JP6225601B2 - 水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法、および水蒸気バリア用接着剤、水蒸気バリア用フィルム、水蒸気バリア用コーティング剤、水蒸気バリア用積層体 - Google Patents
水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法、および水蒸気バリア用接着剤、水蒸気バリア用フィルム、水蒸気バリア用コーティング剤、水蒸気バリア用積層体 Download PDFInfo
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Description
(1)一般式(1)
で表されるホスホン酸誘導体を溶剤に溶解させる工程。
(2)前記(1)で得られる溶液に板状無機化合物を添加しホスホン酸誘導体と板状無機化合物を反応させて、前記修飾板状無機化合物の分散液を得る工程。
(3)前記(2)で得られる分散液に、官能基として1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂(A)、及び官能基として1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物(B)を添加する工程、を有することを特徴とする、水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法に関する。
(1)一般式(1)
で表されるホスホン酸誘導体を溶剤に溶解させる工程。
(2)前記(1)で得られる溶液に板状無機化合物を添加しホスホン酸誘導体と板状無機化合物を反応させて、前記修飾板状無機化合物の分散液を得る工程。
(3)前記(2)で得られる分散液に、官能基として1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂(A)、及び官能基として1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物(B)を添加する工程を有することに特徴がある。
本発明の製造法では、前記一般式(1)で表されるホスホン酸誘導体で表面処理された修飾板状無機化合物を樹脂組成物中に含有することが特徴である。本発明に用いられる板状無機化合物は、多層フィルムのガスバリア性を高める効果を有するが、前記一般式(1)で表されるホスホン酸誘導体で表面処理された修飾板状無機化合物を用いることにより更にその効果を高めることができる。
板状無機化合物の平均粒径については特に制限はないが、粒径が小さすぎると板状無機化合物による迷路効果が発現にくくなるため、好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは1μm以上である。大粒径側はあまりに大きすぎると塗工面が荒れるなどの塗工適性に問題が出る場合があるため、好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。また、アスペクト比はガスバリアに対して高いほうが良く、好ましくは10以上であり、更に好ましくは50以上、最も好ましくは70以上である。中でも雲母系の板状無機化合物では、アスペクト比が100を超える材料も知られており特に好ましく用いられる。
本発明では官能基として1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂(A)、官能基として1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物を硬化した樹脂組成物、及び板状無機化合物の総質量を100質量%とした場合、板状無機化合物の含有率はガスバリア能が向上するならば特に限定はないが、5〜50質量%であることが好ましい。5質量%以下の場合はバリア能が向上しにくく、50質量%以上では塗工表面の粘着性が低下することによりラミネート操作がしにくくなったり、ラミネート強度が不十分になったりする可能性があるためである。板状無機化合物の含有率(配合物のPWC)は下記式(a)により求めることができる。
本発明では、板状無機化合物を接着層に導入することによりガスバリア性の向上のみならず接着強度も高めることができる場合もある。
本発明で用いるホスホン酸誘導体は、一般式(1)
で表されるホスホン酸誘導体である。
ホスホン酸は、無機化合物表面と極めて反応性が高いことが知られている。特に、金属酸化物を主体とする無機化合物表面のOH基のみならず、M-O-M(Mは金属原子)で表される酸素原子とも反応して化学結合を形成できる特徴がある。従って、金属化合物特に、金属酸化物や金属水酸化物や、雲母、粘土等の天然鉱物に加え、表面が酸化されている単体金属箔等の表面の外周全体に有機修飾することができる。加えて、これらの反応速度は常温下でも速いことに加えて、単分子、もしくは2分子の均一な有機薄膜が形成できる。
本発明で用いる溶剤は、ホスホン酸誘導体を溶解させ、板状無機化合物に対して反応場を与えることで、板状無機化合物へのホスホン酸誘導体の修飾を容易に行わせることにある。また、その後の工程で官能基として1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂(A)及び、官能基として1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物(B)を添加する工程が含まれるため、これら(A),(B)と反応せずに溶解させる必要がある。従って、ホスホン酸誘導体を溶解させ、板状無機化合物を分散させることができ、且つ成分(A)、(B)と反応せずに溶解させることができる溶媒であれば特に制限はない。具体的には酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒の他、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジメチルエ−テル、ジエチルエ−テル、ジブチルエ−テル、アニソ−ル等のエ−テル類を例示することができる。中でも、酢酸エチル、2−ブタノンは現行のドライラミネート用接着剤にも多用されているため特に好ましく用いられる。
ホスホン酸誘導体を溶解させる際の濃度は特に制限がないが、ホスホン酸誘導体と板状無機化合物との反応が迅速に行いたい観点から0.001〜0.1モル/Lの間が好ましく、さらに好ましくは0.005〜0.05モル/Lの間である。
板状無機化合物と、ホスホン酸誘導体の量比は板状無機化合物のほぼ全周をホスホン酸誘導体が単層または複層の薄膜で覆うことができる量比であればよい。そのため、適切な量比は板状無機化合物の溶剤中での分散サイズにより決定される。板状無機化合物が前記溶剤に非膨潤であり無機化合物層が複数積層している場合にはホスホン酸誘導体量比は少なくても良く、一般に板状無機化合物の1質量%以下となる。
一方、板状無機化合物が膨潤性であり無機化合物層が単層にまで分散している場合は数質量%程度になる場合もある。製造工程において、板状無機化合物の全周が修飾されるのに必要な量よりも大過剰のホスホン酸誘導体を工程中で加えることは、未反応のホスホン酸誘導体が、使用中に進入してくる水と会合することで水を取り込みやすくなる場合があるので注意を要する。
一般に有機修飾剤として用いられるシランカップリング剤では修飾反応がホスホン酸に比べて遅い上、無機化合物表面のOH基のみとの反応となる。更にシランカップリング剤同士の副反応が起こりやすく、その結果生じた反応物が用途によっては悪影響を及ぼす場合がある。また、反応を起すために少量の水の添加が必要な場合も多くこの制御も工程上煩雑な要因となる。一方、本発明で有機修飾剤として用いるホスホン酸誘導体にはこうした問題点がない利点がある。
[官能基として1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂(A)]
本発明で使用する樹脂(A)は、官能基として1分子中に水酸基を有する樹脂であって、主骨格が、ポリエステル、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテル、又はポリエーテルポリウレタンを含有してなることに特徴を有し、本発明の目的とする接着力、又はガスバリア性を発現させうるものであれば特に限定はない。
本発明で使用する樹脂(A)は、多価カルボン酸成分として具体的には、脂肪族多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を、脂環族多価カルボン酸としては1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、芳香族多価カルボン酸としては、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物或いはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の多塩基酸を単独で或いは二種以上の混合物で使用することができる。また、これらの酸無水物も使用することができる。中でも、バリア性を得る為にはコハク酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、オルトフタル酸、オルトフタル酸の酸無水物、イソフタル酸が好ましく、更にはオルトフタル酸及びその酸無水物がより好ましい。
本発明で使用する多価アルコールは、具体的には、脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、芳香族多価フェノールとして、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらの、エチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族を例示することができる。中でも酸素原子間の炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟にならずに、酸素透過しにくいと推定されることから、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールが好ましく、更にはエチレングリコールがより好ましい。多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合反応は、公知慣用の方法で行うことができる。
本発明で使用する2個以上の水酸基を有する樹脂(A)として、より具体的には、
・3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオールにカルボン酸無水物又はポリカルボン酸を反応させることにより得られるポリエステルポリオール(A1)、
・重合性炭素−炭素二重結合を有するポリエステルポリオール(A2)、
・グリセロール骨格を有するポリエステルポリオール(A3)、
・オルト配向多価カルボン酸成分と、多価アルコール成分を重縮合して得られるポリエステルポリオール(A4)、
・イソシアヌル環を有するポリエステルポリオール(A5)、
等を挙げることができる。
以下、各ポリエステルポリオールについて説明する。
本発明で使用するポリエステルポリオール(A1)は、3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオール(I)にカルボン酸無水物又は多価カルボン酸を反応させることにより得られる少なくとも1個のカルボキシ基と2個以上の水酸基を有するものである。3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオール(I)は多価カルボン酸または多価アルコールの一部を三価以上とすることで得られる。
オルトフタル酸及びその無水物は、骨格が非対称構造である。従って、得られるポリエステルの分子鎖の回転抑制が生じると推定され、これによりガスバリア性に優れると推定している。また、この非対称構造に起因して非結晶性を示し、十分な基材密着性が付与され、接着力とガスバリア性に優れると推定される。さらにドライラミネート接着剤として用いる場合には必須である溶媒溶解性も高いことで取扱い性にも優れる特徴を持つ。
3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオール(I)を合成する際に、多価カルボン酸成分により分岐構造を導入する場合には、三価以上のカルボン酸を少なくとも一部に有する必要がある。これらの化合物としては、トリメリット酸およびその酸無水物、ピロメリット酸及びその酸無水物等があげられるが、合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価カルボン酸としては三価カルボン酸が好ましい。
本発明で使用する多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。中でも、酸素原子間の炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟にならずに、酸素透過しにくいと推定されることから、エチレングリコールを使用することが最も好ましい。
3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオール(I)を合成する際に、多価アルコール成分により分岐構造を導入する場合には、三価以上の多価アルコールを少なくとも一部に有する必要がある。これらの化合物としてはグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトール等があげられるが、合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価アルコールとしては三価アルコールが好ましい。
また、本発明のポリエステルポリオール(A2)として、更に、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有するものを挙げることができる。
多価カルボン酸において重合性炭素−炭素二重結合をもつ多価カルボン酸として無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びその酸無水物、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びその無水物等があげられる。中でも、炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟にならずに、酸素透過しにくいと推定されることから、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸が好ましい。
本発明のポリエステルポリオール(A2)は、重合性炭素−炭素二重結合をもつ多価カルボン酸以外の多価カルボン酸成分として前述の各種脂肪族多価カルボン酸、環族多価カルボン酸、香族多価カルボン酸等を用いることができる。中でもバリア機能を付与する為にはコハク酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、オルトフタル酸、オルトフタル酸の酸無水物、イソフタル酸が好ましく、更にはオルトフタル酸及びその酸無水物がより好ましい。
多価アルコールにおいて重合性炭素−炭素二重結合をもつ多価アルコールとして2−ブテン−1,4−ジオール等があげられる。
本発明で使用する多価アルコールは、重合性炭素−炭素二重結合をもつ多価アルコール以外の多価アルコール成分を用いても差し支えない。具体的には、前述の脂肪族多価アルコール、芳香族多価フェノール類等を使用することができる。中でも酸素原子間の炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟にならずに、酸素透過しにくいと推定されることから、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールが好ましく、更にはエチレングクリコールがより好ましい。
本発明のポリエステルポリオール(A3)として、更に、一般式(1)で表されるグリセロール骨格を有するポリエステルポリオールを挙げることができる。
ガスバリア性接着剤用樹脂組成物の質量部から希釈溶剤質量、硬化剤に含まれる揮発成分質量、無機成分を除く質量をガスバリア性接着剤用有機樹脂全固形分の質量とする。
本発明で使用するポリエステルポリオール(A3)は、多価アルコールとして、炭素原子数2〜6のアルキレンジオール以外の多価アルコール成分を、本発明の効果を損なわない範囲において共重合させてもよい。これには各種脂肪族多価アルコール、脂環族多価アルコール、芳香族多価フェノール等を例示することができる。
本発明のポリエステルポリオール(A3)は、多価カルボン酸成分としてカルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物を必須とするが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸成分を共重合させてもよい。具体的には、前述の脂肪族多価カルボン酸、不飽和結合含有多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸等を単独で或いは二種以上の混合物で使用することができる。
本発明で使用するポリエステルポリオール(A4)は、オルトフタル酸及びその無水物を少なくとも1種以上含む多価カルボン酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコール成分からなる。特に、前記オルトフタル酸及びその無水物の、多価カルボン酸全成分に対する使用率が70〜100質量%であるポリエステルポリオールが好ましい。
本発明のポリエステルポリオール(A4)は、多価カルボン酸成分として前記オルトフタル酸及びその無水物を必須とするが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸成分を共重合させてもよい。具体的には、前述の脂肪族多価カルボン酸、脂環族多価カルボン酸を単独で或いは二種以上の混合物で使用することができる。中でも、コハク酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましい。
多価アルコール成分及びその他の成分としては、前記エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノール以外のものを発明の効果を妨げない範囲で添加することができる。これには各種脂肪族多価アルコール、脂環族多価アルコール、芳香族多価フェノール等を例示することができる。
本発明で使用する樹脂(A)は、下記一般式(3)で表されるイソシアヌル環を有するポリエステルポリオール(A5)を含むと更に好ましい。
で表される基を表す。但しR1、R2及びR3の少なくとも1つは前記一般式(4)で表される基である)
Xは1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基、及び2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
ガスバリア性接着剤用樹脂組成物の質量部から希釈溶剤質量、硬化剤に含まれる揮発成分質量、無機成分を除く質量をガスバリア性接着剤用有機樹脂全固形分の質量とする。
樹脂(A)がポリエステルテルポリオールは、公知のポリエステルの製造方法により得ることができる。具体的には、触媒共存下、反応温度200〜220℃で、生成する水を系外へ取り除きながら反応させる製造方法にて合成できる。
本発明で使用する硬化剤は、前記樹脂(A)の水酸基と反応しうる硬化剤であれば特に限定はなく、ジイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物やエポキシ化合物等の公知の硬化剤を使用できる。中でも、接着性や耐レトルト性の観点から、ポリイソシアネート化合物を使用することが好ましい。
本発明で使用するポリエステル樹脂組成物は、ガスバリア性を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナなどの無機充填剤、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、フィラー、結晶核剤や、硬化塗膜の耐酸性を向上させるために、フタル酸無水物、コハク酸無水物等の酸無水物等が例示できる。
本発明の製造工程では、以上説明した、(1)ホスホン酸誘導体を溶剤に溶解させる工程と、(2)(1)で得られた、ホスホン酸誘導体の溶液に板状無機化合物を添加し反応させて修飾板状無機化合物とする工程と、(3)前記(2)で得られる修飾板状無機化合物の分散液に、官能基として1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂(A)、及び官能基として1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物(B)を添加する工程とから構成される。
ホスホン酸を溶剤に溶解させる工程である工程(1)については、一般に溶剤を所定の容器に入れ、その後所定量のホスホン酸誘導体をいれ、公知慣用の方法で攪拌することで溶解させる。溶解操作は常温で実施してもよいし、ホスホン酸に溶剤が溶解しにくい場合には溶剤の熱的性質によっては加温しても差し支えない。
板状無機化合物とホスホン酸誘導体との反応工程(2)については、(1)で製造した溶液に対して、板状無機化合物をいれ分散させつつ、溶剤中のホスホン酸誘導体を板状無機化合物と反応させ、修飾板状無機化合物を製造するものである。一般にホスホン酸部位と板状無機化合物との修飾反応は迅速である。従って、具体的には(1)で製造の溶液に対して板状無機化合物を導入した後、公知慣用の方法で板状無機化合物を一定時間分散させることで修飾反応は終了する。反応時間は一般に10分程度の接触時間でも修飾反応が進行する場合が多い。
反応させる板状無機化合物の溶剤に対する量が少ない場合は工程(1)と工程(2)とを逆の順に行っても良い。しかし、ホスホン酸誘導体は板状無機化合物の分散剤としての機能も有するため、ホスホン酸誘導体を予め溶剤に溶解させた後に板状無機化合物を添加する方が、板状無機化合物の分散体が低粘度化し、工程(2)の反応工程が容易になる場合が多い
樹脂成分の添加工程(3)は、前記(2)で得られた分散液に、官能基として1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂(A)、及び官能基として1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物(B)を添加する工程である。
(2)で得られた分散液に対し樹脂(A)、イソシアネート化合物(B)を添加する順序はどちらからでもかまわないが、通常は(2)で得られた分散液に、樹脂(A)を添加後攪拌し、まずはホスホン酸誘導体で修飾した板状無機化合物が樹脂樹脂(A)に分散した分散体を製造する。そして、ラミネート直前に硬化剤としてイソシアネート化合物(B)を添加し、ラミネート工程に供することが、保存安定性の観点から好ましい。
本発明での樹脂(A)及びイソシアネート化合物(B)と修飾板状無機化合物の分散方法としては公知の分散方法が利用できる。例えば、ディゾルバー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントコンディショナー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、ナノミル、SCミル、ナノマイザー等を挙げることができる。更により好ましくは、高い剪断力を発生させることのできる機器として、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー、二本ロール、三本ロール等が上げられる。これらのうちの1つを単独で用いてもよく、2種類以上装置を組み合わせて用いてもよい。この時は前術の通りまずは樹脂(A)に対して修飾板状無機化合物を分散させた後、硬化剤としてのイソシアネート化合物(B)を添加することが好ましい。
本発明で製造した水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の使用法は一般的に各種の樹脂フィルムを基材に塗工することによる。
基材として使用する積層用のフィルムは、特に限定はなく、所望の用途に応じた熱可塑性樹脂フィルムを適宜選択することができる。例えば食品包装用としては、PETフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:直鎖低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等が挙げられる。これらは延伸処理を施してあってもよい。延伸処理方法としては、押出成膜法等で樹脂を溶融押出してシート状にした後、同時二軸延伸或いは逐次二軸延伸を行うことが一般的である。また逐次二軸延伸の場合は、はじめに縦延伸処理を行い、次に横延伸を行うことが一般的である。具体的にはロール間の速度差を利用した縦延伸とテンターを用いた横延伸を組み合わせる方法が多く用いられる。更にこれら樹脂フィルム以外にも紙、布等のシート状物を基材として用いても差し支えない。
本発明により製造される水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物は前記のフィルム、シートを2枚貼り合せるのに用いるラミネート用接着剤として使用することができる。本発明で製造される樹脂組成物は溶剤を含んだ形で製造されるため、ドライラミネーション方式に使用する接着剤として用いるのが適している。ドライラミネーション方式は、具体的には、基材フィルムの一方に樹脂組成物をグラビアロール方式で塗工後、もう一方の基材フィルムを重ねてドライラミネーション(乾式積層法)により貼り合わせる。ラミネートロールの温度は室温〜60℃程度が好ましい。ラミネート処理後はエージング処理を行うことが好ましく、その処理条件は室温〜80℃で、12〜240時間の間であり、この間に樹脂(A)とイソシアネート化合物(B)とが架橋反応することで接着強度が生じる。但し、溶媒を除去する工程を加えることで、無溶剤型接着剤用の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物とすることも可能である。
本発明により製造される水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物は前記のように水蒸気バリア接着剤として使用された場合には、水蒸気バリア用積層体として用いることができる。この時の積層体の構成としては最外層にPETフィルム、OPPフィルム等の延伸フィルムを、最内層にLLDPE、CPP等の未延伸フィルムを持つ構成にして、そのフィルム間を接着する接着剤として、本発明により製造される樹脂組成物を用いればよい。また、積層体に用いるフィルムは2層には限らず、中間層としてもう一層フィルムが入る3層のフィルムの積層体で少なくとも何れか2層の接着用途に本発明での樹脂組成物を用いる場合や、フィルムの一部に蒸着フィルム、透明蒸着フィルム、PVDCコート層やポリビニルアルコール(PVA)コート層、エチレン‐ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム層、メタキシリレンアジパミドフィルム層等のガスバリアフィルムを用いてバリア機能を更に高めた積層体としても良い。
本発明で得られた樹脂組成物での樹脂構造や分子量や硬化剤の種類を適切に選定することで塗工、乾燥後に粘着性を持たないようにすることで、溶剤系コーティング材料として用いることもできる。この場合は接着剤で用いる樹脂と比べて高分子量で且つ高ガラス転移点の樹脂を用い、さらに添加剤としてブロッキング防止剤としてフィラー類を添加すると好適に用いることができる。
本発明により製造された樹脂組成物は前記のように水蒸気バリアコーティング剤として各種フィルムに塗布した場合には、水蒸気バリア接着剤用フィルムとして使用することができる。コーティングする基材として用いるフィルムとしては延伸フィルムでも未延伸フィルムでも良いが、コーティング操作の容易さからは延伸フィルムを用いることが好ましい。この場合もまた前記の水蒸気バリア用積層体と同様に各種のバリアフィルムを併用しても良い。
本発明で得た樹脂組成物層を持つ積層体やフィルムが遮断できるガスとしては水蒸気の他、ガス分子が極性構造を持つメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール成分、フェノール、クレゾール等のフェノール類の他、低分子化合物からなる香気成分類、例えば、醤油、ソース、味噌、メントール、サリチル酸メチル、コーヒー、ココアシャンプー、リンス、等の香り成分を例示することができる。
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸396.34部、エチレングリコール173.73部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.05部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量600、水酸基価119.4mgKOH/gのポリエステルポリオール樹脂「oPAEG」を得た。尚、本ポリエステルポリオールは前記のポリエステルポリオール(A4)の特徴を持つものである。
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、グリセロールを276.27部、無水フタル酸1036.84部、エチレングリコール325.87部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.16部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量1497.46、水酸基価183.3mgKOH/gのポリエステルポリオール樹脂「GLY3oPA7EG5」を得た。このポリエステルポリオール樹脂は1分子あたり平均3つのグリセロールを有する。尚、本ポリエステルポリオールは前記のポリエステルポリオール(A3)、(A4)の特徴を持つものである。
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸740.5部、エチレングリコール124.2部、グリセロール184.2部、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート261.2部及びチタニウムテトライソプロポキシドを多価カルボン酸と多価アルコールとの合計量に対して100ppmに相当する量を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が40mgKOH/gになったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量約1350、水酸基価172.4mgKOH/g、酸価40mgKOH/gのポリエステルポリオールを得た。尚、本ポリエステルポリオールは前記のポリエステルポリオール(A1)、(A3)、(A4)、(A5)の特徴を持つものである。
(硬化剤a)
三井化学製「タケネートD−110N」(メタキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体 不揮発成分75.0% NCO% 11.5%)と三井化学製「タケネート500」(メタキシリレンジイソシアネートモノマー不揮発分>99%,NCO% 44.6%)を75/25(質量比)の割合で混合し硬化剤aとした。
硬化剤aの不揮発分は、81.0%、NCO% 20.0%である。
三井化学製「タケネートD−110N」(メタキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体 不揮発成分75.0% NCO% 11.5%)を硬化剤bとした。
住化バイエルウレタン社製「デスモジュールL−75」(トリメチロールプロパンと2,6―トリレンジイソシアネートとのアダクト体(不揮発分は75.0%、NCO%は13.4%)を硬化剤cとした。
以下に板状無機化合物A〜Dとして、実施例及び比較例で用いた各種無機化合物での品番、材料、平面の最大の平均長さ及び、短片の平均幅、及びメーカーを記した。ここで示した平面の最大の平均長さ、及び、短辺の平均幅とは、各5nm厚のプラチナ蒸着を行った後、走査型電子顕微鏡(SEM)(S−3400、日立ハイテク製)を用いた観察を実施した。粒子径に応じて倍率1000〜10000倍で観察した。まずは粒子が板状物主体かの判定を行った、板状であればこれらの粒子の形状を代表する100個の粒子を選択した。この時、分級の残りと想定されるような微小粒子や、板状物の表面にへばりつき、独立粒子として機能しないと想定される粒子は選択より除いた。また、板状粒子がある部分で結合し、集合体として存在する場合は、その集合体自体を1個の粒子とみなして観察を行った。各板状物の平面の最大長さ、及び、短辺の幅を計測しこれを平均することで、板状無機化合物の平面の最大長さの平均値、及び板状無機化合物の短片の幅の平均値を算出した。
TM−10、天然マイカ、板状、平面の最大の平均長さ12μm、短片の平均幅0.22μm、株式会社ヤマグチマイカ製
(板状無機化合物B)
SP−40、タルク、板状、平面の最大の平均長さ15μm、短片の平均幅3.5μm、富士タルク工業株式会社製
(板状無機化合物C)
ソマシフMEA、有機化マイカ、板状、平面の最大の平均長さ7.3μm、短片の平均幅0.38μm、コープケミカル株式会社製
(板状無機化合物D)
シルキーフレークF01、ガラス、板状、平面の最大の平均長さ17μm、短片の平均幅0.38μm、日本板硝子株式会社製
(ホスホン酸誘導体a)
アルキルの炭素数が8であるオクチルホスホン酸(和光純薬工業(株)製)をホスホン酸誘導体aとして用いた。
(ホスホン酸誘導体b)
アルキルの炭素数が18であるオクタデシルホスホン酸(東京化成工業(株)製)をホスホン酸誘導体bとして用いた。
ステンレス容器に酢酸エチル35.7gを仕込み、ホスホン酸誘導体aであるオクチルホスホン酸を0.1635g仕込んで、スターラーで攪拌を行い、ホスホン酸誘導体aを完全に溶解させた(第一の工程)。これに板状無機化合物Aを32.1g仕込みホスホン酸誘導体aが溶解した酢酸エチルへ分散させた(第二の工程)。この時ホスホン酸誘導体aが分散剤的な作用もして低粘度の分散体を得ることができた。この分散液を1時間分散機により攪拌したのち、製造例1で製造した樹脂31.5gを添加しさらに1時間ディスパー型分散機により攪拌した。最後に硬化剤aを34.9g添加し15分間攪拌することで(第三の工程)で、接着剤1Aを得た。
実施例1で用いた板状無機化合物Aを板状無機化合物Bに変更した以外は実施例1と同様な方法で接着剤2Aを得た。
実施例1で用いた板状無機化合物Aを板状無機化合物Cに変更した以外は実施例1と同様な方法で接着剤3Aを得た。
ステンレス容器にテトラヒドロフラン(THF)41.8gを仕込み、ホスホン酸誘導体bであるオクタデシルホスホン酸を0.3025g仕込んで、スターラーで攪拌を行い、ホスホン酸誘導体bを完全に溶解させた(第一の工程)。これに板状無機化合物Aを40.0g仕込みホスホン酸誘導体bが溶解したTHFへ分散させた(第二の工程)。この時ホスホン酸誘導体bが分散剤的な作用もして低粘度の分散体を得ることができた。この分散液を1時間攪拌したのち、製造例2で製造した樹脂35.0gを添加しさらに1時間ディスパー型分散機により攪拌した。最後に硬化剤bを61.7g添加し15分間攪拌することで(第三の工程)で、接着剤4Aを得た。
実施例4で用いた板状無機化合物Aを板状無機化合物Bに変更した以外は実施例4と同様な方法で接着剤5Aを得た。
ステンレス容器に2−ブタノン(MEK)を41.8gを仕込み、ホスホン酸誘導体aであるオクチルホスホン酸を0.2802g仕込んで、スターラーで攪拌を行い、ホスホン酸誘導体aを完全に溶解させた(第一の工程)。これに板状無機化合物Dを40.0g仕込みホスホン酸誘導体aが溶解したMEKへ分散させた(第二の工程)。この時ホスホン酸誘導体aが分散剤的な作用もして低粘度の分散体を得ることができた。この分散液を1時間攪拌したのち、製造例3で製造した樹脂35.0gを添加しさらに1時間ディスパー型分散機により攪拌させた。最後に硬化剤cを57.9g添加し15分間攪拌することで(第三の工程)で、接着剤6Aを得た。
実施例1〜3の第一の工程で添加したホスホン酸誘導体aを含まないこと以外は実施例1〜3と同様な方法で、接着剤1B〜3Bを得た。これらの比較例での製造工程では、第二の工程で板状無機化合物が酢酸エチル中に分散しにくいことに起因して、第3の工程で樹脂成分を添加した後に高粘度となる傾向があった。
実施例4〜6の第一の工程で添加したホスホン酸誘導体a,bをふくまない代わりに分散剤としてDISPERBYK-164(ビックケミージャパン株式会社製)を実施例4〜6のホスホン酸誘導体と各同量を溶剤に溶解させた以外は実施例4〜6と同様な方法で、接着剤4B〜6Bを得た。これらの比較例での製造工程では、分散剤を含んでいたため比較例1〜3とは異なり第二の工程で板状無機化合物が溶剤中に分散しにくく高粘度となる問題は生じなかった。
板状無機化合物を含まない接着剤として以下の比較例用接着剤を作成した。
・参考例1(接着剤1C):ホスホン酸誘導体と板状無機フィラーを含まない以外は実施例1と同じ
・参考例2(接着剤2C):ホスホン酸誘導体と板状無機フィラーを含まない以外は実施例4と同じ
・参考例3(接着剤3C):ホスホン酸誘導体と板状無機フィラーを含まない以外は実施例6と同じ
ポリエステルポリオール樹脂塗工液を、バーコーター#8を用いて厚さ12μmのPETフィルム(東洋紡績(株)製「E−5100」)に塗布し、温度70℃に設定したドライヤーで希釈溶剤を揮発させ乾燥し、この複合フィルムと厚さ15μmのナイロン(Ny)フィルム(ユニチカ(株)製「エンブレムON―BC」)を温度40℃、圧力0.4MPa、ラミネート速度40m/minにてドライラミネートしてこの複合フィルムを40℃/3日間かけて硬化(エージング)させ、PET/接着剤/Ny積層体である積層体Aを得た。
ポリエステルポリオール樹脂塗工液を、バーコーター#8を用いて厚さ15μmのナイロン(Ny)フィルム(ユニチカ(株)製「エンブレムON―BC」)に塗布し、温度70℃に設定したドライヤーで希釈溶剤を揮発させ乾燥し、次いで、この複合フィルムと未延伸LLDPEフィルム(東セロ社製TUX−HC 60μ)を温度40℃、圧力0.4MPa、ラミネート速度40m/minにてドライラミネートしてこの複合フィルムを40℃/3日間かけて硬化(エージング)させ、Ny/接着剤/LLDPE積層体である積層体Bを得た。
板状無機化合物の含有率(配合物のPWC)を前述の式(a)により算出した。
エージングが終了した積層体Aを、水蒸気透過度試験法 伝導度法「ISO−15106−3」に準じ、Illinois社製測定装置を用いて、PETフィルムを加湿面とした上で40℃、90%RHの雰囲気下で評価を行った。なおRHとは、湿度を表す。
また、ポリエステル樹脂組成物を硬化させた樹脂塗膜単体の水蒸気透過率(バリア性)はPET/接着層/Ny積層体の測定結果より、式(f)を用いて計算した。
P1:接着層単体の水蒸気透過率
P2:12μmPETフィルムの水蒸気透過率(46g/m2・24時間として計算)
P3:15μmナイロンフィルムの水蒸気透過率(260g/m2・24時間として計算)
エージングが終了した積層体Bを、塗工方向と平行に15mm幅に切断し、NyフィルムとLLDPEフィルムとの間を、(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、180度剥離方法で剥離した際の引っ張り強度をラミネート強度とした。ラミネート強度の単位はN/15mmとした。
エージングが終了した積層体Aを目視で判定した。均一透明な場合は○、フィルムに浮き部分がみられ気泡が入っているものは×、○と×の中間程度の状況のものを△と判定した。
接着剤の製造の工程の全てを終了し、硬化剤まで配合を終了した際の接着液の粘度について目視で判定した。板状無機化合物の分散性が良好であることに起因し、粘度が低い場合は“低”、分散性が不良であることにより粘度が高い場合は“高”と判定した。
以上は本発明の方法により得た接着剤では板状無機化合物がホスホン酸誘導体により製造工程中で表面修飾処理されたことにより水蒸気バリア機能が強化され且つ、該誘導体が分散剤としても機能していることを示している。加えて、接着剤の製造工程も濾過、洗浄、乾燥工程を含まずに簡便であった。
Claims (23)
- 以下の各工程を有する、一般式(1)で表されるホスホン酸誘導体で表面処理された修飾板状無機化合物を含有する水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
(1)一般式(1)
(式(1)中、Rは、炭素数6〜24の鎖状アルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素数6〜24の環状アルキル基若しくはアルケニル基を表す。)
で表されるホスホン酸誘導体を溶剤に溶解させる工程。
(2)前記(1)で得られる溶液に板状無機化合物を添加しホスホン酸誘導体と板状無機化合物を反応させて、前記修飾板状無機化合物の分散液を得る工程。
(3)前記(2)で得られる分散液に、官能基として1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂(A)、及び官能基として1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物(B)を添加する工程。 - 板状無機化合物が、層間が非イオン性であるか、或いは水に対して非膨潤性である請求項1に記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- 板状無機化合物が、平均粒径0.1μm以上の粒子を含有するものである請求項1または2に記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- 樹脂(A)の主骨格が、ポリエステル、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテル、又はポリエーテルポリウレタン構造を有する請求項1〜3の何れかに記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- 樹脂(A)が芳香族環を有する請求項1〜4の何れかに記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- 樹脂(A)の主骨格がポリエステル又はポリエステルポリウレタン構造であって、
ポリエステル構成モノマー成分の多価カルボン酸全成分に対して、オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の使用率が70〜100質量%であることを特徴とする請求項5に記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。 - オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物が、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3−アントラセンジカルボン酸又はその無水物から成る群から選ばれる少なくとも1つである請求項6に記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- 樹脂(A)が、3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオールにカルボン酸無水物又はポリカルボン酸を反応させることにより得られる少なくとも1個のカルボキシ基と2個以上の水酸基を有するポリエステルポリオール(A1)である請求項1〜5の何れかに記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- ポリエステルポリオール(A1)の水酸基価が20〜250であり、酸価が20〜200である請求項8に記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- 樹脂(A)が、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有するポリエステルポリオール(A2)である請求項1〜5の何れかに記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- ポリエステルポリオール(A2)を構成する重合性炭素−炭素二重結合を有するモノマー成分が、マレイン酸、無水マレイン酸、又はフマル酸である請求項10に記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- ポリエステルポリオール(A2)を構成する全モノマー成分100質量部に対して、重合性炭素−炭素二重結合を有するモノマー成分が、5〜60質量部である請求項10又は11に記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- 前記一般式(2)で表されるポリエステルポリオール(A3)のグリセロール残基を、水蒸気バリア性ポリエステル樹脂組成物中に5質量%以上含有する請求項13に記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- 樹脂(A)が、オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の少なくとも1種を含む多価カルボン酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコール成分を重縮合して得られるポリエステルポリオール(A4)である請求項1〜5の何れかに記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物が、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3−アントラセンジカルボン酸又はその無水物から成る群から選ばれる少なくとも1つの多価カルボン酸又はその無水物である請求項15に記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- 樹脂(A)が、一般式(4)で表されるイソシアヌル環を有するポリエステルポリオール(A5)である請求項1〜5の何れかに記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
(式(4)中、R1〜R3は各々独立して、−(CH2)n1−OH(但しn1は2〜4の整数を表す)、又は一般式(5)
(式(5)中、n2は2〜4の整数を表し、n3は1〜5の整数を表し、Xは1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基、及び2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Yは炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す。)で表される基を表す。但しR1、R2及びR3の少なくとも1つは前記一般式(5)で表される基である。) - イソシアネート化合物(B)が芳香族環を有するポリイソシアネートを含有するものである請求項1〜17の何れかに記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- 芳香族環を有するポリイソシアネートが、メタキシレンジイソシアネート、又はメタキシレンジイソシアネートと2個以上の水酸基を有するアルコールとの反応生成物である請求項18に記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜19に記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法で得られる樹脂組成物を用いた水蒸気バリア用接着剤。
- 請求項1〜19に記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法で得られる樹脂組成物を用いた水蒸気バリア用フィルム。
- 請求項1〜19に記載の水蒸気バリア接着剤用樹脂組成物の製造方法で得られる樹脂組成物を用いた水蒸気バリア用コーティング剤。
- 請求項20に記載の水蒸気バリア用接着剤を用いて得られる水蒸気バリア用積層体。
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