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JP6308699B2 - 脱髄疾患の予防又は治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は、脱髄疾患の予防又は治療剤に関する。より詳細には、本発明は、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進でき、髄鞘を効果的に修復できる、脱髄疾患の予防又は治療剤に関する。更に、本発明は、脱髄疾患の予防又は治療方法に関する。
神経細胞は神経突起を伸ばして他の神経細胞と接触しており、この接触によって神経活動の伝播することで神経機能が担われている。脳と脊髄からなる中枢神経系では、大部分の神経突起の周りが髄鞘に覆われている。髄鞘は、神経活動の跳躍的な伝導を促すことで神経活動の伝播を加速させ、また、髄鞘内部の軸索の恒常性の維持にも寄与している。
髄鞘の脱落により神経活動の伝達が破綻すると、多彩な神経症状が現れ、脱髄疾患と呼ばれる神経疾患が生じることが知られている。脱髄疾患は、多発性硬化症や急性散在性脳脊髄炎等の中枢神経系と、ギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発根神経炎等の末梢神経系の2つに大別される。中枢神経系の脱髄疾患の1つである多発性硬化症では、自己免疫系の異常な活性化によって時間的、空間的に脱髄病巣が生じ、視力障害、感覚障害、運動機能障害、自律神経障害等の症状があらわれる。多発性硬化症は、日本の有病率は10万人あたり8〜9人とされ、国内で約12000〜16000人の罹患者が存在しており、多発性硬化症を初めとする脱髄疾患の根本的な治療方法の確立が緊急性のある課題となっている。
髄鞘は、オリゴデンドロサイト前駆細胞が増殖、遊走、分化を遂げて形成されることが知られている。そのため、脱髄疾患の治療には、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進することにより、脱落した髄鞘を修復させることが有効であると考えられている。しかしながら、従来、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進できる薬剤は開発されておらず、脱髄疾患の治療は、ステロイドや免疫抑制剤投与やリハビリテーション等の対症療法が中心になっており、根本的な治療法は依然として確立できていない。
一方、繊維芽細胞増殖因子(Fibroblast growth factors;FGFs)は、血管新生、創傷治癒、細胞増殖に関与する成長因子として知られている。FGFには、23個のサブタイプがあり、その中の1つであるFGF21は、肝臓及び膵臓で高度に発現しており、栄養摂取、脂肪分解、糖代謝、体内時計制御等の多彩な活性を有することが明らかにされている。また、近年では、FGF21は、肥満、糖尿病、膵炎、脂質異常症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン耐性、高インスリン血症、耐糖能障害、高血糖、メタボリック・シンドローム等に対する治療薬として利用することも試みられている(例えば、特許文献1)。しかしながら、従来、FGF21が、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖に及ぼす影響については明らかにされていない。
国際公開第2012/66075号
本発明の目的は、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進でき、脱髄疾患を効果的に予防又は治療できる医薬を提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、FGF21にはオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進する作用があり、FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及び/又はFGF21産生細胞の投与が脱髄疾患の予防又は治療に有効であることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする、脱髄疾患の予防又は治療剤。
項2. 前記有効成分がFGF21である、項1に記載の脱髄疾患の予防又は治療剤。
項3. 前記脱髄疾患が中枢神経系の脱髄疾患である、項1又は2に記載の脱髄疾患の予防又は治療剤。
項4. 中枢神経系の脱髄疾患の後遺症の改善に使用される、項1〜3のいずれかに記載の脱髄疾患の予防又は治療剤。
項5. FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進剤。
項6. FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする、髄鞘の修復剤。
項7. FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種の、脱髄疾患の予防又は治療剤の製造のための使用。
項8. FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種の、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進剤の製造のための使用。
項9. FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分の髄鞘の修復剤の製造のための使用。
項10. 脱髄疾患の予防又は治療が必要とされている者に、FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種を、その予防又は治療に有効な量を投与する工程を含む、脱髄疾患の予防又は治療方法。
項11. オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進が必要とされている者に、FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種を、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進に有効な量を投与する工程を含む、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進方法。
項12. 髄鞘の修復が必要とされている者に、FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種を、髄鞘の修復に有効な量を投与する工程を含む、髄鞘の修復方法。
項13. 脱髄疾患の予防又は治療の処置に使用される、FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種。
項14. オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進の処置に使用される、FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種。
項15. 髄鞘の修復の処理に使用される、FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種。
本発明によれば、生体内のFGF21量を増大させることにより、髄鞘の修復を担うオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進することができ、脱髄疾患を効果的に予防又は治療することができる。また、本発明によれば、髄鞘の修復によって、中枢神経系の脱髄疾患の後遺症を改善することもできる。このように、本発明は、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進させる手法を確立できており、脱髄疾患の根本療法として、脱髄疾患を罹患している患者に福音をもたらし得る。
試験例1において、オリゴデンドロサイト前駆細胞におけるBrdUの取り込み量の測定した結果を示す。 試験例2において、オリゴデンドロサイト前駆細胞におけるBrdUの取り込み量の測定した結果を示す。 試験例3において、オリゴデンドロサイト前駆細胞におけるBrdUの取り込み量の測定した結果を示す。 試験例4において、脱髄モデルマウスの脊髄組織におけるPDGFRα及びKi67共陽性細胞数を計測した結果を示す。 試験例5において、脱髄モデルマウスの脊髄組織におけるPDGFRα及びKi67共陽性細胞数を計測した結果を示す。 試験例5において、脱髄モデルマウスの脊髄組織におけるMBP陽性領域を計測した結果を示す。 試験例5において、脱髄モデルマウスの後肢の運動機能を解析した結果を示す。 試験例6において、ヒトオリゴデンドロサイト前駆細胞におけるBrdUの取り込み量の測定した結果を示す。 試験例5において、脳挫傷モデルマウスの脳組織におけるPDGFRα及びKi67共陽性細胞数を計測した結果を示す。
1.脱髄疾患の予防又は治療剤
本発明の脱髄疾患の予防又は治療剤は、FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とすることを特徴とする。以下、本発明について、詳述する。
有効成分
本発明では、FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として使用する。
(FGF21)
FGF21は、それ自体、投与された生体内でオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進するため、脱髄疾患の予防又は治療剤の有効成分として使用できる。
本発明で使用されるFGF21としては、具体的には、ヒトFGF21、そのオルソログ、及びそれらの変異体が挙げられる。
ヒトFGF21は、28個のアミノ酸のシグナル配列を含む分泌タンパク質(配列番号1に示すアミノ酸配列)である。本発明では、ヒトFGF21として、シグナル配列(配列番号1に示すアミノ酸配列において1〜28番目のアミノ酸残基)を含むものを使用してもよいが、シグナル配列が除去されたものを使用してもよい。
FGF21のオルソログとしては、特に制限されないが、例えば、ラット、ハムスター、モルモット、マウス、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、サル、ウサギ等の哺乳動物;ニワトリ、ダチョウ等の鳥類等に由来するものが挙げられる。FGF21は、投与対象となる生物種に応じて、その由来を適宜設定すればよい。
FGF21の変異体としては、FGF21が本来有する生物活性を保持していることを限度として特に制限されず、例えば、突然変異したFGF21、遺伝子工学的手法によって改変したFGF21等が挙げられる。また、FGF21の変異体については、特表2011−523561号公報、特表2012−504965号公報、特表2012−525844号公報、特表2012−525847号公報等において報告されており、本発明では、これらの公知のFGF21の変異体を使用することもできる。
FGF21は、天然タンパク質であってもよいが、遺伝子工学的手法により製造された組換え体であってもよい。
(FGF21をコードしているDNA)
FGF21をコードしているDNAは、投与された生体内でFGF21を発現し、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進するため、脱髄疾患の予防又は治療剤の有効成分として使用できる。
FGF21をコードしているDNAにおける塩基配列は公知であり、例えば、ヒトFGF21をコードしているDNAは、配列番号2に示す塩基配列として知られている。FGF21をコードしているDNAは、その塩基配列に基づいて、遺伝子工学的手法によって得ることができる。
また、FGF21をコードしているDNAは、生体内でFGF21を発現できるように、発現ベクターに組み込んで使用することが好ましい。
当該発現ベクターとしては、具体的には、プラスミドベクター、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、センダイウイルスベクター等が挙げられる。これらの中でも、ヒト等の哺乳動物を投与対象とする場合には、ウイルスベクターが好適である。
当該発現ベクターでは、FGF21をコードしているDNAが、投与対象となる生体内の細胞でプロモーター活性を発揮し得るプロモーターに機能的に連結されていればよい。発現ベクターに使用されるプロモーターは、投与対象である生体で機能可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、SV40由来プロモーター、サイトメガロウイルスLTR、ラウス肉腫ウイルスLTR、MoMuLV由来LTR、アデノウイルス由来プロモーター等のウイルスプロモーター;β−アクチン遺伝子プロモーター、PGK遺伝子プロモーター、トランスフェリン遺伝子プロモーター等の哺乳動物の構成蛋白質遺伝子プロモーター等が挙げられる。
当該発現ベクターは、FGF21をコードしているDNAの下流に転写終結シグナルを含んでいることが好ましい。更に、当該発現ベクターには、更に形質転換細胞選択のための選択マーカー遺伝子含んでいてもよい。
(FGF21発現促進物質)
FGF21発現促進物質とは、生体内でFGF21の発現を促進させる物質である。FGF21産生促進物質は、投与された生体において、生体が本来有しているFGF21発現能を向上させ、発現されたFGF21がオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進するため、脱髄疾患の予防又は治療剤の有効成分として使用できる。
FGF21発現促進物質は、生体内でFGF21の発現を促進させることを限度として、FGF21の転写、転写後調節、翻訳、翻訳後修飾、局在化、及びフォールディング等のいかなる段階で作用するものであってもよい。
FGF21発現促進物質として、具体的には、フェノフィブラート、ロシグリタゾン、GW7647等のPPARαアゴニスト;CREBH、ATF2、ATF4、PARβ、甲状腺ホルモン受容体β、ROPα等の転写因子が挙げられる。転写因子の場合には、FGF21をコードしているDNAの場合と同様に発現ベクターに組み込んだ状態で使用すればよい。
(FGF21産生細胞)
FGF21産生細胞とは、FGF21産生能を備えている細胞である。FGF21産生細胞は、投与された生体内でFGF21を産生し、産生されたFGF21がオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進するため、脱髄疾患の予防又は治療剤の有効成分として使用できる。
FGF21産生細胞は、FGF21産生能を有し、且つ生体への投与が許容されることを限度として特に制限されないが、具体的には膵島、心筋細胞、肝細胞等の生体内細胞;FGF21をコードしているDNAを組み込んだ形質転換細胞;iPS細胞等の幹細胞から誘導した分化させたFGF21産生細胞等が挙げられる。
本発明で使用されるFGF21産生細胞は、投与対象となる生体から得られた自家細胞、又は当該自家細胞から形質転換若しくは誘導した細胞であることが好ましいが、投与対象となる生体以外から得られた他家細胞、又は当該他家細胞から形質転換若しくは誘導した細胞であってもよい。
(好適な有効成分)
本発明では、FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞の中から1種を選択して使用してもよく、またこれらの中から2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの有効成分の中でも、より一層効果的にオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進させるという観点から、好ましくはFGF21が挙げられる。
他の成分
本発明の脱髄疾患の予防又は治療剤は、前記有効成分の他に、脱髄疾患の予防又は治療に有効な他の薬理活性成分を含んでいてもよい。
また、本発明の脱髄疾患の予防又は治療剤は、前記有効成分の他に、所望の投与形態及び製剤形態に調製するために、必要に応じて、薬学的に許容される担体を含んでいてもよい。薬学的に許容される担体としては、具体的には、メチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、トラガント末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等の懸濁化剤;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、マグロゴール等の溶解補助剤;ヒト血清アルブミン、デキストラン、メチルセルロース、ゼラチン、亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム等の安定化剤;ヒト血清アルブミン、レシチン、デキストラン、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール等の吸着防止剤;ショ糖、デンプン、マンニット、ソルビット、乳糖、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の賦形剤;セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、ショ糖、デンプン等の結合剤;デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;水、生理食塩水等の希釈剤;脂質;緩衝剤;乳化剤;着色料;着香料;甘味料等が挙げられる。
また、本発明の脱髄疾患の予防又は治療剤において、有効成分としてFGF21をコードしている遺伝子、CREBH等の転写因子等を使用する場合であれば、遺伝子治療剤において使用されるトランスフェクション試薬が含まれていてもよい。
剤型
本発明の脱髄疾患の予防又は治療剤の剤型については、特に制限されず、使用する有効成分の種類や投与形態等に応じて適宜設定すればよい。本発明の脱髄疾患の予防又は治療剤の剤型として、具体的には、注射剤、シロップ剤、細胞懸濁液、リポソーム製剤等の液状製剤;錠剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、等の固形状製剤等が挙げられる。また、注射剤にする場合には、使用前に生理食塩水等で溶解する用時調製用粉末(例えば凍結乾燥粉末)の形態であってもよい。
投与対象
本発明は、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進することにより髄鞘を修復できるので脱髄疾患の予防又は治療目的で使用される。脱髄疾患とは、有髄神経の髄鞘が障害されることによって生じる神経疾患の1つである。
本発明において予防又は治療対象となる脱髄疾患は、中枢神経系及び末梢神経系のいずれの脱髄疾患であってもよい。本発明において予防又は治療対象となる中枢神経系の脱髄疾患としては、具体的には、多発性硬化症、視神経脊髄炎、急性散在性脳脊髄炎、同心円硬化症等の炎症性脱髄疾患;亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症等のウイルス性脱髄疾患;CO中毒、低酸素脳症等の中毒性脱髄疾患;異染性白質ジストロフィー、副腎白質ジストロフィー等の代謝性脱髄疾患;橋中心髄鞘破壊症、ビタミンB12欠乏症等が挙げられる。また、本発明において予防又は治療対象となる末梢神経系の脱髄疾患としては、具体的には、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎等が挙げられる。これらの脱髄疾患の中でも、本発明における予防又は治療対象として、好ましくは中枢神経系の脱髄疾患、更に好ましくは中枢神経系の炎症性脱髄疾患、より好ましくは多発性硬化症が挙げられる。
また、本発明の脱髄疾患の予防又は治療剤は、中枢神経系の脱髄疾患の後遺症がある患者に投与すると、髄鞘を修復することによって当該後遺症を改善することもできる。
本発明の脱髄疾患の予防又は治療剤において、投与対象となる生物は、脱髄疾患に罹患している生物であればよく、ヒトの他、ラット、ハムスター、モルモット、マウス、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、サル、ウサギ等の哺乳動物;ニワトリ、ダチョウ等の鳥類等が挙げられる。本発明で使用される有効成分の由来は、投与対象となる生物の種類に応じて設定すればよい。例えば、ヒトの脱髄疾患の予防又は治療する場合であれば、有効成分は、ヒトFGF21、ヒトFGF21をコードしているDNA、ヒトFGF21の産生促進物質、ヒトFGF21を産生するヒト由来細胞等の中から選択して使用すればよい。
投与方法
本発明の脱髄疾患の予防又は治療剤の投与形態としては、例えば、経口投与、局所投与、皮下投与、腹腔内投与、筋肉内投与、静脈内投与、経直腸的、皮内投与等が挙げられ、使用する有効成分の種類に応じて適宜設定すればよい。これらの投与形態の中でも、本発明の脱髄疾患の予防または治療として、好ましくは局所投与が挙げられる。
本発明の脱髄疾患の予防又は治療剤の投与量については、使用する有効成分の種類、投与対象者の年齢、性別、体重、症状の程度、投与形態等に応じて、脱髄疾患の予防又は治療に有効な量を適宜設定すればよいが、例えば、FGF21を有効成分として使用する場合であれば、1日当たり、0.1〜10μg程度、好ましくは1〜5μg程度となる量を1又は数回に別けて投与すればよい。また、有効成分としてFGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及び/又はFGF21産生細胞を使用する場合であれば、生体内でのFGF21の産生量が、前記範囲内になるように適宜設定すればよい。
2.オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進剤・髄鞘の修復剤
前記有効成分は、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進させるので、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進剤として使用することもできる。また、前記有効成分は、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進させることにより、脱落した髄鞘を修復させることができるので、髄鞘の修復剤として使用することもできる。
即ち、本発明は、更に、FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進剤を提供する。また、本発明は、FGF21、FGF21をコードしているDNA、FGF21産生促進物質、及びFGF21産生細胞よりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする、髄鞘の修復剤を提供する。
当該オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進剤及び髄鞘の修復剤において、有効成分の種類、任意に配合可能な他の成分、剤型、投与対象、投与方法等については、前記「1.脱髄疾患の予防又は治療剤」の場合と同様である。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:心筋細胞の培養上清によるオリゴデンドロサイト前駆細胞増殖効果に対するFGF受容体の関与の検討
様々な増殖因子(growth factor)を産生する心筋細胞の培養上清がオリゴデンドロサイト前駆細胞を増殖させるか検討し、またその増殖効果に対するFGF受容体拮抗剤の作用について検討した。
(1)材料及び方法
C57BL/6jマウス(生後1日齢)から摘出した心臓をミンチングした後に1mg/mlの1型コラーゲナーゼ(Worthington社製)に注いで37℃で20分振とうした。得られた細胞溶液をピペッティングし、静置後、上清を回収した。上清を回収した残りの心筋細胞に再び1mg/mlの1型コラーゲナーゼ(Worthington社製)に注ぎ、37℃で20分振とうした後に上清を回収する操作を3回繰り返した。集めた上清を5%calf serumを含むMEM(modified Eagle’s medium)で懸濁し、培養用ディッシュに細胞溶液を注いだ。30分後、浮遊細胞を回収し、更に5%calf serumを含むMEMで懸濁した後に遠心分離した(2000rpm、6分)。その後、沈殿物を5%calf serumを含むMEMで懸濁後、パーコール法により心筋細胞を分離した。次いで、得られた心筋細胞を培養用ディッシュに播種して、5%calf serumを含むMEMにて2日間培養し、培養上清を回収した。得られた心筋細胞の培養上清を、以下の実験に用いた。
オリゴデンドロサイト前駆細胞は、C57BL/6jマウス(生後1日齢)の脳から、以下の手法で採取した。先ず、C57BL/6jマウスから単離した皮質を、Neuronal dissociation kit (Millteny社製)を使用して、単一細胞の状態となるように分散させて細胞溶液を得た。得られた細胞溶液をanti−A2B5結合ビーズ(Millteny社製)に反応させ、オリゴデンドロサイト前駆細胞(A2B5陽性細胞)のみを採取した。なお、A2B5はオリゴデンドロサイト前駆細胞のマーカーである。
採取したオリゴデンドロサイト前駆細胞を、poly−L−lysinde(Sigma社製)で被膜したプラスティック組織培養皿に播種し、培地にて1日間培養(37℃、5%CO2)した。使用した培地は、4mM L−gludamine(Sigma社製)、1mM Sodium pyruvate(Sigma社製)、0.1% Bovine serum albumin(Sigma社製)、50μg/ml apo−Transferrin(Sigma社製)、5μg/ml Insulin(Sigma社製)、30nM Sodium selenite(Sigma社製)、10nM Biotin(Sigma社製)、10nM Hydrocortisone(Sigma社製)、10ng/ml Platelet−Derived Growth Factor−AA(Peprotech社製)、10ng/ml basic Fibroblast growth factor(Peprotech社製)を含むDMEMである。その後、オリゴデンドロサイト前駆細胞の培養液を取り除き、前記で得られた心筋細胞の培養上清を100重量%となるように添加し、更にFGFR阻害剤であるSU5402(シグマ社製)を0μM、10μM、30μM、及び100μM、又はFGFR3阻害剤であるPD173074(シグマ社製)を0μM、0.03μM、0.1μM、0.3μM、及び1μMとなるように添加して、37℃で24時間培養を行った。次いで、Bromodeoxyuridine(BrdU)を添加して37℃で24時間培養した後に細胞を回収し、BrdUの取り込みを細胞増殖ELISA, BrdU発色キット(ロシュ社製)で検出した。また、コントロールとして、心筋細胞の培養上清を添加しないこと以外は、前記と同条件でBrdUの取り込みを測定した。本実験では、各群5〜6例ずつ検討した。
(2)結果
各群のBrdUの取り込み量の測定した結果について、平均値±標準誤差を図1に示す。また、各群のBrdUの取り込み量については、分散分析により統計解析を行った。
図1から明らかなように、心筋細胞の培養上清を添加した群では、オリゴデンドロサイト前駆細胞におけるBrdUの取り込みが増加し、SU5402又はPD173074を共処置するとBrdUの取り込み増加が抑制された。また、心筋細胞の培養上清を添加した群と心筋細胞の培養上清をしなかった群(コントロール)の間には有意な差(p<0.01)が認められた。
即ち、本実験結果から、心筋細胞の培養上清には、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進させる増殖因子が含まれていることが示唆された。また、心筋細胞の培養上清によるオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖効果は、FGF受容体を介した作用であることが示された。
実施例2:心筋が産生するオリゴデンドロサイト前駆細胞増殖効果に関わるFGFのサブタイプの同定
心筋細胞の培養上清に含まれるFGFのいずれのサブタイプが、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進に関与しているかについて検討した。
(1)材料及び方法
心筋細胞の培養上清は、C57BL/6jマウス(生後1日齢)を用いて、実施例1と同様の方法で調製した。また、オリゴデンドロサイト前駆細胞は、C57BL/6jマウス(生後1日齢)の脳から実施例1と同様の方法で採取した。得られたオリゴデンドロサイト前駆細胞を、FGF1中和抗体添加群、FGF2中和抗体添加群、FGF18 siRNA導入群、及びFGF21 siRNA導入群の4群に分けて、以下の実験を行った。なお、本実験では、各群4例ずつ検討した。
FGF1中和抗体添加群では、先ず、オリゴデンドロサイト前駆細胞を、poly−L−lysinde(Sigma社製)で被膜したプラスティック組織培養皿に播種し、次の培地にて1日間培養(37℃、5%CO2)した。使用した培地は、4mM L−gludamine(Sigma社製)、1mM Sodium pyruvate(Sigma社製)、0.1% Bovine serum albumin(Sigma社製)、50μg/ml apo−Transferrin(Sigma社製)、5μg/ml Insulin(Sigma社製)、30nM Sodium selenite(Sigma社製)、10nM Biotin(Sigma社製)、10nM Hydrocortisone(Sigma社製)、10ng/ml Platelet−Derived Growth Factor−AA(Peprotech社製)、10ng/ml basic Fibroblast growth factor(Peprotech社製)を含むDMEMである。その後、オリゴデンドロサイト前駆細胞の培養液を取り除き、前記で得られた心筋細胞の培養上清を100重量%となるように添加し、これと同時にFGF1中和抗体(IgG、R&D社製)を3μg/ml、及び10μg/mlとなるように添加して、37℃で24時間培養を行った。次いで、BrdUを添加して37℃で24時間培養した後に細胞を回収し、BrdUの取り込みを細胞増殖ELISA, BrdU発色キット(ロシュ社製)で検出した。また、コントロールとして、心筋細胞の培養上清を添加しなかった場合、FGF1中和抗体の代わりにコントロールIgG(Sigma社製、I5256)を使用した場合についても、前記と同条件でBrdUの取り込みを測定した。
FGF2中和抗体添加群では、FGF1中和抗体の代わりに、FGF2中和抗体(IgG、Millipore社製)を使用したこと以外は、前記FGF1中和抗体添加群と同条件で実験を行った。また、コントロールとして、心筋細胞の培養上清を添加しなかった場合、FGF2中和抗体の代わりにコントロールIgG(Sigma社製、I5256)を使用した場合についても、前記と同条件でBrdUの取り込みを測定した。
FGF18 siRNA添加群では、先ず、Lipofectamin RNAi/MAX(Invitroges社製)を用いてFGF18 siRNA(Lifetechnologies社製)を心筋細胞に導入した。次いで、オリゴデンドロサイト前駆細胞を、poly−L−lysinde(Sigma社製)で被膜したプラスティック組織培養皿に播種し、次の培地にて1日間培養(37℃、5%CO2)した。使用した培地は、4mM L−gludamine(Sigma社製)、1mM Sodium pyruvate(Sigma社製)、0.1% Bovine serum albumin(Sigma社製)、50μg/ml apo−Transferrin(Sigma社製)、5μg/ml Insulin(Sigma社製)、30nM Sodium selenite(Sigma社製)、10nM Biotin(Sigma社製)、10nM Hydrocortisone(Sigma社製)、10ng/ml Platelet−Derived Growth Factor−AA(Peprotech社製)、10ng/ml basic Fibroblast growth factor(Peprotech社製)を含むDMEMである。その後、オリゴデンドロサイト前駆細胞の培養液を取り除き、前記で得られた心筋細胞の培養上清を100重量%となるように添加し、37℃で24時間培養を行った。次いで、BrdUを添加して37℃で24時間培養した後に細胞を回収し、BrdUの取り込みを細胞増殖ELISA, BrdU発色キット(ロシュ社製)で検出した。また、コントロールとして、心筋細胞の培養上清を添加しなかった場合、FGF18 siRNAを心筋細胞へ導入しなかった場合、FGF18 siRNAの代わりにコントロールsiRNA(Applied Biosystem社製、Silencer select control siRNA)を使用した場合についても、前記と同条件でBrdUの取り込みを測定した。
FGF21 siRNA添加群では、FGF18 siRNAの代わりに、FGF21 siRNA(Lifetechnologies社製)を使用したこと以外は、前記FGF18 siRNA添加群と同条件で実験を行った。また、コントロールとして、心筋細胞の培養上清を添加しなかった場合、FGF21 siRNAの代わりにコントロールsiRNA(Applied Biosystem社製、Silencer select control siRNA)を使用した場合についても、前記と同条件でBrdUの取り込みを測定した。
(2)結果
各群のBrdUの取り込み量の測定した結果について、平均値±標準誤差を図2に示す。また、各群のBrdUの取り込み量については、分散分析により統計解析を行った。図2から明らかなように、心筋細胞の培養上清を添加することによって、BrdUの取り込みが著しく上昇し、FGF1中和抗体添加群、FGF2中和抗体添加群、及びFGF18siRNA導入群では、心筋細胞の培養上清を添加することによるBrdUの取り込みの上昇は抑制されなかった。一方、FGF21 siRNA導入群では、心筋細胞の培養上清を添加した条件で、FGF21 siRNAを導入しなかった場合、及びコントロールsiRNAを使用した場合に比べて、BrdUの取り込みの上昇が顕著に抑制できていた(p<0.01)。
以上の結果から、FGF1、FGF2及びFGF18は、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖に影響を及ぼさないが、FGF21は、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進に関与していることが示唆された。
実施例3:オリゴデンドロサイト前駆細胞に対するFGF21の増殖促進作用の検討
オリゴデンドロサイト前駆細胞に対するFGF21の増殖促進作用を、培養細胞を用いて検証した。
(1)材料及び方法
組み換えFGF15(Abcam社製)、FGF21(R&D社製)、FGF23(R&D社製)を使用直前に生理食塩水で希釈して、FGF21含有液を準備した。オリゴデンドロサイト前駆細胞は、C57BL/6jマウス(生後1日齢)の脳から実施例1と同様の手法で採取した。
先ず、オリゴデンドロサイト前駆細胞を、poly−L−lysinde(Sigma社製)で被膜したプラスティック組織培養皿に播種し、次の培地にて1日間培養(37℃、5%CO2)した。使用した培地は、4mM L−gludamine(Sigma社製)、1mM Sodium pyruvate(Sigma社製)、0.1% Bovine serum albumin(Sigma社製)、50μg/ml apo−Transferrin(Sigma社製)、5μg/ml Insulin(Sigma社製)、30nM Sodium selenite(Sigma社製)、10nM Biotin(Sigma社製)、10nM Hydrocortisone(Sigma社製)、10ng/ml Platelet−Derived Growth Factor−AA(Peprotech社製)、10ng/ml basic Fibroblast growth factor(Peprotech社製)を含むDMEMである。その後、オリゴデンドロサイト前駆細胞の培養液中に各種FGF含有液を各種FGFが10ng/ml、30ng/ml、100ng/mlとなるように添加し、37℃で24時間培養を行った。次いで、BrdUを添加して37℃で24時間培養した後に細胞を回収し、BrdUの取り込みを細胞増殖ELISA, BrdU発色キット(ロシュ社製)で検出した。また、コントロールとして、FGF21含有液の代わりに同量の生理食塩水を使用して、前記と同条件でBrdUの取り込みを測定した。なお、本実験では、各群3例ずつ検討した。
(2)結果
各群のBrdUの取り込み量の測定した結果について、平均値±標準誤差を図3に示す。また、各群のBrdUの取り込み量については、統計解析を行った。図3から明らかなように、FGF21を添加することによって、オリゴデンドロサイト前駆細胞のBrdUの取り込みが著しく増加しており、FGF21を添加した群とコントロール(生理食塩水添加)との間には、BrdUの取り込み量において有意な差が認められた。FGF15、FGF23を添加した群とコントロールトの間には、BrdUの取り込み量において有意な差が認められなかった。即ち、本結果から、FGF21には、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進する作用があることが確認された。
実施例4:脱髄モデルマウスのオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖に対する効果の検討(1)
FGF21のオリゴデンドロサイト前駆細胞に対する増殖促進作用を、脱髄モデルマウスを用いて検討した。
(1)材料及び方法
C57BL/6jマウス(メス、7週齢)の脊髄内に、生理食塩水で1%(w/v)に希釈したリゾフォスファチジルコリンをマウス1匹当たり2μl局所投与し、脱髄モデルマウスを作製した。
組み換えFGF21(R&D社製)を生理食塩水で4.17μg/mlとなるように希釈したFGF21含有液を浸透圧ポンプ(アルゼット社製)に充填し、ポンプの先端にカニューレを装着し、先端を脱髄モデルマウスのリゾフォスファチジルコリン投与部位に添えて、FGF21の投与を持続的に行った。7日後に、脱髄モデルマウスを麻酔し、生理食塩水を経心的に還流して脊髄組織を採取した。最終的にFGF21は350ng投与した。脊髄組織を4%パラフォルムアルデヒド溶液で固定し、30%スクロース溶液で置換した後、凍結薄層切片を作製した。切片を抗PDGFRα抗体と抗Ki67抗体を使用して免疫染色を行い、切片内のPDGFRα及びKi67共陽性細胞数を計測した。PDGFRαはオリゴデンドロサイト前駆細胞のマーカーであり、Ki67は細胞増殖マーカーである。また、コントロールとして、生理食塩水を使用して、前記と同条件でPDGFRα及びKi67共陽性細胞数を測定した。なお、本実験では、各群5匹のマウスを用いて検討した。
(2)結果
PDGFRα及びKi67共陽性細胞数を計測した結果について、平均値±標準誤差を図4に示す。また、PDGFRα及びKi67共陽性細胞数については、分散分析により統計解析を行った。図4から分かるように、FGF21を投与した脱髄モデルマウスでは、PDGFRα及びKi67共陽性細胞数が増加しており、FGF21を投与した群とコントロール(生理食塩水添加)との間には、PDGFRα及びKi67共陽性細胞数において有意な差(p<0.05)が認められた。この結果から、FGF21は、生体内で、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進できることが明らかとなった。
実施例5:脱髄モデルマウスのオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖に対する効果の検討
FGF21のオリゴデンドロサイト前駆細胞に対する増殖促進作用を、脱髄モデルマウスを用いて検討した。
(1)材料及び方法
C57BL/6jマウス(メス、7週齢)に、胸椎11番目と胸椎12番目が椎弓を切除し、背柱の正中線に深さ2mmで、生理食塩水で1%(w/v)に希釈したリゾフォスファチジルコリン2μlを局所投与することにより、脱髄モデルマウスを作製した。
組み換えFGF21(R&D社製)を生理食塩水で希釈したFGF21含有液を用いて、FGF21を1日当たり500ng/kg体重の投与量で2週間皮下投与した。2週間後に、脱髄モデルマウスを麻酔し、生理食塩水を経心的に還流して脊髄組織を採取した。採取した脊髄組織を4%パラフォルムアルデヒド溶液で固定し、30%スクロース溶液で置換した後、凍結薄層切片を作製した。切片を抗PDGFRα抗体と抗Ki67抗体を使用して免疫染色を行い、切片内のPDGFRα及びKi67共陽性細胞数を計測した。また、コントロールとして、0.5%BSAを含む生理食塩水を使用して、前記と同条件でPDGFRα及びKi67共陽性細胞数を測定した。なお、本実験では、各群5又は6匹のマウスを用いて検討した。
(2)結果
PDGFRα及びKi67共陽性細胞数を計測した結果について、平均値±標準誤差を図5に示す.本試験でも、FGF21を投与した脱髄モデルマウスにおいて、PDGFRα及びKi67共陽性細胞数が増加しており、FGF21は、生体内でオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進できることが明らかとなった。
実施例6:脱髄モデルマウスの髄鞘修復に対する効果の検討
FGF21の髄鞘修復作用を、脱髄モデルマウスを用いて検討した。
(1)材料及び方法
脱髄モデルマウスは、前記実施例5と同様の手法で作出した。リゾフォスファチジルコリン投与から7日後の脱髄モデルマウスに対して、組み換えFGF21(R&D社製)を生理食塩水で希釈したFGF21含有液を用いて、FGF21を1日当たり500ng/kg体重の投与量で2週間皮下投与した。2週間後に、脱髄モデルマウスを麻酔し、生理食塩水を経心的に還流して脊髄組織を採取した。前記実施例5と同様の手法で、採取した脊髄組織から切片を作成し、切片を抗MBP抗体にて免疫染色を行い、切片内のMBP陽性領域を計測した。また、コントロールとして、0.5%BSAを含む生理食塩水を使用して、前記と同条件でMBP陽性領域を測定した。なお、本実験では、各群1匹のマウスを用いて検討した。
(2)結果
MBP陽性領域を計測した結果について、平均値を図6に示す.FGF21を投与した脱髄モデルマウスにおいて、MBP陽性領域が増加しており、FGF21は、生体内で髄鞘修復を促進できることが明らかとなった。
実施例7:脱髄モデルマウスの神経症状に対する効果の検討
FGF21の神経症状への治療効果について、脱髄モデルマウスを用いて検討した。
(1)材料及び方法
脱髄モデルマウスの作出と組み換えFGF21の投与は、前記実施例5と同様の手法で実施した。マウスの後肢の運動機能はladder walk testを実施した。長さ1メートルの梯子を高さ15cmの位置に設置した。梯子の幅はランダムに0.6、1.2、1.8cmにして、マウスを梯子の上を歩かせた。肢を踏み外す回数を計測し、全歩数に対する肢を踏み外す回数の割合(%)を算出した。なお、本実験では、各群3匹のマウスを用いて検討した。
(2)結果
梯子を踏み外した回数の割合を算出した結果について、平均値±標準誤差を図7に示す.FGF21を投与した脱髄モデルマウスにおいて、梯子を踏み外す回数が低下しており、FGF21は、神経機能の改善を促すことが明らかとなった。
実施例8:ヒトオリゴデンドロサイト前駆細胞に対するFGF21の増殖促進作用の検討
オリゴデンドロサイト前駆細胞に対するFGF21の増殖促進作用を、ヒト由来の培養細胞を用いて検証した。
(1)材料及び方法
組み換えヒトFGF21(R&D社製)を使用直前に生理食塩水で希釈して、FGF21含有液を準備した。また、ヒトオリゴデンドロサイト前駆細胞(ScienCell社製)を準備した。
先ず、オリゴデンドロサイト前駆細胞を、poly−L−lysindeで被膜したプラスティック組織培養皿(Greiner Bio−One社製)に播種し、次の培地にて1日間培養(37℃、5%CO2)した。使用した培地は、4mM L−gludamine(Sigma社製)、1mM Sodium pyruvate(Sigma社製)、0.1% Bovine serum albumin(Sigma社製)、50μg/ml apo−Transferrin(Sigma社製)、5μg/ml Insulin(Sigma社製)、30nM Sodium selenite(Sigma社製)、10nM Biotin(Sigma社製)、10nM Hydrocortisone(Sigma社製)、10ng/ml Platelet−Derived Growth Factor−AA(Peprotech社製)、10ng/ml basic Fibroblast growth factor(Peprotech社製)1(v/v)% penicillin/streptomycin (Life Technologies)を含むDMEMである。その後、オリゴデンドロサイト前駆細胞の培養液中にFGF21含有液をFGF21が6g/mlとなるように添加し、37℃で24時間培養を行った。次いで、BrdUを添加して37℃で24時間培養した後に細胞を回収し、BrdUの取り込みを細胞増殖ELISA, BrdU発色キット(ロシュ社製)で検出した。また、コントロールとして、FGF21含有液の代わりに同量の生理食塩水を使用して、前記と同条件でBrdUの取り込みを測定した。なお、本実験では、コントロール群を6例、FGF21群を4例検討した。
(2)結果
各群のBrdUの取り込み量の測定した結果について、平均値±標準誤差を図8に示す。また、各群のBrdUの取り込み量については、統計解析を行った。図6から明らかなように、FGF21を添加することによって、オリゴデンドロサイト前駆細胞のBrdUの取り込みが著しく増加しており、FGF21を添加した群とコントロール(生理食塩水添加)との間には、BrdUの取り込み量において有意な差が認められた。即ち、本結果から、FGF21には、ヒトオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進する作用があることが確認された。
実施例7:脳挫傷モデルマウスのオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖に対する効果の検討
FGF21のオリゴデンドロサイト前駆細胞に対する増殖促進作用を、脳挫傷モデルマウスを用いて検討した。
(1)材料及び方法
C57BL/6jマウス(メス、7週齢)を麻酔下で、脳定位固定装置(ナリシゲ社製)に固定した。頭皮を正中切開し、筋膜を取り除き、頭蓋を露出した。ブレグマから2mm側方の地点を中心にして直径4mmの円形で開頭した。脳挫傷はPneumatic Impact Device(AmScien Instruments社製)に直径3mmのチップを接続して、作成した。衝撃を与えるパラメーターは、速度4〜4.5mm/秒、深さ1mm、持続時間を120ミリ秒とした。
組み換えFGF21(R&D社製)を生理食塩水で希釈したFGF21含有液を浸透圧ポンプ(アルゼット社製)に充填した。また、当該浸透圧ポンプの先端にカニューレを装着し、更にその先端にBrain infusion kit(アルゼット社製)を繋ぎ、FGF21含有液を脳室内に持続的に投与した。FGF21含有液の投与は、FGF21が1日当たり50ng/kg体重となる投与量で1週間行った。その後、脳挫傷マウスを麻酔し、生理食塩水を経心的に還流して脳組織を採取した。採取した脳組織を4%パラフォルムアルデヒド溶液で固定し、30%スクロース溶液で置換した後、凍結薄層切片を作製した。切片を抗PDGFRα抗体と抗Ki67抗体を使用して免疫染色を行い、切片内のPDGFRα及びKi67共陽性細胞数を計測した。また、コントロールとして、0.5%BSAを含む生理食塩水(Vehicle)を使用して、前記と同条件でPDGFRα及びKi67共陽性細胞数を測定した。なお、本実験では、各群5又は6匹のマウスを用いて検討した。
(2)結果
PDGFRα及びKi67共陽性細胞数を計測した結果について、平均値±標準誤差を図9に示す。本試験でも、FGF21を投与した脳挫傷モデルマウスにおいて、PDGFRα及びKi67共陽性細胞数が増加しており、FGF21は、脳挫傷後においてもオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促進できることが明らかとなった。

Claims (11)

  1. FGF21を有効成分とする、脱髄疾患の予防又は治療剤。
  2. 前記脱髄疾患が中枢神経系の脱髄疾患である、請求項1に記載の脱髄疾患の予防又は治療剤。
  3. 中枢神経系の脱髄疾患の後遺症の改善に使用される、請求項1又は2に記載の脱髄疾患の予防又は治療剤。
  4. FGF21を有効成分とする、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進剤。
  5. FGF21を有効成分とする、髄鞘の修復剤。
  6. FGF21の、脱髄疾患の予防又は治療剤の製造のための使用。
  7. FGF21の、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進剤の製造のための使用。
  8. FGF21の、髄鞘の修復剤の製造のための使用。
  9. 脱髄疾患の予防又は治療が必要とされている者(但し、ヒトを除く。)に、FGF21を、その予防又は治療に有効な量を投与する工程を含む、脱髄疾患の予防又は治療方法。
  10. オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進が必要とされている者(但し、ヒトを除く。)に、FGF21を、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進に有効な量を投与する工程を含む、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖促進方法。
  11. 髄鞘の修復が必要とされている者(但し、ヒトを除く。)に、FGF21を、髄鞘の修復に有効な量を投与する工程を含む、髄鞘の修復方法。
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