JP6467571B1 - ダニ捕捉器 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、ワクモの増加と飼育環境の良否との関係には不明な点が多く、駆除するタイミングや効果的な手法が確立されていないのが現況である。
近年では、韓国やヨーロッパにおいて、鶏卵から殺虫剤の成分が検出されるといった問題が発生している。かかる原因は特定されていないが、ワクモの駆除が大きな要因であると考えられている。つまり、鶏卵業界において、ワクモの駆除は、世界的規模で問題となっており、殺虫剤を用いない解決方法の開発が非常に重要になってきている。
複数の起毛された毛体を有する多起毛構造の集積部を備えており、前記集積部の素材が、面状ファスナーであることを特徴とする。
第2発明のダニ捕捉器は、第1発明において、前記集積部を外面の両側から挟みこむように設けられ得るカバー部を備えていることを特徴とする。
第3発明のダニ捕捉器は、第2発明において、前記カバー部は、高さ方向の長さが前記集積部の高さ方向の長さよりも長く、かつ幅方向の長さが前記集積部の幅方向の長さよりも長くなるように形成されていることを特徴とする。
第4発明のダニ捕捉器は、第2または第3発明において、前記カバー部の素材が、ダンボールシートであることを特徴とする。
第5発明のダニ捕捉器は、第2、第3または第4発明において、前記カバー部は、前記集積部を挟み込むように一枚の前記ダンボールシートを折り曲げて形成したものであることを特徴とする。
第6発明のダニ捕捉器は、第2、第3、第4または第5発明において、前記カバー部には、前記集積部側の内面と外面との間を貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする。
第7発明のダニ捕捉器は、第2、第3、第4、第5または第6発明において、前記カバー部には、内部と外部とを連通する一対の切り込みが形成されており、該一対の切り込みから前記集積部の両端部が突出するように設けられていることを特徴とする。
第2発明によれば、集積部の外面にカバー部を設けることによって、集積部の保温性および遮光性を向上させることができる。すると、集積物がワクモが隠れやすい場所となるので、集積部に集まったワクモにコロニーを形成しやすい環境を形成させやすくなる。
第3発明によれば、集積部よりも大きいカバー部で集積部が挟まれているので、ワクモの誘引集積効果を向上させることができる。そして、集積部とカバー部の端縁との間に隙間が形成されれば、かかる隙間はワクモの隠れやすい場所にもなるので、さらにワクモを誘引させやすくなる。
第4発明によれば、カバー部の素材がダンボールシートであるので、カバー部を簡単かつ安価に形成することができる。また、ダンボール自体が内部に隙間を有しているので、
集積部に集められたワクモの一部を、ダンボールの部分に集積させることも可能となる。とくに、紙製のダンボールを使用すれば、保温性のほか保湿性を維持しやすくなる。このため、ワクモがコロニーを形成しやすい環境をより集積部に形成することができるので、ワクモの誘引集積効果をより向上させることができる。
第5発明によれば、カバー部がダンボールを折り曲げて形成されているので、本発明のダニ捕捉器の形状を薄くできるので、取り扱い性を向上させることがき、設置場所の自由度も向上させることができる。しかも、折り曲げたダンボール間に集積部を挟むように配置するだけであるので、本発明のダニ捕捉器を簡単に作成することができる。
第6発明によれば、ワクモが連通孔を通して集積部に移動しやすくなるので、ワクモの誘引集積効果をさらに向上させることができる。
第7発明によれば、集積部の両端部がカバー部の切り込みから突出するように設けられているので、集積部の突出した部分を取付部として機能させることができる。すると、本発明のダニ捕捉器の取り付け作業や取り外し作業が容易になる。
本実施形態のダニ捕捉器は、ワクモ等の中気門亜目のワクモ科のダニを集積して捕捉する器具であって、かかるダニが好む環境を提供することによってこれらのダニを集積させることができる器具である。
中気門亜目のワクモ科のダニに分類されるワクモ等(以下、単にワクモ等という)は、その習性が十分に解明されていないが、一般的な屋内ダニ(コナダニ等の無気門亜目のダニやツメダニ等の前気門亜目)とは異なる習性を有することが知られている。例えば、ワクモ等は、屋内ダニが人のフケや穀物などをエサとするのに対して、動物等の血をエサとする吸血性のダニである。また、ワクモは、吸血性のダニにしては珍しく特定の場所にコロニーを形成するという習性を有している。
つまり、本実施形態のダニ捕捉器は、ワクモ等の有する習性を利用したものであり、とくにワクモ等が有するコロニーを形成という習性を利用してワクモ等を集積する器具である。言い換えれば、従来の屋内ダニ用の捕獲器では捕捉できなかったワクモ等を本実施形態のダニ捕捉器を使用すれば、集積して捕捉することができるようになるのである。
また、本明細書において、集積とは、個々のワクモ等が多数集まっている状態やワクモ等の各個体が積み重なった状態、また、多数のワクモ等によってコロニー(巣や集塊など)が形成された状態の全てを含む概念である。
なお、以下では、本実施形態のダニ捕捉器の使用例としてワクモを対象とする場合を代表として説明するものであり、対象とするダニによって設置場所等は適宜調整すればよい。
このような鶏舎CHは、例えば、図3に示すように、作業する人が通るための通路PWが設けられており、この通路PWを挟んで階段状に複数の鶏用のケージKGが設けられており、ケージKGの通路PW側には卵受け部EGKが設けられている。
この鶏用のケージKGは、例えば、鶏卵採取用に使用される一般的なケージなどを使用することができるが、鶏を収容して飼育できるものであればよく、その形状などはもちろん、鶏舎内での配置方法もとくに限定されない。
図1に示すように、本実施形態のダニ捕捉器1は、集積部10と、カバー部20とを備えている。
図2、図5または図6に示すように、集積部10は、複数の毛体12を有する部材である。具体的には、集積部10は、板状の基材11と、この基材11の表面に設けられた毛体12が起毛された多起毛構造を有する部材である。つまり、集積部10は、周縁から内方に向かって毛体12間に形成された多数の連続した隙間10hを有する構造となっている。そして、この隙間10hを通ってワクモが集積部10内に侵入できるようになっている。
図1、図4または図7に示すように、カバー部20は、集積部10の外面を両側から挟み込みむように設けられた部材である。具体的には、カバー部20は、集積部10を挟んだ状態において、集積部10の挟んだ部分を覆うように形成された部材である。
このカバー部20は、上記機能を有していれば、その形状や大きさはとくに限定されない。例えば、カバー部20の幅方向の長さ20wおよび高さ方向の長さ20hiが集積部10の幅方向の長さ10wおよび高さ方向の長さ10hiよりも長いまたはほぼ同じ長さとなるように形成すれば、集積部10を挟んだ状態で集積部10全体を覆ったり、集積部10の一部を覆うことができる。
例えば、カバー部20は、上記のごとく集積部10を覆った状態において、カバー部20内の集積部10がある程度外部と連通できるような隙間(図2参照)などが形成されていれば、かかる隙間を通ってワクモは外部と集積部10との間を自由に行き来できるようになる。つまり、かかる隙間がワクモの集積部10へアクセスするための通路となる。また、後述するような貫通孔20hをカバー部20に形成すれば、かかる貫通孔20hもワクモが外部と集積部10との間を自由に行き来できる通路となる。
また、集積部10の高さ方向の長さ10hiとは、ダニ捕捉器1を所定の場所に設置した状態における集積部10の上下方向の長さ(図1(B)、図2、および図7ではカバー部20の上下方向の長さ)をいい、カバー部20の幅方向の長さ20wとは同様の状態におけるカバー部20の左右方向の長さ(図1(A)、図1(B)および図7ではカバー部20の左右方向の長さ)をいう。
具体的には、集積部10が上記のごとき複数の起毛した毛体12を有する多起毛構造であるので、本実施形態のダニ捕捉器1はワクモの好む空間や環境となる。かかる理由としては、集積部10内に複数の起毛12が設けられているので、集積部10内にワクモが寄生する鶏の体表面に似た環境を形成することができるものと推察される。つまり、本実施形態のダニ捕捉器1の集積部10がワクモの好む空間や環境を有するように形成されている。そして、この集積部10には、多起毛構造である複数の毛体12で形成された多起毛部(図5では毛体12a、12bが複数設けられた部分)の周縁(図5(C)、図5(D)、図6参照)に多数の隙間10hの開口が形成されている。このため、この多数の隙間10hの開口からワクモが自発的に集積部10内へ移動させることができるので(言い換えればワクモを集積部10に誘引し)、集積部10にワクモを集めることができるのである。
集積部10の素材は、上記のごとく基材11の表面に複数の起毛された毛体12が設けられ多起毛構造を有するものであれば、とくに限定されない。例えば、図5、図6に示すように、集積部10は、上述したように複数の毛体12が複数集合するように設けられた多起毛部内に複数の隙間10hを有しており、その周縁に多数の隙間10h開口が形成されている。
このような起毛構造を有する集積部10の素材としては、例えば、公知の面状ファスナーを使用することができる。このような公知の面状ファスナーとして、例えば、クラレファスニング社製の面状ファスナー(実施例参照)などを採用することができるが、集積部10の素材として上記構造を有するものであれば、かかる製品に限定されないのは、いうまでもない。
つまり、集積部10の素材として、上記のごとき面状ファスナーを使用する場合には、上記面状ファスナーの基材が集積部10の基材11に相当し、基材表面に起毛された毛体が集積部10の毛体12(フック状の毛体が毛体12a、ループ状の毛体が毛体12b)に相当する。この場合、集積部10の素材として面状ファスナーを使用すれば、集積部10を簡単かつ安価に形成することができる。
さらに、上記例では、基材表面にフック状の毛体またはループ状の毛体を有する場合について説明したが、基材表面にフック状の毛体とループ状の両方の毛体を有するもの(両方起毛のもの)や、基材の表面と背面にフック状の毛体および/またはループ状の毛体を有するもの(両面起毛のもの)など、様々な形態の面状ファスナーを集積部10の素材として使用することができる。
しかも、上記のごとき面状ファスナーを使用すれば、集積部10の内部状況を簡単に確認でき、再度貼りつければ簡単に継続使用ができる。このため、使用状況に応じて本実施形態のダニ捕捉器1を適切に交換等することができるので、本実施形態のダニ捕捉器1を無駄なく使用することができるから、経済性も向上させることができる。
つぎに、カバー部20について以下詳細に説明する。
カバー部20は、上述したように集積部10を外面の両側から挟みこむように設けることができる部材である。具体的には、カバー部20は、集積部10の一の面に対向するように設けられる表面カバー21と他の面に対向するように設けられる背面カバー21とを備えた構造を採用することができる。なお、表面カバー21と背面カバー21は、後述するように連結部24で連結した構造(図1、図2、図7参照)であってもよいし、連結されていない構造(図8(B)参照)であってもよい。
以下では、カバー部20の構造を内部に配置される集積部10に基づいて説明する。
具体的には、集積部10を挟みようにカバー部20を設けた状態において、カバー部20内の集積部10がカバー部20の端縁よりも内方に位置することができるようにカバー部20を形成する。この場合、集積部10を挟んだ状態における内部に位置する集積部10を覆うように設けることができるので、ワクモの誘引集積効果を向上させることができる。
前者の構造を有するものとしては、例えば、カバー部20の高さ方向の長さ20hiが集積部10の高さ方向の長さ10hiよりも長く、かつ幅方向の長さ20wが集積部10の幅方向の長さ10wよりも短くなるように形成されていれば、集積部10全体を内方に位置するような構造とすることができる。また、後者の構造を有するものとしては、例えば、図1、図7に示すように、集積部10の外面を両側から挟んだ状態において、カバー部20の内方に位置する部分と外方に位置する部分(突出部10a)を有する集積部10の外面を両側から挟むようにカバー部20を設ける構造とすることができる。
このカバー部20は、一対の板状の表面カバー21と背面カバー22とを備えており、両者は連結部24で連結された構造となっている。この連結部24は、ダニ捕捉器1を所定の場所に配置した際にダニ捕捉器1の上端部に位置するように形成されている(図4参照)。そして、図7に示すように、カバー部20の一の内面、例えば、背面カバー22の内面に、集積部10の外周縁が背面カバー22の3つの端縁および連結部24よりも内方に位置するように配置する。そして、集積部10の外面を対向する表面カバー21と背面カバー22の内面に固定すれば、上述した集積部10全体をカバー部20で覆った構造にできる。
また、図1、図2、図4または図7に示すように、カバー部20は、一対の表面カバー21と背面カバー22を備えており、上記のごとく集積部10の外面を覆うことができる部材であれば、その素材はとくに限定されない。
カバー部20の一対の表面カバー21と背面カバー22の素材が保湿性を有していると、一対の表面カバー21と背面カバー22で覆われた集積部10の内部をある程度の湿度(例えばワクモが好む湿度)に維持することも可能となる。つまり、カバー部20の一対の表面カバー21と背面カバー22に挟まれた集積部10の内部の環境をワクモが好む環境に維持しやすくなるので、より一層集積部10にワクモを集積しやすくなる。
例えば、カバー部20の素材としてダンボールを使用すれば、保温性と保湿性の両方を一対の表面カバー21と背面カバー22に付与することができる。
しかも、ダンボールは、通常、一対の板状部材(いわゆるライナー)間に波板を挟んだ形状となっているので、一対の板状部材間にはダンボールの端面間を連通する貫通孔を有している。すると、この貫通孔にはワクモが侵入できるので、この貫通孔の内部もワクモを集積する空間として機能させることができる。
とくに、カバー部20の素材をダンボールシートとすれば、カバー部20を以下に示すように、簡単かつ安価に形成することができる。
具体的には、カバー部20の素材として、ダンボールシートを使用した場合、本実施形態のダニ捕捉器1の形状や大きさなどの自由度を高くすることができる。つまり、ダンボールシート(とくに紙製のダンボールシート)は加工が容易であるので、その長さや形状を自由に変更することができるので、ダニ捕捉器1を使用する現場に適した形状や大きさに簡単に加工することができる。
すると、ダニ捕捉器1の形状や大きさを、ダニ捕捉器1を設置する環境に合わせて形成できるので、ワクモの集積効果などを高くすることができる。しかも、ダンボールの板は軽量であるから、ダニ捕捉器1を大型化しても、取り扱い性が悪くなることを防ぐこともできる。
例えば、図7に示すように、平面視長方形のカバー部20を形成する場合、一枚の平面視長方形のダンボールシートの略中央部CLでシートの長辺方向と平行に折り曲げるだけで、一の長辺が連結された一対の表面カバー21と背面カバー22とを備えたカバー部20を簡単に形成することができる。
また、図4に示すように、折りたたんだ状態において、上述したように、一対の表面カバー21と背面カバー22の端縁部間が下方に向くようにダニ捕捉器1を設置すれば、ワクモを集積させやすくなる。
また、カバー部20がダンボールを折り曲げて形成すれば、ダニ捕捉器1の形状を薄くできるので、ダニ捕捉器1の設置場所の自由度を向上させることができる。つまり、本実施形態のダニ捕捉器1の取り扱い性を向上させることができる。
なお、カバー部20の素材としてダンボールシートを使用する場合、片ダンボールシートを使用するのが好ましい。
この片ダンボールシートは、一の板状部材(ライナー)と波板からなるダンボールシートである。このため、波板23が内方に位置するように折り曲げれば、一般的なダンボールシートと比べて抵抗部材となるライナーが内方に位置しない構造であるので、加工性が飛躍的に向上し簡単にカバー部20を形成することができる。具体的には、カバー部20の素材として片ダンボールシートを使用する場合、波板23が延びる方向が曲げ方向と平行となるように配置する。そして、この波板に沿って折り曲げれば、簡単にしかも真っ直ぐに折り曲げることができる。また、かかる折り曲げ部、つまり表面カバー21と背面カバー21の連結部24には、表面カバー21と背面カバー21の波板23が互いに押し付けあうように複雑に入り組んだ構造となる。このため、かかる隙間もワクモが集積しやすい空間になるという利点も得られる。
とくに、片ダンボールシートを使用してカバー部20を上記のごとく折り曲げて形成したダニ捕捉器1をケージ等に設置する場合、カバー部20の波板23が延びる方向(つまりカバー部20の幅方向)がケージ等の金網の横材の長手方向と平行となるように配置するのが好ましい(図4参照)。
この場合、図1および図2に示すように、カバー部20の幅方向に位置する端縁(つまり図1では短辺側の端縁)には、波板23によりカバー部20の幅方向に沿って延びる隙間の開口が位置する。すると、ケージ等の金網の横材にそって移動してきたワクモを、かかる開口を通ってカバー部20内に移動させやすくなるという利点も得られる。
とくに、ダニ捕捉器1がカバー部20によって集積部10を覆う構成とする場合、カバー部20の一対の表面カバー21と背面カバー22には、内面と外面との間を貫通する複数の貫通孔20hを形成するのが好ましい。この場合、確実にワクモを集積部10へ誘導することができる。例えば、直径数mm〜数十mmの貫通孔20hを表面カバー21および/または背面カバー22に形成すれば、その貫通孔20hを通してワクモが集積部10に移動できるので、集積部10の外面をカバー部20で覆っても、ワクモを集積部10に集積しやすくなる。なお、ワクモは光を嫌う習性があるので、貫通孔20hは、ダニ捕捉器1を設置した際に背面側に位置する面には形成するのが好ましい。
したがって、上記のごとき貫通孔20hを形成すれば、カバー部20の一対の表面カバー21と背面カバー21を連結した連結部24が上端部となるようにダニ捕捉器1を設置した場合でも、ワクモを適切に集積することができるようになる。
また、本実施形態のダニ捕捉器1の大きさは限定されず、設置する設備や場所に合わせて適切な大きさにすればよい。とくに、本実施形態のダニ捕捉器1の大きさを、卵受け部EGKに設置することができる程度の大きさに形成してもよい。例えば、ダニ捕捉器1が平面視矩形の場合には、その幅方向の長さ(つまりカバー部20の幅方向の長さ20w)が約250mm、高さ方向の長さ(つまりカバー部20の高さ方向の長さ20hi)が約70mm、厚さ方向の長さが約10mm程度となるように形成することができる。この場合、ダニ捕捉器1を、鶏舎内の中で最も取付がしやすい場所である卵受け部EGKの正面ケージに配置することができるので、作業者がダニ捕捉器1を設置や回収する際の手間を軽減することができる(図4参照)。つまり作業性を向上させることができる。しかも、ワクモは比較的卵受け部EGKに集まりやすい傾向にあるので、かかるワクモを適切に集積部10に集積させやすくなるので、高い確率でワクモを捕獲することができる。
本実施形態のダニ捕捉器1は、鶏舎におけるワクモが潜む場所やワクモが移動する場所に適宜設置すればよく、その配置方法や固定する方法はとくに限定されない。
例えば、ケージ等に、紐やゴム、針金などでくくりつけたり、クリップでとめたり、接着剤などで貼りつけたりしてもよいし、以下に示すように集積部10に取付部としての機能を付与した構造としてもよい。
とくに、鶏のケージKGや卵受け部EGKに設置する場合にはワクモが移動するケージKGや卵受け部EGKの金網にダニ捕捉器1のカバー20の外面が接するように設置すれば、ワクモを集積部10へ誘導させやすくなる。
そして、ダニ捕捉器1を鶏のケージKGや卵受け部EGKに設置する際、この切り込み20gから突出させた集積部10の突出部10aが設けられる面が取付面となるように配置する。そして、かかる突出部10を用いてケージKGや卵受け部EGKの金網に固定する。具体的には、集積部10の素材として上述した貼りつけたり剥がしたりできる組み合せの面状ファスナーを使用すれば、ケージKGや卵受け部EGKの金網を両側から突出部10で挟み込むようにして固定することができる。したがって、ダニ捕捉器1を適切かつ簡単に設置することができる(図4参照)。
また、本実施形態のダニ捕捉器1は、カバー部20を設けず、集積部10だけで形成してもよい(図5または図6参照)。例えば、集積部10として面状ファスナーを使用すれば、柔軟性を有しているので、集積部10(つまりダニ捕捉器1)を設置する場所の自由度が高くなる。例えば、鶏舎やゲージなどの狭い隙間にダニ捕捉器1を変形させたりして設置することも可能になる。
実験では、ダニ捕捉器を、ウインドレス鶏舎内に一定期間設置したのち回収し、ダニ捕捉器に存在するワクモの数を確認した。
実験1では、ダニ捕捉器によるワクモの集積機能の有効性を確認した。とくに、ダニ捕捉器の集積部のワクモ集積機能の有効性を確認した。
集積部は、基材表面に複数のフック状の毛体を有する面状ファスナーと基材表面に複数のループ状の毛体を有する面状ファスナーを毛体面同士が対向するように貼りつけた組み合せた組合せ面状ファスナー(クラレファスニング社製:KMT25B25−WH〜PN、KMT25A25−WH〜PN)を使用した(図6参照)。この組合せ面状ファスナーの大きさは、長辺の長さ(幅方向の長さ)が約150mm、短辺の長さ(高さ方向の長さ)が約25mmであり、厚みは、約3mmであった。
カバー部の素材としては、片ダンボールシートを使用した。横方向の長さが約160mm、縦方向の長さが約180mm、厚みが約3mmの波材が横方向に延びるように形成された片ダンボールシートを、波材が内方に位置するように縦方向のほぼ真ん中で波材の延びる方向に沿って折り曲げてカバー部を作成した。作成したカバー部は、幅方向の長さ(横方向の長さ)が約160mm、高さ方向の長さが約90mm、厚みが約6mmであった。
なお、このカバー部には、内部と外部を連通する直径10〜20mm程度の貫通孔を複数形成した。この貫通孔は、折り曲げ部分と、集積部を内部に配置した状態で集積部の端部がやや露出する程度の位置に形成した。
鶏舎内に養鶏されていた鶏は、採卵用に飼育されたものであり、1列の鶏の数は、約100羽(各段50羽)であった。
各ダニ捕捉器は、ワクモの発生が確認された列の上段の卵受け部に1m間隔(ダニ捕捉器1個当たり8羽となる間隔)で設置した(図11参照)。
実験1の結果を、図9に示す。図10は、ダニ捕捉器の集積部に捕捉されたワクモとワクモのコロニーの状況の一例を示したものである。なお、図10は、集積部として使用した組合せ面状ファスナーの毛体面同士を剥がした状態を示したものであり、図10において、黒い点のように見えるものがすべてワクモであり、黒く塗りつぶしたように見える部分がワクモのコロニーである。
図9に示すように、ダニ捕捉器は、比較トラップと比較して明らかに多量のワクモを捕捉することができた。
また、図10に示すように、ダニ捕捉器Aでは、捕獲したワクモの多くが上部に設置した集積部にコロニーを形成した状態で捕獲できた。
集積部の素材として面状ファスナーを使用することによって、単にダンボールだけで形成した比較トラップよりも非常に効率的にワクモを捕獲することができることが確認できた。
また、ダニ捕捉器Aの実験結果から、カバー部内の上方に位置する個所に集積部を配置することによってワクモを効率的に捕獲できることが確認できた。かかる理由として、折り曲げ部分に形成した貫通孔からカバー部内に侵入したワクモはかかる貫通孔の近傍に配置した集積部に定着するという習性があるものと推測された。また、それ以外の貫通孔等からカバー部内に侵入したワクモは上方に向かって移動して、最上部に位置する集積部に定着するという習性があるものと推測された。
実験2では、ダニ捕捉器内における隙間がワクモの捕獲量に影響を与えることを確認した。
集積部は、(実験1)と同等の面状ファスナーを使用した(図6参照)。
この組合せ面状ファスナーの大きさは、長辺の長さ(幅方向の長さ)が約220mm、短辺の長さ(高さ方向の長さ)が約25mmであり、厚みは、約3mmであった。
ダニ捕捉器Bのカバー部用の片ダンボールシートは、横方向の長さが約250mm、縦方向の長さが約140mm、厚みが約3mmの波材が横方向に延びるように形成された片ダンボールシートを、波材が内方に位置するように縦方向のほぼ真ん中で波材の延びる方向に沿って折り曲げてカバー部を作成した。作成したカバー部は、幅方向の長さ(横方向の長さ)が約250mm、高さ方向の長さが約70mm、厚みが約6mmであった(図12(A)参照)。
ダニ捕捉器Cのカバー部用の片ダンボールシートは、横方向の長さが約250mm、縦方向の長さが約60mm、厚みが約3mmの波材が横方向に延びるように形成された片ダンボールシートを、波材が内方に位置するように縦方向のほぼ真ん中で波材の延びる方向に沿って折り曲げてカバー部を作成した。作成したカバー部は、幅方向の長さ(横方向の長さ)が約250mm、高さ方向の長さが約30mm、厚みが約6mmであった(図12(B)参照)。
ダニ捕捉器Cは、カバー部内において、高さ方向の隙間は形成されないが、幅方向における隙間はダニ捕捉器Cと同様の大きさの隙間が形成されるように形成した(図12照)。
また、設置する鶏舎は、(実験1)と同じ鶏舎を利用した。
実験2の結果を、図14に示す。
図14に示すように、ダニ捕捉器Bは、ダニ捕捉器Cと比べて有意にワクモを捕獲することがきることが確認できた。つまり、実験2の結果から、本発明のダニ捕捉器は、カバー部内において、カバー部内に位置する集積部の端縁とカバー部の端縁との間にある程度の隙間を形成することによって、ワクモの集積効率を向上させることができたことが確認できた。
10 集積部
10h 集積部の毛体間の隙間
11 基材
12 毛体
20 カバー部
21 表面カバー
22 背面カバー
20h 貫通孔
CH 鶏舎
KG ケージ
Claims (7)
- 中気門亜目のワクモ科のダニを集積して捕捉する器具であって、
複数の起毛された毛体を有する多起毛構造の集積部を備えており、
前記集積部の素材が、面状ファスナーである
ことを特徴とするダニ捕捉器。 - 前記集積部を外面の両側から挟みこむように設けられ得るカバー部を備えている
ことを特徴とする請求項1記載のダニ捕捉器。 - 前記カバー部は、
高さ方向の長さが前記集積部の高さ方向の長さよりも長く、かつ幅方向の長さが前記集積部の幅方向の長さよりも長くなるように形成されている
ことを特徴とする請求項2記載のダニ捕捉器。 - 前記カバー部の素材が、ダンボールシートである
ことを特徴とする請求項2または3記載のダニ捕捉器。 - 前記カバー部は、
前記集積部を挟み込むように一枚の前記ダンボールシートを折り曲げて形成したものである
ことを特徴とする請求項2、3または4記載のダニ捕捉器。 - 前記カバー部には、
前記集積部側の内面と外面との間を貫通する貫通孔が形成されている
ことを特徴とする請求項2、3、4または5記載のダニ捕捉器。 - 前記カバー部には、
内部と外部とを連通する一対の切り込みが形成されており、
該一対の切り込みから前記集積部の両端部が突出するように設けられている
ことを特徴とする請求項2、3、4、5または6記載のダニ捕捉器。
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