以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(トナー印刷物)本発明のトナー印刷物30は、ある操作によって目視で観察できるようになる潜像効果を有するトナー印刷物30であって、図2(B)に示すように、基材11と、該基材11の少なくとも一方の面へ、ベタ状のベタトナー部33と、該ベタ状のベタトナー部33面へベタトナー部と同色で任意絵柄のトナー印刷部35とからなる目視で観察できないトナー潜像画像を形成し、前記トナー印刷部35へ図1に示すような、レリーフホログラム転写箔10を用いて、トナー印刷部35の任意絵柄よりも大きいサイズのレリーフホログラムを含む転写層20を選択的に転写することで、前記トナー潜像画像が目視で観察できるトナー顕像画像になることを特徴とする。
(製造方法)製造方法の工程順に、材料も含めて説明する。
本発明のトナー印刷物は、目視で観察できるようになる潜像効果を有するトナー印刷物であって、例えば、次のような工程で製造することができる。(1)基材と、該基材の少なくとも一方の面に、トナーを用いた電子写真法で、ベタ状のベタトナー部と該ベタ状のベタトナー部面へベタトナー部と同色で任意絵柄のトナー印刷部とを印画する電子写真工程、(2)転写基材と、該転写基材へ、剥離層、レリーフホログラム層、反射層、並びに前記ベタトナー部及びトナー印刷部には接着し、かつ前記基材には接着しない接着層からなるレリーフホログラム転写箔の作製工程、(3)前記トナー印刷物のトナー印刷部へ、前記レリーフホログラム転写箔の前記接着層とを重ねて加熱加圧した後に、前記転写基材を剥離し除去して、前記トナー印刷部より大きいレリーフホログラムを転写する転写工程、とからなる。
このようにすることで、ベタトナー部33とトナー印刷部35との段差で、転写層20に含まれている反射層17の光の反射方向が変化することで、トナー印刷部35の任意絵柄が目視で観察できるトナー顕像画像となる。即ち、トナー潜像画像は、ベタ状のベタトナー部と、該ベタトナー部と同色の任意絵柄のトナー印刷部とからなっているので、同色同士が重なって、目視では観察が容易にできないトナー潜像画像となっている。しかしながら、レリーフホログラムが転写されると、転写層20に含まれている反射層17の光の反射方向が変化することで、トナー印刷部35の任意絵柄の輪郭が目立つトナー顕像画像となって、目視で観察できるようになる。
(第一工程)(1)基材と、該基材の少なくとも一方の面に、トナーを用いた電子写真法で、ベタ状のベタトナー部と該ベタ状のベタトナー部面へベタトナー部と同色で任意絵柄のトナー印刷部とを印画する電子写真工程である。
(第二工程)(2)転写基材11と、該転写基材11へ、剥離層13、必要に応じて保護層14、レリーフホログラム層15、反射層17、並びにベタトナー部33及びトナー印刷部35には接着し、かつ基材31には接着しない接着層19からなるレリーフホログラム転写箔10の作製工程である。レリーフホログラム転写箔10の断面図を図1に示す。
(転写基材)転写基材11としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体などのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリノルボネンなどの環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、などがあり、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。好ましい転写基材11としては、機械的強度を向上させる目的で、フィルムの厚さとしては、通常6μm〜100μm程度、好ましくは12〜50μm程度の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが機械的強度や転写適性の点で最適である。
(剥離層)剥離層13としては、特に限定されるものではないが、例えば、離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、電離放射線で架橋する硬化性樹脂などが適用できる。離型性樹脂は、例えば、弗素系樹脂、シリコーン、メラミン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、繊維素系樹脂などである。離型剤を含んだ樹脂は、例えば、弗素系樹脂、シリコーン、各種のワックスなどの離型剤を、添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂などである。電離放射線で架橋する硬化性樹脂は、例えば、紫外線(UV)、電子線(EB)などの電離放射線で重合(硬化)する官能基を有するモノマー・オリゴマーなどを含有させた樹脂である。好ましくは、薄い層でも剥離性のよいメラミン系樹脂である。剥離層13の形成は、該樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコートなどの印刷又はコーティング方法で塗布し乾燥して塗膜を形成したりすれば良い。また、要すれば、温度30℃〜120℃で加熱乾燥、あるいはエージング、または電離放射線を照射して架橋させてもよい。剥離層13の厚さとしては、通常は0.01μm〜5.0μm程度、好ましくは0.5μm〜3.0μm程度である。該厚さは薄ければ薄い程良いが、0.1μm以上であればより良い成膜が得られて剥離力が安定する。
(保護層)必要に応じて、転写表面の耐久性を向上させるために、保護層を設けてもよく、該保護層としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが例示できる。熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、例えば、熱又は硬化剤(架橋剤)で硬化させるポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂などが例示できる。また、各種の機能を持った化合物が添加剤として、分散剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防黴剤、着色剤、溶剤等を適宜添加してもよい。
(レリーフホログラム層)レリーフホログラム層15としては、無色または着色された透明または半透明なもので、単層であっても多層状であってもよく、凹凸を注型や型押しで再現できる熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、あるいは、光回折パターン情報に応じて硬化部と未硬化部とを成形することができる感光性樹脂組成物が利用できる。具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル、アクリル(ポリメチルメタクリレート)、ポリスチレン、またはポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、またはトリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂であり、それぞれの単独、熱可塑性樹脂どうし、または熱硬化性樹脂同志の混合、もしくは熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合等であってもよい。ラジカル重合性不飽和基を有し、熱成形性を有するものや、ラジカル重合性不飽和モノマーを添加した電離放射線硬化性樹脂組成物も利用できる。レリーフホログラム層15としては、電離放射線硬化樹脂を主成分とし、必要に応じてシリコーンやフィラーなどの添加物を含ませてもよい。好ましくは、レリーフホログラム層15がウレタン変性アクリレート樹脂、(メタ)アクリレートオリゴマー、反応性シリコーン、ポリエチレンワックスを含む組成物の硬化層である。
該電離放射線硬化性樹脂としては、好ましくは、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂を用い、好ましくはポリエチレンワックスを含ませて、塗布し乾燥して電離放射線で硬化させて、電離放射線硬化樹脂とすればよい。
(電離放射線硬化性樹脂)電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が適用でき、好ましくはウレタン変性アクリレート樹脂である。好ましいウレタン変性アクリレート樹脂としては、「電離放射線硬化性樹脂組成物M」である。該「電離放射線硬化性樹脂組成物M」としては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂(本明細書では電離放射線硬化性樹脂組成物Mと呼称する)は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物、具体的には、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂などが例示できる。具体的には、MHX405ニス(ザ・インクテック(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)、ユピマーUV・V3031(三菱化学(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)が例示できる。即ち、「電離放射線硬化性樹脂組成物M」(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂と(メタ)アクリレートオリゴマーの硬化物、及び滑剤を含み、かつ、ホログラム層は(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂(本明細書では「電離放射線硬化性樹脂組成物M」と呼称する)である。また、必要に応じて、(メタ)アクリレートオリゴマーなどを含ませてもよい。
((メタ)アクリレートオリゴマー)(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、耐熱性のあるオリゴマーであればよく、例えば、日本合成化学社の商品名;紫光6630B、7510B、7630Bなどが例示できる。含有させる質量基準での割合としては、「電離放射線硬化性樹脂組成物M」100部に対して10〜30部程度、好ましくは15〜25部である。この範囲未満では耐熱性が不足し、この範囲を超えては耐熱性はよいが、ヒビ割れしやすい。
(シリコーン)シリコーンとしてはシリコーンオイルや反応性シリコーンなどが例示できる。好ましくは反応性シリコーンで、電離放射線で硬化時に樹脂と反応し結合して一体化したり、1部は残留するものもある。該反応性シリコーンとしてはアクリル変性、メタクリル変性、又はエポキシ変性などで変性した反応性シリコーンで、該反応性シリコーンを含有させる質量基準での割合としては「電離放射線硬化性樹脂組成物M」100に対して、0.1〜10部程度、好ましくは0.3〜5部である。この範囲未満ではレリーフの賦型時にプレススタンパとの剥離が不十分であり、プレススタンパの汚染を防止することが困難で賦型性が悪い。また、この範囲を超えてはホログラム層面への反射層の密着性が低く、ホログラム層と反射層との間で剥離し商品価値を失ってしまう。従来のシリコーンオイルの添加では、反射層との密着性が悪い。
(フィラー)フィラーとしてはマイクロシリカやポリエチレンワックスが例示できる。ポリエチレンワックスとしては、ポリエチレン系樹脂の粒子やビーズが挙げられるが、好ましくは球状ビーズである。但し、ポリエチレンワックスを添加すると、箔切れ性は低下するので、その添加量は、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部程度、好ましくは0.1〜5質量部とする。
このように、レリーフホログラム層15へ電離放射線硬化樹脂、シリコーン及びフィラーを含ませることで、次の作用効果を兼ねさせることができる。(1)電離放射線硬化前の塗布状態のレリーフホログラム層15の塗膜は指乾状態でべとつかず、ブロッキングせずに巻き取ることができるので、ロールツーロール加工ができる。(2)レリーフホログラム層15へは反応性シリコーンを含ませることで、賦型性がよいので、レリーフ構造を容易に賦型でき、賦型後に電離放射線で硬化できる。
(ホログラム層の形成)レリーフホログラム層15の形成は、上記のウレタン変性アクリレート樹脂、(メタ)アクリレートオリゴマー、反応性シリコーン、ポリエチレンワックスを含ませ、さらに必要に応じて、光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥して、電離放射線で反応(硬化)させればよい。ホログラム層15の厚さとしては、通常は1μm〜30μm程度、好ましくは2μm〜20μm程度である。複数回の塗布でもよい。
(ホログラム)次に、レリーフホログラム層15の表面には、ホログラムなどの光回折効果の発現する所定のレリーフ構造を賦型し、硬化させる。レリーフホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。レリーフ形状は凹凸形状であり、特に限定されるものではなく、微細な凹凸形状を有する光拡散、光散乱、光反射、光回折などの機能を発現するものでもよく、例えば、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、が形成されたものである。また、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。特に、レリーフホログラムを回折格子又は複数の回折格子の組合せからなるようにすることで、光が回折して虹模様を呈する。
これらのレリーフ形状の作製方法としてはホログラム撮影記録手段を利用して作製されたホログラムや回折格子の他に、干渉や回折という光学計算に基づいて電子線描画装置等を用いて作製されたホログラムや回折格子をあげることもできる。また、ヘアライン柄や万線柄のような比較的大きなパターンなどは機械切削法でもよい。これらのホログラム及び/又は回折格子の単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。これらの原版は公知の材料、方法で作成することができ、通常、感光性材料を塗布したガラス板を用いたレーザ光干渉法、電子線レジスト材料を塗布したガラス板に電子線描画装置を用いてパターン作製する電子線描画法をなどが適用できる。
(レリーフの賦型)レリーフホログラム層15面へ、上記のレリーフ形状を賦形(複製ともいう)する。ホログラムの賦型は、公知の方法によって形成でき、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記樹脂層上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。
(レリーフの硬化)レリーフホログラム層15は、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、電離放射線を照射して硬化(反応)させると電離放射線硬化樹脂(レリーフホログラム層15)となる。電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものと定義する。従って、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、及び/又は光重合促進剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しないで良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。レリーフホログラム層15として、熱硬化性樹脂を用いた場合には、使用する熱硬化性樹脂の硬化条件に応じた温湿度環境下で、エージングを行い硬化させればよい。なお、保護層14に硬化性樹脂を用いた場合の硬化はレリーフホログラム層15と同時でもよく、予め硬化させておいてもよい。
(レリーフの絵柄)レリーフホログラム層15の絵柄を擬似連続絵柄とすることが好ましい。擬似連続絵柄はプレス型(スタンパという)を作成する際に、小さなレリーフ版の複数を、精度よく突合せてつなぎ目を目立たなくしたり、つなぎ目を樹脂で埋めたりすればよい。このように、擬似連続絵柄とすることで、できるだけ大きな面積、又は好ましくは全面とすることもできる。大面積又は全面のホログラム絵柄を背景とし他の任意な印刷絵柄と、同調させたり、合わせたりして、さらなる特異な意匠性を向上させることができる。
(反射層)レリーフホログラム層15のレリーフ面に反射層17を設けることにより、その光学的な屈折率がホログラム形成層のそれとは異なることにより、レリーフホログラムの再生像および/または回折格子が明瞭に視認できるようになる。反射層17としては、金属、またはレリーフホログラム層15と屈折率に差のある透明金属化合物が適用できる。金属を用いると金属光沢ホログラムとなり、透明金属化合物を用いると透明ホログラムとなる。
金属としては、金属光沢を有し光を反射する金属元素の薄膜で、蒸着、スパッタリングにより得られるが、その他、メッキなどによっても形成できる。反射層17の金属の薄膜としては、アルミニウム、クロム、ニッケル、金、銀などが例示できるが、蒸着のし易さ、コスト面からアルミニウムが好ましい。
レリーフホログラム層15のレリーフ面に200オングストローム、あるいはそれ以上の厚みになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどで設ける。
反射層17として、レリーフホログラム層15とは異なる屈折率を有するものを用いると、ほぼ無色透明な色相で、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムが視認できるから、透明なホログラムを作製することができる。例えば、レリーフホログラム層15よりも光の屈折率の高い薄膜、および光の屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al2O3、Sb2S3、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。アルミニウム等の一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが200Å以下になると、透明性が出てくるため、上記のようなレリーフホログラム層15とは光の屈折率が異なる物質の透明な薄膜と同じ効果を発揮するので、使用できる。透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、レリーフ形状が賦形されて光回折構造(レリーフホログラム層15)となった面へ、200オングストローム、あるいはそれ以上の厚みになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの真空薄膜法などにより設ける。好ましくは、既存の設備及び技術で形成できる点で、硫化亜鉛又は酸化チタンである。
(接着層)接着層19としては、公知の加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニール酢酸ビニール共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられるが、本発明の接着層19としては、接着層19が基材31の非印刷部には非接着で、ベタトナー部33やトナー印刷部35には接着する点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、特に好ましくは変性ポリオレフィン系樹脂で、例えば和信化学工業(株)製のプラスコートOP−2クリヤー、プラスコートOP−16クリヤーなどが例示できる。これらの樹脂を溶剤に溶解または分散させて、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のロールコーティング、グラビアコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ0.1μmから30μmの層を得る。
(第三工程)(3)トナー印刷物30のトナー印刷部35へ、レリーフホログラム転写箔10の接着層19とを重ねて加熱加圧した後に、転写基材11を剥離し除去して、トナー印刷部35より大きいレリーフホログラムを転写する転写工程である。
(転写)基材31の表面のトナー印刷部35と、レリーフホログラム転写箔10の接着層19とを重ねて、全面又はトナー印刷部35より大きい面積を加熱加圧する。その後に、転写基材11を剥離し除去すると、トナー印刷部35及びベタトナー部33へ、接着層19、反射層17、レリーフホログラム層15及び剥離層13が転写される。
該加熱加圧は短時間で行えるように、転写時に上昇する接着層の実温度としては100℃以下程度、好ましくは85℃以下が好ましく、時間としては加熱加圧されている実際の転写時間としては0.5〜3.0秒程度、好ましくは1.0〜2.0秒にて行なえることが好ましい。しかしながら、実際の転写はラミネーターを用い連続走行によって基材31へ温度が奪われたり、昇温のタイムラグがあるので、転写ロール温度140〜180℃、転写速度1.0〜2.0m/min程度で行われる。
図2は、レリーフホログラム転写箔10の接着層19とトナー印刷物30のトナー印刷部35とが相対した状態で、全面又はトナー印刷部35より大きい面積を加熱加圧すればよい。その後に、転写基材11を剥離し除去すると、トナー印刷部35及びベタトナー部33へ、接着層19、反射層17、レリーフホログラム層15及び剥離層13が転写されて、図3の状態となる。
図4は、トナー印刷物30の少なくともトナー印刷部35へ、レリーフホログラム層15、反射層17及び接着層19からなる転写層20が転写された状態である。トナー印刷部35はベタトナー部33の上面へ印画されているので、ベタトナー部33を一階部分とすると、トナー印刷部35は二階部分となって、どうしても段差が生じてしまう。この段差は僅かな段差ではあるが、図4のように、転写された転写層20も僅かな段差ができて、該転写層20に含まれる反射層17にも僅かな段差が生ずる。この反射層17の僅かな段差でも光の反射方向が変わり、トナー印刷部35の絵柄が顕像化して、目視で観察できるようになるのである。反射層17としては、接する層の屈折率と差があればよく、金属反射層でも透明反射層でもよい。
このようにトナー印刷物30はトナー状態では目視では観察できないトナー潜像画像であるが、レリーフホログラムが転写されることにより、顕像化して目視でも観察できるようになる。即ち、隠し文字や番号を潜像化しておき、後にレリーフホログラムを転写してトナー印刷部35の隠し絵柄を目視することで真贋判定をすることができる。また、レリーフホログラムが転写されたトナー印刷部35の絵柄は、ホログラムによるコピー牽制効果も得られる。