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JP6541921B1 - 生体物質測定装置 - Google Patents

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JP6541921B1
JP6541921B1 JP2019514139A JP2019514139A JP6541921B1 JP 6541921 B1 JP6541921 B1 JP 6541921B1 JP 2019514139 A JP2019514139 A JP 2019514139A JP 2019514139 A JP2019514139 A JP 2019514139A JP 6541921 B1 JP6541921 B1 JP 6541921B1
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Abstract

生体物質の量を安定的にかつ高精度に測定できる非侵襲型の生体物質測定装置を提供する。生体物質測定装置80は、第1の光を放射する第1の光源32と、表面と裏面を有し、一端から入射した第1の光が内部を透過して他端から出射するATRプリズム20と、表面と裏面を有し、ATRプリズム20の表面上に裏面が接するように配置されたハイパボリックメタマテリアル層90と、ATRプリズム20から出射された第1の光を検出する第1の光検出器30と、を備え、検出された第1の光から生体中の生体物質の量を測定する。

Description

本発明は、生体物質測定装置に関し、特に、赤外光を用いて生体内に存在する糖などの生体物質を測定する生体物質測定装置に関する。
血糖などの生体中の物質の成分を測定する生体物質測定装置には、穿刺または採血を利用する侵襲型のものと、これらを利用しない非侵襲型のものがある。日常的に利用される血糖値測定装置(血糖値センサ)は、患者の苦痛緩和のため、非侵襲型の測定装置であることが望ましい。非侵襲型血糖値測定装置として、糖の指紋スペクトルの検出を可能にする赤外光を利用したセンサが考えられる。例えば特許文献1は、プリズム内で赤外光を複数回反射させ、表面プラズモン共鳴による赤外光の減衰率を向上させ、これにより、センサの感度を向上させる血糖値センサを開示している(たとえば、[0057]参照)。
特開2012−070907号公報
しかし、赤外光は、皮膚内の水に多量に吸収されるため、皮膚表面までしか到達することができない。したがって、従来の技術では、皮膚内部のグルコースなどの糖による赤外光の吸収の効果と、水による赤外光の吸収の効果とを有意に識別することができず、良好な信号対雑音比(Signal-to-Noise ratio、SN比)を得ることができない。このため、血糖値を安定的にかつ高精度に測定することができない。
そこで、本発明は、生体物質の量を安定的にかつ高精度に測定することができる非侵襲型の生体物質測定装置を得ることを目的とする。
本発明の一態様は、第1の光を放射する第1の光源と、表面と裏面を有し、一端から入射した第1の光が内部を透過して他端から出射するATRプリズムと、表面と裏面を有し、ATRプリズムの表面上に裏面が接するように配置されたハイパボリックメタマテリアル層と、ATRプリズムから出射された第1の光を検出する第1の光検出器と、を備え、検出された第1の光から生体中の生体物質の量を測定する生体物質測定装置を提供する。
本発明により、生体物質の量を安定的にかつ高精度に測定することができる非侵襲型の生体物質測定装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置の使用例を表す模式図である。 本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置のハイパボリックメタマテリアルの一例の模式的な断面図である。 本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置のハイパボリックメタマテリアルの他の例の模式的な断面図である。 本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置のハイパボリックメタマテリアルの更なる他の例の模式的な上面図である。 図5aのハイパボリックメタマテリアルを示す斜視図である。 図5bのハイパボリックメタマテリアルの部分断面斜視図である。 本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置のハイパボリックメタマテリアルの更なる他の例の模式的な上面図である。 縦軸をk、横軸をkとした、通常の物質の分散関係を示す図である。 縦軸をk、横軸をkとした、ハイパボリックメタマテリアルの分散関係を示す図である。 ATRプリズム、ハイパボリックメタマテリアルおよび皮膚の中を進行する赤外光およびエバネッセント波の光路を示す模式図である。 糖による赤外光の吸収スペクトルを示す図である。 本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置の赤外光検出器の構成例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置の赤外光検出器の光素子の上面図である。 図12の光素子をX−X方向に見た断面図である。 本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置の赤外光検出器の光素子の吸収体を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2による非侵襲血糖値測定装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態2の変形例1による非侵襲血糖値測定装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態2の変形例2による非侵襲血糖値測定装置の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態による生体物質測定装置について、図面を参照して説明する。各実施の形態において、同一の構成には同一の符号を付して、説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、全体が80で表される、本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置の使用例を表す模式図である。非侵襲血糖値測定装置80のヘッド(遠位端)80aを被験者の皮膚に接触させて、被験者の血糖値を測定する。非侵襲血糖値測定装置80のヘッド80aを接触させる皮膚は、角質が薄い唇が望ましいが、これに限定されるものではなく、例えば、頬、耳たぶ、手の甲の皮膚などであってもよい。
図2は、本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置80の構成を示す模式図である。非侵襲血糖値測定装置80は、生体物質の吸収波長域(8.5μm〜10μm)の全部または一部の波長域を有する赤外光を放射する赤外光源32と、赤外光源32から出射された赤外光が透過するATRプリズム20と、ATRプリズム20から出射された赤外光の強度を検出する赤外光検出器30とを備える。非侵襲血糖値測定装置80は、非侵襲血糖値測定装置80のヘッド80aに形成されたハイパボリックメタマテリアル90を更に備える。言い換えれば、ハイパボリックメタマテリアル90は、ATRプリズム20の上に形成されている。
赤外光源32は、例えば、量子カスケードレーザモジュールである。量子カスケードレーザは、単一光源であり、出力が大きく、SN比が高いため、高精度な測定が可能となる。量子カスケードレーザモジュールには、ビームをコリメートするためのレンズが搭載される。
赤外光源32から放出された赤外光は、ATRプリズム20に入射する。入射された赤外光は、全反射を繰り返しながらATRプリズム20の中を透過し、その後ATRプリズム20から出射される。すなわち、模式的には、赤外光源32から放出された赤外光は、ATRプリズム20の端面20cで反射される。反射された赤外光は、ATRプリズム20内を通って端面20bで反射され、次にATRプリズム20内を通って端面20aに到達してハイパボリックメタマテリアル90内を透過し、被験者の皮膚49に接触するハイパボリックメタマテリアル90の表面(遠位端面)で反射され、次にハイパボリックメタマテリアル90内とATRプリズム20内を通って再びATRプリズム20の端面20bで反射される。ハイパボリックメタマテリアル90の表面における反射と、ATRプリズム20の端面20bにおける反射を繰り返して、赤外光はATRプリズム20の端面20dに到達し、そこで反射されてATRプリズム20から出射される。
赤外光が出射するATRプリズム20の部分には、無反射コーティングが施されてもよい。あるいは、赤外光源32から放出される赤外光をp偏光にして、赤外光の入射角および出射角がブリュスター角になるようにATRプリズム20を加工してもよい。
ATRプリズム20の材料は、例えば、中赤外領域の波長を有する光に対して透明であり、かつ屈折率が比較的小さな硫化亜鉛(ZnS)の単結晶である。ATRプリズム20の材料は、セレン化亜鉛(ZnSe)などの公知の材料であってもよい。しかし、ATRプリズム20の材料は、これらに限定されない。
ATRプリズム20またはハイパボリックメタマテリアル90の皮膚49に接触する部分には、人体に害を与えないように、SiOまたはSiNなどを含む薄膜がコーティングされてもよい。
ATRプリズム20から出射された赤外光は、赤外光検出器30に入る。赤外光検出器30は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)型測定装置、またはサーモパイルなど非冷却測定装置を搭載したモジュールである。赤外光検出器30は、プリアンプなどの電気回路と、赤外光検出器30に入射した赤外光を測定装置の素子へ集光するためのレンズとを備える。赤外光検出器30の更なる詳細は後述する。
非侵襲血糖値測定装置80は、赤外光源32および赤外光検出器30に電気的に接続された制御部52を更に備える。制御部52は、赤外光源32の発振、赤外光源32から放射される赤外光の波長、および強度などを制御することができる。また、制御部52は、検出された赤外光の強度データを赤外光検出器30から受け取り、それに基づいて生体中の血糖値の濃度を算出する。
非侵襲血糖値測定装置80は、制御部に電気的に接続されたユーザインタフェース54を更に備える。ユーザインタフェース54は、例えば、測定開始手段、測定条件設定手段などをユーザに表示するディスプレイ501と、測定状況(例えば、測定開始および完了)を振動および音声によりユーザにそれぞれ知らせるバイブレータ502およびスピーカ503と、ユーザが測定開始操作、測定条件設定操作などを行うためのキーボード504とを含む。
図3は、ハイパボリックメタマテリアル90の一例の模式的な断面図を示している。ハイパボリックメタマテリアル90は、金属層91と誘電体層92が交互に積層された多層構造を有する。金属層91と誘電体層92の厚さは、使用される波長の1/4未満の厚さであることが望ましい。例えば、糖を検出するために赤外光を使用する場合、金属層91と誘電体層92の厚さは、それぞれ約10nmである。図3では、ハイパボリックメタマテリアル90は8層構造を有するが、層の数はこれに限定されない。
ハイパボリックメタマテリアル90の金属層91は、使用される光の波長域で表面プラズモンが生じる材料からなる。糖などの生体物質を検出する赤外光の波長を使用する非侵襲血糖値測定装置80では、ハイパボリックメタマテリアル90の金属層91は、例えば金または銀である。ハイパボリックメタマテリアル90の金属層91は、窒化チタンなどの化合物またはグラフェンからなる層であってもよい。特に、赤外光を用いる場合、グラフェンは光損失が少ない材料であるため、有利である。あるいは、ハイパボリックメタマテリアル90の金属層91は、半導体材料からなる層であってもよい。半導体材料は、ドーピング濃度を調整することにより所望の物性を得ることができるため、有利である。
ハイパボリックメタマテリアル90の誘電体層92は、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸化アルミ(Al)またはフッ化マグネシウム(MgF)であることが好ましいが、本発明は、これに限定されない。
図4は、95で表される、ハイパボリックメタマテリアルの他の例を示す模式的な断面図である。ハイパボリックメタマテリアル95は、金属層91と誘電体層92の積層構造の中に、少なくとも一層の欠陥層93を含む。本明細書では、「欠陥」とは、周囲の規則性と異なることを意味する。欠陥層93の厚さは、金属層91および誘電体層92の厚さと異なる。欠陥層93は、金属層または誘電体層である。
ハイパボリックメタマテリアルの周期的な積層構造においては、層の数、層厚および材料などを調整することによって、機能する波長域を設計することができる。周期的な積層構造の中に、周期を乱す欠陥層93を導入することにより、特定の波長の光を欠陥層93の中に閉じ込めること、または特定の波長の光の透過率を向上させることができる。例えば、グルコースなどの生体物質に吸収される波長を有する赤外光はそのまま透過させる一方で、可視光に関しては、積層構造の分散関係をハイパボリックメタマテリアルの分散関係とすることができる。
以上のように、欠陥層93を導入することによって、波長に応じて積層構造の分散関係を制御することができる。また、測定の自由度を向上させることができる。したがって、測定の精度を向上させることができる。以下の実施の形態2でも、欠陥層93が導入されてもよく、その効果は上記のものと同様である。
図5a〜5cは、96で表される、ハイパボリックメタマテリアルの他の例を示す図である。図5aは、ハイパボリックメタマテリアル96の上面図である。図5bは、ハイパボリックメタマテリアル96の斜視図である。図5cは、図5aの5c−5c線で切断したハイパボリックメタマテリアル96の部分断面を示す部分断面斜視図である。
ハイパボリックメタマテリアル96は、複数の金属ロッド91aと、金属ロッド91aの周囲を埋める誘電体92aと、からなる。図5a〜5cの例では、金属ロッド91aは、底面の形状が直径Dの円である円柱形状を有する。あるいは、金属ロッド91aの形状は、底面の形状が円形の円柱形状に限定されず、ハイパボリックメタマテリアルの特性を満たせば、底面の形状が楕円の円柱、底面の形状が正方形あるいは長方形の四角柱でもよい。金属ロッド91aは、図5aの上面図に示すように、平面視において周期Pで径方向に2次元的に並んでいる。金属ロッド91aは、前述の金属層91(図3および図4参照)と同様に、使用される光の波長域で表面プラズモンが生じる材料からなる。
金属ロッド91aの太さDおよび周期Pは、使用される波長の1/4未満の厚さであることが望ましい。例えば、糖を検出するために赤外光を使用する場合、金属ロッド91aの太さおよび周期Pは、それぞれ約10nmである。図5a〜5cは金属ロッド91aの配置の一例を示すものに過ぎず、金属ロッド91aの配置はこれに限定されない。
図6は、97で表される、ハイパボリックメタマテリアルの他の例を示す上面図である。ハイパボリックメタマテリアルの周期的な構造においては、金属ロッド91aの数、太さ、周期および材料などを調整することによって、機能する波長域を設計することができる。図6に示すハイパボリックメタマテリアル97は、金属ロッド91aの大きさおよび周期等の規則性を乱す欠陥ロッド91bを備える。欠陥ロッド91bは、例えば、金属ロッド91aと同一の材料からなるが、金属ロッド91aと異なる太さEを有する。このように規則性を有する構造の中に、規則性を乱す欠陥ロッド91bを導入することにより、特定の波長の光を欠陥ロッド91bの周囲に閉じ込めること、または特定の波長の光の透過率を向上させることができる。
図6では、金属ロッド91aの中から特定の金属ロッドを選択し、選択された金属ロッドの太さを大きくすることによって、欠陥領域である欠陥ロッド91bを形成している。欠陥領域の形成方法はこれに限定されず、例えば、金属ロッド91aの形状を円柱から四角柱に変更する、金属ロッド91aの配列の周期を乱す位置に金属ロッドを配置する、金属ロッド91aの材料を変更する等の方法によって欠陥領域を形成してもよい。
以上のような欠陥ロッド91bを導入することにより、例えば、グルコースなどの生体物質に吸収される波長を有する赤外光はそのまま透過させる一方で、可視光に関しては、積層構造の分散関係をハイパボリックメタマテリアルの分散関係とすることができる。
次に、非侵襲血糖値測定装置80による血糖値測定の原理について説明する。ATRプリズム20とハイパボリックメタマテリアル90との界面および/またはハイパボリックメタマテリアル90と皮膚49との界面で赤外光が全反射すると、エバネッセント波が発生する。このエバネッセント波が皮膚49内に侵入し、被測定者の生体内の糖などの生体物質によって吸収される。このようにエバネッセント波が吸収されることにより、赤外光の強度が減衰する。生体物質が多いと、エバネッセント波がより多く吸収されるため、赤外光の強度の減衰も大きくなる。
皮膚49は、表面付近の表皮と、表皮の下の真皮とによって構成される。表皮は、表面付近から順に角質層、顆粒層、有棘層、および基底層を含む。それぞれの厚みは、10μm、数μm、100μm、数μm程度である。基底層において細胞が生成されて、有棘層に細胞が積み上げられる。有棘層の上の顆粒層には水分(組織間質液)が届かないため、細胞が死に絶える。顆粒層の上の角質層では、死んだ細胞が硬化した状態になっている。糖およびその他の生体物質は、表皮中の組織間質液中に存在している。組織間質液は、角質層から有棘層にかけて増加する。したがって、エバネッセント波の皮膚内への侵入長に応じて、全反射した赤外光の減衰の程度も変化する。
エバネッセント波の強度は、反射面から皮膚の方向に指数関数的に減衰し、皮膚内への侵入長は赤外光の波長程度である。したがって、非侵襲血糖値測定装置80において、糖に吸収される8.5μm〜10μmの波長の赤外光を使用した場合、皮膚表面から8.5μm〜10μmの深さの位置までに存在する糖の量を検出することができる。
次に、ハイパボリックメタマテリアル90の特性について説明する。まず、一般的に、平坦な薄膜の性質を記述する。互いに垂直なx軸とy軸があり、薄膜がxy平面内に広がっているものとする。x軸およびy軸に垂直な方向をz方向とする。x、yおよびz軸方向の波数をそれぞれk、kおよびkとする。誘電率εおよび透磁率μは、以下のように書ける。
Figure 0006541921
Figure 0006541921
薄膜の材料が一軸性結晶である場合(すなわち、εxx=εyy≠εzzである場合)、εxx=εyy≡ε、εzz=ε、μxx=μyy≡μ、μzz=μと書けるので、誘電率εおよび透磁率μは、それぞれ式(3)および式(4)のように書ける。
Figure 0006541921
Figure 0006541921
一般的に、光の分散関係は、次の式(5)で表される。
Figure 0006541921
ここで、ωは光の周波数であり、cは光の速度である。
通常の物質(すなわち、ハイパボリックメタマテリアルでない物質)では、εとεの値は等しく、かつ正の値である。つまり、次の式(6)が満たされる。
Figure 0006541921
図7は、縦軸をk、横軸をkとして、通常の物質(すなわち、ハイパボリックメタマテリアルでない物質)の分散関係を示している。図7中のSは、ポインティングベクトルを表す。このように、波数空間に表された分散関係は、球であり、閉じている。
以上の通常の物質に対し、電気的なハイパボリックメタマテリアルは、以下の式(7)かつ式(8)、または式(7)かつ式(9)を満たす物質である。
Figure 0006541921
Figure 0006541921
Figure 0006541921
したがって、電気的なハイパボリックメタマテリアルについての分散関係は、図8のように双曲線(ハイパボリック)形となる。したがって、どのように大きな波数であっても存在することが可能である。つまり、ハイパボリックメタマテリアルの中では、エバネッセント波が減衰しない。
さらに、本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置80では、皮膚49と接触するハイパボリックメタマテリアル90の材料と層の厚さなどを調整することにより、皮膚49とハイパボリックメタマテリアル90との間の屈折率の差を小さくする(屈折率をマッチングさせる)ことができる。そのため、ハイパボリックメタマテリアル90を備える本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置80を用いた場合、従来の表面プラズモンを利用した血糖値センサに比べて、皮膚49中へのエバネッセント波の侵入長が長くなる。したがって、本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置80により、皮膚中のグルコースを高感度に検知することができる。
なお、ハイパボリックメタマテリアルの分散関係を示す双曲線は、図8のように分離したものでない場合もある(例えば、“Poddubny, A.; Iorsh, I.; Belov, P.; Kivshar, Y. Hyperbolic metamaterials. Nature Photonics 2013, 7, 948-957.”参照)。
図9は、ATRプリズム20、ハイパボリックメタマテリアル90および皮膚49の中を進行する赤外光およびエバネッセント波の光路を示す模式図である。ATRプリズム20の中を進行した赤外光がATRプリズム20とハイパボリックメタマテリアル90の界面に到達すると、ハイパボリックメタマテリアル90の中に、赤外光および/または界面での全反射により発生したエバネッセント波が伝搬する。
ハイパボリックメタマテリアル90の中に赤外光のみ、エバネッセント波のみ、またはこれらの両方のいずれが侵入するかは、ハイパボリックメタマテリアル90の層厚、層数および材料などを調整することにより選択することができる。
上で述べたように、皮膚49中へのエバネッセント波の侵入長が長くなるため、入射波と反射波の位相マッチングに要する距離(グースハンチェンシフト、図9中のaに相当)が大きくなる。
さらに、ハイパボリックメタマテリアル90中では、通常の材料に比べて、光の反射角度の波長依存性が大きくなる。つまり、測定対象である波長の光と他の波長の光とがハイパボリックメタマテリアル90から出射される場合、通常の材料から出射される場合に比べて、測定対象である波長の光の出射角度と他の波長の光の出射角度との差が大きい。したがって、測定対象である波長の光が入射する位置に赤外光検出器30を設置すれば、赤外光検出器30には他の波長の光が入射しないため、他の波長の光に起因するノイズを検出することがない。よって、ハイパボリックメタマテリアル90を用いた場合、SN比が良好となり、高精度の測定を行うことができる。
ハイパボリックメタマテリアル90は、スパッタにより金属と絶縁層を交互に積層することで容易に製造できる。ハイパボリックメタマテリアル90の金属層91の材料にグラフェンを採用する場合は、銅箔上に化学的気相成長によって形成したグラフェンを絶縁膜上に転写する。あるいは、スクリーン印刷または溶液塗布方法などによってグラフェンを形成してもよい。
以上では、本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置80の測定対象は、血糖値であった。図10は、糖による赤外光の吸収スペクトルを示している。しかし、測定対象は血糖値に限定されず、他の生体物質の量であってもよい。
また、以上では、赤外光を利用する非侵襲血糖値測定装置80について説明したが、利用される光は、赤外光に限定されない。非侵襲血糖値測定装置80は、赤外光の代わりに、例えば可視光、THz領域の波長の光を利用するものであってもよい。
以上のように、本発明の実施の形態1による非侵襲血糖値測定装置80を用いることによって、従来の血糖値センサに比べて、皮膚中へのエバネッセント波の侵入長が長くなり、皮膚中の生体物質による赤外光の吸収が多くなる。また、入射波と反射波の位相マッチングに要する距離(グースハンチェンシフト)が大きくなる。さらに、測定対象である波長の光の出射角度と他の波長の光の出射角度との差が大きく、他の波長の光を検出することなく測定対象である波長の光を検出することができ、高精度の測定を行うことができる。
次に、非侵襲血糖値測定装置80含まれる赤外光検出器30の構成について詳細に説明する。
図11は、赤外光検出器30の構成例を示す斜視図である。図11には、説明の便宜を図るため、X軸と、X軸に垂直なY軸と、X軸およびY軸に垂直なZ軸を示している。赤外光検出器30は、XY平面に平行な基板1と、基板上に配置されたセンサアレイ1000と、センサアレイ1000の周囲に配置された検出回路1010とを備える。センサアレイ1000は、互いに直交する2方向(X方向、Y方向)にマトリックス状(アレイ状)に配置された複数の画素(半導体光素子)100を含む。図11には、54個(9×6個)の光素子100が示されている。検出回路1010は、各光素子100が検出した信号を処理する。検出回路1010は、光素子100が検出した信号を処理することによって、画像を検出してもよい。非侵襲血糖値測定装置80において、赤外光検出器30は、センサアレイ1000の光素子100に垂直に(Z軸に平行な方向から)赤外光が入射するように配置される。
光素子100は、例えば熱型の赤外線センサである。
図12は、光素子100の上面図である。図12では、光素子100の構造を明瞭に示すために、配線上の保護膜、反射膜および後述の吸収体は省略されている。図13は、図12の光素子100をX−X方向に見た断面図である。図13には、吸収体10を省略せずに示す。
図13に示すように、基板1上には中空部2が設けられている。中空部2の上には、温度を検知する温度検知部4が配置される。温度検知部4は、2本の支持脚3によって支持されている。支持脚3は、図2に示すように、上方から見るとL字型に折れ曲がったブリッジ形状を有する。支持脚3は、薄膜金属配線6と、薄膜金属配線6を支える誘電体膜16とを含む。
温度検知部4は、検知膜5と、薄膜金属配線6とを含む。検知膜5は、例えば、結晶シリコンを用いたダイオードからなり、温度によってその電気抵抗の値が変化するものである。薄膜金属配線6は、絶縁膜12で覆われたアルミニウム配線7と検知膜5とを電気的に接続している。薄膜金属配線6は、例えば、厚さが約100nmのチタン合金からなる。検知膜5が出力した電気信号は、支持脚3に形成された薄膜金属配線6を経由してアルミニウム配線7に伝わり、検出回路1010(図11)により取り出される。薄膜金属配線6と検知膜5との間、および薄膜金属配線6とアルミニウム配線7との間の電気的接続は、必要に応じて上下方向に延在する導電体(図示せず)を介して行われてもよい。
赤外線を反射する反射膜8は、中空部2を覆うように配置されている。ただし、反射膜8と温度検知部4とは熱的に接続されない。また、反射膜8は、支持脚3の少なくとも一部の上方を覆うように配置されている。
温度検知部4の上方には、支持柱9が設けられ、その上の吸収体10を支持している。つまり、吸収体10は、支持柱9によって温度検知部4に熱的に接続されている。したがって、吸収体10で生じた温度変化が温度検知部4に伝わる。吸収体10の裏面、つまり支持柱9側には、裏面からの光の吸収を防止する吸収防止膜13が設けられている。吸収体10の表面には、後述する金属膜(図14の金属膜42)が設けられているが、図13には図示しない。
一方、吸収体10は、反射膜8よりも上方に配置され、反射膜8とは熱的に接続されていない。吸収体10は、反射膜8の少なくとも一部を覆い隠すように側方に(XY方向に)板状に広がっている。そのため、後述する図14に示すように、光素子100を上方から見ると、吸収体10のみが見える。他の様態として、吸収体10が温度検知部4の直上に直接形成されてもよい。
図14は、光素子100の吸収体10を示す斜視図である。吸収体10は、その表面に、特定の波長の光を選択的に吸収する波長選択構造部11を含む。なお、波長選択構造部11も光を吸収する場合があるので、波長選択構造部11を含めて吸収体10と呼ぶ。
光素子100は、波長選択構造部11において表面プラズモンを利用するものである。光の入射面に金属からなる周期構造を設けた場合、表面周期構造に応じた波長の光が入射すると、表面プラズモンが生じ、光の吸収が生じる。これを利用して、吸収体10の表面を金属で形成し、入射光の波長、入射角度、および金属表面の周期構造のピッチpを調整することによって、吸収体10に吸収される光の波長を選択することができる。
本明細書では、光が入射された場合における、金属膜の内部の自由電子が寄与する表面モードの生成と、周期構造に起因する表面モードの生成とについて、光の吸収の観点からは同義とみなし、両者を区別することなく、両者を表面プラズモン、表面プラズモン共鳴、または単に共鳴と呼ぶ。また、上記の現象は、疑似表面プラズモン、メタマテリアルと呼ばれる場合もあるが、吸収に関する本質的な現象は同じであるため、これらを区別しない。
波長選択構造部11は、本体43と、本体43上に形成された金属膜42と、本体43上に周期的に設けられた複数の凹部45を備える。金属膜42の材料は、表面プラズモン共鳴が生じるAu、Ag、Cu、Al、Ni、またはMo等の金属から選択される。金属膜42の材料は、表面プラズモン共鳴が生じるTiN等の金属窒化物、金属ホウ化物、金属炭化物等であってもよい。
金属膜42の膜厚は、入射光が透過しない厚さであればよい。なぜなら、金属膜42の膜厚がこのような厚さであれば、吸収体10の表面における表面プラズモン共鳴のみが電磁波の吸収および放射に影響し、金属膜42の下の材料は、吸収および放射に光学的な影響を与えないからである。入射光が透過しない厚さは、次の式(10)で表される表皮効果の厚さ(skin depth)δ1に関連する。すなわち、金属膜42の膜厚が、δ1の2倍(例えば10nm〜数100nm)以上の厚さであれば、入射光は金属膜42をほとんど透過しない。したがって、吸収体10より下への入射光の漏れ出しを充分に小さくできる。
Figure 0006541921
ここで、μは金属膜42の透磁率、σは金属膜42の電気伝導率、ωは入射光の角振動数を表す。
波長選択構造部11の本体43は、誘電体または半導体からなる。例えば、波長選択構造部11の本体43は、酸化シリコン(SiO)からなる。金属膜42は、例えば金からなる。酸化シリコンの熱容量が金の熱容量より小さいため、酸化シリコンからなる本体43と、金からなる金属膜42とを有する吸収体10は、金のみからなる吸収体に比べて熱容量が小さい。その結果、光素子100の応答を速くすることができる。また、金などの金属のみからなる吸収体に比べて、コストを低減することができる。
波長選択構造部11の凹部45は、例えば直径4μm、深さ1.5μmの円柱形状を有する。波長選択構造部11には、この円柱形状の凹部45が、周期(ピッチ)8μmで正方格子状に配置される。この場合、吸収体10に吸収される光の波長は、約8μmである。円柱形状の凹部45は、周期8.5μmで正方格子状に配置されてもよい。この場合、吸収体10に吸収される光の波長は、約8.5μmである。
吸収体10に吸収される光の波長(以下、「吸収波長」という。)および吸収体10から放射される光の波長(以下、「放射波長」という。)と、凹部45の周期pとの間の関係は、凹部45の配置が正方格子状である場合と正方格子状以外の2次元周期構造である場合とでほぼ同じであることが見出された。すなわち、いずれの場合も、吸収波長と放射波長は、凹部45の周期pによって決定される。
この点については、理論的には、周期構造の逆格子ベクトルを考慮すれば、正方格子配置においては、吸収波長および放射波長が周期pにほぼ等しいのに対して、三角格子配置では、吸収波長および放射波長は、周期p×√3/2となるとも考えられる。しかしながら、実際には、凹部45の直径dによって吸収波長および放射波長がわずかに変化するため、いかなる2次元周期構造であっても、ほぼ周期pと等しい波長の光が吸収または放射されるものと考えられる。
したがって、凹部45の配置は、正方格子状に限られず、三角格子状などの正方格子状以外の2次元周期構造であってもよい。
以上のように、吸収体10に吸収される光の波長は、凹部45の周期pを調整することによって制御できる。凹部45の直径dは、一般的に周期pの1/2以上であることが望ましい。凹部45の直径dが周期pの1/2よりも小さい場合は、共鳴効果が小さくなり、入射光の吸収率が低下する傾向にある。ただし、共鳴は、凹部45内の三次元的な共鳴であるため、直径dが周期pの1/2より小さくても、十分な吸収が得られる場合もある。したがって、周期pに対する直径dの値は、適宜、個別に設計されてもよい。重要なのは、吸収波長が主に周期pによって決定され、したがって周期pを調整することによって制御できることである。直径dが周期pに対してある値以上であれば、吸収体10は、十分な吸収特性を有する。したがって、吸収体の設計条件を柔軟に決定することができる。
一方、表面プラズモンの分散関係から、吸収体10吸収される光は、凹部45の深さには無関係であり、周期pにのみ依存することが知られている。
以上では、凹部45が周期的に配置された吸収体10について説明した。しかし、吸収体10の波長選択構造部11には、表面上から突き出た凸部が周期的に配置されてもよい。このような構成でも、上記と同様の効果を有する。
また、以上では、凹部45は円柱形状であったが、例えば、凹部45を上面から見た形状は、長方形または楕円であってもよい。また、凹部45の配置は、2次元周期配置に限られず、例えば1次元周期配置であってもよい。これらの場合、入射光の吸収は、入射光の偏光に依存する。例えば、光源から放射される光が偏光を有する場合、その偏光のみを吸収することができる吸収体10を設計することができる。これにより、SN比を向上させることができる。
吸収体10による入射光の吸収は、吸収体に対して入射光が垂直に入射される場合に最大となる。吸収体10への入射角度が垂直からずれた場合、吸収波長が変化し、入射光の吸収率も小さくなる。
次に、吸収体10の作製方法について説明する。誘電体または半導体からなる本体43の表面上に、フォトリソグラフィとドライエッチングにより、周期的な凹部45を形成する。その後、凹部45を含む本体43の表面全体の上に金属膜42をスパッタ等により形成する。同様に、裏面上にも金属膜42を形成する。なお、図に例示された凹部45の直径dは数μm程度と小さいため、金属膜42を直接エッチングして凹部を形成する工程よりも、本体43をエッチングして凹部45を形成した後に金属膜42を形成する工程の方が、容易に実行可能である。
実施の形態2.
図15は、全体が81で表される、本発明の実施の形態2による非侵襲血糖値測定装置の構成を示す模式図である。非侵襲血糖値測定装置81は、生体物質の吸収波長域(8.5μm〜10μm)の全部または一部の波長域を有する赤外光を放射する赤外光源32と、赤外光源32から出射された赤外光が透過するATRプリズム20と、ATRプリズム20の上に形成されたハイパボリックメタマテリアル90と、図示しない制御部と、図示しないユーザインタフェースとを備える。図15は、使用時の図であり、非侵襲血糖値測定装置81のヘッド上のハイパボリックメタマテリアル90は、被測定者の皮膚49に接触している。
本発明の実施の形態2による非侵襲血糖値測定装置81は、ATRプリズム20に向けて可視光を放射する可視光源71と、ATRプリズム20内を透過して出射された可視光の強度および位置を検出する可視光検出器72とを更に備える。
可視光源71から放出された可視光は、ATRプリズム20に入射する。入射された可視光は、全反射を繰り返しながらATRプリズム20の中を透過し、その後ATRプリズム20から出射され、可視光検出器72に入る。
赤外光源32から放射された赤外光は、ATRプリズム20とハイパボリックメタマテリアル90を経由して、被測定者の皮膚49に到達する。赤外光は、皮膚49内の生体物質(例えばグルコース)に吸収され、これにより熱が発生する。発生した熱により、ATRプリズム20の温度が上昇する。温度の上昇により、ATRプリズム20の屈折率などの光学定数が変化し、ATRプリズム20から出射される可視光の出射角度が変化する。出射角度が変化することにより、可視光が到達する位置が変化する。よって、可視光検出器72により可視光が到達する位置を検出することにより、ATRプリズム20の光学定数の変化を、したがって発生した熱を決定することができる。すなわち、生体物質の量が多いほど可視光の吸収量が多く、吸収量が多いほど、発生する熱も増加する。よって、生体物質の量が多いほど、ATRプリズム20から出射される可視光の出射角度の変化は大きくなる。このようにして、皮膚49内の生体物質の量を決定することができる。
可視光検出器72の光素子が単画素の場合は、機械的にスキャンすることで出射光の到達位置を特定し、ATRプリズム20からの可視光の出射角度の変化を算出することができる。
以上のように、赤外光を吸収することにより発生した熱を用いて、生体物質の量を判定することができる。この方法は、光・熱方式と呼ばれる。
このような測定装置において、ハイパボリックメタマテリアル90をATRプリズム20の上に形成することにより、ATRプリズム20からの可視光の出射角度の変化を更に大きくすることができる。ハイパボリックメタマテリアル90をATRプリズム20の上に設けた場合、ATRプリズム20に入射した可視光が、および/または、ATRプリズム20とハイパボリックメタマテリアル90との界面での可視光の全反射により発生したエバネッセント波が、ハイパボリックメタマテリアル90内を通過する。ハイパボリックメタマテリアル90の屈折率などの光学定数は、温度によって変化する。特に、ハイパボリックメタマテリアル90を用いた場合、通常の分散関係をもつ物質を用いた場合と比較して、可視光の出射角度の変化の温度依存性が大きい。したがって、ハイパボリックメタマテリアル90を用いることにより、可視光の出射角度を更に大きく変化させることができる。つまり、生体物質による可視光の吸収量がわずかであっても、出射角度の変化を大きくすることができるため、測定精度が向上する。
<変形例1>
図16は、全体が82で表される、本発明の実施の形態2の変形例1による非侵襲血糖値測定装置の構成を示す模式図である。本発明の実施の形態2の変形例1では、可視光検出器72は、互いに直交する2方向にマトリックス状(アレイ状)に配置された複数の画素(半導体光素子)73を含む。
可視光検出器72をアレイにすることによって、画素73ごとに可視光の強度を検出することができる。したがって、可視光の光量が最も大きい位置を細やかに特定することができる。これにより、ATRプリズム20からの可視光の出射角度を高精度に検出することができる。したがって、出射角度の変化量から、発生した熱量、つまり生体物質の量を高精度に測定することができる。
図16には、12個の画素73が示されているが、画素73の数はこれに限定されない。可視光検出器72は、イメージセンサであってもよい。
<変形例2>
図17は、全体が83で表される、本発明の実施の形態2の変形例2による非侵襲血糖値測定装置の構成を示す模式図である。本発明の実施の形態2の変形例2では、可視光源71は、互いに直交する2方向にマトリックス状(アレイ状)に配置された複数の光源素子74を含む。
複数の光源素子74は、同じ波長の可視光を放射するものであってもよい。複数の光源素子74は、異なる位置に配置されているため、各光源素子74から放射された可視光は、異なる位置または入射角でATRプリズム20に入射する。したがって、各光源素子74から放射された可視光は、皮膚49の異なる位置にそれぞれ入射する。皮膚49への入射位置が異なれば、温度による影響が異なるため、ATRプリズム20からの各可視光の出射角度の温度による変化がそれぞれ異なる。可視光の入射位置の差による出射角度の変化を算出することにより、測定精度を向上させることができる。
以上と異なり、複数の光源素子74のうちの少なくとも1つは、他の光源素子74と異なる波長の可視光を放射するものであってもよい。可視光の波長の違いによる出射角度の変化を算出することにより、測定精度を向上させることができる。
本発明の実施の形態2の変形例2においても、ハイパボリックメタマテリアル90を用いることにより、可視光の出射角度を更に大きく変化させることができる。つまり、生体物質による可視光の吸収量がわずかであっても、出射角度の変化を大きくすることができるため、測定精度が向上する。
10 吸収体、11 波長選択構造部、20 ATRプリズム、30 赤外光検出器、32 赤外光源、52 制御部、54 ユーザインタフェース、71 可視光源、72 可視光検出器、74 光源素子、80 非侵襲血糖値測定装置、90 ハイパボリックメタマテリアル、91 金属層、92 誘電体層、93 欠陥層、100 光素子、1000 センサアレイ、1010 検出回路。

Claims (20)

  1. 第1の光を放射する第1の光源と、
    表面と裏面を有し、一端から入射した前記第1の光が内部を透過して他端から出射するATRプリズムと、
    表面と裏面を有し、前記ATRプリズムの表面上に前記裏面が接するように配置されたハイパボリックメタマテリアル層と、
    前記ATRプリズムから出射された前記第1の光を検出する第1の光検出器と、
    を備え、
    前記ハイパボリックメタマテリアル層は、金属を含む金属層と誘電体層とが、前記ATRプリズムの表面に垂直な方向に、交互に積層された構造を有し、
    検出された前記第1の光から生体中の生体物質の量を測定する生体物質測定装置。
  2. 前記ハイパボリックメタマテリアル層の層数、厚さおよび材料は、前記ハイパボリックメタマテリアル層に前記第1の光が入射することによって表面プラズモン共鳴が生じるように決定された、請求項に記載の生体物質測定装置。
  3. 前記ハイパボリックメタマテリアル層の層数、厚さおよび材料は、温度変化によって前記ハイパボリックメタマテリアル層の光学定数が変化するように決定された、請求項1または2に記載の生体物質測定装置。
  4. 前記ハイパボリックメタマテリアル層の前記金属層の厚さおよび/または前記誘電体層の厚さは、前記第1の光の波長の1/4より小さい、請求項1〜3のいずれかに記載の生体物質測定装置。
  5. 前記ハイパボリックメタマテリアル層の前記金属層と前記誘電体層のうち少なくとも一層は、他の層の厚さと異なる厚さを有し、前記他の層の厚さは等しい、請求項1〜4のいずれかに記載の生体物質測定装置。
  6. 第1の光を放射する第1の光源と、
    表面と裏面を有し、一端から入射した前記第1の光が内部を透過して他端から出射するATRプリズムと、
    表面と裏面を有し、前記ATRプリズムの表面上に前記裏面が接するように配置されたハイパボリックメタマテリアル層と、
    前記ATRプリズムから出射された前記第1の光を検出する第1の光検出器と、
    を備え、
    前記ハイパボリックメタマテリアル層は、金属を含み、前記ATRプリズムの表面に垂直な方向を中心軸とする柱形状を有する金属ロッドと、前記金属ロッドの前記中心軸に垂直な径方向の周囲を埋める誘電体と、を含み、
    検出された前記第1の光から生体中の生体物質の量を測定する生体物質測定装置。
  7. 前記ハイパボリックメタマテリアル層の金属ロッドは、前記径方向に1次元的または2次元的に周期的に配列され、前記金属ロッドの太さ、配列の周期および材料は、前記ハイパボリックメタマテリアル層に前記第1の光が入射することによって表面プラズモン共鳴が生じるように決定された、請求項に記載の生体物質測定装置。
  8. 前記ハイパボリックメタマテリアル層の金属ロッドは、前記径方向に1次元的または2次元的に周期的に配列され、前記金属ロッドの太さ、配列の周期および材料は、温度変化によって前記ハイパボリックメタマテリアル層の光学定数が変化するように決定された、請求項6または7に記載の生体物質測定装置。
  9. 前記ハイパボリックメタマテリアル層の前記金属ロッドの太さおよび/または配列の周期は、前記第1の光の波長の1/4より小さい、請求項6〜8のいずれかに記載の生体物質測定装置。
  10. 前記金属ロッドのうちの少なくとも1つは、他の金属ロッドの太さと異なる太さを有する、請求項6〜9のいずれかに記載の生体物質測定装置。
  11. 前記ATRプリズムに入射した前記第1の光は、前記ATRプリズムの裏面と、前記ATRプリズムの表面および/または前記ハイパボリックメタマテリアル層の表面とで反射されて前記ATRプリズム中を透過し、
    前記ハイパボリックメタマテリアル層を生体に接触させて、前記生体により吸収された前記第1の光の量から前記生体中の生体物質の量を測定する、請求項1〜10のいずれかに記載の生体物質測定装置。
  12. 前記第1の光検出器は、その表面に、互いに離れて、1方向にまたは互いに交差する2方向に一定の周期で配置された、少なくとも表面が金属からなる複数の凹部または凸部を有し、
    前記一定の周期は、前記第1の光の入射によって前記凹部または前記凸部に表面プラズモンが発生する周期である、
    請求項1〜11のいずれかに記載の生体物質測定装置。
  13. 前記第1の光源、前記ATRプリズム、前記第1の光検出器および前記ハイパボリックメタマテリアル層は、前記ATRプリズムから出射された前記第1の光が前記第1の光検出器の表面に垂直に入射するように配置された、請求項1〜12のいずれかに記載の生体物質測定装置。
  14. 前記第1の光は赤外光である、請求項1〜13のいずれかに記載の生体物質測定装置。
  15. 第2の光を放射する第2の光源を更に備え、
    前記ATRプリズムに入射した前記第1の光は、前記ATRプリズムの裏面と、前記ATRプリズムの表面および/または前記ハイパボリックメタマテリアル層の表面とで反射されて前記ATRプリズム中を透過し、
    前記ハイパボリックメタマテリアル層を生体に接触させた状態で前記生体に前記第2の光を照射し、前記生体中の生体物質が前記第2の光を吸収して生じた熱による前記第1の光の変化から前記生体物質の量を測定する、
    請求項1〜14のいずれかに記載の生体物質測定装置。
  16. 前記第1の光の前記変化は、前記熱による前記ATRプリズムおよび/または前記ハイパボリックメタマテリアル層の屈折率の変化に起因する前記第1の光の出射角度の変化である、請求項15に記載の生体物質測定装置。
  17. 前記第1の光検出器は、異なる位置に配置された複数の第1の光検出器であり、
    前記生体物質の量は、前記異なる位置におけるそれぞれの第1の光の強度と位置データとを用いて算出される、請求項15または16に記載の生体物質測定装置。
  18. 前記第1の光は可視光であり、前記第2の光は赤外光である、請求項15〜17のいずれかに記載の生体物質測定装置。
  19. 前記第1の光源は、互いに異なる波長の第1の光を放射する複数の第1の光源である、請求項15〜18のいずれかに記載の生体物質測定装置。
  20. 前記金属は、グラフェンを含む、請求項1〜19のいずれかに記載の生体物質測定装置。
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