、従来のコーティング膜では実現できなかった高密着性の高機能性コーティング膜を可能にしたものであり、幅広い新規用途への適用が可能となるもので特に重要である。
また、本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜で各種の基材がコートされて形成される複合材料は、各種基材に対して優れた表面特性(高撥水撥油性、高防食性、高低屈折率等)と高耐久性(高耐候性、高耐熱性、高密着性)を併せ持つ高性能表面を付与するものであり実用的に極めて重要である。その中でも、特に、「本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜で有機材料製基材がコートされて形成される複合材料」は、従来のコーティング膜では実現できない様々な新機能を備えている上に幅広い新規用途への適用が可能となるものであり、特に重要である。
従来の含フッ素メタクリル酸エステルポリマー系の高撥水撥油性ポリマーは、生体安全性(PFOA蓄積性)の問題の他に、耐熱性や耐候性に劣ること、あるいは各種基材(特に有機材料基材)に対する密着性が不良であること等の様々な問題点を抱えていたので、その利用(特に高耐久性のコーティング膜分野)には大きな制約があった。
それに対して、本発明のポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体から製造される架橋コーティング膜は、優れた撥水撥油性を示すだけでなく、PFOA蓄積性の懸念が無く、優れた耐熱性や耐候性、更には各種基材(特に有機材料基材)に対する優れた密着性が確認された。
このような本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体から製造される架橋コーティング膜、及び当該コーティング膜を各種の基材(特に有機材料製基材)にコートして作製される複合材料は、従来の含フッ素メタクリル酸エステルポリマーでは実現できなかった新機能を備えた高性能材料を提供するものである。特に、本発明の材料は高耐久性のコーティング膜材料として極めて有用である。
従来の含フッ素メタクリル酸エステルポリマー系の高撥水撥油性ポリマーは、物理的特性(密着性・鉛筆硬度)が低く、物理的接触がある用途では使用が困難であった。また物理的特性の改善のために非フッ素系(メタ)アクリル酸系モノマーを共重合すると接触角が低下することと耐溶剤性が低下する問題があり、人が触れる箇所への適用には問題があった。特に日常的に清掃される箇所、洗剤やアルコール製剤を用いた拭き取り清掃されるような箇所では耐薬品性の不足と物理的特性の不足により、極めて短時間で効果が失われるため実用的に使用が困難であった。
それに対して、本発明のポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体から製造される架橋コーティング膜は、優れた撥水撥油性を示すだけでなく密着性・鉛筆硬度に優れていることが確認され、さらに優れた耐薬品性を有することが明らかとなった。
このような本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体から製造される架橋コーティング膜、及び当該コーティング膜を各種の基材(特に有機材料製基材)にコートして作製される複合材料は、従来の含フッ素メタクリル酸エステルポリマーでは実現できなかった新機能を備えた高性能材料を提供するものである。特に、本発明の材料は家電筐体・IT(IoT)機器筐体・各種機器筐体・洗面や浴室用具・自動車内装・自動車外装等、高耐久性が要求されるコーティング膜材料として極めて有用である。
本発明によれば、炭素数が6あるいは8以上のパーフルオロアルキル基を含む(メタ)アクリル酸エステル系重合体に代えて用いることができるポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体、当該架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含有する架橋性樹脂組成物溶液、架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜及び架橋含フッ素ポリスチレン誘導体でコートされた複合材料等を提供することができる。
つまり本発明によれば、優れた環境適合性(PFOA発生のおそれが無い)、優れた撥水・撥油性、優れた安定性(耐熱性、耐湿性・耐加水分解性、耐候性等)、各種基材に対する優れた密着性、及び優れた機械特性を併せ持つ実用的な高性能架橋コーティング膜やその関連材料を提供することができる。
本発明は、特定構造のポリフルオロ(ポリ)エーテル鎖が結合した架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体、及びその関連材料に関するものである。以下に、詳しく本発明について説明する。
<架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体>
本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体としては、式[1]で表される繰り返し単位を1質量%以上99質量%以下と架橋基含有繰り返し単位を1質量%以上95質量%以下の範囲で含有する架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体が使用される。
Figure 0006569049
(式[1]中、Yは水素原子または炭素数が6以下のアルキル基を表し、Qは少なくとも1個のエーテル結合を含有し炭素原子の合計数が5個以下の2価の基を表し、Rfは少なくとも1個のエーテル基を含有する炭素原子の合計数が25個以下の1個の水素原子を含んでも良い1価のパーフルオロエーテル基である。zは1〜3から選ばれる整数である。Qの芳香核への結合位置は、芳香核とポリマー主鎖の結合位置に対してオルト位、メタ位、あるいはパラ位のいずれでもよい。式[1]中の芳香核に結合している水素原子の一部又はすべてはフッ素原子で置換されていてもよい。)
式[1]中のYは、水素原子または炭素数が6以下のアルキル基である。炭素数が6以下のアルキル基としては、直鎖アルキル基および分岐アルキル基のいずれであってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。Yとしては、水素原子および炭素数が4以下のアルキル基が好ましく、水素原子およびメチル基が特に好ましい。
式[1]中のQとしては、少なくとも1個のエーテル結合を含有し炭素原子の合計数が5個以下の2価の基であって、例えば、下記式[2]で表される2価の基が挙げられる。
Figure 0006569049
(式[2]中、aは0または1であり、bは0または1〜3から選ばれる整数である。式[2]の右側の結合の手はRfと結合する手である。)
Qとしては、例えば、−O−、−OCH−、−OCHCH−、−OCHCHCH−、−OCHCHCHCH−、−OCH(CH)CH−、−OCHCH(CH)−、−OCHCH(OH)CH−、−OCHCH(OH)CHOCH−、−CHO−、−CHOCH−、−CHOCHCH−、−CHOCHCHCH−,−CHOCHCHCHCH−、−CHOCHCH(CH)OCH−、−OCHCHOCH−、−OCHCHOCHCH−、−CHOCHCHOCH−、−CHOCHCHOCHCH−等があげられる(各基の右側の結合の手はRfと結合する手である)。
これらのうち、−O−、−OCH−、−OCHCH−、−CHOCH−および−CHOCHCH−は、ポリマーが合成しやすいため好ましく、−O−、−OCH−、−CHOCH−がより好ましく、化学的安定性が特に優れているという点で−O−が特に好ましい。
式[1]中のRfは少なくとも1個のエーテル結合を含有しかつ1個の水素原子を含んでも良い1価のパーフルオロエーテル基であり、Rf中の炭素原子数は25個以下である。Rf中の[炭素原子の数/エーテル結合の数]の比は、通常は2.0以上9.0以下であり好ましくは2.2以上8.0以下であり、より好ましくは3.3以上6.0以下、特に好ましくは3.5以上5.0以下である。
Rfの例としては、例えば、下記の式[3]で表される基が挙げられる。
Figure 0006569049
式[3]中、Rfは炭素数が7以下のパーフルオロアルキル基であり、Rfは炭素数4以下の直鎖または分岐構造のパーフルオロアルキレン基から選ばれる1種又は複数種のパーフルオロアルキレン基であり、Rfは炭素数3以下のパーフルオロアルキレン基、または当該パーフルオロアルキレン基の1個のフッ素原子が水素原子で置換された構造のポリフルオロアルキレン基であり、Lは0または1〜10から選ばれる整数である。
Rfとしては、炭素数が7以下の直鎖または分岐構造のパーフルオロアルキル基があげられ、好ましくは炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基であり、より好ましくは炭素数が3以下のパーフルオロアルキル基である。
Rfの具体例としては、CF−、CFCF−、CFCFCF−、(CFCF−、CFCFCFCF−、CFCFCFCFCF−、CFCFCFCFCFCF−、CFCFCFCFCFCFCF−があげられる。これらのうちCFCFCF−、CFCFCFCF−、CFCFCFCFCFCF−が好ましく、合成が容易でありかつ良好な撥水撥油性を示すという観点から特にCFCFCF−が好ましい。
Rfとしては、炭素数が4以下の直鎖又は分岐構造のパーフルオロアルキレン基から選ばれる1種または複数種のパーフルオロアルキレン基である。Rf中の炭素原子数は通常は1乃至4であり、好ましくは1乃至3であり、特に好ましくは3である。
Rfの具体例としては、−CF(CF)CF−、−CF(CF)−、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CFCFCFCF−、−CFCF(CF)CF−があげられる。これらのうち−CF(CF)CF−、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−が好ましく、合成が容易でありかつ良好な撥水撥油性を示すという観点から特に−CF(CF)CF−又は−CFCFCF−が好ましい。(Rfの具体例の各基の右側の結合の手は、式[3]中の(RfO)単位において酸素原子と結合する手である。)
式[3]中のLは、0または1〜10から選ばれる整数であり、好ましくは0または1〜6から選ばれる整数であり、より好ましくは0または1〜3から選ばれる整数であり、さらに好ましくは0または1〜2から選ばれる整数であり、特に好ましくは0または1である。
式[3]中の(RfO)セグメントにおいて、Rfが複数種のパーフルオロアルキレン基から構成される場合には、−CF(CF)CFO−CFCFCFO−CF(CF)CFO−・・・のように、相違する種類のRfがランダムに混在して並んでいてもよいし、同じ種類のRfが複数個ずつ並んでいてもよい。
Rfが複数種のパーフルオロアルキレン基からなる場合の(RfO)Lの具体例としては、例えば下記式[4]で表される基があげられる。
−[CF(CF)CF2O]n1−[CFCFCFO]n2−[CFCFO]n3−[CFO]n4− [4]
(式[4]中、n1、n2、n3、n4はそれぞれ0または1〜6から選ばれる整数である。n1+n2+n3+n4の和は、式[3]中のLと同じである。)
Rfとしては、炭素数3以下のパーフルオロアルキレン基、または当該パーフルオロアルキレン基の1個のフッ素原子が水素原子で置換された構造のポリフルオロアルキレン基があげられる。
Rfの具体例としては、−CF−、−CFCF−、−CF(CF)−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCF(CF)−、−CHFCF−、−CFCHFCF−等があげられる。これらのうち、−CFCF−、−CF(CF)−、−CHFCF−が好ましく、合成が容易でありかつ良好な撥水撥油性を示すという観点から特に−CHFCF−が好ましい(Rfの具体例の各基の右側の結合の手はQと結合する手である。)。
Rfの具体例としては、例えば、下記の式[R−1]、式[R−2]、式[R−3]、式[R−4]で表される基が挙げられる。
Figure 0006569049
Figure 0006569049
Figure 0006569049
Figure 0006569049
式[R−1]で表される基の具体例としては、CFCFCFOCHFCF−、CFCFCFOCF(CF)CFOCHFCF−、CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CFOCHFCF−、CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CFOCF(CF)CFOCHFCF−が挙げられる。
また、式[R−2]、式[R−3]あるいは式[R−4]で表される基の具体例としては、上記の式[R−1]で表される基の具体例として挙げられた各構造の末端CHFCF基が、それぞれCF(CF)基、CFCF基あるいはCFCHFCFに置き替わった構造の基が挙げられる。
またRfとしては式[R−1]、式[R−2]、式[R−3]、式[R−4]のそれぞれの基における末端基CFCFCF基を炭素数が1〜7、好ましくは1〜6の直鎖または分岐のパーフルオロアルキル基に置き換えた構造であってもよい。当該パーフルオロアルキル基の例としては、CF−、CFCF−、(CFCF−、CFCFCFCF−、CFCFCFCFCF−、CFCFCFCFCFCF−があげられる。
式[1]中のzは1〜3から選ばれる整数であるが、合成が容易である点からはzが1の場合がより好ましい。
式[1]におけるQの芳香核への結合位置は、芳香核とポリマー主鎖の結合位置に対してオルト位、メタ位、あるいはパラ位のいずれでもよいが、合成が容易である点や原料が入手しやすい点からはパラ位がより好ましい。
式[1]中の芳香核に結合している水素原子の一部又はすべてはフッ素原子で置換されていてもよいが、合成が容易である点からはフッ素原子で置換されていないものがより好ましい。
式[1]で表される繰り返し単位としては、下記式[1−1]で表される繰り返し単位がより好ましく、下記式[1−2]で表される繰り返し単位が特に好ましい。
Figure 0006569049
(式[1−1]中、Yは水素原子またはメチル基であり、Qは炭素原子数が3以下であるエーテル結合を含有する2価基である。Rf01はRfa−O−[CF(CF)CFO]m1−[CFCFCFO]m2−[CFCFO]m3−[CFO]m4−Rfc−であって、Rfaは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、m1、m2、m3、m4はそれぞれ0または1〜6から選ばれる整数であるとともに、m1+m2+m3+m4の和は0〜6であり、Rfcは炭素原子数が3以下の1個の水素原子を含んでも良いパーフルオロアルキレン基である。)
は炭素原子数が3以下であるエーテル結合を含有する2価基であり、その例としては、例えば、−O−、−OCH−、−CHO−、−OCHCH−、−CHOCH−、または−CHOCHCH−等が挙げられる。Qとしては、−O−、−CHOCH−または−OCH−がより好ましく、−O−が特に好ましい。(Qの具体例の各基の右側の結合の手は、式[1−1]中のRfoと結合する手である。)
m1+m2+m3+m4の和は、0または1〜6から選ばれる整数であり、0〜3が好ましく、0〜2がより好ましく、0〜1が特に好ましい。Rfoは炭素原子数が3以下の1個の水素原子を含んでも良いパーフルオロアルキレン基であり、その具体例としては、例えば、−CFCF−、−CF(CF)−、−CF−、−CFCHFCF−または−CHFCF−が挙げられる。Rfoとしては、−CF(CF)−または−CHFCF−がより好ましく、−CHFCF−が特に好ましい。(Rfoの具体例の各基の右側の結合の手は、式[1−1]中のQと結合する手である。)
式[1−1]におけるQの芳香核への結合位置は、芳香核とポリマー主鎖の結合位置に対してオルト位、メタ位、あるいはパラ位のいずれでもよいが、合成が容易である点や原料が入手しやすい点からはパラ位がより好ましい。
Figure 0006569049
(式[1−2]中、Yは水素原子またはメチル基、Lは0または1〜6から選ばれる整数、Rfaは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である)。
は0または1〜6から選ばれる整数であり、0〜4が好ましく、0〜2がより好ましく、0〜1が特に好ましい。また、Rfaは通常は炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、好ましくは炭素数2〜4のパーフルオロアルキル基であり、特に好ましくはCFCFCF−である。
本発明において使用される式[1]、式[1−1]あるいは式[1−2]で表される繰り返し単位を含む含フッ素ポリスチレン誘導体は、p−ヒドロキシスチレン型の繰り返し単位を含有するポリマーやp−クロロメチルスチレン由来の繰り返し単位を含有するポリマー等の反応性基含有ポリスチレン誘導体と活性末端基を含有するパーフルオロ(ポリ)エーテル化合物あるいはポリフルオロ(ポリ)エーテル化合物との反応により製造することができる。例えば、p−ヒドロキシスチレン型の繰り返し単位を含有するポリマーとCF=CF−[OCFCF(CF)]L1−ORfa型モノマー(L,Rfaは式[1−2]と同じ)の付加反応により式[1−2]の繰り返し単位を含むポリスチレン誘導体を製造することができる。また、CH=CY−Ph−[Q−Rfo]構造を有するモノマー(Y,Q,Rfo及びzは式[1]と同じ)の共重合によっても式[1]で表される繰り返し単位を含む含フッ素ポリスチレン誘導体を製造することができる。
本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体中の式[1]、式[1−1]あるいは式[1−2]で表される繰り返し単位の含有量は1質量%以上99質量%以下であるが、その用途や期待効果に応じて様々な式[1]で表される繰り返し単位の含有量の含フッ素ポリスチレン誘導体が使用可能である。すなわち、本発明の含フッ素ポリスチレン誘導体中の式[1]で表される繰り返し単位の含有量は、1質量%以上99質量%以下の範囲から適宜選択される。例えば、本発明の含フッ素ポリスチレン誘導体中の式[1]で表される繰り返し単位の含有量の下限は、通常は1質量%以上であるが、用途に応じて、5質量%以上、10質量%以上、30質量%以上あるいは50質量%以上の範囲が採用される。また、当該繰り返し単位の含有量の上限は通常は99質量%以下であるが、用途に応じて、90質量%以下、80質量%以下、あるいは90質量%以下の範囲が採用される。
本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体には、前記の式[1]で表される繰り返し単位の他に架橋基を含有する繰り返し単位を1質量%以上95質量%以下の範囲で含有する。本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体中の架橋基含有繰り返し単位としては、例えば、活性水素含有基、炭素―炭素多重結合、エポキシ基、イソシアネート基及びアルコキシシラン基の中から選ばれる架橋基の少なくとも一種類を含有する繰り返し単位が好ましい。活性水素含有基の例としては、例えば水酸基(フェノール性水酸基、アルコール性水酸基)、アミノ基、チオール基、カルボキシル基等が挙げられる。炭素―炭素多重結合含有基の例としては、例えば、アクリレート基、メタアクリレート基、スチレニル基、アリル基、ビニルオキシ基、トリフルオロビニルオキシ基(CF=CFO−基)、マレイミド基等の炭素―炭素二重結合含有基、あるいはプロパルギル基やエチニル基等の炭素―炭素三重結合含有基等が挙げられる。エポキシ基としては、例えば様々な基に連結したグリシジル基が挙げられる。イソシアネート基としては脂肪族イソシアネート基あるいは芳香族イソシアネート基が挙げられる。また、アルコキシシラン基としては、トリアルコキシシラン基、ジアルコキシモノアルキルシラン基やモノアルコキシジアルキルシラン基等が挙げられる。
当該架橋基を含有する繰り返し単位中の架橋基は、様々な方式で架橋反応をすることができる。その例としては、例えば以下のような架橋反応を挙げることができる。
(i) 活性水素型架橋基と多官能性物質との反応で架橋するタイプ(例:活性水素(アルコール、フェノール、アミン、チオール、カルボン酸等)型架橋基と多官能性化合物(多価イソシアネート、多価エポキシ等)との反応による架橋)
(ii) 高活性架橋基と多官能性物質との反応で架橋するタイプ(例:イソシアネート型架橋基やエポキシ基型架橋基と多価活性水素化合物(多価アルコール、多価フェノール、多価アミン、多価チオール、多価カルボン酸型化合物)との反応による架橋)
(iii) 単一種類の架橋基が重合して架橋するタイプ(例:(メタ)アクリレート型架橋基、スチレニル型架橋基、エポキシ型架橋基、オキセタン型架橋基、エピスルフイド型架橋基等。重合方式の例:ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、熱重合、UV照射)
(iV) 単一種類の架橋基がいくつか連結して架橋するタイプ(例:エチニル又はプロパルギル型架橋基、アルコキシシラン型架橋基、トリフルオロビニルオキシ型架橋基等)
本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体中の架橋基を含有する繰り返し単位の具体例を以下に例示するがこれに限定されるものではない。
Figure 0006569049
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Figure 0006569049
Figure 0006569049
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上記のような本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体中の架橋基含有繰り返し単位は様々な方法で導入することができる。
例えば、p−ヒドロキシスチレン単位を繰り返し単位として含有するポリマーは、p−アセトキシスチレン由来の繰り返し単位を含有するポリマーの加水分解反応等により製造できる。当該p−ヒドロキシスチレン単位部は、フェノール性の活性水素型架橋基として使用できる。更に、当該p−ヒドロキシスチレン単位部は、その高い反応性を利用して様々な架橋基含有繰り返し単位へ容易に変換できる。その例としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン単位部の―OH基を下記のような様々な種類の架橋基へ変換する例が挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルメタクリレートや2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の繰り返し単位を含有する共重合体の脂肪族アルコール基も同様に下記のような様々な種類の架橋基へ変換することが出来る。
Figure 0006569049
本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体中の架橋基含有繰り返し単位は、各種の架橋基を含有するビニル重合性モノマーと式[1]、式[1−1]あるいは式[1−2]で表される繰り返し単位を形成するポリスチレン誘導体モノマーとの共重合により導入することも出来る。そのような利用法が可能な架橋基を含有するビニル重合性(ラジカル重合性、カチオン重合性、アニオン重合性)モノマーの例を以下に示すがこれに限定されるものではない。また、さらにビニル重合性のモノマー中の活性水素基やイソシアネート基のような活性基を保護基で安定化しておいて共重合した後、保護基を外して活性化する方法も有効である。
Figure 0006569049
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Figure 0006569049
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本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体中の架橋基含有繰り返し単位の含有量は1質量%以上95質量%以下であるが、その用途や期待効果に応じて様々な架橋基含有繰り返し単位の含有量の含フッ素ポリスチレン誘導体が使用可能である。すなわち、本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体中の架橋基含有繰り返し単位の含有量は、通常は1質量%以上95質量%以下の範囲から選ばれるが、好ましくは、1質量%以上80質量%以下、1質量%以上60質量%以下あるいは1質量%以上50質量%以下の範囲から選ばれる。なお、架橋基含有繰り返し単位の含有量が、1質量%未満の場合には架橋による特性改善効果が不十分なので好ましくない。なお、本発明の架橋基含有フッ素ポリスチレン誘導体中の架橋基含有繰り返し単位は一種類であっても良いし、複数種類であっても良い。
本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体には、式[1]、式[1−1]あるいは式[1−2]で表される繰り返し単位と架橋基含有繰り返し単位以外に、当該架橋体の特性を調整するために様々な構造の繰り返し単位を一種類あるいは複数種類含んでいても良い。
例えば、式[1]、式[1−1]あるいは式[1−2]で表される繰り返し単位と架橋基含有繰り返し単位以外の繰り返し単位として、ラジカル重合性、カチオン重合性、あるいはアニオン重合性の各種のモノマー単位を一種類あるいは複数種類含んでいても良い。当該重合性モノマーの具体例としては、例えば、αメチルスチレン、p−メチルスチレン、p−アルコキシスチレン、p−アセトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン(脱保護基反応を利用して合成される)等の各種置換スチレン、無置換スチレン、ビニルナフタレン、アセナフチレン、無水マレイン酸あるいはその誘導体、マレイミド誘導体、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドとその誘導体、各種(メタ)アクリル酸エステル、含フッ素(メタ)アクリル酸エステル、各種含フッ素オレフィン、各種カルボン酸ビニルあるいは各種ビニルエーテル等の様々な重合性モノマーが挙げられる。
本発明の架橋基含有フッ素ポリスチレン誘導体には、式[1]、式[1−1]あるいは式[1−2]で表される繰り返し単位と架橋基含有繰り返し単位以外の繰り返し単位を、本発明の架橋基含有フッ素ポリスチレン誘導体の総質量に対して0質量%以上90質量%以下、0質量%以上60質量%以下あるいは0質量%以上40質量%以下の範囲の量で含んでいても良い。
上記の式[1]で表される繰り返し単位と架橋基含有繰り返し単位以外の繰り返し単位を含む架橋基含有ポリスチレン誘導体の製造方法としては、例えば、1)p−ヒドロキシスチレン単位、架橋基含有繰り返し単位と各種モノマー単位からなる共重合体中のフェノール性水酸基へのCF=CF−[OCFCF(CF)]L1−ORfaのような活性末端基含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物(L,Rfaは式[1−2]と同じ)の付加反応による製造方法、あるいは、2)CH=CY−Ph−[Q−Rf構造を有するモノマー(Y,Q,Rf及びzは式[1]と同じ)、架橋基含有モノマーと各種コモノマーとの共重合による製造方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明に使用される架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体としては、様々な製造方法で製造される様々な構造・シークエンスの重合体が使用可能である。例えば、本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体は、ラジカル共重合、カチオン共重合あるいはアニオン共重合等の様々な共重合方式で製造することが出来る。更には、そのような共重合で製造された共重合体に含まれる反応活性基を他の種類の反応活性基に変換して所望の架橋反応性を有するポリマーを製造することもできる。また、本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体あるいは星型ポリマー等の様々な構造のポリマーが使用可能である。
「前記の式[1]、式[1−1]あるいは式[1−2]で表される繰り返し単位を1質量%以上99質量%以下と架橋基含有繰り返し単位を1質量%以上95質量%以下の範囲で含有する架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体」、あるいは、「前記の<1>ないし<6>項に記載の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の作製に使用される架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体」は、下記のような様々な優れた特性(撥水撥油性、耐熱性、耐候性、密着性、表面硬度等)を有する本発明の新規コーティング膜および新規複合材料を形成するために必須の新規材料である。

<架橋性樹脂組成物溶液>
本発明における架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含有する「架橋性樹脂組成物溶液」とは当該架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含有する架橋反応が可能な組成物を溶解した均一溶液を意味する。
当該架橋性樹脂組成物溶液の例としては、例えば、a)単独で架橋反応が可能な当該架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を溶解した均一溶液、b)当該架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体と当該架橋基と反応する多官能性化合物の混合物を溶解した均一溶液、c)当該架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体と当該架橋基の重合開始剤との混合物を溶解した均一溶液、d)前記のa)〜c)の溶液に更にフッ素系樹脂及び非フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも一種類の他のポリマーを加えた均一溶液、あるいはe)前記のa)〜d)の溶液更に様々な添加剤(樹脂特性改質剤や着色剤等)を加えた均一溶液等が挙げられる。
a)の例としては、例えば、熱架橋可能な置換基(例:エチニル基、エピスルフィド基、トリフルオロビニルオキシ基等)含有体、あるいはUV架橋可能な置換基(メタアクリル基、アクリル基、スチレニル基等)を含有する含フッ素ポリスチレン誘導体等を溶解した均一溶液が挙げられる。
b)の例としては、例えば、エポキシ基やイソシアネート基を架橋基として含有する本発明の含フッ素ポリスチレン誘導体と多価アルコールや多価アミンとの混合物を溶解した均一溶液、フェノール性水酸基や脂肪族アルコール基を架橋基として含有する本発明の含フッ素ポリスチレン誘導体と多価エポキシ化合物や多価イソシアネート基との混合物を溶解した均一溶液、あるいはエステル基含有含フッ素ポリスチレン誘導体と多価アミンの混合物等を溶解した均一溶液が例示される。具体的には、例えば、既存のポリオール含有硬化性塗料のポリオールの替りに各種水酸基を架橋基として含有する本発明の含フッ素ポリスチレン誘導体を添加した均一溶液、あるいは、多価エポキシ化合物や多価イソシアネート基を含有する既存の硬化性塗料のポリオールの替りにエポキシ基やイソシアネート基を架橋基として含有する本発明の含フッ素ポリスチレン誘導体を添加した均一溶液が挙げられる。
c)の例としては、例えば、各種のビニル重合性置換基(メタアクリレート基、アクリレート基、スチレニル基、ビニルエーテル基)を含有する含フッ素ポリスチレン誘導体とその重合開始剤(ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤、各種の光重合開始剤等)を含む混合物、あるいは、各種の開環重合性置換基(エポキシ基、オキセタン基、環状エステル構造含有基、環状アミド構造含有基等)を含有する含フッ素ポリスチレン誘導体とその重合開始剤を含む混合物を溶解した均一溶液が例示される。なお、このタイプの架橋性樹脂組成物の場合には、さらに当該架橋基と共重合可能な単官能性あるいは多官能性のビニル重合性モノマーや開環重合性モノマーを含んでいても良い。
d)に記載の添加樹脂としては溶媒に可溶な様々な樹脂が挙げられる。非フッ素系樹脂の例としては、例えば、ポリスチレンやポリ-α-メチルスチレンのような各種スチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチルのような各種アクリル系樹脂、トリアセチルセルロースのような改質セルロース系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートで代表される各種ポリエステル系樹脂や各種ポリカーボネート系樹脂等の重縮合ポリマー、各種の重付加ポリマー等が挙げられる。また、フッ素系樹脂としては、含フッ素アクリレートポリマーや含フッ素オレフィンのような各種含フッ素ポリマーが挙げられる。当該架橋性樹脂組成物溶液では、添加ポリマーの特性に応じて架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の特性を大きく変性できるので、目的に応じてコーティング膜の特性が調整可能となる。上記の各種の添加樹脂の中でも、特に非フッ素系樹脂の場合が、低コストで優れた表面特性を実現できるので有用である。
e)の例としては、例えば、上記のa)〜d)に記載の溶液に更に各種の樹脂特性改質剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィラー、や着色剤等の各種の添加剤を加えた均一溶液が挙げられる。当該架橋性樹脂組成物溶液は基本的には均一溶液であるが、目的によっては、均一溶液に更にフイラー等の不溶性物質を添加した懸濁溶液でもよい。
これらの「架橋性樹脂組成物溶液」を各種の基材上に塗布した後に、必要に応じて乾燥した後、架橋処理することにより「架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜」や「架橋含フッ素ポリスチレン誘導体でコートされた複合材料」を作製することができる。
本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体は、優れた撥水撥油性を示す含フッ素ポリマーであるにもかかわらず含フッ素有機溶媒だけでなく様々な非フッ素系有機溶媒にも良好な溶解性を示すことが分った。その溶解特性を利用することにより、本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体はフッ素系物質だけでなく様々な非フッ素系物質とも均一溶液を形成することが可能となり、上記の各種の均一な架橋性樹脂組成物溶液が実現出来た。
一方、従来の炭素数が8以上の長鎖で剛直なパーフルオロアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の場合には、高い撥水・撥油性を示す高フッ素含有率ポリマーはフッ素系有機溶媒にしか良好な溶解性を示さない。したがって、長鎖パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、フッ素系溶媒には溶解しない各種の非フッ素系ポリマーとの均一溶液を形成することは困難である。また、例え長鎖パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体に本発明と同様の架橋基を導入したとしても、非フッ素系の多官能性化合物(多価アルコールや多価アミン等)との均一溶液を形成することは困難であるので均一な架橋性組成物形成には大きな制約がある。
したがって、本発明の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含む均一な架橋性樹脂組成物溶液を基材にコートした後に架橋処理して形成される「架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜」および「架橋含フッ素ポリスチレン誘導体でコートされた複合材料」は、従来の長鎖パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体よりなる撥水撥油剤に関する知見からは予測困難であり、本発明者らの検討により初めて実現されたものである。
本発明の架橋性樹脂組成物溶液から揮発性溶剤を除いた不揮発性成分中の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体の含有量は、通常は0.1質量%以上100質量%以下の範囲である。当該不揮発性分における架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体の含有量は、架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体の組成や各種の添加成分の種類、あるいは架橋体に期待される特性等に応じて適宜選択される。すなわち、当該不揮発組成物における架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体の含有量の下限は通常は0.1質量%であるが、特に優れた撥水撥油性を発現するためには、1.0質量%が好ましく、10.0質量%がより好ましく、20.0質量%あるいは40.0質量%が特に好ましい。また、当該架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体の含有量の上限は通常は100質量%であるが、目的とする特性に応じて、99.0質量%、95.0質量%、90.0質量%、70.0質量%あるいは50.0質量%等の上限が選ばれる。
本発明の架橋性樹脂組成物溶液に使用される溶剤は、溶解物質の種類や用途に応じて非ハロゲン系溶剤やハロゲン系溶剤等の各種の溶剤から選択される。非ハロゲン系溶剤としては、例えば、アセトンやメチルエチルケトン(MEK)などのケトン系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、n−ヘキサン、シクロヘキサン、イソヘキサンやn−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、アニソール、ジメチルアニリンやピリジンのようなヘテロ原子含有芳香族系溶媒、トリエチルアミンやジエチルアミンのような窒素原子含有溶媒、ジメチルホルミアミドやジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、ジメチルスルホキシドのようなイオウ原子含有溶媒、ジオキサンやテトラヒドロフラン(THF)等の環状エーテル系溶剤、ジ−n−ブチルエーテルやメチル-t-ブチルエーテル等のエーテル系溶剤、モノグライムやジグライムのようなグライム系溶媒、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブやセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコールやn−ブチルアルコールなどのアルコール系溶剤があげられる。
ハロゲン系溶剤としては、パーフルオロヘキサンやパーフルオロシクロヘキサンのようなパーフルオロカーボン(PFC)系溶媒、CFCFCHFCHFCFやc−Cのようなハイドロフルオロカーボン(HFC)系溶媒、CClFCFCHClFやCFCFCHClのようなハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)系溶媒、COCHやCOCのようなハイドロフルオロエーテル(HFE)系溶媒、パーフルオロポリエーテル(PFPE)系溶媒、ハイドロフルオロポリエーテル(HFPE)系溶媒、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼンやヘキサフルオロベンゼン等の含フッ素芳香族系溶媒などの各種のフッ素系溶剤、あるいはジクロロメタン、トリクロロエチレンやクロロベンゼン等の塩素系溶剤を用いることができる。上記の溶剤は単独で使用される場合もあるし二種類以上の混合溶媒として使用されることもある。
本発明の架橋性樹脂組成物溶液中の溶剤の量は、溶剤以外の架橋性樹脂組成物の性状や用途に応じて適宜選択されるが、溶液の全質量に対して、通常は50質量%以上99.99質量%の範囲から選ばれ、好ましくは70質量%以上99.99質量%の範囲から選ばれ、より好ましくは80質量%以上99.9質量%の範囲から選ばれ、特に好ましくは90質量%以上99.9質量%の範囲から選ばれる。架橋性樹脂組成物溶液中の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体以外の添加成分が液状である場合には溶剤の使用量は少量でもよく、場合によっては液状添加剤を溶剤とみなしても良い場合もある。
<架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜>
本発明の架橋性樹脂組成物溶液を基材にコートした後に架橋処理して架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜を形成することができる。基材への塗布方法は、特に限定されず、ディップ(Dip)、刷毛塗り、スプレー、ディスペンス、ロールコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、ダイコーター等、周知の塗布方法を用いることができる。本発明の架橋性樹脂組成物溶液を基材にコートした後、(必要に応じて乾燥した後、)各種の架橋方式により架橋することにより「架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜」および「架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜で基材がコートされた複合材料」が作製される。当該架橋方式としては各種の架橋方式が採用可能であり、その例としては例えば、熱架橋方式(重付加反応あるいは重縮合反応等の利用)、光架橋方式、UV架橋方式、EB硬化方式、湿気架橋方式、湿熱架橋方式などが挙げられる。
<基材の種類とその形状>
本発明の架橋性樹脂組成物溶液を塗布する対象基材としては、種々の材料からなる種々の形状の各種基材を用いることができる。本発明の架橋性樹脂組成物溶液を各種基材に塗布した後、乾燥及び架橋処理して形成される「架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜」および「架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜で基材がコートされた複合材料」は、様々な優れた特性を有し、その特性に応じて様々な用途に使用される新タイプの高性能材料である。
本発明に使用される基材としては、例えば以下の材料からなる基材が挙げられる。
(i)有機材料製基材:アクリル樹脂製基材(ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリアクリル酸メチル(PMA)をはじめとする各種(メタ)アクリル酸エステルの重合体やそれらの共重合体等)、ポリカーボネート(PC)樹脂製基材(ビスフェノール−A系PC、フルオレンジオール系PC等)、エステル系樹脂製基材(ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステルやトリアセチルセルロース(TAC)のようなセルロースエステル系樹脂等)やポリスチレン系樹脂製基材(スチレンや各種置換スチレン(α−メチルスチレンやp−メチルスチレン等)の重合体やそれらの共重合体等)等の各種有機樹脂製基材、あるいはエポキシ樹脂やウレタン樹脂等の各種の有機樹脂製の塗料・コーティング剤を各種基材に塗布して形成された有機材料被覆基材等。
各種の有機材料製基材の中でも、アクリル樹脂製基材、ポリカーボネート樹脂製基材、エステル系樹脂製基材およびポリスチレン系樹脂製基材が幅広い用途があるので重要であり、特にこれらの樹脂からなる透明樹脂製基材が高性能光学材料として重要である。
(ii)無機材料製基材
(ii−1)金属製基材:SUS304、SUS430等のステンレス鋼製基材、鉄製の基材あるいは銅製基材等。
(ii―2)セラミックス製基材:シリカ、シリカ・アルミナ、アルミナ、ジルコニア、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、フェライト、酸化亜鉛、シリコン、炭化ケイ素、あるいはチタン酸バリウム等の各種基材。
各種の無機材料製基材の中では、金属製基材が幅広い用途があるので特に有用である。
本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜でコートされた複合材料の形成に適した基材の形状、あるいは本発明の架橋性樹脂組成物溶液により表面特性が改良される基材の形状としては、成型体状、平板状、曲面状、フイルム状、パイプ状、ファイバー状材料、織物状、多孔質状等の様々な形状の基材が挙げられる。その中でも、特に成型体状、平板状、曲面状、フイルム状、ファイバー状またはパイプ状の材料が有用である。
その具体的使用例としては、例えば、各種の成型体の表面保護コート材、各種の平面材料やフイルムの表面コート剤、光ファイバーの表面コート材(低屈折率鞘材)、各種の繊維材料(天然繊維や合成繊維)・織物に撥水撥油性を付与する繊維処理材、多孔質建築材料の撥水・防汚コート材等の使用例が挙げられる。
以下に、本発明の「架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜」および「架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜で基材がコートされた複合材料」の表面特性とその評価方法を詳しく説明する。
(撥水・撥油性(接触角))
本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は、撥水・撥油性に優れているので以下の特性を有する。例えば、本発明において、架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含む架橋性樹脂組成物溶液を基材に塗布して乾燥後に架橋処理(硬化)して得られる架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の表面における水の接触角は、100°以上、またはヘキサデカンの接触角が60°以上、もしくは水の接触角が100°以上かつヘキサデカンの接触角が60°以上である。より好ましくは、当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の表面における水の接触角は、110°以上、またはヘキサデカンの接触角が65°以上、もしくは水の接触角が110°以上かつヘキサデカンの接触角が65°以上である。
本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の表面における水の接触角は、100°以上であるが、好ましくは105°以上、より好ましくは110°以上、特に好ましくは120°以上である。また、更に、本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は、条件を選べば更に高い水の接触角を実現することも可能であり、例えば130°程度の接触角を実現することも可能である。また、本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の表面におけるヘキサデカンの接触角は、60°以上であるが、より好ましくは65°以上、特に好ましくは70°以上であり、架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜作製の条件を選べば80°程度の接触角を実現することも可能である。また、本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜で各種の基材がコートされた複合材料の表面も同様の撥水撥油性(接触角)を示す。
本発明における「水及びヘキサデカンに対する接触角」の測定方法を以下に示す。本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の接触角については、接触角測定装置DM−300(協和界面科学製)を用いて、液滴法で純水の静的接触角及びヘキサデカンの静的接触角を計測する。
当該接触角測定用サンプルは、例えば、本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体を含む架橋性樹脂組成物溶液(固形分濃度:0.1質量%以上)に、各種材料からなる基板(長さ75mm×幅25mm、厚さ1mm)を一回ディップして溶液を塗布し、その後、乾燥および架橋処理をして作製することが出来る。
(密着性)
従来から使用されていた長鎖パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート系ポリマーからなる撥水撥油性コーティング膜は、無機材料製基材および有機材料製基材のいずれに対しても密着性が不十分であり、特に有機材料製基材に対しては密着性が極めて不良であるという問題を抱えていた。
それに対して、本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は、無機材料製基材(金属製基材、セラミックス製基材)に対しては勿論のこと各種の有機材料製基材に対しても極めて優れた密着性を示すことが確認された。この結果、本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜を使用することにより、各種の基材(特に有機材料製基材)の表面に優れた撥水撥油性、防汚性や低屈折率性等のフッ素系材料特有の特性だけでなく、優れた安定性、及び密着性を併せ持つ実用性の高いコーティング膜の形成が可能となった。
本発明のコーティング膜の各種材料製基材に対する密着性の測定方法の一例を以下に示す。対象となる架橋性樹脂組成物溶液に、長さ75mm×幅25mm、厚さ1mmの板状の各種材料製基材を一回ディップして溶液を塗布し、無機材料製基材の場合には100℃で1時間乾燥し、有機材料製基材の場合には70℃で3時間乾燥して未架橋試験片を作製した。次に、それぞれの未架橋試験片に対して、その架橋性樹脂組成物の特性に応じて架橋処理操作を実施して試験片とした。
試験片に、JIS K 5600用の25枡治具を使用し、クラフトナイフで碁盤目状に切れ込みを入れ、セロハンテープ(ニチバン製、24mm幅)を貼り付けた。次に、消しゴムでセロハンテープを基材に押し付けて密着させた後、セロハンテープを基材に対し直角上方へ引き剥がし、その後、架橋コーティング膜を観察し、架橋コーティング膜の剥がれ・浮き・割れが無い枡を数え、その個数で密着性を評価した。
本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は、上記の密着性評価法で、有機材料製基材および無機材料製基材(金属製基材、セラミック製基材)のいずれに対しても極めて優れた接着性(25枡中24枡以上)をしめす。
例えば、本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は、ガラス製基材等のセラミックス製基材、ステンレス鋼(例えばSUS304)製基材、鉄製基材、銅製基材等の金属製基材、あるいはアクリル樹脂製基材、ポリカーボネート樹脂製基材、エステル系樹脂製基材およびポリスチレン系樹脂製基材等の各種の有機材料製基材に対しては、少なくとも25枡中24枡以上の優れた密着性を示し、大部分の場合には25枡中25枡の密着性を示す。
一方、従来のパーフルオロオクチル基あるいはパーフルオロヘキシル基含有メタクリレートポリマーのコーティング膜の無機材料製基材に対する密着性は不十分であり、特に有機材料製基材に対する密着性は25枡中10枡以下(ポリカーボネート樹脂製基材)であって極めて不十分であった。
したがって、上記の本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜が、アクリル樹脂製基材、ポリカーボネート樹脂製基材およびポリスチレン系樹脂製基材から選ばれる少なくとも一種の有機材料製基材(工業的に有用な有機材料製基材)に対する密着性評価試験で残存枡の数が、25枡中24枡以上であること、更には25枡中25枡であることは実用的に極めて重要な特長である。
以上のように、優れた撥水・撥油性と各種基材に対する優れた密着性とを併せ持つコーティング膜は本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜により初めて実現されたと言える。特に、各種の有機材料基材に対する優れた接着性は、各種の有機材料の高機能化を実現可能とするものであり極めて重要な特性である。
<鉛筆(引っかき)硬度>
本発明における各種材料表面の鉛筆硬度の測定方法を以下に示す。
JIS K 5600―5―4に準拠し、鉛筆引っかき試験器(コーティングテスター工業製)を用いて評価を実施した。
各種コーティング膜の鉛筆硬度試験の結果は、その基材の種類により左右される場合が多い。したがって、本発明における有機材料表面の鉛筆硬度は、特に説明が無い場合には平面状のアクリル基板または平面状のポリカーボネート(PC)基板の表面にコートしたコーティング膜の鉛筆硬度を採用する。なお、架橋温度が100℃以上や140℃以上のような高い温度ではアクリル基板やPC基板が変形してしまう場合があるので、このような場合にはSUS304ステンレス鋼のようなステンレス鋼製平面基板の表面にコートしたコーティング膜の鉛筆硬度を採用することがある。
本発明で使用される架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含む未架橋のコーティング膜の上記の方法で測定した鉛筆硬度が6B以下である場合でも、架橋処理することにより容易に鉛筆硬度が3B以上の硬度の実用的な架橋コーティング膜が形成される。また、更に、鉛筆硬度がHB以上の硬度、F以上の硬度あるいはH以上の硬度も実現可能である。
(耐熱性)
本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は以下のような優れた耐熱特性を示す。すなわち、本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜を大気中、250℃の温度条件で3時間加熱した後の表面の水の接触角は、通常は加熱前の表面の接触角の90%以上を示し、更には95%以上あるいは97%以上の接触角保持率も容易に実現可能である。
(耐候性)
本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は極めて優れた耐候性を示す。すなわち、本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜を下記の500時間の耐侯性試験に晒した後の、水の接触角の保持率は試験前の表面の接触角に対して93%以上であり、更には95%以上あるいは97%以上の保持率も容易に実現可能である。一方、従来のパーフルオロオクチルエチルメタクリレート系撥水・撥油剤のコーティング膜の耐候性試験後の水の接触角の保持率は70%付近であり不十分であった。このように、本発明の硬化塗膜は従来のパーフルオロオクチルエチルメタクリレート系撥水・撥油剤に比べて極めて優れた耐候性を示すことが確認された。
本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の耐候性の評価方法を以下に示す。JIS B 7754の「キセノンアークランプ式耐光性及び耐候性試験機」で規定された試験機を用い、JIS K 7350―2:2008の「プラスチック−実験室光源による暴露試験方法第2部「キセノンアークランプ」に記載の試験条件(サイクルNo8 暴露サイクル:連続照射、暴露時間:500時間、放射照度:50W/m2、ブラックスタンダード温度:65℃、相対湿度:50%)の耐候性試験を実施した。耐候性試験後のサンプル表面の水の接触角を測定し、耐候性試験前のサンプル表面の水の接触角と比較し、その保持率で耐候性を評価した。
<各種コーティング膜及び複合材料の表面特性の評価方法>
1)非平面状基材上のコーティング膜の特性評価
表面にコーティング膜を備えた複合材料の形状が平面状でない場合には上記の評価方法での接触角測定、密着性試験および鉛筆硬度試験ができない。したがって、その場合には、本発明においては、非平面状基材上のコーティング膜の特性評価は以下の方法での評価結果で代替するものとする。
・接触角の測定:対象の非平面状の複合材料の基材と同質の材料で形成された平面状基材へのコーティング膜の表面の水やヘキサデカンの接触角が、本発明の接触角の要件を満たせば良いものとする。
なお、非平面状の複合材料の基材上のコーティング膜の耐熱性評価における水の接触角の保持率の評価は、下記の2)に記載のようにSUS304ステンレス鋼製平面基板上のコーティング膜の水の接触角の保持率の評価結果で代替することとする。
また、非平面状の複合材料の基材上のコーティング膜の耐候性評価における水の接触角の保持率の評価は、下記の3)に記載のようにSUS304ステンレス鋼製平面基板上のコーティング膜の水の接触角の保持率の評価結果で代替することとする。
・密着性試験:非平面状の複合材料の基板上のコーティング膜の密着性試験結果は、対象の非平面状の複合材料の基材と同質の材料で形成された平面状基材へのコーティング膜の密着性試験結果で代替することとする。
・鉛筆硬度試験:非平面状の複合材料の基材上のコーティング膜の鉛筆硬度試験結果は、平面状のアクリル基板又はPC基板の表面にコートしたコーティング膜の鉛筆硬度試験結果で代替することとする。
2)本発明の各種コーティング膜の耐熱性評価
本発明の各種コーティング膜および本発明の複合材料を形成する各種コーティング膜の耐熱性評価は、耐熱性(高温での特性の安定性)を加速評価するために「大気中250℃」という極めて厳しい温度条件での評価方法を採用している。この温度条件では基材が有機材料製基材の場合には多くの有機材料基材が変質あるいは変形してしまうので、特に説明が無い場合には各種の基材上の各種コーティング膜の耐熱性評価は、SUS304ステンレス鋼製平面基板上の前記コーティング膜と同一の材料からなるコーティング膜の耐熱性評価結果(水の接触角の保持率)で判断することとする。
3)本発明の各種コーティング膜の耐候性評価
本発明の各種コーティング膜および本発明の複合材料を形成する各種コーティング膜の
耐候性評価も、厳しい加速条件下での評価方法を採用しているので、SUS304ステンレス鋼製平面基板上の前記コーティング膜と同一の材料からなるコーティング膜の耐候性評価結果(水の接触角の保持率)で判断することとする。
<架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜とその複合材料の用途>
本発明の架橋性樹脂組成物を基材にコートした後に架橋処理して形成される架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は、各種の基材の表面に優れた撥水撥油性、防汚性や低屈折率性等のフッ素系材料特有の特性だけでなく、従来の含フッ素ポリアクリレート系樹脂には無い優れた安定性(耐熱性、耐候性、耐湿性、耐加水分解性、耐溶剤性等)や優れた密着性も併せ持つ実用性の高いコーティング膜を提供するものであり極めて有用である。また、本発明の架橋性樹脂組成物溶液を基材にコートした後に架橋処理して形成される架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜でコートされた複合材料も、その表面に上記のコーティング膜の特性を具備するものであり極めて有用である。
以下に、本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の特性を活かした具体的用途の例を挙げるがこれに限定するものではない。
1)屋外用途向け塗料
本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の優れた耐候性と安定性(耐熱性、耐加水分解性)を活かした屋外用途向け塗料(架橋コーティング膜)
例)防塩害・防食塗料、屋外構造物の防汚・防食(防錆)塗料、住宅外装用塗料、自動車用防食塗料、自動車用補修用塗料、列車・航空機用防汚・防食塗料、船舶用塗料、港湾関連建造物用塗料、温泉地関連建造物用塗料、農業関連建造物用塗料、橋梁用塗料、各種インフラ用塗料、各種屋外構造物・土木構造物用塗料等
2)透明樹脂製基材用コーティング膜
本発明の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は前記のように金属材料製基材やセラミックス製材料基材だけでなく各種の有機材料製基材に対しても優れた密着性を示すのが大きな特長である。有機材料製基材の中でも、特に透明アクリル樹脂製基材、透明ポリカーボネート樹脂製基材、および透明エステル系樹脂製基材のような透明樹脂製基材の場合には、以下のようなメリットがあり有用である。
i)従来の含フッ素ポリアクリレート系樹脂では実現できなかった有機材料基材との極めて優れた密着性を示す。
ii)従来の含フッ素ポリアクリレート系樹脂では実現できなかった優れた安定性(耐熱性、耐候性、耐湿性、耐加水分解性、耐溶剤性等)を示す。
iii)架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は透明性に優れるので各種の透明樹脂基材からなる透明光学樹脂製品の表面特性改良(撥水撥油性、防汚性、低屈折率性等の付与)に適している。
上記の様々なメリットを備えた「透明樹脂製基材表面に形成された架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜」および「透明樹脂製基材が架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜でコートされた複合材料」は、特に有機光学樹脂製品やその部材の表面特性改良用途(撥水撥油性付与材、防汚処理材、耐溶剤性付与材、反射防止材、プラスチック光ファイバー用低屈折率鞘材等)に有用である。
3)その他用途
本発明の架橋性樹脂組成物溶液を各種の基材にコートした後に架橋処理して形成される架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜は、その優れた表面特性と耐久性・化学的安定性を活かして以下のような幅広い用途に適用可能である。
例)電子基板の防湿コーティング剤、塩水・電解液・腐食性ガス等から基材を保護する耐薬品保護コーティング剤、マイクロモーターの軸受けに用いる潤滑オイルの拡散を防止するオイルバリア剤、HDDモーターの流体軸受けに用いる潤滑オイルの拡散を防止するオイルバリア剤、サインペン・ボールペン等のインクの漏れを防止する漏れ防止剤、コネクタ・電子部品等の汚れ防止剤、絶縁樹脂の這い上がり防止剤、MFコンデンサのリード封止樹脂の付着防止剤、金属部品の防錆剤、DVD・CD等のガイドレール用のドライ潤滑剤、表面反射防止コート剤、防水スプレー原液、防錆塗料、電子機器筐体塗料、玩具塗料等。
<実施例>
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
−共重合体の作製−
下記式[S−1]に示される共重合体Aを、以下に示される方法で作製した。
Figure 0006569049
1Lのセパラブルフラスコ、3つ口フタ、撹拌機、撹拌翼、滴下ロート、温調付きウォーターバスを用意した。ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(商品名「マルカリンカーM」、丸善石油化学株式会社製、Mw=4,000)を120g(p−ヒドロキシスチレン単位として1.00モル)、ジメチルスルホキシド(DMSO)を300gに加え、60℃で加熱撹拌して溶解し、60℃に保ちつつ50%のKOH水溶液20.0mlを加えて5時間撹拌した。次に15℃に冷却し、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(FVE)を240g(0.90モル)加えて24時間撹拌した。反応液を多量の水へあけ沈殿した樹脂をバットへ移し、60℃で24時間真空乾燥して略収率100%でポリスチレン誘導体を得た。この反応の結果、CFCFCFOCHFCFO―基をp−(パラ)位に有するスチレンユニットとOH基をp−(パラ)位に有するスチレンユニットのモル比が90:10(質量比が97:3)である共重合体Aが得られた。
−硬化性樹脂組成物X1の作製−
上記共重合体Aを10質量部と、硬化性樹脂である旭化成株式会社製デュラネートTPA−100(登録商標)(イソシアヌレート型三官能イソシアネート。以下、デュラネートTPA−100と表記する場合がある)を1.4質量部とをメチルエチルケトン(MEK)10質量部に溶解し、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物溶液X1)。なお、硬化性樹脂組成物X1(共重合体A及び硬化性樹脂)中の共重合体Aの割合は、88質量%であった。また、硬化性樹脂組成物X1における、共重合体A中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:1である。
(実施例2)
−硬化性樹脂組成物X2の作製−
デュラネートTPA−100(イソシアヌレート型三官能イソシアネート)の添加量を2.1質量部に変更したこと以外は、上記実施例1と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物溶液X2)。なお、硬化性樹脂組成物X2(共重合体A及び硬化性樹脂)中の共重合体Aの割合は、83質量%であった。また、硬化性樹脂組成物X2における、共重合体A中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:1.5である。
(実施例3)
−硬化性樹脂組成物X3の作製−
デュラネートTPA−100(イソシアヌレート型三官能イソシアネート)の添加量を2.8質量部に変更したこと以外は、上記実施例1と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物溶液X3)。なお、硬化性樹脂組成物X3(共重合体A及び硬化性樹脂)中の共重合体Aの割合は、78質量%であった。また、硬化性樹脂組成物X3における、共重合体A中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:2である。
(試験サンプルの作製)
後述する各評価試験のために、以下に示される方法で試験サンプル(試験片)を作成した。上記の実施例1〜3の各硬化性樹脂組成物溶液X1、X2及びX3を、それぞれポリカーボネート(PC)板(100mm×120mm、厚さ1.5mm)に♯20バーコーターでそれぞれ塗布し、120℃、60分の加熱を行ってポリカーボネート(PC)板に硬化塗膜が形成されてなる試験サンプル(試験片)を得た。
その他、同一サイズのアクリル板、ポリエチレンテレフタレート(PET)板についても同様に塗布し、60℃、48時間の各条件で加熱を行って試験サンプル(試験片)を作製した。
(比較例1)
上記共重合体A10質量部をメチルエチルケトン(MEK)10質量部に溶解し、均一溶解溶液を得た(溶液K)。なお、比較例1中の共重合体Aの割合は、100質量%であった。
(比較例2)
1Lのセパラブルフラスコ、3つ口フタ、撹拌機、撹拌翼、温調付きウォーターバスを用意した。フラスコにパーフルオロオクチルエチルメタクリレート(PFOEMA)70質量部とメチルメタクリレート30質量部、ヘキサフルオロメタキシレン200質量部、アゾビスイソブチロニトリル2質量部に加え、60℃で加熱撹拌して溶解し、75℃に保ちつつ8時間撹拌した。次に15℃に冷却し、ノルマルヘキサン350質量部を加え良く攪拌した後に一晩静置した。沈殿物をろ別回収し60℃で24時間真空乾燥して略収率100%でフッ素化アクリル樹脂(共重合体C)を得た。
この重合体CはMEKに溶解しなかった。共重合体Cを2質量部、HCFC(旭硝子製アサヒクリン(登録商標)AK−225)98質量部に溶解し、均一溶液を得た(溶液L)。
(比較例3)
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(PFOEMA)70質量部をパーフルオロヘキシルエチルメタクリレート(PFHEMA)70質量部に変更した他は比較例2と同様に実施し略収率100%で共重合体Dを得た。
この共重合体DはMEKに溶解しなかった。共重合体Dを2質量部、HCFC(旭硝子製アサヒクリン(登録商標)AK−225)98質量部に溶解し、均一溶液を得た(溶液M)。
なお、比較例1〜3についても、上記各実施例と同様に、各比較例の溶液K,L,Mからなる塗膜を支持基板上に形成した試験サンプルを作製した。
〔評価1:撥水・撥油性(接触角)〕
各実施例及び各比較例の塗膜について、以下に示される方法により、水及びヘキサデカン(HD)に対する接触角を測定した。具体的には、各実施例及び各比較例の塗膜の接触角を、接触角測定装置(DM−300、協和界面科学株式会社製)を用いて、液滴法で純粋の静的接触角及びヘキサデカン(HD)の静的接触角を計測した。各実施例及び各比較例の評価結果は、表1に示した。
〔評価2:耐熱性試験〕
各実施例及び各比較例の塗膜について、以下に示される方法により、耐熱性を評価した。具体的には、各実施例及び各比較例の塗膜を、大気中、250℃の温度条件で24時間加熱した後、その塗膜表面の水の接触角を測定し、耐熱性試験前のサンプル表面(塗膜表面)の水の接触角と比較し、その保持率で耐熱性を評価した。水の接触角は、上記接触角測定装置を用いた。結果は、表1に示した。
〔評価3:密着性〕
各実施例及び各比較例の塗膜について、以下に示される方法により、各種支持基板(PC板、アクリル板、PET板)に対する密着性を評価した。具体的には、JIS K 5600用の25枡治具を使用しつつ、測定サンプルの塗膜にクラフトナイフで碁盤目状に25分割されるように切れ込みを入れた。次いで、切れ込みの入った塗膜に、セロハンテープ(24mm幅、ニチバン株式会社製)を貼り付け、そのセロハンテープを消しゴムで押し付ける形で支持基板に密着させた。続いて、セロハンテープを支持基板(塗膜)に対して直角上方へ引き剥がし、その後、支持基板上の塗膜を目視で観察して、塗膜の剥がれ・浮き・割れ等の欠陥の無い枡を数え、その枡の個数で密着性を評価した。評価結果は、表1に示した。なお、表1の空欄部分は、密着性の評価を行っていないことを意味する。
〔評価4:鉛筆硬度〕
各実施例及び各比較例の塗膜について、以下に示される方法により、鉛筆(引っかき)硬度を測定した。具体的には、JIS K 5600−5−4に準拠し、鉛筆引っかき試験器(コーティングテスター工業株式会社製)を用いて、各塗膜の鉛筆硬度を測定した。なお、鉛筆硬度の測定では、測定サンプルの支持基板として、PC板、アクリル板、PET板を用いた。測定結果は、表1に示した。なお、表1の空欄部分は、鉛筆硬度の測定を行っていないことを意味する。
Figure 0006569049
各実施例の塗膜は、各比較例の塗膜と比べて耐熱性に優れ、自動車・産業機器等への使用が可能であり実用上有用であることが確かめられた。
また、各実施例の塗膜は、比較例2,3の塗膜と比べ密着性に優れており、実用上有用であることが確かめられた。
また、各実施例の塗膜は、各比較例の塗膜と比べ鉛筆硬度に優れており、外装用途等に有用であることが確かめられた。
(実施例4)
−共重合体の作製−
下記式[S−2]に示される共重合体Bを、以下に示される方法で作製した。
Figure 0006569049
1Lのセパラブルフラスコ、3つ口フタ、撹拌機、撹拌翼、温調付きウォーターバスを用意した。フラスコに4―[1,1,2―トリフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3―ヘキサフルオロ―2―(1,1,2,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロポキシ) プロポキシ]--エトキシ]スチレン100質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.6質量部、ヘキサフルオロメタキシレン200質量部、アゾビスイソブチロニトリル2.4質量部に加え、60℃で加熱撹拌して溶解し、75℃に保ちつつ8時間撹拌した。次に15℃に冷却し、ノルマルヘキサン300質量部を加え良く攪拌した後に一晩静置した。沈殿物をろ別回収し60℃で24時間真空乾燥して略収率100%でポリスチレン誘導体を得た。この反応の結果、スチレンユニットとメタクリレートユニットのモル比が90:10である共重合体Bを得た。
−硬化性樹脂組成物Y1の作製−
上記共重合体Bを6質量部と、硬化性樹脂である旭化成(株)製デュラネートTPA−100(イソシアヌレート型三官能イソシアネート)を0.2質量部とをメチルエチルケトン(MEK)14質量部に溶解し、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物溶液Y1)。なお、硬化性樹脂組成物Y1(共重合体B及び硬化性樹脂)中の共重合体Bの割合は、97質量%であった。また、硬化性樹脂組成物Y1における、共重合体B中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:1である。
(実施例5)
−硬化性樹脂組成物Y2の作製−
デュラネートTPA−100(イソシアヌレート型三官能イソシアネート)の添加量を0.3質量部に変更したこと以外は、上記実施例4と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物溶液Y2)。なお、硬化性樹脂組成物Y2(共重合体B及び硬化性樹脂)中の共重合体Bの割合は、95.2質量%であった。また、硬化性樹脂組成物Y2における、共重合体B中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:1.5である。
(実施例6)
−硬化性樹脂組成物Y3の作製−
デュラネートTPA−100(イソシアヌレート型三官能イソシアネート)の添加量を0.4質量部に変更したこと以外は、上記実施例4と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物溶液Y3)。なお、硬化性樹脂組成物Y3(共重合体B及び硬化性樹脂)中の共重合体Bの割合は、93.8質量%であった。また、硬化性樹脂組成物Y3における、共重合体B中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:2である。
(比較例4)
上記共重合体B6質量部をメチルエチルケトン(MEK)14質量部に溶解し、均一溶解溶液を得た(溶液N)。なお、樹脂組成物(共重合体B及び硬化性樹脂)中の共重合体Bの割合は、100質量%であった。
(試験サンプルの作製)
後述する各評価試験のために、以下に示される方法で試験サンプル(試験片)を作成した。上記の実施例4〜6の各硬化性樹脂組成物溶液Y1、Y2及びY3を、それぞれポリカーボネート(PC)板(100mm×120mm、厚さ1.5mm)に♯20バーコーターでそれぞれ塗布し、120℃、60分の加熱を行ってポリカーボネート(PC)板に硬化塗膜が形成されてなる試験サンプル(試験片)を得た。
また、比較例4についても、上記各実施例と同様に、比較例の溶液Nからなる塗膜を支持基板(PC板)上に形成した試験サンプルを作製した。
〔評価5:撥水・撥油性(接触角)〕
実施例4〜6の塗膜について、上述した評価1の測定方法と同様にして、水及びヘキサデカン(HD)に対する接触角を測定した。結果は、表2に示した。
〔評価6:密着性〕
実施例4〜6の塗膜について、上述した評価3の方法と同様にして、PC板に対する密着性を評価した。結果は、表2に示した。
表2には、上述した比較例2〜4の結果も併せて示した。なお、実施例4〜6のPC基板上の硬化塗膜は、いずれもHB以上の鉛筆硬度を示した。
Figure 0006569049
表2に示されるように、比較例4の密着性の評価は、塗膜の粘着性が高く、塗膜がべたついているため測定不能という結果になった。
実施例4〜6の塗膜は、比較例2と比較しても、高い接触角を示し、環境対応かつ高撥水撥油性を持つ材料として非常に有用であることが確かめられた。また更に、実施例4〜6の塗膜は、密着性にも優れており、外装用コーティング材等の各種のコーティング材への適用が可能であり実用上有用であることが確かめられた。
(実施例7)
−共重合体C11の作製−
1Lのセパラブルフラスコ、3つ口フタ、撹拌機、撹拌翼、温調付きウォーターバスを用意した。フラスコに4−[1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロポキシ)エトキシ]スチレン(以下、モノマーAと表記する場合がある)96.4質量部、ヒドロキシプロピルアクリレート(以下、HPAと表記する場合がある)3.6質量部、ヘキサフルオロメタキシレン200質量部、アゾビスイソブチロニトリル2.4質量部に加え、60℃で加熱撹拌して溶解し、75℃に保ちつつ8時間撹拌した。次に15℃に冷却し、ノルマルヘキサン300質量部を加え良く攪拌した後に一晩静置した。沈殿物をろ別回収し60℃で24時間真空乾燥して略収率100%でポリスチレン誘導体を得た。この反応の結果、含フッ素スチレンユニットとHPAユニットのモル比が90:10である共重合体C11を得た。
−硬化性樹脂組成物K11の作製− 上記共重合体C11を9質量部と、硬化性樹脂であるデュラネートTPA−100を0.62質量部とをプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGM−Acと表記する場合がある)20質量部に溶解し、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物溶液K11)。なお、硬化性樹脂組成物K11における、共重合体C11中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:1.5である。
(実施例8)
−共重合体C12の作製−
モノマーAの添加量を87.4質量部、HPAの添加量を12.6質量部に変更した以外は、上記実施例7と同様にして、含フッ素スチレンユニットとHPAユニットのモル比が70:30である共重合体C12を得た。
−硬化性樹脂組成物K12の作製−
共重合体C11の代わりに上記共重合体C12を9質量部使用し、デュラネートTPA−100の添加量を2.15質量部に変更したこと以外は、上記実施例7と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物K12)。なお、硬化性樹脂組成物K12における、共重合体C12中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:1.5である。
(実施例9)
−共重合体C13の作製−
モノマーAの添加量を74.8質量部、HPAの添加量を25.2質量部に変更した以外は、上記実施例7と同様にして、含フッ素スチレンユニットとHPAユニットのモル比が50:50である共重合体C13を得た。
−硬化性樹脂組成物K13の作製−
共重合体C11の代わりに上記共重合体C13を9質量部使用し、デュラネートTPA−100の添加量を4.39質量部に変更したこと以外は、上記実施例7と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物K13)。なお、硬化性樹脂組成物K3における、共重合体C13中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:1.5である。
(実施例10)
−共重合体C14の作製−
モノマーAの添加量を66.4質量部、HPAの添加量を33.6質量部に変更した以外は、上記実施例7と同様にして、含フッ素スチレンユニットとHPAユニットのモル比が40:60である共重合体C14を得た。
−硬化性樹脂組成物K14の作製−
共重合体C11の代わりに上記共重合体C14を9質量部使用し、デュラネートTPA−100の添加量を5.85質量部に変更したこと以外は、上記実施例7と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物K14)。なお、硬化性樹脂組成物K14における、共重合体C15中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:1.5である。
(実施例11)
−共重合体C15の作製−
モノマーAの添加量を56.0質量部、HPAの添加量を44.0質量部に変更した以外は、上記実施例7と同様にして、含フッ素スチレンユニットとHPAユニットのモル比が30:70である共重合体C15を得た。
−硬化性樹脂組成物K15の作製−
共重合体C11の代わりに上記共重合体C15を9質量部使用し、デュラネートTPA−100の添加量を7.67質量部に変更したこと以外は、上記実施例7と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物K15)。なお、硬化性樹脂組成物K15における、共重合体C15中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:1.5である。
(実施例12)
−共重合体C21の作製−
モノマーAの添加量を94.6質量部とし、HPAの代わりに1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(以下、CHDMMAと表記する場合がある)を5.4質量部添加した以外は、上記実施例7と同様にして、含フッ素スチレンユニットとCHDMMAユニットのモル比が90:10である共重合体C21を得た。
−硬化性樹脂組成物K21の作製−
共重合体C11の代わりに上記共重合体C21を9質量部使用し、デュラネートTPA−100の添加量を0.60質量部に変更したこと以外は、上記実施例7と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物K21)。なお、硬化性樹脂組成物K21における、共重合体C21中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:1.5である。
(実施例13)
−共重合体C22の作製−
モノマーAの添加量を82.0質量部とし、CHDMMAの添加量を18.0質量部とした以外は、上記実施例12と同様にして、含フッ素スチレンユニットとCHDMMAユニットのモル比が70:30である共重合体C22を得た。
−硬化性樹脂組成物K22の作製−
共重合体C21の代わりに上記共重合体C22を9質量部使用し、デュラネートTPA−100の添加量を2.06質量部に変更したこと以外は、上記実施例12と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物K22)。なお、硬化性樹脂組成物K22における、共重合体C22中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:1.5である。
(実施例14)
−共重合体C23の作製−
モノマーAの添加量を66.1質量部とし、CHDMMAの添加量を33.9質量部とした以外は、上記実施例12と同様にして、含フッ素スチレンユニットとCHDMMAユニットのモル比が50:50である共重合体C23を得た。
−硬化性樹脂組成物K23の作製−
共重合体C21の代わりに上記共重合体C23を9質量部使用し、デュラネートTPA−100の添加量を3.88質量部に変更したこと以外は、上記実施例12と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物K23)。なお、硬化性樹脂組成物K23における、共重合体C23中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:1.5である。
(実施例15)
−共重合体C31の作製−
モノマーAの添加量を86.2質量部とし、HPAの代わりに4−ヒドロキシブチルアクリレート(以下、4HBAと表記する場合がある)を13.8質量部添加した以外は、上記実施例7と同様にして、含フッ素スチレンユニットと4HBAユニットのモル比が70:30である共重合体C31を得た。
−硬化性樹脂組成物K31の作製−
共重合体C11の代わりに上記共重合体C31を9質量部使用し、デュラネートTPA−100の添加量を2.06質量部に変更したこと以外は、上記実施例7と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物K31)。なお、硬化性樹脂組成物K31における、共重合体C31中の水酸基の量とデュラネートTPA−100中のイソシアネート基の量のモル比は1:1.5である。
(試験サンプルの作製)
後述する各評価試験のために、以下に示される方法で試験サンプル(試験片)を作成した。上記の実施例7〜15の各硬化性樹脂組成物溶液K11〜K15、K21〜K23、並びにK31を、ポリカーボネート(PC)板(100mm×120mm、厚さ1.5mm)に♯20バーコーターでそれぞれ塗布し、120℃、60分の加熱を行ってポリカーボネート(PC)板に硬化塗膜が形成されてなる試験サンプル(試験片)を得た。
(比較例7〜15)
上記の実施例7〜15の各硬化性樹脂組成物溶液K11〜K15、K21〜K23、並びにK31を、ポリカーボネート(PC)板(100mm×120mm、厚さ1.5mm)に♯20バーコーターでそれぞれ塗布し、硬化反応を行っていない未硬化塗膜からなる試験サンプルを作製し、それぞれ比較例7〜15とした。
〔評価6:撥水・撥油性(接触角)〕
実施例7〜15および比較例7〜15の試験サンプルについて、上述した評価1の測定方法と同様にして、水及びヘキサデカン(HD)に対する接触角を測定した。結果は、表3に示す。
〔評価7:密着性〕
実施例7〜15および比較例7〜15の試験サンプルについて、上述した評価3の方法と同様にして、PC板に対する密着性を評価した。結果は、表3に示した。
〔評価8:鉛筆硬度〕
実施例7〜15および比較例7〜15の試験サンプルについて、上述した評価4の方法と同様にして、鉛筆(引っかき)硬度を評価した。結果は、表3に示した。
Figure 0006569049
各実施例の塗膜は、各比較例の塗膜と比べて特に鉛筆硬度において優れており、外装用途等に有用であることが確かめられた。
〔評価9:耐熱性試験〕
実施例7〜8の試験サンプルについて、上述した評価2の方法と同様にして、耐熱性を評価した。結果は、表4に示した。
〔評価10:耐候性試験〕
実施例7〜8の試験サンプルについて、以下に示される方法により、耐候性を評価した。結果は、表4に示した。具体的には、各実施例及び各比較例の塗膜について、JIS B 7754の「キセノンアークランプ式耐光性及び耐候性試験機」で規定された試験機を用い、JIS K 7350―2:2008の「プラスチック−実験室光源による暴露試験方法第2部「キセノンアークランプ」に記載の試験条件(サイクルNo8 暴露サイクル:連続照射、暴露時間:500時間、放射照度:50W/m2、ブラックスタンダード温度:65℃、相対湿度:50%)の耐候性試験を実施した。耐候性試験前および後のサンプル表面の水の接触角を測定し、耐候性試験前のサンプル表面の水の接触角と比較し、その保持率で耐候性を評価した。接触角は、評価1に記載の方法により測定し、結果は、表4に示した。
Figure 0006569049
各実施例の塗膜は、耐熱性および耐候性に優れ、自動車・産業機器等への使用が可能であり実用上有用であることが確かめられた。
〔評価11:溶剤ラビング試験〕
実施例7〜8および実施例13、並びに比較例7〜8および比較例13の試験サンプルについて、溶剤ラビング試験により耐溶剤性を評価した。溶剤ラビング試験は、各種溶剤を含浸したウエスに500gの荷重を掛けて各試験サンプルの表面を100往復擦過し、その前後で接触角の変化を測定することにより行った。結果は、表5に示した。
Figure 0006569049
各実施例の塗膜は、耐溶剤性に優れており、実用上有用であることが確かめられた。各比較例の塗膜は、対応する各実施例の塗膜と比較して、全て耐溶剤性に劣る結果となった。架橋によって、水ラビングおよび溶剤ラビングによる接触角低下が大きく抑制されており、架橋体とすることで耐溶剤性が改善していることが確認された。
(実施例16)
−共重合体D11の作製−
モノマーAの添加量を96.1質量部とし、HPAの代わりに昭和電工株式会社製カレンズAOI(登録商標)(2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート。以下、カレンズAOIと表記する場合がある)を3.9質量部添加した以外は、上記実施例7と同様にして、含フッ素スチレンユニットとカレンズAOIユニットのモル比が90:10である共重合体D11を得た。
−硬化性樹脂組成物L11の作製−
共重合体C11の代わりに上記共重合体D11を9質量部使用し、デュラネートTPA−100の代わりに丸善石油化学株式会社製「マルカリンカー」CST−50(スチレン−ヒドロキシスチレン共重合物。以下、CST−50と表記する場合がある)を0.40質量部添加したこと以外は、上記実施例7と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物L11)。なお、硬化性樹脂組成物L11における、共重合体D11中のイソシアネート基の量とCST−50中の水酸基の量のモル比は1.5:1である。
(実施例17)
−共重合体D12の作製−
モノマーAの添加量を86.5質量部、カレンズAOIの添加量を13.5質量部に変更した以外は、上記実施例16と同様にして、含フッ素スチレンユニットとカレンズAOIユニットのモル比が70:30である共重合体D12を得た。
−硬化性樹脂組成物L12の作製−
共重合体D11の代わりに上記共重合体D12を9質量部使用し、CST−50の添加量を1.40質量部に変更したこと以外は、上記実施例16と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物L12)。なお、硬化性樹脂組成物L12における、共重合体D12中のイソシアネート基の量とCST−50中の水酸基の量のモル比は1:1.5である。
(実施例18)
−共重合体D13の作製−
モノマーAの添加量を73.2質量部、カレンズAOIの添加量を26.8質量部に変更した以外は、上記実施例16と同様にして、含フッ素スチレンユニットとカレンズAOIユニットのモル比が50:50である共重合体D13を得た。
−硬化性樹脂組成物L13の作製−
共重合体D11の代わりに上記共重合体D13を9質量部使用し、CST−50の添加量を2.80質量部に変更したこと以外は、上記実施例16と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物L13)。なお、硬化性樹脂組成物L13における、共重合体D13中のイソシアネート基の量とCST−50中の水酸基の量のモル比は1:1.5である。
(試験サンプルの作製)
後述する各評価試験のために、以下に示される方法で試験サンプル(試験片)を作成した。上記の実施例16〜21の各硬化性樹脂組成物溶液L11〜L13を、ポリカーボネート(PC)板(100mm×120mm、厚さ1.5mm)に♯20バーコーターでそれぞれ塗布し、120℃、60分の加熱を行ってポリカーボネート(PC)板に硬化塗膜が形成されてなる試験サンプル(試験片)を得た。
(比較例16〜18)
上記の実施例16〜18の各硬化性樹脂組成物溶液L11〜L13を、ポリカーボネート(PC)板(100mm×120mm、厚さ1.5mm)に♯20バーコーターでそれぞれ塗布し、硬化反応を行っていない未硬化塗膜からなる試験サンプルを作製し、それぞれ比較例16〜18とした。
〔評価12:撥水・撥油性(接触角)〕
実施例16〜18および比較例16〜18の試験サンプルについて、上述した評価1の測定方法と同様にして、水及びヘキサデカン(HD)に対する接触角を測定した。結果は、表6に示した。
〔評価13:密着性〕
実施例16〜18および比較例16〜18の試験サンプルについて、上述した評価3の方法と同様にして、PC板に対する密着性を評価した。結果は、表6に示した。
〔評価14:鉛筆硬度〕
実施例16〜18および比較例16〜18の試験サンプルについて、上述した評価4の方法と同様にして、鉛筆(引っかき)硬度を評価した。結果は、表6に示した。
Figure 0006569049
各実施例の塗膜は、各比較例の塗膜と比べて特に鉛筆硬度において優れており、外装用途等に有用であることが確かめられた。
(実施例19)
−共重合体E11の作製−
モノマーAの添加量を96.1質量部とし、HPAの代わりにメタクリル酸グリシジルを3.9質量部添加した以外は、上記実施例7と同様にして、含フッ素スチレンユニットとメタクリル酸グリシジルユニットのモル比が90:10である共重合体E11を得た。
−硬化性樹脂組成物M11の作製−
共重合体C11の代わりに上記共重合体E11を10質量部使用し、デュラネートTPA−100の代わりに株式会社ADEKA製「ADEKAハードナー」EH−479A(ポリアミン。以下、EH−479と表記する場合がある)を0.40質量部添加したこと以外は、上記実施例7と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物L11)。
(実施例20)
−共重合体E12の作製−
モノマーAの添加量を86.4質量部、メタクリル酸グリシジルの添加量を13.6質量部に変更した以外は、上記実施例19と同様にして、含フッ素スチレンユニットとメタクリル酸グリシジルユニットのモル比が70:30である共重合体E12を得た。
−硬化性樹脂組成物M12の作製−
共重合体E11の代わりに上記共重合体E12を10質量部、EH−479を0.40質量部使用し、上記実施例19と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物M12)。
(実施例21)
−共重合体E21の作製−
モノマーAの添加量を81.8質量部とし、メタクリル酸グリシジルの代わりに4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(以下、4HBAGEと表記する場合がある)を18.2質量部使用した以外は、上記実施例19と同様にして、含フッ素スチレンユニットとメタクリル酸グリシジルユニットのモル比が70:30である共重合体E21を得た。
−硬化性樹脂組成物M21の作製−
共重合体E11の代わりに上記共重合体E21を10質量部、EH−479を0.40質量部使用し、上記実施例19と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物M21)。
(試験サンプルの作製)
後述する各評価試験のために、以下に示される方法で試験サンプル(試験片)を作成した。上記の実施例19〜21の各硬化性樹脂組成物溶液M11,M12,M21を、SUS304ステンレス鋼製板(100mm×120mm、厚さ1.5mm)に♯20バーコーターでそれぞれ塗布し、150℃、60分の加熱を行ってステンレス鋼板に硬化塗膜が形成されてなる試験サンプル(試験片)を得た。
(比較例19〜21)
上記の実施例19〜21の各硬化性樹脂組成物溶液M11,M12,M21を、SUS304ステンレス鋼製板(100mm×120mm、厚さ1.5mm)に♯20バーコーターでそれぞれ塗布して、硬化反応を行っていない未硬化塗膜からなる試験サンプルを作製し、それぞれ比較例19〜21とした。
〔評価15:撥水・撥油性(接触角)〕
実施例19〜21および比較例19〜21の試験サンプルについて、上述した評価1の測定方法と同様にして、水及びヘキサデカン(HD)に対する接触角を測定した。結果は、表7に示した。
〔評価16:密着性〕
実施例19〜21および比較例19〜21の試験サンプルについて、上述した評価3の方法と同様にして、PC板に対する密着性を評価した。結果は、表7に示した。
〔評価17:鉛筆硬度〕
実施例19〜21および比較例19〜21の試験サンプルについて、上述した評価4の方法と同様にして、鉛筆(引っかき)硬度を評価した。結果は、表7に示した。
Figure 0006569049
各実施例の塗膜は、各比較例の塗膜と比べて特に鉛筆硬度において優れており、外装用途等に有用であることが確かめられた。
(実施例22)
−共重合体C41の作製−
モノマーAの添加量を71.1質量部、HPAの添加量を12.0質量部とし、さらに4−[1,1,2−トリフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]−エトキシ]スチレン(以下、モノマーBと称する場合がある)を16.9質量部使用した以外は、上記実施例7と同様にして、モノマーAの含フッ素スチレンユニットと、モノマーBの含フッ素スチレンユニットと、HPAユニットのモル比が、60:10:30である共重合体C41を得た。
−硬化性樹脂組成物K41の作製−
共重合体C11の代わりに上記共重合体C41を9質量部使用し、デュラネートTPA−100を2.00質量部添加したこと以外は、上記実施例7と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物K41)。
(実施例23)
−共重合体C42の作製−
モノマーAの添加量を66.9質量部、モノマーBの添加量を15.9質量部とし、HPAの代わりにCHDMMAを18.2質量部使用した以外は、上記実施例22と同様にして、モノマーAの含フッ素スチレンユニットと、モノマーBの含フッ素スチレンユニットと、CHDMMAユニットのモル比が、60:10:30である共重合体C42を得た。
−硬化性樹脂組成物K42の作製−
共重合体C41の代わりに上記共重合体C42を9質量部使用し、デュラネートTPA−100の添加量を1.97質量部としたこと以外は、上記実施例22と同様にして、均一溶解溶液を得た(硬化性樹脂組成物K42)。
(試験サンプルの作製)
後述する各評価試験のために、以下に示される方法で試験サンプル(試験片)を作成した。上記の実施例22,23の各硬化性樹脂組成物溶液K41,42を、ポリカーボネート(PC)板(100mm×120mm、厚さ1.5mm)に♯20バーコーターでそれぞれ塗布し、120℃、60分の加熱を行ってポリカーボネート(PC)板に硬化塗膜が形成されてなる試験サンプル(試験片)を得た。
(比較例19〜21)
上記の実施例22,23の各硬化性樹脂組成物溶液K41,42を、ポリカーボネート(PC)板(100mm×120mm、厚さ1.5mm)に♯20バーコーターでそれぞれ塗布して、硬化反応を行っていない未硬化塗膜からなる試験サンプルを作製し、それぞれ比較例22,23とした。
〔評価18:撥水・撥油性(接触角)〕
実施例22,23および比較例22,23の試験サンプルについて、上述した評価1の測定方法と同様にして、水及びヘキサデカン(HD)に対する接触角を測定した。結果は、表8に示した。
〔評価19:密着性〕
実施例22,23および比較例22,23の試験サンプルについて、上述した評価3の方法と同様にして、PC板に対する密着性を評価した。結果は、表8に示した。
〔評価20:鉛筆硬度〕
実施例22,23および比較例22,23の試験サンプルについて、上述した評価4の方法と同様にして、鉛筆(引っかき)硬度を評価した。結果は、表8に示した。
Figure 0006569049
各実施例の塗膜は、各比較例の塗膜と比べて特に鉛筆硬度において優れており、外装用途等に有用であることが確かめられた。

Claims (13)

  1. 下記式[1]で表される繰り返し単位を1質量%以上99質量%以下と架橋基含有繰り返し単位を1質量%以上95質量%以下の範囲で含有する架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体の架橋体を含有する架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜であって、下記の(A)、(B)及び(C)の要件を満たすことを特徴とした耐久性に優れた架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜。
    Figure 0006569049
    (式[1]中、Yは水素原子または炭素数が6以下のアルキル基を表し、Qは少なくとも1個のエーテル結合を含有し炭素原子の合計数が5個以下の2価の基を表し、Rfは少なくとも1個のエーテル基を含有する炭素原子の合計数が25個以下の1個の水素原子を含んでも良い1価のパーフルオロエーテル基である。zは1〜3から選ばれる整数である。Qの芳香核への結合位置は、芳香核とポリマー主鎖の結合位置に対してオルト位、メタ位、あるいはパラ位のいずれでもよい。式[1]中の芳香核に結合している水素原子の一部又はすべてはフッ素原子で置換されていてもよい。)
    (A)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の表面の水の接触角が100°以上またはヘキサデカンの接触角が60°以上、もしくは水の接触角が100°以上かつヘキサデカンの接触角が60°以上であること。
    (B)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の表面硬度が鉛筆(引っかき)硬度3B以上であること。
    (C)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜が、下記の(C−1)から(C−3)に記載の耐久特性の少なくとも1つの特性を有すること。
    (C−1)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の基材に対する密着性評価試験で残存枡の数が、25枡中24枡以上であること。
    (C−2)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜を大気中250℃の温度条件で3時間加熱した後の表面の水の接触角が加熱前の接触角の90%以上であること。
    (C−3)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜を500時間の耐侯性試験に晒した後の表面の水の接触角が試験前の接触角の93%以上であること。
  2. 前記(C)の要件が、前記架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜が、前記(C−1)及び前記(C−2)に記載の耐久特性を有することである請求項1に記載の耐久性に優れた架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜。
  3. 前記(C)の要件が、前記架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜が、前記(C−1)及び前記(C−3)に記載の耐久特性を有することである請求項1に記載の耐久性に優れた架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜
  4. 前記(C)の要件が、前記架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜が、前記(C−1)から前記(C−3)に記載のすべての耐久特性を有することである請求項1に記載の耐久性に優れた架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜であって、更に下記の(D)の要件を満たすことを特徴とした耐久性に優れた架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜。
    (D)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜をエタノール又はメチルエチルケトンを溶剤として用いた溶剤ラビング試験に供した後の表面の水の接触角が試験前の接触角の98%以上であること。
  6. 前記式[1]で表される繰り返し単位が下記の式[1−1]で表される繰り返し単位であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の耐久性に優れた架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜。
    Figure 0006569049
    (式[1−1]中、Y1は水素原子またはメチル基であり、Q1は炭素原子数が3以下であるエーテル結合を含有する2価基である。RfoはRfa−O−[CF(CF)CFO]n1−[CFCFCFO]2−[CFCFO]n3−[CFO]n4−Rfc−であって、Rfaは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、n1、n2、n3、n4はそれぞれ0または1〜6から選ばれる整数であるとともに、n1+n2+n3+n4は0〜6であり、Rfcは炭素原子数が3以下の1個の水素原子を含んでも良いパーフルオロアルキレン基である。)
  7. 前記式[1]で表される繰り返し単位が下記の式[1−2]で表される繰り返し単位であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の耐久性に優れた架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜。
    Figure 0006569049
    (式[1−2]中、Y2は水素原子またはメチル基、L1は0または1〜6から選ばれる整数、Rfaは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である)。
  8. 下記式[1]、下記式[1−1]あるいは下記式[1−2]の少なくとも1つの式で表される繰り返し単位を1質量%以上99質量%以下と架橋基含有繰り返し単位を1質量%以上95質量%以下の範囲で含有する架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体であって、その架橋コーティング膜が下記のA’)、(B’)及び(C’)の要件を満たす耐久性に優れた架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜であることを特徴とした架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体。
    (A’)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の表面の水の接触角が100°以上またはヘキサデカンの接触角が60°以上、もしくは水の接触角が100°以上かつヘキサデカンの接触角が60°以上であること。
    (B’)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の表面硬度が鉛筆(引っかき)硬度3B以上であること。
    (C’)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜が、下記の(C’−1)から(C’−3)の耐久特性の少なくとも1つの特性を有すること。
    (C’−1)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜の基材に対する密着性評価試験で残存枡の数が、25枡中24枡以上であること。
    (C’−2)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜を大気中250℃の温度条件で3時間加熱した後の表面の水の接触角が加熱前の接触角の90%以上であること。
    (C’−3)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜を500時間の耐侯性試験に晒した後の表面の水の接触角が試験前の接触角の93%以上であること。
    Figure 0006569049
    (式[1]中、Yは水素原子または炭素数が6以下のアルキル基を表し、Qは少なくとも1個のエーテル結合を含有し炭素原子の合計数が5個以下の2価の基を表し、Rf は少なくとも1個のエーテル基を含有する炭素原子の合計数が25個以下の1個の水素原子を含んでも良い1価のパーフルオロエーテル基である。zは1〜3から選ばれる整数である。Qの芳香核への結合位置は、芳香核とポリマー主鎖の結合位置に対してオルト位、メタ位、あるいはパラ位のいずれでもよい。式[1]中の芳香核に結合している水素原子の一部又はすべてはフッ素原子で置換されていてもよい。)
    Figure 0006569049
    (式[1−1]中、Y1は水素原子またはメチル基であり、Q1は炭素原子数が3以下であるエーテル結合を含有する2価基である。Rfo はRfa −O−[CF(CF )CF O] n1 −[CF CF CF O] n2 −[CF CF O] n3 −[CF O] n4 −Rfc −であって、Rfa は炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、n1、n2、n3、n4はそれぞれ0または1〜6から選ばれる整数であるとともに、n1+n2+n3+n4は0〜6であり、Rfc は炭素原子数が3以下の1個の水素原子を含んでも良いパーフルオロアルキレン基である。)
    Figure 0006569049
    (式[1−2]中、Y2は水素原子またはメチル基、L1は0または1〜6から選ばれる整数、Rfa は炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である)。
  9. 前記(C’)の要件が、前記架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜が、前記(C’−1)及び前記(C’−2)に記載の条件を満たすことである請求項8に記載の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体
  10. 前記(C’)の要件が、前記架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜が、前記(C’−1)及び前記(C’−3)に記載の条件を満たすことである請求項8に記載の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体
  11. 前記(C’)の要件が、前記架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜が、前記(C’−1)から前記(C’−3)に記載のすべての条件を満たすことである請求項8に記載の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体
  12. 請求項8から請求項11の何れか一項に記載の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体であって、その架橋コーティング膜が更に下記の(D’)の要件を満たす耐久性に優れた架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜であることを特徴とした架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体。
    (D’)当該架橋含フッ素ポリスチレン誘導体コーティング膜をエタノール又はメチルエチルケトンを溶剤として用いた溶剤ラビング試験に供した後の表面の水の接触角が試験前の接触角の98%以上であること
  13. 請求項8から請求項12の何れか一項に記載の架橋基含有含フッ素ポリスチレン誘導体を含有する架橋反応組成物と溶媒を含む均一溶液状の架橋性樹脂組成物溶液。
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