実施の形態1.
図1は、実施の形態1の調理器としての加熱調理器100の構成を示す断面図である。図2は、加熱調理器100の外観を示す斜視図である。加熱調理器100は、例えば圧力炊飯器である。加熱調理器100は、筐体1(本体)と、筐体1に開閉自在に取り付けられた蓋体としての外蓋11と、筐体1の内側に設けられた容器カバー2と、容器カバー2の内側に設けられた容器としての鍋状容器5と、容器カバー2の周囲に巻かれた加熱コイル10とを備えている。
筐体1は、加熱調理器100の本体をなす部分であり、上方に開口を有している。筐体1の内側には、容器カバー2が取り付けられている。また、筐体1の外周面には、操作パネル17が取り付けられている。操作パネル17は、加熱調理器100の状態を表す情報を表示し、ユーザ(操作者)による操作を受け付ける操作/表示部である。
容器カバー2は、円筒状の周壁部2aと底部2bとを有し、上方に開口を有している。容器カバー2の周壁部2aの上端部は、筐体1の開口の内周面に固定されている。容器カバー2の底部2bには、後述する容器温度センサ4を取り付けるための開口部が設けられている。
鍋状容器5は、筐体1内に設けられた容器カバー2の内側に着脱可能に取り付けられている。鍋状容器5は、円筒状の周壁部5aと底部5bとを有し、上方に開口を有する鍋状の容器であり、米などの被加熱物を収容する。鍋状容器5の中心軸(より具体的には、円筒状の周壁部5aの中心軸)は、後述するロックリング9の回転軸と一致するため、回転軸(中心軸)C1と称する。ここでは、回転軸C1は、鉛直軸である。
鍋状容器5の周壁部5aの上部(すなわち開口側の部分)は、筐体1から上方に突出している。周壁部5aの当該上部には、ユーザが鍋状容器5を持ち上げる際に把持する取っ手部6が設けられている。取っ手部6は、回転軸C1に対称な2か所にそれぞれ形成されている。取っ手部6は容器カバー2の上端部に当接して支持され、取っ手部6と筐体1の上端との間には、ユーザが指を入れることができる程度の隙間が設けられる。
なお、取っ手部6は、実際には、図1に示した位置から回転軸C1を中心として90度回転した位置にある。すなわち、取っ手部6は、操作パネル17に正対したユーザの右手と左手で把持しやすい位置に設けられている。また、筐体1には、取っ手部6を置く位置に凹部が設けられ、または取っ手部6を置く位置を示すマークが付されている。これにより、筐体1に対する鍋状容器5の位置(すなわち、回転軸C1を中心とする回転位置)が規制される。
図3は、鍋状容器5と外蓋11とをそれぞれ別々に示す斜視図である。鍋状容器5の開口の周縁部に沿って、径方向外側にフランジ状に突出する第1の係合部51が形成されている。第1の係合部51は、鍋状容器5の周方向に等間隔に複数(例えば6つ)配置されている。隣り合う第1の係合部51の間には、切欠き52が形成されている。
図1に戻り、加熱コイル10は、容器カバー2の周囲に配設された誘導加熱コイルである。加熱コイル10はスパイラル状に巻かれており、インバータ部22(図6)から高周波電流が流される。加熱コイル10に電流を流すことにより、容器カバー2を介して鍋状容器5が加熱される。
容器カバー2の底部2bの開口部には、容器温度センサ4が配置されている。容器温度センサ4は、その下側に配置されたコイルスプリング4aにより、鍋状容器5の底部に押し当てられている。
外蓋11は、鍋状容器5を開閉自在に覆うものであり、筐体1に設けられたヒンジ部(図示せず)を中心として回動自在に支持されている。外蓋11は、加熱調理器100の円板状の天板部11aと、天板部11aの外周に沿って形成された周壁部11bとを有している。周壁部11bは、天板部11aから筐体1側(図1における下方)に突出している。
外蓋11には、また、内蓋7と、鍋状容器5で発生した蒸気を放出するための蒸気カートリッジ12と、ロック部としてのロックリング9と、ロックリング9を操作するための操作部3とが設けられている。
内蓋7は、鍋状容器5の開口を塞ぐ円板状の部材であり、外蓋11の天板部11aの下面に取り付けられている。鍋状容器5の開口の周縁部に沿って、鍋状容器5と内蓋7との間を塞ぐパッキン8が設けられている。内蓋7には、蒸気口13が設けられている。この蒸気口13には蒸気排出弁14が取り付けられており、蒸気口13の開口面積を制御する。蒸気排出弁14は、外蓋11内に設けられたステッピングモータ等の弁駆動部15によって駆動される。内蓋7には、また、鍋状容器5の内部の温度を検出する蓋温度センサ16が取り付けられている。
蒸気カートリッジ12は、内蓋7の蒸気口13から放出された蒸気を外部に放出するものであり、外蓋11に取り付けられている。外蓋11には、蒸気口13と蒸気カートリッジ12とを連通する連通部が形成されている。蒸気カートリッジ12の上面は、外蓋11の上面で露出している。蒸気カートリッジ12の上面に形成された外部蒸気口12aから蒸気が外部に放出される。
ロックリング9は、鍋状容器5と外蓋11とをロックするものである。ロックリング9は環状の部材であり、外蓋11の周壁部11bの内側に保持されている。また、ロックリング9は、内蓋7と鍋状容器5の開口の周縁部とを、回転軸C1の方向に挟み込むように構成されている。
ロックリング9は、上述した回転軸C1を中心とする環状のリング部90と、鍋状容器5の第1の係合部51(図3)と係合する第2の係合部91とを有している。ロックリング9のリング部90は、外蓋11の天板部11aに取り付けられた内蓋7よりも径方向外側に位置している。第2の係合部91は、ロックリング9のリング部90から径方向内側に向けて突出している。
図3に示すように、第2の係合部91は、ロックリング9の周方向に等間隔に複数配置されている。第2の係合部91の数は、鍋状容器5の第1の係合部51の数と同じ(例えば6つ)である。ロックリング9のリング部90の内周面には、内周ギア部92(図1および図7)が形成されている。
操作部3は、ユーザの操作により、ロックリング9を回転軸C1の周りに回転させる部分である。操作部3は、外蓋11の上面に設けられた回転操作部31を有している。
図4は、操作部3の回転操作部31を示す平面図である。図5は、図4における線分V−Vにおける操作部3の断面図である。回転操作部31は、外蓋11の天板部11aに形成された凹部(図5)内に回転可能に保持されており、ユーザが回転操作できるように外蓋11の上面に露出している。回転操作部31は平面視で円形状であり、中央に、直線状のつまみ部31aを有している。
図5に示すように、操作部3は、さらに、回転操作部31に固定された軸部32と、軸部32に固定された伝達ギア部33とを有している。軸部32の中心軸である回転軸C2は、上述した回転軸C1と平行であり、且つ偏心している。伝達ギア部33は、ロックリング9の内周ギア部92(図1)と噛み合っている。ロックリング9は、外蓋11を挟んで操作部3と接続されており、これによりロックリング9は外蓋11に回転可能に保持されている。
このように構成されているため、操作部3の回転操作部31を回転させると、この回転操作部31に固定された軸部32が回転し、さらに軸部32に固定された伝達ギア部33が回転する。そして、伝達ギア部33と内周ギア部92との噛み合いにより、ロックリング9が回転軸C1を中心として回転する。
図6は、加熱調理器100の制御系を示すブロック図である。加熱調理器100は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の制御部20と、加熱コイル10の電力供給源である電源21とを有している。制御部20は、電源21からの電力供給を制御するインバータ部22と、蒸気排出弁14(図1)を駆動する弁駆動部15(例えばステッピングモータ)とを制御する。また、制御部20には、容器温度センサ4および蓋温度センサ16からの検出温度、および操作パネル17からのユーザの操作情報が入力される。
次に、この実施の形態1の加熱調理器100の動作について説明する。ユーザは、まず、加熱調理器100の外蓋11を開いて、筐体1から鍋状容器5を取り出す。その後、ユーザは、鍋状容器5内にメニューの材料(被加熱物)を入れる。次に、ユーザは、取っ手部6を把持して鍋状容器5を持ち上げて、筐体1の容器カバー2内に収容する。鍋状容器5を筐体1の容器カバー2内に収容したのち、ユーザは外蓋11を閉じる。
外蓋11を閉じると、外蓋11に取り付けられた内蓋7が鍋状容器5の開口を塞ぐ。また、内蓋7に取り付けられたパッキン8が、鍋状容器5の開口の周縁部に圧接されて、鍋状容器5内を密閉状態でシールする。
図7(A)および(B)は、ロックリング9の動作を説明するための模式図である。なお、図7(A)および(B)では、内周ギア部92を一部のみ示しているが、実際には内周ギア部92はロックリング9の内周の全域に亘って形成されていてもよい。
上記のように外蓋11を閉じると、外蓋11に取り付けられたロックリング9の第2の係合部91は、鍋状容器5の切欠き52を軸方向に通過して、第1の係合部51よりも下方に達する。すなわち、図7(A)に示すように、第1の係合部51と第2の係合部91とが、周方向に交互に並んだ状態となる。
その後、ユーザは、操作部3の回転操作部31のつまみ部31aを指でつまんで、回転操作部31を、例えば図7(A)に矢印で示す方向に回転させる。回転操作部31が回転すると、上述したように軸部32および伝達ギア部33が回転する。そして、伝達ギア部33と内周ギア部92との噛み合いにより、ロックリング9が、回転軸C1を中心として回転操作部31と同方向に回転する。
ロックリング9が回転すると、図7(B)に示すように、ロックリング9に設けられた第2の係合部91が、鍋状容器5の第1の係合部51に対して軸方向に重なり合う位置に到達する。すなわち、第1の係合部51と第2の係合部91とが係合する。
ロックリング9は外蓋11に保持されているため、第1の係合部51と第2の係合部91とが係合すると、鍋状容器5と外蓋11とがロックされる。すなわち、外蓋11が鍋状容器5から離れる方向(上方)に移動しようとすると、鍋状容器5の第1の係合部51とロックリング9の第2の係合部91とが当接して、外蓋11の移動が防止される。
その後、ユーザは、操作パネル17(図1)のスイッチを操作して調理を開始する。制御部20は、操作パネル17からの調理開始の信号を受信すると、弁駆動部15を駆動して、蒸気排出弁14を蒸気口13が塞がれる状態まで変位させる。
制御部20は、また、インバータ部22を制御して電源21からの高周波電流を加熱コイル10に流す。加熱コイル10に流れる高周波電流によって高周波磁界が発生し、加熱コイル10と磁気結合した鍋状容器5の加熱コイル対向面が励磁され、容器底面に渦電流が誘起される。この渦電流と、鍋状容器5の抵抗とによってジュール熱が発生し、鍋状容器5が発熱して材料(被加熱物)が加熱される。
鍋状容器5中の材料が沸騰すると、蒸気排出弁14の重みによって蒸気口13からの蒸気の排出が妨げられて、鍋状容器5内に圧力がかかる。蒸気口13の開口面積と、蒸気口13をふさぐ蒸気排出弁14の重量とにより、鍋状容器5の内部にかかる圧力の上限値が設定される。例えば、蒸気口13の内径を1mmとし、蒸気排出弁14の重量を10gとすると、鍋状容器5の内部にかかる圧力は概ね2.2気圧(abs)となる。鍋状容器5の内部の圧力が設定された上限値に達すると、蒸気圧力が蒸気排出弁14を押しのけ、蒸気カートリッジ12に備えられた外部蒸気口12aから蒸気が排出される。これにより、鍋状容器5の内部の圧力が一定に保たれる。
鍋状容器5の内部に圧力がかかると、内蓋7には上方向への力が加わる。しかしながら、鍋状容器5と内蓋7とは、ロックリング9によって上下に挟み込まれ、上下方向(回転軸C1の方向)の変位が規制されている。そのため、鍋状容器5の内部の圧力によって内蓋7が開放されることはない。
加熱コイル10への電流供給の停止後(すなわち加熱終了後)も、鍋状容器5の内部圧力は大気圧よりも高い状態に保たれる。この状態で外蓋11を開くと、圧力変化により突沸が起こり、鍋状容器5内の材料が飛び出す可能性があるため、鍋状容器5の内部の圧力が大気圧まで下がってから外蓋11を開く必要がある。
そこで、制御部20は、放冷または蒸気排出弁14の開放によって鍋状容器5の内部圧力を低下させる。そして、内部圧力が大気圧まで低下したことを温度センサ(例えば容器温度センサ4または蓋温度センサ16)の出力に基づいて検知すると、操作パネル17または音声によって終了合図を出力する。ユーザは、操作部3の回転操作部31をロック時とは反対側(図7(A)に示す矢印とは反対方向)に回転操作して、鍋状容器5と外蓋11とのロックを解除する。その後、ユーザは外蓋11を開き、鍋状容器5から材料を取り出す。
次に、操作部3およびロックリング9の動作について、さらに説明する。図7(A)および(B)に示したように、鍋状容器5の第1の係合部51、およびロックリング9の第2の係合部91は、それぞれ6つずつ設けられている。すなわち、第1の係合部51および第2の係合部91は、いずれも回転軸C1を中心として60度の等間隔で配置されている。
言い換えると、第1の係合部51と、これに周方向に隣接する第2の係合部91との間の角度は、30度(60度/2)となる。そのため、ロックリング9を30度だけ回転させると、図7(B)に示すように、鍋状容器5の第1の係合部51とロックリング9の第2の係合部91とが軸方向に重なり合う。
ここでは、ロックリング9の回転角度よりも操作部3の伝達ギア部33の回転角度(すなわち回転操作部31の回転角度)を大きくするため、伝達ギア部33とロックリング9の内周ギア部92とのギア比は、1:1よりも大きく設定されている。伝達ギア部33の半径は、ロックリング9の半径よりも小さい。また、伝達ギア部33の回転中心、すなわち回転操作部31の回転中心(図5に示した回転軸C2)は、ロックリング9の回転中心(図1に示した回転軸C1)から水平方向に偏心している。
このように伝達ギア部33と内周ギア部92とのギア比を1:3とする場合、ロックリング9を30度回転させる際の伝達ギア部33の回転角度(すなわち回転操作部31の回転角度)は、30度×3=90度となる。
すなわち、ユーザが回転操作部31を90度回転させることにより、鍋状容器5と外蓋11とをロックすることができる。また、ユーザが回転操作部31をさらに90度回転させることにより、鍋状容器5と外蓋11とのロックを解除することができる。
このように回転操作部31の回転角度がロックリング9の回転角度よりも大きいため、ユーザは、回転操作部31の方向の変化に基づいて、ロック状態とロック解除状態とを容易に判断することができる。
鍋状容器5と外蓋11とのロックが解除された状態では、加熱調理器100に正対しているユーザ(すなわち、図2に示した操作パネル17に正対しているユーザ)から見て、図4に示すように、つまみ部31aが横方向を向いている。これに対し、ロック状態では、加熱調理器100に正対するユーザから見て、つまみ部31aが縦方向を向いている。このように回転操作部31の方向が大きく変化するため、鍵のようにロック状態が視認しやすい。
また、第1の係合部51と第2の係合部91と完全に係合していない状態(すなわち鍋状容器5と外蓋11とのロックが不十分な場合)には、回転操作部31のつまみ部31aが斜め方向を向くため、ロックが不十分であることをユーザが容易に判断することができる。そのため、鍋状容器5と外蓋11とのロックの確実性を高めることができ、安全性が向上する。
また、伝達ギア部33と内周ギア部92とのギア比が1:3であり、回転操作部31の回転(すなわち伝達ギア部33の回転)を減速してロックリング9に伝達するため、小さい力でロックを行うことができ、操作性が良い。
鍋状容器5の第1の係合部51およびロックリング9の第2の係合部91は、6つに限定されるものではないが、互いに同数で、且つ周方向に等間隔に配置されていることが望ましい。
また、ユーザが鍋状容器5を筐体1に取り付ける際に、鍋状容器5を図7(A)に示すような回転位置に取り付けることができるように、上述したように筐体1の取っ手部6を置く位置に凹部を設けるか、取っ手部6を置く位置を示す目印となるマークを付すことが望ましい。
上記の説明では、操作部3は、円形状で直線状のつまみ部31aを有する回転操作部31を備えているが、このような形状に限らず、回転角度によってロック状態が把握しやすい形状であればよい。
例えば、回転操作部31の形状を、回転角度に応じて向きの変化が分かりやすい形状、例えば三角形のような形状としてもよい。あるいは、ユーザが、回転角度に応じて高さの変化を知覚できるような形状としてもよい。
また、上記の説明では、回転操作部31の回転角度を90度としたが、回転操作部31の回転角度は30度よりも大きければよい。例えば、伝達ギア部33と内周ギア部92とのギア比を1:2とし、回転操作部31の回転角度を45度としてもよい。あるいは、伝達ギア部33と内周ギア部92とのギア比を2:3とし、回転操作部31の回転角度を60度としてもよい。
ここで、鍋状容器5の第1の係合部51(フランジ部)の望ましい形状について説明する。図8(A)および(B)は、実施の形態1の第1の係合部51の望ましい形状を説明するための鍋状容器5の平面図である。
第1の係合部51は、上記の通り、鍋状容器5の開口の周縁部から径方向外側にフランジ状に突出する部分であり、隣り合う第1の係合部51の間には切欠き52が形成されている。ここで、例えば図8(A)に示すように、いずれも矩形状の第1の係合部51と切欠き52とが交互に連続している構成が可能である。
しかしながら、図8(B)に示すように、第1の係合部51と切欠き52とがなめらかに連続するように構成することがより望ましい。言い換えると、第1の係合部51を、花弁形状に構成することが望ましい。さらに言い換えると、第1の係合部51の周方向の両端部を曲線状に形成することが望ましい。このように構成すれば、ユーザが鍋状容器5を取り扱う際の触り心地がよく、また機械的な印象を与えることがないためデザイン性も向上する。
但し、第1の係合部51が花弁形状の場合には、矩形状の場合と比較して、第1の係合部51とロックリング9の第2の係合部91とが重なり合う面積が小さくなる。そのため、第1の係合部51の数が6より多いと、鍋状容器5と外蓋11とのロック状態を十分に維持できない可能性がある。従って、第1の係合部51を花弁形状とした場合には、第1の係合部51の数は6以下が望ましい。
また、この場合、第1の係合部51と係合するロックリング9の第2の係合部91も花弁形状とすることができる。但し、ロックリング9は、ユーザがメンテナンスする頻度が低く、デザイン性を向上する必要性が少ない。そのため、ロックリング9の第2の係合部91は、第1の係合部51との間でロックに必要な重なり合い面積を確保でき、且つロック解除時に切欠き52と重なり合う形状であれば、どのような形状であってもよい。すなわち、ロックリング9の第2の係合部91は、矩形状および花弁形状の何れでもよく、また、他の形状であってもよい。ロックリング9の第2の係合部91が矩形状のような単純形状であれば、加工が容易であるため、製造コストを低減する上で有利である。
なお、ロック解除時には、ロックリング9の第2の係合部91と鍋状容器5の切欠き52とが重なり合うため、第2の係合部91を大きく形成すると、切欠き52の内周側端縁を鍋状容器5の周壁部5aに接近させる必要がある。しかしながら、切欠き52の内周側端縁をあまり鍋状容器5の周壁部5aに接近させると、外蓋11を閉じた際に鍋状容器5の内部を密閉することが難しくなる。そのため、鍋状容器5の内部を密閉して加圧時の蒸気漏れを確実に抑制するためには、切欠き52の内周側端縁を、鍋状容器5の周壁部5aよりも径方向外側に配置することが望ましい。
以上説明したように、本発明の実施の形態1による加熱調理器100は、開口を有する鍋状容器5と、鍋状容器5を開閉自在に覆う外蓋11と、鍋状容器5と外蓋11とをロックするロックリング9と、ロックリング9に連結され、外部から回転操作される回転操作部31とを備え、回転操作部31が30度より大きく回転操作されることによって、ロックリング9が鍋状容器5と外蓋11とをロックするように構成されている。そのため、ユーザは、回転操作部31の回転位置に基づいて、ロック状態を容易に判断することができる。
また、ロックリング9が、内蓋7と鍋状容器5の一部(開口の周縁部)とを挟むように設けられているため、調理時に鍋状容器5の内部の圧力によって内蓋7が押圧されても、内蓋7が開くことを抑制することができる。
また、操作部3の回転操作部31を外蓋11の上面に設けることにより、ユーザが外部から容易に回転操作を行うことができる。
また、ロックリング9が鍋状容器5に対して回転可能であり、回転操作部31の回転によってロックリング9が回転する。そのため、回転操作部31の回転をロックリング9に伝達することにより、鍋状容器5と外蓋11とをロックし、またロックを解除することができる。
また、回転操作部31の回転角度がロックリング9の回転角度よりも大きいため、ロックリング9の回転角度を、鍋状容器5と外蓋11とのロックに必要な要最小限の回転に設定し、回転操作部31の回転角度を、ユーザが視認し易いように比較的大きい回転角度に設定することができる。
また、回転操作部31の回転軸とロックリング9の回転軸とが、互いに平行で且つ偏心しているため、例えば、回転操作部31の回転を減速してロックリング9に伝達する構成を容易に実現することができる。
また、鍋状容器5が開口の周囲に沿って第1の係合部51を有し、ロックリング9が鍋状容器5の周囲に沿って環状に延在し、且つ第1の係合部51に係合する第2の係合部91を有するため、ロックリング9を内蓋7に対して径方向外側に配置することができる。そのため、鍋状容器5と外蓋11とのロックおよびロック解除のための構成を比較的小さい占有スペースで実現することができる。
また、第1の係合部51と第2の係合部91とがロックリング9の回転軸の方向において互いに重なり合うときに、鍋状容器5と外蓋11とがロックされ、第1の係合部51と第2の係合部91とがロックリング9の回転軸の方向において互いに重なり合わないときに、鍋状容器5と外蓋11とのロックが解除されるため、ロックリング9の回転位置に応じて鍋状容器5と外蓋11とをロックし、またロックを解除することができる。
また、操作部3の伝達ギア部33がロックリング9の内周ギア部92に係合するため、回転操作部31の回転を減速してロックリング9に伝達する構成を、容易に実現することができる。
また、回転操作部31が、直線状に延在するつまみ部31aを有するため、ユーザはつまみ部31aの向きを見てロック状態を判断することができる。
また、ロックリング9が外蓋11に回転可能に保持されているため、鍋状容器5と外蓋11とをロックするための構成を外蓋11側に設け、筐体1側の構成を簡単にすることができる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図9(A)および(B)は、実施の形態2におけるロックリング9の動作を説明するための模式図である。上述した実施の形態1では、操作部3の軸部32に取り付けられた伝達ギア部33がロックリング9の内周ギア部92と噛み合っており、回転操作部31の回転軸C2とロックリング9の回転軸C1とが異なっていた。
これに対して、この実施の形態2では、操作部3Aの軸部32に取り付けた伝達ギア部61は、もう一つの伝達ギア部62を介して、ロックリング9の内周ギア部92と噛み合っている。また、回転操作部31(図5)の回転軸C2は、ロックリング9の回転軸C1と一致している。
より具体的には、図9(A)に示すように、操作部3Aは、回転操作部31(図5)と、回転操作部31に固定された軸部32と、軸部32に固定された伝達ギア部61と、伝達ギア部61と噛み合う伝達ギア部62と、伝達ギア部62を回転可能に支持する支軸64とを有している。伝達ギア部62は、ロックリング9の内周ギア部92と噛み合っている。回転操作部31は、実施の形態1で説明した構成を有しているが、回転操作部31の回転軸C2がロックリング9の回転軸C1と一致している点が異なる。
操作部3Aが2つの伝達ギア部62,63を有しているため、回転操作部31の回転軸C2をロックリング9の回転軸C1と一致させる構成が可能となる。そのため、回転操作部31を外蓋11(図2)の径方向中心に配置することができ、外蓋11の外観を軸対称にすることができる。
実施の形態2における回転操作部31(図5)の回転角度は、30度よりも大きければよい。回転操作部31の回転角度は、第1の係合部51の数、第2の係合部91の数、並びに、伝達ギア部61,62および内周ギア部92のそれぞれの歯数によって、任意に設定することができる。
ここでは、操作部3Aが2つの伝達ギア部62,63を有しているが、3つ以上の伝達ギア部を有していてもよい。伝達ギア部の数が偶数の場合には、ロックリング9の回転方向は回転操作部31の回転方向と反対方向となり、伝達ギア部の数が奇数の場合には、ロックリング9の回転方向は回転操作部31の回転方向と同方向となる。
以上説明したように、本発明の実施の形態2では、実施の形態1で説明した効果に加えて、操作部3Aが複数の伝達ギア部62,63を有しているため、回転操作部31の回転軸をロックリング9の回転軸C1と一致させることができる。これにより、回転操作部31を外蓋11の径方向中心に配置することができる。そのため、外蓋11の外観を軸対称にしてデザイン性を向上することができる。また、外蓋11のいくつかの構成要素を軸対称に構成し、加工を容易にすることもできる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。図10(A)および(B)は、実施の形態3における操作部3Bおよびロックリング9の動作を説明するための模式図である。図11は、実施の形態3における操作部3Bの断面図である。
図11に示すように、この実施の形態3の操作部3Bは、回転操作部71と軸部72と連結部73とを有しているが、伝達ギア部を有さない。回転操作部71は、外蓋11の天板部11a(図11)の径方向中心の凹部に、回転軸C1を中心として回転可能に保持されている。連結部73は、回転操作部71とロックリング9とを連結する部材である。連結部73は、ここでは回転操作部71とロックリング9とを連結するレバー部材として形成されているが、このような形状に限定されるものではなく、回転操作部71とロックリング9とを連結するものであればよい。
図10(A)に示すように、ロックリング9は、実施の形態1と同様のリング部90および第2の係合部91を有しているが、内周ギア部92(図1)を有さない。すなわち、この実施の形態3では、回転操作部71とロックリング9とが、伝達ギア部を介さずに一体的に回転するように構成されている。そのため、回転操作部71の回転角度とロックリング9の回転角度とは、同一である。
鍋状容器5は、実施の形態1と同様の第1の係合部51を有している。ここでは、第1の係合部51および第2の係合部91の数を、実施の形態1と同様にいずれも6つとした例について説明する。
図10(A)および(B)では、鍋状容器5の6つの第1の係合部51を、図中時計回りに符号51a,51b,51c,51d,51e,51fで示す。また、ロックリング9の6つの第2の係合部91を、図中時計回りに符号91a,91b,91c,91d,91e,91fで示す。
図10(A)には、外蓋11を閉じてから、回転操作部71を回転操作する前のロックリング9および操作部3Bの回転位置を示している。図10(A)に示した状態から回転操作部71を30度回転させると、第2の係合部91aは、周方向に隣接する位置に配置された第1の係合部51aと軸方向に重なり合う位置に到達し、これにより鍋状容器5と外蓋11とをロックすることができる。しかしながら、30度という小さい回転角度では、ユーザがロック状態を視認しにくい。
そこで、この実施の形態3では、図10(B)に示すように、ユーザに回転操作部71を90度回転させ、第2の係合部91aが、第1の係合部51aの隣の第1の係合部51bと軸方向に重なり合う位置に到達するようにしている。
具体的には、例えば、外蓋11の凹部の内周面と回転操作部71の外周面に、回転操作部71の回転を90度ごとに係止するクリック機構74(図11)を設けることにより、ユーザが回転操作部71を90度回転するように促すことが望ましい。
また、図12に示す構成も可能である。すなわち、6つの第2の係合部91a〜91fのうち、1つおきの3つの第2の係合部91a,91c,91eのそれぞれの周方向一端部(ここでは時計回り方向の端部)に、上方に突出する突起93を設ける。また、6つの第1の係合部51a〜51fのうち、1つおきの3つの第1の係合部51b,51d,51fのそれぞれの周方向一端部(ここでは時計回り方向の端部)に、下方に突出する突起53を設ける。突起53および突起93は、外蓋11を閉じた状態でロックリング9を回転させたときに、互いに当接可能な高さ(回転軸方向の寸法)を有している。
図13(A)は、外蓋11を閉じてから、回転操作部71を回転操作する前の状態(図12に示した状態)における第1の係合部51と第2の係合部91との位置関係を示す模式図である。この図では、ロックリング9の回転方向を矢印で示している。図13(A)の状態では、第1の係合部51の突起53と、第2の係合部91の突起93とは、互いに離れている。
図13(A)から回転操作部71を45度回転させる(すなわちロックリング9を45度回転させる)と、図13(B)に示すように、第2の係合部91a,91c,91eの各突起93が、第1の係合部51b,51d,51fの各突起53と当接する。これによりロックリング9がそれ以上回転できない状態となるため、ユーザは、ロックが完了したことを容易に知ることができる。
なお、この状態で調理を開始すると、鍋状容器5の内部の圧力上昇によってロックリング9が上方に僅かに移動し、第2の係合部91が第1の係合部51に押圧される。このとき、第2の係合部91a,91c,91eが上方に突出する突起93を有しているため、この突起93が第1の係合部51b,51d,51fに押圧されることになり、突起93に応力が集中する。
そこで、第1の係合部51b,51d,51fの突起53に隣接して、突起93を収容する突起収容部54(図13)を設けることが望ましい。これにより、6つの第2の係合部91が、全体で第1の係合部51に押圧されることになり、応力集中を回避することができる。突起収容部54は、貫通穴でもよく、また凹部でもよい。
なお、ここでは、第1の係合部51および第2の係合部91の数をそれぞれ6つとしたため、鍋状容器5の筐体1に対する回転位置(回転軸C1を中心とする回転方向の位置)が180度変化すると、突起53と突起93との位置関係が図12に示した位置関係にならない。そのため、ユーザは、鍋状容器5の向きが一定になるように筐体1に設置する必要がある。これに対し、第1の係合部51および第2の係合部91の数がそれぞれ8つであれば、鍋状容器5を180度回転した位置に設置しても上記のロック動作が可能であるため、ユーザの使い勝手は向上する。
ここでは、回転操作部71の回転角度を90度としたが、回転操作部31の回転角度は30度よりも大きければよい。回転操作部31の回転角度は、第1の係合部51の数および第2の係合部91の数に応じて設定することができる。
例えば第1の係合部51の数および第2の係合部91の数がいずれも2つの場合(すなわち、それぞれ180度間隔で配置されている場合)には、回転操作部71を90度回転させることにより、第1の係合部51と第2の係合部91とを係合させることができる。
例えば第1の係合部51の数および第2の係合部91の数がいずれも4つの場合(すなわち、それぞれ90度間隔で配置されている場合)には、回転操作部71を45度回転させることにより、第1の係合部51と第2の係合部91とを係合させることができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態3では、実施の形態1で説明した効果に加えて、伝達ギア部を設けずに、回転操作部31とロックリング9とを一体的に回転させる構成としたため、外蓋11の内部の構成を簡単にすることができる。そのため、部品数を低減し、製造コストを抑制することができる。
以上、本発明の望ましい実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良または変形を行なうことができる。
例えば、本発明は、圧力炊飯器に限らず、容器と蓋体とを有するものであれば、他の調理器にも適用することができる。