JP6258151B2 - フォトマスクブランクおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、シリル化処理を施すと表面が疎水性を帯びてしまい、洗浄しにくくなり、現像後の洗浄工程にレジスト残渣などが多数残り、欠陥となってしまうという問題がある。洗浄能力を向上するためにはIPA等を用いてぬれ性を改善すればよいが、これらの溶剤はレジストパターンに影響を与えるため望ましくない。
しかも、表面において上記条件を満たした珪素含有無機膜を形成してからレジスト膜を形成するので、従来、シリル化処理を施した場合に生じていた、現像後におけるレジスト残渣の発生を抑制することができ、欠陥数を低減することが可能である。
または、前記珪素含有無機膜を、スパッタリングにより前記透明基板上に成膜して形成することができる。
このように、珪素含有無機膜としてはSiO膜またはSiON膜が特に好ましい。
本発明者らはフォトマスクブランクについて鋭意検討を重ねた。前述したように、従来では珪素含有無機膜にシリル化処理を施してレジスト膜を塗布した場合、該レジストを露光現像した後、レジスト残渣が多数発生してしまっていた。しかしながら、珪素含有無機膜の表面における酸素濃度等の調整によって、その後にシリル化処理およびレジストの塗布を行い、現像してレジストバターンを作製してもレジスト残渣などの欠陥を劇的に低減することができることを本発明者らは見出し、本発明を完成させた。
珪素を含有する珪素含有無機膜5としては、後述するようにレジスト膜6と接する面において酸素濃度など所定の条件を満たす必要があるが、膜自体は、例えば、珪素単体、或いは珪素に酸素、窒素、炭素のいずれか1つを少なくとも含むもの、或いは珪素と遷移金属を含むもの、或いは珪素と遷移金属と少なくとも、酸素、窒素、炭素のいずれか1つを含むものであればよい。このようなものとしては珪素からなるもの、酸素と珪素からなるもの、窒素と珪素からなるもの、酸素と窒素と珪素からなるもの、炭素と珪素からなるもの、炭素と酸素と珪素からなるもの、炭素と窒素と珪素からなるもの、炭素と酸素と窒素と珪素からなるもの、遷移金属を含むものとしては遷移金属と珪素からなるもの、遷移金属と珪素と酸素からなるもの、遷移金属と窒素と珪素からなるもの、遷移金属と酸素と窒素と珪素からなるもの、遷移金属と炭素と珪素からなるもの、遷移金属と炭素と酸素と珪素からなるもの、遷移金属と炭素と窒素と珪素からなるもの、遷移金属と炭素と酸素と窒素と珪素からなるものが挙げられるが、特に珪素と酸素と窒素からなるもの(SiON膜)、さらには珪素と酸素からなるもの(SiO膜)が望ましい。
さらに水素を含有していてもよい。
シリル化処理を利用した従来のフォトマスクブランクでは、現像後において、レジスト残渣が多数発生して欠陥が生じてしまっていた。しかしながら、接触面7において上記条件を満たしている本発明のフォトマスクブランク1では、従来品におけるレジスト残渣の発生を抑制でき、欠陥数を低減することができる。
珪素含有無機膜5の接触面7での酸素濃度による欠陥低減の理由は不明だが、例えば、接触面7でのOHの量や、接触面7での原子の結合状態の変化が考えられる。
Si−OおよびSi−Siの結合エネルギーに相当する検出強度の関係がこのようなものであれば、第一の態様と同様に、現像後のレジスト残渣の抑制および欠陥の低減を図ることができる。
特に微細なパターンを形成する時、例えば50nm以下のパターンを形成する時に本発明は有効であり、珪素含有無機膜5をハードマスク膜とするとその効果は大きい。
ハードマスク膜として用いるときの膜厚は好ましくは1−30nm、さらには1−20nm、より好ましくは1−10nmとすると良い。
ここではハードマスク膜としての珪素含有無機膜5と透明基板2の間において、遮光膜4、さらには遮光膜4の下に位相シフト膜3を有する構成となっている。なお、このハードマスク膜としての珪素含有無機膜5と遮光膜4はエッチング選択性がある方が好ましい。
まず透明基板2を用意する(図2(A))。透明基板2としては前述したものを用意することができ、例えば石英基板とすることができる。
または、まず珪素を含有する無機膜を成膜し(予備無機膜8)(図2(D2a))、その後に熱処理やオゾン処理、プラズマ処理などのいずれかを施すことによって表面における酸素濃度等を調整して珪素含有無機膜5を形成することができる(図2(D2b))。
これらの方法であれば、上記のような表面を有する珪素含有無機膜5を簡便に形成できるので好ましい。
酸素を含む雰囲気での熱処理温度としては200℃以上とすることが好ましく、400℃以上とすることがより好ましい。
また、オゾン処理やプラズマ処理等においても条件は特に限定されない。表面における酸素濃度等が上記条件を満たすように、これらの処理条件を適宜調整することが可能である。
シリル化処理の方法としては基板の珪素含有無機膜の上に直接塗布する方法や、上記シリル化剤に基板を暴露する方法がある。暴露方法としては、基板を保持した容器中で上記シリル化剤を蒸発させる方法、あるいは、窒素ガスをバブリングすることによって上記シリル化剤を気化させる方法などがある。上記シリル化剤を反応させる温度としては、例えば40℃以上200℃以下とすることができる。また処理時間としては、例えば、予め、シリル化処理の同条件で水の接触角を測定し、基板の濡れ性が適当な値となるように調整することが好ましい。
なお塗布方法は特に限定されず、例えば従来と同様の方法で行うことができる。パターン形状が良好に得られるよう、適宜膜厚等決定することができる。
(実施例1)
本発明の製造方法により、本発明のフォトマスクブランクを製造した。
152mm角、厚み約6mmの石英基板上に位相シフト膜としてMoSiONをスパッタ法で75nm形成した。スパッタガスとしては酸素と窒素とアルゴンを用い、ターゲットとしてはMoSi2とSiの2種類を用いて、基板を30rpmで回転させながら成膜した。
この位相シフト膜の組成をESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)法(XPS法)(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製 K−Alpha)で調べたところMo:Si:O:N=1:4:1:4(原子比)であった。
この遮光膜の組成をESCAで調べたところCrN層はCr:N=9:1(原子比)、CrON層はCr:O:N=4:5:1(原子比)であった。
さらにこれに熱処理を行った。熱処理雰囲気としては酸素を含む雰囲気とし、熱処理温度は500℃とした。
このエッチングマスク膜の組成をESCAで調べたところ表面の酸素濃度は61.5原子%であった。
その結果、Si−Oの結合エネルギーに相当する検出強度(面積強度)がSi−Siの結合エネルギーに相当する検出強度よりも大きいことが観察された(図3参照)。
なお、検出された0.1μm以上の欠陥の数は42個であった。
熱処理温度を300℃に変えた以外は実施例1と同様にして、本発明のフォトマスクブランク(熱処理後のエッチングマスク膜の表面の酸素濃度は55.6原子%、Si−O結合の検出強度>Si−Si結合の検出強度)を得た(図3参照)。
その結果、現像後の欠陥の数は1180個であった。
SiOをスパッタ法で形成する際のスパッタガス中の酸素量を調整したこと、およびスパッタ後の熱処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、本発明のフォトマスクブランク(エッチングマスク膜の表面の酸素濃度は71.0原子%、Si−O結合の検出強度>Si−Si結合の検出強度)を得た。
その結果、現像後の欠陥の数は30個であった。
熱処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にしてフォトマスクブランク(エッチングマスク膜の表面の酸素濃度は52.6原子%、Si−O結合の検出強度<Si−Si結合の検出強度)を作製した。
現像後に欠陥検査した結果、図5のような多数のレジスト残渣が残った。検出された0.1μm以上の欠陥の数は4704個と非常に多かった。
なお、このときのSiOの結合エネルギーに相当する強度がSi−Siの結合の強度よりも小さかった(図3参照)。
また、実施例1(酸素濃度:61.5原子%、欠陥数:42個)や実施例3(酸素濃度:71.0原子%、欠陥数:30個)から分かるように、欠陥数を抑制するにあたっては、上記酸素濃度を75%程度にまで調整すれば十分であると言える。
4…遮光膜、 5…珪素含有無機膜、 6…レジスト膜、
7…接触面、 8…予備無機膜。
Claims (17)
- 透明基板上に、少なくとも、珪素を含有する珪素含有無機膜を有し、該珪素含有無機膜上にレジスト膜を有するフォトマスクブランクの製造方法であって、
前記レジスト膜と接することになる表面におけるX線光電子分光法でのSi−Oの結合エネルギーに相当する検出強度がSi−Siの結合エネルギーに相当する検出強度よりも大きい前記珪素含有無機膜を形成した後、シリル化処理を行い、その後、塗布により前記レジスト膜を形成することを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。 - 前記珪素含有無機膜を形成するとき、前記レジスト膜と接することになる表面における酸素濃度を55原子%以上75原子%以下とすることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
- 前記珪素含有無機膜を、前記透明基板上に珪素を含有する無機膜を成膜してから熱処理、オゾン処理、プラズマ処理のうちのいずれかの処理を行うことによって形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
- 前記珪素を含有する無機膜を、スパッタリングにより前記透明基板上に成膜して形成することを特徴とする請求項3に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
- 前記珪素含有無機膜を、スパッタリングにより前記透明基板上に成膜して形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
- 透明基板上に、少なくとも、珪素を含有する珪素含有無機膜を有し、該珪素含有無機膜上にレジスト膜を有するフォトマスクブランクの製造方法であって、
前記レジスト膜と接することになる表面における酸素濃度が55原子%以上75原子%以下の前記珪素含有無機膜を、前記透明基板上に珪素を含有する無機膜を成膜してからオゾン処理、プラズマ処理のうちのいずれかの処理を行うことによって形成した後、シリル化処理を行い、その後、塗布により前記レジスト膜を形成することを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。 - 前記珪素を含有する無機膜を、スパッタリングにより前記透明基板上に成膜して形成することを特徴とする請求項6に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
- 前記シリル化処理において、ヘキサメチルジシラザンを用いて処理することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
- 前記珪素含有無機膜を、酸素、窒素のいずれか1つ以上をさらに含有するものとすることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
- 前記珪素含有無機膜を、SiO膜またはSiON膜とすることを特徴とする請求項9に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
- 透明基板上に、少なくとも、珪素を含有するシリル化処理された珪素含有無機膜を有し、該珪素含有無機膜上にレジスト膜を有するフォトマスクブランクであって、
前記珪素含有無機膜は、前記透明基板上に珪素を含有する無機膜を成膜してからオゾン処理、プラズマ処理のうちのいずれかの処理を行うことによって形成されたものであり、前記レジスト膜と接する面における酸素濃度が55原子%以上75原子%以下のものであることを特徴とするフォトマスクブランク。 - 前記珪素を含有する無機膜が、スパッタリングにより前記透明基板上に成膜して形成されたものであることを特徴とする請求項11に記載のフォトマスクブランク。
- 透明基板上に、少なくとも、珪素を含有するシリル化処理された珪素含有無機膜を有し、該珪素含有無機膜上にレジスト膜を有するフォトマスクブランクであって、
前記珪素含有無機膜は、前記レジスト膜と接する面におけるX線光電子分光法でのSi−Oの結合エネルギーに相当する検出強度がSi−Siの結合エネルギーに相当する検出強度よりも大きいものであることを特徴とするフォトマスクブランク。 - 前記珪素含有無機膜は、前記レジスト膜と接する面における酸素濃度が55原子%以上75原子%以下のものであることを特徴とする請求項13に記載のフォトマスクブランク。
- 前記シリル化処理は、ヘキサメチルジシラザンを用いた処理であることを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか一項に記載のフォトマスクブランク。
- 前記珪素含有無機膜は、酸素、窒素のいずれか1つ以上をさらに含有するものであることを特徴とする請求項11から請求項15のいずれか一項に記載のフォトマスクブランク。
- 前記珪素含有無機膜は、SiO膜またはSiON膜であることを特徴とする請求項16に記載のフォトマスクブランク。
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