JP6550705B2 - 表示装置用前面板の多面付け基板 - Google Patents
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反射防止フィルムは前面板に貼付するだけで反射防止性を付与することができる。しかしながら、反射防止フィルムにおいては透明基材および粘着層または接着層が存在するため、光学設計が複雑になる。また、透明基材にはうねりがあるため、平坦性が低下し、表示品位が劣化する。また、反射防止フィルムを貼付する際に異物や気泡の混入等の不具合が生じ、歩留りが低下する。また、透明基材および粘着層または接着層によって、透過率が低下する。
本発明の表示装置用前面板は、ガラス基板と、上記ガラス基板上に直に形成された飛散防止層と、上記飛散防止層上に直に形成され、1層以上の有機層を有する反射防止層とを有するものである。
また、「飛散防止層上に直に形成された反射防止層」とは、飛散防止層と反射防止層とが直に接しており、飛散防止層と反射防止層との間に例えば接着層や粘着層、透明基材等が形成されていないことをいう。
図1は本発明の表示装置用前面板の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の表示装置用前面板1は、ガラス基板2と、ガラス基板2上に直に形成された飛散防止層3と、飛散防止層3上に直に形成され、1層以上の有機層を有する反射防止層4とを有するものである。反射防止層4は、飛散防止層3上に形成された高屈折率層5と、高屈折率層5上に形成された低屈折率層6とを有している。本発明においては、高屈折率層5および低屈折率層6のいずれも有機層であることが好ましい。
また本発明においては、飛散防止層および反射防止層はいずれもウェットプロセスにより形成可能であり、大面積であっても均一な層を容易に形成することができる。したがって、反射防止性に優れる安価な表示装置用前面板を得ることが可能である。
ここで、一般的に、ガラス基板上に飛散防止フィルムを密着させて貼り合わせた場合、ガラス基板および飛散防止フィルムを積層させた状態で切断することは困難である。そのため、従来においては、多面付け前面板から個々の表示装置用前面板を切断して個片化した後、個片化された表示装置用前面板に飛散防止フィルムを貼り合わせる必要があるため、製造コストが増大するという問題がある。
これに対して、本発明においては、飛散防止層をガラス基板上に直にパターン状に形成することができるため、多面付け基板における切断部分には飛散防止層が形成されないようにすることができる。また、後述するように、反射防止層は飛散防止層に比べて厚みが薄いことから、上記切断部分においてガラス基板上に直に反射防止層が形成されていたとしても、切断が可能である。
本発明における飛散防止層は、ガラス基板上に直に形成されるものである。また、飛散防止層は、本発明の表示装置用前面板に飛散防止機能を付与するとともに、ガラス基板に対する反射防止層の密着性を向上させるアンカー層として機能するものである。
また、本発明におけるガラス基板として、後述するソーダガラス、石英ガラス、無アルカリガラス等を用いる場合は、飛散防止層を形成することにより、ガラス基板の強度を高くすることができ、割れにくくすることができる。
なお、飛散防止層が複数層が積層されたものである場合、飛散防止層とガラス基板との屈折率の大小関係については、ガラス基板に接する層とガラス基板との屈折率が上記の関係を満たしていればよい。また、飛散防止層と高屈折率層との屈折率の大小関係については、高屈折率層に接する層と高屈折率層との屈折率が上記の関係を満たしていればよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えばベンジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体等のメタクリル酸エステル共重合体、ビスフェノールフルオレン構造を有するエポキシアクリレート等のカルド樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
多官能アクリレート系モノマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレートまたはアクリレートのいずれかであることを意味する。
光重合開始剤としては、例えばアルキルフェノン系、オキシムエステル系、トリアジン系、チタネート系等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
感光性樹脂組成物は、上記の他、光増感剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、レベリング剤等の公知の各種添加剤を含むことができる。
ここで、フィラーの平均粒径は、飛散防止層の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真により観察される粒子20個の平均値をいう。
なお、図3は本発明の表示装置用前面板の他の例を示す概略断面図である。図3において説明していない符号については、上述した図1と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、飛散防止層の形成方法については、「5.表示装置用前面板の製造方法」に記載するので、ここでの説明は省略する。
本発明における反射防止層は、上記飛散防止層上に直に形成され、1層以上の有機層を有するものである。本発明においては、反射防止層は、少なくとも飛散防止層上に直に形成される層が有機層であればよいが、有機層のみを有するものであることが好ましい。反射防止層をウェットプロセスにより形成可能であり、大面積であっても均一な層を容易に形成することができるからである。
本発明における低屈折率層は、有機層であり、高屈折率層および中屈折率層よりも屈折率が低いものである。
樹脂およびバインダー樹脂は、フッ素を含有するフッ素系樹脂であってもよい。低屈折率層に防汚性を付与することができるからである。また、屈折率を低くすることができる。また、フッ素系樹脂は、ケイ素を含有していてもよい。
また、低屈折率層は、防汚剤を含有していてもよい。防汚剤としては、フッ素系化合物またはケイ素系化合物等を用いることができる。具体的に、防汚剤としては、特開2012−150226号公報等に記載されているものを挙げることができる。
表面処理された低屈折率微粒子としては、例えば特開2013−142817号公報、特開2008−9348号公報に記載されているものを挙げることができる。
ここで、低屈折率微粒子の平均粒径は、低屈折率層の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真により観察される粒子20個の平均値をいう。
なお、低屈折率層の形成方法については、「5.表示装置用前面板の製造方法」に記載するので、ここでの説明は省略する。
本発明における高屈折率層は、有機層であり、低屈折率層および中屈折率層よりも屈折率が高いものである。
このような高屈折率微粒子としては、例えば金属酸化物微粒子を挙げることができ、具体的には酸化ジルコニウム(ZrO2、屈折率:2.10)、酸化アンチモン(Sb2O5、屈折率:2.04)、アンチモン錫酸化物(ATO、屈折率:1.75〜1.95)、インジウム錫酸化物(ITO、屈折率:1.95〜2.00)、燐錫化合物(PTO、屈折率:1.75〜1.85)、ガリウム亜鉛酸化物(屈折率:1.90〜2.00)、β−Al2O5(屈折率:1.63〜1.76)、γ−Al2O5(屈折率:1.63〜1.76)、BaTiO3(屈折率:2.4)、酸化チタン(TiO2、屈折率:2.71)、酸化セリウム(CeO2、屈折率:2.20)、酸化錫(SnO2、屈折率:2.00)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO、屈折率:1.90〜2.00)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO、屈折率:1.90〜2.00)、アンチモン酸亜鉛(ZnSb2O6、屈折率:1.9〜2.0)等が挙げられる。
表面処理された高屈折率微粒子としては、例えば特開2013−142817号公報に記載されているものを挙げることができる。
ここで、高屈折率微粒子の平均粒径は、高屈折率層の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真により観察される粒子20個の平均値をいう。
なお、高屈折率層の形成方法については、「5.表示装置用前面板の製造方法」に記載するので、ここでの説明は省略する。
本発明における中屈折率層は、有機層であり、高屈折率層よりも屈折率が低く、低屈折率層よりも屈折率が高いものである。
なお、中屈折率層の形成方法については、「5.表示装置用前面板の製造方法」に記載するので、ここでの説明は省略する。
本発明におけるガラス基板は、飛散防止層、および反射防止層を支持するものである。
圧縮応力層の厚みは特に限定されることはなく、要求特性に応じて適宜設定される。例えば、ガラスにある程度の強度を付与しながら、ガラスの切断性および生産性も確保される必要がある場合、圧縮応力層の厚みは約5μm〜10μmの範囲内に設定される。また、ガラスにさらに高い強度を付与することが求められる場合、圧縮応力層の厚みは、約10μm〜35μmの範囲内に設定されてもよく、35μm以上に設定されてもよい。圧縮応力層の厚みが約10μm〜35μmの範囲内である場合は、ガラスはある程度の切断性を有している。一方、圧縮応力層の厚みが35μm以上である場合は、仮にダイヤモンドカッター等の高性能の切断手段が用いられる場合であっても、ガラスを切断することが困難になる。そのため、圧縮応力層の厚みを35μm以上にすることが求められる場合、所望の形状に切り出された後のガラスにイオン交換処理を施すことにより、ガラスの表面に圧縮応力層が形成されることが好ましい。
このように表面に圧縮応力層が形成されたガラスの例としては、コーニング社のGorilla Glass(ゴリラガラス)や、旭硝子社のDragontrail(ドラゴントレイル)等が挙げられる。
本発明の表示装置用前面板は、図2(a)、(b)に例示するような多面付け前面板であってもよい。飛散防止層、および反射防止層はウェットプロセスにより形成可能であることから、大面積であっても安価かつ容易に均一な層を形成することができるので、多面付けが容易である。多面付け前面板の大きさは、特に限定されるものではないが、例えば2200mm×2500mmまでの大きさであれば適用可能である。一方、従来のように表示装置用前面板に飛散防止フィルムを貼り合わせる場合には、上記のような大型の基板には適用が困難である。
本発明の表示装置用前面板の製造方法としては、例えば、ガラス基板上に直に飛散防止層を形成する飛散防止層形成工程と、上記飛散防止層上に直に1層以上の有機層を有する反射防止層を形成する反射防止層形成工程とを有する方法が挙げられる。
また、「飛散防止層上に直に反射防止層を形成する」とは、飛散防止層と反射防止層とが直に接しており、飛散防止層と反射防止層との間に例えば接着層や粘着層、透明基材等を形成しないことをいう。
以下、各工程について説明する。
本発明における飛散防止層形成工程は、ガラス基板上に直に飛散防止層を形成する工程である。
飛散防止層の形成方法としては、例えばガラス基板上に直に飛散防止層用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて飛散防止層を形成する方法が挙げられる。
飛散防止層用硬化性樹脂組成物の塗布後は、溶媒の除去のために乾燥させてもよい。
硬化方法としては、樹脂成分の種類に応じて異なるが、例えば熱あるいは紫外線または電子線の照射が挙げられる。
本発明における反射防止層形成工程は、飛散防止層上に直に、1層以上の有機層を有する反射防止層を形成する工程である。本発明においては、有機層のみを有する反射防止層を形成することが好ましい。
以下、反射防止層形成工程における各工程について説明する。
低屈折率層の形成方法としては、例えば低屈折率層用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて低屈折率層を形成する方法が挙げられる。
低屈折率層用硬化性樹脂組成物の塗布後は、溶媒の除去のために乾燥させてもよい。
高屈折率層の形成方法としては、例えば高屈折率層用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて高屈折率層を形成する方法が挙げられる。
このような場合において、飛散防止層の屈折率は、高屈折率層の屈折率との差が小さいことが好ましく、例えば高屈折率層の屈折率との差が0.03以内、中でも0.015以内であることが好ましい。
中屈折率層の形成方法としては、例えば中屈折率層用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて中屈折率層を形成する方法が挙げられる。
中屈折率層用硬化性樹脂組成物としては、上記の高屈折率層用硬化性樹脂組成物と同様とすることができる。
また、中屈折率層の形成方法は、上記低屈折率層の形成方法と同様とすることができる。
なお、中屈折率層のその他の点については、上記「2.反射防止層 (3)中屈折率層」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、飛散防止層上に直に上述の反射防止層を形成することができれば特に限定されないが、例えば、飛散防止層が、ガラス基板上に直にパターン状に形成されている場合は、通常、反射防止層は、飛散防止層上およびガラス基板上に直に形成される。具体的には、上述した低屈折率層用硬化性樹脂組成物、高屈折率層用硬化性樹脂組成物、中屈折率層用硬化性樹脂組成物等を飛散防止層が形成されたガラス基板上に直に塗布し、硬化させることにより、反射防止層を形成することができる。
本発明における反射防止層は、飛散防止層に比べて薄いことから、多面付け基板である場合は、切断部分においてガラス基板上に直に反射防止層が形成されている場合も、切断することができる。
(硬化性樹脂組成物Aの調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2′-アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、及びハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
<硬化性樹脂組成物Aの組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%):16重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399):24重量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70):4重量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン:4重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル:52重量部
厚み0.7mmの強化ガラス基板(旭硝子(株) Dragontrail)上に、上記硬化性樹脂組成物Aを塗布し、フォトマスクを介して露光し、現像し、その後、180℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理して、厚さ2μm〜50μmの飛散防止層を形成した。
反射防止層には下記の材料を用いた。
高屈折率層材 :KZ6661(JSR社製、n=1.60)
低屈折率層材 :TU2205(JSR社製、n=1.35)
飛散防止層が形成された強化ガラス基板上にJSR社製のKZ6661をスピンコーティングし、窒素雰囲気下で露光照度30mWの高圧水銀ランプを用いて30秒間露光し、230℃で20分間熱処理して、厚さ150nmの高屈折率層を形成した。続いて、JSR社製のTU2205を用いて、高屈折率層の形成と同様の工程で、高屈折率層上に厚さ100nmの低屈折率層を形成し、表示装置用前面板を得た。
飛散防止層を形成しないこと以外は、上記参考例1〜2、および実施例1〜5と同様にして、反射防止層を形成した。
土台の上に強化ガラス基板表面を下にして置き、高さ50cmから金属球を落下させ、飛散の有無を確認した。各サンプルについて同条件で5回、評価を行った。結果を表1に示す。
○:5回目の試験後、強化ガラス基板については破損(亀裂)が観察されたが、飛散を生じなかった。
△:1回目の試験後においては、強化ガラス基板については破損されず、飛散も生じなかったが、2回目〜5回目の試験後に、強化ガラス基板の破損および飛散が観察された。
×:1回目の試験後に強化ガラス基板が破損して、飛散が生じた。
また、参考例1〜2に示すように、飛散防止層の厚みが薄い場合は、強化ガラス基板に追従して破損され、十分に飛散防止機能を発揮することが困難な場合があることが確認された。
2 … ガラス基板
3 … 飛散防止層
4 … 反射防止層
5 … 高屈折率層
6 … 低屈折率層
Claims (2)
- ガラス基板と、
前記ガラス基板上に直に形成された飛散防止層と、
前記飛散防止層上に直に形成され、1層以上の有機層を有する反射防止層と、
を有する表示装置用前面板が複数個形成されてなる表示装置用前面板の多面付け基板であって、
前記飛散防止層に用いられる樹脂が、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、およびメラミンアクリレートからなる群から選択される少なくとも一種のアクリル樹脂であり、
前記飛散防止層が、前記ガラス基板上に直にパターン状に形成されており、
前記多面付基板における切断部分には飛散防止層が形成されていないことを特徴とする表示装置用前面板の多面付け基板。 - 前記ガラス基板は、板厚が0.1mm〜1.5mmの範囲内である強化ガラス基板であり、
前記飛散防止層の厚みが、15μm〜150μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置用前面板の多面付け基板。
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