以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとし、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本明細書において、感光性樹脂組成物の「貼付性」とは、感光性樹脂組成物をフィルム状に成形することによって得られるフィルム状樹脂とした場合の貼付性を意味する。感光性樹脂組成物の「高温接着性」とは、感光性樹脂組成物を硬化物にした場合の、加熱下での接着性を意味する。感光性樹脂組成物の「パターン形成性」とは、被着体上に形成された上記フィルム状樹脂からなる樹脂層を、フォトマスクを介して露光しアルカリ現像液によって現像したときに得られる樹脂パターンの精度を意味する。感光性樹脂組成物の「熱圧着性」とは、上記樹脂パターンを加熱下で支持部材等に圧着(熱圧着)したときの接着具合を意味する。
[感光性樹脂組成物]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)下記式(1)で表される構造単位を有するアクリルポリマー(以下、(A)成分ともいう。)、(B)(メタ)アクリレート化合物(以下、単に(B)成分ともいう。)、(C)エポキシ樹脂(以下、単に(C)成分ともいう。)及び(D)光開始剤(以下、単に(D)成分ともいう。)を含有する。
<(A)成分:式(1)で表される構造単位を有するアクリルポリマー>
式(1)で表される構造単位は、ヒドロキシフェニル基を側鎖に有する(メタ)アクリレート化合物に基づく単位である。
式中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、R
2は炭素数1〜4のアルキル基を示し、xは0〜4の整数を示す。
(A)成分は、式(1)で表される構造単位を(A)成分の総量に対して、10〜80モル%有することが好ましく、20〜60モル%有することがより好ましい。
(A)成分のガラス転移温度(Tg)は、樹脂層を形成した後の取り扱い性、熱圧着時のボイド低減の観点から40℃〜180℃であることが好ましく、フィルム状にしたときの貼付性の観点から40℃〜160℃であることが更により好ましい。このTgが180℃を超える場合、感光性樹脂組成物をフィルム状としたフィルム状樹脂を被着体に貼り合わせる際に高温を要し、半導体ウェハに反りが発生しやすくなる傾向がある。また、パターン形成後の上記樹脂の溶融粘度が高くなり、熱圧着性が低下する傾向がある。
ここで、(A)成分の「Tg」とは、(A)成分をフィルム化したものについて、粘弾性アナライザー(レオメトリックス社製、商品名:RSA−2)を用いて、昇温速度5℃/min、周波数1Hz、測定温度−150℃〜300℃の条件で測定したときのtanδピーク温度である。
(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、5000〜500000の範囲内で制御されていることが好ましく、10000〜300000であることがより好ましく、10000〜100000であることが更に好ましく、15000〜50000であることが特に好ましい。(A)成分のMwが上記範囲内にあると、感光性樹脂組成物をシート状又はフィルム状としたときの強度、可とう性及びタック性が良好となる。また、熱時流動性が良好となるため、基板表面の配線段差(凹凸)に対する良好な埋込性を確保することが可能となる。上記Mwが5000未満であると、フィルム形成性が十分でなくなる傾向がある。一方、上記Mwが500000を超えると、熱時流動性及び上記埋め込み性が十分でなくなる傾向や、パターン形成する際に感光性樹脂組成物のアルカリ現像液に対する溶解性が十分でなくなる傾向がある。ここで、「Mw」は、溶離液であるテトラヒドロフラン中で(A)成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行い、標準ポリスチレン換算した値である。
(A)成分のフェノール性水酸基当量は、パターン形成性及び熱圧着時のボイド低減の観点から150〜700g/eqであることが好ましく、パターン形成後の熱圧着性の観点から200〜600g/eqであることがより好ましく、パターン形成性の300〜500g/eqであることが更に好ましく、パターン形成性とパターン形成後の熱圧着性とを高度に満足できる点で300〜400g/eqであることが特に好ましい。
(A)成分は、式(1)で表される構造単位と共に、式(1)で表される構造単位以外の他の構造単位(以下、単に「他の構造単位」という)を有することができる。
(A)成分を構成する他の構造単位は、式(1)で表される構造単位を有する重合性単量体と共重合可能な重合性単量体に由来する構造単位である。このような重合性単量体として、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシエトキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、メトキシメチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、メトキシエトキシエチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル、2−ヒドロキシエチルアリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸ジヒドロジシクロペンテニル、メタクリル酸ジヒドロジシクロペンテニル、イタコン酸ジヒドロジシクロペンテニル、マレイン酸ジヒドロジシクロペンテニル、フマル酸ジヒドロジシクロペンテニル、アクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、イタコン酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、マレイン酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、フマル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸ビニル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸1,1−ジメチルプロペニル、アクリル酸1,1−ジメチルプロペニル、メタクリル酸3,3−ジメチルブテニル、アクリル酸3,3−ジメチルブテニル、イタコン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、フマル酸ジビニル、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、1,1−ジメチルプロペニルメタクリレート、1,1−ジメチルプロペニルアクリレート、3,3−ジメチルブテニルメタクリレート、3,3−ジメチルブテニルアクリレート、ビニル1,1−ジメチルプロペニルエーテル、ビニル3,3−ジメチルブテニルエーテル、1−アクリロイルオキシ−1−フェニルエテン、1−アクリロイルオキシ−2−フェニルエテン、1−メタクリロイルオキシ−1−フェニルエテン、1−メタクリロイルオキシ−2−フェニルエテン等が挙げられる。
(A)成分は、上記式(1)で表される構造単位に加え、下記式(2)で表される構造単位を有することが好ましい。すなわち、上述の重合性単量体の中でも、2−ヒドロキシエチルアリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合成分として用いることがより好ましい。
式中、R
3は水素原子又はメチル基を示す。
本実施形態の感光性樹脂組成物において、(A)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として10質量%〜90質量%であることが好ましく、15質量%〜80質量%であることがより好ましく、20質量%〜70質量%であることが最も好ましい。この含有量が10質量%未満であると、パターン形成時の現像性が十分でなくなる傾向や、タック性等の取り扱い性が十分でなくなる傾向があり、90質量%を超えると、パターン形成時の現像性及び接着性が十分でなくなる傾向がある。
<(B)成分:(メタ)アクリレート化合物>
(B)成分である(メタ)アクリレート化合物としては特に限定されないが、2官能以上の(メタ)アクリレートであることが好ましい。このような(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,2−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレート、下記式で表される化合物等が挙げられる。下記式中、R19及びR20は各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、g及びhは各々独立に、1〜20の整数を示す。
上述の(メタ)アクリレート化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、上記式で表されるグリコール骨格を有する放射線重合性化合物は、アルカリ可溶性及び硬化後の耐溶剤性を十分に付与できる点で好ましく、イソシアヌル酸ジ/トリアクリレート及びイソシアヌル酸ジ/トリメタクリレートは、パターン形成性、硬化後の高接着性、耐熱性及び気密封止性を十分に付与できる点で好ましい。
(B)成分は、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。この場合、硬化後の接着性をより向上させることができるとともに、加熱時のアウトガスを抑制することができ、硬化後の熱膨張率を低下させることができる。
(B)成分として、2官能以上の(メタ)アクリレートに加え、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、イミドアクリレート、尿素アクリレート等の1官能のアクリレート化合物を用いることができる。
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して10質量部〜500質量部であることが好ましく、20質量部〜250質量部であることがより好ましく、30質量部〜150質量部であることが更に好ましく、40質量部〜100質量部であることが特に好ましい。この含有量が500質量部を超えると、重合により熱溶融時の流動性が低下し、熱圧着時の接着性が低下する傾向にある。一方、10質量部未満であると、露光による光硬化後の耐溶剤性が低くなり、パターンを形成するのが困難となる。つまり、現像前後の膜厚変化が大きくなり、残渣が多くなる傾向にある。また、熱圧着時に溶融し、パターンが変形する傾向にある。
<(C)成分:エポキシ樹脂>
(C)エポキシ樹脂としては、高温接着性及び耐リフロー性の観点から、分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を含むものが好ましく、パターン形成性及び熱圧着性の点から、室温(25℃)で液状又は半固形状、具体的には軟化温度が50℃以下であるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂がより好ましい。このような樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型、AD型、S型又はF型のグリシジルエーテル、水添加ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、エチレンオキシド付加体ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、プロピレンオキシド付加体ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、3官能型又は4官能型のグリシジルエーテル、ダイマー酸のグリシジルエステル、並びに3官能型又は4官能型のグリシジルアミンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(C)成分としては、5%質量減少温度が150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることが更に好ましく、260℃以上であることが特に好ましい。5%質量減少温度が150℃以上であることで、低アウトガス性、高温接着性及び耐リフロー性が向上する。
上記5%質量減少温度とは、サンプルを示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー製、商品名:TG/DTA6300)を用いて、昇温速度10℃/min、窒素フロー(400mL/min)下で測定したときの5%質量減少温度である。
上記(C)成分として、下記構造式で表されるエポキシ樹脂を用いることが好ましい。このようなエポキシ樹脂を用いることで5%質量減少温度、パターン形成性、高温接着性、耐リフロー性及び気密封止性を十分に付与できる。
また、(C)成分としては、不純物イオンである、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン及びハロゲンイオン、特に塩素イオン及び加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることが好ましい。エレクトロマイグレーション防止及び金属導体回路の腐食防止が可能となる。
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して5質量部〜300質量部であることが好ましく、10質量部〜100質量部であることがより好ましい。この含有量が300質量部を超えると、アルカリ水溶液への溶解性が低下し、パターン形成性が低下する傾向がある。一方、上記含有量が5質量部未満であると、十分な熱圧着性、及び高温接着性が得にくくなる傾向がある。
(C)成分の含有量は、(C)成分と、後述する(E)エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物との総量が、(A)成分100質量部に対して20質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましい。また、(A)成分のTgが70℃以上の場合は、特に30質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることが最も好ましい。(C)成分の含有量を上記範囲とすることで、パターン形成後の溶融粘度を低下させることができ、パターン形成性、熱圧着性、高温接着性及び気密封止性を向上させることができる。
<(D)成分:光開始剤>
(D)成分としては、感度向上の点から、波長が365nmである光に対する分子吸光係数が1000mL/g・cm以上であるものが好ましく、2000mL/g・cm以上であるものがより好ましい。なお、分子吸光係数は、サンプルの0.001質量%アセトニトリル溶液を調製し、この溶液について分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名:U−3310)を用いて吸光度を測定することによって求められる。
感光性樹脂組成物を膜厚30μm以上の樹脂層とする場合、(D)成分は、感度向上及び内部硬化性向上の観点から、光照射によってブリーチングするものが好ましい。このような(D)成分としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン及びフェナントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体及び2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン及び1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド及びビス(2,4,6,−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイドの中からUV照射によって光退色する化合物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(D)成分は、放射線の照射によって(C)成分や後述する(E)エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物(以下(E)成分と呼ぶことがある。)の重合及び/又は付加反応等の硬化反応を促進する機能を発現する光開始剤を含有していてもよい。このような光開始剤としては、例えば、放射線照射によって塩基を発生する光塩基発生剤、及び、放射線照射によって酸を発生する光酸発生剤が挙げられ、光塩基発生剤が特に好ましい。
放射線としては、例えば、電離性放射線及び非電離性放射線が挙げられ、具体的にはArF及びKrF等のエキシマレーザー光、電子線、極端紫外線、真空紫外光、X線、イオンビーム、並びに、i線及びg線等の紫外光が挙げられる。
光塩基発生剤を用いることで、生成した塩基が(C)成分や(E)成分の硬化触媒として効率よく作用する。その結果、感光性樹脂組成物の架橋密度がより一層高まり、上記感光性樹脂組成物の被着体への高温接着性及び耐湿性が向上する。また、上記感光性樹脂組成物に光塩基発生剤を含有させることによって、高温放置時のアウトガスをより低減させることができる。さらに、硬化プロセス温度を低温化及び短時間化させることができる。
上記塩基は、(A)成分と(C)成分及び/又は(E)成分との反応後に残存する(A)成分中のカルボキシル基及び/又は水酸基を低減させることができる。そのため、耐湿性、接着性及びパターン形成性が向上する。
光塩基発生剤は、放射線照射時に塩基を発生する化合物であれば特に制限は受けず用いることができる。発生する塩基としては、反応性及び硬化速度の点から強塩基性化合物が好ましい。
このような放射線照射時に発生する塩基としては、例えば、イミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール及び1−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、ピペラジン及び2,5−ジメチルピペラジン等のピペラジン誘導体、ピペリジン及び1,2−ジメチルピペリジン等のピペリジン誘導体、プロリン誘導体、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリエタノールアミン等のトリアルキルアミン誘導体、4−メチルアミノピリジン及び4−ジメチルアミノピリジン等の4位にアミノ基又はアルキルアミノ基が置換したピリジン誘導体、ピロリジン及びn−メチルピロリジン等のピロリジン誘導体、ジヒドロピリジン誘導体、トリエチレンジアミン及び1,8−ジアザビスシクロ(5.4.0)ウンデセン−1(DBU)等の脂環式アミン誘導体、並びに、ベンジルメチルアミン、ベンジルジメチルアミン及びベンジルジエチルアミン等のベンジルアミン誘導体が挙げられる。
上述のような塩基を放射線照射によって発生する光塩基発生剤としては、例えば、Journal of Photopolymer Science and Technology 1999年、12巻、313〜314頁、及びChemistry of Materials 1999年、11巻、170〜176頁等に記載されている4級アンモニウム塩誘導体を用いることができる。これらは、放射線照射によって高塩基性のトリアルキルアミンを生成するため、エポキシ樹脂の硬化には最適である。
また、Journal of American Chemical Society 1996年、118巻 12925頁、及びPolymer Journal 1996年、28巻 795頁等に記載されているカルバミン酸誘導体も用いることができる。
さらに、放射線照射によって1級のアミノ基を発生するオキシム誘導体、光ラジカル発生剤として市販されている2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ ジャパン社製、商品名:イルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバ ジャパン社製、商品名:イルガキュア369)、2−(ジメチルアミノ)−2−((4−メチルフェニル)メチル)−1−(4−(4−モルホリニル)フェニル)−1−ブタノン(チバ ジャパン社製、商品名:イルガキュア379)、3,6−ビス−(2−メチル−2−モルホリノ−プロピオニル)−9−N−オクチルカルバゾール(ADEKA社製、商品名:オプトマーN―1414)、ヘキサアリールビスイミダゾール誘導体(ハロゲン、アルコキシ基、ニトロ基及びシアノ基等の置換基がフェニル基に置換されていてもよい)、及びベンゾイソオキサゾロン誘導体等を用いることができる。
上記光塩基発生剤としては、高分子の主鎖及び/又は側鎖に塩基を発生する基を導入した化合物を用いても良い。この場合の分子量としては、樹脂としての接着性、流動性、及び耐熱性の観点から重量平均分子量が1000〜100000であることが好ましく、5000〜30000であることがより好ましい。
上記光塩基発生剤は、室温で放射線を照射しない状態では、(C)成分や後述する(E)成分と反応性を示さないため、室温での貯蔵安定性が非常に優れる。
<(E)成分:エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分に加え、(E)成分としてエチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物を含有することができる。ここで、(E)成分には、(B)成分及び(C)成分は含まれない。
(E)成分におけるエチレン性不飽和基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロパギル基、ブテニル基、エチニル基、フェニルエチニル基、マレイミド基、ナジイミド基及び(メタ)アクリル基が挙げられ、反応性の観点から、(メタ)アクリル基が好ましい。
(E)成分としては、特に限定はしないが、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルメタクリレートグリシジルエーテル、エポキシ基と反応する官能基及びエチレン性不飽和基を有する化合物と多官能エポキシ樹脂とを反応させて得られる化合物等が挙げられる。上記エポキシ基と反応する官能基としては、例えば、イソシアネート基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、水酸基、酸無水物、アミノ基、チオール基及びアミド基が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(E)成分は、例えば、トリフェニルホスフィン及び/又はテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下、1分子中に少なくとも2つ以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂と、エポキシ基1当量に対し0.1当量〜0.9当量の(メタ)アクリル酸とを反応させることによって得られる。また、ジブチルスズジラウレートの存在下、多官能イソシアネート化合物と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートと、ヒドロキシ基含有エポキシ化合物とを反応させることによって、又は、多官能エポキシ樹脂と、イソシアネート基含有(メタ)アクリレートとを反応させることによって、グリシジル基含有ウレタン(メタ)アクリレート等が得られる。
(E)成分は、5%質量減少温度が150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることが更に好ましく、260℃以上であることが特に好ましい。上記温度が150℃以上であると、保存安定性、接着性、組立て加熱時及び組立て後のパッケージの低アウトガス性、耐熱性、並びに、耐湿性が向上する。
さらに、(E)成分としては、不純物イオンであるアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン及びハロゲンイオン、特には塩素イオン及び加水分解性塩素等を1000ppm以下に低減した高純度品であることが、好ましい。エレクトロマイグレーション防止及び金属導体回路の腐食防止が可能となる。例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、及びハロゲンイオン等を低減した多官能エポキシ樹脂を原料として用いることで上記不純物イオン濃度を満足することができる。
上記耐熱性及び純度を満たす(E)成分としては、特に限定されないが、ビスフェノールA型、AD型、S型又はF型のグリシジルエーテル、水添加ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、エチレンオキシド付加体ビスフェノールA及び/又はF型のグリシジルエーテル、プロピレンオキシド付加体ビスフェノールA及び/又はF型のグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ナフタレン樹脂のグリシジルエーテル、3官能型又は4官能型のグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂のグリシジルエーテル、ダイマー酸のグリシジルエステル、3官能型又は4官能型のグリシジルアミン、並びに、ナフタレン樹脂のグリシジルアミン等を原料としたものが挙げられる。
熱圧着性、低応力性、及び接着性を改善し、パターン形成時には現像性を維持する観点から、(E)成分のエポキシ基及びエチレン性不飽和基の数は、それぞれ3つ以下であることが好ましく、特にエチレン性不飽和基の数は2つ以下であることが好ましい。このような(E)成分としては特に限定されないが、下記一般式(13)〜(18)で表される化合物等が好ましく用いられる。下記一般式(13)〜(18)において、R12及びR16は水素原子又はメチル基を示し、R10、R11、R13及びR14はそれぞれ独立に2価の有機基を示し、R15、R17、R18及びR19はそれぞれ独立にエポキシ基又はエチレン性不飽和基を有する有機基を示す。
上記(E)成分としては、上記一般式(13)又は(14)で表される化合物が好ましく用いられる。これらを用いることで、熱圧着性が向上する。
本実施形態において、(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して5質量部〜300質量部であることが好ましく、10質量部〜200質量部であることがより好ましく、20質量部〜100質量部であることが更に好ましい。この含有量が300質量部を超えると、フィルム形成時にはチキソ性が低下しフィルム形成しにくくなる傾向や、タック性が上昇し取り扱い性が十分でなくなる傾向がある。また、パターン形成時には現像性が低下する傾向があり、光硬化後の溶融粘度が低くなることで熱圧着時にパターンが変形する傾向もある。一方、上記(E)成分の含有量が5質量部未満であると、添加の効果が十分に得られ難くなる傾向がある。上記(E)成分はパターン形成性を維持しつつ光硬化時のスペーサとなり、架橋密度を低減することができるため、熱圧着性を大幅に向上させることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、硬化性成分として、(E)成分以外に、硬化剤、硬化促進剤等を含んでもよい。
硬化剤としては、例えば、フェノール系化合物、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、脂肪族酸無水物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド、三フッ化ホウ素アミン錯体、イミダゾール類及び第3級アミンが挙げられる。
上記硬化剤の中でもフェノール系化合物が好ましく、分子中に少なくとも2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物がより好ましい。フェノール系化合物を用いることでパターン形成性が向上する。このような化合物としては、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾールノボラック、ジシクロペンタジエンフェノールノボラック、キシリレン変性フェノールノボラック、ナフトール系化合物、トリスフェノール系化合物、テトラキスフェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、ポリ−p−ビニルフェノール及びフェノールアラルキル樹脂が挙げられる。
上記フェノール系化合物の中でも、数平均分子量(Mn)が400〜4000の範囲内のものが好ましい。これによって、半導体装置組立加熱時に、半導体素子又は装置等の汚染の原因となる加熱時のアウトガスを抑制できる。上記フェノール系化合物の含有量は、(A)成分100質量部に対して1質量部〜100質量部であることが好ましく、2質量部〜50質量部であることがより好ましく、2質量部〜30質量部であることが最も好ましい。この含有量が100質量部を超えると、露光時のエチレン性不飽和基、及びエポキシ基を有する化合物、並びに放射線重合性化合物の反応性が乏しくなる傾向がある。さらに、樹脂の酸価が上昇することで現像後に膜厚が減少したり、膨潤したりする傾向がある。また、現像液の樹脂パターンへの浸透が大きくなることで、その後の加熱硬化時や組立熱履歴でのアウトガスが多くなり、耐熱信頼性及び耐湿信頼性が大きく低下する傾向がある。一方、上記含有量が1質量部未満であると、十分な高温接着性が得られ難くなる傾向がある。
上記フェノール化合物として、5%質量減少温度が高く、パターン形成性を十分に付与できる点で、下記構造式で表されるフェノール化合物を用いることが好ましい。また、上記フェノール化合物は、樹脂組成物中のポリマー側鎖のカルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基とフェノール性化合物のフェノール性水酸基のモル当量と、(C)成分及び(E)成分のエポキシ樹脂のエポキシ基のモル当量との比[エポキシ基/(カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基)]が0.5〜1.5であることが好ましく、0.7〜1.4であることがより好ましく、0.9〜1.2であることが最も好ましい。上記エポキシ基/(カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基)の比が0.5未満であると高温接着性、耐リフロー性が低下する傾向があり、1.5を超えるとパターン形成性、高温接着性及び耐湿信頼性が低下する傾向がある。
硬化促進剤としては、加熱によってエポキシの硬化及び/又は重合を促進する硬化促進剤を含有するものであれば特に制限はない。例えば、イミダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール−テトラフェニルボレート、及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−テトラフェニルボレートが挙げられる。感光性樹脂組成物における硬化促進剤の含有量は、(C)エポキシ樹脂100質量部に対して0.01質量部〜50質量部が好ましい。
上記硬化促進剤の中でも、加熱圧着時の発泡抑制や均一な塗膜形成性及び保存安定性の観点から、特にイミダゾール系硬化促進剤が好ましく用いられる。イミダゾール系硬化促進剤として、例えば、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2―ジメチルイミダゾール、2−エチルー4−メチルイミダゾール、1−ベンジルー2−メチルイミダゾール、1−ベンジルー2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチルー2−メチルイミダゾール、1−シアノエチルー2−エチルー4−メチルイミダゾール、1−シアノエチルー2−フェニルイミダゾール、2−フェニルー4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニルー4−メチルー5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノー6−〔2’−メチルイミダゾリルー(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
<(F)成分:フィラー>
本実施形態の感光性樹脂組成物には、適宜、(F)成分としてフィラーを含有させることもできる。(F)成分としては、例えば、銀粉、金粉、銅粉及びニッケル粉等の金属フィラー、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化鉄及びセラミック等の無機フィラー、並びに、カーボン及びゴム系フィラー等の有機フィラーが挙げられ、種類及び形状等にかかわらず特に制限なく使用することができる。
上記(F)成分は、所望する機能に応じて使い分けることができる。例えば、金属フィラーは、樹脂組成物に導電性、熱伝導性及びチキソ性を付与し、非金属無機フィラーは、樹脂層に熱伝導性、低熱膨張性及び低吸湿性を付与する。また、有機フィラーは樹脂層に靭性等を付与する。
これら金属フィラー、無機フィラー又は有機フィラーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、金属フィラー、無機フィラー又は絶縁性のフィラーが好ましい。半導体装置用接着材料に求められる、導電性、熱伝導性、低吸湿特性及び絶縁性が付与される。さらに無機フィラー又は絶縁性のフィラーの中では、シリカフィラーがより好ましい。樹脂ワニスに対する分散性が良好で且つ、熱時の高い接着力を付与できる。
上記(F)成分は、平均粒子径が10μm以下、且つ、最大粒子径が30μm以下であることが好ましく、平均粒子径が5μm以下、且つ、最大粒子径が20μm以下であることがより好ましい。平均粒子径が10μmを超え、且つ、最大粒子径が30μmを超えると、破壊靭性向上の効果が十分に得られ難い傾向がある。また、平均粒子径及び最大粒子径の下限は特に制限はないが、取り扱い性の観点から、どちらも0.001μm以上が好ましい。
上記(F)成分の含有量は、付与する特性又は機能に応じて決められるが、樹脂成分とフィラーとの質量の合計に対して0質量%〜50質量%が好ましく、1質量%〜40質量%がより好ましく、3質量%〜30質量%が更に好ましい。フィラーを増量させることによって、低アルファ化、低吸湿化及び高弾性率化が図れ、ダイシング性(ダイサー刃による切断性)、ワイヤボンディング性(超音波効率)及び加熱時の接着強度を有効に向上させることができる。
上記(F)成分の含有量が50質量%を超えると、熱圧着性及びパターン形成性が得にくくなる傾向にある。求められる特性のバランスをとるべく、フィラーの最適な含有量を決定する。フィラーを用いた場合の混合及び混練は、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール及びボールミル等の分散機を適宜、組み合わせて行うことができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、各種カップリング剤を添加することもできる。上記カップリング剤を用いることで、異種材料間の界面結合性が向上する。カップリング剤としては、例えば、シラン系、チタン系及びアルミニウム系が挙げられ、中でも効果が高い点で、シラン系カップリング剤が好ましく、エポキシ基等の熱硬化性基、並びに、メタクリレート及び/又はアクリレート等の放射線重合性基を有する化合物がより好ましい。また、上記シラン系カップリング剤の沸点及び/又は分解温度は150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることが更に好ましい。つまり、200℃以上の沸点及び/又は分解温度で、且つエポキシ基等の熱硬化性基やメタクリレート及び/又はアクリレート等の放射線重合性基を有するシラン系カップリング剤が最も好ましく用いられる。上記カップリング剤の使用量は、その効果、耐熱性及びコストの面から、使用する(A)成分100質量部に対して、0.01質量部〜20質量部とすることが好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、更にイオン捕捉剤を添加することもできる。上記イオン捕捉剤によって、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性が向上する。このようなイオン捕捉剤としては、特に制限はなく、例えば、トリアジンチオール化合物、及びフェノール系還元剤等の、銅がイオン化して溶け出すのを防止するための銅害防止剤として知られる化合物、粉末状のビスマス系、アンチモン系、マグネシウム系、アルミニウム系、ジルコニウム系、カルシウム系、チタン系、ズズ系及びこれらの混合系等の無機化合物が挙げられる。
上記イオン捕捉剤の具体例としては、特に限定はしないが東亜合成(株)製の無機イオン捕捉剤、商品名:IXE−300(アンチモン系)、IXE−500(ビスマス系)、IXE−600(アンチモン、ビスマス混合系)、IXE−700(マグネシウム、アルミニウム混合系)、IXE−800(ジルコニウム系)及びIXE−1100(カルシウム系)がある。これらは1種を単独で、又は2種以上混合して用いることができる。上記イオン捕捉剤の使用量は、添加による効果、耐熱性及びコスト等の点から、(A)成分100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましい。
本実施形態では、必要に応じて増感剤を併用することができる。この増感剤としては、例えば、カンファーキノン、ベンジル、ジアセチル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジ(2−メトキシエチル)ケタール、4,4’−ジメチルベンジル−ジメチルケタール、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ブロモアントラキノン、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ニトロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロ−7−トリフルオロメチルチオキサントン、チオキサントン−10,10−ジオキシド、チオキサントン−10−オキサイド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン及びアジド基を含む化合物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態では、必要に応じて熱ラジカル発生剤を用いることができる。熱ラジカル発生剤としては、有機過酸化物であることが好ましい。有機過酸化物としては、1分間半減期温度が120℃以上であるものが好ましく、150℃以上であるものがより好ましい。有機過酸化物は、感光性樹脂組成物の調製条件、製膜温度、硬化(貼り合せ)条件、その他プロセス条件、貯蔵安定性等を考慮して選択される。
使用可能な有機過酸化物としては、特に限定はしないが、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシへキサン)、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン及びビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートが挙げられ、これらのうちの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記熱ラジカル発生剤の添加量は、エチレン性不飽和基を有する化合物の全量に対し、0.01質量%〜20質量%が好ましく、0.1質量%〜10質量%が更に好ましく、0.5質量%〜5質量%が最も好ましい。0.01質量%未満であると硬化性が低下し、添加効果が小さくなる傾向がある。また、5質量%を超えるとアウトガス量が増加し、保存安定性が低下する傾向にある。
上記熱ラジカル発生剤としては、半減期温度が120℃以上の化合物であれば特に限定はしないが、例えば、パーヘキサ25B(日油社製)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシへキサン)(1分間半減期温度:180℃)、パークミルD(日油社製)及びジクミルパーオキサイド(1分間半減期温度:175℃)が挙げられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、キノン類、多価フェノール類、フェノール類、ホスファイト類及びイオウ類等の重合禁止剤又は酸化防止剤を、硬化性を損なわない範囲で更に添加してもよい。保存安定性、プロセス適応性又は酸化防止性が付与される。
[フィルム状樹脂]
上記感光性樹脂組成物をフィルム状に成形することによって、フィルム状樹脂を得ることができる。図1は、本発明のフィルム状樹脂の一実施形態を模式的に示す端面図である。図1に示すフィルム状樹脂1は、上記感光性樹脂組成物をフィルム状に成形したものである。
[樹脂シート]
フィルム状樹脂1は、例えば、図2に示す基材3上に上記感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥させることによってフィルム状に成形される。このようにして、基材3と、基材3上に形成された上記フィルム状樹脂からなる樹脂層1とを備える樹脂シート100が得られる。図2は、本実施形態に係る樹脂止シート100を模式的に示す端面図である。図2に示す樹脂シート100は、基材3と、これの一方面上に設けられたフィルム状樹脂からなる樹脂層1とから構成される。
図3は、本発明の樹脂シートの他の一実施形態を模式的に示す端面図である。図3に示す樹脂シート110は、基材3と、これの一方面上に設けられたフィルム状樹脂からなる樹脂層1とカバーフィルム2とから構成される。
フィルム状樹脂1は、以下の方法で得ることができる。まず、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び必要に応じて添加される他の成分を、有機溶媒中で混合し、混合液を混練してワニスを調製する。次に、基材3上にこのワニスを塗布してワニスの層を形成し、加熱によってワニス層を乾燥した後に基材3を除去する。このとき、基材3を除去せずに、樹脂シート100、110の状態で保存又は使用することもできる。
ワニスの調製に用いる有機溶媒、すなわちワニス溶剤は、材料を均一に溶解又は分散できるものであれば、特に制限はない。ワニス溶剤として、例えば、ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル及びN−メチル−ピロリジノン(N−メチル−2−ピロリドン)が挙げられる。
上記混合及び混練は、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール及びボールミル等の分散機を適宜組み合わせて行うことができる。上記加熱による乾燥は、(C)成分が十分には反応しない温度で、且つ、溶媒が十分に揮散する条件で行う。上記「(C)成分が十分には反応しない温度」とは、具体的には、DSC(例えば、パーキンエルマー社製、商品名:DSC−7型)を用いて、サンプル量:10mg、昇温速度:5℃/min、測定雰囲気:空気、の条件で測定したときの反応熱のピーク温度以下の温度である。具体的には、通常60℃〜180℃で、0.1分〜90分間加熱することによってワニス層を乾燥させる。乾燥前のワニス層の厚みは、1μm〜200μmが好ましい。この厚みが1μm未満であると、接着固定機能が十分でなくなる傾向があり、200μmを超えると、後述する残存揮発分が多くなる傾向がある。
得られたフィルム状樹脂の残存揮発分は10質量%以下が、好ましい。この残存揮発分が10質量%を超えると、組立加熱時の溶媒揮発による発泡が原因で、樹脂層内部にボイドが残存しやすくなり、耐湿性が低下する傾向がある。また、加熱時に発生する揮発成分によって、周辺材料、又は部材が汚染される可能性も高くなる傾向がある。なお、上記の残存揮発成分の測定条件は次の通りである。すなわち、50mm×50mmサイズに切断したフィルム状樹脂1について、初期の質量をM1とし、このフィルム状樹脂1を160℃のオーブン中で3時間加熱した後の質量をM2とし、以下の式により残存揮発分(%)を求める。
残存揮発分(%)=[(M1−M2)/M1]×100
基材3は、上述の乾燥条件に耐えるものであれば特に限定されるものではない。例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィルム及びメチルペンテンフィルムを、基材3として用いることができる。基材3としてのフィルムは2種以上組み合わせた多層フィルムであってもよく、表面がシリコーン系又はシリカ系の離型剤等で処理されたものであってもよい。
また、フィルム状樹脂1と、バックグラインドシートやダイシングシートとを積層し、接着シートとすることもできる。上記バックグラインドシートやダイシングシートは、基材上に粘着剤層を設けたシートであり、上述の粘着剤層は、感圧型又は放射線硬化型のどちらでもよい。また、上述の基材は柔軟性を有する基材が好ましい。このような接着シートとすることによって、感光性封止フィルムとしての機能と、バックグラインドシートやダイシングシートとしての機能とを併せ持つダイシング・感光性封止フィルム一体型シート及びバックグラインド・感光性封止フィルム一体型シートが得られる。
上述のダイシング・感光性封止フィルム一体型シート及びバックグラインド・感光性封止フィルム一体型シートとして具体的には、図4に示すような、基材3、粘着剤層6及びフィルム状樹脂(樹脂層)1がこの順に積層されてなる接着シート120が挙げられる。
[樹脂層付半導体ウェハ]
図5は、本発明の樹脂層付半導体ウェハの一実施形態を模式的に示す上面図であり、図6は図5のIV−IV線に沿った端面図である。図5及び図6に示す樹脂層付半導体ウェハ20は、半導体ウェハ8と、これの一方面上に設けられたフィルム状樹脂(樹脂層)1と、を備える。
樹脂層付半導体ウェハ20は、半導体ウェハ8上に、フィルム状樹脂1を加熱しながらラミネートすることによって得られる。フィルム状樹脂1は、例えば、室温(25℃)〜150℃程度の低温で半導体ウェハ8に貼付けることが可能である。
[樹脂パターン]
図7及び図9は、それぞれ本実施形態に係る樹脂パターンを模式的に示す上面図であり、図8は図7のV−V線に沿った端面図であり、図10は図9のVI−VI線に沿った端面図である。図7〜図10に示す樹脂パターン1aは、被着体としての半導体ウェハ8上において、略正方形の辺に沿ったパターン又は正方形のパターンを有するように形成されている。
樹脂パターン1aは、樹脂層1を、被着体としての半導体ウェハ8上に積層して樹脂層付半導体ウェハ20を得て、樹脂層1を、フォトマスクを介して露光し、露光後の樹脂層1をアルカリ現像液で現像処理することによって形成される。これによって、樹脂パターン1aが形成された樹脂層付半導体ウェハ20が得られる。
[半導体装置]
以下、本実施形態に係るフィルム状樹脂を用いて製造される半導体装置について、図面を用いて具体的に説明する。なお、本発明のフィルム状樹脂の用途は、以下に説明する構造の半導体装置に限定されるものではない。
図11は、本発明の半導体装置の一実施形態を模式的に示す端面図である。図11に示す半導体装置200において、半導体素子12はフィルム状樹脂1を介して半導体素子搭載用支持部材13に接着され、半導体素子12の接続端子(図示せず)はワイヤ14を介して外部接続端子(図示せず)と電気的に接続され、封止材15によって封止されている。
図12は、本発明の半導体装置の他の一実施形態を示す模式端面図である。図12に示す半導体装置210において、一段目の半導体素子12aはフィルム状樹脂1を介して、端子16が形成された半導体素子搭載用支持部材13に接着され、一段目の半導体素子12aの上に更にフィルム状樹脂1を介して二段目の半導体素子12bが接着されている。一段目の半導体素子12a、及び二段目の半導体素子12bの接続端子(図示せず)は、ワイヤ14を介して外部接続端子と電気的に接続され、封止材15によって封止されている。このように、本発明のフィルム状樹脂は、半導体素子を複数重ねる構造の半導体装置にも好適に使用できる。
図11及び図12に示す半導体装置(半導体パッケージ)は、例えば、図9に示す樹脂層付半導体ウェハ20を破線Dに沿ってダイシングし、ダイシング後の樹脂層付半導体素子を半導体素子搭載用支持部材13に加熱圧着して両者を接着させ、その後、ワイヤボンディング工程、必要に応じて封止材による封止工程等の工程を経ることによって得ることができる。上記加熱圧着における加熱温度は、通常、20℃〜250℃であり、荷重は、通常、0.01kgf〜20kgfであり、加熱時間は、通常、0.1秒間〜300秒間である。
その他、本発明の半導体装置の実施形態としては、図18に示すような半導体装置220がある。以下、図18に示す半導体装置220の製造方法について、図面を用いて詳しく説明する。図13は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を模式的に示す断面図であり、図14及び図16〜図19は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を示す模式端面図であり、図15は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を模式的に示す上面図である。
本実施形態の半導体装置220の製造方法は、以下の(工程1)〜(工程7)を備える。
(工程1)半導体ウェハ8内に形成された半導体チップ(半導体素子)12の回路面18上にフィルム状樹脂(樹脂層)1を積層する工程(図13(a)及び(b))。
(工程2)半導体チップ12の回路面18上に設けられた樹脂層1を、マスク4を介した露光、及び現像によってパターニングする工程(図13(c)及び図14(a))。
(工程3)半導体ウェハ8を回路面18とは反対側の面から研磨して半導体ウェハ8を薄くする工程(図14(b))。
(工程4)半導体ウェハ8をダイシングによって複数の半導体チップ12に切り分ける工程(図14(c)及び図16(a))。
(工程5)半導体チップ12をピックアップして半導体装置用の板状の支持部材(半導体素子搭載用支持部材)13にマウントする工程(図16(b)及び図17(a))。
(工程6)支持部材13にマウントされた半導体チップ12aの回路面18上でパターニングされた樹脂層1に2層目の半導体チップ12bを積層する工程(図17(b))。
(工程7)半導体チップ12a、及び12bをそれぞれ外部接続端子と接続する工程(図18)。
以下、(工程1)〜(工程7)について詳述する。
(工程1)
図13(a)に示す半導体ウェハ8内には、ダイシングラインDによって区分された複数の半導体チップ12が形成されている。この半導体チップ12の回路面18側の面にフィルム状樹脂(樹脂層)1を積層する(図13(b))。樹脂層1を積層する方法としては、予めフィルム状に成形されたフィルム状樹脂を準備し、これを半導体ウェハ8に貼り付ける方法が簡便であるが、スピンコート法等を用いて液状の感光性樹脂組成物のワニスを半導体ウェハ8に塗布し、加熱乾燥する方法によってもよい。
(工程2)
樹脂層1は、露光、及び現像によってパターニングされた後に被着体に対する接着性を有し、アルカリ現像が可能な感光性樹脂である。より詳細には、樹脂層1を露光、及び現像によってパターニングして形成されるレジストパターン(樹脂パターン)が、半導体チップ及び支持部材等の被着体に対する接着性を有している。例えば、樹脂パターンに被着体を必要に応じて加熱しながら圧着することによって、樹脂パターンと被着体とを接着することが可能である。
半導体ウェハ8に積層された樹脂層1に対して、所定の位置に開口を形成しているマスク4を介して活性光線(典型的には紫外線)を照射する(図13(c))。これによって樹脂層1が所定のパターンで露光される。
露光後、樹脂層1のうち露光されなかった部分を、アルカリ現像液を用いた現像によって除去することで、開口11が形成されるように樹脂層1をパターニングする(図14(a))。なお、ネガ型の感光性樹脂組成物の代わりに、ポジ型の感光性樹脂組成物を用いることも可能であり、その場合は樹脂層1のうち露光された部分が現像によって除去される。
図15は、樹脂層1がパターニングされた状態を模式的に示す上面図である。開口11において半導体チップ12のボンディングパッドが露出する。すなわち、パターニングされた樹脂層1は、半導体チップ12のバッファーコート膜である。矩形状の開口11は、各半導体チップ12上に複数並んで形成されている。開口11の形状、配置及び数は本実施形態のような形態に限られるものではなく、ボンディングパッド等の所定の部分が露出するように適宜変形が可能である。なお、図15のII−II線に沿った端面図が図14である。
(工程3)
パターニングの後、半導体ウェハ8の樹脂層1とは反対側の面を研磨して、半導体ウェハ8を所定の厚さまで薄くする(図14(b))。研磨は、例えば、樹脂層1上に粘着フィルムを貼り付け、粘着フィルムによって半導体ウェハ8を研磨用の治具に固定して行う。
(工程4)
研磨後、半導体ウェハ8の樹脂層1とは反対側の面に、ダイボンディング材30、及びダイシングテープ40を有しこれらが積層している複合フィルム5を、ダイボンディング材30が半導体ウェハ8に接する向きで貼り付ける(図14(c))。貼り付けは必要に応じて加熱しながら行う。
次いで、ダイシングラインDに沿って半導体ウェハ8を樹脂層1、及び複合フィルム5とともに切断する。これによって、樹脂層1、及び複合フィルム5をそれぞれ備えた複数の半導体チップ12が得られる(図16(a))。このダイシングは、例えば、ダイシングテープ40によって全体をフレームに固定した状態でダイシングブレードを用いて行われる。
(工程5)
ダイシングの後、切り分けられた半導体チップ12(12a)を、樹脂層1及びダイボンディング材30とともにピックアップし(図16(b))、支持部材13にダイボンディング材30を介してマウントする(図17(a))。
(工程6)
支持部材13にマウントされた半導体チップ12a上の樹脂層1上に、2層目の半導体チップ12bを積層する(図17(b))。すなわち、半導体チップ12aと、その上層に位置する半導体チップ12bとが、それらの間に介在するパターニングされた樹脂層1(バッファーコート膜)によって接着される。半導体チップ12bは、パターニングされた樹脂層1のうち開口11は塞がないような位置に接着される。なお、半導体チップ12bの回路面18上にもパターニングされた樹脂層1(バッファーコート膜)が形成されている。
半導体チップ12bの接着は、例えば、樹脂層1が流動性を発現するような温度にまで加熱しながら熱圧着する方法によって行われる。熱圧着後、必要に応じて樹脂層1を加熱して更に硬化を進行させる。
(工程7)
その後、半導体チップ12aは、そのボンディングパッドに接続されたワイヤ14aを介して支持部材13上の外部接続端子と接続され、半導体チップ12bはそのボンディングパッドに接続されたワイヤ14bを介して支持部材13上の外部接続端子と接続される。次いで、半導体チップ12a及び12bを含む積層体を封止材15によって封止することで、半導体装置220が得られる(図18)。
本発明の半導体装置の製造方法は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。例えば、(工程1)〜(工程7)の順序を適宜入れ替えることが可能である。図19に示すように、樹脂層1が形成された半導体ウェハ8を研磨により薄くした後、ダイシングを行ってもよい。この場合、ダイシング後、露光、及び現像によって樹脂層1をパターニングすることで、図16(a)と同様の積層体が得られる。また、半導体ウェハを研磨によって薄くし、ダイシングしてから、フィルム状樹脂1の貼り付けとその後の露光及び現像を行ってもよい。また、3層以上の半導体チップ12が積層されていてもよい。その場合、少なくとも1組の隣り合う半導体チップ同士が、パターニングされた樹脂層1(下層側のバッファーコート膜)によって直接接着される。
図20は、本発明の半導体装置の他の一実施形態を模式的に示す端面図である。図20に示す半導体装置230は、接続端子(第1の接続部:図示せず)を有する支持部材(第1の被着体)13と、接続用電極部(第2の接続部:図示せず)を有する半導体チップ(第2の被着体)12と、絶縁材からなる樹脂層1と、導電材からなる導電層9とを備えている。支持部材13は、半導体チップ12と対向する回路面18を有しており、半導体チップ12と所定の間隔をおいて配置されている。樹脂層1は、支持部材13、及び半導体チップ12の間において、それぞれと接して形成されており、所定のパターンを有している。導電層9は、支持部材13、及び半導体チップ12の間における、樹脂層1が配置されていない部分に形成されている。半導体チップ12の接続用電極部は、導電層9を介して支持部材13の接続端子と電気的に接続されている。
以下、図21〜図25を用いて、図20に示す半導体装置230の製造方法について詳述する。図21、22、24及び25は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を模式的に示す端面図であり、図23は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を示す断面図である。本実施形態の半導体装置の製造方法は、以下の(第1工程)〜(第4工程)を備える。
(第1工程)接続端子を有する支持部材13上に樹脂層1を設ける工程(図21及び図22)。
(第2工程)樹脂層1を露光、及び現像によって、接続端子が露出する開口11が形成されるようにパターニングする工程(図23及び図24)。
(第3工程)開口11に導電材を充填して導電層9を形成する工程(図25)。
(第4工程)接続用電極部を有する半導体チップ12を、支持部材13と樹脂層1との積層体の樹脂層1側に接着すると共に、支持部材13の接続端子と半導体チップ12の接続用電極部とを導電層9を介して電気的に接続する工程(図20)。
以下、(第1工程)〜(第4工程)について詳しく説明する。
(第1工程)
図21に示す支持部材13の回路面18上に、樹脂層1を積層する(図22)。積層方法としては、予めフィルム状に成形されたフィルム状樹脂を準備し、これを支持部材13に貼り付ける方法が簡便であるが、スピンコート法等を用いて、感光性樹脂組成物を含有する液状のワニスを支持部材13上に塗布し、加熱乾燥する方法によって積層してもよい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、露光及び現像によってパターニングされた後に被着体に対する接着性を有し、アルカリ現像が可能な感光性樹脂組成物である。より詳細には、感光性樹脂組成物を露光、及び現像によってパターニングして形成されるレジストパターンが、半導体チップ、及び基板等の被着体に対する接着性を有している。例えば、レジストパターンに被着体を必要に応じて加熱しながら圧着することによって、レジストパターンと被着体とを接着することが可能である。
(第2工程)
支持部材13上に設けられた樹脂層1に対して、所定の位置に開口が形成されているマスク4を介して活性光線(典型的には紫外線)を照射する(図23)。これにより樹脂層1が所定のパターンで露光される。
露光後、樹脂層1のうち露光されなかった部分を、アルカリ現像液を用いた現像によって除去することで、支持部材13の接続端子が露出する開口11が形成されるように樹脂層1がパターニングされる(図24)。なお、ネガ型の感光性樹脂組成物の代わりに、ポジ型の感光性樹脂組成物を用いることも可能であり、その場合は樹脂層1のうち露光された部分が現像によって除去される。
(第3工程)
得られたレジストパターンの開口11に導電材を充填して導電層9を形成する(図25)。導電材の充填方法は、グラビア印刷、ロールによる押し込み、及び減圧充填等の各種の方法が採用できる。ここで使用する導電材は、半田、金、銀、ニッケル、銅、白金又はパラジウム等の金属、酸化ルテニウム等の金属酸化物等からなる電極材料、或いは、上記金属のバンプの他、例えば、導電性粒子と樹脂成分とを少なくとも含有してなるものが挙げられる。導電性粒子としては、例えば、金、銀、ニッケル、銅、白金及びパラジウム等の金属、酸化ルテニウム等の金属酸化物、並びに、有機金属化合物等の導電性粒子が用いられる。また、樹脂成分としては、例えば、エポキシ樹脂、及びその硬化剤等の上述した硬化性樹脂組成物が用いられる。
(第4工程)
支持部材13上の樹脂層1に対して、半導体チップ12が直接接着される。半導体チップ12の接続用電極部は、導電層9を介して支持部材13の接続端子と電気的に接続される。なお、半導体チップ12における樹脂層1と反対側の回路面上に、パターン化された樹脂層(バッファーコート膜)が形成されていてもよい。
半導体チップ12の接着は、例えば、樹脂層1(感光性樹脂組成物)が流動性を発現するような温度にまで加熱しながら熱圧着する方法によって行われる。熱圧着後、必要に応じて樹脂層1を加熱して更に硬化反応を進行させてもよい。
半導体チップ12における樹脂層1と反対側の回路面(裏面)には、裏面保護フィルムを貼り付けることが好ましい。
以上の方法によって、図20に示す半導体装置230が得られる。本発明の半導体装置の製造方法は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、樹脂層1は、最初に支持部材13上に設けられることに限られるものではなく、半導体チップ12上に最初に設けることもできる。この場合、半導体装置の製造方法は、例えば、接続用電極部を有する半導体チップ12上に樹脂層1を設ける第1の工程と、樹脂層1を露光、及び現像によって、接続用電極部が露出する開口11が形成されるようにパターニングする第2の工程と、開口11に導電材を充填して導電層9を形成する第3の工程と、接続端子を有する支持部材13を、半導体チップ12と樹脂層1との積層体の樹脂層1に直接接着すると共に、支持部材13の接続端子と半導体チップ12の接続用電極部とを導電層9を介して電気的に接続する第4の工程と、を備える。
上記製造方法では、それぞれ個片化された支持部材13及び半導体チップ12間の接続であるため、支持部材13上の接続端子と半導体チップ12上の接続用電極部との接続が容易である点において好ましい。
また、樹脂層1は、複数の半導体チップ12から構成される半導体ウェハ上に最初に設けることもできる。この場合、半導体装置の製造方法は、例えば、接続用電極部を有する複数の半導体チップ12から構成される半導体ウェハ上に樹脂層1を設ける第1の工程と、樹脂層1を露光、及び現像によって、接続用電極部が露出する開口11が形成されるようにパターニングする第2の工程と、開口11に導電材を充填して導電層9を形成する第3の工程と、接続端子を有するウェハサイズの支持部材13(半導体ウェハと同程度の大きさを有する支持部材)を、半導体ウェハと樹脂層1との積層体の樹脂層1側に直接接着すると共に、支持部材13の接続端子と半導体ウェハを構成する半導体チップ12の接続用電極部とを導電層9を介して電気的に接続する第4の工程と、半導体ウェハと樹脂層1と支持部材13との積層体を半導体チップ12ごとに切り分ける(ダイシング)第5の工程と、を備える。
また、上記製造方法は、第1の工程において、ウェハサイズの支持部材13上に樹脂層1を設け、第4の工程において、半導体ウェハを、支持部材13と樹脂層1との積層体の樹脂層1側に直接接着すると共に、支持部材13の接続端子と半導体ウェハを構成する半導体チップ12の接続用電極部とを導電層9を介して電気的に接続し、第5の工程において、半導体ウェハと樹脂層1と支持部材13との積層体を半導体チップ12ごとに切り分けてもよい。
上記製造方法では、半導体ウェハと支持部材13との接続までの工程(第4の工程)をウェハサイズでできるので作業効率の点において好ましい。なお、半導体ウェハにおける樹脂層1と反対側の回路面(裏面)には、裏面保護フィルムを貼り付けることが好ましい。
また、他の半導体装置の製造方法は、接続用電極部を有する複数の半導体チップ12から構成される半導体ウェハ上に樹脂層1を設ける第1の工程と、樹脂層1を露光、及び現像によって、接続用電極部が露出する開口11が形成されるようにパターニングする第2の工程と、開口11に導電材を充填して導電層9を形成する第3の工程と、半導体ウェハと樹脂層1との積層体を半導体チップ12ごとに切り分ける(ダイシング)第4の工程と、接続端子を有する支持部材13を、個片化された半導体チップ12と樹脂層1との積層体の樹脂層1側に直接接着すると共に、支持部材13の接続端子と半導体チップ12の接続用電極部とを導電層9を介して電気的に接続する第5の工程と、を備える。
上記製造方法は、第1の工程において、ウェハサイズの支持部材13上に樹脂層1を設け、第4の工程において、ウェハサイズの支持部材13と樹脂層1との積層体を半導体チップ12ごとに切り分け、第5の工程において、半導体チップ12を、個片化された支持部材13と樹脂層1との積層体の樹脂層1側に直接接着すると共に、支持部材13の接続端子と半導体チップ12の接続用電極部とを導電層9を介して電気的に接続してもよい。
上記製造方法では、樹脂層1の形成から導電材の充填工程(第3の工程)までをウェハサイズで行え、またダイシング工程(第4の工程)をスムーズにできる点において好ましい。
また、フィルム状樹脂を用いて、半導体ウェハ同士、又は半導体チップ同士を接着することによって半導体装置(半導体積層体)を構成することができる。この積層体には、貫通電極を形成することも可能である。
この場合、半導体装置の製造方法は、例えば、貫通電極の接続用電極部を有する第1の半導体チップ12上に感光性樹脂からなる樹脂層1を設ける第1の工程と、樹脂層1を露光、及び現像によって、上記接続用電極部が露出する開口11が形成されるようにパターニングする第2の工程と、開口11に導電材を充填して貫通電極接続を形成する第3の工程と、接続用電極部を有する第2の半導体チップ12を、第1の半導体チップ12と樹脂層1との積層体の樹脂層1に直接接着すると共に、第1及び第2の半導体チップ12の接続用電極部同士を導電層9を介して電気的に接続する第4の工程と、を備える。上記製造方法において、半導体チップに替えて、半導体ウェハを用いてもよい。
本実施形態に係る半導体装置は、図26に示すような固体撮像素子400であってもよい。図26は、本発明の半導体装置の一実施形態を示す模式端面図である。図26に示す半導体装置(固体撮像素子)400は、ガラス基板7、半導体チップ12、樹脂層1及び有効画素領域17を備える。ガラス基板7と半導体チップ12とは、パターニングされた樹脂層1を介して接着されており、半導体チップ12のガラス基板7側の面には有効画素領域17が形成されている。
本実施形態の感光性樹脂組成物から上記樹脂層1を形成することによって、加熱硬化後の上記樹脂層1の分子間架橋密度を高くすることができ、上記樹脂層1を通して浸入する水分量を減少させることができる。これにより、ガラス表面等での結露の発生を十分抑制することができる。
また、本実施形態において、更に高い気密封止性を得る観点から、上記樹脂層1がガラス基板7に対して高い接着性を有するものであることが好ましい。上記樹脂層1とガラス基板7との接着界面が十分に接着されていることで、ガラス基板7のはく離を抑制することができ、接着界面からの水分の浸入を更に低減させることができる。これにより、ガラス表面等での結露の発生を更に低減することができる。
上記半導体装置(固体撮像素子)400は、例えば、図27に示すようなCMOSセンサの製造に用いられる。図27は、図26に示す半導体素子を固体撮像素子として用いたCMOSセンサの例を模式的に示す端面図である。図27に示すCMOSセンサ300において、半導体装置400は、複数の導電性バンプ32を介して半導体素子搭載用支持部材13上の接続端子(図示せず)と電気的に接続されている。なお、導電性バンプ32を用いて半導体装置400が接着された構成に代えて、導電性ワイヤを介して半導体装置400が半導体素子搭載用支持部材13上の接続端子に接続された構成を有していてもよい。
CMOSセンサ300は、有効画素領域17の真上(半導体チップ12の反対側)に位置するように設けられたレンズ38と、レンズ38と共に半導体装置400を内包するように設けられた側壁50と、レンズ38が嵌め込まれた状態でレンズ38及び側壁50の間に介在する嵌め込み用部材42とが半導体素子搭載用支持部材13上に搭載された構成を有する。
CMOSセンサ300は、上述のような方法によって製造された半導体装置400を、半導体素子搭載用支持部材13上の接続端子と半導体チップ12を導電性バンプ32を介して接続し、半導体装置400を内包するようにレンズ38、側壁50及び嵌め込み用部材42を半導体素子搭載用支持部材13上に形成することで製造される。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、CMOSセンサに用途を限定されるものではなく、露光、現像によるパターン形成後に被着体を熱圧着して形成される中空構造を有するパッケージに用いられてもよい。上記中空構造を有するパッケージとしては、インクジェットヘッド及びバイオセンサー等のマイクロ流路、太陽電池部材、電子ペーパー、SAWフィルター、並びに、特開2005−329532号公報に開示されるMEMSパッケージ等の気密封止性が要求されるものが挙げられる。このようなパッケージに本実施形態に係る感光性樹脂組成物を適用することで、気密封止性に優れたパッケージを作製することができる。また、本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、中空構造を作製する際に封止機能を有するリブ材として用いられてもよい。
[樹脂層付透明基板]
本発明では、上述した本実施形態に係る感光性樹脂組成物を用いて樹脂層付基板を提供することができる。本実施形態に係る樹脂層付基板は、基板と、この基板上に積層された、本実施形態に係る感光性樹脂組成物をフィルム状に成形することによって得られるフィルム状樹脂からなる樹脂層とを備える。基板が透明基板である場合、樹脂層付透明基板を得ることができる。樹脂層付透明基板は、図26に示すような固体撮像素子400の製造に好適である。具体的には、透明基板としてガラス基板7上に本発明に係る樹脂層を設けた樹脂層付透明基板を作製し、樹脂層を露光、現像することによりパターン形成した後、これを半導体チップ12上に貼り合わせることにより固体撮像素子400を製造できる。透明基板以外の基板としては、シリコンウェハ、シリコンチップ、樹脂基板等が挙げられる。
図11〜27において、本実施形態の感光性樹脂組成物から形成される樹脂層は、接着剤層として機能する。
本実施形態に感光性樹脂組成物から形成される樹脂層は、封止用として用いることができる。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、金属バンプが形成された回路面を有する半導体ウェハの回路面上に、本発明の感光性樹脂組成物からなる樹脂層を形成する工程と、樹脂層を露光及び現像して、金属バンプの表面が露出する工程と、金属バンプの表面を露出した半導体ウェハを樹脂層と共に切断して、樹脂層付き半導体素子を得る工程と、樹脂層付き半導体素子と、他の半導体素子又は半導体素子搭載用支持部材とを、半導体素子の樹脂パターンを挟んで圧着する工程と、を備える。
図28は、半導体装置の製造方法の一実施形態を模式的に示す工程図である。図28に示す方法では、まず、金属バンプ22が形成された回路面を有する半導体ウェハ8の回路面上に、樹脂層1を形成する(図28の(a)参照)。次に、金属バンプ22の表面が露出するように、樹脂層1を露光及び現像して金属バンプの表面を露出する(図28の(b)参照)。金属バンプ22の表面が露出した半導体ウェハ8を樹脂層1と共に切断して、樹脂層付き半導体素子12cを作製し、次いで、樹脂層付き半導体素子12cと、半導体素子搭載用支持部材13aとを、半導体素子12cの樹脂層1を挟んで圧着する(図28の(c)参照)。これにより、金属バンプ22と、半導体素子搭載用支持部材13aが有する配線26とが電気的に接続され、半導体素子12cと、半導体素子搭載用支持部材13aとの間は、樹脂層1の硬化物で封止された半導体装置240が得られる(図28の(d)参照)。
樹脂層1の形成方法は、特に限定されないが、感光性樹脂組成物の溶液を半導体ウェハ8の回路面上に塗布する方法、又は、予め感光性樹脂組成物を基材上にフィルム状樹脂に形成したものを半導体ウェハ8の回路面上に転写する方法を用いることができる。塗布方法としては、印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、ジェットディスペンス法及びインクジェット法が挙げられ、中でも、スピンコート法が好ましい。
金属バンプ22の種類としては、特に限定されないが、銅、銀、金等で構成されるものが挙げられる。金属バンプ22上に、はんだボール24が更に設けられていてもよい。はんだボール24としては、鉛含有のはんだや鉛フリーはんだ等の従来公知のはんだ材料から構成されるものが挙げられる。
また、本実施形態の半導体装置の製造方法は、金属バンプが形成された回路面を有する第1の半導体ウェハの回路面上に、本発明の感光性樹脂組成物からなる樹脂層を形成する工程と、樹脂層を露光及び現像して金属バンプの表面を露出する工程と、金属バンプの表面を露出した第1の半導体ウェハと、第2の半導体ウェハとを、第1の半導体ウェハの樹脂層を挟んで圧着して半導体ウェハ積層体を得る工程と、半導体ウェハ積層体を切断して半導体素子を得る工程と、を備える。
図29は、半導体装置の製造方法の一実施形態を模式的に示す工程図である。図29に示す方法では、まず、金属バンプ22が形成された回路面を有する第1の半導体ウェハ8の回路面上に、樹脂層1を形成する(図29の(a)参照)。次に、樹脂層1を露光及び現像して金属バンプ22の表面を露出する(図29の(b)参照)。金属バンプの表面を露出した半導体ウェハ8と、第2の半導体ウェハ10とを、半導体ウェハ8の樹脂層を挟んで圧着して半導体ウェハ積層体を得る(図29の(c)及び(d)参照)。その後、半導体ウェハ積層体を切断して半導体素子に切り分ける。
さらに、本実施形態の半導体装置の製造方法は、回路面を有する第1の半導体ウェハの回路面上に、本発明の感光性樹脂組成物からなる樹脂層を形成する工程と、樹脂層を露光及び現像して樹脂パターンを形成する工程と、樹脂パターンを覆うように金属をめっきする工程と、金属めっきの表面を切削又は研磨して樹脂パターンの表面を露出する工程と、めっきを形成した第1の半導体ウェハと、第2の半導体ウェハとを圧着して半導体ウェハ積層体を得る工程と、を備える。
図30は、半導体装置の製造方法の一実施形態を模式的に示す工程図である。図30に示す方法では、まず、回路面を有する第1の半導体ウェハ8の回路面上に、樹脂層1を形成する(図30の(a)参照)。次に、樹脂層1を露光及び現像して樹脂パターン1bを形成する(図30の(b)参照)。次いで、樹脂パターン1b面に金属めっき層28を形成し(図30の(c)参照)、めっき面を切削又は研磨する(図30の(d)参照)。金属めっき層28を形成した半導体ウェハ8と、第1の半導体ウェハ8と同様に操作して、金属めっき層28及び樹脂パターン1bを形成した第2の半導体ウェハ10とを圧着して半導体ウェハ積層体を得る(図30の(e)参照)。第1の半導体ウェハ8と第2の半導体ウェハ10との間は、樹脂パターン1bの硬化物で封止される。
めっき方法としては、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケル等のニッケルめっき、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、パターン形成性を有するのみでなく、埋込性及び接続性に優れることから、各種半導体装置の製造において接着用及び封止用の樹脂組成物として好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明について、より具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<アクリルポリマー>
(合成例1)
フラスコに、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート35.6g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート78.0g、メタクリル酸メチル20.0g、N,N−ジメチルホルムアミド300g及びアゾイソブチロニトリル6.43gを入れ、窒素雰囲気下にて80℃で6時間反応させた。得られた反応液にメタノール200gを添加した後、1000gのイオン交換水へゆっくり滴下して析出したアクリルポリマー(P−1)をろ過、乾燥した。得られたP−1のGPC測定を行ったところ、ポリスチレン換算で重量平均分子量(Mw)は22000であった。また、P−1のTgは80℃、フェノール性水酸基当量は約670g/eqであった。
(合成例2)
フラスコに、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート44.5g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート39.0g、メタクリル酸メチル45.0g、N,N−ジメチルホルムアミド300g及びアゾイソブチロニトリル6.43gを入れた以外は合成例1と同様にして、アクリルポリマー(P−2)を得た。得られたP−2のMwは22000、Tgは100℃、フェノール性水酸基当量は約500g/eqであった。
(合成例3)
フラスコに、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート89.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート39.0g、メタクリル酸メチル20.0g、N,N−ジメチルホルムアミド300g及びアゾイソブチロニトリル7.40gを入れた以外は合成例1と同様にして、アクリルポリマーP−3を得た。得られたP−3のMwは25000、Tgは120℃、フェノール性水酸基当量は約300g/eqであった。
(合成例4)
フラスコに、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート100.0g、N,N−ジメチルホルムアミド200g及びアゾイソブチロニトリル5.00gを入れた以外は合成例1と同様にして、アクリルポリマー(P−4)を得た。得られたP−4のMwは25000、Tgは160℃、フェノール性水酸基当量は約178g/eqであった。
(合成例5)
フラスコに、メタクリル酸43.0g、2−ヒドロキシメチルメタクリレート39.0g、メタクリル酸メチル20.0g、N,N−ジメチルホルムアミド300g、アゾイソブチロニトリル5.10gを入れた以外は合成例1と同様にして、アクリルポリマー(P−5)を得た。得られたP−5のMwは25000、Tgは100℃であった。
(Mwの測定)
得られたアクリルポリマーのMwは、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行い、標準ポリスチレン換算した値である。
検出器:東ソー製RI8020
ポンプ:東ソー製DP8020
デガッサ:東ソー製SD8022
カラム:日立化成製GL−160A−S+GL−150A−S
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1mL/min
(Tgの測定)
得られたアクリルポリマーをアプリケーターを用いて離型剤付きPETフィルム(帝人デュポン社製、商品名:A−53)に塗布した後、オーブン中にて80℃で20分間、100℃で20分間の順で加熱して200μmのフィルムを作製したものを10mm×10mmの大きさに切り出してTg測定用サンプルを作製した。Tgは、該サンプルを粘弾性測定装置(レオメトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー株式会社製、商品名:ARES)で、測定プレートとして直径8mmの平行プレートを用い、昇温速度5℃/min、周波数1Hz条件で測定したときの、20℃〜200℃でのtanδピーク温度である。
<エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物>
(合成例6)
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えた500mLフラスコ内に、撹拌しながら液状の高純度ビスフェノールAビスグリシジルエーテルエポキシ樹脂(東都化成製、商品名:YD−825GS、エポキシ当量178g/eq)178g(1.0当量)、アクリル酸36g(0.5当量)、トリフェニルホスフィン0.5g及びヒドロキノン0.15gを仕込み、100℃で7時間反応させ、分子内に炭素−炭素二重結合及びエポキシ基を有する化合物(E−1)を得た。E−1を水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定し、酸価が0.3KOHmg/g以下であることを確認した。
<感光性樹脂組成物の調製>
上記で得られた樹脂及び他の化合物を用いて、下記表1及び表2に示す組成比(単位:質量部)にて各成分を配合し、実施例3〜5、参考例1〜2、6及び比較例1〜2の感光性樹脂組成物(樹脂層形成用ワニス)を得た。
表1及び表2において、各記号は下記のものを意味する。
PVP:アルドリッチ社製、ポリ(4−ビニルフェノール)(重量平均分子量:8000、水酸基当量:約120g/eq、ガラス転移温度:180℃)。
M−313:東亜合成社製、イソシアヌル酸EO変性ジ及びトリアクリレート(放射線重合性基当量:約160g/eq、5%質量減少温度:>400℃)。
YDF−8170C:東都化成社製、ビスフェノールF型ビスグリシジルエーテル(エポキシ当量:165g/eq、5%質量減少温度:270℃)。
I−819:BASF社製、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(365nmでの分子吸光係数:2300mL/g・cm)。
I−379EG:BASF社製、2−ジメチルアミノー2−(4−メチルーベンジル)−1−(4−モリフォリンー4−イルーフェニル)―ブタンー1−オン(365nmでの分子吸光係数:7800mL/g・cm)。
2P4MHZ−PW:四国化成社製、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール。
TrisP−PA:本州化学工業社製、α,α,α’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン(水酸基当量:141g/eq)。
パークミルD:日油社製、ジクミルパーオキサイド。
R−972:日本アエロジル社製、疎水性フュームドシリカ(平均粒径:約16nm)
PEGMEA:関東化学社製、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート。
分子吸光係数は、サンプルの0.001質量%アセトニトリル溶液を調製し、この溶液について分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、「U−3310」(商品名))を用いて吸光度を測定して求めた。
<樹脂シート>
実施例3〜5、参考例1〜2、6及び比較例1〜2で得られた感光性樹脂組成物を乾燥後の膜厚が40μmとなるように、それぞれ基材(剥離剤処理PETフィルム)上に塗布し、オーブン中にて80℃で20分間、100℃で20分間の順で加熱して、基材及び基材上に感光性樹脂組成物からなる樹脂層を有する樹脂シートを得た。得られた樹脂シートについて、以下の評価を行った。
(埋込性)
評価に用いた突起電極付ウェハ(以下、電極付ウェハ)は、ウェハ上に銅バンプが形成され、さらにその上にハンダボールが載っている構成を有するウェハである。具体的には、8インチサイズ(厚み:725μm)で、銅ピラー先端に鉛フリーはんだ層(Sn−3.5Ag:融点221℃)を有する構造のバンプが形成された、日立超LSIシステムズ製、JTEG PHASE11_80(サイズ7.3mm×7.3mm、バンプピッチ80μm、銅バンプ20μm、鉛フリーはんだ20μm、バンプ数328、厚み0.55mm、製品名)を用いた。
支持台上に上記電極付ウェハを載せ、その上に、上記樹脂シートを、樹脂層がウェハの電極面(支持台と反対側の面)と接するように、真空加圧ラミネーター(名機製作所社製、商品名:MVLP)を用いて、脱気時間10秒、温度80℃、圧力0.4MPaで30秒間ラミネートすることによって積層した。得られたサンプルを顕微鏡で観察し、バンプ部分にボイドが観察されなかったものをA、観察されたものをCとした。
(パターン形成性)
ウェハに通常の鏡面シリコンウェハを用いた以外は、上記埋込性の評価試験と同様にして、シリコンウェハ上に樹脂シートを積層した。得られた積層体の基材(PETフィルム)を剥離除去した後、樹脂層側から、パターン用マスク(新映社製)を介して、高精度平行露光機(オーク製作所製、商品名:EXM−1172−B−∞)によって50mJ/cm2露光した。次いで、80℃のホットプレート上で30秒間加熱した後、スピン現像機(ミクロ技研社製)を用いて、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドライド(TMAH)水溶液を用い、温度26℃、スプレー圧0.18MPaの条件でスプレー現像した後、温度26℃の純水にてスプレー圧0.02MPaの条件で6分間水洗し、120℃で1分間乾燥させた。このようにして、シリコンウェハ上に、感光性樹脂組成物の樹脂パターンを形成した。
形成された樹脂パターンを目視にて観察し、70μmφ以下の抜きパターンが形成されていた場合を「A」、70μmφを超える抜きパターンが形成されるものの、70μmφ以下の抜きパターンが形成されなかった場合又はパターンが形成されていなかった場合を「C」として、パターン形成性の評価を行った。評価結果を表1及び表2に示す。
(接続性)
半導体素子搭載用支持部材として、プリフラックス処理によって防錆皮膜が形成された銅配線パターンを表面に有するガラスエポキシ基板のパターン表面にレジスト「SR−AUS308」(太陽インキ製造(株)製、商品名)を塗布したものを準備した。
上記埋込性の評価試験と同様にして、電極付ウェハ上に樹脂層が積層された樹脂付積層体を得た。得られた積層体の基材(PETフィルム)を剥離除去した後、樹脂層側から、20μmの鉛フリーはんだバンプ上の樹脂以外を露光できるように設計したネガ型パターン用マスク(新映社製)を介して、上記試験と同様に露光した。次いで、上記試験と同様に、ホットプレート上で放置後、現像、水洗、及び乾燥を行った。このようにして、電極付ウェハ上に、感光性樹脂組成物の樹脂パターンが形成され、電極上部の樹脂が除去された樹脂層付きウェハを得た。次いで、樹脂層付きウェハをダイシングラインに従い7.3mm×7.3mmにダイシングして樹脂層付き半導体チップを得た。
第一工程として、接続部の温度が固形フラックス剤の融点以上でかつ鉛フリーはんだの融点より低い130℃となるようにフリップチップボンダー(パナソニックファクトリーソリューションズ(株)社製、製品名:FCB3)のヘッド温度を設定し(ステージ温度:40℃)、上記半導体素子搭載用支持部材と樹脂層付き半導体チップとを、荷重25Nで30秒間圧着した。次に、第二工程として、接続部の温度が鉛フリーはんだの融点より高い250℃となるようにフリップチップボンダーのヘッド温度を設定し、荷重25Nで10秒間圧着を行い、サンプルを作製した。なお、接続部の温度は、K型熱電対を半導体チップと基板との間に挟んだものを別途作製して測定した。
圧着後のサンプルについて、328バンプのデイジーチェーン接続による導通を確認し、下記の判定基準で接続性を評価した。
A:導通が確認された。
C:導通不良の箇所が存在した。
(高温接着性)
パターン用マスクを使用しなかった以外は、上記パターン形成性の評価試験と同様にして、シリコンウェハ上に、感光性封止樹脂組成物の光硬化物層を形成した。得られた光硬化物層が形成されたシリコンウェハを、3mm×3mmの大きさに個片化し、ホットプレート上で120℃で5分間乾燥した後、シリコンチップ(縦10mm×横10mm×厚み0.40mm)上に、光硬化物層がシリコンチップと接するようにして積層し、1kgfで加圧しながら、260℃で2秒間圧着したものを評価用のサンプルとした。得られたサンプルを、180℃のオーブン中で2時間加熱し、更に、260℃のホットプレート上で10秒間加熱した後、せん断接着力試験機(Dage社製、商品名:Dage−4000)を用いて接着力を測定した。