SD干渉法およびSD−OCTは、調べている物体からの光信号と局所的な光基準信号との間で作成された干渉信号のスペクトルの解析に基づく技術である。OCTは、物体の断面画像、つまり、空間(直交座標、軸座標)における二次元(2D)画像をリアルタイムで作成できる。Journal of Microscopy, 2012 doi:10.1111/j.1365-2818.2012.03619.x:に掲載されたA. Podoleanu の論文"Optical coherence tomography" に記載されているように各SD法は、二つのフォーマット(i)分光計に基づく(SB)または(ii) 波長可変レーザまたは掃引光源(SS)を用いたもので実行できる。
異なるSD−OCT手法を実施しているOCT概略図を図1および図2に示す。これらは、光源(1)にマイケルソン干渉計を含み、基準ビームを作成するために光学スプリッタ(2)と基準ミラー(4)を用いている。顕微鏡用光学インターフェース(5)は、観察する物体(3)からスプリッタ(2)へおよびスプリッタ(2)から物体(3)へ、さらに光学スペクトル読取装置(6)まで光を搬送するために採用されている。光学スペクトル読取装置(6)は、電気信号(60)の形で基準ミラー(4)から返された基準ビームと物体(3)から返されたビームとの光の干渉のスペクトル解析を、干渉計の出力での光のスペクトルに関連付けて行う。スプリッタ(2)から物体(3)およびその逆を行き来する物体波の経路が物体経路長、OPLである。(2)から(4)およびその逆を行き来する基準波の経路が基準波経路長、RPLである。干渉計における光路差(OPD)は、OPD=(OPL−RPL)として規定される。光学インターフェース(5)は、物体(3)の上から物体ビームを直交方向に走査するための一つあるいは二つの横方向走査装置(511)および(512)を含む横方向走査ユニット(51)を有する。物体と基準ビームの重ね合わせにより生じる干渉信号は、光学スペクトル読取ユニット(6)へ送る前に、各レンズ、収束ミラー、ピンホール(詳細は省く)などの(52)内の他の素子によって光学インターフェース(5)内で空間フィルタされる。
上記は、OCTを行うために直交方向走査を備えたスペクトル領域干渉法(SDI)の原理を説明する一般的な構成であることは、当行者に明らかであろう。実際には、(5)から(6)へ光を搬送するために光ファイバーを使用でき、この場合にファイバーはピンホール(52)の役割を果たす。スプリッタ(2)はファイバーで実現することもできる。また、図17に示すように、各光学スプリッタ間で光を再循環させることによって基準ビームを提供することができる。他の干渉計も使用できることは明らかである。
時間領域(TD)−OCTにおけるOPDの機械的走査は、図1におけるSB−OCTの分光計(61)のアレイ上の帯電量を読み取ることまたは、図2におけるSS−OCTのレーザ源(12)の周波数をチューニングすることで置き換えられる。
2E個の点は、SB−SDIの場合は分光計内のリニアカメラで2E個のピクセルを用いることにより、または、SS−SDIの場合は少なくとも2E個の分解可能なスペクトル点での調整源(12)の放射をチューニングすることによりスペクトルからサンプルを抜き取っている。
深さ分解能はいずれの場合も、コヒーレンス長clによって決まり、SB−SDIにおける光源(11)のスペクトルバンド幅Δλの半値全幅(FWHM)を用いてまたは、SS−SDIにおけるSS12のチューニングバンド幅Δλをcl〜λ2/Δλ、但しλは中心波長とする、として用いて計算する。各パラメータclおよび2Eは、図1および図2においてかように取得したA−スキャンのそれぞれ軸分解能および軸領域を決定するものとして示す。いずれの場合も2Eδλ=Δλで、軸領域は、別のコヒーレンス長CL〜λ2/δλ、但しδλはカメラ(61)の画像ピクセルごとのバンド幅またはSS(12)のライン幅とする、に相応している。
図3に示すように、OPDの係数は大きいほど、マイケルソン干渉計出力のスペクトルにおける山と谷が多くなり、したがって、チャネル(channelled)されたスペクトルへの参照数が多くなる。2E個のピクセルを使用すると、信号(60)のうちのE個のサイクルまで変換できる。光学スペクトル読取装置(6)は、チャネルスペクトル(CS)を電気信号(60)に変換する。手法はSB、SSにかかわらず、光学スペクトル読取装置(6)の出力でのチャネルスペクトルの読み取りは、OPDの係数に相応した周波数の信号を供給する。
f=U│OPD│ (1)
ここで、Uは各SDIセットの特性を示す変換係数である。
SD−OCTは、干渉計出力でのスペクトルの、つまり、CS信号のスペクトル観測を意味する。図1と図2に示すように、2つの可能性がある。SD−OCTの処理は低コヒーレンス干渉計の光学スペクトル出力の復調に基づく。図1および図2の従来技術を調べると、SBに基づくSDIとSSに基づくSDIのいずれのSDI概念も、図3(a)’に概略を示すように、同じ構成に適合する。干渉計の出力での干渉スペクトルのスペクトル解析は、光源(1)と光学スペクトル読取装置(6)で異なる素子を有して行われ、図1のSB−SDIの場合には(1)に広帯域(broadband)源(11)と(6)に干渉計(61)を用い、図2のSS−SDIの場合には(1)に光源(12)をチューニングして、(6)に光検出器(63)に用いる。従来技術では、FFT処理装置(62)を用いてスペクトル解析を実行する。FFT処理が正しく行われるためには、以下に説明するように、チャネルスペクトルを光周波数の各スロットに等しく提供するためにキャリブレータ(620)が必要である。
分光計に基づく光コヒーレンストモグラフィ(SB−OCT)
図1において、光源は広帯域(11)であり、処理装置(6)は干渉計(61)を採用し、CCD撮像素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)リニアカメラを用いて、通常はプリズムまたは回折格子およびリニア光検出器アレイを用いて構成される。このような手法は、以下において、分光計に基づく(SB)−OCTのものを指す。スペクトルは山と谷(チャネルスペクトル)を示し、Taplin et al.による, "Displacement sensor using channelled spectrum dispersed on a CCD array", Electron. Lett. 29, No.10, (1993), pp. 896-897の論文に記載のように、このような変調の周期は干渉計におけるOPDに相応する。図3(a)に示すように、〜3cl(左)と〜6cl(右)のOPDに対する、2つのOPD値に、物体(3)としてミラーを使用する場合には、OPDが大きいほどスペクトル(S,60)内のピークの数が多い。干渉計(61)内のリニアカメラは、図3bに示すように、チャネルスペクトル内の連続した山と谷のサンプルを抜き取ることができるように、十分に小さなピクセルδλが必要である。その電荷量をダウンロードすることにより、図3(c)sに示すように、干渉計内のリニアカメラは光学スペクトルを時間内に電気信号に変換する。網膜や皮膚などの多層物体を画像化する場合には、各層はその深さによって自身のスペクトル変調周期をインプリントする。
干渉計出力におけるスペクトル(CS)は、(61)内のリニアカメラレイから帯電(charge)をダウンロードすることにより、時間T内に読み取る。その際、処理装置(6)により出力信号(60)が搬送される。
ブロック(62)のFFT処理装置は、干渉計(61)内のリニアカメラから搬送される信号(60)の高速フーリエ変換(FFT)を遂行し、信号CSの周期性をOPDに関連する異なる周波数のピークに変換する。このようなプロフィルは、図3(d)および図1の下部に示すように、物体(3)がミラーの場合には、基本的に深さ方向の反射の平方根のA−スキャンプロフィル、信号60’である。検出に応用する場合には、これは測定の出力となる。OCTに応用する場合、断面OCT画像を組み立てるために(51)を用いて物体(3)上での異なる横方向位置でのA−スキャンが複数必要である。
掃引光源光コヒーレンストモグラフィ(SS−OCT)
図2において、処理装置(6)は光検出器(63)を採用し、掃引光源(波長可変レーザ)(12)を光源(1)として使用し、掃引光源(SS)−OCTと称する方法に基づいて動作する。
図3は、SS−OCTにも同様に適合し、Δλおよびδλはそれぞれ掃引光源(12)のチューニングバンド幅(tuning bandwidth)とライン幅である。この場合の信号(60)は、掃引光源(12)の周波数をチューニングする際の一時的な(6)の信号出力である。図2において、図3bに示す狭帯域掃引光源(12)のレーザラインδλは、図3aに示すように、チャネルスペクトル内の隣接するピーク間のスペクトル距離よりずっと短くする必要がある。図3cは、SS(12)をチューニングする際の、図2における光検出ブロック(63)の信号出力を示す。理想的な例の場合に、レーザラインがデイラックのデルタ関数(限りなく小さい線幅δλ)で近似すると、光検出信号(60)はチャネルスペクトルと全く同じ形状となる。(62)によって生成した信号(60)の高速フーリエ変換(FFT)は、チャネルスペクトルの周期性をOPDに関連した異なる周波数の各ピークに変換する。図3(d)および図2の下部に示すように、物体(3)がミラーの場合にA−スキャンはこのようにして得られる。波長をチューニングするために必要な時間がA−スキャンを生成するためにかかる時間を決定する。
飛点対全領域撮像
各OCT手法で、異なる類の走査および検出を確認できる。全てのOCTシステムは、2つまたは3つの走査機構を備えている。飛点型を実施する場合には、各点ごとに、物体(3)上のビームを偏向させるために図1および図2における走査装置(511)および(512)としてガルバノスキャナ(galvo-scanner)、共振スキャナ、電圧素子および、音響光学変調器を用いる。全領域型を実施する場合には、その状況内のいくつかの点を一度に捕捉するために2Dアレイ、CCDまたはCMOSカメラを使用する。図1において、全領域型で動作している場合、J. Wang, C. Dainty, A. Gh. Podoleanuによる "Line-field spectral domain optical coherence tomography using a 2D camera", Proc. SPIE 7372, 737221 (2009)で説明しているように、スプリッタ(2)と物体(3)の間の走査装置(51)は1つだけの走査装置に減らしてあり、光学インターフェース(5)ではラインを用いて物体(3)を照射するために円筒形光学を使用し、分光計(61)内のカメラは2Dカメラである。ラインの各ピクセルが物体(3)に照射している、(61)内の2Dカメラの一方向に沿った直交方向(例えば、列方向に沿った方向)では、チャネルスペクトルは2Dカメラの直角方向(各縦列)に沿って照射されて、機械走査を行うことなくB−スキャン画像を生成する。直交方向走査装置(511)の各位置には、物体(3)に照射したラインと深さ方向の軸によって形成された面において、2Dアレイは断面画像(B−スキャン)を提供する。その後、次のB−スキャンを収集するために走査装置(511)を次の位置に移動する。
図2において、全領域型で動作する場合には、直交方向走査装置(51)を取り外して(52)内のピンホールと光検出器(63)は2Dカメラで置き換えられる。全領域SS−OCTでは、図2の掃引光源(12)をチューニングしながら、A−スキャンを返すために各カメラピクセルについて処理が行われる。このようにして、published by J. Wang, M. Hathaway, V. Shidlovski, C. Dainty, A. Podoleanu による "Evaluation of the signal noise ratio enhancement of SS-OCT versus TD-OCT using a full field interferometer", Proc. SPIE 7168, 71682K (2009)に記載されているように、機械走査を行うことなく物体の全ボリュームを取得する。全領域型は、コンパクトな方法であるがカメラ内のピクセル間の混信という問題がある。全領域型は、SS用の高速チューニング速度を必要とすることなく、SS−OCTにおける高速補足に別の選択肢をも提供する。3Dデータの高速収集へのアクセスは、掃引速度を上げることにより、またはより低速のSSを有する、全領域型SS−OCTセットにおける(63)内のカメラのフレーム速度によってチューニング速度が決まる、CMOSカメラなどのような高速カメラを組み合わせることにより得られる。
このため、(51)内の走査素子および光学インターフェース(52)内の光学素子は、これらの異なる可能性に対応するように総称して解釈され、飛点型を使用する場合には点型光検出器で信号を受信し、全領域型の場合には物体ビームの繰返偏向は、光検出器の1Dまたは2Dアレイで平行して読み取る干渉信号で置き換えられる。これらの場合、各映像部位の、(52)内のピンホールの影響は、これらのような各映像部位の小開口によって置き換えられ、走査装置(51)は(6)(光検出アレイの電荷量を走査する機能を担う)の正面に移動する。よって、本開示の記載において、飛点型の構成で機械走査を使用する場合、あるいは、全領域型の構成で光検出器のリニアアレイまたは2Dアレイの電荷量を走査する場合、走査手段および検出手段はこれらに関係なく同じ機能を果たすものと総称して解釈する。
SD−OCTにおいて使用する走査の、飛点型または全領域型の、異なる原理にかかわらず、従来技術では(62)においてFFTで信号60’を生成する。
再サンプリングの問題
従来技術のSD干渉法が提示する最初の問題点は、図1の干渉計(61)および図2の光検出ブロック(63)(または、SS全領域型を実施例におけるカメラ)から来るデータは、光周波数が線形で提供されていないということである。この問題には、データの線形化が必要であり、また時間を要する。SB−OCTでは、分光計で使用しているリニアカメラ(61)上での光周波数ではスペクトルは線形回折していない。SS−OCTでは、光源(12)の光周波数の変化は時間に関して線形でない。例えば、多くの掃引光源はファブリペロー調整可能フィルタを使用する。高いライン速度を達成するためには、これらのフィルタを正弦波信号で励起して生成される光信号の周波数を非線形的に変化させるように導く。線形光周波数スロットにまとめられていない全てのデータ信号(60)のFFTは、最終A−スキャン、つまり、信号(60’)において、より小さなピーク振幅、広幅のピークおよび多数のピークまでもたらす。
このため、具体的なFFT信号処理法、線形化およびキャリブレーション手順が開発され、検知やSD−OCTシステムに使用する全ての従来技術のSD干渉計は、同じ周波数スロットのFFT処理装置(62)へデータを提示するために余計な装置を使用し、キャリブレータブロック(620)での余計な工程を含む。これらのシステムは全て、余計な費用がかかり、余計な工程には時間と有意なコンピューティング資源を必要とする。
SD−OCTは、今では1MHzを超えるライン走査速度を達成している、つまり、これだけの速さでスペクトルを取得できる。しかしながら、大多数の複雑なリアルタイムデータの処理工程をこの速度で処理できない。数値の後処理には、データ再サンプリング、数値からのスペクトル形成およびアポディゼーション、フーリエ変換そして個別A−スキャンの各部分の足し算などの多数のステップを伴い、これらには時間を要する。
これまでに、いくつかの手法ではSB−OCTおよびSS−OCTのいずれを実施する場合も干渉計のデータをキャリブレーションすることを示している。
このため、SB−OCTにおける光学ハードウェア手法では、図1のキャリブレーションブロック(620)で示す分光計内の専用のプリズムを設けることを含み、これにより分光計内の光検出アレイ上のスペクトルを光周波数で線形に配信する[Z. Hu and A. V. Rollins, "Fourier domain optical coherence tomography with a linear-in-wavenumber spectrometer," Opt. Lett. 32, 3525-3527 (2007)]。他の手法は、パラメータの反復[B. Park, M. C. Pierce, B. Cense, Seok-Hyun Yun, M. Mujat, G. Tearney, B. Bouma, and Johannes de Boer, "Real-time fiber-based multi-functional spectral-domain optical coherence tomography at 1.3 μm," Opt. Express 13, 3931-3944 (2005)] や位相線形化手法[R. Leitgeb, W. Drexler, A. Unterhuber, B. Hermann, T. Bajraszewski, T. Le, A. Stingl, and A. Fercher, "Ultrahigh resolution Fourier domain optical coherence tomography," Opt. Express 12, 2156-2165 (2004)]などソフトウェアに基づく。この場合キャリブレーションブロック(620)は、FFT処理装置(62)へ適用する前に、処理ブロック(6)からのデータに対して行われる必要な全ての別処理、再サンプリング、補間、線形化、ゼロ詰め等を知らせる。
同様に、SS−OCTにおける非線形的な掃引を補正するために、例えば、第2の干渉計で生成された電子的トリガー信号(kクロック)でアナログ−デジタル変換器をクロック制御することを含むハードウェア手法[R. Huber, V. Wojtkowski, and J. G. Fujimoto, "Fourier Domain Mode Locking (FDML): A new laser operating regime and applications for optical coherence tomography," Opt. Express 14, 3225-3237 (2006), M. Gora, K. Karnowski, V. Szkulmowski, B. J. Kaluzny, R. Huber, A. Kowalczyk, and M. Wojtkowski, "Ultra high-speed swept source OCT imaging of the anterior segment of human eye at 200 kHz with adjustable imaging range," Opt. Express 17, 14880-14894 (2009), J. Xi, L. Huo, J. Li, and X. Li, "Generic real-time uniform K-space sampling method for high-speed swept-Source optical coherence tomography," Opt. Express 18, 9511-9517 (2010)] また、チューニング可能フィルタに適用した波形を最適化することを含むハードウェアおよび/またはソフトウェア手法[C. Eigenwillig, B. Biedermann, G. Palte, and R. Huber, Opt. Express 16, 8916 (2008), Christoph V. Eigenwillig, Benjamin R. Biedermann, G. Palte and R. Huber, "K-space linear Fourier domain mode locked laser and applications for optical coherence tomography," Opt. Express 16, 8916-8937 (2008), I. Trifanov, A. Bradu, L. Neagu, P. Guerreiro, A. Ribeiro, and A. G. Podoleanu, "Experimental Method to Find the Optimum Excitation Waveform to Quench Vechanical Resonances of Fabry-Perot Tunable Filters Used in Swept Sources," Photon. Techn. Lett. 23, 825-827 (2011)]などのいくつかの手法が報告されている。ソフトウェア手法は、アナログからデジタルへの(A/D)変換の後にデータの再サンプリングを行うことを含む[S. Vergnole, D. Levesque, and G. Lamouche, "Experimental validation of an optimized signal processing method to handle non-linearity in swept-source optical coherence tomography," Opt. Express 18, 10446-10461 (2010), Y. Yasuno, V. Dimitrova Vadjarova, S. Makita, M. Akiba, A. Morosawa, C. Chong, T. Sakai, Kin-Pui Chan, M. Itoh, and T. Yatagai, "Three-dimensional and high-speed swept-source optical coherence tomography for in vivo investigation of human anterior eye segments," Opt. Express 13, 10652-10664 (2005), B. Chang Lee, M Yong Jeon, and T. Joong Eom, "k-domain linearization of wavelength-swept laser for optical coherence tomography," Proc. SPIE 7894, Optical Fibers, Sensors, and Devices for Biomedical Diagnostics and Treatment XI, 789418, Feb.°16, 2011]。残念ながら、上記の手法は全て高価な設備を別に必要とし、さらに/または計算に費用が嵩み、OCTシステムのリアルタイム動作を制限する。
(63)からの信号用に二重入力デジタイザを動かしている掃引光源(12)内のクロック、または掃引光源(12)内のコントローラまたはフィルタあるいは、ソフトウェア線形化手法等の全ての特別なハードウェア装置は図2の別のキャリブレーションブロック(620)に含まれている。
ブロック(620)はSD−OCTシステムのコストを上げるか、画像生成速度を落とす。上記の手法を使用した線形化およびキャリブレーション手法を適用した後でさえ、SBおよびSS手法にかかわらず、非線形性の補間を全て行うことはできない。
正視型C−スキャンスライス生成時間およびSD−OCTにおけるボリューム収集時間
従来技術における第2の問題点は、2D正視型マップ(C−スキャンOCT画像)をリアルタイムで生成できないということである。このため、従来技術においてはまず第一にA−スキャンをボリュームに組み立てて、第二にC−スキャンを生成するためのソフトウェアカットを作る必要がある。SB−OCTおよびSS−OCTセットは、それらのバージョンが飛点型か全領域型に関係なく、C−スキャン面に垂直に、つまり軸座標に沿った反射プロフィル、A−スキャンを出力する。C−スキャンは、顕微鏡が提供するようなより見慣れた配向性(軸上ビームに対する横方向断面)を示す。C−スキャンは、組織の微細構造の視覚化を向上させ、付加的な情報を提供する。またこれらは、次の高分解能断面のB−スキャンのサンプリング位置を決定する処理に有用である。C−スキャン断面は、SB−OCTおよびSS−OCTで得られるが、物体(3)の全ボリュームが取得されてからのみ、つまり、取得後処理のみを通じてのみ可能である。従来技術において、全ボリュームのサンプリングをするために第1のステップで異なる横方向軸、Yv、但しv=1,2,...、での一連のB−スキャンOCT画像が撮像される。これにつづき第2のステップではC−スキャンを取得するために先に生成した3Dボリュームをソフトウェアを用いてスライスする。このためSD−OCTでは、C−スキャンを作るためにかかる時間は全ボリュームデータを収集するために必要な時間Tvに加えてA−スキャンをボリュームに組み立てるためにかかる処理時間とこのようなボリュームをソフトウェアカットするための時間Tcutによって決まる。例えば、1MHzライン速度では500本のラインから成るB−スキャン画像のデータを500マイクロ秒で取得することを可能にする。もしA−スキャンの深さ方向において500ピクセルのこのようなフレーム500取得されるとしたら、これはTv=0.25秒で5003のボリュームのピクセルデータが取得されたことを意味する。これはC−スキャン画像を作るために必要なデータを取得するための最短時間間隔を示す。データを処理し,TA、A−スキャンを組み立てて、サンプルの空間的なボリュームを作成してボリューム内にC−スキャン用ソフトウェアカットを生成する時間,Tcutのために追加時間を必要とする。従来技術では、横方向軸(h,v)、ここでh=1,2,...H、v=1,2,...V、の全ての所定ピクセルの干渉計の出力スペクトルの読み取りから軸反射プロフィル(A−スキャン)を作成するためにフーリエ変換を使用している。ボリュームは、XおよびY軸に沿ったそれぞれに対応する全てのHおよびVピクセルのA−スキャンを組み合わせることにより作成する。そして、このようなボリュームから対応する正視型スライスをソフトウェアカットする。これには時間を要する。
正視型カットにかかる時間を短縮するための解決策がB. R. Biedermann, W. Wieser, C. V. Eigenwillig, G. Palte, D. C. Adler, V. J. Srinivasan, J. G. Fujimoto, and R. Huber にょる"Real time en-face Fourier-domain optical coherence tomography with direct hardware frequency demodulation", Optics Letters, Vol. 33, Ho. 21/1, (2008), pp. 2556 - 2558の論文で提案された。この論文では、光検出信号を局所発振器で搬送した特定の選択した周波数の信号とミキシングすることにより、光源の光周波数をチューニングしながら単一周波数帯域の振幅を光検出信号から抽出している。一つの正視型画像は、同一軸位置の点を複数含む。これは正視型画像の各点に対してチャネルスペクトルの同一変調が生成されることを意味する。同一OPD値での各点はチャネルスペクトルにおいて同じ数のピークを形成するため、光周波数をチューニングすることによりチャネルスペクトルを読み取った場合には、光検出信号の拍動に対して特定の周波数が得られる。しかしながら、この手法ではデータの線形化およびキャリブレーションが必要となる。またこの手法は、最終コーヒーレンスゲートにガウス分布を確保するために掃引光源の付加的な変調が必要となるという不利益をもたらす。さらに深さ方向からのさらなる正視型画像が必要となる場合に、デジタルインターフェースにはフィルタあるいは、ミキサをさらに組み立てる必要がある。異なる深さで新たな正視型画像を生成するためには、ボリュームのデータを軸座標に沿って読み取って、正視型画像が推測される場所の深に対応する変調を生成する必要がある。キャリブレーションが不完全な場合、信号の振幅と画像の明度は低くなる。
ミラー類の問題
従来技術のSDIおよびSD−OCT手法の別の短所は、式(1)に示すように、チャネルスペクトルの変調のOPD値が正と負の値とで同じであるということである。位相または周波数変調器を用いてあるいは干渉計内に分散素子を入れることなどにより、負のOPD値の変調から正のOPD値の変調を認識するような手法がいくつか考えられている。このような手法では、完全軸範囲、つまり、両正負OPDを利用できることを可能にする。Drexler W., Hover B., Povazay B., Matz G.による国際公開第2010/007025号パンフレット "Method for image range extension in optical coherence tomography"など、分散素子を併用したいくつかの反復数値手法とともにFFTの前にデータを線形化するいくつかの手法が提案されている。この特許出願明細書には、完了までに長時間かかる多数の手順が記載されており、また別の欠点としてこれらは断面画像のみ出力できる。正視型画像が必要な場合には、3つの部分からなる処理時間、全体軸範囲の再構築にかかる時間、再サンプリング、補間/線形化/キャリブレーションにかかる時間および、ボリュームの組み立てと正視型カット、にはかなり長時間かかる。
このため、SDIにおいて物体の全ての所定深さにおいて瞬時に信号を送るためのキャリブレーションまたは線形化を必要としない処理手法が要求されており、言い換えれば、フーリエ変換以外の他の機能ブロックを使用するシステムが必要である。
SDIを利用する際には、チャネルスペクトルをより速くデコードして、OCTを利用する際に異なる深さからC−スキャン(正視型)画像をより速く生成できる手法とシステムも必要である。
また、分散補償をより速く処理するという観点での必要性がある。
全軸範囲断面画像をより速く提供するために分散性干渉計における信号処理速度を上げる必要がある。この点において、全軸範囲正視型画像処理を行う必要もある。
さらに、平行してスペクトル読出しを提供する光学干渉計により適切な信号処理手法および装置も必要である。
本発明の種々の特徴は、それらに付随する他の目的および利点とともに、以下の記述および、類似の参照符号は類似の要素を示している添付の図面にて説明する。
マスタ−スレーブ干渉法およびマスタ−スレーブOCT
図3’(a)は、図1および2の従来技術のシステムを複合図を示し、従来技術OCTにおける、SD−OCTの4つの基本的な構成要素を示す。(i)光源を含んだ干渉計(1),(2),(4),(5)、(ii)干渉計の出力でスペクトルを読み取る装置であるチャネル(channelled)光スペクトル読取装置(6)、(iii)ブロック(620)の(6)で提供されている信号(CS)線形化手段(60)、キャリブレータ、(iv)FFT処理機(62)。
本発明は、2つのチャネルスペクトルの比較手法による方法およびシステムを開示している。これらの実施例を図3’(b)に示し、最後の2つのブロック(620)および(62)を、以下に説明する通りチャネルスペクトル(CS)、信号(60)をそれぞれマスタ基準信号(70)または(70’)と比較する、コンパレータ(64)または(64')で置き換えている。
図4(a)には、マスタ基準信号(70)を提供する左にあるマスタ干渉計(10M)が測定したOPD値に対する信号(60)を取得する右にあるスレーブ干渉計(スレーブOCTシステム)(10)を含む、新種のスペクトル干渉計セットを開示している。スレーブ干渉計(10)では、スレーブビームスプリッタ(2)からスレーブ基準ミラー(4)までを測定して得た基準経路長と、(2)から物体(3)内の異なる分散点を測定して得た物体経路長との差からOPD値を決定している。マスタ干渉計(10M)において、マスタビームスプリッタ(2M)から、マスタ基準ミラー(4M)とマスタ物ミラー(3M)の2つのミラーまでを測定して得た光路長の差からOPD値が決定される。
図1および2において説明しているように、この方法はSDIの両方法に適用できる。採用するSDI原理にかかわらず2つのスペクトル干渉計からの出力信号は、各干渉計におけるチャネルスペクトルの読み取りによって時間とともに変化する電気信号からできている。SB−SDI手法の場合、広帯域光源(11)を光源(1)として使用すると、スレーブチャネルスペクトル読取装置(6)内とマスタチャネルスペクトル読取装置(6M)内の干渉計内の各ラインカメラで読み取ることによって信号が搬送される。SS−SDI手法の場合、光源(12)はチューニング可能となっており、チャネルスペクトル読取装置(6)および(6M)は光検出器(飛点型の場合)またはカメラ(全領域型の場合)を使用する。SS(12)をチューニングすることにより、光検出器(6)および(6M)はチャネルスペクトルに相応した信号を出力する。
比較ブロック(64)が本開示の手法の中核となっている。ここでは、2つの干渉計からのチャネルスペクトル出力、それぞれマスタ(10M)およびスレーブ(10)とCSmaster(OPDp)、信号70、およびCSslave=S、信号60、を比較する。2つのパターンが類似している場合には、比較ブロック(64)は最大信号を送り出す。2つのパターンの違いが大きいほど比較ブロック(64)から送られる出力信号の振幅が小さくなる。考えられる比較手法は、パターン認識または当技術分野において知られている他の方法に基づくことができる。ここで使用する、可能な比較手法は一例として相関を伴う。適応フィルタと同様に、(64)の入力にて与えられた2つの信号が類似している場合,つまり、2つの干渉計(10)および(10M)から送られるチャネルスペクトルの山と谷の数が同じの場合、(64)の出力で最大信号を取得する。これは、マスタ干渉計(10M)でのOPDp値で、スレーブ干渉計(10)内のどのOPD値から信号が収集されているかが決まることを意味する。物体(3)内の深さ方向に複数の分散点があるため、スレーブ干渉計(10)の出力に存在する複数のチャネルスペクトルのうち、CSの構成要素にマスタ干渉計(10M)に選択された、つまり、OPDslave=OPDmasterのときの、最大信号が(64)によって搬送される。OPDpを変更することにより(4Mを移動することにより)物体(3)内の異なる深さでの信号を選択できる。
一般論から外れることなく、比較ブロック(64)で実施可能な例を図5aおよび図5bに示す。
上記の処理の新しい原理は、従来のSDIで現在使用されているものとは異なり、以下に詳細に説明するいくつかの独特な特性を示す。従来のSDIでは、チャネルスペクトルは図1および図2の(62)におけるフーリエ変換に基づいて処理されるか、SB−SDI実施例のラインカメラに搬送される信号または、SS−SDI実施例の光検出器(またはカメラ)で搬送される信号に対する他の同等の変換操作に基づいて処理される。複数のOPD値を有する物体(3)が、スレーブ干渉計(10)の物体経路に挿入された場合、生成された信号にFFTを適用することにより、従来のSDIに基づいたセットは上記にて搬送される1つの信号内に、(3)内の複数の分散点により生成される全てのOPD値に対してピークを搬送してしまう。実は、時間領域の場合の利点と比較した場合に、この全てのOPD値が一度に送られるということが、SDIの主な利点の1つである。
現実として、OCTセットは、SDIセットに直交方向走査装置を加えることによって得られる。図4(a)において(511)および(512)は、スレーブ干渉計(10)内の物体ビームを物体(3)の横方向断面中の異なるピクセル上で動かすための、2つのガルバノスキャナまたはガルバノスキャナとともにグループ化された共振スキャナからなる二次元直交方向走査ヘッドにおける走査装置を表している。しかしながら、本開示との関連で、横方向走査手段は、リニアまたは2次元カメラで置き換えることができ、このようにして飛点型および全領域型の両実施例を対象とする。横方向走査装置(511)および(512)(または、リニアあるいは2次元カメラ内のピクセル)によって決定される新たな横方向位置ごとに、(10M)で選択されたOPDpに決定されるように、A−スキャンの1点を取得する。
図4(a)で別のOPD値について調べる場合には、マスタ干渉計(10M)内のOPDpを再調整する必要がある。一見して、図4aの実施例はFFTを利用した従来技術と比べて劣るようにみえる。従来技術のSDIは、A−スキャンプロフィルの全点からの反射能を一度に搬送する。しかしながら、チャネルスペクトルの全ての構成要素がスレーブ干渉計(10)の出力で存在するため、改良されたセットには平行処理を取り入れることができる。この改良されたセットでは、スレーブ干渉計(10)には、従来のSDI手法で等しく搬送されるA−スキャン内のP点の数だけのP台のマスタ干渉計とP個の比較ブロック(相関器)(64)を備えることができる。このようにして、MSIセットは平行してp=1,2,...P信号を搬送でき、各マスタ干渉計に搬送される信号70(p)で決定された各OPDpに対して1つの信号が搬送される。
マスタ干渉計の排除
図4(a)においてP個のマスタ干渉計を複製する代わりに、直前で示唆した通り、マスタ基準信号(70)のP個のバージョンを提供するために、より簡単なセットを図4(b)に示す。P個のコンパレータ(相関器)の動作に不可欠なのは、P個のマスタ干渉計に搬送される信号(70)のセットである。これらの信号は、マスタ干渉計内のP個の異なるOPDp値に対応するチャネルスペクトルを表している。複数のOPDp値のチャネルスペクトルMpは、1つのマスタ干渉計を使って順次測定して、記憶されたP個のバージョン(70(p))からなる信号(70)を提供する測定処理の最中に順次読み取ることのできるマスク(7)の記憶装置に記憶することができる。これによりP個のマスタ干渉計をP個のマスクを有する保管バンクで置き換えられ、また記憶装置(7)が先にp個目のマスタ干渉計に搬送されたものと類似したマスタ基準信号(70(p))を、今回は単にマスク(7(p))を読み取るだけで搬送する、図4(a)に示す配置に代わるものをもたらす。
さらに、マスタ干渉計を完全に排除して、2つのステップ、マスクM1,M2,...Mp,...Mpを作成するための第1のステップと、未知のOPD値からの信号の測定の第2のステップ、に使用するスレーブ干渉計自身で置き換えることができる。この場合、処理は物体(3)に代わるミラーからできた、(1つの)スレーブ干渉計(10)内に配置されたモデル物体から始まる。このステージでの干渉計は、図4(a)内のマスタ干渉計(10M)の機能を果たす。P個のOPD値、OPD1,...,OPD2,...OPDp,...OPDpは、Pヶ所の位置にミラー4を配置することにより生成され、P個のチャネルスペクトルM1,M2,...MPが、記憶装置(7)内に記録される。これらが記憶されると、分析対象物体(3)で物体アーム(object arm)内の物体モデルが置き換えられ、測定を行う第2のステージで干渉計(10)を使用する。この第2のステージでは、各比較ブロック(64(p))がチャネルスペクトル読取装置(6)から送られる現在のチャネルスペクトル(CS=S)を先に取得されてマスクMp内に保管されたp番目に記憶されたバージョンのチャネルスペクトルと比較する(相関関係をみる)平行処理が行われる。このようにして、P個のOPD値の平行読み取りがもとどおり行われ、従来のSDIに特有の特徴(一度に全P個のOPD値を読み取る)と同じ特徴を有することとなる。比較ブロック(64(1)),(64(2)),...(64(p)),...(64(P))は、干渉計(10)に搬送された現在のチャネルスペクトルをP個のマスクM1,M2,...Mj,...MPと比較する処理を行う。各比較ブロック(64(p))は、干渉計(10)内の対応OPDにより、マスクMpを読み取ることによって搬送される信号で、チャネルスペクトル信号の類似性に相応した信号を搬送する。これらのマスクは第1のステージでP個のOPD値(OPDp、ただしp=1,2,...P)について記録されていたため、図4(b)の実施例は、深さz1,z2,...zp,...zPから信号を送り、ここで物体(3)のzp=OPDp/2n、nは屈折率、である。比較処理の出力である、平行して提供された信号640(1),640(2),...640(p),...640(P)は信号(8)の各部分であり、これらの各振幅はA1,A2,...Aj,...APである。これらの振幅は、物体(3)から取得したA−スキャンのプロフィルを規定する。従来技術では、FFTを使用してこのようなA−スキャンを1本の信号線にそって提供した。開示の本方法は、類似の情報を提供するが、異なる深さzpからのA−スキャンのP個の点を複数のラインに沿って平行して搬送する。これにより開示の方法は従来技術と比べて有益な点をもたらし、異なる深さに対応する信号がハードウェア内で物理的に離れたラインに沿って離され、これはボリュームのデータをソフトウェアカットすることなく、多数の深さでの多数のC−スキャンを平行して構築するために上手に利用することができる。開示の方法は、線形化/キャリブレーションを必要としないという利点を有しながら、引き続き断面B−スキャンを搬送でき、ここでは処理によってサンプリングされた各A−スキャンの、各走査された横方向位置で取得された各点を繋げることにより、Pヶ所の深さでのT−スキャンを形成し、B−スキャンOCT画像も同時に形成する。より具体的には、全てのA−スキャンでの同じ深さpでの各点を繋げることにより深さpでのT−スキャンを形成する。
原則として、図4(b)で包括して対象とする本発明の種々の実施例は、FFT処理装置(62)と隣接するキャリブレーションブロック(620)をコンパレータ(64)とマスタ基準信号(70)のプロバイダで置き換えている。
相関による比較
本発明の特定の適用例では、(64)で実施している比較手法は相関に基づいている。この場合、図4(a)のブロック(64)が相関を実施し、Comp
out(640)が、(6)により搬送される信号(60)の形でスレーブ干渉計S=CS
slaveに搬送されるチャネルスペクトルを図4(a)内のマスタ干渉計(10M)で搬送されるチャネルスペクトルCS(OPD
p)、信号(70)との相関を調べる。
振幅A
pの信号(8)が1つ搬送される。
図4(b)の実施例では、マスタ干渉計(10M)をマスク(7)の記憶装置で置き換えている。この場合、図4(b)の各ブロック(64(p))がスレーブ干渉計S=CS
slaveで搬送されるチャネルスペクトル、信号(60)と、マスクCS(OPD
p)=Mpで搬送されるチャネルスペクトル、信号(70)との間の相互相関演算を行う。
各比較ブロック(64(p))が出力信号Comp
out(p)((640(p))を搬送する。これで複数の比較ブロック(64(p))の出力の振幅A
pを対処することにより複数の信号(8(p))を搬送できる。
図4(a)の実施例は、図4(b)の実施例と対応しており、信号(640)は(6)により搬送される信号(60)の形でのチャネルスペクトルSと、図4(a)のマスタ干渉計(10M)あるいは図4(b)のマスクの記憶装置(7)内のマスクに搬送される信号(70)との相互相関を示す係数である。
図4(b)におけるブロック(64)はP個の比較ブロック(64(p)),p=1,2,...Pを含む。これらは、図1の分光計(61)または図2の(6)の一部である光検出器(63)に搬送されるチャネルスペクトルCS=Sに相応した瞬時信号(60)と、マスク記憶装置ブロック(7)で提供する、各マスクMpごとの信号ラインである複数の信号(70)を比較するために使用される。マスクMpは、特定のOPD値、OPDp:Mp=CS(OPDp)に対して取得するチャネルスペクトルの記憶されたバージョンである。信号(60)を各チャネルp内の70(p)と比較することにより、信号(640(p))内にスパイクをもたらす各比較ブロック(64(p))によって、あるOPDp値での分散の中心からの分散波の振幅が決定される。言い換えると、認識ブロック(64(p))は、Mpに対応するOPDp値と干渉計内のOPDが一致するときだけ出力信号Compout(p)(640)の信号内に最大値を示す。このようなP個のOPDp値は、(6)から信号(60)と(7)から信号(70)をダウンロードすることを含む1つのステップで同時に認識される。
3つのFFTを介して相関を実施する
比較ブロック(64)と複数のブロック(64(p))で相関を実施する、各図4(a)および(b)の実施例はそれぞれ、3つのFFTを介して相関を実施する図4’(a)と図4’(b)に示す実施例として複製できる。図4’(a)において、スレーブ干渉計(10)は、マスタ干渉計(10M)内のOPDで指定された物体(3)のある深さから信号を選択する。ここで(62)では、物体(3)に起因するチャネルスペクトルCS(OPD)=S(60)に対してフーリエ変換が行われて信号(60’)が搬送され、これは図4aの(64)に置き換わるブロック(64’)への入力のFFT[CS(OPD)]を表している。マスタ干渉計(10M)のチャネルスペクトルに対して(62M)でFFTが行われ、(64’)の他方の入力に信号(70’)を搬送する複合バージョンのFFT
*[M
p(OPD)]を生成する。ブロック(64’)はその入力で信号の逓倍を行い、続いて逆FFTを行うことにより、チャネルスペクトル(60)と(70)の相関を求める。
つまり、図4aにおける信号(640)と同じ信号である。
ブロック(64’)のより詳細な図は図5’aと図5’bに示している。
マスタ干渉計を排除して3つのFFTを介して相関を実施する
図4’(b)に示すように、図4’(a)のマスタ干渉計(10M)をマスクの記憶装置(7’)で置き換えている。この場合のマスクの記憶装置(7’)は図4(b)の記憶装置(7)と異なり、マスクはチャネルスペクトルM
pの複合フーリエ変換、つまり、FFT
*(M
p)である。記憶装置(7’)はダウンロードまたは読み取り動作により信号(70’)を搬送する。この処理で時間が節約され、チャネルスペクトルのFFTを記憶しているため、式(4)で毎回3つのFFT処理を算定するためにかかる時間を2つのFFTにかかる時間に減らして相関演算にかかる総時間を短縮する。各ブロック(64’(p))は、それらの入力で信号の逓倍と逆FFTを行い、チャネルスペクトル(60)と(70)の相関を求める。
つまり、図4bにおける信号(640)と同じ信号である。
原則として、図4(b)で包括して対象とする本発明の種々の実施例は、FFT処理装置(62)と隣接するキャリブレーションブロック(620)をコンパレータ(64’)とマスタ基準信号(70’)のプロバイダで置き換えている。
全軸範囲スペクトル領域干渉法およびスペクトル領域光コヒーレンストモグラフィ
上記の実施例は全て全軸範囲スペクトル領域干渉法に対応している。全軸範囲手法はミラー類を排除してSDIの軸範囲を倍にしている。全軸SD干渉計およびSD−OCTシステムは、OPD=0で動作可能である。ここでは、全軸範囲スペクトル領域OCTについて知られている全ての手法に言及し、特定の手法への言及は開示の手法の一般性を失うものではない。
変調器を使用した全軸範囲
特定の実施例では、周波数シフター(80)を干渉計の中に配置している。このような解決策は、両SB−SDIとSS−SDI、およびOCT実施例に役に立つ。これまでに説明した機能性は、(80)がなくても動作するため、図4および4’では変調器(80)を破線で示している。しかしながら、変調器(80)を有しない上記の全ての実施例において、物体(3)をゼロOPD値から離して配置するためミラー類に対して注意をはらう必要がある。図4aおよび4a’における変調器(80)および(80M)と図4bおよび4b’における変調器(80)は周波数シフターとしての役割を果たし、これは空き領域または音響光学結晶を使用する内蔵式ファイバー変調器でもよい。干渉信号のスペクトルをチャネルスペクトルの音響変調の拡張部分より多く周波数シフトすることにより、スペクトルの負の部分が周波数軸の正領域に移動する。このようにして正負OPD値は異なるチャネルスペクトル変調を形成する、つまり、ミラー類を排除して軸範囲を倍にする。システム内に(80)が配置されると上記の全ての機能性は維持されてさらに軸範囲が倍になるという得点が加わる。図4aおよび4a’の実施例を使用して実施したマスタ/スレーブ干渉法は、似たもの同士を比較するためにマスタ干渉計が変調器(80)を備えることを必要とする。これにより、スレーブ干渉計内のものと同じ周波数シフター(または類似の装置)を使用してマスクを生成(第1のステップにおいて)する処理が行われることを確実にする。図4bにおいて、周波数シフター(80)が追加されて、マスクの取得という第1の処理とともに続く測定/画像化処理で使用されるという効果がある。(80M)および(80)が配置されていると、図4aの比較ブロック(64)および図4a’のブロック(64’)は全軸範囲スペクトル領域干渉計で生成された現チャネルされたスペクトル、マスタ(10M)とスレーブ(10)をそれぞれ比較する。図4bおよび図4b’に(80)が配置されていると、それぞれ比較ブロック(64(p))および比較ブロック(64’(p))で全軸範囲スペクトル領域干渉計でチャネルスペクトルを比較する。
代わりに、A. Gh. Podoleanu, G. M. Dobre, D. J. Webb, D.A. Jackson による"Coherence Imaging by Use of a Newton Rings Sampling Function", Opt. Lett., Vol. 21, pp. 1789-1791, (1996) に開示しているように、(511)に沿った物体経路内のビームをスキャナのピボット(pivot)から離すように移動することによって周波数シフトを行うことができる。これには、干渉信号の周波数を移動する効果がある。ブロック(80)は、物体アーム内の横方向スキャナによる周波数シフトを行う上記のケースをも一般的に表している。これは、基準アーム内に周波数シフトを配置することが、物体アーム内に周波数シフトを配置することと同じ効果があるという事実によって正当化される。
分散体を使用した全軸範囲
別の解決策では、ブロック(80)および(80M)が分散体である。2つの干渉計アーム内のガラスと空気の長さをずらすことによって分散を生じさせることができる。分散により正のOPDのチャネルスペクトル変調を同一OPD係数のチャネルスペクトルと異なるように、但し負側に、できる。分散を生じさせるための対策として考えられるものは、光ファイバのコイルを使用して、他の干渉計アームでのより長い空気流路でファイバの波経路の長さを相殺することである。分散を増進させるために異なる分散傾向を示す光ファイバを物体および基準経路に使用することができる。別の対策としては、A.Gh. Podoleanu と J. A. Rogersによる米国特許第7417741号明細書Transmissive scanning delay line for optical coherence tomographyで説明しているように、プリズムまたはグレーチング、レンズおよび傾斜ミラーで作った光走査遅延ラインを使用する。分散を生じさせるためには当行者に知られている他の手段を使用することができる。両正負OPD値からマスクを収集することは別として、今のところ、他のシステムおよび方法の変更は不要である。ブロック(80)がない場合、ミラー類を避けるために、OPD領域の正負のいずれかから全てのマスクを収集していたが、今ではOPD領域の正負両方から収集しなければならない。例えば、P=2i+1個のマスクのうち、1,2,...iは負のOPDからでもよく、マスクi+1はOPD=0でマスクi+2から2i+1は正のOPDからでもよい。分散はOPD=0のときにチャネルスペクトルを変調させ、このような信号は記憶してマスクとしても使用することができる。これらのマスクを使用すると、正とともに負のOPD値からミラー類と関係なくC−スキャンまたはB−スキャンを生成することができる。OPD=0用のマスクは、最大感度で、MS−OCTシステムの新たな軸範囲の中央から情報を回収する。
損失を低く押さえるためには、分散手段を基準アーム内に挿入することが理想的である。このため、基準アーム内の分散手段での遅延を相殺するためにより空気中で長い物体経路を作成する必要がある。
分散の他の可能性としては、ファイバ製のあるいは半導体の光増幅器を利用することである。この場合、生じさせた分散は増幅と分散を満たす、つまり、光増幅器は2つの機能を果たす場合がある。
形態構造から動的測定まで
ここで開示している、2つの干渉計の出力で2つのスペクトルを比較する比較手法は、上記にて紹介したように、構造情報を搬送する。物体(3)内の一致したOPD位置で
散在している点を、図4aに示すマスタ干渉計内のOPDに基づいて、あるいは図4bに示すマスクを用いた比較に基づいて識別する。
開示しているマスタ/スレーブ干渉法は、動いている組織の進化を追跡、監視および測定するためにも使用できる。流れも同等に測定できる。
(6M)で読み取った光検出信号(60M)の周波数および(6)で読み取った光検出信号(60)の周波数はそれぞれ
f
M=U
MOPD
M と f
S=U
SOPD
S (6a,b)
ここでU
MおよびU
Sは、マスタおよびスレーブ干渉計に固有の転換係数である。比較ブロック(64)がミクサと仮定する。ミクサに搬送される信号の周波数は、
図4a中の物体(3)がスレーブ速度v
Sで移動しているミラーで、そのミラー4Mが速度v
Mで移動するものと仮定する。この場合、周波数の差は以下の通り変化する。
すると、Δfのバンド−パスフィルタは類似の速度を検出できる。
U
S=U
M であれば、v
S=v
M (9a,b)
つまり、2つの干渉計が類似している場合、スレーブ干渉計で検出した速度のみがマスタ干渉計で測定したものである。OPD
S=OPD
Mの場合、周波数Δfをゼロにすることができる。
この処理は血管造影OCT分野において無色素で実施することができる。従来のOCT技術では、取得した連続チャネルスペクトルの位相を比較することによりこれを達成する。CSのFFTで測定している流れの深さ位置を決定し、測定したCSから次に収集したCSのまでの位相差で流速を判断する。再び、従来のSDIおよびSD−OCTでは分解能と感度との理由から、線形化およびデータのキャリブレーションが行われる。本発明で開示する方法では、これらの処理は不要である。
構成情報を示す図4の実施例を使用する精神と同様に、分散点の速度も同様に評価できる。これは、図4aおよび図4a’に示すように、静止したあるいは動いている素子とマスタ干渉計(10M)を使用して変動OPD値を作成するか、図4bおよび図4b’の実施例に関するマスクを作ることにより達成できる。この第2のケースの場合、別の解決策を実施してもよい。第1の解決策は、以前に使ったものと類似したマスクを使用できるが、比較ブロック(64)はミキサを採用している。マスクおよび現在測定されたチャネルスペクトルとにより生成された信号の拍動は、分散点がマスクのOPDp値をトラバースすると、周波数がゼロのチャープ信号を生成する。生成したパルスの変化が、分散点の速度を付与する。この手法は、従来の方法と類似して連続したチャネルスペクトルの差を生成して、差がゼロの場合は分散点は静止しているが、分散点が移動すると、一つの読み取り値から次の読み取り値までの時間Tにおける変位の大きさを示す、一定量の差を生じる。従来技術においてチャネルスペクトルを自身から差し引いた場合、ここでは現チャネルスペクトル(60)とマスク(Mp)との間で差が生じ、p番目のマスクと対応する深さにある点に対する変動信号が生成される。代わりにC−スキャン同士の差を生成することができる。画像内で動きが無い場合、全ての点での差はゼロとなる。移動したピクセルについては、差はゼロとは異なる。このような差を使用して、対ピクセル(h,v)のマップを面(X,Y)に作ることができ、直接流れの正視型画像をもたらす。従来技術では流れの正視型画像を作るためには流れの3Dボリュームをカットすることが必要となっていたが、このような手順は、従来技術で必要だったソフトウェアカットの必要性を無くすという利点を提供する。
別のバージョンでは、マスクの動画等の動的に作成したマスクを採用する。このような場合、カメラ(61)を読み取ることによりまたは、SS(12)をチューニングすることにより、決定した走査にかかる時間Tより長く継続する時間だけ、ミラー(4)の各位置に対してその動きrの異なる速度についてマスクMp,rが記録される。第2のステージの測定では、比較ブロックが分散点pの軸位置とその速度rの両方を検出する。
相関器(64)の出力のウィンドー処理
図5aのブロック図は、比較ブロック(64)の第1実施例を示す。ここでは、スレーブ干渉計(10)内のチャネルスペクトル読取装置(6)により搬送されるチャネルスペクトルCSslave=Sである信号(60)と、図4(a)内のマスタ干渉計(10M)で搬送される信号(70),CSmaster とを相関ブロック(40)で相関する。ここでは単一の相関ブロック(64)が必要である。
別の可能性としては、相関ブロック(40)が逓倍ブロック(92)で置き換えられる。
図5bのブロック図は、図4(b)の実施例の比較ブロック(64)の別の実施例を示す。ここでは(7)のマスクM(1),M(2),...M(P)の数Pだけの比較ブロック(64(1)),(64(2)),...(64(P))を含んでいる。各比較ブロック(64(p))は、(40(p))で干渉計(10)内のチャネルスペクトル読取装置(6)により搬送されるチャネルスペクトルCS=Sである信号(60)と、図4(b)内のマスク(7(p))で搬送される多数の信号(70(p))と相関する。
別の可能性としては、相関ブロック(40(p))が逓倍ブロック(92)で置き換えられる。
類似したチャネルスペクトル形状の認識の感度を上げるためには、(6)および全ての(7(p))で、それぞれ(6)および(7)に搬送されたチャネルスペクトルから定数項、バイアスまたはdcを除去する必要がある。これは、高域フィルタ(46)で行われる。これは、演算ブロック(40)で実行される相関演算の前あるいは後で採り入れることができるため、破線で示している。2つの信号が類似の形状を示すときに相関関係の最大値を取ることは適応フィルタリング理論から知られており、今回の場合は(60)で描かれたチャネルスペクトル形状が図4(a)内のCS
master(OPD
p)(70)または図4(b)のマスクM
p(70(p))の形状と一致する場合である。結果がk=0で収集した振幅に限定された場合には小さすぎる。マスクとCSとの位相差によっては、相互相関が不安定となる。このため、OPD
p前後OPDの制限された間隔に対応した最大値で、意味はあるがより高い強度を有する信号を取得するためには、図5(a)において出力Comp
out(640)がウィンドー処理フィルタ(66)に送られるか、図5(b)において各相関結果(640(p))がウィンドー処理フィルタ(66(p))に送られる。これにより、k=0値前後のウィンドーを適用しつつ相関の強さを制御することにより、2z
p=OPD
p値を探し出すための分解能を決定する。これを、その手法での深さ方向の分解能を規定するために都合よく使用できる。図5a内のΔk
pまたは図5b内の67(p)の調整によりウィンドー幅の調整を可能にし、値が小さいほどOPDに対する出力信号(8)または(8(p))のプロフィルが狭くなり、より良い軸分解能が得られる。
関心はac信号の測定、つまり出力相関関数の変調に向けられているため、(40)における相関演算の後に係数を生成するブロックまたは偏位修正器(47)を使用してもよい。ウィンドー幅は少なくとも相関関数の期間とする。スペクトルが2Eピクセル(SS−OCTにおける波長ステップ数またはSB−OCTにおけるカメラピクセル数)で読み取られると考え、これによりチャネルスペクトル内にE個のサイクルまでのac変調項をサンプリングできる。各s=1,2,...Eに対して、相関関数に特定の期間がもたらされる。2Eピクセルが読み取られると相関は4E個の値について適用される。深さpのチャネルスペクトルはp個のサイクルの変調を含む。同じ周波数pで拍動している2つのac項の相関が同一周波数で拍動する相関を提供する。このため、ピクセルの現在の指標sに対し、期間は2W
p=2E/pであり(10)における振幅は数値的に以下の通り概算される。
実際にはウィンドー2Wpは全てのマスクで、試験的に選択された値のWp=Wで同一としてもよい。
(40)または(40(p))がそれぞれ逓倍器(92)または(92(p))で置き換えられる場合、ウィンドー処理フィルタ(66)は、ウィンドー幅(67)が低域周波数を切り取る低域フィルタとしての役割を果たす。
3つのFFTの後に取得した出力信号のウィンドー処理
図5(a)およびと5(b)の処理と同等の処理が図5a’の実施例で行われる。ここでは比較処理が継続して実施される。しかしながら、ここでは3つのフーリエ変換を介して相関を行う。図4(a)のマスタ干渉計(10M)のチャネルスペクトルを使用する代わりに、図4’(a)に示すようにそのFFT*バージョン(複素共役)が(62M)において生成される。同様に図4(b)に示すようにマスクMpのチャネルスペクトルを記憶する代わりに、図4’(b)に示すようにマスクの複素共役FFTが記憶ブロック(7’)に記憶される。第2のFFTは図4’(a)のスレーブ干渉計(10)または図4’(b)の干渉計で搬送する現チャネルスペクトル(60)のものである。チャネルスペクトル読取装置(6)で搬送する信号(60)は(62)においてFFTの対象となって信号(60’)を搬送する。その結果を図4’(a)のマスタ干渉計のFFT*あるいは図4’(b)のマスクMpのFFT*の記憶信号で逓倍する。(64’)内の式(4)を算定することにより、2つのチャネルスペクトル、スレーブ干渉計からのCSslaveとマスタ干渉計からのCSmaster(OPDp)の類似性が図4’(a)で評価される。
同様に、64’(p)の式(5)を算定することにより、2つのチャネルスペクトル、図4’(b)の干渉計からのCSslaveとFFT*フォーマットで記憶ブロック(7’)に記憶されている先のチャネルスペクトルの類似性が確立される。
この図4’(a)において実施する図5(a)’の手法と図4’(b)において実施する図5(b)’の手法は、ブロック(6)の(62)で作成されたチャネルスペクトルのFFTで始まるが、従来技術におけるスペクトル領域干渉法と比べて図5’に開示している手法の利点は、(62)におけるFFTの前に信号(60’)で収集したデータの線形化およびキャリブレーションが不要であるということに気づかれたい。信号(60)のチャープによる、ひずんだFFT(60’)を同じくひずんだチャネルスペクトルのFFT、FFT*[CS(OPDp)]またはFFT*(Mp)、と比較する。図5(a)’のブロック(64’)は、逓倍器(92)とそれに続く(60’)と(70’)の逓倍の結果として得られる信号のFFT―1を出力する逆フーリエ変換ブロック(93)の2つの部分を含む。図5b’では各マスクpに対してブロック(64’(p))は、逓倍器(92(p))とそれに続く(60’)と(70’(p))の逓倍の結果として得られる信号のFFT―1を出力する逆フーリエ変換ブロック(93(p))の2つの部分を含む。
図4(b)’の実施例では、マスタ干渉計(10M)をP個のマスク(7’(p))の記憶装置で置き換えることによりマスタ基準信号(70’(p))を提供する。記憶されているマスク(7’)は各pに対するFFT*(Mp)を表している。このようにして、図4’(b)の実施例では、zp=OPDp/(2n)での1点のみを提供した図4’(a)実施例と比べてより多くの点がA−スキャンから送り出される。
基礎を形成する基本形状の重ね合わせとして考えられているチャネルスペクトル
(6)に読み取られて時間内に信号(60)として送り出されるチャネルスペクトル信号は以下の通りに表すことができる。
kが、光源(12)の非線形掃引によりまたは分光計(61)により生成されて非線形なため、時間はkに相応しないため、現在のSD−OCT技術では、データを再サンプリングしてkについて線形に再編成しない限りFFTを適用できない。マスク(記憶装置p)は、現実として、OPD=OPD
pとして記憶しているチャネルスペクトルであり、以下の通り表すことができる。
ここで信号(60)と記憶装置M
pとを相関して以下を仮定する。
となり、ここで
とする。
(40)での相関演算の後に高域フィルタ(46)を使用することにより、最終的には、d
0を消すことができる。偏位修正の後にA
pとd
pの間の相応関係をもたらす、図5aおよび図5bに示すような、高域フィルタ(46)を通してチャネルスペクトル(60)と記憶装置(70)を読み取ることにより、dcの項も処理の早い段階で消すことができる。
最後の項が、各OPD点dpでの振幅dpからなるA−スキャンを表し、ここでg(OPD)が光場の相関関数であって低コヒーレンス反射率計またはOCTシステムの軸深さ分解能を決定する。データがより大きなp値に対してkが非線形の場合、関数gpは理論的な相関関数より広幅となって肩部が加わる。このため、式(16)の最後の項で表すA−スキャンの減衰は本来より速く減衰して歪んでいるように見える。
式(11)での重みd
pの抽出は、相関以外の手段で行うことができる。例えば、式(11)のCS(k)と基底関数CS
OPDp(k)とのかけ算の後に、一つの期間あるいはいくつかの期間にわたる積分は、pとは異なるrに対して全ての他の関数CS
OPDr(k)の削除につながる。仮にスペクトルが2E個のピクセル(SS−OCTにおける波長ステップ数またはSB−OCTにおけるカメラピクセル数)に沿って読み取られるものとする。簡単なかけ算により以下が得られる。
上記の式(17)において、(11)等における三角関数の正規直交性が想定されている。rがsと異なる場合、sinkslc(チャネルスペクトル)とsinkrlc(マスク)の積の平均はゼロとなる。d0+drが近似結果となるのは、実際は足し算が限られたピクセル数2Eにわたるものの結果であり、余りの項resがいくらか残るためである。理想的に平均を正負無限大の値まで延ばしたとしたら、余りの項resはほぼゼロとなる。逓倍は相関より速く実行されるため、マスクMrとCSとの逓倍を通じて形状を認識した結果はより速く得られるが、余りの項がいくらか残るという欠点がある。
シミュレーション
図6には、本発明の相関結果のシミュレーションを示す。信号(60)を図4aのOPDpに合わせたマスタ干渉計または図4bの選択したマスクMpによって決まるマスタ基準信号(70)と比較しており、2つの状況についてのマスタ基準信号(70(p))を示している。左の縦列1には、図4aのスレーブ干渉計または図4bの測定干渉計のOPD値が、それぞれ図4aのマスタ干渉計により選択されたものあるいは図4bでマスクMpを生成するために使用されたものである。(61)または(63)から送り出される信号(60)は(b1)、CSslave(zp)に示している。右の縦列2では、信号(60)を干渉計(10)における、図4aのマスタ(10M)におけるzpとは異なるまたは、図4bのマスクを生成するために使用したものと異なる、異なるOPD、zp+δz、について(b2)に示している。一番上の列において(a1)および(a2)には同じ信号を、それぞれマスタ干渉計(10M)から送り出される信号(70)、CSmaster(zp)または所定のマスクCSmaster(zp)=Mpに対するマスク記憶装置(7)からの信号(70(p))を示している。信号(60)は図示のチャネルスペクトルに相応している。二番目の列は比較結果を示しており、(c1)は(a1)と(b1)とを比較した結果であり、(c2)は(a2)と(b2)とを比較した結果である。本発明の一実施例によれば、図4aの比較ブロック(64)または図4bの複数の比較ブロック(64(p))はそれぞれ相関器または複数の相関器として動作し、この場合の(c1)および(c2)はそれぞれ出力信号(640)または(640(p))を示している。比較結果により(c1)の方が(c2)より大きな信号を送り出し、認識処理の結果として図4aではCSslave(zp)がCSmaster(zp)とあるいは図4bのMpと一致するが、CSslave(zp+δz)は一致しない。マスタ干渉計から送り出されるマスタ基準信号(70)またはマスクMpから送り出されるマスタ基準信号(70(p))と、(60)(現チャネルスペクトル(CSslave(z)))との比較はうまく行く。自己相関の最大値はゼロの時に得られる。図6(c2)に示すように、相関の結果による余剰がいくらかゼロの位置にわたって分布している。一番下の列には、(47)での偏位修正の後のおよび、図5の制御可能なウィンドー幅Δk(67)または(67(p))内のウィンドー処理フィルタ(66)(図4a)または(66(p))(図4b)の後の、信号(8)(図4a)または(8(p))(図4b)を示している。ウィンドーが小さいほど2つのケース(d1)と(d2)の違いがはっきりとする。
比較手法でのコントラストを向上させるために、dc成分が削除される。シミュレーションにより、比較(相関)する2つの信号からdcを削除するか、最終相関結果のdcを高域フィルタ(46)に通すと、類似の結果が得られることが明らかになった。これらは、相関の前または後に、あるいは3ヶ所全てに高域フィルタ(46)を配置できるため破線で示している。このようなフィルタは、その利用が信号処理分野における当業者によく知られているかたちで補償する必要のある位相の遅延をもたらす。
図6および図6’では同様の結果が得られ、(40)で行われる比較演算が逓倍(92)で置き換えられた場合の結果8/8(p)をの下の画面で示す。この場合、式(17)によれば、マスクにインプリントされた振動に類似した振動がチャネルスペクトルがある場合に最大値が得られる。
図6’は、本発明の方法の原理を図示し、図5’aおよび図5’bに示す細かい点に基づいて3つのFFTを使用して相関演算を行っている。図4aおよび図5aの比較ブロック(64)は、式(4)を実施するために、信号(60’)と(70’)のための逓倍器(92)と逆フーリエ変換ブロック(93)の2つのブロックを含む図5a’の(64’)で置き換えられている。図4bおよび図5bの比較ブロック(64(p))はそれぞれ、式(5)を実施するために、信号(60’)と(70’)のための逓倍器(92(p))と逆フーリエ変換ブロック(93(p))の2つのブロックを含む図5’bの(64’(p))で置き換えられている。これらの処理は、図6の2つの状況と同様に、2つの状況について図6’に示している。左の縦列1には、図4a’のスレーブ干渉計または図4b’の測定干渉計のOPD値が、それぞれ図4a’のマスタ干渉計により選択されたものあるいは図4b’でマスクFFT*(Mp)を生成するために使用されたものである。(61)または(63)から送り出されるチャネルスペクトル、信号(60)、は(b1)、CS(zp)に示している。右の縦列2では、信号(60)を干渉計(10)における、図4a’のマスタ(10M)におけるzpとは異なるまたは、図4b’のマスクを生成するために使用したものと異なる、異なるOPD、zp+δz、について(b2)に示している。信号(60)のFFTは信号(60’)である。一番上の列において(a1)および(a2)は同じ信号を示し、図4a’のマスタ干渉計(10M)、マスタ基準信号(70’)、FFT*[CSmaster(zp)]、または、図4b’マスク記憶装置(7’(p))、FFT*(Mp)、マスタ基準信号(70’(p))から送り出される。残りは図6と同様である。マスタ干渉計から送り出される信号(70’)またはマスクMpから送り出される信号(70’(p))と、(60’)(現チャネルスペクトル(S(z)のFFT)との比較はうまく行く。信号(640)または(640(p))および信号(8)または(8(p))、図4aまたは図5aにおけるCS(z)と、CSmaster(zp)あるいは図4bおよび図5bにおけるMpとの相関結果は、図6において同様である。
分光計に基づいた干渉計および分光計に基づいたOCT
図7には本発明による装置のSB実施例をより詳細に示している。光源(1)は、広帯域エミッター(11)を含んでいる。ここで比較ブロック(64)は分光計(61)からの信号をマスク記憶装置(7)のマスクM(p)(7(p))に記憶しているチャネルスペクトルと比較する。(64)は、深さ1,2,...Pごとの一つの点に対して一つのブロックが対応した、P個の比較ブロック(64(p))を含んでいる。考えられる1つの実施例では、(64)が1つの相関器であってもよいし、複数の相関器であってもよい。これまたは各比較ブロック(64(p))は、分光計(61)から送り出された現スペクトルに相応した信号(60)を(7(p))から提供されたマスクMpが送り出された信号(70(p))と比較する。ブロック(7)は、各OPDp値に対して一つの基準チャネルスペクトル信号(70(p))を搬送する。この場合、図5bに詳細に説明している手順により、各マスクpに対して、図6の下部に示す振幅Apの信号(8(p))が1つだけ搬送される。この振幅は、深さに伴う感度の低下を示す図1中の、同じ深さzpの信号の振幅に対応する。従来技術では、A−スキャン中の全ての深さから反射される信号を一度に搬送していた。この本発明の実施例では、選択した深さzpの信号だけを、p=1,2,...Pについて、各比較ブロック(64(p))と各ウィンドー処理ブロック(66(p))に搬送する。信号(60)は、ブロック(64(1)),(64(2)),...(64(P))の全ての入力に平行して与えている。ブロック(7)は、全ての所定の深さに対して特定のマスクMpを含み、比較ブロック(64(p))は、ウィンドー処理フィルタ(66(p))を介してzpにおける分散点の反射率の振幅Apを搬送する。信号(60)は、全ての深さに対して一旦送られたチャネルスペクトルを含んでいるため、P個の比較ブロック(64(p))を使用して並列復号を行うことができ、これによりここで開示している解決策の可能性を開いて、キャリブレーションおよび線形化を必要としない安価でより速い処理を可能にする。
図7’には、本発明のSB−OCT装置の主な素子を概略的に示している。ここでは、現在のおよび記憶されたチャネルスペクトルの相関がフーリエ変換を介して行われている。この趣旨で図5’bに示す内部構造を有するブロック(64’(p))を使用している。各ブロック(64’(p))、ここでp=1,2,...P、はそれぞれz1,z2,...zpの深さに置かれた分散点の反射率に対応した信号を搬送する。ここで分光計(61)データのフーリエ変換を実施するブロック(62)が複数の比較ブロック(64’)の一部となる。各ブロック(64’(p))(p=1,2,...P)は、(92)でマスク(7’(p))で(62)に提供された瞬間チャネルスペクトルのFFTの逓倍を行い、ここでは各マスクがOPDpのために記憶したチャネルスペクトルの共役FFTを搬送する。次にブロック(93)において(64’(p))内で逆FFTが実行される。各マスク(7’(p))に対して、図7’に示す振幅Apの信号(8(p))を搬送する。この振幅は、深さに伴う感度の低下を示す、同じ深さzpの信号の振幅に対応する。従来技術では、A−スキャン、信号60’中の全ての深さの信号を搬送していた。本発明によるこの実施例では、選択した深さzpの信号だけをp=1,2,...Pについて、各ブロック(64(p)’)と各ウィンドー処理フィルタ(66(p))に搬送する。信号(60’)は、ブロック(64’(1)),(64’(2)),...(64’(P))の全ての入力に平行して与えている。ブロック(7’)は、全ての所定の深さに対してマスク(7’(p))を含み、各フィルタ(66(p))はA−スキャンからの1点を搬送する。信号(60)は、全ての深さに対して一旦送られたチャネルスペクトルを含んでいるため、P個の比較ブロック(64’(p))を使用して並列復号を行い、これによりここで開示している解決策の可能性を開いて、キャリブレーションおよび線形化を必要としない安価でより速い処理を可能にする。
図7および7’の実施例は、さまざまな処理を実行できる。上記に記載のように、深さ方向の反射プロフィル(A−スキャン)を2つの異なる方法で構築することができる。これは、
(1)P個のブロック(64(p))または(64’(p))によりそれぞれ平行して送られたPヶ所の点からのA−スキャンを合成する、または
(2)ブロック(62)により信号(60’)として搬送するチャネルスペクトル(60)のFFTにより、達成できる。MSI手法により取得したP個の点によって決定するA−スキャンと信号(60’)により決定するA−スキャンとの違いは、信号(60)内のデータが光周波数に対して線形に整理されていないと、(8)と比べてA−スキャン(60’)はより速く深さに伴って低下する。
OCTにおいて、直交方向走査装置(51)を採用する図7’の実施例を代わりに使用すると、2通りの方法で異なる深さからの正視型OCT画像(C−スキャン)を推測できる。(1)P個のブロック(64(p))または(64’(p))で提供する信号を使用して平行してP個のC−スキャンを作成する、または(2)信号(60)のFFTで作ったHV枚のA−スキャンから物体(3)の全ボリュームを組み立てて、このようにして作られたボリューム各深さに沿ってP個のカットを行う。2つ目の手順は従来技術によるものであり、データの線形化が必要である。
掃引光源に基づく干渉計および掃引光源に基づくOCT
図8には、本発明によるSS−OCT装置の主な素子を概略的に示している。光源(1)はチューニング可能なレーザ(12)を含んでいる。ここで光検出ブロック(63)(飛点型実施例の場合で、全領域型実施例の場合はカメラ)から搬送された信号は、比較ブロック(64)へ送られる。これは1つの実施例では、相関器であってもよい。これで、光検出器(63)から送り出された測定電流に相応した信号(60)をマスク記憶領域(7(p))が提供したマスクMpから送り出された信号(70)と比較する。この場合、信号(8(p))は各マスク(7(p))に対して軸範囲内の、そのマスクに対して記録されたOPD値に対応した1点のみを搬送する。信号(8(p))の各振幅は図8の下部に示しており、SS−OCTにおける通常の深さに伴う感度の低下に対応する。
平行処理のために、ブロック(7)はP個のマスク(7(p))を、ブロック(64)はP個の比較ブロック(64(1)),(64(2)),...(64(P))を、そしてブロック(66)はP個のフィルタを含み、これにより平行してP個全ての深さを提供する。図示のように、Pヶ所の点はそれぞれが比較ブロック(64(p))と信号(8(p))を送り出しているフィルタ(66(p))から成るP個のチャネルで提供する、つまり、下部に示すA−スキャンの各点を平行して搬送することができる。
図8’は、本発明による実施例のSS−OCT装置の主な素子を概略的に示しており、比較を3つのFFTで実行している。ブロック(64’(p))は、信号(60’)と(70’)の積の逆FFTを実行して比較の処理を行う。信号(60’)は、光検出器(63)に搬送された、現チャネルスペクトルCSのFFTである。(70’(p))は、マスク記憶装置(7’(p))が提供するチャネルスペクトルMpの共役の記憶されたバージョンのマスク(7’(p))から搬送される。この場合、フィルタ(66(p))は各マスクpに対して、マスク(7’(p))が対応して記録されているOPDp値に対応した深さzpでの分散点Apの反射率を搬送する。信号(8)は、それぞれがブロック(64’(p))とフィルタ(66(p))からできている、P個のチャネルで平行して搬送した信号(8(p))の集合からなる。信号(8)の成分の振幅Apは図7’の下部に示しており、それらはSD−OCTにおける通常の深さに伴う感度の低下に対応する。しかしながら、従来技術では、図示の低下はチャネルスペクトル(60)のFFTで搬送される単一のラインに沿った単一の信号(60’)で与えられているものであるが、これと比較して本開示では(8)はP個のチャネルで全て平行して搬送された各点1,2,...Pでの多くの値からできている。平行処理で、Pヶ所の深さ全てに平行して全ての信号を搬送するために、ブロック(7’)はP個のマスクを含み、ブロック(64’)はP個の比較ブロックからなり、そしてブロック(66’)はP個のフィルタからできている。図示のように、Pヶ所の点は信号(8)として提供される、つまり、従来技術とは異なり本発明では下部に示すA−スキャンの各点を全て平行して搬送できる。
図8および8’の実施例は、さまざまな処理を実行できる。上記に記載のように、深さ方向の反射プロフィル(A−スキャン)を2つの異なる方法で構築することができる。これは、
(1)P個のブロック(64(p))または(64’(p))によりそれぞれ平行して送られたPヶ所の点からのA−スキャンを合成する、または
(2)ブロック(62)により信号(60’)として搬送するチャネルスペクトル(60)のFFTにより、達成できる。MSI手法により取得したPヶ所の点によって決定するA−スキャンと信号(60’)により決定するA−スキャンとの違いは、信号(60)内のデータが光周波数に対して線形に整理されていないと、(60’)で決定したA−スキャンはより速く深さに対して低下する。
一方、OCTにおいて横断方向走査装置(511)および(512)を採用する図8’の実施例を使用すると、2通りの方法で異なる深さからの正視型OCT画像(C−スキャン)を推測できる。(1)P個のブロック(64’(p))で提供する信号を使用して平行してP個のC−スキャンを作成する、または(2)(60’)で与えられたHV枚のA−スキャンから物体(3)の全ボリュームを組み立てて、このようにして作られたボリューム各深さに沿ってP個のカットを行う。後者が従来技術に対応し、データの線形化が必要である。
図7、7’、8と8’における変調器(80)は、説明した機能には不要であるため破線で示している。しかしながら、使用する場合には、上記にて図4a、4b、4a’と4b’に関連して説明しているように、実施例における軸範囲を倍にして物体(3)の中央にOPD=0を配置できる。
相関演算において限られた数の掛け算を使用した比較処理
式(10’)によれば、修正した相関(相関の絶対値)とそれに続くウィンドー処理ブロック(66)は、修正相関関数に限られた数の遅延を与えたものを使用して比較結果を算定することと同等である。これにより必要とする逓倍の数を相当減らす。
ここでkは波数、k軸、に沿ったピクセル数である。このような手法で相関を介して実行される比較処理に必要な時間を削減する。ウィンドー処理フィルタ(66)が相関演算の結果のW=2Wp+1個の遅延点だけを選択する場合、これは相関の全算定で使用した合計4E+1個の遅延のうち、Wだけが保持されていることを意味する。長さ2Eの信号は式(18)でのみW回逓倍される。
式(18)で詳細するように式(10)または(10’)を求めるための、限られた数Wの逓倍を行う実施例を図9に示す。処理を早めるため、マスクMpを2Wp+1個のバージョンで遅延させて記憶装置(7(p))に配置し、マスタ基準信号(70(p))としてWp個の出力をもたらす。2Wp+1個の逓倍器(92w(p))がマスク(7w(p))の各遅延バージョンのマスタ基準信号(70w(p))をチャネルスペクトル(60)で、逓倍する。波数軸kに沿った各ピクセルの逓倍して結果の和が、加算器(72(w))で実行され、(式(18)における絶対値関数を遂行する)その結果がブロック(47w)で修正される。全ての積の合計の出力は次に(72)で合計することにより、相関結果(8(p))が得られる、つまり、深さzpにおけるA−スキャンの1点。各点pについてE=Pとすると、
Wp=P−p+1 (19)
つまり、最初の点A1では2P+1回の逓倍が必要であるが、Apでは3回のみでチャネルスペクトルのac変調の1つの周期にわたって平均化処理を実行する。実際には、マスクとチャネルスペクトルとの間の位相不安定性を排除するために、定数WpがPヶ所全ての点を満たすこともあり、このとき各マスク(7(p))には同じ記憶領域を必要とするという利点がある。
図9に開示している手順は図7および8で、各記憶マスク(7(p))および比較ブロック(64(p))に置き換わってウィンドー処理ブロック(66(p))を排除して使用できる。さらに、図12−15の実施例に関連して以下にさらに説明するように、記憶されたバージョンのマスク(7w)のアナログ信号を生成するためにデジタイザを使用する場合、逓倍器(92w)をミキサで置き換えることができる。
マスクの生成
図10には、最初に異なるチャネルスペクトルを取得してマスクとして記憶する、図7、8および9の上記実施例の準備ステップを概略的に示している。全ての測定に先立って、種々のOPD値に対するマスクM1,M2,...Mp,...Mp(異なる変調周波数のチャネルスペクトル)が記録されて(70(p))として基準ブロック(7)(マスクの記憶装置)に記憶される。このステップではガルバノスキャナ(511)および(512)は停止していて使用していない。
図10’には、最初に異なるチャネルスペクトルを取得してこれらの共役FFTをマスクとして記憶する、図7’、および8’の上記実施例の準備ステップを概略的に示している。全ての測定に先立って、種々のOPD値に対するマスクFFT*(M1),FFT*(M2),...FFT*(Mp),...FFT*(Mp)(異なる周波数のチャネルスペクトルの複素共役バージョン)を基準ブロック(7’)(マスクの記憶装置)に記録して記憶する。このステップではガルバノスキャナ(51)および(52)は停止していて使用していない。
図10および10’の実施例では、ミラー(31)で作られたモデル物体(3’)を使用している。ここで軸OPD範囲が4mmでコヒーレンス長がcl=20ミクロン(光源(11)のバンド幅Δλまたは光源(12)のチューニングバンド幅から算定)とする。このような場合、軸範囲Δz=2mmで深さ分解能がlc/2=10ミクロンに対して軸方向にP=200ピクセルを定義できる。これには、SB−OCTを利用している場合はカメラ(61)で少なくとも2E=2P=400だけのピクセル数が必要となり、SS−OCTを利用している場合は光源(12)のチューニングスペクトルで同じ数だけの分解点が必要となる。ミラー(31)はlc/2だけ離間したzp(p=1,2,...P)ヶ所の位置に配置されて、P個のマスクがP個のチャネルスペクトルとして取得されて基準ブロック(7)(マスクの記憶装置)または(7’)に記憶される。図10のこれらのスペクトル(または図10’ではこれらの共役FFT)は、次の測定または画像化ステップで使用するためのマスクのセットを規定する。図7および8でマスクMpを読み取ると、現在の測定信号(60)と比較するために各ブロック(7(p))は対応する信号(70(p))を送り出す。図7’および8’でマスクM’pを読み取ると、現在の測定信号(60’)と比較するために各ブロック(7’(p))は対応する信号(70’(p))を送り出す(実際、比較は図7および8でのようにやはり信号(60)と(70)で行われる)。
図10および10’において、変調器(80)は説明した機能には不要であるため破線で示している。しかしながら、使用する場合には、上記にて図4a、4b、4a’と4b’の実施例に関連して説明しているように、実施例における軸範囲を倍にして物体(3)の中央にOPD=0を配置できる。これにより軸範囲を倍の2Δzにでき、変調器(80)が無いケースと比較して、同じ軸分解能で全軸範囲OCT画像を生成するために正および負の値のOPDから取得する倍の数のマスクPを収集することが必要となる。ブロック(80)を使用しない場合には、軸範囲の正または負の一方だけからマスクを収集する。
図26,27,28と29等のように、走査装置(511)および(512)をカメラで置き換えた場合も同様の手順を利用する。
分散補正マスク
測定または画像化対象物体(3)が知られていて、またその分散特性も知られている場合、P個の軸位置を提供するために上記で使用したP個のステップを修正して、図10および10’にて破線で示す、物体(3)と同じ材料でできている空中厚さlc/2のP個の薄いスラブ(32)をミラー(31)に続く経路に挿入して含むようになっている。これでモデル物体(3’)は各スラブ(32)とミラー(31)を含んでいる。このようにして、類似した材料からできた物体の測定または画像化を行う第2の処理においては、物体の材料に起因する分散は自動的に補償される。新たな各スラブには対応するチャネルスペクトルが収集されて、材料の分散によって歪みが生じる。このような処理には、分散によるチャネルスペクトルでの連続して歪んでできた山と谷を修正するためのその後の信号処理ステップが不要となる。
湾曲した物体の補償および走査歪み
一方、平坦なミラー(31)から、(511)および(512)で規定される、横軸の各(h,v)ピクセルにP個のマスクが収集される。このような走査歪みが存在すると、異なるピクセル(h,v)からのマスクpは相違する。第2ステージの画像化でこのようなP個のマスクを各ピクセル(h,v)ごとにP個のセットを使用すると、自動的に走査歪みを補償することを可能にする。
さらに別の可能性として、モデル物体(3’)は、湾曲したミラー31)を含むことがある。第1のステージで各ピクセル(h,v)ごとにP個のマスクMh,v(p)を収集するが、ここでpはOPD値を表さないで、P個のマスクを収集するために図10または10’で使用した基準ミラー(4)の軸位置セットの数を表す。この場合、同様の曲率を有する湾曲した物体の反りもどしが、画像化が行われる第2のステージで、チャネルスペクトル(60)の各直交方向ピクセル(h,v)のこのようなマスクとの比較により、行われる。
マスクのソフトウェアの生成
図4(b),図5(b),図7,図8および図9における各実施例の各マスク(7)Mpもソフトウェアで生成することができる。図4’(b),図5’(b),図7’ および図8’における各実施例の各マスク(7’)、FFT*(Mp)、もソフトウェアで生成することができる。測定は全く必要がない。波長に伴う屈折率の変化が知られている場合、チャネルスペクトルの形状を理論的に推定でき、ステップごとに増える物体(3)の分散性材料の厚さに対して、マスクMpそしてそれぞれのFFT*(Mp)を生成できる。
感度のさらなる向上
干渉計内の基準電力によって生成されたノイズによる基準チャネルスペクトルCSを用いたマスクの比較は、マスク毎に異なる。このため、定位置に物体が無い場合にはマスクのCSだけでなく信号(8)で生成されたノイズを記憶する必要もある。このようなノイズ値Npは、図10の破線で示す差し込み図のように取得して各マスクに対して一つのノイズ値としてP個のノイズ値を、p=1,2,...Pとして、別の記憶装置(7N(p))に記憶して含んでいる。図11を参照して以下に説明するように、これらは、測定が行われる、第2ステージで(64)の比較処理で搬送される信号から差し引くために記憶されている。
同様に図10’では、信号(8)から差し引くためにノイズ値7’N(p)が記憶されている。図11’を参照して以下に説明するように、これらは、測定が行われる、第2ステージで(64’)の比較処理で搬送される信号から差し引くために記憶されている。
チャネルスペクトルの比較
開示のMSI手法および装置は材料を認識するためにも採用できる。開示の手法は比較に基づいているため、物体(3)内の材料が予想されたチャネルスペクトルと同じものを生成したときのみ、図7,8,7’,8’および9で信号(8)の最大数の成分(8(p))が生成される。
正視型OCT画像をリアルタイムで作成する
図11には、P個の正視型OCT画像を同時に作成する本発明の実施例を概略的に示している。マスク(7(p))から搬送された各マスク信号Mpとの比較は、相関、逓倍、または当技術分野において言及または知られているいずれの手段でも行うことができ、横方向走査装置(511)および(512)で選択した横方向ピクセル(h,v)に対応する最終画像の輝度(I(xh,yv,zp)=Ih,v,p=8h,v(p))を提供する。マトリックス(H,V)のうちの各横方向ピクセル(h,v)に対し、本実施例はそれぞれが物体(3)の深さ軸に沿った各異なる分解点に、深さの値にそれぞれ対応しているP個の振幅Ah,v,1,Ah,v,2,...Ah,v,p,...Ah,v,Pを搬送する。明度A(xh,yv,zp)=8h,v(p)の指標が(h,v)の全ての信号、つまり同じp値に対して生成された信号8h,v(p)、但しp=1,2,...P、から正視型画像が形成される。各ブロック64(1),64(2),...64(P)は、実行した比較手順の出力である比較結果のP個の値を搬送する。比較手順はそのときに、図7または8の実施例に応じて、(61)または(63)から信号(60)として搬送された、現在取得したチャネルスペクトルを、(7(p))の各OPDp値に対する各マスクMpで提供された形状と比較する。各比較ブロック(64(p))の後にフィルタ(ウィンドーブロック)(66(p))が続く。開示の手法は、平行処理に非常に適している。全ての所定の横方向ピクセル(h,v)に対する全てP個の(8(p))値の算定は、1つの比較TCompを実行するためにかかる時間内で平行して整理できる。
フレーム走査装置(512)の電圧で規定され、vとして表示した、フレームの全ての所定ラインに対し、比較ブロック(64)は深さ1からT-scan8allH(v,1),深さ2からT-scan8allH(v,2),...および深さPからT-scan8allH(v,P)つまり、p=1,2,...Pとしてそれぞれ異なる深さpからT-scanを搬送し、これらはさらなるデータ構築のために記憶される。次に右の第2のブロックに示すように、走査装置(512)を動作させて1,2,...Vの新たな指標vに対して処理が繰り返される。全ての所定深さpに対するV個のT-scanを収集することにより、深さ1,2,...Pに対応する正視型画像C−スキャン(1),C−スキャン(2),...C−スキャン(p)が組み立てられる。
図11では、1つのフレームの走査時間内で、複数の深さから同時にP個の正視型画像を構成するための信号の同時集合を規定する。フレームガルバノ走査装置(512)で規定したビームの位置1(フレーム内の第1ライン)に対し、ガルバノ走査装置(511)(ライン)がビームを点(1,1)に向けるとPヶ所の深さから各信号81,1(1),81,1(2),81,1(3),...81,1(P)を収集し、走査装置(511)がビームを点(2,1)に向けるとPヶ所の深さから各信号82,1(1),82,1(2),82,1(3),...82,1(P)を同時に収集し...、走査装置(511)がビームを点(H,1)に向けるとPヶ所の深さから各信号8H,1(1),8H,1(2),8H,1(3),...8H,1(P)を同時に収集する。
H個の点81,1(1),82,1(1),...8H,1(1)で第1のT-−スキャン、つまり、T-scan1(1)=8allH,1(1)を深さ1での正視型ラスタ(C−スキャン)に作成する。
H個の点81,1(2),82,1(2),...8H,1(2)でT-scan1(2)=8allH,1(2)を深さ2での正視型ラスタに作成する。
H個の点81,1(p),82,1(p),...8H,1(p)でT-scan1(p)=8allH,1(p)を深さpでの正視型ラスタに作成する。
最後に、H個の点81,1(P),82,1(P),...8H,1(P)でT-scan1(P)=8allH,1(P)を深さPでの正視型ラスタに作成する。
次に、ラスタ内の第2ラインを測定する方向を向いた走査装置(512)について処理は繰り返される。ガルバノ走査装置(511)(ライン)がビームを点(1,2)に向けるとPヶ所の深さから各信号81,2(1),81,2(2),81,2(3),...81,2(P)を取得し、次に走査装置(511)がビームを点(2,2)に向けるとPヶ所の深さから各信号82,2(1),82,2(2),82,2(3),...82,2(P)を同時に収集し、走査装置(511)がビームを点(H,2)に向けるとPヶ所の深さから各信号8H,2(1),8H,2(2),8H,2(3),...8H,2(P)を同時に収集する。
このようにして収集したHヶ所の点で深さ1,2,...Pでの正視型ラスタ、つまりT−スキャン、の第2ラインを形成する。このようなP個のT−スキャンを1つのT−スキャンを収集するためにかかる時間内で収集する。
H個の点81,2(1),82,2(1),...8H,2(1)で第2のT−スキャンラインを深さ1の正視型ラスタ(C−スキャン)、つまり、T-scan2(1)=8allH,2(1)に作成する。
H個の点81,2(2),82,2(2),...8H,2(2)で第2のT−スキャンラインを深さ2の正視型ラスタに作成する、つまり、T-scan2(2)=8allH,2(2)。
H個の点81,2(p),82,2(p),...8H,2(p)で第2のT−スキャンラインを深さpの正視型ラスタに作成する、つまり、T-scan2(p)=8allH,2(p)、以下同様。
最後に、H個の点81,2(P),82,2(P),...8H,2(P)で第2のT−スキャンラインを深さPの正視型ラスタに作成する、つまり、T-scan2(P)=8allH,2(P)。
処理は走査装置(512)がラスタ内の最後のラインを測定する方向を向くまで続く。ガルバノ走査装置(511)(ライン)がビームを点(1,V)に向けると、Pヶ所の深さから信号81,V(1),81,V(2),81,V(3),...81,V(P)を収集し、次に走査装置(511)がビームを点(2,V)に向けると、Pヶ所の深さから信号82,V(1),82,V(2),82,V(3),...82,V(P)を同時に収集し...走査装置(511)がビームを最後の点(H,V)に向けると、Pヶ所の深さから信号8H,V(1),8H,V(2),8H,V(3),...8H,V(P)を同時に収集する。このようにして収集したH個の点で、正視型ラスタ、つまり、T−スキャン、内の最後の各ラインVを、深さ1,2,...Pで形成し、このようなT−スキャンは全て1つのT−スキャンを収集するためにかかる時間内で収集する。
H個の点81,V(1),82,V(1),...8H,V(1)で第VのT−スキャンラインを正視型ラスタ(C−スキャン)内の深さ1に作成する、つまり、T-scanV(1)=8allH, V(1)。
H個の点81,V(2),82,V(2),...8H,V(2)で第VのT−スキャンラインを正視型ラスタ内の深さ2に作成する、つまり、T-scanV(2)=8allH, V(2)。
H個の点81,V,P,82,V,P,...8H,V,Pで第VのT-scanラインを正視型ラスタ内の深さPに作成する、つまり、T-scanV(P)=8allH, V(P)。
最後に、v=1,2,...Vとして、8allH, V(1)の各点から作られたV個のT−スキャンを組み合わせて深さ1での正視型画像(C−スキャン)8allH,allV(1)を形成する。同様に、V個のT-scan8allH, V(2)を組み合わせて深さ2でのC−スキャン8allH,allV(2)を形成し、以下同様にし、V個のT-scan8allH, V(p)を組み合わせて深さpでのC−スキャン画像8allH,allV(p)を形成し、以下同様にして最後の深さPまで続ける。
異なる増幅器(68(p))を使用して上記のように各信号(8)からノイズ値Npを引いてより向上した信号対ノイズ比を得ることができる。ここで図10に関連して説明しているように、Np値は記憶している各マスク(7(p))ごとに別の記憶装置7N(p)に記憶されている。
図11’には、同時にP個の正視型OCT画像(C−スキャン)を作成する発明の別の実施例を概略的に示している。本実施例は図11のものと類似しているが、比較演算は図5’bに記載のアルゴリズムを介して計算している点で異なる。ここでは代わりにブロック64(p)’を使用し、64’の一部である62でFFTを実行して60’を取得し、64(p)’ではFFT*(Mp)、(70’(p))を使用して信号(60’)の逓倍を行う。残りについては、図11と同様である。
異なる増幅器(68(p))を使用して上記のように各信号(8)からノイズ値N’pを引いてより向上した信号対ノイズ比を得ることができる。ここで図10’に関連して説明しているように、N’p値は記憶している各マスクFFT*(Mp)ごとに別の記憶装置7’N(p)に記憶されている。
光源および環境に騒音が無い場合、記憶されたノイズマスクの抽出は不要かもしれない。そのため図10および10’の差し込み図と図11および11’の差動増幅器(68)を破線で示している。
横方向断面におけるHV個の点からスペクトルデータを収集するためにかかる時間は、取得回数がHVで、それぞれ時間TをかけているとしてTv=HVTであり、ここでTはSD−OCT走査(SB−OCTにおけるカメラのライン速度または、SS−OCTにおける光源チューニング速度)の周期である。ライン速度が1MHzとすると、T=1μsとなる。H=V=500で、今日の技術では図11の(64(p))(または図11’の(64’))でかかる比較時間TCompをT=1マイクロ秒より短くできるものと仮定する。比較ブロック(64)(1からP)では全ての比較を平行して実行するため、全ての比較はデータの収集と一緒に一瞬で行われる。すると、1つの比較処理にかかる時間でP個の比較が平行して行われ、TComp<Tであると、全P個の正視型画像を生成するためにかかる時間は、tenface/Comp,min=Tv+TComp=0.25s+1μsとなる、つまり、現実として取得時間に加えてほんの少しの時間が必要である。この処理が、物体(3)の横方向断面における各ピクセル(h,v)に対して順次後で行われると、tenface/Comp,max=Tv+HVTCompとなる。2つのFFTを生じるためにかかる時間2μsと等しいTCompについて考えると、0.25s+0.5s=0.75sが得られる。この計算では、データの取得の後に比較演算が始まるものとしているが、実際には比較演算は取得と同時に始まることができ、そうすると全処理時間はtenface/Comp,minとtenface/Comp,maxとの間の時間となる。各点(h,v)に関し、P個の点が走査装置(511)および(512)での電圧で決まる位置(h,v)と同じ場所にあるP個の正視型フレーム内に瞬時に配置される。この処理は平行して実行されてデータはバッファーに書き込まれ、バッファーは各深さpでの各正視型OCT画像に対して1つ設けられている。時間tDだけがバッファーから対応する画像を取得するために余分にかかり、これは100万分の1秒の範囲内である。
ここで、FFT、線形化およびソフトウェアカットを用いた、従来技術によって全正視型画像を生成するのにかかる時間を見積もってみましょう。最短時間はボリュームのデータ取得時間Tvと、HV個のA−スキャンのボリュームの全データを組み立てるのにかかる時間TAと、P個全てのC−スキャンのソフトウェアカットを生成するためにかかる時間Tcutとの合計から得られ、tenface/FFT,min=Tv+TA+Tcut+Tとなる。ここで、全横方向ピクセルのFFTの複数処理は走査時間Tの間にまとめて行われるものとしたため、HV個の走査後には1つの時間間隔だけを必要とし、P個のカットはグラフィックスカードで1つのTcutを行うためにかかる時間で平行して処理される。これにより、上記の通り0.25s+1μsと、+TA+Tcutが得られる。これら余分の時間には数ミリ秒かかることがある。これからわかることは、従来技術における最短達成時間と、ここで開示している技術を利用することとは、線形化が不要な場合は類似しているということである。従来技術による多くの報告ではFFTをまとめて行うことができないでいる。横方向断面(h,v)における各ピクセルごとの線形化処理、ゼロ詰め等と、それに続くフーリエ変換にはより多くの時間TFFTがかかる、つまり、TFFT>>T。この場合、P個の正視型画像を作成するためにかかる時間は、tenface/FFT,max=Tv+HVTFFT+TA+PTcutである。実際には、グラフィックスカードを再び使用して各走査の平行処理、つまり、線形化とFFTを実行できるため、全処理時間はtenface/FFT,minとtenface/FFT,maxとの間の時間となる。
本発明では、線形化およびFFTで必要な全ての信号処理ステップが不要となる。TFFT>Tcompの場合、tenface/Comp,maxはtenface/FFT,maxより小さい。通常、比較処理が相関を使用する場合、上記の図5’aおよび5’bに示すように2つのFFTを使用すると、TComp=2TFFTとなる。しかしながら、線形化処理およびゼロ詰めは、FFTを生じさせるためにかかる時間よりも多くの時間がかかることがある。
64(64’)で比較する両項が、現在の測定値では信号(60)とマスクを生成する測定ステップでは信号(70、(70’))、非線形なため、ここでは記憶されているマスク自身は非線形であることは問題とならない。従来技術ではデータの線形化が必要であるが、本発明では2つの類似した非線形的にチャープしている信号を比較して、および2つの線形化された信号を比較して、最大信号が取得される。
比較のため、(61)または(63)から送り出された信号のFFTを横方向断面における各(h,v)ピクセルごとに時間T(走査時間)で生じさせることができると考える。この場合、図10において説明したものと類似した平行処理が従来技術で実施でき、P個の正視型OCT画像を組み立てるために、各深さp、p=1,...P、に対して振幅Ah,v,pの信号が搬送される。この処理は平行して実行され、データは各深さpでの正視型OCT画像に対して1つが対応する各バッファーに書き込まれる。時間tDだけが各バッファーから対応する画像を取得するために余分にかかる。このため、従来技術FFT処理技術を利用して同じ時間で、正視型OCT画像の一括および記憶処理を達成できる。しかしながら、このような処理はFFTに基づいたものとなり、(61)または(63)から送り出されたデータは光周波数について線形である必要がある。本開示による処理に類似した動作は、信号(60)が等光周波数スロットで搬送されたときにのみ達成できる。
本発明による方法は図11および図11’に示すように平行処理に依存しているため、本方法はグラフィックスカードの優れた計算能力の利点を生かすことができる。図6,6’,7,7’,8,8’および9のシステムの動作に必要なこれらの処理は、PCの演算処理装置よりもグラフィックスカードで実行した方が適当である。記憶されている全P個のマスクとの比較は全ての深さについて平行して実行できる。グラフィックスカードのOCTにおける平行処理への適用は、S. Van der Jeught, A. Bradu, A. Gh. Podoleanu による "Real-time resampling in Fourier domain optical coherence tomography using a graphics processing unit", J. Biomed. Opt., Vol. 15, Issue 3, JBO Letters, 030511 (2010); J. Biomed. Opt. / Vol. 15 / doi:10.1117/1.3437078などいくつかの報告で証明されている。別の方法として、平行処理はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を使用して当技術分野において知られている手段により実行できる。
同様に、情報の流れを抽出する場合、連続して取得したCS、信号(60)を、各チャネルpについて各マスクと比較し、差異を平行して生成する。このようにしてPヶ所の深さからP個の流れの正視型画像が取得される。これには、繰り返し行われる取得により得られた結果を比較するために、図11および図11’の最後の処理において簡単な修正が必要となる。
図12には、図7の計算による比較をミキサを使用した瞬間形状認識で置き換えたものとは異なる実施例を示している。ブロック(65)にはミキサとそれに続くローパスフィルタを示す。(65)への一つの入力は分光計(61)内のカメラで信号(60)として提供される。他の入力は、SB−OCTセットのマスタ干渉計(10M)、実際には直交方向XYスキャナ(51)を使用していないSD干渉計でありモデル物体としてミラー(31)を使用している、から提供される。このシステムはSD干渉計として動作し、ミラー(31)の軸位置によって選択したOPD値による基準チャネルスペクトルを提供している。完全なOCTシステムであるスレーブ干渉計(10)は右に示しており、物体(3)から画像を収集する横方向走査装置(51)を備えている。
別の方法では走査装置(51)が排除されて、光学インターフェース(51)が各ピクセルを1Dまたは2Dカメラ内に収容している(各ピクセルごとにピンホールを設けた、カメラの(52)内の多数のピンホールのように)。
マスタ干渉計(10M)から搬送されたチャネルスペクトルは、物体(3)から送られてきてスレーブ干渉計(10)で読まれたチャネルスペクトルに対するマスクとしての役割を果たす。つまり、スレーブ干渉計(10)は、マスタ干渉計(10M)から指示されたOPDp値に対する信号を出力する。2つのSB−OCTシステムは、(1)の中の同じ広帯域光源(11)で駆動し、類似したOPD値に対して類似したチャネルスペクトルを生成するために、類似したレンズやファイバ結合器等の光学器械を含むはずである。カメラ対応分光計(61)に類似したカメラ対応分光計(61M)を(10M)で採用して、マスタ基準信号(70)を搬送している。2つのOCTシステムから搬送されたチャネルスペクトルが一致するときのみ、ライン(13)で同期が確保された2つの分光計(61)および(61M)の中の2つのカメラを同時に読み取ることにより、ミキサ(65)は信号(60)および(65)をミキシングして信号(8)を提供する。つまり、ミキシングは、マスタ干渉計(10M)内のミラー(31)の軸位置で選択した深さzpからのチャネルスペクトルと一致する、物体(3)から読み取ったチャネルスペクトルの強力な信号のみを提供する。
図13には、図12の実施例を改良したものを示している。ここでは、マスクを提供するマスタ干渉計(10M)が、基準ブロック/マスク記憶装置(7)に記憶されているマスク一式から選択したマスクを読み取る、デジタイザ(71)で置き換えられている。マスク記憶装置(7)とマスクを読み取るそのデジタイザ(71)は、合わせて図12のSB干渉計システム(10M)と同等である。図12の分光計(61)および(61M)内の2つの類似したカメラを読み取る代わりに、ここでは電線路(13)がデジタイザ(71)で提供するマスクMpと同時に分光計(61)内のカメラを同時に読み取る。図12の(61M)で搬送するものと類似した信号(70)を図13のデジタイザ(71)で搬送する。
図14には、図8のものとは異なる、SS−OCTシステムにおけるチャネルスペクトルの計算による比較をブロック(65)を使用した瞬間形状認識で置き換えた実施例を示している。(65)にはミキサとそれに続くローパスフィルタを使用することが考えられる。(65)への一つの入力は光検出ブロック(63)に提供される。他の入力は、実際には直交方向XYスキャナ(51)を使用していないSDマスタ干渉計(10M)でありモデル物体としてミラー(31)が使用されている、SS−OCTセットから提供される。これがマスタ干渉計(10M)である。このシステムはSD干渉計として動作し、ミラー(31)の軸位置によって選択したOPD値による基準チャネルスペクトルを提供している。完全なOCTシステムであるスレーブOCTシステム(10)は右に示しており、物体(3)から画像を収集する横方向走査装置(51)を備えている。SS−MasterOCT(10M)から搬送されたチャネルスペクトルは、物体(3)から送られてきてSS-SlaveOCT(10)で読まれたチャネルスペクトルに対するマスクとしての役割を果たし、信号(70)を搬送する。つまり、スレーブOCTシステムは、マスタ干渉計(10M)から指示されたOPD値に対する信号を出力する。2つの、MasterおよびSlave、SS−OCTシステムは、同じ光源(12)で駆動し、類似したOPD値に対して類似した信号を生成するために、類似したレンズやファイバ結合器等の光学器械を含むはずである。2つのOCTシステムから搬送されたチャネルスペクトルが一致するときのみ、掃引光源(12)の周波数を掃引することにより、ミキサ(65)は信号(60)および(70)をミキシングして強力な信号(8)を提供する。つまり、ミキシングは、SS−MasterOCT(10M)内のミラー(31)の軸位置で選択した深さzpからのチャネルスペクトルと一致する、(10)により物体(3)から読み取ったチャネルスペクトル内の成分の強力な信号のみを提供する。
図15には、図14の実施例を改良したものを示している。ここでは、マスクを提供するSS−Master干渉計が、基準ブロック(7)に記憶されているマスク一式から選択したマスクを読み取ることによりミキサ(65)へ信号を生じる、デジタイザ(71)で置き換えられている。ブロック(7)およびその読取装置(71)は合わせて図14のSS−Master干渉計(10M)と同等である。図14の2つの干渉計システム(10)と(10M)を同じSS(12)で駆動する代わりに、ここではSS(12)の周波数を掃引すると同時にマスクMpを読み取り、同期はライン(13’)で確保されている。。図14の光検出器(63M)で搬送するものと類似したマスタ基準信号(70)を図15のデジタイザ(71)で搬送する。
図12から15の実施例は、B. R. Biedermann, W. Wieser, C. V. Eigenwillig, G. Palte, D. C. Adler, V. J. Srinivasan, J. G. Fujimoto, and R. Huber による上記の報告Optics Letters, Vol. 33, No. 21/1, (2008), pp. 2556 - 2558と比べて重要な利点を有する。図12から15の実施例では、信号(60)の再サンプリングおよび保管(線形化およびキャリブレーション)が不要である。スレーブ干渉計(10)内の分光計(61)または光検出器(63)に搬送されるチャープ信号を、マスタ干渉計(10M)に搬送される同等のチャープ信号と比較する。2つの干渉計から送られて来る2つの信号が類似したOPD値について調整されて同様にチャープする場合にのみ、ミキサ(65)は最大値を搬送する。他の全ての信号は変調をもたらし、(65)のミキサに続くローパスフィルタで除去される。
図12から15の実施例は、チャープ信号を単に許容し、線形化/キャリブレーションを必要としない。
同様に、図12から15の実施例を用いて流れの情報を抽出する場合には、各チャネルpについて、連続して取得したCS(OPD)、信号(60)を(71)で提供するマスク信号と比較して、このような取得を繰り返して得られた信号(8)の差異が生成される。このようにして、シンセサイザ(71)で合成されたチャネルスペクトルの形状と対応した深さから流れの正視型画像を取得する。
深さ分解能の調整
上記に記載の実施例では、厚さcl/2のC−スキャンを取得している。図7,7’,8または8’で取得したいくつかの、例えば、マスク間の軸間隔がδzで収集したm個のC−スキャンの平均を取って、厚さmδzの複合C−スキャン画像を取得する。これは単にm個のマスクを同時に読み取って信号(8)のm個の成分を複合させることでできる。一方、式(10)において、周波数間隔Δkを拡大することができ、これにより厚さが増えて深さ分解能が劣化するような影響をもたらす。式(17)によれば、同様の分解能の拡大は逓倍を行うと生じ、その際(66)はローパスフィルタである。式(18)において、遅延数Wを増やすことにより同様の影響が出る。
図12から15において、(65)内のミキサのローパスフィルタのバンド幅を増やすことにより、C−スキャン画像の軸厚さを増やすことができる。一方、P個のミキサの集まり(65)へ、シンセサイザ(71)を介してP個の記憶信号のP個ほどのマスクを与えると、各ミキサはいくつかのC−スキャン画像のための帰還信号を同時に送り、信号(8)のいくつかの成分を測定してより厚い複合C−スキャン画像を形成する。図12から15は、一般性失うことなくA−スキャンに沿った1点を提示するが、図7,7’,8または8’に示す多チャネル構成の精神において、(ローパスフィルタを含んでいる)ミキサ(65(p))セットおよびマスク(7(p))のセットを用いて同じ結果が得られることは明白であろう。明確にするために、図12から15のみに単一のチャネルに対する処理を示すが、これらはA−スキャンに沿って平行してP個の点を提供するとともに、走査装置(51)でP個の正視型画像を提供することにも簡単に広げることができる。
代替案として、比較する信号(60)および(70)は、それらの中央部分だけを選択することにより短縮できる。これは、感度の低下、より少ない軸分解能につながるが、画像提供速度が速くなることがある。十分な感度を確保するためにマスク(70)から搬送されたチャネルスペクトルのみを短縮することが望ましい。
別の代替案として、式(18)の処理のうちの逓倍操作を実行するためにミキサを使用できる。このため、図12から15における個別のミキサ(65)をW個のミキサで置き換えて、図9に示すW個の逓倍器(92w)とそれらに続く加算ブロック(72w)での操作を実行する。さらに、個別記憶装置(7)は複数の遅延バージョンの同じく(7w)で置き換えられ、デジタイザ(71)がアナログ信号をW個のミキサへアナログ信号を提供する。
スペクトルの平行読み取り
現代技術による高速分光計では、平行読み取りが可能である。最も簡単な解決策は、図7の分光計(61)内のリニアカメラに置き換わる光検出器のアレイである。256の配線を有する256の光検出器のアレイは、それぞれ16の光検出器から成る16の商用アレイで構成することができる。
別の代替案として、導波路のアレイがある。通信業界はアレイ導波路装置(AWD)を開発していおり、これらは1つの光導波路から複数の光学窓を平行して提供できる。光検出器で出力導波路を終了させることで平行読み取り分光計を形成する。しかしながら、各チャネルは光周波数に正確に合わせた間隔とはなってないこともあり、FFTが採用されている場合にはこれはまたキャリブレーションが必要となる。
データが平行して提供される場合には、FFTよりも比較手法の方が適切であり、この原理が図16に適用されている。
例えば、図7の分光計(61)が平行してQ本のチャネルを提供できるとすると、深さ1〜2mmの軸範囲を確保するためには、例えば、Q=256が最低数となる。この場合、ライン信号(60)は256本の平行ラインを含んでいる。分光計入力開口での光周波数がスペクトル窓kqに収まっている場合、分光計内の各チャネルqは、最大光検出器電流を生じる。Q本のチャネルはチャネルスペクトルを均等または不均等に分割することもある。この実施例では、比較ブロック(64)は、2Q個の入力を有するデジタイザであり、Q個の入力が平行分光計(61)に連結して、残りのQ個の入力は自身もまたマスク信号を平行して提供するブロック(7)に連結されている。(64)におけるQ個の比較ブロック(69(1)),(69(2))...(69(Q))は、類似したもの同士を比較するように動作する、つまり、各比較ブロックは(60)からのqチャネルを(70)からのqチャネルと比較する。
簡単な比較処理では、(64)がQ個のANDゲートと2つの入力を含んでいる。各ANDゲート(69)の2つの入力は、同じ光チャネル(60)および(70)に連結している。ライン(60)および(70)に沿って提供される2つのスペクトルが類似している場合、Q個全てのゲートが、処理ブロック(88)へ送信される大域出力に蓄積される最大信号に反応する。しかしながら、OPDの位相変化は、2つのチャネルスペクトル(60)および(70)を位相の不一致にあるいは逆位相にも導くことがある。感度によって位相が不安定になることを減らすために、今では位相変調器である変調器(80)を用いて比較処理を2つの可能な方法に変更できる。第一の可能性としては、(80)に与える位相ステップのいくつかの値を繰り返し取得することである。二番目の可能性としては、高周波数Fで位相を(80)を介して変調することであり、干渉計信号を同じ速度で変調するという結果をもたらす。この場合、Q個のANDゲート(69)はQ個の乗算ゲートで置き換えられる。(60)内のチャネルスペクトルが(70)内のそれと類似している限り、各乗算ブロックは同じ周波数Fで拍動する信号を生成する。チャネルスペクトルが異なる場合、乗算ブロックから出力される信号はFとは異なる周波数で拍動して、(88)内の各出力についてフィルタではじくことができる。
位相変調器(80)は、100MHzを超える周波数で動作でき、10サイクルの平均は100ns(ナノ秒)を意味する。これが全ての正視型画像を100ns以内に提供することに相当し、動作の許容という観点から非常に有益である。
実験的な証明
開示している方法の概念は、100kHzのライン速度でAxsun SS(12)で駆動している安定したOCTシステムに基づいた、SS−OCTシステムを使用して証明している。実施に使用した基本的な構成は、図8および8’に示すものである、図17に干渉計をより詳細に示す。図8の一般的な分割素子(2)に代わる図17のファイバ結合器(2)および(21)の2つの結合器を含んだ構成を採用し、光検出器(631)および(632)からの入力を備えた差動増幅器(633)からできている平衡検出受信機(63)で終了する。ThorlabsのモデルPDB460Cの平衡検出受信機を使用している。基準ビームは、送信時に図8の一般的なミラー(4)に代わる、移動ステージに設けたミラー(42)および(44)を介して平衡結合器(21)に振り向けられ、基準アームの空気経路を調整する。焦点化要素(41)および(42)は光をコリメートしてそれぞれ光をファイバ内に戻すために使用している。単一モードファイバ(211)から送られてくる物体アーム内の光を、焦点化要素(513)でコリメートして、ケンブリッジテクノロジー(Cambridge Technology)6115の一対のスキャナ(511)および(512)に向け、これらに続くレンズ(514)および(515)を備えた光学インターフェースに送る。平衡受信機(63)からの信号(60)は、デジタイザ(90)と、ソフトウェアで制御されてブロック(7),(64)および(66)の機能を実行する処理ブロック(91)を備えたパソコン(PC)内の表示部と測定ブロック(100)に送られる。Alazartech 社の二重入力デジタイザボード、500MB/s(モデルATS9350)をデジタイザ(90)として使用した。その2つ目の入力は、破線で示している従来技術ではキャリブレーションブロック(620)の一部であるAxsun掃引光源(12)内の時計ブロック(75)から送られるクロック信号に使用している。デジタイザ(90)は、複数チャネル比較ブロック(64)の各機能を実行する。デジタイザは信号(60)のFFTを作成するためにも使用され、つまり、図2のブロック(62)および(620)(このため(620)はその一部を(90)と共有するように示している)を動作させるために使用されて、以下に詳細するようにFFTに基づいた従来技術との比較対象データを提供する。(620)および(75)は本発明の範囲に不要であるから破線で示しており、ここでは従来技術で必要であることと同様に、ここでは本開示内の従来のFFT−SDI手法およびMSI手法を使用して得られる結果を比較して示す範囲のためにキャリブレーションに使用している。
スレーブ干渉計から搬送されるチャネルスペクトルは、同じセットで測定されたマスクと比較する。比較手法には、相関を使用している。
図17の概念を示すセットの証明は、本開示にて図5bに関連して説明しているように、2つのステップで使用している。最初のステップでは、P個のチャネルスペクトルMpが、zp、p=1,2,...P、に設けられたモデル物体としての役割を果たすミラーを使用して記録した。各マスクを記録するためにスレーブ干渉計をマスタ干渉計として使用し、モデル物体内のミラーを移動して測定した、連続した測定値間の奥行き方向の間隔δzは、以下に説明するように図18,19,20,21,21’のケースによって異なっていた。P個のマスクのP個の基準チャネルスペクトルを記録する処理において、(511)および(512)を停止させてビームを軸上で送っている。
ナショナルインスツルメンツ(National Instruments)社のVirtual Instrument基づいてLabVIEWのプログラムであるProgCorrを開発し、式(5)にしたがって3つのFFT基づいて相関を実行する。このLabVIEWのプログラムを使用して全てのMpマスクと光検出器(63)から送り出された信号(60)との相関が実施され、信号振幅(8(p)),A1,A2,...Ap.が搬送された。
図7’および8’の比較演算を実行するために、1つのFFT処理が記憶装置(7’)に設けられている、2つ目のLabVIEWのプログラムであるProgCorr'を作った。
3つ目のLabVIEWのプログラムであるProgMultは式(18)のために実装された。
4つ目のプログラム、ProgFFTは、ブロック(62)の機能を果たすために従来技術による通常のFFT処理のために実装された。データを取得して処理するために作られたソフトウェアは、ナショナルインスツルメンツ社の64ビットLabVIEW2012を使用して実装している。
4つのプログラムは、Alazartechデジタイザを介して光検出器(63)からのデータを取得してデジタル化する通常のコード化コアを有する。各プログラムのコアは、ガルバノ走査装置(511)および(512)を駆動し、また(ナショナルインスツルメンツ社のモデル6071E、DAQボードを介して)正視型または3Dボリュームの画像を組み立てるのに必要なTTL信号のうちの1つの信号と、(チューニングの開始と停止に印を付けるための)Axsim SSから提供される必要な2つめのTTL信号をAlazartech 社のボードに送る、コードを含んでいる。
図18,19および20は、FFTに基づく従来のSDI手法と比較するために開示しているMSI手法の機能を示している。この場合物体(3)はミラーである。
図18には、本発明による相関(ProgCorr)に基づいた、FFT手法(ProgFFT)とMSI手法を使用した両方の場合の感度低下プロフィルを示している。干渉計の出力で光学スペクトルをサンプリングするときに、掃引光源スペクトルのライン幅が波数k軸に沿った2E個のピクセルを測定する場合、式(3)の値を求めるための2つの項の積の和を、波数kの4E+1ヶ所の点について求める。図18,19および20のデータについては、4E+1=2561ヶ所の点である。ウィンドー(67)上での積分は、式(10’)ではkに沿った波数空間でk=0の辺りのW点のウィンドー内での相関結果の合計として計算される。
しかしながら、信号対ノイス比がウィンドーのサイズを減少させることが期待されている。MSI手法では、SNRは以下のように定義されている。
これは、任意の時間における一つの深さから信号が搬送される、時間領域干渉法の場合と、時間領域OCTと同様である。ウィンドーΔkの異なる値に対する結果は図20bの最大値を有する曲線で示す。
図20bの等線で示す、先験的手法に基づくFFTでは、SNRは以下のように定義されている。
両手法による感度は、まず、光検出器でのスペクトルがそれらの飽和値の近くになるように基準アーム信号を調整して測定した。次に光学濃度OD=2で特徴付けられる減光フィルタがサンプルアームに設置されて、OD=2を考慮に入れるために40dBを加えて式(20)および(21)を使用した。
図18における感度の低下は、FFT(破線)と、ウィンドー幅、W=10,100および320の3つの値に対する相関(実線)で作成したA−スキャンの両方の状況についてz=0.25で正規化した。図18におけるA−スキャンを本発明の手法(実線)で作成するには、ProgCorrで提供しているように、取得したチャネルスペクトル(60)をP個のマスクMpと相関して、A−スキャンのP個の点(P=8)を取得して、まずは0.25mmからそして0.5mmからは0.5mmごとのステップに分布した各マスクにつき1点を空中測定して、8つのOPD値に対する先験的測定値を求めた。従来のFFT技術(破線)に基づいたA−スキャンを作成するためには、FFT処理装置(62)の機能を果たすためにProgFFTを採用した。2つのケースにおける感度低下は、5〜6dBの間でかなり似ていることがわかる。
比較手法が非較正データの影響を受けないことを証明するために、両較正および非較正チャネルスペクトルを取得した。図19aにはFFTおよび、再サンプリングしたチャネルスペクトル(再サンプリングには掃引光源から送られる外部kクロック信号を使用した)の相関、で作成したA−スキャンを示しており、図19bではA−スキャンを作成するために使用したチャネルスペクトルは再サンプリングしなかった(データのサンプリングにはデジタイザの内蔵クロックを使用した)。物体(3)として使用したミラー位置のOPDに対応するA−スキャンのピークの半値全幅がシステムの深さ分解能を規定する。干渉計のOPDは1.28mmに調整された。
従来技術のFFTに基づいたSDI手法を使用すると、深さ分解能はクロック信号の品質に左右される。外部kクロック(図19a内の破曲線)を使用すると21μsほどの小さい深さ分解能が得られ、再サンプリングをしない場合は106μmまで大きくなる(図19bの破曲線)。一方、MSI手法はデータのサンプリング方法には全く影響されず、図19aと19bにて実線で示す、いずれの状況においても深さ分解能は同じである(14μm)。ミラーおよび停止させた走査装置を用いてこれらを測定し、各ステップを1μmとして制御した移動ステージで(45)を使用して、64ヶ所の位置で対称的なOPD値を1.28mm辺りで調整した。P=64のチャネルスペクトルを収集し、メモリ(M(p))として記憶した。クロックをオン、オフしながら各マスクのセットを取得し、各ケースに対応するセットを使用した。図19aにおいて、クロックをオン状態にして取得した各マスクを使用し、クロックをオン状態にして実線を取得した。図19bにおいて、クロックをオフ状態にして記録したマスクを使用し、クロックをオフ状態にして実線を取得した。
また、図5bおよび6によるフィルタ(66(p))の相関信号(67(p))を都合よくウィンドー処理することにより、データの再サンプリングの品質が取得できる深さ分解能のレベルに大きく影響する従来システムより、より優れた深さ分解能を得ることができることも証明した。測定する深さ辺りの限定された間隔に対応した最大値を有する意味のある信号を取得するためには、相関(640(p))によって取得した信号は、式(10’)によりゼロ周波数辺りでウィンドー処理する。このようにしてk=0値辺りのウィンドーを適用すると信号は強調される。このウィンドーはシステムでの深さ分解能を規定するために都合よく使用することもできる。ウィンドー幅の値W〜Δkが小さいほど、OPDに対する出力信号のプロフィルが狭くなり、より良い軸分解能が得られる。システムの深さ分解能が、相関信号に適用したウィンドーサイズの関数として測定した、このブロック(66)を使用する効果は図20aで証明されている。全スペクトル範囲の掃引走査に対応する信号をデジタル化するために2E=1280個のサンプリング用の点を使用した。結果として、相関信号に適用できる最大ウィンドー幅はW=2561である。非常に狭いウィンドーサイズ(<10点)の場合、10μmまでの小さい深さ分解能を得ることができる。これは、図19aのFFT手法を使用して実験的に得た最もよい値より小さい。
次に組織の正視型OCT画像を作成するために図17の証明された概念セットを使用した。4f光学系の構成における、2つのレンズを有するテレスコープ(telescope)を走査装置(511/512)とボランティアの目の間で使用して、視神経の篩板の画像を取得した。ボランティアの親指の皮膚から画像を取得するには、上記のテレスコープに後続して焦点距離2cmのレンズを余分に使用した。全ての画像は200ピクセルx200ピクセルである。ProgCorrを使用して正視型画像を作成するためには、データの再サンプリング、FFTまたはソフトウェアカットを実施しなかった。その代わりに、上記に詳細した技術を使用して記憶されているマスクとチャネルスペクトルとの相関が実行された。連続したC−スキャンの深さ方向間隔は空気中で計測して30μmであり、測定処理の第1ステージで各マスクを収集するために使用した濃度で決定された。
取得およびデジタル化の後に、ProgFFTを使用して正視型画像を作成するためには、各掃引に対応するA−スキャンをFFT(図2で(62)および(620)を使用した場合のように)で作成した。ベンチマークをのために、FFTの前に三次スプライン補間を使用してデータを再サンプリングした。40,000のA−スキャンからできたボリュームデータは次にソフトウェアカットされて所望の深さでの正視型画像を作成した。
ミラー類が画像の妨げになることを防ぐために、視神経および指はOPD=0からわずかに離れて配置された。このため、64の画像のうち、セットの中央からの、48枚だけの篩板のC−スキャン画像を図21に示している。64の画像のうち、セットの中央からの、36枚だけの皮膚のC−スキャン画像を図21’に示している。図21aおよび21’aの画像は従来のFFT技術、線形化、キャリブレーションおよび40,000のA−スキャンボリュームのソフトウェアカットを使用して取得した。図21bおよび21’bの画像は、相関演算を採用している本開示によるMSI手法を用いて取得した。直交方向走査装置(511/512)の電圧を調整して、図21において薄片が全画像にわたるようにした。直交方向走査装置(511/512)の電圧を調整して、皮膚のうちの4.4mmx4.4mmの大きさを含むようにした。
両手法で類似の画像を取得した。従来のFFT技術を使用して画像を生成するためには、Bradu, A. and Podoleanu, A. Ghによる"Fourier domain optical coherence tomography system with balance detection", Opt. Express 20, 17522-17538 (2012)に記載されているように、通常のやり方に基づいてノイズを低減するために全てのB−スキャンからの平均画像を差し引いた。しかしながら、この手法によると強い反射信号を有する点の画像内に飽和線を形成する。相関に基づく本新規の手法は、この現象から免れ、これはまた利点でもある。図21b’の画像はこのノイズパターンを含まない。
実施した実験により、いずれもSS−OCTに適用する、SDI(従来技術)に基づくFFTと新規の手法であるMSIの2つの手法に必要な時間および資源を評価することができた。得られた結果は表1に示している。インテル(登録商標)のXeon(登録商標)のCPU、モデルE5646(クロック速度 2.4 GHz,6コア)プロセッサを使用した。横方向断面の200x200ピクセルについては、0.4秒で40,000のチャネルスペクトルを収集し、1280スペクトル点、つまり、E=640を取得した。FFT処理には2.825μsだけで済むがこれに対し相関には最大9.2μsかかる。データの線形化が必要な場合、69μsで1つのA−スキャンを取得し、ボリュームのカット(0.22秒)後のみであるが正視型OCT画像を取得し、3.5秒という時間につながる。
相関を実施するに、1つのFFTよりも、2つのFFTを実行する(記憶している各マスクが既にFFT*である)ためにはより多くの時間がかかることは明らかであるが、正規化に加えてFFTにかかる時間よりもずっと短い。これは、本開示の手法の実質的な利益を明らかにする。1つのフレームボリュームは0.4秒で取得された。そうするとMSI手法を用いて各正視型画像を生成するためにかかる時間は368msである。これにより、MSI手法を用いて正視型OCT画像を生成するためにかかる時間が0.768sであるということにつながる。
従来技術の手法で200のカットを作成するためには、47.48秒を必要とし、MSI手法では74秒を必要とする。平行処理とともに、NVIDIAのCUDA (Compute Unified Device Architecture)プラットフォームなどを介してグラフィックスカードを使用すると、200全ての演算にかかる時間が1つの演算に必要な時間にまで減り、推定でFFTに基づくSDIには0.62秒で、MSI手法には0.4秒となる。
A−スキャンは平行比較(相関)により作成するため、時間がかかる。しかしながら、P=640プロセッサを平行して使用すると、1つの比較ステップ(相関)での9.2usでMSI手法を使用したA−スキャンを作成でき、これはFFTに基づく先験的な技術でかかる時間の2.825usと同程度である。
これら全ての数値は、MSIに基づくOCTが、原則として従来技術と同様の取得および処理時間で実施しつつも、キャリブレーションおよび線形化を必要としないことを明らかにしている。また、MSI手法およびMSIセットでは、正視型OCT画像をより速く作成できる。このうえ、他の利点はコスト削減とともに図18〜21に示す。
全軸範囲についての実験的証明
MSI手法の全軸範囲機能を実験的に証明するために、(45)を移動して物体アームの光ファイバ(211)をより長くし、基準アーム内の対応する空気経路で波の経路長を補償することにより、図17に示しているシステムに分散を挿入した。余分なファイバはブロック(80)の役に立つ。正のOPDのチャネルスペクトルは係数が同じであるが負のOPDのチャネルスペクトルと異ならせ、またOPD=0のときにも変調が行われる、不平衡分散により、ミラー類の削減、したがって全軸範囲画像化が可能となる。これは図22に示している。図22aには正OPDのチャネルスペクトルを示しており、図22bはOPD=0のもの、そして図22c係数は図22aで使用しているものと同じであるが負のOPDのもの示している。3つのチャネルスペクトルは、高反射物体を使用して作成したため、3つのOPD値に対応する正視型画像を生成するためのマスクMp(この場合p=−1,0,1)として使用できる。画像化には円錐型の物体を使用した。円錐の先端はおおよそOPD=0の近くに配置した。図22a〜cのマスクを使用して取得した3つの正視型画像を図22d〜fに示している。正しい(実際の)画像は22(d,e)であり、,22fは22dの鏡像である。22fは22dほど明るくないことは明白である。(211)に加えた余分な量のファイバ(4m)のため、ミラー類は20分の1に減少した。この数値は図22a〜cの形状がどれだけ異なるかを示しており、各マスク形状は自身と比較したときに最大値が得られる。
断面(B−スキャン)の作成に使用するマスタ−スレーブOCT
図23の実施例では、掃引光源(12)を使用して走査ヘッド(511)では2つではなく1つだけの横方向走査装置を備えた、図8または8’の実施例による飛点型OCTシステムを実装している。このことが図8または図8’の実施例がまたB−スキャンOCT画像のみの作成に使用できることを詳述する。X−走査装置(511)の、下の最終B−スキャン画像のT−スキャンに沿った、各位置hからは、信号8(1),8(2)から8(p)に平行して生成されたPヶ所の点からA−スキャンAhを取得する。これは飛んでいる物体波の全ての位置h、但し走査装置(511)の角度で決まる通りh=1,2,...H、について行われる。B−スキャンOCT画像は、横方向走査装置(511)の全Hヶ所の位置から取得したH個のA−スキャン、A1,A2,...Ah,..AHから形成される。各A−スキャンのPヶ所の点はP個の、光検出器(63)から送り出された現在のチャネルスペクトル信号(60)をデジタイザ(90)内のメモリ記憶ブロック(7)内の記憶されたバージョンのチャネルスペクトルを比較する、比較ブロック(64)から搬送される。上記と異なり、最終B−スキャン画像は、Pヶ所の深さの、各T−スキャンは信号(8(p))を使用して作成されている、P個のT−スキャンを含んでいるように考えられる。このようなP個のT−スキャンは、B−スキャン画像の直交方向の大きさ内の全ての点Hについて取得した各信号から作成されたT−スキャンから生成され、ここでT1は全てのH信号8allH(1)から,T2は全てのH信号8allH(2)から,...Tpは全てのH信号8allH(p)から,...そしてTPは全てのH信号8allH(P)から取得される。
上記とは異なり、(511)X−走査装置の各位置hには、全掃引領域の掃引光源(12)をチューニングするたびに、各走査ラインT1,T2,...TP上に各点が、全P個の比較ブロック(64)からの信号(8)で作成される。B−スキャンの最終製品に向かう、掃引光源(12)からのライン(13’)が、T−スキャンに沿った1からHの各ピクセルhごとのチューニングステップhを期間TSSの間知らせる。上記に記載しているように平行処理は、走査装置(511)が扱う1,2〜Hまでの各ピクセルhについて平行してP個の画像点を提供し、合計Pヶ所のそのような点について、(511)走査装置の各位置hにT−スキャンごとの点を与えて、各T−スキャンに画像点を完成させる。チューニングがTSS=TZ=10μsで行われると、のTH=HTSS=10msの後にH=1000ピクセルのB−スキャンが作成される。これは、物体(3)の直交方向サイズ上でのライン走査装置(511)の全スキャンにかかる時間と同じであることは明白である。すると、合計H個のチューニングステップのうちの各チューニングステップについてのP個の信号(8(p))の平行処理にいくらかの時間が必要となる。
代わりに、各マスク(7)を各マスク(7’)で、また相関に基づくコンパレータ(64)を図8’のように2つのFFTに基づくコンパレータで、置き換えることができる。
図23’には広帯域光源(11)および、コリメーティングレンズ(611)、トランスミッション(612)内の回折格子、焦点調節素子(613)およびCCDまたはCMOSリニアカメラである光検出器(614)のリニアアレイからできている分光計(61)を使用して断面B−スキャンOCT画像を生成する実施例の詳細図を開示しており、図7または7’の実施例と類似しているが、ここでは1つの走査装置(511)のみを有する。スプリッタ(2)は、当技術分野において知られているように方向性結合器を使用してファイバで実現され、ファイバは物体アーム(211)に沿って設けられ、参照経路には移動ステージ(45)上のミラー(4)に向けた基準ビームをコリメートする焦点調節素子(41)が設けられている。リニアカメラ(614)内に電荷をダウンロードすると、X−走査装置(511)の各位置hにチャネルスペクトル測定信号(60)が提供される。
例えば、CCDまたはCMOSカメラ(614)からの電荷の移動が、T−スキャンに沿ったH=1000ピクセルについてTSp=TZ=10μsで行われるとすると、B−スキャンにかかる時間はライン走査装置(511)での完全なスキャンにかかる時間と同じTH=NHTZ=10msである。各位置hに対してP個のT−スキャンラインに所属するP個の画像化点がPヶ所の深さから提供され、これは各比較ブロック(相関器)(64)から信号(8(p))が各深さpに搬送されることと同様である。T−スキャンラインに沿ったH個の各ピクセルにH個のチャネルスペクトル(60)が取得され、各チャネルスペクトル(60)は最終B−スキャン画像内の各A−スキャンAhに沿ったPヶ所の点に信号を提供し、各hピクセルにおいて各T−スキャンに1つの点画像を提供している。カメラ(614)から最終B−スキャン製品の破線(13)は、期間TSpの間でのT−スキャンに沿った1からHまでの各ピクセルhに対するカメラステップhの読み取りを明示している。上記にて開示しているように、平行処理は走査装置(511)に指定されている1,2,からHまでの各ピクセルhにP個の画像点を平行して提供し、これにより(511)走査装置の各位置hについて各T−スキャンに1つの点を設け、合計P個の点で各T−スキャン上の画像点を完成させる。
代わりに、各マスク(7)を各マスク(7’)で、また相関演算に基づくコンパレータ(64)を図7’のように2つのFFTに基づくコンパレータで、置き換えることができる。
図23および23’において、データがメモリ(30)内に設けられている場合、このメモリは、(7)の中のマスクと(13’)で確保された同期で続けて読み取られる。図23および23’における2つの実施例の動作は同じであり、物体(3)の横方向断面内の各ピクセルhについて、上記の数値例により図23の掃引光源(12)が時間TZで掃引されるか、図23’のリニアカメラ(614)が同様の時間TZで読み取られる。
C−スキャン(正視型)OCT画像も取得できる、データの全ボリュームを収集するケースのために図23および23’の詳細な実施例に別の横方向走査装置(512)を加えることは当業者に明らかである。
従来技術のスペクトル領域技術と比べ、図23および23’の実施例はデータのキャリブレーションを要することなくB−スキャンを提供するという重要な利点を提示する。これらのセットにデュアル横方向スキャナが備えられている場合、従来技術と比べたときの2つ目の利点は、図17の実施例を用いて実証したように正視型OCT画像を直接かつより早く生成できるということであり、ここでは走査ヘッド(51)が2つの横方向スキャナ(511)および(512)が備えられている。
図23および23’において特定の深さから1つだけのT−スキャンが対象となっている場合、図4(a)における基本的なMSI実施例を使用することができたことに気が付かれたい。
図24には、T−スキャンに基づくB−スキャン画像の作成方法を2つ開示している。(a)まず、チャネルスペクトルを取得してメモリ(30)内に格納する。デジタル形式(60d(h))の、但しh=1,2,...Hでガルバノ走査装置GX(CS1,CS2,...CSh,...CSH)のHヶ所の位置と対応する、チャネルスペクトル(60)のH個のバージョンを深さp(70(p))に対応するマスクMpと比較することにより、T−スキャンTpを取得する。マスクMpをT−スキャンに沿った全Hピクセルについて取得したCS信号(60)の成分と比較するために、比較ブロック(64(p))を連続して使用する、またはH個の比較ブロック(64)を平行して使用する。(b)A−スキャンに基づくB−スキャン画像を作成するオンザフライ処理。全てのP個のマスクが異なる深さpに対応させたマスタ基準信号(70)を用いて、各ピクセルh(CS1h)の信号(60(d))について、取得した通りの各チャネルスペクトル(60d(h))を比較することにより、A−スキャンを取得する。続いてこの処理は全H個のピクセルについて繰り返される。
図24’には、さらに2つのT−スキャンに基づくB−スキャン画像の作成方法を開示している。(a)まず、チャネルスペクトルを取得してメモリ(30)内に格納する。T−スキャンTpは、ガルバノ走査装置GX(CS1,CS2,...CSh,...CSH)のh位置と対応するチャネルスペクトルのFFTと、深さp(70’(p))に対応するマスクMpのFFT*との積の逆FFTを行うことによってそれぞれ取得した、H個の反射点から取得している。マスクMpをT−スキャンの全Hピクセルについて取得したCS信号(60)の成分と比較するために、比較ブロック(64’(p))を連続して使用する、またはH個の比較ブロック(64’)を平行して使用する。(b)A−スキャンに基づくB−スキャン画像を作成するオンザフライ処理。各ピクセルh(CSh)について信号(60)として取得したチャネルスペクトルの各FFTと、マスタ基準信号(70‘(p))としての異なる深さに対応する各マスクとの積の逆FFTを行うことにより、それぞれP個の反射点からA−スキャンを取得する。
上記図23および23’に示す両実施例と、図24および24’に示す処理は、OCT内視鏡検査で使用する1D走査ヘッドに適合している。
図25(a)は、OCT内視鏡検査用プローブヘッドを図示しており、内視鏡の先端が物体ファイバ(211)に結合しており、配線(212)はファイバ(211)に沿って電気信号を送信し、これにより横方向走査装置(511)そ備えた走査ヘッドを駆動する。これらのプローブヘッドでは、内視鏡保護シースの中で巻けるまたは内視鏡管の中へ巻いて入れることのできる、ファイバケーブル(fiber solution)で図23および図24の走査ヘッド(511)を置き換えている。例えば、ファイバ(211)は、ファイバ(211)上の微小電磁石が小さい磁石の間で揺動する、磁気相互作用により筒型プローブ(213)内で揺動できる。代わりに電圧性相互作用および電圧管を使用できる。電磁または電圧性相互作用によりレンズ(214)の前でファイバ端(211)に振動させる。このようにして、H個のピクセルを対象として物体(3)上でラインが投影される。このようなプローブヘッドを順方向走査に使用して、図23および24の実施例に関連して説明している方法と同様の方法で、内部組織のB−スキャンOCT画像を作成できる。MEMS装置はファイバ端を直交方向に動かすためにも使用でき、またこのようなMEMSを2つ採用して図17でのように2Dラスタ走査を確実にすることもできる。このようなとても小さい装置はOCT眼科学で通常使用しているガルバノ走査装置に置き換わることができる。
図25(b)には、それぞれが図23および23’に示すように本発明の実施例により平行して搬送された、P個の点からなるA−スキャン、Ahから作成したB−スキャン画像を示している。各深さpについて全ての点h=1からHを連結することにより、各深さpにつき1つのT−スキャン、T(p)を識別できる。
本体の外側のNMR機器で生成した大型揺動または回転磁場で磁気相互作用を提供できる。この場合、内部電磁石が不要となり、ファイバ(211)上に小型磁石を設置するだけで済む。今物体(3)は、画像化する人または動物の身体の中の器官とする。さらに別の直交方向ピクセルh上に毎回再配置した後に、図23の掃引光源(12)または図23’においてカメラ(614)を読み取る。
一方、図25(c)には、ファイバ(211)を(従来技術を使用して)回転のための回転軸と、その先端に設けられたGRINレンズ(215)と小さなプリズム(216)を示す。この走査ヘッドは、物体(3)として血管、動脈および静脈などの管状構造を走査するために一般的に使用されているものである。直交方向ピクセル1,2,...h,...Hの位置を規定する、屈折した物体ビームの各角度位置について、P個のマスク(メモリ)(7)または(7’)は、図24および24’に示す各方針に従い、(91)においてP個の比較ブロック(相関器)(64)または(64’)に対して信号を送る。このようにして各A−スキャンのP個の点AhがB−スキャン画像に配置される。類似した深さpの値に対する全てのH点を繋げると、図25(d)に示すように円形T−スキャンが識別できる。
図25(a)および(c)の走査ヘッドを使用して、OCT干渉計から提供されるチャネルスペクトルが、A−スキャンごとに1つの信号を送り出すFFTに基づく従来技術を使わないで、A−スキャンごとにP個の複数信号を送り出す比較ブロック(64)((64’))を介して処理さる、本発明によるMSI手法に基づいたマスタ−スレーブOCT内視鏡検査を実施できる。図25(b)および図25(d)に平行した複数信号を送り出してB−スキャンOCT画像の構築を示す。
上記の全ての図では、B−スキャンを2つの方法で作成できる。ビームが各直交方向ピクセルhに配置されるのと同じだけの速さでP個のコンパレータ(64)((64’))が動作する場合、A−スキャンは図24(b)および図24(b)’のように異なる深さからのP個の点でA−スキャンを形成する。比較がそこまで速く行われない場合は、全H個のチャネルスペクトルCSは図24(a)および図24(a)’に示すようにメモリ(30)内に取得されて後で処理される。この取得後処理は、もう一度、P個のコンパレータが各A−スキャンに沿ってP個の点を送り出すか、メモリを繰り返し読み取って、各読み取りごとに1つのマスク(7(p))または(7(p)’)を使用して同じ深さpの各点に反射を送り出して、その後T−スキャン(p)に組み立てられる。記憶装置のP個の読み取りでP個のT−スキャンを作成する。
走査歪みを補正するまたは湾曲した組織のB−スキャンを平坦化するために、各横方向ピクセルhについて異なるマスクセットPを使用できる。
全領域の実施例
図3’(b)の発明の実施例は実際にはビーム走査をカメラで置き換えることができる。リニアカメラまたは2Dカメラを使用できる。
図26には、掃引光源(12)と、B−スキャンOCT画像を作成するための光検出器(630)のリニアアレイ(リニアCCDまたはCMOSリニアアレイ)とを使用して1D全領域画像化を実施する発明の実施例を示している。ここで、各光検出器(630)のリニアアレイの使用は、先の図23の実施例における走査装置(511)を使用した直交方向走査に置き換わる。全領域構成は光ファイバに適合しないため、バルク光学を採用している。ビームをコリメートするために収束素子521を使用している。円柱レンズ(522)と収束素子(523)を使用して物体(3)上にラインを投影し、次に物体上のラインからの信号をスプリッタ(2)を介して各光検出器(630)のリニアアレイに向けて転送する。例えば、球面レンズ523および524等の収束素子は、物体(3)からのラインをカメラ(630)上に投影するようにテレスコープとして使用する。同様にレンズ(524)および(525)は基準ミラー(4)からのラインと物体からのラインとが各光検出器(630)のリニアアレイ上に干渉するように投影する。
各光学位置または光検出器(630(h))、但しh=1〜H、は本開示によるMSI手法により使用する信号を送り出す、図8における一般的なピンホール(52)および光検出器(63)としての役割を果たし、物体(3)のPヶ所の深さからの反射データを同時に生成する。光学位置(630(h))が順次読み取られて、掃引光源(12)の各周波数ステップのライン読み取り値がチャネルスペクトルを提供しないため、信号を各チューニングステップに対してメモリブロック(30)に記憶する。Pヶ所の軸深さに対応したチャネルスペクトルを復調するためには、スペクトルのうちの少なくとも2Pヶ所の点を読み取る必要がある。これは、掃引光源(12)がK周波数または波数ステップにチューニングされていることを意味し、ここで波数WNが1,2,...k,...Kの2Pより大きいことを必要とするK値を推定している。言い換えると、ステップ数Kは少なくとも分解スペクトル点の数2E=Δλ/δλと等しい。各波数値についてH個の光学位置(630(h))を読み取るため、HK個の値がメモリブロック(30)に記憶される。次にメモリブロック(30)が縦方向に読み取られ、ここで縦列hには光検出器(630(h))からのデジタル化されたバージョンのチャネルスペクトル信号(60dh)を示す。次に信号(60dh)をP個のマスクと関連付けて、各光検出器(630(h))にA−スキャン、Ahの深さ方向のP個の点を提供する。図26において処理を早めるために、各光検出器位置hにおいて、P個の比較ブロック(相関器)(64)およびそれらのP個のフィルタ(ウィンドー処理ブロック)(66)を平行して使用している。64hおよび66hはP個のバージョンについて再現されてこれらは平行して信号(60dh、但しh=1,2,...h)の処理を行って各Ah−スキャンのP個の点を送り出す。このようなPH個のブロック(64)および(66)の対を使用してH個のA−スキャンを平行して送り出してB−スキャンOCT画像を合成する。
比較ブロック(641)〜(64H)はそれぞれP個の比較ブロック(64h(p))を含み、同様にウィンドーブロック(641)〜(64H)はP個のブロック(64h(p))、但しp=1,2,...P、を含む。メモリ(7(p))に記憶されているチャネルスペクトルをH個全ての比較ブロック(641(p)),(642(p)),...(64h(p))...(64H(p))の各入力のいずれかに送り、他の入力は信号60dhでふさがっている。メモリ(7)の各マスクの同期した読み取りはライン13’’で確保されている。
物体アームのレンズの厚さが異なることにより生じうる、分散が直交方向ピクセルごとに異なる場合に復調を向上させるためには、各光学位置(630(h))に対する各P個のOPD値に対してのP個のマスク(7h)を含んだセットを第1ステージで記録する。このようにして各直交方向ピクセルhについてPH個のマスク(7h)を記録し、各比較ブロック(相関器)(64h)は自身のマスクセット(7h(p))を使用する。
このようにして作成したB−スキャンOCT画像を下の差し込み図に示し、ここで各Ahスキャン、1,2,...h,...Hまで、のPヶ所の点をP個の比較処理によって作成する。同様に、各B−スキャンは、その深さ方向に沿ったPヶ所の点において離散的にサンプリングされたH個のA−スキャン上に直角に整列したP個のT−スキャンからできていると考えられる。P個のT−スキャンは、B−スキャン画像の直交方向のサイズ内の全ての点H、全て同じ深さp=1〜Pの直交方向に連続した1からHまでの点、について取得した信号から、各深さpごとに一つのT−スキャンT(p)を作成する。
チューニングがTZ=10μsで行われ、光検出器(630)のリニアアレイが時間TH=10μsの間にH=1000ピクセル送り出すことができる場合、A−スキャン内のP=1000ヶ所の点がメモリブロック(30)に記憶する全データを取得するために必要な時間を2PTH=20msとして、K=2Pとなる。これは、図23における実施例においてわずか50Hzであるチューニング速度と比べて掃引光源(12)ではもっとゆっくりとしたチューニング速度が得られ、掃引光源のコストの観点において利点を示す。
である。
GPUカードを平行して使用して処理を行った場合、全てのPH個の比較(相関処理)は1つの比較処理にかかる時間内で行えるため、余分にかかる時間は、各A−スキャンのPヶ所の点の反射を生成するためのもの、つまり、1つの比較(相関)演算にかかる時間である。従来技術のように線形化またはキャリブレーションにかかる時間を割り当てる必要がない。
図27には、1D全領域掃引光源OCT画像化の、本発明による装置の別の実施例を示し、光検出器(630)のアレイのHヶ所の光学位置が平行して読み取られる。この場合、掃引光源(12)の1つの掃引で十分であり、先の図25の実施例のように掃引をK回繰り返す必要がなく、画像表示をもっと速く行える。代わりにここでは1回の掃引で十分なため掃引は速くてもよい。例えば、チューニング速度がTZ=10μsで行えるとする。この場合にはメモリブロック(30)が不要であり、H個のA−スキャンA1,A2,Ah,AHのPヶ所の点は全て、図8’および図23の実施例のように、グラフィックスカード処理上のCUDAまたは、FPGAを使用して平行して搬送される。光学位置の読み取りと同時に(7)からマスクを読み取ることにより、各光学位置は他の全てのものと同時にチャネルスペクトル(60d(p))を送り出す。この同期性はライン13’で保証されている。
図25と同様に、比較ブロック(641)から(64H)はそれぞれP個の比較ブロックを含み、同様にウィンドーブロック(661)から(66H)はP個のブロック(66h(p))を含んでいる。メモリ(7(p))に記憶されているチャネルスペクトルは、全H個の比較ブロック(64h(p))の各入力の一つに送られ、残りの入力は信号(60dh)でふさがっている。
図23の実施例において、飛点型物体アームがH個のピクセルに順次アクセスするため、一つのB−スキャンを完成するためにH回の掃引が必要である。図27において、全ピクセルHのチャネルスペクトルが平行して読み取られて画像内の全PHヶ所の点が原則として短時間TZで送り出すことができるため、1回の掃引で十分である。
図28には、2Dカメラ(650)および掃引光源(12)を使用して、2D全領域OCT画像化を行うための、本発明による装置の別の実施例を示す。この原理に基づいた従来技術のOCTの一例は、J. Wang, M. Hathaway, V. Shidlovski, C. Dainty, A. Podoleanuによる "Evaluation of the signal noise ratio enhancement of SS-OCT versus TD-OCT using a full field interferometer" , Proc. SPIE 7168, 71682K (2009)に掲載された。ここでは、焦点調節素子(521)を使用して掃引光源(12)からコリメートビームを形成している。次に収束素子(522)と(523)を使用しているテレスコープで物体(3)上に円形ビームを投影し、これは2Dカメラ(650)上の収束素子(523)と(524)のテレスコープを介して逆投影され、その間に収束素子(525)と(524)を含んだテレスコープで参照ビームを物体(3)からのビームと干渉するようにカメラ(650)に投影している。
掃引光源(12)は波数WNに対してK個のステップ値に対して掃引し、各値はカメラ(650)のHVピクセル全てについて、K個のセルをHV個の縦列を設けた合計HVK個のデータを含んだメモリブロック(30)に格納する。掃引光源(12)の波数、WN1,WN2,...WNk,...WNKの各値に対して1つのフレームが当てられた、K個の各フレーム毎にデータを取得する。この実施例は図26のものと同様であるが、今回は2Dカメラを使用しており、物体にラインではなく2D領域スポットで光を当てている。
処理ブロック(91)は、各マスク用のメモリブロック(7)と、比較ブロック(64h,v)とウィンドー処理ブロック(66h,v)を対にしてHV個含んでいる。メモリ(30)は、信号をデジタル化する機能をも果たす。メモリ(30)と格納されているマスクの同期した読み取りはライン13’で保証されている。(64)と(66)の各ブロックの対は、カメラ(650)の各ピクセルについて、メモリ(30)の各カラム(h,v)により搬送されるチャネルスペクトル(60dh,v)を(7)に格納しているチャネルスペクトル(Mh,v)と比較することにより、処理する。このようなブロックの対はそれぞれ、実際は図26および図27に示すようにP個のブロック(64h,v(p))および(66h,v(p))、但しp=1,2,...Pを含んでいる。第1のステージでメモリブロック(7)に各マスクを格納するために、物体(3)をミラーで置き換えている。メモリ(30)で収集したデータは、HVK個のセルからなる同様の容量のメモリ(7)へ転送される。第2のステージでは、マスクメモリブロック(7)とメモリ(30)はいずれも記憶装置(7)と(30)の両方において、ライン13’’で同期性を保証しながら、同じカラム指標(h,v)に沿って読み取られる。このようにしてマスクメモリブロック(7)内のカラム(h,v)内にマスクとして格納されているチャネルスペクトルが、メモリブロック(30)内のカラム(h,v)内のチャネルスペクトルと比較(相関)される。平行処理が採用される場合、全HV個の比較処理を1つの比較にかかる時間内に行うことができるため、一番時間のかかる処理はメモリ(30)にデータを投入するものである。
別の方法として、カメラ(650)の中に1つのピクセルを採用している第1のステージで1つのカラムからなるマスク(7)を測定し、続いてメモリ(30)の全HVカラム内の全HV取得チャネルスペクトル(60h,v)の比較に使用している。これにより、格納処理および比較処理が簡略化される。
このような実施例では、データを線形化することなくC−スキャンOCT画像とともにB−スキャンOCT画像を作成できる。
別の方法として、各マスクの格納処理では傾斜ミラーをモデル物体として使用する。このようにして光路差を変えることなく一つの取得処理で必要となる深さでの全てのマスクを収集する。
上記の図26,27および28では、3つのFFTを実行することにより比較を実施でき、図8’では(7’)が(7)の代わりを果たし、(64’)の比較ブロックが(64)のブロックの代わりを果たす。
図29は本発明による装置の別の実施例を、飛点型走査をしないでB−スキャンを提供できる、広帯域光源(11)と2Dカメラ(650)を使用している、1D全領域OCTB−スキャン画像化を開示している。このようなOCT構成を使用している従来技術は、J. Wang, C. Dainty, A. Gh. Podoleanuによる"Line-field spectral domain optical coherence tomography using a 2D camera", Proc. SPIE 7372, 737221 (2009)に開示されている。ここで、2Dカメラ(650)は、転送の際に採用している回折格子(612)の後ろに配置されている。円柱レンズ(521)を使用して物体の直交方向のサイズに沿ったH個のピクセルを対象として、物体(3)にラインを投影しており、物体はカメラ(650)の各ラインとピクセル毎に対応している。物体(3)上のラインのうちの各光学位置h=1〜Hピクセルに対して、回折格子(612)は、2Dアレイ(650)のV個のカラムの沿った、物体と基準からの、2つの重なったビームを回折する。回折方向はカメラ(650)上のV軸の沿っている。
カメラ(650)からのフレームは、カメラの縦カラムに沿って、つまり各ピクセルhについてピクセルv=1,2,...Vに沿って素早く読み取られる。デジタイザ(90(h))での高速デジタル読み取りで、各ピクセルhについてデジタルバージョンのチャネルスペクトル(60dh)を提供する。これは図23’でのように、ライン走査装置(511)を使用してh=1,2,...Hのまで各ピクセルについて、チャネルスペクトルを順次読み取って提供する一つのラインカメラ(614)を有する場合と同様である。ここで走査装置(511)は、読み取り素子(650)で追加した配列(extra dimension)によって置き換えられている。このような実施例はB−スキャンOCT画像しか供給できない。C−スキャンOCT画像を作成するためには、円柱レンズ(521)で作成された水平ラインを垂直方向に移動させるために横方向走査装置(512)を追加し、いくつかのB−スキャンを含んだボリュームを収集してその後ソフトウェアカットも可能にしてできる。
干渉信号(チャネルスペクトル)をより鮮明にするには、上記のJ. Wangによる論文に記載しているように、(524)の後のコリメートビームを回折格子(612)の前に線状スリットと別のレンズ(図示せず)を使用してさらに空間的にフィルタリングする。
図29における比較は図7’でのように、3つのFFTを実行することにより行うことができ、(7’)が(7)の代わりを果たし、(64’)の比較ブロックが(64)のブロックの代わりを果たす。
図26,27,28および29において、(91)での比較は図9に開示しているように、数を減らした逓倍を介した比較演算を使用してまとめることができる。
図30には、横方向断面HVの全てのピクセルに対する格納したバージョンのマスクおよび格納したバージョンのチャネルスペクトルを使用している、図7,8,9または28の実施例で大きさがHxVのP個の正視型画像を同時に作成するための全処理を示すフローチャートを提示している。この手順には3つのステップを要する。
ステップ1:P個のマスクMp(1≦p<P)は、マスク記憶メモリ(7)の中に格納されている。この処理は、Pヶ所の深さからP個のマスクを取得するように、基準ミラー(4)の位置を変えて、(図7,8,9の実施例については)図10の実施例を使用して測定を繰り返すことにより自動化できる。ノイズマスク(7N)も捕捉して格納できる。図28の実施例では、物体(3)の代わりに傾斜ミラーを使用してマスクを取得する。ミラーが図28の面に対して垂直な場合、ピクセルh1,h2,...hVの各ラインは異なるV個の深さについて、所定の深さのマスクを決定し、掃引光源(12)の光周波数に対応した形で記録する(V<Pのとき、またはモデル物体としての傾斜ミラーが対象としている軸範囲を含まない場合には、ミラー(4)の異なる位置に対するマスクの取得を繰り返すことが必要である)。
ステップ2:HxVのチャネルスペクトルSh,v(1≦h<H,1≦v<V)は、メモリの中に格納されている。h,vの各値は、図7,8,9では、それぞれ高速走査装置(511)および低速走査装置(512)に印加する電圧によって決まり、図28ではカメラ(650)のピクセル位置によって決まる。
ステップ3:P個の同時正視型画像8allH,allV(p)(C−スキャン)は、先に記録したチャネルスペクトルSh,vを格納している全P個のマスクMpと比較することにより作成する。全てのOCT正視型画像は平行して作成される。図10に示すように、信号(8)の生成にはノイズマスク(7N(p))の演繹も含むことがある。
図30’には、図7’または8’の実施例で大きさがHxVのP個の正視型画像を同時に作成するための全処理を示すフローチャートを提示している。この手順には3つのステップを要する。
ステップ1:P個のマスクFFT*(Mp)(1≦p<P)は、マスク記憶メモリ(7’)の中に格納されている。この処理は、Pヶ所の深さからP個のマスクを取得するように、基準ミラー(4)の位置を変えて、図10’の実施例を使用して測定を繰り返すことにより自動化できる。ノイズマスク(7’N)も捕捉して格納できる。
ステップ2:HxVのチャネルスペクトルSh,v(1≦h<H,1≦v<V)のFFT(Sh,v)は、図7’または8’においてメモリの中に格納されている。h,vの各値はそれぞれ高速走査装置(511)および低速走査装置(512)に印加する電圧によって決まる。
ステップ3:P個の同時正視型画像8allH,allV(p)(C−スキャン)は、先に記録したチャネルスペクトルS(h,v)のFFTと、格納されている全P個のマスクFFT*(Mp)の積を算定した後に逆FFTを実行することにより作成する。全てのC−スキャンOCT画像は平行して作成される。図10’に示すように、信号(8)の生成にはノイズマスク(7’N(p))の演繹も含むことがある。
図30’は、マスク(7)はマスク記録処理の第1ステージの最中の完全な掃引の後に記録された信号のFFT*を格納するマスク(7’)で置き換えられ、比較ブロック(64)が比較ブロック(64’)((60’)を生成するために(30)から送信された信号のFFTと、(60’)と(7’)の積の逆FFTとを含んでいる)で置き換えられている、比較処理がFFTを介した相関処理であれば、図28の実施例に同様に適用可能である。
走査歪の修正が必要な場合、あるいは湾曲した組織の平坦化したC−スキャンを取得するために、ループにおけるp値セットの繰り返しは直交方向ピクセル(h,v)ごとに代わることがある。
上記記載は、例示および詳述することのみを目的として提示したものである。このため、上記記載は、本発明の全てを開示することまたは本発明を開示している形態に限定することを目的としていない。
本開示において言及している比較処理はの大部分は相関である。しかしながら、このことは、比較ブロック(64(p))によって行われる比較処理、またはブロック(64’(p))を使用したFFTを介した相関を行うときの一般性を限定するものと理解されない。相関演算を繰り返すことなく、当技術分野における他の比較処理も実施することができ、当技術は相関以外の他の処理を使用して類似したチャネルスペクトルパターンの認識に到達するように進展できる。基本的な素子CS(OPDp)の直交性は相関を行うことなく使用できる。まばらな信号処理で始まるパターン認識手法、多次元空間における各機構間の距離の定義に基づいた確率測度は、比較処理の機能を達成するために定義できる。類似性の検出および検知は、本発明の精神から逸脱することなく他の多くの方法で実行できる。
主に(6)((61)または(63))から送り出す電気信号(60)およびマスタ基準信号(70)((70‘))に言及している。同様に、これらの電気信号(60),(70)またはこれらを表すチャネルスペクトルの形状は比較処理のために、例えば、光相関のためにもとの光フォーマットに変換できることは当業者には明白であろう。
主に反射における測定値および画像化に言及しているが、送信における測定値および画像化も同様に実施できる。開示の実施例は全てではなく、例示を目的として提示されており、本発明の範囲に含まれるものと考えられる上記の教示内容を踏まえた改良および変更が可能である。このため、添付の請求の範囲はこのような改良および変更を含むものとし、いずれも本発明の真の範囲に含まれることを理解されたい。
添付の請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の装置の設計および製造に他の改良および改変を使用でき、また開示の方法を適用できる。
例えば、マイケルソン干渉計に言及しているが、SDIおよびSD−OCTを実施する際に使用するMach Aehnder,Sagnacまたはその他のどのような干渉計を使用してもよい。
比較のためのマスクとしてメモリを使用する場合、正視型画像の作成での比較処理では、湾曲したC−スキャンを作成するため、または、組織の既知の曲率を補うために各ピクセル(h,v)ごとに、他のマスクを使用できることは明白であろう。これは(51)を使用しているときは、図10および10’に関連して説明しているが、この処理は図26〜29の全領域実施例においても同様に使用できる。このような処理は、見かけ上平坦な網膜からC−スキャンを作成するために、湾曲していることが知られている網膜の正視型OCT画像を生成する際に特に有用である。同様にB−スキャンのみを作成する実施例において、チャネルスペクトル(60)とpの対象となっている主要な深さ辺りのOPD値からのマスク、つまり同じマスクpではなくいくつかの周辺の値、との比較処理を行うことにより、生成したT−スキャンを深さ方向に湾曲させることができる。物体または組織の曲率を測定または推定して、C−スキャンまたはB−スキャンを組み立てるために順次採用するT−スキャンにおける各横方向ピクセル(h,v)に対して、どのマスクを使用するかを判断してもよい。
図10および10’に詳細している、飛点型の場合と同様に、また全領域実施例と同等に、モデル物体は湾曲したミラーを含むことができ、この場合にはチャネルスペクトルを各直交方向ピクセルのこのようなマスクと比較することにより同じ曲率の湾曲した物体の反り戻しが行われる。この場合、第1のステージでマスクMh,v(p)を収集し、ここでpはOPD値を表さないで、P個のマスクを取得するステージ(45)に設定された基準値の集合の中の数値を表す。
光源は拍動していてもよい。光源は連続(CW)していてもよい。
変更例には、応用光学、共焦顕微鏡および光生理学などにおける、特に正視型表示が必要な場合の、検知やOCT画像化における様々な分野における本発明の実施を含むこともある。
図4,7,7’,12,13,23’ および29における実施例のセットはSB原理の一般的な説明を提供していることが当業者には明白であろう。これは、米国7995207特許明細書に記載されているように、SB−OCTのタルボットバンド(Talbot bands)構成を実施するために、物体(3)および基準(4)からの2つのビームを(6)の分光計(61)に向けた個別経路にて搬送するケースを含むであろう。
プログラミングの進歩および、信号処理インターフェースおよび手順の発展により、調査を早めるために全てのチャネルについて比較処理を平行して実行でき、中央処理装置を組み合わせて用いて平行してデータを処理して表示することにより、グラフィックスカードおよびフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を使用できる。
光検出器(63)および分光計(61)は一例としてのみ記載している。図17および63に示すように、通常SS−OCTでは平衡検波器が採用され、Bradu, A. and Podoleanu, A. Gh による"Fourier domain optical coherence tomography system with balance detection", Opt. Express 20, 17522-17538 (2012)の論文に記載されているように、SB−OCTではカメラを使用しても平衡検波を採用できる。
走査装置を伴う飛点型の概念における、一般的な説明では、一度に照射された横方向断面のピクセルからの光を収集するために1Dまたは2Dカメラを使用する全領域型で置き換えられる。
マスタ干渉計を使用する場合、本開示ではスレーブ干渉計で採用するものと同じ光源を示していた。記載の原理は、マスタ干渉計が異なる光源を使用しても同様に機能する。さらに、同じシステムにおいてマスタ干渉計とスレーブ干渉計は異なるSDI手法を採用でき、例えば、それぞれ、MIにおけるSSおよびSIにおけるSBあるいはMIにおけるSBおよびSIにおけるSS。マスクの書込み処理は、測定するスレーブ干渉計が採用するものとは異なるSD原理を使用できる。