JP6288401B1 - ブランク材の製造方法及びプレス成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、本明細書において、板厚分布を有するブランク材を差厚ブランク材とも記載する。
また、TWBや特許文献1に記載の差厚ブランク材では、板厚部分に溶接線や接合線を有するブランク材となる。
上記プレス成形に使用される目的のブランク材の寸法よりも大きな寸法のブランク材である第1のブランク材を、パンチとダイを使用して絞り加工し、その絞り加工後の第1のブランク材を必要寸法にトリムを行って、上記プレス成形に使用される目的のブランク材とし、
上記絞り加工の際に、上記パンチは、上記目的のブランク材の寸法よりも大きな寸法のパンチ底を有し、上記絞り加工する際における第1のブランク材の外周の一部の位置についての拘束を相対的に強くすることで、上記絞り加工後の上記目的のブランク材の一部の板厚を相対的に薄くして上記目的のブランク材を板厚分布を有するブランク材とすることを特徴とする。
またそのような一体物の差厚ブランク材を用いて、所定以上の板厚分布を持ったプレス成形品を提供することが可能となる。
ここで、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定されるものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の技術は、自動車や家電等を構成する金属製ブランクを用いたあらゆる部位に適用可能な技術であるが、板厚が剛性に大きく寄与する部品に特に有効な技術である。例えば、断面形状が比較的平坦な部品は、人の手による外力で簡単に変形しないだけの剛性をその平坦な面で確保する必要があり、その剛性には板厚の寄与が大きい。したがって、本実施形態の技術は、ルーフやドア、フード、バックドア等の自動車のパネル部品や、家電の外観パネル等の、部分的に板厚差を有する部品の製造に特に好適である。
ブランク材をパンチとダイを用いて絞り加工(プレス加工)でプレス成形すると、フランジ部と縦壁と天板部(パンチ底に押圧された部分)とを有する断面形状に成形される。この成形を、ブランク材の外周(フランジ部)を完全に拘束(固定)した状態での成形である完全張り出し成形とすると、縦壁の成形時に材料は外周から流入せず、パンチ肩Rの大きさに応じて天板部(パンチ底の部分)から縦壁への材料流出が起こる。一方、成形をブランク材の外周を拘束しないか拘束力が小さい状態での成形である絞り成形とすると、縦壁の成形時に材料は天板部(パンチ底)から縦壁にほとんど流入せず、外周部(フランジ部)から流入する。したがって、同じ形状にプレス成形した場合に、パンチ底と対向する天板部は、張り出し成形では材料の流出で板厚が薄くなりやすくなると共に、絞り成形では材料の流出が小さいために板厚が薄くなりにくい。
そして、本実施形態では、図2に示すように、目的のブランク材1よりも大きなパンチ底の寸法を持つパンチ3を用いて絞り加工する。その際に、第1のブランク材2の外周のフランジ部分の拘束について、例えば、相対的に板厚を薄くしたい領域を囲む外周部だけをビードなどで拘束して、部分的に主な変形を張り出し成形とし、他の部分の主な変形を絞り成形となるような部分拘束状態として、絞り加工のプレス成形を行う(図2(a)(b))。図2(a)では左半分をビードで拘束する場合を例示している。図2(b)に示す太字の矢印は材料の移動方向を示している。
そして、その板厚分布の発生した天板部2Aから、必要寸法の部分をトリムして(図2(c))、差厚ブランク材としての目的のブランク材1とする(図2(d))。図2(c)における破線がトリム位置TRMを例示している。
ここで、張り出し成形時における、パンチ底の位置から縦壁への材料の流出は、パンチ肩Rが大きいほど生じやすくなる。このため、その流出による板厚減少の効果を大きくしたいという観点からは、パンチ肩Rの曲率半径は大きければ大きいほど良い。
以上のような観点から、パンチ肩Rは50mm以上200mm以下、望ましくは100mm以上150mm以下とすることが好ましい。
ここで、パンチ3で押圧した際に、相対的に板厚が厚くなる部分から相対的に板厚が薄くなる部分に向けて材料の移動も想定されるが、その境界部をパッドPADで押さえることで、パッドPADの位置で材料の移動が抑制される。この結果、相対的に板厚が厚くなる部分と板厚が薄くなる部分との間の板厚差の急峻度を大きく設定可能となる。
ここで、板厚差の割合が2%未満では板厚差が小さいため、差厚ブランク材を利用して板厚分布を有するプレス成形品にプレス成形して製造する利点が、差厚ブランク材の製造コストに比べて少ない。一方、板厚差の割合が10%より大きな板厚差を得るためにはブランクの変形量が大きくなるため、破断の恐れがある。ただし、ブランクが延性に優れている場合は破断の恐れは少なくなるためその限りではない。
また、図1及び図2に例示した差厚ブランク材は、板幅方向の延びる直線状の境界位置に沿って板厚の段差が形成されている場合であるが、段差を形成する境界線は曲線状に設定しても良い。
また段差を形成する境界位置が2以上あっても良い。複数位置に境界を設定した場合、各境界に形成する段差の高さが異なるように設定しても良い。
ここでは、最終部品としてのプレス成形品の例として、図3に示すような、車両のルーフ部品10を想定する。このルーフ部品10は前部10Aが前方(図3中左側)に向けて下方に湾曲した湾曲形状になっていると共に、後部10Bが略平坦な形状となっている。前部10Aは、湾曲形状とすることで所定の剛性を構造によって確保可能となっているので、相対的に板厚を薄くして部品の軽量化を図っている。一方、後部10Bは、積雪強度を確保するために前部10Aよりも板厚が厚くなるように設計されている。すなわち、このルーフ部品10は、前部10Aの板厚が相対的に薄い板厚分布を有するプレス成形品である。
ここで、差厚ブランク材としての目的のブランク材1を製造するためのプレス設備は、通常のプレス設備の構成から構成され、少なくとも、図4に示すように、ダイ4、パンチ3、及びブランクホルダ5を備える。
また、上記プレス成形品での板厚分布から、目的のブランク材1における、板厚を薄くする領域Fを設定する。本実施形態では、目的のブランク材1における、長手方向左側部分の領域を、板厚を相対的に薄くする領域Fとして設定する(図4参照)。
次に、第1のブランク材2におけるパンチ底で押圧される部分に、目的のブランク材1としてトリムする領域を仮想し、図5のように、その仮想したトリム領域における上記領域Fに相当する部分F′を特定する。更に、その領域Fに相当する部分F′を囲む、第1のブランク材2における外周部分を拘束位置Lとして特定する。
上記のような構成のパンチ3、ダイ4、ブランクホルダ5を用意する。そして、ダイ4とブランクホルダ5で第1のブランク材2の外周(フランジ部)を押さえる。このとき、上記の拘束位置Lに位置する第1のブランク材2の外周位置には、ビード4a、5aが形成されることで拘束力が強く設定される。
すなわち、この絞り成形によって、天板部2Aにおける、長手方向左側の板厚が薄いという板厚部分が付与される。
上記のように得た目的のブランク材1は、図13のようなプレス金型20,21によってプレス成形することによって、上記のルーフ部品のプレス成形品を製造する。
最終部品としてのプレス部品は、ルーフ部品に限定されない。本実施形態は、板厚分布を有するパネル状のプレス成形品であれば好適に適用可能である。
ここで、目的のブランク材1を得るための上記絞り加工を行う際に、図6のように、相対的に板厚を薄くする部分と板厚を厚くする部分の境界位置を、パッドPADで押さえた状態にして絞り加工を行っても良い。
ここで、パンチ3は分割型となっていても良い。例えば、相対的に板厚を薄くする部分と板厚を厚くする部分との境界位置で分離したパンチを使用しても良い。
CAE解析は、解析ソフトとしてLS−DYNAを使用し、動的陽解法で解析を行った。
このとき、第1のブランク材2として、270Dの冷間圧延鋼板を設定し、その元板厚を0.7mmに設定した。
また最終的なプレス成形品として、上記のルーフ部品であって、前部と後部との板厚差が0.05mmの板厚分布を有する部品を想定した。
解析結果を図11に示す。図11から分かるように、パッドPADで押さえた境界部分に急峻な段差が形成されると共に、板厚差は0.04mmとなり、板厚差が増加したことを確認した。これは、パッドPADで押さえたことにより左側への移動量が大幅に減少しているからであると推定される。なお、この例では、最小板厚は約0.656mmであり最小板厚に対する板厚差の割合は6.1%である。したがって、6.1%までの板厚差を生じさせることが可能であることが分かる。
図12から分かるように、パンチ肩Rの値が大きくなるほど歩留りが低下することが分かる。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明なことである。
2 第1のブランク材
2A 天板部
3 パンチ
4 ダイ
5 ブランクホルダ
4a、5a ビード
10 ルーフ部品
F 領域
L 拘束位置
PAD パッド
TRM トリム位置
Claims (5)
- 板厚分布を有するプレス成形品にプレス成形されるブランク材の製造方法であって、
上記プレス成形に使用される目的のブランク材の寸法よりも大きな寸法のブランク材である第1のブランク材を、パンチとダイを使用して絞り加工し、その絞り加工後の第1のブランク材を必要寸法にトリムを行って、上記プレス成形に使用される目的のブランク材とし、
上記絞り加工の際に、
上記パンチは、上記目的のブランク材の寸法よりも大きな寸法のパンチ底を有し、
上記絞り加工する際における第1のブランク材の外周の一部の位置についての拘束を相対的に強くすることで、上記絞り加工後の上記目的のブランク材の一部の板厚を相対的に薄くして上記目的のブランク材を板厚分布を有するブランク材とすることを特徴とするブランク材の製造方法。 - 上記第1のブランク材の外周の拘束について、相対的に、板厚を薄くしたい部分の外周の拘束を強く設定して張り出し成形を主とした加工にすると共に、板厚を厚くしたい部分の外周の拘束を弱く設定若しくは拘束を解除して絞り成形を主とした加工にすることを特徴とする請求項1に記載したブランク材の製造方法。
- 上記目的のブランク材に発生させる板厚差の境界部分に対応する上記第1のブランク材での位置に沿ってパッドを当てて材料の移動を抑制した状態で、上記絞り加工を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したブランク材の製造方法。
- 上記絞り加工後の上記目的のブランク材の板厚において、相対的に板厚が薄い部分と板厚が厚い部分の板厚差の、上記板厚が薄い部分の板厚に対する割合が2%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したブランク材の製造方法。
- ブランク材をプレス成形して板厚分布を有するプレス成形品を製造するプレス成形品の製造方法であって、
上記ブランク材を請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のブランク材の製造方法によって製造することを特徴とするプレス成形品の製造方法。
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