実施の形態1.
この発明の実施の形態1について、図1〜11を参照して説明する。図1および図2は、実施の形態1の冷蔵庫の側断面図および正面図である。冷蔵庫1は、例えば家庭用冷蔵庫である。図1に示すように、冷蔵庫1は、複数の貯蔵室、すなわち、冷蔵室11、切替室12、製氷室13(図2)、冷凍室14および野菜室15を備えている。
ここでは、冷蔵室11が最上段に配置され、その下に切替室12および製氷室13が左右に並んで配置され、その下に冷凍室14が配置され、最下段に野菜室15が配置されている。但し、このような配置に限定されるものではない。
冷蔵室11は、前面に観音開き(あるいは片開き)の回動扉11aを備えている。冷蔵室11の内部は、食品棚11bによって複数の空間に区画されている。最下段の食品棚11bの下側にはチルド室が設けられ、前方に引き出し可能なチルドケース11cが配置されている。
切替室12は、冷凍の温度帯(例えば−18℃)およびソフト冷凍の温度帯(例えば−7℃)の2通りに温度の切り替えが可能な貯蔵室である。切替室12は、前面に引き出し扉12aを備え、内部に食品収納ケース12bを備えている。製氷室13は、切替室12と同じ高さで並んで配置され、前面に引き出し扉13aを備え、内部に氷収納ケース(図示せず)を備えている。
冷凍室14は、前面に引き出し扉14aを備え、内部に食品収納ケース14bを備えている。野菜室15は、前面に引き出し扉15aを備え、内部に野菜収納ケース4を備えている。なお、冷蔵庫1の各貯蔵室は、これらの例に限定されるものではない。
冷蔵庫1は、各貯蔵室を冷却するための冷凍サイクル装置を有している。冷凍サイクル装置は、冷蔵庫1の背面側(後方)の下部に設けられた圧縮機17と、圧縮機17から吐出された冷媒を凝縮させる凝縮器(図示せず)と、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる絞り装置(図示せず)と、絞り装置で膨張した冷媒との熱交換によって空気を冷却する冷却器18と、冷却された空気を各貯蔵室に送るための送風機(送風ファン)19と、空気の通路である送風路22とを備えている。送風機19の下側には、霜取装置23が配置されている。
冷却器18によって冷却された空気は、送風機19によって各貯蔵室(冷蔵室11、切替室12、製氷室13、冷凍室14および野菜室15)に送られ、各貯蔵室の内部を冷却する。各貯蔵室内の収納物を冷却して暖められた空気は、各貯蔵室に設けられた吸込口から戻りダクトを経由して冷却器18の周囲に戻り、冷却器18によって冷却され、再び各貯蔵室に送風される。
冷蔵庫1の前面には、操作入力部としての操作パネル21が配設されている。操作パネル21は、使用者が各貯蔵室の温度等の設定を入力する部分である。なお、操作パネル21は、ここでは冷蔵室11の回動扉11aに配置されているが、使用者によって操作しやすい位置であればよい。
冷蔵庫1には、冷蔵庫1の全体を制御する制御部20(制御基板)が設けられている。制御部20は、各貯蔵室に設けられた温度検出センサ(例えばサーミスタ)の出力信号および操作パネル21の設定情報に基づいて、圧縮機17、送風機19、および各貯蔵室につながるダンパ(図示せず)の動作を制御する。制御部20は、また、外部機器との通信を行う。例えば、スマートフォンからの設定温度の変更指示あるいは庫内状況の確認指示等を受信し、またこれらの指示に対する応答を送信する。
各貯蔵室の内部の温度は、図示しない温度検出センサ(例えばサーミスタ)によって検出される。制御部20は、温度検出センサによる検出温度が予め設定された温度になるように、図示しないダンパの開度、圧縮機17の容量、および送風機19の送風量等を調整する。
冷蔵庫1は、発泡ウレタンまたは真空断熱材等の断熱部材を有する筐体16によって覆われている。また、冷蔵庫1の各貯蔵室の間にも、発泡ウレタンまたは真空断熱材等の断熱部材を有する仕切りが設けられている。
この実施の形態1の冷蔵庫1は、野菜室15に、野菜収納ケース4内に収納された野菜に光を照射する発光装置5を備えている。以下では、野菜室15および発光装置5の構成について説明する。
図3は、野菜室15とその周囲の構成を示す図である。野菜室15には、野菜および大型(例えば2リットル)のペットボトル201を収納する野菜収納ケース4が設けられている。野菜収納ケース4は、上述した引き出し扉15aと一体となって前後方向(図1に矢印Bで示す方向)に移動可能に構成されている。野菜室15の前方上部には、引き出し扉15aの開閉を検知する扉開閉センサ25が設けられている。
扉開閉センサ25は、引き出し扉15aの開状態を検知したときにはON信号を出力し、閉状態を検知したときにはOFF信号を出力する。扉開閉センサ25のON信号とOFF信号とを総称して、扉開閉信号と称する。制御部20は、引き出し扉15aが開放されている時間(扉開放時間)を計測し、種々の制御パラメータとして利用し、あるいは扉開放時間が設定時間を超えた場合にブザー音を発して使用者に注意を促す。なお、野菜室15以外の貯蔵室にも、同様の扉開閉センサが設けられている。
野菜収納ケース4は、上下2段に分割された構成を有している。より具体的には、野菜収納ケース4は、下部ケース41と上部ケース42とを有している。下部ケース41は背面の一部、すなわち発光装置5の前方に位置する部分が開口しており、扉閉時に下部ケース41内に発光装置5の光が照射される構成となっている。なお、下部ケース41および上部ケース42は、いずれも、一部または全部を透明のプラスチック等で形成し、発光装置5の光を透過するようにしてもよい。
下部ケース41(大物野菜ケース)には、比較的大きい野菜、例えば、ホウレンソウ、小松菜、キャベツおよび白菜等の葉物野菜(葉菜類)202、並びに、ジャガイモおよび大根等の重い根菜類203が収納される。上部ケース42(小物野菜ケース)には、比較的小さい野菜、例えば、使いかけの野菜、並びに、キュウリおよびトマト等が収納される。
図4は、野菜収納ケース4の形状の一例を示す模式図である。下部ケース41は、前面部41a、背面部41b、左側面部41c、右側面部41dおよび底面部41eを有しており、上方が開放されている。上部ケース42は、前面部42a、背面部42b、左側面部42c、右側面部42dおよび底面部42eを有しており、上方が開放されている。
上部ケース42は、下部ケース41の左右の側面部41c,41d上で保持されている。下部ケース41の側面部41c,41dの前方部分(前面部41aに近い部分)は、他の領域よりも高さが高く形成されており、上部ケース42の前端位置を規制している。そのため、下部ケース41内の前方に、上部ケース42に覆われない領域が形成される。この領域には、例えば大型のペットボトル201(図3)が収納される。
図3に戻り、野菜室15は、野菜収納ケース4の底面に対向する底部31と、野菜収納ケース4の上面に対向する天井部32と、野菜収納ケース4の背面に対向する背面壁33と、野菜収納ケース4の左右両側面に対向する側壁34,35(図2)とを有している。
野菜室15の背面壁33には、野菜収納ケース4の背面に対向するように、発光装置5が配置されている。発光装置5は、野菜収納ケース4の鉛直方向中央よりも上方に配置されている。ここでは、発光装置5は、野菜収納ケース4の下部ケース41の背面部41bに対向する位置に配置されている。すなわち、発光装置5は、上部ケース42よりも低い位置に配置されている。また、発光装置5は、例えば、図2に符号A1で示すように、冷蔵庫1の左右方向における中央部に配置されている。
野菜室15の背面壁33は、上述した断熱部材で構成されており、強度が高い。そのため、発光装置5を背面壁33に配置することにより、発光装置5のLED(後述)に加わる振動を抑制し、信頼性を向上することができる。また、冷蔵庫1の背面側には、送風機19およびダンパ等の駆動部品も配置されているため、発光装置5への配線が容易になるという利点もある。
なお、発光装置5の配置は、上述した例に限定されるものではない。例えば、図3に符号A2で示したように、発光装置5を、野菜室15の背面側の上方の隅に配置してもよく、あるいは、図2に符号A3で示したように、発光装置5を、野菜室15の背面側の右上コーナーまたは左上コーナーに配置してもよい。野菜には直方体のように角張った形状のものは少なく、野菜収納ケース4の背面側の上方には野菜が存在しない場合が多い(光を遮るものが少ない)ため、発光装置5をこれらの位置に配置しても、野菜収納ケース4内の比較的広い範囲に光を照射することができる。
また、図2に符号A4で示したように、発光装置5を、野菜室15の側壁34または側壁35に配置してもよい。この場合、発光装置5のLEDの点灯状態を使用者が確認しやすいという利点がある。
また、図2に符号A5で示したように、発光装置5を、野菜室15の天井部32に設けてもよい。天井部32は、野菜室15と冷凍室14との仕切りとなっており、冷蔵庫1の筐体16から取り外し可能である。そのため、天井部32に発光装置5を取り付けた場合には、故障時の着脱が容易になるという利点がある。
発光装置5は、野菜収納ケース4の鉛直方向中央よりも上方に配置され、且つ、出射光軸Axが水平面Hに対して下方に傾くように配置されている。このように配置することで、野菜収納ケース4の下部ケース41内に収納された野菜に、効率よく光を照射することができる。以下では、発光装置5の具体的な構成について説明する。
図5および図6は、発光装置5の構成例を示す断面図および正面図である。発光装置5は、波長の異なる複数の半導体発光素子を備えている。具体的には、発光装置5は、赤色光(波長が600〜780nmの光)を発光する第1の発光部としてのLED51a,51bと、緑色光(波長が500〜550nmの光)を発光する第2の発光部としてのLED52a,52bと、青色光(波長が430〜500nmの光)を発光する第3の発光部としてのLED53a,53bとを備えている。
図6に示すように、赤色のLED51a,51bは左右に並んで配置され、LED群51を構成している。赤色のLED51a,51bの下側には、青色のLED53a,53bが左右に並んで配置され、LED群53を構成している。青色のLED53a,53bの下側には、緑色のLED52a,52bが左右に並んで配置され、LED群52を構成している。ここでは、各色のLEDを2つずつ配置しているが、1つずつ配置してもよく、3つ以上配置してもよい。
図5に戻り、発光装置5は、LED51a,51b,52a,52b,53a,53b(以下、LED51a〜53b)が半田により固定された実装基板55と、LED51a〜53bの出射側を覆うカバー部材54を備えている。カバー部材54は、LED51a〜53bから出射された光を透過する部材で構成されている。
カバー部材54は、LED51a〜53bの出射側に配置された出射面部54aと、LED51a〜53bおよび実装基板55の周囲を囲む周壁部54bと、周壁部54bの端部に形成された基部54cとを有している。カバー部材54の基部54cは、背面壁33に固定される。
LED51a〜53bが固定された実装基板55は、冷蔵庫1の振動により照射角度が変動しないよう、ネジ56によってカバー部材54の出射面部54aに固定されている。また、実装基板55の回路の短絡を防止するため、カバー部材54の裏面側はシール57で覆われている。
発光装置5は、LED51a〜53bの光軸である出射光軸Axが、水平面Hに対して角度θだけ下方を向く角度で、野菜室15の背面壁33の上部(野菜収納ケース4の鉛直方向の中央よりも上側の部分)に組み込まれている。角度θは、後述するように、5〜85°、望ましくは10〜45°の範囲である。
図5に示した構成例では、LED51a〜53bの出射光軸Axを水平面Hに対して傾斜させるため、背面壁33に傾斜した取り付け面33aを形成し、この取り付け面33aに発光装置5を取り付けている。
但し、図5に示した構成に限らず、LED51a〜53bの出射光軸Axを水平面Hに対して傾斜させることができればよい。例えば、図7に示すように、LED51a〜53bを、長いリード(脚)58を有する砲弾状のLEDで構成し、各リード58を水平面Hに対して角度θだけ傾斜させてもよい。
また、図8に示すように、LED51a,51bを固定した実装基板55aと、LED52a,52bを固定した実装基板55bと、LED53a,53bを固定した実装基板55cとを互いに別々の部材で構成し、それぞれ支持基板59の傾斜面に取り付けてもよい。
図7および図8の構成であれば、発光装置5を全体的に傾斜させる必要がない。そのため、野菜室15の背面壁33の壁を薄くする(断熱性を低下させる)必要がなく、また、野菜収納ケース4を収納するスペースを小さくする必要もないというメリットがある。
図9は、発光装置5の回路構成を示す図である。図9に示すように、LED51a〜53bは、DC(直流)2V〜15Vの電圧源に並列に接続されている。また、LED群51,52,53毎に、マイクロコンピュータ101,102,103が接続されている。すなわち、LED51a,51bは、マイクロコンピュータ101によって10〜50mAの電流を流すことで発光する。LED52a,52bは、マイクロコンピュータ102によって10〜50mAの電流を流すことで発光する。LED53a,53bは、マイクロコンピュータ103によって10〜50mAの電流を流すことで発光する。
制御部20は、LEDの色毎に(すなわち赤色、青色および緑色のそれぞれについて)、野菜の機能の活性化に効果的な光量および照射時間の組み合わせを予め記憶している。制御部20は、記憶した光量および照射時間の組み合わせに基づいて、マイクロコンピュータ101,102,103を駆動する。
なお、各LEDに流れる電流は10〜50mAと小さいため、安全性が高い。また、LED51a〜53bをグループ毎(LED群51,52,53毎)に制御するため、マイクロコンピュータのポート数を少なくすることができ、制御部20を簡素化することが可能になる。
次に、発光装置5による光照射の作用について説明する。まず、光合成反応について説明する。光合成反応を化学式で表すと、以下の式(1)のように表される。
6CO2+12H2O+688kcal→C6H12O6+6H2O+6O2…(1)
式(1)で、CO2は二酸化炭素であり、H2Oは水であり、O2は酸素である。688kcalは光エネルギーであり、C6H12O6はブドウ糖である。この反応は、光エネルギーを利用する明反応と、光エネルギーを利用しない暗反応とに区分される。
明反応は、光エネルギーを化学エネルギーに変える反応であり、この段階では二酸化炭素は利用されず、クロロフィル等の色素が光エネルギーを使って水を水素と酸素に分解し、酵素タンパク質の働きで化学エネルギーを蓄える。一方、暗反応では明反応で生じた水素と大気中の二酸化炭素とを使ってブドウ糖を合成する。ブドウ糖が増加した野菜は、貯蔵性が向上し、またビタミンCを生成する。
この実施の形態1では、赤色光、緑色光および青色光を用いており、これらは個別に効果を有している。赤色光は、野菜のクロロフィルの吸収率が高い波長であり、葉の表面で吸収されて光合成に利用される。緑色光は、クロロフィルの吸収率が低いため、葉の内部にまで浸透し、反射を繰り返して吸収されて、光合成に利用される。青色光は、光が照射されたことを野菜に伝えるための信号となり、かつ気孔を開いて二酸化炭素を取り込めるようにするために利用される。これらの効果により、式(1)に示される光合成反応が効率よく促進される。
下部ケース41に収納される野菜のうち、光を照射した方が望ましい野菜は、例えば、ホウレンソウ、コマツナおよびキャベツ等の葉物野菜である。一方、光を照射しない方が望ましい野菜は、例えばジャガイモである。葉物野菜およびジャガイモは、いずれも下部ケース41の底面部41e上に置かれるが、ジャガイモは葉物野菜よりも高さが低い。
そのため、発光装置5の出射光軸Axの角度θを5〜85°(より望ましくは10〜45°)に設定することにより、光を照射した方が望ましい野菜(葉物野菜)に光を照射し、光を照射しない方が望ましい野菜(ジャガイモ)には光を照射しないようにすることができる。
なお、下部ケース41の前方には、大型のペットボトル201等を収納する領域が設けられているが、この領域に収納される収納物は光照射による影響を受けないため、角度θの設定には影響しない。
発光装置5は、下部ケース41の底面部41eから上部ケース42の底面部42eまでの高さの中央よりも上方に配置することが望ましい。発光装置5をこのように配置すれば、例えばホウレンソウ等の縦長の葉物野菜を、下部ケース41の背面部41bに立てかけて置いた場合も、あるいは下部ケース41の底面部41e上の中央に横にして置いた場合も、当該縦長の葉物野菜に光を照射することができる。
ここでは、大物野菜ケースである下部ケース41の上に小物野菜ケースである上部ケース42を設けたが、上下を逆にし、小物野菜ケースの上に大物野菜ケースを設けてもよい。このようにすれば、小物野菜ケースに収納した小物野菜が大物野菜ケースに転がり込んで気づかないうちに腐敗することがなくなり、また、大物野菜ケースが小物野菜ケースの蓋として機能するため、使いかけ野菜の乾燥が抑制される等、野菜室15に収納した野菜の品質を全体的に向上することができる。
次に、以上のように構成された冷蔵庫1における発光装置5の光照射制御について説明する。まず、野菜の機能の活性化の概念について説明する。生物は概日リズムを持つ、すなわち昼夜があることを正常な状態として生きているものが多く、植物も例外ではない。従って保存中といえども野菜は生きており、収穫前と同様に光が照射される時間帯と光が照射されない時間帯が交互に来る、すなわち昼夜がある環境を提供する方が望ましい。
そのため、発光装置5は、LEDの点灯および消灯を一定のリズムで繰り返す。LEDの点灯時間および消灯時間は、それぞれが5時間以上、望ましくは5〜15時間である。あまり短いサイクルで点灯と消灯とを繰り返すと、光による生合成機能活性化が起きる前に暗くなり、光を照射しないのと変わらないことになるためである。
植物に青色光を照射することは、植物に光の照射が開始されたことを知らせる合図となるため、植物(ここでは野菜)は気孔を開いて生合成に必要な二酸化炭素を空気中から取り込む。青色光を当てるのと同時に、野菜のクロロフィル活性化、並びに生合成機能によるブドウ糖の生成およびこれに伴うビタミンC等の合成を促す赤色光および緑色光を照射する。
なお、青色光は、赤色光および緑色光よりも弱い光量の方が効率的である。そのため、青色光の光量は、赤色光および緑色光の各光量の1/4以下であることが望ましく、より望ましくは1/5〜1/10である。なお、野菜の気孔を開かせた後は、青色光を消灯することが望ましい。このように光照射を一定時間続けた後、発光装置5のLEDを消灯する。
以上の点を踏まえ、発光装置5の動作(光照射制御)について説明する。図10は、発光装置5の動作の流れを示すフローチャートである。冷蔵庫1の電源が投入されたのち、使用者による操作パネル21の操作に応じて、制御部20は、野菜の概日リズムに即した光照射制御を開始する(ステップS1)。まず、現在が光照射を行うべき時間帯(昼間帯)かどうかを判定する(ステップS2)。
昼間帯か夜間帯かの判定は、制御部20に設けられた24時間タイマを用いて行う。例えば、6時〜18時を昼間帯とし、それ以外を夜間帯と予め設定しておく。この昼間帯と夜間帯のタイミングは、季節によって変化させてもよい。例えば、夏至の時期に昼間帯が最も長く、冬至の時期に昼間帯が最も短くなるように設定してもよい。また、ここでは、昼間帯と夜間帯とを合わせて24時間としているが、この長さを適宜変えてもよい。
ステップS2において、現在が昼間帯であると判断した場合には、制御部20は、昼モードでの光照射を開示する。すなわち、LED51a,51bによる赤色光の照射、LED52a,52bによる緑色光の照射、およびLED53a,53bによる青色光の照射を、同時に開始する(ステップS3)。上記の通り、赤色光および緑色光は、野菜の機能の活性化に適した光であり、青色光は、野菜の気孔を開くトリガーとなる光である。そして、制御部20は、例えばタイマによる昼モードの時間計測を開始する(ステップS4)。
LED53a,53bによる青色光の照射は、野菜の気孔が開くまでに必要な時間、例えば10分以上行い、その時間の経過後は、LED53a,53bを消灯する(ステップS5)。その後、昼モード開始からの経過時間を取得し(ステップS6)、経過時間が予め設定した昼モード上限時間に達すると(ステップS7)、夜モードに移行してLED51a,51b,52a,52bを消灯する(ステップS8)。これにより、全てのLED51a〜53bが消灯したこととなり、夜モードが開始される。
制御部20は、夜モードの開始と共に、例えばタイマによる夜モードの時間計測を開始する(ステップS9)。その後、夜モード開始からの経過時間を取得し(ステップS10)、経過時間が予め設定した夜モード上限時間に達すると(ステップS11)、上記のステップS3に戻って昼モードの光照射を開始する。
図11は、発光装置5の動作を示すタイミングチャートである。図11に示すように、昼間帯の開始と共に、LED51a,51bによる赤色光の照射、LED52a,52bによる緑色光の照射、およびLED53a,53bによる青色光の照射が同時に開始される。
野菜の気孔が開くまでに必要な時間が経過すると、LED53a,53bによる青色光の照射のみが停止する。これにより、野菜収納ケース4内の野菜には、光合成に利用される赤色光および緑色光が照射される。そして、昼間帯の終了と共に、LED51a,51bによる赤色光の照射、およびLED52a,52bによる緑色光の照射が停止する。これにより、野菜収納ケース4内の野菜には光が照射されない環境となる。
なお、ここでは、昼間帯と夜間帯の判断を24時間タイマによって行ったが、タイマを用いない方法も可能である。例えば、野菜室15の扉開閉センサ25の出力に基づき、引き出し扉15aの開閉が最も少ない時間を真夜中、すなわち0時と判断してもよい。
ここで説明した発光装置5の動作によれば、昼間帯(例えば6時から18時までの時間帯)に引き出し扉15aが開閉されて野菜室15内に外部の光が入射しても、野菜は既に発光装置5によって光を照射されているため、野菜が受けるストレスが少ない。
また、夜間帯(例えば18時から翌朝6時までの時間帯)には、野菜収納ケース4内の野菜は発光装置5によって光を照射されていないが、夜は引き出し扉15aの開閉頻度が少ないため、野菜が受けるストレスは少ない。
ここでは、発光装置5は、赤色光、緑色光および青色光を出射するLED51a〜53bを備えているが、これらの波長帯域に限定されるものではなく、野菜の機能の活性化につながる光であればよい。また、目的に応じて、例えばポリフェノール増量のために紫外線を照射する発光素子(LED等)を追加してもよい。
また、青色のLED53a,53bに黄色蛍光体を組み合わせることにより、青色光に白色光を付加してもよい。これにより、野菜に青色光と共に白色光を照射することができるため、視認性を向上させることができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態1によれば、野菜室15に配置された発光装置5が、水平面Hに対して下方に傾斜した出射光軸Axを有するLED51a〜53bを備え、LED51a〜53bから野菜収納ケース4の内部に向けて光を出射する。そのため、高さの低い野菜にも十分な光を照射することができる。
また、発光装置5が、野菜収納ケース4の鉛直方向の中央よりも上方に配置され、野菜収納ケース4の背面部41bに対向しているため、縦長の葉物野菜を野菜収納ケース4の背面部41bに立てかけて置いた場合も、あるいは野菜収納ケース4の底面部41e上の中央に横にして置いた場合も、葉物野菜に光を照射することができる。
また、野菜収納ケース4が下部ケース41と上部ケース42とを有し、発光装置5の出射光が下部ケース41に向かうように構成されているため、下部ケース41に主に収納される葉物野菜に効率よく光を照射することができる。
また、出射光軸Axと水平面Hとのなす角が、5度〜85度(より望ましくは10度〜45度)の範囲にあるため、光を照射した方が望ましい葉物野菜に光を照射し、光を照射しない方が望ましいジャガイモには光を照射しないようにすることができる。
また、発光装置5が、赤色光を出射するLED群51と、緑色光を出射するLED群52と、青色光を出射するLED群53とを有し、LED群51〜53から同時に光を出射したのち、LED群53を最初に消灯することにより、青色光の照射によって野菜の気孔が開いた後は光合成に必要な光(赤色光および緑色光)だけを照射し、消費エネルギーを低減することができる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図12は、実施の形態2における野菜室15とその周囲の構成を示す図である。この実施の形態2では、発光装置5を水平方向(より具体的には左右方向)の揺動軸62を中心として揺動可能とし、発光装置5の出射光軸Axの水平面Hに対する傾きを変化させることができるようにしている。
具体的には、発光装置5は、揺動軸62を中心として揺動可能な揺動フレーム61に支持されている。揺動フレーム61は、駆動装置としてのモータ6によって揺動される。モータ6は、例えばステッピングモータである。モータ6および揺動フレーム61は、発光装置5を移動させる(すなわち、揺動軸62を中心として揺動させる)移動機構を構成している。
発光装置5の構成は、実施の形態1で説明したとおりである。例えば、発光装置5が図5に示した構成を有する場合には、発光装置5のカバー部材54(図5)を揺動フレーム61に取り付けることにより、揺動可能な構成とすることができる。
さらに、この実施の形態2では、野菜室15の背面側に、撮像装置としてのカメラ7が配置されている。カメラ7は、野菜収納ケース4の内部(ここでは、下部ケース41の内部)を撮像するように配置されている。
図13は、実施の形態2における冷蔵庫の制御系を示すブロック図である。冷蔵庫1の制御部20には、操作パネル21からの操作入力と、扉開閉センサ25からの扉開閉信号と、カメラ7からの画像データとが入力される。制御部20は、これらの入力に基づき、圧縮機17、冷却器18、送風機19、モータ6および発光装置5(LED51a〜53b)を制御する。
この実施の形態2では、制御部20は、カメラ7が撮像した画像データを処理し、例えば緑色の画像を抽出することにより、葉物野菜の位置を検出する。そして、検出した葉物野菜の位置に応じてモータ6を駆動し、葉物野菜に最も効率よく光を照射できるように、発光装置5の出射光軸Axの傾きを変化させる。
図14は、実施の形態2における発光装置5の出射光軸Axの傾きの変化の一例を示す模式図である。図13(A)に示すように、野菜収納ケース4内において葉物野菜200が高い位置にある場合には、発光装置5の出射光軸Axの水平面Hに対する傾き角度θ1を小さくすることで、野菜収納ケース4内の比較的高い位置に光を照射する。
これに対し、図13(B)に示すように、野菜収納ケース4内において葉物野菜200が低い位置にある場合には、発光装置5の出射光軸Axの水平面Hに対する傾き角度θ2を大きくすることで、野菜収納ケース4内の比較的低い位置に光を照射する。このように構成することで、野菜収納ケース4内に収納された葉物野菜200に、効率よく光を照射することができる。
ここでは、カメラ7の撮像した画像に基づいて野菜収納ケース4内の野菜の位置を検出しているが、他の方法で野菜収納ケース4内の野菜の位置を検出してもよい。例えば、操作パネル21(図1)または他の入力端末を用いて、使用者が野菜の位置を入力するようにしてもよい。この場合、野菜収納ケース4の内部空間を、例えば、前後方向に3つ(前、中、後)、左右方向に2つ(右、左)および上下方向に2つ(上、下)のエリアに区分し、使用者にエリアを選択させるようにしてもよい。
また、ここでは、発光装置5の全体の傾きを変化させているが、実施の形態1で説明したLED群51〜53のうち、特定のLED群の傾きだけを変化させてもよい。また、複数の箇所に発光装置5をそれぞれ配置し、光照射の必要性(例えば葉物野菜の位置)に応じて、個々の発光装置5の傾きを変化させてもよい。
以上説明したように、本発明の実施の形態2では、野菜収納ケース4内の野菜の位置(高さ)に応じて、発光装置5の出射光軸Axの水平面Hに対する傾き角度を変化させるため、野菜収納ケース4内における野菜の収納状況に応じて、効率よく光を照射することができる。
また、カメラ7が撮像した画像に基づいて野菜収納ケース4内の野菜の位置を判断するようにすれば、使用者にとっての利便性がさらに向上する。
上述した実施の形態1,2では、発光装置5が、それぞれ2つのLEDからなるLED群51,52,53を有しており、グループ毎(LED群51,52,53毎)に発光を制御していたが、波長帯域毎に一つずつLEDを設け、LED毎(発光素子毎)に発光を制御してもよい。また、発光素子はLEDに限らず、他の発光素子を用いてもよい。
また、上述した実施の形態1,2では、野菜収納ケース4が下部ケース41と上部ケース42とに分割されていたが、野菜収納ケース4は必ずしも分割されていなくてもよい。
また、上述した実施の形態1,2では、野菜収納ケース4(下部ケース41および上部ケース42)の全体が透明であったが、発光装置5の光を通過させる部分だけを透明にしてもよく、あるいは発光装置5の光を通過させる部分を開口部としてもよい。
以上、本発明の望ましい実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良または変形を行なうことができる。