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JP6179461B2 - 高強度鋼板の製造方法 - Google Patents

高強度鋼板の製造方法 Download PDF

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JP6179461B2 JP2014108994A JP2014108994A JP6179461B2 JP 6179461 B2 JP6179461 B2 JP 6179461B2 JP 2014108994 A JP2014108994 A JP 2014108994A JP 2014108994 A JP2014108994 A JP 2014108994A JP 6179461 B2 JP6179461 B2 JP 6179461B2
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Description

本発明は、高強度鋼板の製造方法に関し、特に自動車用鋼板としての用途に好適な高強度鋼板の製造方法に関する。
地球環境保全の観点から、CO排出量を削減すべく、自動車車体の強度を維持しつつ、その軽量化を図り、自動車の燃費を改善することが重要な課題となっている。自動車車体の強度を維持しつつ、その軽量化を図る上では、自動車部品用素材となる鋼板を高強度化して、鋼板を薄肉化することが有効である。一方、鋼板を素材とする自動車部品の多くはプレス加工やバーリング加工等によって成形される。このため、自動車部品用素材として用いられる高強度鋼板には、所望の強度を有することに加えて、優れた成形性が要求される。
近年、自動車車体の骨格用素材として980MPa超級の高強度鋼板の適用が拡大しつつあり、様々な高加工性高強度鋼板が開発されている。例えば、特許文献1および2では焼戻しマルテンサイトを活用した、延性と伸びフランジ性に優れた鋼板が提案されている。
特許文献1には、オーステナイト単相域で焼鈍した鋼板を急冷してマルテンサイトを生成した後、350℃以上490℃以下の温度域に昇温し、該温度域に5秒以上1000秒以下保持して、焼戻しマルテンサイトを得ることが記載されている。また、特許文献2には、マルテンサイト組織が導入された鋼板を、30℃/sec以上の加熱速度で、フェライト−オーステナイト2相域温度であるA点以上A点以下の温度に加熱し、この温度で10〜600秒加熱保持することにより、焼戻しマルテンサイトを得ることが記載されている。
特開2010−90475号公報 特開2005−336526号公報
しかしながら、上記した従来の製造方法では、焼戻しマルテンサイトを得るための焼戻し処理において、5秒以上、あるいは、10秒以上といった焼戻し時間が必要とされる問題があった。このため、焼入れ焼戻し処理を伴う高強度鋼板の製造方法において、焼戻し時間の短時間化による連続焼鈍ラインのコンパクト化や、エネルギーコスト最適化による生産性の向上が望まれていた。また、材質ばらつき、特に伸びフランジ性のばらつきを改善することも望まれていた。
本発明は、上記した課題を有利に解決して、引張強さ(TS)が980MPa以上の加工性に優れる高強度鋼板の材質、特に伸びフランジ性の安定性を確保して、生産性に優れた高強度鋼板の製造方法を提供することを目的とする。なお、本発明において、高強度鋼板には、高強度冷延鋼板や、鋼板の表面にめっき処理を施した鋼板、あるいはめっき処理後にめっき合金化処理を施した鋼板を含むものとする。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]質量%で、C:0.10〜0.35%、Si:0.50〜3.00%、Mn:1.5〜4.0%、P:0.100%以下、S:0.020%以下、Al:0.010〜1.500%を含み、Si+Al:0.51〜3.01%であり、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブに、熱間圧延を施し、巻取り温度:300〜650℃で巻き取った後、冷間圧延を施し、次いで、連続焼鈍を施して、鋼組織が、面積率で2〜30%の残留オーステナイトを有し、かつ、ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトの少なくとも1種を有するとともに、ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトの面積率の合計が65〜95%であり、フェライトの面積率が0〜5%、マルテンサイトの面積率が0〜10%である鋼板とする高強度鋼板の製造方法であって、
前記連続焼鈍を、
500℃からAc1温度までの平均加熱速度を5℃/s以上として、(Ac3−20)℃〜1000℃の温度に加熱し、10秒以上保持した後、750℃から400℃までの平均冷却速度を5℃/s以上として冷却し、その後さらに冷却して150〜350℃の温度で冷却を停止し、該温度で2〜10秒保持した後、下記条件1〜条件3のいずれかの条件で350℃超え600℃以下の再加熱温度に加熱して保持し、次いで室温まで冷却する連続焼鈍とすることを特徴とする高強度鋼板の製造方法;
条件1:350℃<再加熱温度≦400℃、保持時間<5秒
条件2:400℃<再加熱温度≦500℃、保持時間<2秒
条件3:500℃<再加熱温度≦600℃、保持時間<1秒。
[2]前記鋼スラブが、さらに、質量%で、Cr:0.005〜2.000%、Mo:0.005〜2.000%、V:0.005〜2.000%、Ni:0.005〜2.000%、Cu:0.005〜2.000%から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、前記[1]に記載の高強度鋼板の製造方法。
[3]前記鋼スラブが、さらに、質量%で、Ti:0.005〜0.500%、Nb:0.005〜0.500%から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、前記[1]または[2]に記載の高強度鋼板の製造方法。
[4]前記鋼スラブが、さらに、質量%で、B:0.0002〜0.0050%を含有することを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の高強度鋼板の製造方法。
[5]前記鋼スラブが、さらに、質量%で、Ca:0.001〜0.005%、REM:0.001〜0.005%から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の高強度鋼板の製造方法。
[6]前記連続焼鈍において、750℃から400℃に冷却する間にめっき処理を施すことを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の高強度鋼板の製造方法。
[7]前記めっき処理の後、400℃に冷却する間において、めっきの合金化処理を施すことを特徴とする前記[6]に記載の高強度鋼板の製造方法。
本発明によれば、加工性に優れた引張強さ(TS)が980MPa以上の高強度鋼板を効率よく製造することができ、高強度鋼板の生産性向上に極めて有効である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明における鋼スラブの成分組成の限定理由について説明する。なお、以下、成分組成を表す「%」は、特に断らない限り、「質量%」を意味する。
C:0.10〜0.35%
Cは、マルテンサイトや焼戻しマルテンサイト、ベイナイト等の低温変態相の強度を増大させ、TSを上昇させるために必要な元素である。C量が0.10%未満では、マルテンサイトおよび焼戻しマルテンサイトの強度が低く、TS980MPa以上を確保することができない。よって、C量は0.10%以上とする。好ましくは、0.15%以上である。一方、C量が0.35%を超えると、スポット溶接性が劣化する。よって、C量は0.35%以下とする。好ましくは、0.30%以下である。したがって、C量は0.10〜0.35%とし、好ましくは0.15〜0.30%とする。
Si:0.50〜3.00%
Siは、鋼を固溶強化してTSを上昇させるのに有効な元素である。また、炭化物の析出を抑制し、残留オーステナイトを得るのに有効な元素である。こうした効果を得るには、Si量を0.50%以上とする必要がある。好ましくは、Si量は0.80%以上である。一方、Si量が3.00%を超えると脆化や溶接性の劣化が著しくなる。よって、Si量は3.00%以下とする。好ましくは、Si量は2.50%以下であり、より好ましくは、2.00%以下である。したがって、Si量は0.50〜3.00%とし、好ましくは0.50〜2.50%、より好ましくは0.80〜2.00%とする。
Mn:1.5〜4.0%
Mnは、鋼を固溶強化してTSを上昇させたり、フェライト変態やベイナイト変態を抑制してマルテンサイトを生成させ、TSを上昇させるのに有効な元素である。こうした効果を得るには、Mn量を1.5%以上にする必要がある。一方、Mn量が4.0%を超えると、介在物の増加が顕著になり、鋼の清浄度や加工性低下の原因となる。よって、Mn量は4.0%以下とする。好ましくは、Mn量は3.5%以下であり、より好ましくは、3.0%以下である。したがって、Mn量は1.5〜4.0%とし、好ましくは1.5〜3.5%、より好ましくは1.5〜3.0%とする。
P:0.100%以下
Pは、粒界偏析により加工性や溶接性を劣化させるため、その量は極力低減することが望ましい。しかし、本発明において、P量は0.100%以下であれば、その含有を許容できるため、P量は0.100%以下とする。下限は特に規定しないが、0.001%未満では生産能率の低下を招くため、0.001%以上が好ましい。
S:0.020%以下
Sは、MnSなどの介在物として存在して、加工性や溶接性を劣化させるため、その量は極力低減することが好ましい。しかし、本発明において、S量は0.020%以下であれば、その含有を許容できるため、S量は0.020%以下とする。下限は特に規定しないが、0.0005%未満では生産能率の低下を招くため、0.0005%以上が好ましい。
Al:0.010〜1.500%
Alは、炭化物の生成を抑制し、残留オーステナイトを得るのに有効な元素である。こうした効果を得るには、Al量を0.010%以上にする必要がある。一方、Al量が1.500%を超えると、バンド組織を形成しやすくなり加工性を劣化させる。よって、Al量は1.500%以下とする。好ましくは、Al量は1.000%以下である。したがって、Al量は0.010〜1.500%、好ましくは0.010〜1.000%とする。
Si+Al:0.51〜3.01%
SiおよびAlは残留オーステナイトを得るのに有効な元素であり、こうした効果を得るには、Si含有量とAl含有量の総計を0.51%以上とする必要がある。好ましくは、Si含有量とAl含有量の総計は0.80%以上である。一方、Si含有量とAl含有量の総計が3.01%を超えるとその効果は飽和し、コストアップを招く。よって、Si含有量とAl含有量の総計は、3.01%以下とする。好ましくは、Si含有量とAl含有量の総計は2.50%以下であり、より好ましくは2.00%以下である。したがって、Si+Al、すなわち、Si含有量とAl含有量の総計は0.51〜3.01%とする。好ましくは0.51〜2.50%であり、より好ましくは0.80〜2.00%である。
本発明の鋼スラブは、上記した基本的な成分組成以外の残部はFeおよび不可避的不純物であるが、以下の成分を適宜含有することができる。なお、不可避的不純物としては、N:0.008%以下などがある。
Cr:0.005〜2.000%、Mo:0.005〜2.000%、V:0.005〜2.000%、Ni:0.005〜2.000%、Cu:0.005〜2.000%から選ばれる少なくとも1種
Cr、Mo、V、Ni、Cuはマルテンサイトなどの低温変態相を生成させ鋼板の高強度化に有効な元素である。こうした効果を得るには、Cr量、Mo量、V量、Ni量、Cu量は、それぞれ0.005%以上とし、これらCr、Mo、V、Ni、Cuから選ばれる少なくとも1種を含有させる必要がある。一方、Cr量、Mo量、V量、Ni量、Cu量が、それぞれ2.000%を超えると、その効果が飽和し、コストアップを招く。よって、Cr量、Mo量、V量、Ni量、Cu量は、それぞれ2.000%以下とする。したがって、Cr量は0.005〜2.000%、Mo量は0.005〜2.000%、V量は0.005〜2.000%、Ni量は0.005〜2.000%、Cu量は0.005〜2.000%とする。
Ti:0.005〜0.500%、Nb:0.005〜0.500%から選ばれる少なくとも1種
NbおよびTiは、焼鈍時にフェライトの再結晶を抑制し、結晶粒を微細化するのに有効な元素である。こうした効果を得るには、Nb量およびTi量は、それぞれ0.005%以上とし、NbおよびTiから選ばれる少なくとも1種を含有させる必要がある。一方、Nb量およびTi量が、それぞれ0.500%を超えると、その効果は飽和し、コストアップをまねく。よって、これらの元素を含有させる場合は、Nb量およびTi量はそれぞれ0.500%以下とする。好ましくは、それぞれ0.100%以下であり、より好ましくは、それぞれ0.050%以下である。したがって、Ti量は0.005〜0.500%、Nb量は0.005〜0.500%とし、好ましくはそれぞれ0.005〜0.100%とし、より好ましくはそれぞれ0.005〜0.050%とする。
B:0.0002〜0.0050%
Bは、粒界からのフェライトの核生成を抑制し、低温変態相を得るのに有効な元素である。こうした効果を得るには、B量を0.0002%以上とする必要がある。一方、B量が0.0050%を超えると、その効果が飽和し、コストアップを招く。よって、B量は0.0050%以下とする。好ましくは、B量は0.0030%以下であり、より好ましくは0.0020%以下である。したがって、B量は0.0002〜0.0050%とし、好ましくは0.0002〜0.0030%、より好ましくは0.0002〜0.0020%とする。
Ca:0.001〜0.005%、REM:0.001〜0.005%から選ばれる少なくとも1種
Ca、REMは、いずれも硫化物の形態制御により加工性を改善させるのに有効な元素である。こうした効果を得るには、Ca量およびREM量は、それぞれ0.001%以上とし、Ca、REMから選ばれる少なくとも1種を含有させる必要がある。一方、Ca量およびREM量が、それぞれ0.005%を超えると、鋼の清浄度に悪影響を及ぼし特性が低下するおそれがある。よって、Ca量およびREM量は、それぞれ0.005%以下とする。したがって、Ca量は0.001〜0.005%、REM量は0.001〜0.005%とする。
次に、得られる高強度鋼板のミクロ組織の限定理由について説明する。
残留オーステナイトの面積率:2〜30%
残留オーステナイトは、加工性の向上に有効である。このような効果を得るには、残留オーステナイトの面積率を2%以上とする必要がある。好ましくは、残留オーステナイトの面積率は5%以上である。一方、残留オーステナイトの面積率が30%を超えると、部品に加工した後の鋼板中での残存量が多くなり、部品の経時劣化を招く場合がある。よって、残留オーステナイトの面積率は、30%以下とする必要がある。好ましくは、残留オーステナイトの面積率は20%以下である。したがって、残留オーステナイトの面積率は2〜30%とする。好ましくは、残留オーステナイトの面積率は5〜20%である。
ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトの少なくとも1種を有するとともに、ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトの面積率の合計が65〜95%
ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイト、およびマルテンサイトは、低温変態相であり、鋼板を高強度化する組織である。このような低温変態相のうち、マルテンサイトは、加工性を低下させるため、後述するように、本発明で製造する鋼板においては、その面積率を0〜10%とする必要がある。一方、マルテンサイトを除く低温変態相である、ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトは、マルテンサイトのような加工性を低下させるという弊害が少なく、鋼板の高強度化に寄与する。ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトの面積率の合計が65%未満では、TSが980MPa以上の鋼板を得ることが困難になる。よって、ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトの面積率の合計は65%以上とする。好ましくは、70%以上である。一方、ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトの面積率の合計が95%を超えると、鋼板の加工性が低下する。よって、ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトの面積率の合計は95%以下とする。好ましくは、93%以下である。したがって、ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトの面積率の合計は65〜95%とする。好ましくは70〜93%である。
フェライトの面積率:0〜5%
フェライトの面積率が5%を超えると、強度と加工性の両立が困難になる。したがって、フェライトの面積率は5%以下とする。また、フェライトの面積率は0%であってもよい。したがって、フェライトの面積率は0〜5%とする。
マルテンサイトの面積率:0〜10%
マルテンサイトは、伸びフランジ性や曲げ性等の加工性を低下させるため、少ない方が好ましく、マルテンサイトの面積率の上限を10%とする。マルテンサイトの面積率は、0%であってもよい。したがって、マルテンサイトの面積率は0〜10%とする。
なお、上記したフェライト、マルテンサイト、残留オーステナイト、ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイト以外の相としてパーライト等を含む場合もあるが、上記のミクロ組織の条件を満たしていれば、本発明の目的は達成される。
ここで、フェライト、マルテンサイト、ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトの面積率とは、観察面積に占めるこれら各相の面積の割合のことである。各相の面積率は、鋼板の板厚断面を研磨後、3%ナイタールで腐食し、板厚1/4位置をSEM(走査型電子顕微鏡)で1500倍の倍率で3視野撮影し、得られた画像データからMediaCybernetics社製のImage−Proを用いて各相の面積率を求め、観察した3視野で求めた平均の面積率を各相の面積率とする。前記画像データにおいて、フェライトは黒色として観察される。また、ベイナイトはベイニティックフェライトと島状のマルテンサイト、残留オーステナイトおよび炭化物等からなり、前記画像データにおいて、ベイニティックフェライトは上部ベイナイトでは黒色、下部ベイナイトでは灰色として区別され、焼戻しベイナイトのベイニティックフェライトは黒色、焼戻しマルテンサイトは微細な炭化物を含む明灰色、マルテンサイトおよび残留オーステナイトは白色として区別できる。下部ベイナイトと焼戻しマルテンサイトは炭化物の形態によって区別し、方位が一定に揃っているものを下部ベイナイトとした。また、本願発明では島状マルテンサイトおよび残留オーステナイトを含むベイナイトの場合はベイニティックフェライトの部分をベイナイトの面積とした。
残留オーステナイトの割合については、鋼板を板厚1/4位置まで研磨後、化学研磨によりさらに0.1mm研磨した面について、X線回折装置でMoのKα線を用いて、fcc鉄の(200)、(220)、(311)面とbcc鉄の(200)、(211)、(220)面の積分強度を測定し、これから残留オーステナイトの割合を求め、残留オーステナイトの面積率とした。
すなわち、本発明において、フェライトの面積率は、前記画像データにおいて黒色で観察される部分の面積率を、上記したようにして求めたものである。マルテンサイトは、上記したように、前記画像データにおいて、残留オーステナイトとともに、白色で観察される部分である。このため、該白色に観察される部分の面積率から、X線回折により求めた残留オーステナイトの面積率を差し引くことにより、マルテンサイトの面積率を求めた。また、ベイナイトは、前記画像データにおいて黒色または灰色のベイニティックフェライトと島状のマルテンサイト、残留オーステナイトおよび炭化物等からなるが、本発明においてベイナイトの面積率は、該ベイニティックフェライトの面積率として求めた。また、焼戻しベイナイトは、前記画像データにおいて焼戻された黒色のベイニティックフェライトと島状のマルテンサイト、残留オーステナイトおよび炭化物等からなるが、本発明において焼戻しベイナイトの面積率は、該ベイニティックフェライトの面積率として求めた。また、焼戻しマルテンサイトの面積率は、前記画像データにおいて微細な炭化物を含む明灰色で観察される部分の面積率を、上記したようにして求めたものである。
次に、本発明の高強度鋼板の製造条件について説明する。
本発明である高強度鋼板の製造方法は、上記の成分組成を有する鋼スラブに、熱間圧延を施し、巻取り温度:300〜650℃で巻き取った後、冷間圧延を施し、次いで、500℃からAc1温度までの平均加熱速度を5℃/s以上として、(Ac3−20)℃〜1000℃の温度に加熱し、10秒以上保持した後、750℃から400℃までの平均冷却速度を5℃/s以上として冷却し、その後さらに冷却して150〜350℃の温度で冷却を停止し、該温度で2〜10秒保持した後、前記した条件1〜3のいずれかの条件で350℃超え600℃以下の再加熱温度に加熱して保持し、次いで室温まで冷却する連続焼鈍を施す製造方法である。
本発明において、鋼スラブの製造方法は特に限定しない。鋼スラブは、マクロ偏析を防止するため、連続鋳造法で製造するのが好ましいが、造塊法、薄スラブ鋳造法により製造することもできる。
次いで、鋼スラブに熱間圧延を施し、巻取り温度:300〜650℃で巻き取る。本発明において、熱間圧延の条件は、特に限定する必要はない。熱間圧延では、鋼スラブに粗圧延を施し、次いで仕上げ圧延を施す。鋼スラブを熱間圧延するに際しては、鋼スラブをいったん室温まで冷却し、その後再加熱して熱間圧延を施してもよいし、鋼スラブを室温まで冷却せずに加熱炉に装入して熱間圧延を施すこともできる。あるいはわずかの保熱を行った後に直ちに熱間圧延する省エネルギープロセスも適用できる。なお、鋼スラブを加熱する場合は、炭化物を溶解させたり、圧延荷重の増大を防止したりするため、1100℃以上に加熱することが好ましい。また、スケールロスの増大を防止するため、鋼スラブの加熱温度は1300℃以下とすることが好ましい。また、鋼スラブの加熱温度を低くした場合であっても、仕上げ圧延時のトラブルを防止する観点から、粗圧延を施された被圧延材であるシートバー(粗バーともいう)を加熱することもできる。また、粗バー同士を接合し、仕上げ圧延を連続的に行う、いわゆる連続圧延プロセスを適用できる。仕上げ圧延は、鋼板の機械的特性の異方性を増大させ、冷間圧延・焼鈍後の加工性を低下させる場合があるので、Ar3変態点以上の仕上げ温度で行うことが好ましい。また、圧延荷重の低減や形状・材質の均一化のために、仕上げ圧延の全パスあるいは一部のパスで摩擦係数が0.10〜0.25となる潤滑圧延を行うことが好ましい。
上記のように、鋼スラブに熱間圧延を施して鋼板の形状とした後、巻取り温度:300〜650℃で巻き取る。
巻取り温度は鋼板形状の安定化のため、300℃以上とする。また、巻取り温度は粒界酸化による表面欠陥抑制のため、650℃以下とする。
上記のようにして得た鋼板(熱延板)は、特に限定するものではないが、表面に生成したスケールを除去するため、酸洗を施すことが好ましい。酸洗の条件は、特に限定する必要は無く、常法に従って行うことができる。
上記のように、熱間圧延後巻取り、さらに好ましくは、酸洗を施された鋼板に冷間圧延を施す。冷間圧延の条件は特に限定する必要は無く、常法に従って行うことができる。なお、連続焼鈍における未再結晶抑制のため、冷間圧下率は、20%以上とすることが好ましい。
冷間圧延を施された鋼板(冷延板)に、連続焼鈍を施す。本発明の高強度鋼板の製造方法は、特に連続焼鈍の条件に大きな特徴がある。以下に、本発明の高強度鋼板の製造方法における、連続焼鈍条件の限定理由について説明する。
500℃からAc1温度までの平均加熱速度:5℃/s以上
500℃からAc1温度までの平均加熱速度が5℃/s未満では、焼鈍中のオーステナイトが粗大になり、得られる鋼板の加工性が低下する。したがって、500℃からAc1温度までの平均加熱速度は5℃/s以上とする。なお、該平均加熱速度の上限は、特に定める必要は無いが、鋼板温度の均一化のため、50℃/s以下とすることが好ましい。
焼鈍温度:(Ac3−20)℃〜1000℃
前記加熱速度での加熱に引き続き、(Ac3−20)℃〜1000℃の温度(焼鈍温度)に加熱する。なお、Ac1温度から焼鈍温度までの加熱速度は、特に限定する必要はない。好ましくは、Ac1温度から焼鈍温度までの加熱速度は20℃/s以下とする。
焼鈍温度が(Ac3−20)℃未満では、オーステナイトの生成が不十分となり、過剰なフェライトが生成して、製造後の鋼板において、上記したミクロ組織が得られない。よって、焼鈍温度は(Ac3−20)℃以上とする。好ましくは、焼鈍温度は(Ac3−10)℃以上であり、より好ましくは、Ac3温度以上である。一方、焼鈍温度が1000℃を超えると、設備の劣化を招いたり、製造チャンスに制約を受けたりする等、生産性を阻害する場合がある。また、オーステナイトの粗大化が顕著になり、加工性の低下を招く場合もある。よって、焼鈍温度は1000℃以下とする。好ましくは、焼鈍温度は950℃以下であり、より好ましくは900℃以下である。したがって、焼鈍温度は(Ac3−20)℃〜1000℃とし、好ましくは(Ac3−10)℃〜950℃、より好ましくはAc3〜900℃とする。なお、Ac3温度は以下の式から求めることができる。
Ac3(℃)=910−203×[C]1/2+44.7×[Si]−30×[Mn]−11×[Cr]+198×[Al]+32×[Mo]−20×[Cu]−15×[Ni]+104×[V]
ここで、[C]、[Si]、[Mn]、[Cr]、[Al]、[Mo]、[Cu]、[Ni]および[V]は、鋼中の各元素の含有量(質量%)である。
焼鈍温度での保持時間:10秒以上
上記した(Ac3−20)℃〜1000℃の温度である焼鈍温度での保持時間が10秒未満では、オーステナイトの生成が不十分なり、過剰なフェライトが生成して、製造後の鋼板において、上記したミクロ組織が得られない。このため、焼鈍温度での保持時間は10秒以上とする。好ましくは、該保持時間は30秒以上である。一方、該保持時間が1000秒を超えると設備の劣化を招く等の問題となる場合がある。よって、該保持時間は1000秒以下とすることが好ましく、より好ましくは600秒以下である。
750℃から400℃までの平均冷却速度:5℃/s以上
750℃から400℃までの平均冷却速度が5℃/s未満では、冷却中にフェライトが過度に生成して、製造後の鋼板において、上記したミクロ組織が得られない。したがって、該平均冷却速度は5℃/s以上とする。なお、該平均冷却速度の上限は、特に定める必要は無いが、鋼板温度の均一化のため、100℃/s以下とすることが好ましい。
冷却停止温度:150〜350℃
前記冷却速度での冷却の後、さらに150〜350℃の温度(冷却停止温度)に冷却して冷却を停止する。なお、400℃から冷却停止温度までの冷却速度は、特に限定する必要はない。好ましくは、400℃から冷却停止温度までの冷却速度は、1℃/s以上とする。冷却停止温度は、150℃未満では低温変態相が過剰に生成して、製造後の鋼板において、上記したミクロ組織が得られない。よって、冷却停止温度は150℃以上とする。好ましくは、180℃以上である。一方、冷却停止温度が350℃超では、マルテンサイトが過剰に生成して、製造後の鋼板において、上記したミクロ組織が得られない。よって、冷却停止温度は350℃以下とする。好ましくは、330℃以下である。したがって、冷却停止温度は、150〜350℃とし、好ましくは180〜330℃とする。
冷却停止温度での保持時間:2〜10秒
上記した冷却停止温度での保持時間が2秒未満では、低温変態相の生成が不十分となり、鋼板組織の分布状態が面内で不均一となり、加工性、特に伸びフランジ性にばらつきを生じる。よって、冷却停止温度での保持時間は2秒以上とする。一方、該保持時間が10秒を超えても効果は飽和する。よって、冷却停止温度での保持時間は10秒以下とする。したがって、冷却停止温度での保持時間は2〜10秒とする。
下記条件1〜条件3のいずれかの条件で350℃超え600℃以下の再加熱温度に加熱して保持後、室温まで冷却
条件1:350℃<再加熱温度≦400℃、保持時間<5秒
条件2:400℃<再加熱温度≦500℃、保持時間<2秒
条件3:500℃<再加熱温度≦600℃、保持時間<1秒
再加熱温度の温度範囲は、350℃超600℃以下とする。本発明では、加工性確保に必要な鋼板組織を得るため、再加熱温度は350℃超とする必要がある。一方、鋼板の過度な軟化および加工性低下を抑制するため、再加熱温度は600℃以下とする。本発明では、このような再加熱温度の条件を、条件1:350℃<再加熱温度≦400℃、条件2:400℃<再加熱温度≦500℃、条件3:500℃<再加熱温度≦600℃と3つの条件に分けて、各々の条件において保持時間の上限を定める。本発明では、このように、再加熱温度に加熱後の保持時間を極力短くすることで製造ラインのコンパクト化やエネルギー省力化を達成する。なお、加熱方法は特に指定しないが、インダクションヒーター等加熱速度が50℃/s以上となる加熱方式が好ましい。
以下、各条件別に保持時間の限定理由を説明する。
条件1:350℃<再加熱温度≦400℃、保持時間<5秒
再加熱温度が350℃超、400℃以下の場合、保持時間が5秒以上では、炭化物の粗大化等によって曲げ性等の鋼板の加工性が劣化する場合があるとともに、製造ラインのコンパクト化やエネルギー省力化を達成することが困難となる。よって、再加熱温度が350℃超、400℃以下の場合、再加熱温度での保持時間は5秒未満とする。該保持時間は、温度の安定制御のため、好ましくは、0.1秒以上である。
条件2:400℃<再加熱温度≦500℃、保持時間<2秒
再加熱温度が400℃超、500℃以下の場合、保持時間が2秒以上では、炭化物の粗大化等によって曲げ性等の鋼板の加工性が劣化する場合があるとともに、製造ラインのコンパクト化やエネルギー省力化を達成することが困難となる。よって、再加熱温度が400℃超、500℃以下の場合、再加熱温度での保持時間は2秒未満とする。該保持時間は、温度の安定制御のため、好ましくは、0.1秒以上である。
条件3:500℃<再加熱温度≦600℃、保持時間<1秒
再加熱温度が500℃超、600℃以下の場合、保持時間が1秒以上では、炭化物の粗大化等によって曲げ性等の鋼板の加工性が劣化する場合があるとともに、製造ラインのコンパクト化やエネルギー省力化を達成することが困難となる。よって、再加熱温度が500℃超、600℃以下の場合、再加熱温度での保持時間は1秒未満とする。該保持時間は、温度の安定制御のため、好ましくは、0.1秒以上である。
上記の条件で再加熱温度に加熱して保持後は、室温まで冷却する。冷却の条件は、特に限定する必要はないが、室温までの冷却は50℃/s以上が好ましい。
めっき処理を施す場合、再加熱後では条件1〜3を満たすことが困難になるため、750℃から400℃へ冷却する間にめっき処理を施すことが好ましい。また、めっきの合金化処理を施す場合、前記めっき処理の後、400℃に冷却する間においてめっきの合金化処理を施すことが好ましい。めっき処理は、めっき種により適正に行えばよいが、例えば、上記により得られた鋼板を440℃以上500℃以下の亜鉛めっき浴中に浸漬し、その後、ガスワイピングなどによってめっき付着量を調整して行うことが好ましい。さらに亜鉛めっきを合金化する際は460℃以上580℃以下の温度域に1秒以上40秒以下保持して合金化することが好ましい。めっき種が亜鉛めっきの場合はAl量が0.08〜0.25%である亜鉛めっき浴を用いることが好ましい。
上記のようにして得た連続焼鈍後あるいはめっき後の高強度鋼板には、形状矯正や表面粗度の調整などを目的に調質圧延を行うことができる。ただし、調質圧延の圧下率(調圧率)が0.5%を超えると表層硬化により曲げ性が劣化等の加工性の低下を招く場合があるため、調質圧延を施す場合は、調圧率は0.5%以下にすることが好ましい。より好ましくは0.3%以下である。また、本発明の製造方法により得た鋼板には、樹脂や油脂コーティングなどの各種塗装処理を施すこともできる。
表1に示す成分組成の鋼を真空溶解炉により溶製し、圧延して鋼スラブとした。なお、表1中、Nは不可避的不純物である。これらの鋼スラブを1200℃に加熱後、粗圧延および仕上げ圧延からなる熱間圧延を施した後、表2に示す巻取り温度で巻き取り、熱延板を得た。次いで、得られた熱延板を1.4mmまで冷間圧延して冷延板とし、連続焼鈍に供した。連続焼鈍は連続焼鈍ライン、連続溶融亜鉛めっきライン相当を模擬して、実験室にて、表2に示す条件で行い、冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板あるいは合金化溶融亜鉛めっき鋼板である高強度鋼板No.1〜31を作製した。溶融亜鉛めっき鋼板は焼鈍後400℃に冷却する間に、460℃のめっき浴中に浸漬し、付着量35〜45g/mの亜鉛めっきを鋼板表面に形成させることで作製した。また一部は、めっき形成後400℃に冷却する間において、550℃で20秒保持して合金化処理を行うことで、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を作製した。また、一部は、比較として、再加熱保持後に引き続き溶融亜鉛めっきを施し、めっき形成後合金化処理を行い、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を作製した。そして、得られた冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板に調圧率0.3%のスキンパス圧延(調質圧延)を施した後、以下のように、引張試験、穴広げ試験、曲げ試験を行った。また、前記の方法により、鋼板のミクロ組織を観察し、フェライトの面積率(V(F))、マルテンサイトの面積率(V(M))、残留オーステナイトの面積率(V(γ))を求め、ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトの面積率の合計であるマルテンサイトを除く低温変態相の面積率(V(L))を求めた。得られた結果を表3に示す。
引張試験
圧延方向に対して直角方向にJIS5号引張試験片(JIS Z2201)を採取し、歪速度を10−3/sとするJISZ 2241の規定に準拠した引張試験を行い、降伏強度(YS)、引張り強度(TS)および均一伸び(UEL)を求めた。なお、YSは0.2%耐力とした。
穴広げ試験
150mm×150mmの試験片を採取し、JFST1001(鉄連規格)に準拠して穴拡げ試験を3回行って平均の穴拡げ率λ(%)を求め、伸びフランジ性を評価した。なお、ここで、穴広げ率のばらつきを求めて、伸びフランジ性の安定性を評価した。鋼板の材質の安定性については、3回の穴広げ試験で求めた穴広げ率の標準偏差σが5以下のものを、材質安定性に優れると評価できる。
曲げ試験
圧延方向に対して平行方向を曲げ試験軸方向とする、幅が35mm、長さが100mmの短冊形の試験片を採取し、曲げ試験を行った。ストローク速度が10mm/s、押込み荷重を10ton、押付け保持時間を5秒として、押し込みポンチ半径を変えて90゜V曲げ試験を行い、V曲げ後の頂点を目視観察して、亀裂が認められなくなる押込みポンチ半径を限界曲げ半径とした。なお、押し込みポンチ半径は、7.0mmから、0.5mmのピッチで小さくして、押し込みポンチ半径を変えた。
Figure 0006179461
Figure 0006179461
Figure 0006179461
表3より、本発明例では、限界曲げ半径が3.5mm以下、穴広げ率が30%以上、TS×均一伸び(UEL)が11000MPa・%以上と加工性に優れており、TSが980MPa以上であり、本発明の製造方法により、加工性に優れる高強度鋼板を得られることがわかる。また、本発明例では、穴広げ率の標準偏差が5以下であり、本発明の製造方法によれば、伸びフランジ性の安定性にも優れた高強度鋼板を得られることが判る。また、本発明例では、再加熱保持時間が5秒未満と短く、また、高温ほど短時間化するため、本発明の高強度鋼板の製造方法は、コンパクトラインに対応可能でエネルギーコストが小さい製造方法であることが確認できた。
本発明によれば、TSが980MPa以上の加工性に優れた高強度鋼板を高い生産性で得ることができる。本発明の高強度鋼板を自動車用部品用途に使用すると、自動車の軽量化およびコスト削減に寄与し、自動車車体の高性能化の加速に大きく寄与することができる。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.10〜0.35%、Si:0.50〜3.00%、Mn:1.5〜4.0%、P:0.100%以下、S:0.020%以下、Al:0.010〜1.500%を含み、Si+Al:0.51〜3.01%であり、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブに、熱間圧延を施し、巻取り温度:300〜650℃で巻き取った後、冷間圧延を施し、次いで、連続焼鈍を施して、
    鋼組織が、面積率で2〜30%の残留オーステナイト
    面積率の合計で65〜95%の、ベイナイト、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトから選ばれる少なくとも1種
    面積率で0〜5%のフェライト
    面積率で0〜10%のマルテンサイトからなる鋼板とする高強度鋼板の製造方法であって、
    前記連続焼鈍を、
    500℃からAc1温度までの平均加熱速度を5℃/s以上として、(Ac3−20)℃〜1000℃の温度に加熱し、10秒以上保持した後、750℃から400℃までの平均冷却速度を5℃/s以上として冷却し、その後さらに冷却して150〜350℃の温度で冷却を停止し、該温度で2〜10秒保持した後、下記条件1〜条件3のいずれかの条件で350℃超え600℃以下の再加熱温度に加熱して保持し、次いで室温まで冷却する連続焼鈍とすることを特徴とする、限界曲げ半径が3.5mm以下、穴広げ率が30%以上、TS×均一伸び(UEL)が11000MPa・%以上である高強度鋼板の製造方法;
    条件1:350℃<再加熱温度≦400℃、保持時間<5秒
    条件2:400℃<再加熱温度≦500℃、保持時間<2秒
    条件3:500℃<再加熱温度≦600℃、保持時間<1秒。
  2. 前記鋼スラブが、さらに、質量%で、Cr:0.005〜2.000%、Mo:0.005〜2.000%、V:0.005〜2.000%、Ni:0.005〜2.000%、Cu:0.005〜2.000%から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、限界曲げ半径が3.5mm以下、穴広げ率が30%以上、TS×均一伸び(UEL)が11000MPa・%以上である請求項1に記載の高強度鋼板の製造方法。
  3. 前記鋼スラブが、さらに、質量%で、Ti:0.005〜0.500%、Nb:0.005〜0.500%から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、限界曲げ半径が3.5mm以下、穴広げ率が30%以上、TS×均一伸び(UEL)が11000MPa・%以上である請求項1または2に記載の高強度鋼板の製造方法。
  4. 前記鋼スラブが、さらに、質量%で、B:0.0002〜0.0050%を含有することを特徴とする、限界曲げ半径が3.5mm以下、穴広げ率が30%以上、TS×均一伸び(UEL)が11000MPa・%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高強度鋼板の製造方法。
  5. 前記鋼スラブが、さらに、質量%で、Ca:0.001〜0.005%、REM:0.001〜0.005%から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、限界曲げ半径が3.5mm以下、穴広げ率が30%以上、TS×均一伸び(UEL)が11000MPa・%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の高強度鋼板の製造方法。
  6. 前記連続焼鈍において、750℃から400℃に冷却する間にめっき処理を施すことを特徴とする、限界曲げ半径が3.5mm以下、穴広げ率が30%以上、TS×均一伸び(UEL)が11000MPa・%以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の高強度鋼板の製造方法。
  7. 前記めっき処理の後、400℃に冷却する間において、めっきの合金化処理を施すことを特徴とする、限界曲げ半径が3.5mm以下、穴広げ率が30%以上、TS×均一伸び(UEL)が11000MPa・%以上である請求項6に記載の高強度鋼板の製造方法。
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