最初に第1の実施形態におけるハイブリッド自動車1の車両構成について説明する。図1、2に示すように、車室2内には、前部座席を構成する運転席3及び助手席4(図2参照)が車室2の幅方向に並んで設けられている。車室2内の運転席3及び助手席4の車両後方側には後部座席5が設けられている。後部座席5は3人掛けであり、クッション5aとバックレスト5bとを備えている。
ハイブリッド自動車1には、各座席3,4,5への乗員の乗降のための図示しない4つのドアが設けられている。各ドアは開閉可能な窓6,7(車両右側のみ示す)を有しており、窓6,7は乗員が窓開閉操作スイッチ6a,7aを操作することにより開閉される。図示を省略した窓の近傍にも同様に窓開閉操作スイッチが設けられている。
運転席3と助手席4との間には、車両前後方向に延びる樹脂製のセンターコンソール8が設けられている。センターコンソール8は車室2の前後に延びる略直方体形状を有している。センターコンソール8の上面には、図示しないカップホルダーや収納スペースが設けられている。
センターコンソール8の内部には、ダッシュボードに配置されたエアコン10による空調空気を後部座席5の下部に供給する送風ダクト9が設けられている。送風ダクト9の車両前方側の一端はエアコン10に接続されている。送風ダクト9の車両後方側の他端は、センターコンソール8の後端に開口して吹出口9aを形成している。吹出口9aには、この吹出口9aを開閉するルーバー9bが設けられている。ルーバー9bは、図示しない操作レバーを乗員が操作することにより開閉可能であり、また、エアコン10によって自動的に開閉可能に構成されている。このため、ルーバー9bの近傍には、ルーバー9bを作動するアクチュエータ9cと、吹出口9aの開閉状態を検出する吹出口開閉検出センサ9dとが設けられている。吹出口9aのアクチュエータ9cはエアコン10からの制御信号によってその駆動を制御される。
エアコン10には、吹出口9a以外にも、例えば、ダッシュボードに設けられた図示しない吹出口や、後部座席5の近傍に設けられた図示しない吹出口に接続された複数のダクトが接続されており、車室2の複数の箇所から空調された空気を送風する。これらの吹出口にもルーバー、アクチュエータ及び吹出口開閉検出センサが設けられており、エアコン10からの制御信号によって開閉制御される。
エアコン10は、車室2内の空気を循環する内気循環モード、車外の空気を導入する外気導入モード、運転席3、助手席4または後部座席5のみに送風する送風エリア限定モード、車室2内の空気温度を一定温度に維持するオートモード等の機能を有している。特に、送風エリア限定モードは、各吹出口のアクチュエータを個別に制御することによって実行される。また、エアコン10は、温度設定やモード変更等を行う操作部を備えており、乗員による操作によって設定されたモードや温度に基づいて車室2の空調を行う。
後部座席5の後方には、図示しない車両駆動用モータに電力を供給する電池パック20が配置されている。電池パック20は、複数の電池セルを電気的に接続して構成されるバッテリ21と、バッテリ21の温度を検出するバッテリ温度センサ22と、これらを収容するケーシング23とを備えている。ケーシング23の後端には、ケーシング23内の空気を車外に排気する排気ダクト24が設けられている。
バッテリ21は充放電によって発熱し、高温になるとバッテリ21の性能が劣化するために冷却する必要がある。また、冷間時に外気温の影響によって低温になると性能が低下するために暖める必要がある。このため、バッテリ21の温度に基づいて、バッテリ21に車室2内の空気を供給して、バッテリ21の温度を調整するバッテリ温度調整装置50が備えられている。
バッテリ温度調整装置50は、バッテリ21に車室2内の空気を供給する送風ファン30と、車室2内の空気を送風ファン30に導入する吸気ダクト31と、送風ファン30の駆動を制御する制御部40とを備えている。
吸気ダクト31は、後部座席5のクッション5aの内部における車幅方向の中央下部に車両前後方向に延在するように設けられている。吸気ダクト31の車両前方側の一端は、後部座席5の下部前端面に開口する吸入口31aに接続されている。吸気ダクト31の車両後方側の他端は、送風ファン30に接続されている。吸気ダクト31の内部には、この吸気ダクト31内に流れる空気の温度を検出する吸気温度センサ32が設けられている。
吸入口31aは、吹出口9aに対向する位置に設けられ、吹出口9aから吹き出された空気を効率的に吸い込むことができる。吸入口31aは、後部座席5のクッション5aの上端部の近傍に位置しており、すなわち、車室2の床面から離れて位置している。このため、埃や塵等の異物の吸引を抑制することができる。また、吸入口31aに図示しないフィルタを設けてもよい。
送風ファン30は、後部座席5と電池パック20との間に配設されており、電池パック20に吸気ダクト33を介して接続されている。
図1に示すように、制御部40には、送風ファン30の駆動を制御するための各種情報が入力される。すなわち、制御部40には、バッテリ温度センサ22、吸気温度センサ32、エアコン10、窓開閉操作スイッチ6a,7a等が電気的に接続されており、これらからの検出結果や情報等が入力される。特に、制御部40は、エアコン10からモード情報、設定温度等が入力されるとともに、エアコン10に対して、エアコン10の各種動作モード、温度設定、各吹出口の開閉動作等を制御する制御信号を出力する。
次に、制御部40の制御について図3、4に示すフローチャートに基づいて説明する。ハイブリッド自動車1のシステムが起動されると、以下の制御が実行される。まず、夏季等の気温が高い場合におけるバッテリ21の冷却について説明する。なお、図3のフローチャートにおいてステップS11、S16における括弧内の制御は、後述する冬季等の気温が低い場合における制御である。
ステップS10において、バッテリ温度センサ22からバッテリ21の温度を取得して、ステップS11へ進む。ステップS11では、バッテリ温度センサ22が検出したバッテリ温度と、制御部40が記憶している冷却判断温度TB1とを比較する。冷却判断温度TB1とは、バッテリ21の温度が上昇した場合に、バッテリ21の冷却が必要であるかを判断するための温度である。冷却判断温度TB1は、バッテリ21の仕様等によって様々な温度に設定されるが、例えば、40℃〜50℃等に設定される。ステップS11において、検出したバッテリ温度が冷却判断温度TB1よりも低い場合(NO)、バッテリ21を冷却する必要はないと判断してステップS12に進み、ステップS12で送風ファン30が駆動していれば駆動を停止してステップS13に進む。ステップS13では、後述するバッテリ送風モードを解除してステップS10に戻る。なお、送風ファン30が駆動していない場合や、バッテリ送風モードを実行していない場合には、何もせずにステップS10に戻る。
検出したバッテリ温度が冷却判断温度TB1以上である場合(YES)、バッテリ21を冷却する必要があると判断してステップS14に進む。ステップS14では、送風ファン30を駆動して車室2内の空気を吸入口31aから吸引し、吸気ダクト31を介してバッテリ21に供給してステップS15に進む。バッテリ21に供給された空気は、バッテリ21との間で熱交換を行ってバッテリ21を冷却し、排気ダクト24を介して車外に排気される。
ステップS15では、吸気温度センサ32から吸気ダクト31内を流れる空気温度を取得してステップS16へ進む。吸気ダクト31内を流れる空気温度を検出することによって、バッテリ21に供給される空気温度を検出することができる。ステップS16では、吸気温度センサ32が検出した空気温度と、制御部40が記憶している冷却可能温度TP1(上限しきい温度)とを比較する。冷却可能温度TP1とは、バッテリ21に供給される空気温度がバッテリ21を冷却するのに適した温度であるかを判断するための温度であり、冷却判断温度TB1よりも低い温度である。
車室2内は、エアコン10によって空調されているので、車室2内の空気温度は、バッテリ21を冷却するのに適しており、冷却可能温度TP1よりも低い温度である。このため、ステップS16において、検出した吸気温度が冷却可能温度TP1よりも低い温度である場合(NO)、バッテリ21に供給される空気温度は、バッテリ21を冷却するのに適していると判断してステップS10に戻る。
逆に、検出した吸気温度が冷却可能温度TP1以上である場合(YES)、バッテリ21に供給される空気温度は、バッテリ21を冷却するのに適していないと判断してステップS17に進む。ここで、検出した吸気温度が冷却可能温度TP1以上となる場合について説明する。上述のとおり、車室2内は、通常、エアコン10によって空調されているので、車室2内の空気温度は、冷却可能温度TP1よりも低い温度に維持されている。しかし、窓6,7が開放された場合には、高温の外気が車室2に流入して車室2内の温度が上昇する。このため、吸入口31aから吸引される空気温度も上昇して、吸気ダクト31内を流れる空気温度が冷却可能温度TP1よりも高い温度になってしまう。このため、ステップS16において、バッテリ21に供給される空気温度がバッテリ21を冷却するのに適した温度であるかを判断している。
一方、ステップS17では、エアコン10の作動状態を確認してステップS18に進む。ステップS18では、エアコン10の作動/停止や、作動している場合には、どのようなモードで作動しているか等を確認する。エアコン10が作動しており、吹出口9aから空調空気を吹き出すモードである場合(YES)、ステップS19に進み、エアコン10が停止している場合(NO)、ステップS20に進む。
ステップS20では、エアコン10を作動するとともに、エアコン10により空調された空調空気をバッテリ21に送風するバッテリ送風モードに設定する。バッテリ送風モードは、バッテリ21にエアコン10の空調空気を送風するために、吹出口9aのみから空調空気を送風するモードである。このモードが設定されると、吹出口9a以外の吹出口を閉じて吹出口9aのみ開く制御を行う。そして、エアコン10によりバッテリ21の冷却に適した温度、すなわち、冷却可能温度TP1もよりも低い温度に空調した空気を吹出口9aから吹き出して、ステップS19に進む。
ステップS19では、エアコン10を介して吹出口開閉検出センサ9dから吹出口9aの開閉情報を取得してステップS22に進む。ステップS22では、吹出口9aの開閉状態を確認し、吹出口9aが開いている場合(YES)、ステップS23に進む。吹出口9aが閉じている場合(NO)、ステップS24に進み、アクチュエータ9cを駆動することによりルーバー9bを作動して吹出口9aを開いて、ステップS22に戻る。
ステップS23ではこの状態を維持する。すなわち、ステップS23では、エアコン10が作動しており、また、吹出口9aが開いている状態であるので、エアコン10により空調された空気が送風ダクト9を介して吹出口9aから吹き出されて、この吹出口9aに対向する吸入口31aから吸入される。そして、空調空気は吸気ダクト31を介してバッテリ21に供給される。よって、この状態が維持されることによりバッテリ21には、低温の空調空気が供給されてバッテリ21は冷却される。
このように、夏季時に窓6,7が開放されて、車外の空気が車室2内に流入して車室2の温度が急激に上昇しても、吸入口31aには、この吸入口31aに対向する吹出口9aからバッテリ21の冷却に適した空調空気が供給されるので、バッテリ21を安定して冷却でき、バッテリの温度調整を適切に行うことができる。
なお、上述の実施形態では、車室2内の温度が変化したことを、吸気温度センサ32の検出結果に基づいて判断していたが、これに代えて、バッテリ温度センサ22の検出温度の変化に基づいて車室2内の温度変化を判断してもよい。また、吸気温度センサ32やバッテリ温度センサ22の検出温度の短時間における温度変化を算出して、例えば、10秒間に数℃の温度変化が算出された場合に、吸入口31aの近傍の空気温度が急激に変化したと判断してもよい。
さらに、吸入口31a近傍の空気温度の急激な変化の要因は窓6,7の開放によるものであることから、窓開閉操作スイッチ6a,7aが操作されたことを検出することによって窓6,7の開放を検出してもよい。また、サンルーフを備える車両についても適用することができる。この場合にも、吸気温度センサ32またはバッテリ温度センサ22の検出結果や、サンルーフを開閉する操作スイッチが操作されたことを検出することによってエアコン10及び吹出口9aを制御してもよい。
次に、冬季等の気温が低い場合においてバッテリ21を温める制御について説明する。バッテリ21は低温になると性能が低下するために、バッテリ21の温度が低いときには車室2内の空気を供給してバッテリ21を温める必要がある。この制御は、基本的に図3、4に示すフローチャートの説明と同様なので、相違する部分について説明する。相違する部分はステップS11、S16の判断である。
ステップS11では、バッテリ温度センサ22が検出した温度と、制御部40が記憶している冷却判断温度TB1とを比較していたが、この冷却判断温度TB1に代えて暖気判断温度TB2と比較する。すなわち、ステップS11において、「バッテリ温度≦暖気判断温度TB2」であるかを判断する。暖気判断温度TB2とは、バッテリ21の周囲温度が低くてバッテリ21の温度が低下した場合に、バッテリ21の暖気が必要であるかを判断するための温度である。そして、ステップS11において、バッテリ温度が暖気判断温度TB2よりも高い温度である場合(NO)、バッテリ21を暖気する必要はないと判断してステップS12、S13に進む。また、バッテリ温度が暖気判断温度TB2以下である場合(YES)、バッテリ21を暖気する必要がある判断してステップS14に進む。
また、ステップS16では、吸気温度センサ32が検出した吸気温度と、制御部40が記憶している暖気可能温度TP2(下限しきい温度)とを比較する。すなわち、ステップS16において、「吸気温度≦暖気可能温度TP2」であるかを判断する。暖気可能温度TP2とは、バッテリ21に供給される空気温度がバッテリ21を温めるのに適した温度であるかを判断するための温度であり、暖気判断温度TB2よりも高い温度である。冬季等では車室2内は、エアコン10によって暖かく空調されるので、車室2内の空気温度は、暖気可能温度TP2も高い温度になる。このため、ステップS16において、吸気温度が暖気可能温度TP2よりも高い場合(NO)、バッテリ21に供給される空気温度は、バッテリ21を温めるのに適していると判断して、ステップS10に戻る。
また、エアコン10によって車室2内が暖かい温度に空調されているときに、窓6,7が開放された場合には、低温の外気が車室2に流入して車室2内の温度が急激に低下する。このような場合には、バッテリ21に供給される空気温度も急激に低下する。このような場合には、吸気温度が暖気可能温度TP2以下になり(YES)、バッテリ21に供給される空気温度は、バッテリ21を温めるのに適していないと判断して、ステップS17に進む。
このように、冬季時に窓6,7が開放されて、車外の空気が車室2内に流入して車室2の温度が急激に低下しても、吸入口31aには、この吸入口31aに対向する吹出口9aからバッテリ21の暖気に適した空調空気が供給されるので、バッテリ21を安定して暖気でき、バッテリの温度調整を適切に行うことができる。
よって、窓6,7の開放により車室2の温度が急激に変化しても、送風ファン30による送風量の増大や、バッテリ冷却専用のエアコンを備える必要がなく、バッテリ21の温度調整を適切に行うことができる。このため、送風ファン30への負荷増やバッテリ冷却専用エアコンに係るコスト増加を抑制することができる。また、センターコンソール8の後端面の吹出口9aは、窓6,7から離れているので、窓6,7の開放による空気温度の変化の影響が少なく、効率的にバッテリ温度調整を行うことができる。
次に第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、オープンカーやコンバーチブルと呼ばれるルーフ開閉可能なハイブリッド自動車に本発明を適用した構成である。第1の実施形態と同じ部材については同符号を付し、相違する構成について説明する。特に、第2の実施形態のハイブリッド自動車100は、第1の実施形態のハイブリッド自動車1とは、ルーフ、後部座席及び吸気ダクトの構成が相違している。
コンバーチブル型の車両は、幌等のソフトトップ式または樹脂や板金等のハードトップ式のルーフを自動または手動で開閉可能とするルーフ開閉機構を備えている。本実施形態では、ソフトトップ式のルーフ102を手動で開閉するルーフ開閉機構110を備えているハイブリッド自動車100について説明する。図5、6に示すように、このルーフ開閉機構110は、フロントウインドウ101の上部にルーフ102の前端部を着脱可能とする装着部101aを備え、装着部101aにおいてルーフ102の前端部を手動で取り外し、車両後方に移動して折り畳んだ状態で収納する。ルーフ102を後方に収納した状態でルーフ102は開状態となり、ルーフ102を装着部101aに装着した状態でルーフ102は閉状態となる。また、フロントウインドウ101の上部の装着部101aには、ルーフ102が装着部101aに装着されていることを検出するルーフロックセンサ103が設けられている。
後部座席120は2人掛けであり、クッション120aとバックレスト120bとを備えている。クッション120aの車幅方向の中央部には、リヤコンソール130が設けられている。リヤコンソール130は、車両前後方向に長い略直方体形状であり、リヤコンソール130の前端面が、センターコンソール8の後端面と対向するように車室2の床面に配置されている。リヤコンソール130の前端面において、センターコンソール8の吹出口9aに対向する位置には、空気を吸入する吸入口131が設けられている。また、リヤコンソール130の上面には、図示しないカップホルダーや収納スペースが設けられている。
後部座席120の側方のサイドパネル140には、空気を吸入する吸入口141が設けられている。吸入口141は、サイドパネル140の上端近傍に配設されている。図示を省略しているが、反対側のサイドパネルにも同様の吸入口が設けられている。後部座席120の後方には、第1の実施形態と同様の電池パック20が配置されている。この電池パック20の近傍には、バッテリの温度を調整するバッテリ温度調整装置150が配置されている。
バッテリ温度調整装置150は、バッテリ21に空気を供給する送風ファン30と、バッテリ21に空気を導入する吸気ダクト160,170と、これら吸気ダクト160,170の両ダクトが接続され、バッテリ21への流路を切り換える切換ユニット180と、送風ファン30及び切換ユニット180の駆動を制御する制御部40とを備えている。
吸気ダクト160は、リヤコンソール130の内部に設けられている。吸気ダクト160の一端はリヤコンソール130の前端面の吸入口131に接続されており、他端は切換ユニット180に接続されている。
吸気ダクト170は、サイドパネル140の内部に配設されている。吸気ダクト170の一端はサイドパネル140の吸入口141に接続され、他端は切換ユニット180を介して送風ファン30に接続されている。
吸気ダクト160は、切換ユニット180の内部において吸気ダクト170に接続されている。切換ユニット180は、吸気ダクト160及び吸気ダクト170の送風ファン30への流路を切り換える切換弁と、この切換弁を駆動するアクチュエータとを備えている。このアクチュエータは制御部40からの制御信号によって制御される。通常時は、吸気ダクト160の流路を閉じて、吸気ダクト170が送風ファン30に接続するように切り換えている。
制御部40には、送風ファン30及び切換ユニット180の駆動を制御するための各種情報が入力される。すなわち、制御部40には、バッテリ温度センサ22、ルーフロックセンサ103、エアコン10等が電気的に接続されており、これらからの検出結果や情報等が入力される。
次に、制御部40の制御について図7、8に示すフローチャートに基づいて説明する。ハイブリッド自動車100のシステムが起動されると、以下の制御が実行される。まず、夏季等の気温が高い場合におけるバッテリ21の冷却について説明する。なお、図7のフローチャートにおいてステップS31における括弧内の制御は、後述する冬季等の気温が低い場合における制御である。
ステップS30において、バッテリ温度センサ22からバッテリ21の温度を取得して、ステップS31へ進む。ステップS31では、バッテリ温度センサ22が検出した温度と、制御部40が記憶している冷却判断温度TB1とを比較する。ステップS31において、検出したバッテリ温度が冷却判断温度TB1よりも低い場合(NO)、バッテリ21を冷却する必要はないと判断してステップS32に進み、ステップS32で送風ファン30が駆動していれば駆動を停止してステップS33に進む。ステップS33では、後述するバッテリ送風モードを解除してステップS34に進み、吸気経路を吸気ダクト170に切り換えてステップS30に戻る。なお、送風ファン30が駆動していない場合や、バッテリ送風モードを実行していない場合、吸気経路が切り換わっていない場合には、何もせずにステップS30に戻る。
検出したバッテリ温度が冷却判断温度TB1以上である場合(YES)、バッテリ21を冷却する必要があると判断してステップS35に進む。ステップS35では、送風ファン30を駆動して吸入口141から吸入した空気を、吸気ダクト170を介してバッテリ21に供給してステップS36に進む。
ステップS36では、ルーフロックセンサ103の検出結果を取得してステップS37に進む。ステップS37では、ルーフ102が開閉状態を確認する。すなわち、ルーフ102が開放されているかを確認する。ルーフロックセンサ103の検出結果により、ルーフ102が開いていると判断すれば(YES)、ステップS38に進み、ルーフ102が閉じていると判断すれば(NO)、ステップS30に戻る。
ルーフ102が開いた状態では、車室2は外気と略同じ状態となる。吸入口141は、サイドパネル140の上端近傍に設けられているので、ルーフ102を開いた状態では、吸入口141から外気を吸入することになる。この場合、温度の高い外気がバッテリ21に供給されることになるので、バッテリ21に供給される空気温度は、バッテリ21を冷却するのに適した温度ではない(上限しきい温度以上である)と判断する。このため、ステップS38では吸気経路を切り換える。すなわち、切換ユニット180のアクチュエータを作動して切換弁を切り換えて、吸気経路を吸気ダクト170から吸気ダクト160に切り換える。吸気経路の切換えの終了後、ステップS39に進む。
ステップS39では、エアコン10の作動状態を確認してステップS40に進む。ステップS40では、エアコン10の作動/停止や、作動している場合には、どのようなモードで作動しているか等を確認する。エアコン10が作動しており、吹出口9aから空調空気を吹き出すモードである場合(YES)、ステップS41に進み、エアコン10が停止している場合(NO)、ステップS42に進む。
ステップS42ではエアコン10を作動してステップS43に進み、ステップS43ではエアコン10により空調された空調空気をバッテリ21に送風するバッテリ送風モードに設定する。このモードに設定することによって吹出口9a以外の吹出口を閉じて吹出口9aのみを開いてステップS41に進む。
ステップS41では、エアコン10を介して吹出口開閉検出センサ9dから吹出口9aの開閉情報を取得してステップS44に進む。ステップS44では、吹出口9aの開閉状態を確認し、吹出口9aが開いている場合(YES)、ステップS45に進む。吹出口9aが閉じている場合(NO)、ステップS46に進み、アクチュエータ9cを駆動することによりルーバー9bを作動して吹出口9aを開いてステップS44に戻る。
ステップS45ではこの状態を維持する。すなわち、ステップS45では、エアコン10が作動しており、また、吹出口9aが開いている状態であるので、エアコン10により空調された空気が送風ダクト9を介して吹出口9aから吹き出されて、この吹出口9aに対向する吸入口131から吸入される。また、切換ユニット180によって、吸気ダクト170は閉鎖されていることから、吸入口141からの空気の供給は行われない。よって、空調空気は吸気ダクト160を介してバッテリ21に供給される状態となり、この状態が維持されることによりバッテリ21が冷却される。
このように、夏季時にルーフ102が開放されて、車室2が外気と略同じ状態となった場合には、バッテリ21を冷却するための空気を吸入する吸入口を通常の吸入口141から吸入口131に切換えるとともに、吸入口131に対向する吹出口9aから空調空気を吹き出される。よって、バッテリ21に冷却に適した空調空気が供給されるので、バッテリ21を安定して冷却でき、バッテリの温度調整を適切に行うことができる。
なお、ステップS36において、ルーフ102の開放を、ルーフロックセンサ103の検出結果に基づき判断していたが、ルーフ102の開閉をモータ等の電動手段で行う場合には、ルーフロックセンサ103に代えて、ルーフ開閉スイッチの操作を検出することによって判断してもよい。また、第1の実施形態と同様に、バッテリ21に供給される空気温度変化を、吸気温度センサ32やバッテリ温度センサ22の検出結果に基づいて判断してもよい。
さらに、ステップS38における吸気経路の切換え構成を、以下のように構成してもよい。例えば、吹出口9aのルーバー9bと同様のルーバーを吸入口141に設けて、このルーバーをアクチュエータや、ルーフ102の開放時の風の流れを利用して吸入口141を閉じてもよい。
次に冬季等の気温が低い場合においてバッテリ21を温める制御について説明する。この制御は、基本的に図7、8に示すフローチャートの説明と同様なので、相違する部分について説明する。相違する部分はステップS31の判断である。
ステップS31において、バッテリ温度センサ22が検出した温度と暖気判断温度TB2と比較する。すなわち、「バッテリ温度≦暖気判断温度TB2」であるかを判断する。ステップS31において、検出したバッテリ温度が暖気判断温度TB2よりも高い場合(NO)、バッテリ21を暖気する必要はないと判断してステップS32、S33、S34に進む。また、検出したバッテリ温度が暖気判断温度TB2以下の場合(YES)、バッテリ21を暖気する必要があると判断してステップS35に進む。
また、ステップS37において、冬季等にルーフ102が開いた場合、車室2は外気と略同じ状態となる。このため、吸入口141からは温度の低い外気がバッテリ21に供給されることになり、バッテリ21に供給される空気温度は、バッテリ21を温めるのに適した温度ではない(下限しきい温度以下である)と判断する。すなわち、ルーフ102の開状態を検出することによって、バッテリ21に供給される空気温度が下限しきい温度以下となると判断する。そして、ステップS38で吸気経路を切り換える。
このように、冬季時にルーフ102が開放されて、車室2が外気と略同じ状態となった場合には、バッテリ21を温めるための空気を吸入する吸入口を通常の吸入口141から吸入口131に切換えるとともに、吸入口131に対向する吹出口9aから空調空気を吹き出す。よって、バッテリ21に暖気に適した空調空気が供給されるので、バッテリ21を安定して温めることができ、バッテリの温度調整を適切に行うことができる。
よって、ルーフ開閉機構110を備えたハイブリッド自動車100においても、ルーフ102の開放によりバッテリ21に供給される空気温度が急激に変化しても、送風ファン30による送風量の増大や、バッテリ冷却専用のエアコンを備える必要がなく、バッテリ21の温度調整を適切に行うことができる。このため、送風ファン30への負荷増やバッテリ冷却専用エアコンに係るコスト増加を抑制することができる。