JP6136601B2 - 複合樹脂発泡粒子 - Google Patents
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Description
上記複合樹脂は、上記樹脂(A)20〜50質量%及び上記樹脂(B)50〜80重量%を含有し(ただし、上記樹脂(A)及び上記樹脂(B)の合計が100質量%)、かつ上記樹脂(A)が分散相を形成し、上記樹脂(B)が連続相を形成するモルフォロジーを示し、
上記複合樹脂発泡粒子は、嵩密度が5kg/m 3 以上12kg/m 3 未満、独立気泡率が90%以上であり、袋体に充填してクッション又はマットレスとして用いられることを特徴とする複合樹脂発泡粒子にある。
本発明の複合樹脂発泡粒子は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と、該樹脂(A)にスチレン系モノマーを含浸重合してなるポリスチレン系樹脂(B)との特定比率の複合樹脂を基材樹脂とし、該複合樹脂が特定のモルフォロジーを示し、特定の嵩密度及び独立気泡率を有することにより、剛性が高く、かつ復元性に優れた発泡粒子となる。
さらに、このような複合樹脂を基材樹脂とする粒子を極めて低い嵩密度まで発泡させることにより、発泡粒子の気泡膜中において、分散相である樹脂(A)を気泡膜に沿って(気泡膜厚み方向とは直交する方向に)延伸配向させることができ、その結果、該発泡粒子を圧縮した場合においても高い独立気泡率を維持することができるものと考えられる。
発泡性複合樹脂粒子における複合樹脂のモルフォロジーは、樹脂(A)と樹脂(B)とが共連続相(海海構造)であっても、樹脂(A)が分散相(島構造)で樹脂(B)が連続相(海構造)となる島海構造であっても、樹脂(A)が連続相(海構造)で樹脂(B)が分散相(島構造)となる海島構造であってもよい。好ましくは、発泡性複合樹脂粒子における複合樹脂のモルフォロジーは、樹脂(A)と樹脂(B)とが共連続相(海海構造)であることがよい。発泡性複合樹脂粒子における複合樹脂のモルフォロジーが海海構造を形成していると、発泡時に気泡膜の破壊を効果的に抑制することができるため、高い独立気泡率を有する発泡粒子を得ることができるものと考えられる。
上記発泡性複合樹脂粒子における複合樹脂のモルフォロジーは、発泡性複合樹脂粒子の中心部断面の透過型電子顕微鏡写真(例えば倍率10000倍)において確認することができる。
具体的には、発泡性複合樹脂粒子の中心部断面(発泡性複合樹脂粒子を2等分する断面の中央部)の透過型電子顕微鏡写真(拡大倍率10000倍が好ましい)から、写真上の全領域に存在する樹脂(A)と樹脂(B)の相について、界面割合を測定する。界面割合は、発泡性複合樹脂粒子の中心部断面(発泡性複合樹脂粒子を2等分する断面の中央部)の透過型電子顕微鏡写真で観察される樹脂(A)の相と樹脂(B)の相との界面の長さ(μm)の総和を、界面を観察した全領域の面積(μm2)で除して求められる。
以上の操作を、無作為に選んだ5個の発泡性複合樹脂粒子に対して行い、その平均を界面割合(μm/μm2)とすることができる。
また、メタクリル酸エステルとしては、具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等がある。
水酸基を含有するビニル化合物としては、具体的には、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等がある。
ニトリル基を含有するビニル化合物としては、具体的には、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等がある。
オレフィン化合物としては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン等がある。
ジエン化合物としては、具体的には、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等がある。
ハロゲン化ビニル化合物としては、具体的には、塩化ビニル、臭化ビニル等がある。
ハロゲン化ビニリデン化合物としては、具体的には塩化ビニリデン等がある。
マレイミド化合物としては、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド等がある。
また、スチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体を用いる場合には、複合樹脂中のアクリル酸ブチル成分の含有量は、複合樹脂全体に対して0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがより好ましく、2〜5質量%であることがさらに好ましい。
この場合には、復元性や剛性に優れた発泡粒子となる。より好ましくは、樹脂(B)の重量平均分子量は15万〜25万であることがよい。
樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は75℃〜105℃であることが好ましく、より好ましくは、樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は80℃〜95℃であることがよい。
複合樹脂発泡粒子の製造に用いられる発泡性複合樹脂粒子においては、樹脂(D)(以下、適宜「分散径拡大剤(D)」という)は、上記樹脂(B)の相中に分散していることが好ましい。
樹脂(A)と樹脂(B)との合計量100質量部に対する分散径拡大剤(D)の含有量は、1〜7質量部であることがより好ましく、5質量部以下であることがさらに好ましい。
まず、メルトインデクサー(例えば宝工業(株)製の型式L203)を用いて、分散径拡大剤に温度200℃で5000gの荷重をかけてダイ(内径2.09mm、長さ8.00mm)から分散径拡大剤を押出す。そして、10分間でダイから流出した上記分散径拡大剤の重量を測定し、これをMFR(200℃,5kgf)とする。
このような揮発性有機化合物としては、例えば飽和炭化水素化合物、低級アルコール、エーテル化合物などがある。
低級アルコールとしては、例えばメタノール、エタノールなどを用いることができる。
エーテル化合物としては、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどを用いることができる。
これらの物理発泡剤は、単独で又は2種以上の混合物で用いることができる。
上述のその他の炭素数4〜6の炭化水素としては、ノルマルブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
また、物理発泡剤中のイソブタンが占める割合が30質量%以上の場合には、発泡性複合樹脂粒子の発泡剤保持性をより向上させることができる。より好ましくは、物理発泡剤中におけるイソブタンの占める割合は50質量%以上であることがよい。
発泡性複合樹脂粒子は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)を含有するオレフィン系樹脂核粒子(以下、適宜「核粒子」という)を水性媒体中に懸濁させた懸濁液中に、スチレン系モノマーを添加し、核粒子にスチレン系モノマーを含浸させ、スチレン系モノマーを重合させることにより製造することができる。スチレン系モノマーの添加量は、核粒子100質量部に対して100〜400質量部にすることができる。核粒子にスチレン系モノマーを含浸させて重合させるにあたって、スチレン系モノマーは、使用量の全量を一括して添加することもできる。発泡粒子の基材樹脂を特定のモルフォロジーにするという観点からは、後述の分散工程及び改質工程のように、スチレン系モノマーの使用量を例えば第1モノマー及び第2モノマーに分割し、これらのモノマーを異なるタイミングで添加することが好ましい。
上記分散工程においては、上記樹脂(A)を含有する核粒子を水性媒体中に懸濁させた懸濁液中に、第1モノマーと重合開始剤とを添加し、上記懸濁液中に上記第1モノマーを分散させる。第1モノマーは、スチレン系モノマー、又はスチレン系モノマーとこれと共重合可能なモノマーとの混合モノマーからなる。
上記改質工程においては、所定温度に加熱した懸濁液中に、所定の添加時間をかけて連続的に第2モノマーを添加し、核粒子にスチレン系モノマーを含浸させて重合させる。第2モノマーは、スチレン系モノマー、又はスチレン系モノマーとこれと共重合可能なモノマーとの混合モノマーからなる。
上記含浸工程においては、スチレン系モノマーの重合中及び/又は重合後に、樹脂粒子に物理発泡剤を含浸させることにより、発泡性複合樹脂粒子を得る。
上記分散工程においては、例えば懸濁剤、界面活性剤、水溶性重合禁止剤等を含む水性媒体中に、樹脂(A)を含有する核粒子を懸濁することにより、懸濁液を作製することができる。また、分散工程においては、懸濁液に第1モノマーと重合開始剤を添加する。第1モノマーは、スチレン系モノマー、又はスチレン系モノマーと該スチレン系モノマーと共重合可能なモノマーとの混合モノマーからなる。
また、核粒子におけるオレフィン系樹脂の融点(Tm)は95℃〜115℃であることが好ましい。この場合には、発泡性複合樹脂粒子の製造時に、オレフィン系樹脂にスチレン系モノマーを充分に含浸させることができ、重合時に懸濁系が不安定化することを防止することができる。より好ましくは、オレフィン系樹脂の融点(Tm)は100〜110℃であることがよい。融点は、示差走査熱量測定(DSC)にて測定することができる。
この場合には、発泡性複合樹脂粒子の発泡性をより向上させることができる。この理由は次のように考えられる。即ち、樹脂(A)の結晶化度が高い場合には、気体分子(発泡剤)が樹脂(A)の高分子鎖を押し広げにくくなり、発泡剤の透過性が低くなるため、発泡剤の保持性が高くなると推察できる。結晶化度は、示差走査熱量測定(DSC)にて測定することができる。
また、核粒子は、本発明の効果を損なわない限り、気泡調整剤、顔料、スリップ剤、帯電防止剤、及び難燃剤等の添加剤を含有することができる。
核粒子における樹脂(A)に分散されている分散径拡大剤の分散径は10〜1000nmが好ましく、10〜500nmがより好ましい。
気泡調整剤として有機物を用いる場合には、核粒子用の樹脂100質量部に対して有機物(気泡調整剤)の配合量を0.01〜2質量部にすることが好ましい。
また、気泡調整剤として無機物を用いる場合には、核粒子用の樹脂100質量部に対して無機物(気泡調整剤)の配合量を0.1〜5質量部にすることが好ましい。
気泡調整剤の添加量が少なすぎる場合には、気泡サイズを小さくする十分な効果が得られなくなる虞がある。一方、添加量が多すぎる場合には、気泡サイズが極端に小さくなり、発泡時に発泡粒子の気泡が破壊され収縮し、高い発泡倍率を得ることが困難になる虞がある。
即ち、核粒子を顕微鏡写真により観察し、200個以上の核粒子について各々の核粒子の最大径を測定し、測定された最大径の算術平均値を核粒子の粒子径とする。
核粒子は、懸濁剤とともに水性媒体中に分散させることが好ましい。
懸濁剤としては、例えばリン酸三カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第2鉄、水酸化チタン、水酸化マグネシウム、リン酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、及びベントナイト等の微粒子状の無機懸濁剤を用いることができる。また、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等の有機懸濁剤を用いることもできる。好ましくは、リン酸三カルシウム、ハイドロキシアパタイト、及びピロリン酸マグネシウムがよい。これらの懸濁剤は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤としては、例えばアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、及び両性界面活性剤等を用いることができる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等を用いることができる。
両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、及びステアリルベタイン等のアルキルベタインを用いることができる。また、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイドを用いることもできる。
上述の界面活性剤は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
水溶性重合禁止剤は、核粒子内に含浸し難く、水性媒体中に溶解する。したがって、核粒子に含浸したスチレン系モノマーの重合は行われるが、核粒子に含浸されていない水性媒体中のスチレン系モノマーの微小液滴、及び核粒子に吸収されつつある核粒子表面付近のスチレン系モノマーの重合を抑制することができる。その結果、発泡性複合樹脂粒子の表面のスチレン系樹脂の量を少なく制御することができ、発泡剤の保持性がさらに向上すると推察される。
なお、スチレン系モノマーの重合過程においては、核粒子中に含まれるオレフィンの架橋が生じる場合があることから、本明細書において、「重合」は「架橋」を含む場合がある。
重合開始剤を溶解する溶剤としては、例えばエチルベンゼン及びトルエン等の芳香族炭化水素、ヘプタン及びオクタン等の脂肪族炭化水素等が用いられる。
重合開始剤は、スチレン系モノマー100質量部に対して0.01〜3質量部で使用することが好ましい。
なお、重合開始剤及び架橋剤としては、同じ化合物を採用することもできる。
気泡調整剤としては、例えば脂肪酸モノアミド、脂肪酸ビスアミド、タルク、シリカ、ポリエチレンワックス、メチレンビスステアリン酸、メタクリル酸メチル系共重合体、及びシリコーンなどを用いることができる。脂肪酸モノアミドとしては、例えばオレイン酸アミド、及びステアリン酸アミド等を用いることができる。脂肪酸ビスアミドとしては、例えばエチレンビスステアリン酸アミド等を用いることができる。
気泡調整剤は、スチレン系モノマー100重量部に対して0.01〜2重量部用いることが好ましい。
可塑剤としては、例えばグリセリントリステアレート、グリセリントリオクトエート、グリセリントリラウレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノステアレート、ブチルステアレート等の脂肪酸エステルを用いることができる。また、グリセリンジアセトモノラウレート等のアセチル化モノグリセライド、硬化牛脂及び硬化ひまし油等の油脂類、シクロヘキサン及び流動パラフィン等の有機化合物等を用いることもできる。
油溶性重合禁止剤としては、例えばパラ−t−ブチルカテコール、ハイドロキノン、ベンゾキノン等を用いることができる。
1≦E/F≦8 式(1)
F/(D×G)≦1 式(2)
一方、E/Fが8を超える場合には、スチレン系モノマーを核粒子に充分に含浸させることができず、懸濁系が不安定化して樹脂の塊状物が発生する虞がある。また、この場合において分散径拡大剤(D)を含む場合には、樹脂(B)の相中に分散される分散径拡大剤(D)の分散相の分散径が小さくなる虞がある。そのため、分散径拡大剤を添加することによる上述の発泡剤の保持性の向上効果が十分に得られなくなる虞がある。より好ましくは1≦E/F≦4、更に好ましくは1.5≦E/F≦3であることがよい。
この場合には、発泡性複合樹脂粒子の製造時に、オレフィン系樹脂及びポリスチレン系樹脂(B)に発泡剤をムラなく含浸させ易くなり、発泡性複合樹脂粒子の発泡性をより向上させることができる。より好ましくは−5≦Tm−Tg≦15(℃)であり、更に好ましくは−5≦Tm−Tg≦10(℃)である。
物理発泡剤の含浸温度がTg−10℃未満の場合には、初期の発泡剤含有量が多くなり、発泡性複合樹脂粒子を常温(25℃)以上の雰囲気下で保管又は輸送した後に発泡させる場合には、発泡剤の保持性が低下し発泡性が低下する虞がある。また、この場合には、可塑化が不充分になり、発泡性複合樹脂粒子の発泡時に負荷がかかり、発泡後に得られる複合樹脂発泡粒子において独立気泡率や復元性が低下する虞がある。これは、物理発泡剤が含浸されやすいオレフィン系樹脂の相に物理発泡剤が含浸されるが、スチレン系樹脂相には物理発泡剤が充分に含浸されず、物理発泡剤が散逸しやすいオレフィン系樹脂の相から物理発泡剤が抜けてしまうためと推定される。一方、物理発泡剤の含浸温度がTg+40℃を超える場合には、発泡剤含浸時に発泡性複合樹脂粒子同士が凝結する虞がある。
表面被覆剤としては、例えばジンクステアレート、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ひまし硬化油などが挙げられる。また、機能性の表面被覆剤として帯電防止剤などを使用することもできる。上記表面被覆剤の添加量は、上記発泡性複合樹脂粒子100質量部に対して0.01〜2質量部であることが好ましい。
この場合には、特に復元性に優れた発泡粒子となる。1次発泡粒子は、上記発泡性複合樹脂粒子を発泡させることに得ることができる(1次発泡)。1次発泡粒子の嵩密度を上述のように20〜50kg/m3とすることにより、高い独立気泡率を有する発泡粒子が得られやすく、さらに該発泡粒子をさらに発泡させることにより、気泡膜中で樹脂(A)をより高度に延伸配向させやすくなる。かかる観点から、20〜30kg/m3であることがより好ましい。1次発泡粒子のさらなる発泡は、1回(2次発泡)又は2回以上(3次発泡以上)行うことができる。なお、発泡粒子をさらに発泡させる際には、発泡後の発泡粒子を1日以上熟成させたり、発泡粒子を加圧したりして、気泡内の空気分圧を高めておくことが好ましい。
この場合には、軽量で、剛性と復元性とを兼ね備えるという複合樹脂発泡粒子の上述の特性を十分にいかすことができる。また、上記複合樹脂発泡粒子は、クッション用途だけではなく、型内成形用途に用いることもできる。この場合にも、軽量でありながらも、高い剛性と優れた復元性を維持することができる。
(実施例1)
図1に示すごとく、本例の複合樹脂発泡粒子1は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と、該樹脂(A)にスチレン系モノマーを含浸重合してなるポリスチレン系樹脂(B)との複合樹脂2を基材樹脂とし、内部に多数の気泡3を有している。複合樹脂2は、樹脂(A)と樹脂(B)とを所定の配合割合で含有している。複合樹脂発泡粒子1において、複合樹脂2は、樹脂(A)が分散相21を形成し、上記樹脂(B)が連続相を形成するモルフォロジーを示す(図3〜図5参照)。また、本例の複合樹脂発泡粒子1は、11kg/m3という低い嵩密度を有し、96%という高い独立気泡率を有する。
複合樹脂発泡粒子の製造にあたっては、まず、核粒子を製造し、この核粒子を用いて発泡性複合樹脂粒子を製造する。次いで、発泡性複合樹脂粒子を発泡させて目的の複合樹脂発泡粒子を製造する。以下、詳細に説明する。
まず、メタロセン系触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー社製「ニポロンZ 9P51A」20kg、および分散径拡大剤としてのアクリロニトリル−スチレン共重合体(電気化学工業(株)製「AS−XGS、重量平均分子量:10.9万、アクリロニトリル成分量:28質量%、MFR(200℃、5kgf):2.8g/10min)1kgをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製;型式FM−75E)に投入し、5分間混合した。ここで用いた配合の樹脂混合物を樹脂aとし、樹脂aのMFR(190℃、2.16kgf)を後述の表1に示す。
次いで、この樹脂混合物を押出機(アイケージー(株)製;型式MS50−28;50mmφ単軸押出機、マドックタイプのスクリュ)にて温度230〜250℃で溶融混練し、水中カット方式により0.4〜0.6mg/個(平均0.5mg/個)に切断し、オレフィン樹脂よりなる核粒子(オレフィン系樹脂粒子)を得た。
撹拌装置の付いた内容積が3Lのオートクレーブに、脱イオン水1000gを入れ、更にピロリン酸ナトリウム6.0gを加えた後、粉末状の硝酸マグネシウム・6水和物12.9gを加え、室温で30分撹拌した。これにより、懸濁剤としてのピロリン酸マグネシウムスラリーを作製した。
次に、この懸濁剤に界面活性剤としてのラウリルスルホン酸ナトリウム(10質量%水溶液)1.5g、水溶性重合禁止剤としての亜硝酸ナトリウム0.5g、及び核粒子125gを投入した。
次いで、オートクレーブ内を窒素置換した後、昇温を開始し、1時間30分かけて温度88℃まで昇温させた。昇温後、この温度88℃で30分間保持した後、撹拌速度を450rpmに下げた。30分かけて温度88℃から80℃まで冷却し、この重合温度80℃で8時間保持した。なお、温度80℃到達時にモノマーとしてスチレン115gを5時間かけてオートクレーブ内に添加した。
その後、温度90℃まで1時間かけて冷却し、撹拌速度を400rpmに下げ、そのまま温度90℃で3時間保持した。そして、温度90℃到達時に、発泡剤としてシクロヘキサン20gとブタン(ノルマルブタン約20体積%、イソブタン約80体積%の混合物)65gを約1時間かけオートクレーブ内に添加した。さらに、温度105℃まで2時間かけて昇温し、そのまま温度105℃で5時間保持した後、温度30℃まで約6時間かけて冷却した。
本例で得られた発泡性複合樹脂粒子は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と、該樹脂(A)にスチレン系モノマーを含浸重合してなるポリスチレン系樹脂(B)との複合樹脂を基材樹脂とし、発泡剤を含有する。この発泡性複合樹脂粒子の中心部断面の透過型電子顕微鏡写真(拡大倍率10000倍)を図2に示す。透過型電子顕微鏡としては、日本電子(株)製のJEM1010を用いた。図2においては、濃い黒色部が直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の相であり、薄い灰色部がポリスチレン系樹脂(B)の相である。同図より知られるように、本例の発泡性複合樹脂粒子において、複合樹脂は、樹脂(A)と樹脂(B)とが共連続相となる海海構造となっている。
発泡性複合樹脂粒子を1g計量し、メトラー・トレド社製「コンパクトハロゲン水分計HB-43S」にて195℃で加熱した。そして、加熱前後の重量変化量を測定することにより物理発泡剤の含有量を求めた。具体的には、以下の式に基づいて、発泡複合樹脂粒子中の物理発泡剤の含有量(質量%)を算出した。
物理発泡剤の含有量=(加熱前の重量−加熱後の重量)/加熱前の重量 ×100
まず、前述のようにして加熱前後の重量変化量から発泡剤の含有量(質量%)を測定した。これをS0とする。
また、発泡性複合樹脂粒子を温度23℃の開放状態で24時間放置した後、前述の方法により物理発泡剤の含有量(質量%)を測定した。これをS1とする。
次に、温度23℃で24時間放置した後の物理発泡剤の含有量(S1)を初期の物理発泡剤の含有量(S0)で除して100分率で表した。これを物理発泡剤の保持率(%)とする。即ち、保持率=S1/S0×100という式から物理発泡剤の保持率を算出した。
発泡性複合樹脂粒子を温度23℃の開放状態で24時間放置し、物理発泡剤を散逸させた。次に、物理発泡剤を散逸させた発泡性複合樹脂粒子を加熱スチーム温度107℃で270秒間加熱し、温度23℃で24時間乾燥させた。そして、乾燥後の発泡粒子の嵩密度(kg/m3)を測定し、これを発泡性とした。なお、発泡粒子の嵩密度(kg/m3)は、1Lのメスシリンダーを用意し、空のメスシリンダー中に複合樹脂発泡粒子を1Lの標線まで充填し、1Lあたりの複合樹脂発泡粒子の重量(g)を測定することより求めた。
発泡性複合樹脂粒子中心部から観察用のサンプルを切り出した。観察用サンプルをエポキシ樹脂に包埋し、四酸化ルテニウム染色を行った後、ウルトラミクロトームにより超薄切片を作製した。この超薄切片をグリッドに載せ、発泡性複合樹脂粒子の中心部断面のモルフォロジーを倍率10000倍の透過型電子顕微鏡(日本電子社製のJEM1010)で観察し、断面写真(TEM写真)を撮影した。その結果を図2に示す。
断面写真から、発泡性複合樹脂粒子における直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の相とポリスチレン系樹脂の相のモルフォロジーを目視にて観察した。
次に、断面写真をスキャナ(600dpi/カラー写真)で取込んだ。取り込んだ画像を、画像処理ソフト(ナノシステム(株)のNanoHunter NS2K−Pro)で解析し、発泡性複合樹脂粒子の中心部断面(発泡性複合樹脂粒子を2等分する断面の中央部)の透過型電子顕微鏡写真(拡大倍率10000倍が好ましい)から、写真上の全ての直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(PE)の相とポリスチレン系樹脂(PS)の相について、界面割合を測定した。なお、界面割合は、発泡性複合樹脂粒子の中心部断面(発泡性複合樹脂粒子を2等分する断面の中央部)の透過型電子顕微鏡写真で観察される直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(PE)とポリスチレン系樹脂(PS)との界面の長さ(μm)の総和を意味する。
以上の操作を、無作為に選んだ5個の発泡性複合樹脂粒子に対して行い、顕微鏡写真5枚以上に存在するPEとPSとの界面の長さ(μm)の総和を、観察した範囲の面積(μm2)で除して求められる値を、PEとPSとの界面割合(μm/μm2)とする。
なお、画像処理ソフトによりPEとPSとの界面割合を求めるにあたっては、次の(1)〜(8)の処理条件で行った。
(1)モノクロ変換→(2)平滑化フィルタ(3×3、8近傍、処理回数=1)→(3)NS法2値化(背景より明るい、鮮明度=100、感度=5、ノイズ除去、濃度範囲=0〜255)→(4)穴埋め→(5)収縮(8近傍、処理回数=3)→(6)特徴量(面積)による画像のみ選択(0.01〜∞μm2、8近傍)→(7)隣と隣接しない膨張(8近傍、処理回数=3)→(8)周径(界面長さ)計測
まず、150メッシュの金網袋中に発泡性複合樹脂粒子1.0gを入れた。次に、丸型フラスコ200mlにキシレン約200mlを入れ、上記金網袋に入れた発泡性複合樹脂粒子のサンプルをソックスレー抽出管にセットした。マントルヒーターで8時間加熱することによりソックスレー抽出を行い、抽出終了後に空冷で冷却した。
次に1000mlのビーカーにアセトン約600mlを入れ、このアセトンにより、抽出終了後に抽出管からとりだした金網内のサンプルを洗浄した。次いで、アセトンを揮発させてから温度120℃の乾燥器内でサンプルを4時間乾燥させた。残留分をゲル分とし、初期の発泡性複合樹脂粒子量(質量)に対するゲル分量(質量)の割合を百分率で表し、これをキシレンに不溶なゲル量(質量%)とした。
まず、150メッシュの金網袋中に発泡性複合樹脂粒子1.0gを入れた。次に、丸型フラスコ200mlにキシレン約200mlを入れ、上記金網袋に入れた発泡性複合樹脂粒子のサンプルをソックスレー抽出管にセットした。マントルヒーターで8時間加熱することによりソックスレー抽出を行った。ここで抽出したキシレン溶液をアセトン600mlへ投下し、デカンテーション及び減圧蒸発乾固を行い、アセトン可溶分としてスチレン系樹脂を得た。
得られたポリスチレン系樹脂2〜4mgについて、熱流束示差走査熱量測定を行った。熱流束示差走査熱量の測定は、ティ・エイ・インスツルメント社製の2010型DSC測定器を用い、JIS K7121(1987年)に従って行った。そして、加熱速度10℃/分の条件で得られるDSC曲線の中間点ガラス転移温度を求め、これをポリスチレン系樹脂のガラス転移温度(Tg)とした。
まず、上述の方法と同様にして、発泡性複合樹脂粒子からアセトン可溶分として、ポリスチレン系樹脂を得た。得られたスチレン系樹脂の重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法(高分子測定用ミックスゲルカラム)により測定した。具体的には、東ソー(株)製の測定装置(GPC−8020ModelII)を用いて、溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、流量:2ml/分、カラム:東ソー(株)製のTSK−GEL GMHという測定条件で測定を行うことができる。重量平均分子量は、ポリスチレン系樹脂をテトラヒドロフランに溶解させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、標準ポリスチレンで校正して求めた。
まず、150メッシュの金網袋中に発泡性複合樹脂粒子1.0gを入れた。次に、丸型フラスコ200mlにキシレン約200mlを入れ、上記金網袋に入れた発泡性複合樹脂粒子のサンプルをソックスレー抽出管にセットした。マントルヒーターで8時間加熱することによりソックスレー抽出を行った。ここで、抽出したキシレン溶液をアセトン600mlへ投下し、デカンテーション及び減圧蒸発乾固を行い、アセトン不溶分としてオレフィン系樹脂を得た。
得られたオレフィン系樹脂について、熱流束示差走査熱量測定を行った。熱流束示差走査熱量の測定は、ティ・エイ・インスツルメント社製の2010型DSC測定器を用い、JIS K7121(1987年)に従って行った。
具体的には、サンプルパンに2〜4mgのオレフィン系樹脂のサンプルを秤量した後、窒素雰囲気下でサンプルを温度190℃まで昇温した。その後、降温速度10℃/分で−50℃まで低下させ、もう一度、昇温速度10℃/分で190℃まで昇温した時に得られるDSC曲線の吸熱ピーク面積から融解熱量を求めた。そして、融解熱量の値とポリエチレン結晶の融解熱量との比から結晶化度(%)を計算した。尚、完全ポリエチレン結晶の融解熱量は286.7J/gの値を用いた。
また、DSC曲線上の吸熱ピークの頂点の温度をもって、オレフィン系樹脂の融点(Tm)とした。
上記発泡性樹脂粒子の平均粒子径は、次のようにして測定することができる。
即ち、まず、温度23℃の水の入ったメスシリンダーを用意し、相対湿度50%、温度23℃、1atmの条件にて2日放置した任意の量の発泡性樹脂粒子群(発泡性樹脂粒子群の質量W1)を上記メスシリンダー内の水中に金網などの道具を使用して沈める。そして、金網などの道具の体積を考慮し、水位上昇分より読みとられる発泡性樹脂粒子群の容積V1[L]を測定し、この容積V1をメスシリンダーに入れた発泡性樹脂粒子の個数(N)にて割り算(V1/N)することにより、発泡性樹脂粒子1個あたりの平均体積を算出する。そして、得られた平均体積と同じ体積を有する仮想真球の直径をもって発泡性樹脂粒子の平均粒子径[mm]とする。
次に、上記のようにして得られた発泡性複合樹脂粒子を用いて、嵩密度25.1kg/m3の一次発泡粒子を作製した。
具体的には、まず、上記のようにして得られた発泡性複合樹脂粒子を30L常圧バッチ発泡機内に入れ、この発泡機内にスチームを供給した。これにより、発泡性複合樹脂粒子を嵩密度25.1kg/m3まで発泡させ、発泡倍率40倍の一次発泡粒子を得た。
上記で得られた一次発泡粒子を室温で1日熟成した後、一次発泡粒子を30L常圧バッチ発泡機内に入れ、この発泡機内にスチームを供給した。これにより、一次発泡粒子を嵩密度11.0kg/m3までさらに発泡させ、発泡倍率91倍の二次発泡粒子を得た。これを本例の複合樹脂発泡粒子とする。
上述の発泡性複合樹脂粒子と同様の方法により、断面の透過型電子顕微鏡写真を撮影し、断面写真から、複合樹脂発泡粒子における直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の相とポリスチレン系樹脂の相のモルフォロジーを目視にて観察した。本例の複合樹脂発泡粒子については、倍率10000倍と50000倍の透過型電子顕微鏡写真を撮影した。倍率10000倍の透過型電子顕微鏡写真を図3に示す。倍率50000倍の透過型電子顕微鏡写真については、複合樹脂発泡粒子1の隣り合う気泡3同士が近接しておらず樹脂溜まりが存在している領域(図1における点線で囲った領域A)の写真を図4に示し、隣り合う気泡3同士が近接して気泡膜(セル膜)を形成している領域(図1における点線で囲った領域B)の写真を図5に示す。
上述の発泡性複合粒子と同様の方法により、複合樹脂発泡粒子の平均粒子径を測定した。
複合樹脂発泡粒子を大気圧下、相対湿度50%、23℃の条件の恒温室内にて10日間放置した。次に、10日間放置した嵩体積約20cm3の複合樹脂発泡粒子を測定用サンプルとし正確に見かけの体積Vaを測定した。次いで、測定用サンプルを十分に乾燥させた後、ASTM−D2856−70に記載されている手順Cに準じ、東芝・ベックマン株式会社製空気比較式比重計930により、測定用サンプルの真の体積の値Vxを測定した。そして、これらの体積値Va及びVxを基に、下記の式(3)により独立気泡率を計算し、N=5の平均値で求めた。
独立気泡率(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ)・・・(3)
(ただし、Vx:上記方法で測定される複合樹脂発泡粒子の真の体積、即ち、複合樹脂発泡粒子を構成する樹脂の容積と、複合樹脂発泡粒子内の独立気泡部分の気泡全容積との和(cm3)、Va:発泡粒子を、水の入ったメスシリンダーに沈めて、水位上昇分から測定される複合樹脂発泡粒子の見かけの体積(cm3)、W:複合樹脂発泡粒子の重量(g)、ρ:複合樹脂発泡粒子を構成する樹脂の密度(g/cm3))
このようにして、圧縮前、25%圧縮時、50%圧縮時における複合樹脂発泡粒子の独立気泡率を求めた。
まず、直径78mmの蓋付きの円筒形容器に予めメスシリンダーで計量した複合樹脂発泡粒子330mlを投入し、蓋をした。次いで、蓋の部分から圧縮速度100mm/minで複合樹脂発泡粒子に荷重をかけ、所定の荷重到達後、瞬時に荷重を開放した。この操作を100回繰り返した。荷重は、容器内の複合樹脂発泡粒子の元の体積に対して、25%、及び50%圧縮される以下の条件で行った。
(25%圧縮)
下式(4)及び(5)に基づき、円筒容器中の複合樹脂発泡粒子の体積が247.5mlとなるまで荷重をかけた。
元の体積(330ml)×0.25=82.5ml・・・(4)
元の体積(330ml)−82.5ml=247.5ml・・・(5)
(50%圧縮)
下式(6)及び(7)に基づき、円筒容器中の複合樹脂発泡粒子の体積が165mlとなるまで荷重をかけた。
元の体積(330ml)×0.5=165ml・・・(6)
元の体積(330ml)−165ml=165ml・・・(7)
上記測定における圧縮応力は、1回目の圧縮応力値で示した。
上記圧縮応力測定において、100回の繰り返し荷重をかけた後、荷重を開放した状態で24時間放置し体積を測定した。この体積の値から、以下の式(8)を用いて繰り返し圧縮歪を算出した。圧縮歪は値が小さいほど、復元性に優れることを意味する。
圧縮歪(%)=(元の体積(330ml)−圧縮試験後の体積)/元の体積(330ml)×100・・・(8)
本例は、核粒子を構成するポリエチレン系樹脂を実施例1と変更すると共に、実施例1とはスチレン系モノマーの重合条件などを変更して発泡性複合樹脂粒子を作製し、該発泡性複合樹脂粒子を用いて複合樹脂発泡粒子を作製する例である。
具体的には、まず、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としてメタロセン系触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレンである日本ポリエチレン社製「カーネルKF270」を用いた点を除いては、実施例1と同様にして核粒子を作製した。ここで用いた配合の樹脂混合物を樹脂bとし、樹脂bのMFR(190℃、2.16kgf)を後述の表1に示す。
次いで、オートクレーブ内を窒素置換した後、昇温を開始し、1時間30分かけて温度87℃まで昇温させた。昇温後、この温度87℃で30分間保持した後、撹拌速度を450rpmに下げた。この重合温度87℃で6時間保持した。
その後、温度90℃まで1時間かけて冷却し、撹拌速度を400rpmに下げ、そのまま温度90℃で3時間保持した。そして、温度90℃到達時に、発泡剤としてシクロヘキサン20gとブタン(ノルマルブタン約20体積%、イソブタン約80体積%の混合物)65gを約1時間かけオートクレーブ内に添加した。さらに、温度105℃まで2時間かけて昇温し、そのまま温度105℃で5時間保持した後、温度30℃まで約6時間かけて冷却した。
次いで、実施例1と同様に、得られた発泡性複合樹脂粒子を篩いにかけ、N,N―ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ステアリン酸亜鉛、及びグリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレートを発泡粒子の表面に被覆させた。このようにして、本例の発泡性複合樹脂粒子を得た。
本例においては、発泡性複合樹脂粒子を嵩密度24.6kg/m3まで発泡させて一次発泡粒子を作製し、この一次発泡粒子をさらに嵩密度11.3kg/m3までさらに発泡させた点を除いては、実施例1と同様にして複合樹脂発泡粒子(二次発泡粒子)を作製した。
本例は、分散径拡大剤の種類やスチレン系モノマーの重合条件等を実施例1とは変えて発泡性複合樹脂粒子を作製し、この発泡性複合樹脂粒子を用いて複合樹脂発泡粒子を作製する例である。
具体的には、本例においては、分散径拡大剤としてメチルメタクリレート−スチレン共重合体(MS)である新日鐵化学(株)製の「MS200」1kgを用いた点を除いては、実施例1と同様にして核粒子を作製した。ここで用いた配合の樹脂混合物を樹脂cとし、樹脂cのMFR(190℃、2.16kgf)を後述の表1に示す。
次いで、この核粒子を用いた点を除いては、実施例2と同様にして、発泡性複合樹脂粒子(平均粒子径:1.4mm)を作製した。
本例においては、発泡性複合樹脂粒子を嵩密度24.1kg/m3まで発泡させて一次発泡粒子を作製し、この一次発泡粒子をさらに嵩密度11.6kg/m3までさらに発泡させた点を除いては、実施例1と同様にして複合樹脂発泡粒子(二次発泡粒子)を作製した。
本例は、発泡性複合樹脂粒子を三段階で発泡させて複合樹脂発泡粒子を作製する例である。
具体的には、まず、実施例1と同様にして核粒子を作製した。次いで、この核粒子を用いた点を除いては、実施例2と同様にして発泡性複合樹脂粒子(平均粒子径:1.4mm)を作製した。
具体的には、本例において作製した発泡性複合樹脂粒子を、実施例1と同様に嵩密度25.1kg/m3まで発泡させて一次発泡粒子を作製し、この一次発泡粒子をさらに嵩密度11.0kg/m3までさらに発泡させて二次発泡粒子を作製した。次いで、得られた二次発泡粒子を室温で1日熟成した後、30L常圧バッチ発泡機内に入れ、この発泡機内にスチームを供給することにより、二次発泡粒子をさらに発泡させた。
実施例4においては、二次発泡粒子を嵩密度8.3kg/m3までさらに発泡させることにより、発泡倍率120倍の三次発泡粒子を得た。この三次発泡粒子を実施例4の複合樹脂発泡粒子とした。
また、実施例5においては、上記二次発泡粒子を嵩密度6.1kg/m3までさらに発泡させることにより、発泡倍率164倍の三次発泡粒子を得た。これを実施例5の複合樹脂発泡粒子とした。
本例は、上述の実施例とは核粒子を変更して複合樹脂発泡粒子を作製した例である。
具体的には、まず、エチレン系樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体である東ソー社製「ウルトラセン626」5kgと、直鎖状低密度ポリエチレンである東ソー社製「ニポロンZ 9P51A」15kgを用い、分散径拡大剤としてアクリロニトリル−スチレン共重合体であるテクノポリマー社製「SANH」を用いた点を除いては、実施例1と同様にして核粒子を作製した。ここで用いた配合の樹脂混合物を樹脂dとし、樹脂dのMFR(190℃、2.16kgf)を後述の表1に示す。
次に、本例の発泡性複合樹脂粒子を発泡させて複合樹脂発泡粒子を作製した。本例においては、発泡性複合樹脂粒子を嵩密度27.1kg/m3まで発泡させて一次発泡粒子を作製した。次いで、この一次発泡粒子を嵩密度21.1kg/m3までさらに発泡させて二次発泡粒子を作製した。
本例においては、平均粒子径を変更した点除いては比較例1と同様にして発泡性複合樹脂粒子を作製し、該発泡性複合樹脂粒子を比較例1とは異なる発泡倍率で発泡させて複合樹脂発泡粒子を作製した。
本例においては、発泡性複合樹脂粒子を嵩密度21.1kg/m3まで発泡させて一次発泡粒子を作製した。次いで、この一次発泡粒子を嵩密度14.1kg/m3までさらに発泡させて二次発泡粒子を作製した。
本例は、上述の実施例の複合樹脂発泡粒子の比較用として、発泡ポリスチレン粒子(発泡PS粒子)を作製する例である。
撹拌装置の付いた内容積が3Lのオートクレーブに、脱イオン水760g、懸濁剤として第三リン酸カルシウム(太平化学産業社製)0.6g、界面活性剤としてテトラデセンスルホン酸ナトリウム(ライオン社製 リポランLB440)の1%水溶液2.7gとドデシルジフェニルエーテルスルホン酸二ナトリウム(花王社製 ペレックスSSH)の1%水溶液0.9g、懸濁助剤として過硫酸カリウムの0.01%水溶液を3.8g、電解質として酢酸ナトリウム1.2gを投入した。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を篩いにかけて直径が0.8〜1.6mmの粒子を取り出し、発泡性複合樹脂粒子100質量部に対して、帯電防止剤であるN,N―ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン0.008質量部を添加し、さらにステアリン酸亜鉛0.12質量部、グリセリンモノステアレート0.04質量部、グリセリンジステアレート0.04質量部の混合物で被覆した。
さらに、実施例2〜5、比較例1及び2における複合樹脂発泡粒子、比較例3及び4における発泡ポリスチレン粒子について、実施例1と同様にして、モルフォロジー、嵩密度、平均粒子径、独立気泡率、圧縮応力、及び繰り返し圧縮歪を調べ、その結果を表2〜表4に示す。
表2〜3より知られるごとく、実施例1〜5のように、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と、スチレン系モノマーの重合体又はスチレン系モノマーを含む混合モノマーの重合体であるポリスチレン系樹脂(B)とを含む複合樹脂のモルフォロジー等が調整された、高発泡倍率、高独立気泡率の複合樹脂発泡粒子は、剛性及び復元性に優れていた。
また、表4より知られるごとく、発泡性ポリスチレン粒子(比較例3及び4)は発泡性に優れるものの、得られる発泡ポリスチレン粒子は、実施例1〜5に比べて、復元性が劣っていた(表2及び表4参照)。
2 複合樹脂
3 気泡
Claims (3)
- 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と、該樹脂(A)にスチレン系モノマーを含浸重合してなるポリスチレン系樹脂(B)との複合樹脂を基材樹脂とする複合樹脂発泡粒子であって、
上記複合樹脂は、上記樹脂(A)20〜50質量%及び上記樹脂(B)50〜80重量%を含有し(ただし、上記樹脂(A)及び上記樹脂(B)の合計が100質量%)、かつ上記樹脂(A)が分散相を形成し、上記樹脂(B)が連続相を形成するモルフォロジーを示し、
上記複合樹脂発泡粒子は、嵩密度が5kg/m 3 以上12kg/m 3 未満、独立気泡率が90%以上であり、袋体に充填してクッション又はマットレスとして用いられることを特徴とする複合樹脂発泡粒子。 - 上記複合樹脂中のキシレン不溶分が30質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の複合樹脂発泡粒子。
- 上記複合樹脂発泡粒子の平均粒子径が4〜8mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合樹脂発泡粒子。
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