JP6358035B2 - 測定装置、測定方法、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents
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Description
図14は、従来例を示し、被測定物の内部に液層部が存在するか否かを測定する測定方法の一例を示す概略模式図である。
非特許文献1の技術では、被測定物の表面に1個の送信用電磁超音波センサを配置し、被測定物の裏面に1個の受信用電磁超音波センサを配置して、縦波を送受信する。そして、非特許文献1の技術では、固層部と液層部とで縦波の超音波速度が異なることを利用して、送信用電磁超音波センサから縦波の超音波を送信した後から受信用電磁超音波センサで受信するまでの伝播時間を計測することにより、被測定物の内部に液層部が存在するか否かを測定するようにしている。
特許文献1及び特許文献2では、被測定物の表面に1個の送信用電磁超音波センサを配置し、被測定物の裏面に1個の受信用電磁超音波センサを配置して、横波を送受信する。そして、特許文献1及び特許文献2では、横波の透過率を計測することにより、被測定物の内部に液層部が存在するか否かを測定するようにしている。
被測定物200は、図1に示すように、内部から、液相部201、固液共存相部202及び固相部203を順次備えているものとする。即ち、被測定物200は、内部に固液共存相部202が存在するものである。ここで、被測定物200の厚みはDとする。また、被測定物200の表面には、電磁超音波センサが配置されるが、その表面領域を以下に示す第1の表面領域210〜第3の表面領域230に分けて定義する。
本実施形態に係る測定装置100は、被測定物200における厚み方向の中心固相率を測定する装置である。この測定装置100は、図2に示すように、電磁超音波センサ110と、横波超音波送受信装置120と、操作入力装置130と、制御装置140と、表示装置150を有して構成されている。ここで、図2に示す例では、電磁超音波センサ110は位置が固定されており、ロールの回転によって被測定物200が紙面左側から紙面右側に移動するものとする。
図3は、いわゆる共振法の原理を説明するための図である。
ここで、超音波が伝播する厚みをd、整数をn、超音波の波長をλ、超音波の音速をV、共振周波数をfnとすると、以下の(1)式が成り立つ。
2d=nλ=nV/fn ・・・ (1)
fn=nV/(2d) ・・・ (2)
Δf=fn+1−fn
=(n+1)V/(2d)−nV/(2d)=V/(2d) ・・・ (3)
図1に示す第3の表面領域230については、被測定物200の厚み方向に固相部203のみが存在するため、伝播する横波超音波は、上述した図3(a1)及び図3(a2)のように考えることができる。
具体的に、本発明者は、図5に示す鋳造速度Vc=1.25mpmの場合には、電磁超音波センサ110が図1に示す第2の表面領域220に配置されており、図6(b)に示すように、被測定物200における厚み方向の中心位置付近には固液共存相部202が存在していると考えた。そして、本発明者は、その理由を以下のように考えた。
上述したように、固液共存相部202では、固相率に応じて横波超音波が透過することになる。例えば、固相率が50%の領域では、横波超音波は、50%が透過し、50%が反射する状況になる。上述の(3)式に示す共振周波数間隔Δfの式(Δf=V/(2d))により、被測定物200の全厚みD(d=282mm)で横波超音波が共振する場合(図6(b)に示す横波超音波が固液共存相部202を透過する[1]の場合)、共振周波数間隔Δfは小さくなり、図6(a)に示す共振周波数の[1]に対応していると考えた。一方、被測定物200の厚みDの略半分の厚み(d=140mm)で横波超音波が共振する場合(図6(b)に示す横波超音波が固液共存相部202で反射する[2]の場合)、この共振周波数間隔Δfは、図6(b)に示す[1]の場合の共振周波数Δfの略2倍の大きさになり、図6(a)に示す共振周波数の[2]に対応していると考えた。そして、図6(a)において、[1]及び[2]が重なった共振周波数では、算出される波形エネルギー値が比較的大きくなり(第1のエネルギー値601となり)、[1]のみの共振周波数では、算出される波形エネルギー値が比較的小さくなる(第2のエネルギー値602となる)と考えた。
・横波超音波送受信装置120から送信する送信波は、図7(a)に示すような時間幅が200μsの横波バースト波とした。
・図7(b)に示すシミュレーションモデルの上面の20mmの部分を、図7(a)に示す横波バースト波の送信部とした。
・図7(b)に示すシミュレーションモデルでは、被測定物200の全厚みを140mm、上層の固相部203の厚みを68.5mm、中心位置付近の固液共存相部202の厚みを3mm、下層の固相部203の厚みを68.5mmとした。
・固相部203は、密度ρ1=7.8×10-6(kg/mm3)とし、横波音速V1=3.2×106(mm/s)とした。
・固液共存相部202は、密度ρ2=7.7×10-6(kg/mm3)とし、横波音速V2=1.2×106(mm/s)とした。この際、固液共存相部202の透過率は、t=(2ρ2V2)/(ρ1V1+ρ2V2)=0.5となるので、透過率50%(反射率50%)の条件を模擬していることになる。
・受信波の処理は、200μsの送信波の送信直後から、200μs〜1000μsの時間域の受信波(受信信号)についてFFTを行い、送信周波数成分をのみを抽出し、その送信周波数成分のみを波形エネルギー値と定義して算出した。
・要素サイズ(FEM等の場合のメッシュサイズ)を0.1mmとした。
・なお、図7(b)に示す被測定物200の左境界面は、左右対称境界であるため、実際の送信部のサイズは40mmであり、解析時間の短縮のために、右半分を解析した。
図8(c)は、図8(a)に示す実験結果について、縦軸をB/Aパラメータとして表した図である。図8(c)をみると、図8(a)に示すように鋳造速度Vcを変化させた際に、被測定物200における厚み方向の中心固相率も変化しているはずであり、その変化に対応してB/Aパラメータの値も変化していることが分かる。
d=K√(T/60) ・・・ (4)
なお、図10(a)に示す実験では、上述したように図9に示す被測定部の下面に電磁超音波センサ110を配置し、図9の長さ150mmの縦方向に横波超音波を伝播させた。即ち、図10(a)に示す実験において、被測定部の全厚みは150mmである。
中心固相率(%)=(TL−T)/(TL−TS)×100 ・・・ (5)
この(5)式において、TLは凝固開始温度、TSは凝固完了温度であり、鉄鋼成分の組成により一義的に決まる値である。また、(5)式において、Tは、熱電対により計測される被測定物の150mm厚の中心部の温度である。なお、(5)式は、川和らの式として知られている。
図12は、本発明の実施形態を示し、図2の相関関係データ記憶部144に予め記憶されている相関関係データの一例を示す図である。図12において、横軸は、第2のエネルギー値(B)の第1のエネルギー値(A)に対する比であるB/Aパラメータを示し、縦軸は、被測定物200における厚み方向の中心固相率を示す。この図12に示す相関関係データを用いれば、B/Aパラメータを算出すれば被測定物200における厚み方向の中心固相率を求めることができる。
図13は、本発明の実施形態に係る測定装置100による測定方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図13のフローチャートによる処理の開始の時点で、図2の相関関係データ記憶部144には図12に示すような相関関係データが既に記憶されているものとする。
さらに、本実施形態によれば、被測定物200の表面のある地点に配置された1つの電磁超音波センサ110を介して横波超音波を順次送受信して被測定物200における厚み方向の中心固相率を測定するようにしたので、図14に示す被測定物の表面及び裏面の両方に電磁超音波センサを配置して測定する場合と比較して、設備のメンテナンス性を良好にすることができる。
上述した実施形態では、図2の比算出部143で算出される比としてB/Aパラメータを適用した例を示したが、本発明においてはこの形態に限定されるものではない。例えば、一例ではあるが、図2の比算出部143で算出される比としてA/Bパラメータを用いる形態も適用可能である。この場合には、図12に示す、相関関係データ記憶部144に予め記憶しておく相関関係データとして、当該A/Bパラメータと被測定物200における厚み方向の中心固相率との相関関係を示すデータを適用する形態を採る。
即ち、上述した実施形態の測定装置100の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明に含まれる。
Claims (9)
- 被測定物の測定を行う測定装置であって、
前記被測定物の表面から当該被測定物の厚み方向に複数の異なる周波数の横波超音波を送信する横波超音波送信手段と、
前記被測定物の厚み方向を伝播した前記複数の異なる周波数の各周波数の横波超音波を前記被測定物の前記表面で受信する横波超音波受信手段と、
前記横波超音波受信手段で受信した前記各周波数の横波超音波に基づいて、前記被測定物の厚み方向における複数の共振周波数を検出する共振周波数検出手段と、
前記複数の共振周波数における横波超音波のエネルギー値を算出するエネルギー値算出手段と、
前記エネルギー値算出手段で算出されたエネルギー値であって、前記複数の共振周波数の隣接する2つの共振周波数における横波超音波のエネルギー値のうちの大きい値のエネルギー値である第1のエネルギー値と、前記隣接する2つの共振周波数における横波超音波のエネルギー値のうちの小さい値のエネルギー値である第2のエネルギー値とに基づいて、前記被測定物における厚み方向の中心固相率を算出する中心固相率算出手段と
を有することを特徴とする測定装置。 - 前記第2のエネルギー値の前記第1のエネルギー値に対する比を算出する比算出手段を更に有し、
前記中心固相率算出手段は、前記比算出手段で算出された比に従って、前記中心固相率を算出することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。 - 前記エネルギー値算出手段で算出されるエネルギー値は、前記周波数の増加とともに、前記第1のエネルギー値と前記第2のエネルギー値とが交互に繰り返され、
前記比算出手段は、前記第2のエネルギー値における平均値の、前記第1のエネルギー値における平均値に対する比を算出することを特徴とする請求項2に記載の測定装置。 - 前記第2のエネルギー値の前記第1のエネルギー値に対する比と前記中心固相率との相関関係を示すデータである相関関係データを記憶する相関関係データ記憶手段を更に有し、
前記中心固相率算出手段は、前記相関関係データを参照して、前記比算出手段で算出された比に対応する、前記中心固相率を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の測定装置。 - 前記横波超音波送信手段および前記横波超音波受信手段は、同一の電磁超音波センサを介して、それぞれ、前記横波超音波の送信および受信を行うものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の測定装置。
- 前記被測定物は、内部に固液共存相部が存在するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の測定装置。
- 被測定物の測定を行う測定装置による測定方法であって、
前記被測定物の表面から当該被測定物の厚み方向に複数の異なる周波数の横波超音波を送信する横波超音波送信ステップと、
前記被測定物の厚み方向を伝播した前記複数の異なる周波数の各周波数の横波超音波を前記被測定物の前記表面で受信する横波超音波受信ステップと、
前記横波超音波受信ステップで受信した前記各周波数の横波超音波に基づいて、前記被測定物の厚み方向における複数の共振周波数を検出する共振周波数検出ステップと、
前記複数の共振周波数における横波超音波のエネルギー値を算出するエネルギー値算出ステップと、
前記エネルギー値算出ステップで算出されたエネルギー値であって、前記複数の共振周波数の隣接する2つの共振周波数における横波超音波のエネルギー値のうちの大きい値のエネルギー値である第1のエネルギー値と、前記隣接する2つの共振周波数における横波超音波のエネルギー値のうちの小さい値のエネルギー値である第2のエネルギー値とに基づいて、前記被測定物における厚み方向の中心固相率を算出する中心固相率算出ステップと
を有することを特徴とする測定方法。 - 被測定物の測定を行う測定装置による測定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記被測定物の表面から当該被測定物の厚み方向に複数の異なる周波数の横波超音波を送信する横波超音波送信ステップと、
前記被測定物の厚み方向を伝播した前記複数の異なる周波数の各周波数の横波超音波を前記被測定物の前記表面で受信する横波超音波受信ステップと、
前記横波超音波受信ステップで受信した前記各周波数の横波超音波に基づいて、前記被測定物の厚み方向における複数の共振周波数を検出する共振周波数検出ステップと、
前記複数の共振周波数における横波超音波のエネルギー値を算出するエネルギー値算出ステップと、
前記エネルギー値算出ステップで算出されたエネルギー値であって、前記複数の共振周波数の隣接する2つの共振周波数における横波超音波のエネルギー値のうちの大きい値のエネルギー値である第1のエネルギー値と、前記隣接する2つの共振周波数における横波超音波のエネルギー値のうちの小さい値のエネルギー値である第2のエネルギー値とに基づいて、前記被測定物における厚み方向の中心固相率を算出する中心固相率算出ステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 請求項8に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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| JP2014210065A JP6358035B2 (ja) | 2014-10-14 | 2014-10-14 | 測定装置、測定方法、プログラム及び記憶媒体 |
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