以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。以下の説明において参照される各図には、各部材の位置関係や動作方向を明確化するために、共通のXYZ直交座標系およびθ軸が適宜付されている。また、図面においては、理解容易のため、各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
<1.露光装置1の全体構成>
露光装置1の構成について、図1、図2を参照しながら説明する。図1は、露光装置1の構成を模式的に示す側面図である。図2は、露光装置1の構成を模式的に示す平面図である。
露光装置1は、レジスト等の感光材料の層が形成された基板Wの上面に、CADデータ等に応じて変調した光(描画光)を照射して、パターン(例えば、回路パターン)を露光(描画)する装置である(所謂、描画装置)。なお、基板Wは、例えば、半導体基板、プリント基板、液晶表示装置等に具備されるカラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置等に具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネル、等のいずれであってもよい。図示の例では、基板Wとして、円形の半導体基板が例示されている。
露光装置1は、本体フレーム101で構成される骨格の天井面および周囲面にカバーパネル(図示省略)が取り付けられることによって形成される本体内部と、本体フレーム101の外側である本体外部とに、各種の構成要素を配置した構成となっている。
露光装置1の本体内部は、処理領域102と受渡し領域103とに区分されている。処理領域102には、主として、基板Wを保持するステージ10、ステージ10を移動させるステージ駆動機構20、ステージ10の位置を計測するステージ位置計測部30、基板Wの上面に光を照射する2個の光学ユニット40,40、各光学ユニット40と対応付けて設けられたオートフォーカスユニット50、および、基板W上のアライメントマークを撮像するアライメントマーク撮像部60が配置される。一方、受渡し領域103には、処理領域102に対する基板Wの搬出入を行う搬送装置70とプリアライメント部80とが配置される。また、露光装置1は、露光装置1が備える各部と電気的に接続されて、これら各部の動作を制御する制御部90を備える。以下において、露光装置1が備える各部の構成について説明する。
<ステージ10>
ステージ10は、平板状の外形を有し、その上面に基板Wを水平姿勢に載置して保持する保持部である。ステージ10の上面には、複数の吸引孔(図示省略)が形成されており、この吸引孔に負圧(吸引圧)を形成することによって、ステージ10上に載置された基板Wをステージ10の上面に固定保持することができるようになっている。
<ステージ駆動機構20>
ステージ駆動機構20は、ステージ10を基台105に対して移動させる機構であり、ステージ10を主走査方向(Y軸方向)、副走査方向(X軸方向)、および回転方向(Z軸周りの回転方向(θ軸方向))に移動させる。ステージ駆動機構20は、具体的には、ステージ10を回転させる回転機構21と、回転機構21を介してステージ10を支持する支持プレート22と、支持プレート22を副走査方向に移動させる副走査機構23とを備える。ステージ駆動機構20は、さらに、副走査機構23を介して支持プレート22を支持するベースプレート24と、ベースプレート24を主走査方向に移動させる主走査機構25とを備える。
回転機構21は、ステージ10の上面(基板Wの載置面)の中心を通り、当該載置面に垂直な回転軸Aを中心としてステージ10を回転させる。回転機構21は、例えば、上端が載置面の裏面側に固着され、鉛直軸に沿って延在する回転軸部211と、回転軸部211の下端に設けられ、回転軸部211を回転させる回転駆動部(例えば、回転モータ)212とを含む構成とすることができる。この構成においては、回転駆動部212が回転軸部211を回転させることにより、ステージ10が水平面内で回転軸Aを中心として回転することになる。
副走査機構23は、支持プレート22の下面に取り付けられた移動子とベースプレート24の上面に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ231とを有している。また、ベースプレート24には、副走査方向に延びる一対のガイド部材232が敷設されており、各ガイド部材232と支持プレート22との間には、ガイド部材232に摺動しながら当該ガイド部材232に沿って移動可能なボールベアリングが設置されている。つまり、支持プレート22は、当該ボールベアリングを介して一対のガイド部材232上に支持される。この構成においてリニアモータ231を動作させると、支持プレート22はガイド部材232に案内された状態で副走査方向に沿って滑らかに移動する。
主走査機構25は、ベースプレート24の下面に取り付けられた移動子と露光装置1の基台105上に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ251を有している。また、基台105には、主走査方向に延びる一対のガイド部材252が敷設されており、各ガイド部材252とベースプレート24との間には例えばエアベアリングが設置されている。エアベアリングにはユーティリティ設備から常時エアが供給されており、ベースプレート24は、エアベアリングによってガイド部材252上に非接触で浮上支持される。この構成においてリニアモータ251を動作させると、ベースプレート24はガイド部材252に案内された状態で主走査方向に沿って摩擦なしで滑らかに移動する。
<ステージ位置計測部30>
ステージ位置計測部30は、ステージ10の位置を計測する機構である。ステージ位置計測部30は、具体的には、例えば、ステージ10外からステージ10に向けてレーザ光を出射するとともにその反射光を受光し、当該反射光と出射光との干渉からステージ10の位置(具体的には、主走査方向に沿うY位置、および、回転方向に沿うθ位置)を計測する、干渉式のレーザ測長器により構成される。
<光学ユニット40>
光学ユニット40は、ステージ10上に保持された基板Wの上面に描画光を照射して基板Wにパターンを描画するための機構である。上述したとおり、露光装置1は2個の光学ユニット40,40を備える。例えば、一方の光学ユニット40が基板Wの+X側半分の露光を担当し、他方の光学ユニット40が基板Wの−X側半分の露光を担当する。これら2個の光学ユニット40,40は、ステージ10およびステージ駆動機構20を跨ぐようにして基台105上に架設された支持フレーム107に、副走査方向(X軸方向)に沿って、間隔をあけて固設される。なお、2個の光学ユニット40,40の間隔は必ずしも一定に固定されている必要はなく、光学ユニット40,40の一方あるいは両方の位置を変更可能とする機構を設けて、両者の間隔を調整可能としてもよい。もっとも、光学ユニット40の搭載個数は、必ずしも2個である必要はなく、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。
2個の光学ユニット40,40はいずれも同じ構成を備える。すなわち、各光学ユニット40は、天板を形成するボックスの内部に配置された光源部401と、支持フレーム107の+Y側に取り付けられた付設ボックスの内部に収容されたヘッド部402とを備える。光源部401は、レーザ駆動部41と、レーザ発振器42と、照明光学系43とを主として備える。ヘッド部402は、空間光変調ユニット44と、投影光学系45とを主として備える。
レーザ発振器42は、レーザ駆動部41からの駆動を受けて、出力ミラー(図示省略)からレーザ光を出射する。照明光学系43は、レーザ発振器42から出射された光(スポットビーム)を、強度分布が均一な線状の光(すなわち、光束断面が帯状の光であるラインビーム)とする。レーザ発振器42から出射され、照明光学系43にてラインビームとされた光は、ヘッド部402に入射する。
ヘッド部402に入射した光は、ここで、パターンデータPDに応じた空間変調を施された上で、基板Wに照射される。ただし、光を空間変調させるとは、光の空間分布(振幅、位相、および偏光等)を変化させることを意味する。また、「パターンデータPD」とは、光を照射すべき基板W上の位置情報が画素単位で記録されたデータであり、例えば、CAD(Computer Aided Design)を用いて生成されたパターンの設計データをラスタライズすることにより生成される。パターンデータPDは、例えばネットワーク等を介して接続された外部端末装置から受信することによって、あるいは、記録媒体から読み取ることによって取得されて、制御部90の記憶装置94に格納される(図4参照)。
ヘッド部402に入射した光は、より具体的には、図3に示されるように、ミラー46を介して、定められた角度で空間光変調ユニット44に入射する。空間光変調ユニット44は空間光変調器441を備え、この空間光変調器441が、電気的な制御によって入射光を空間変調させて、パターンの描画に寄与させる必要光と、パターンの描画に寄与させない不要光とを、互いに異なる方向に反射させる。空間光変調器441は、例えば、変調素子である固定リボンと可動リボンとが一次元に配設された回折格子型の空間変調器(例えば、GLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(「GLV」は登録商標))などを利用して構成される。回折格子型の空間変調器は、格子の深さを変更することができる回折格子であり、例えば、半導体装置製造技術を用いて製造される。
空間光変調器441の構成例についてより具体的に説明する。空間光変調器441は、複数の変調単位を一次元に並べた構成となっている。各変調単位は、その動作が、例えば、電圧の印加の有無で制御されるものであり、空間光変調器441は、複数の変調単位のそれぞれに対して独立に電圧を印加可能なドライバ回路ユニットを備えている。これによって、各変調単位の電圧が、独立して切り換え可能となっている。
変調単位が第1の電圧状態(例えば、電圧が印加されていない状態)とされると、変調単位の表面は例えば平面となる。表面が平面となっている変調単位に光が入射すると、その入射光は回折せずに正反射する。これにより、正反射光(0次回折光)が発生する。この正反射光は、パターンの描画に寄与させるべき必要光として、後述する投影光学系45を介して、基板Wの表面に導かれる。一方、変調単位が第2の電圧状態(例えば、電圧が印加されている状態)とされると、変調単位の表面には定められた深さの平行な溝が周期的に並んで1本以上形成される。この状態で変調単位に光が入射すると、正反射光(0次回折光)は打ち消しあって消滅し、他の次数の回折光(±1次回折光、±2次回折光、および、さらに高次の回折光)が発生する。この0次以外の次数の回折光は、パターンの描画に寄与させるべきでない不要光として、後述する投影光学系45において遮断され、基板Wに到達しない。
投影光学系45は、空間光変調器441から入射する光のうち、不要光を遮断するとともに必要光を基板Wの表面に導いて、必要光を基板Wの表面に結像させる。すなわち、空間光変調器441から出射される必要光は、Z軸に沿って−Z方向に進行し、空間光変調器441から出射される不要光はZ軸から±X方向に僅かに傾斜した軸に沿って−Z方向に進行するところ、投影光学系45は、例えば、必要光のみを通過させるように真ん中に貫通孔が形成された遮断板451を備え、この遮断板451で不要光を遮断する。投影光学系45は、この遮断板451の他に、ゴースト光を遮断する遮断板452、必要光の幅を広げる(あるいは狭める)ズーム部を構成する複数のレンズ453,454、必要光を定められた倍率として基板W上に結像させるフォーカシングレンズ455、等をさらに含む構成とする。
光学ユニット40に描画動作を実行させる場合、制御部90は、レーザ駆動部41を駆動してレーザ発振器42から光を出射させる。出射された光は照明光学系43にてラインビームとされ、ミラー46を介して空間光変調ユニット44の空間光変調器441に入射する。ただし、空間光変調器441は複数の変調素要素の反射面の法線が、ミラー46を介して入射する入射光の光軸に対して傾斜するような姿勢で配置されている。
上述したとおり、空間光変調器441においては複数の変調単位が副走査方向(X軸方向)に沿って並んで配置されており、入射光はその線状の光束断面の長幅方向を変調単位の配列方向に沿わせるようにして、一列に配列された複数の変調単位に入射する。制御部90は、パターンデータPDに基づいてドライバ回路ユニットに指示を与え、ドライバ回路ユニットが指示された変調単位に対して電圧を印加する。これによって、各変調単位にて個々に空間変調された光を含む、断面が帯状の描画光が形成され、基板Wに向けて出射されることになる。1個の変調単位にて空間変調された光は、1画素分の描画光となり、空間光変調器441から出射される描画光は、副走査方向に沿う複数画素分の描画光となっている。
空間光変調器441から出射された描画光は、投影光学系45に入射する。そして、投影光学系45において、入射光のうちの不要光が遮断板451にて遮断され、必要光のみがフォーカシングレンズ455に入射する。フォーカシングレンズ455は、後述するオートフォーカスユニット50によって、適切な位置(すなわち、必要光を基板W上の描画予定位置に結像させる位置)に配置されており、フォーカシングレンズ455を通過して基板Wの表面に導かれた必要光は、定められた倍率とされて基板Wの表面に結像される。
後に明らかになるように、各光学ユニット40は、主走査方向(Y軸方向)に沿って基板Wに対して相対的に移動されながら、副走査方向に沿う複数画素分の描画光を断続的に照射し続ける(図18参照)。各光学ユニット40からの描画光の照射を伴う主走査が、副走査を挟みつつ、繰り返して行われることによって、基板Wの主面内における描画対象領域の全体に、パターン群が描画されることになる。
<オートフォーカスユニット50>
オートフォーカスユニット50は、各光学ユニット40と対応付けて設けられる。オートフォーカスユニット50は、対応する光学ユニット40の投影光学系45のフォーカシングレンズ455の高さ(すなわち、フォーカシングレンズ455の、基板Wの上面(具体的には、感光材料の塗布膜の上面)からの離間距離)を調整して、フォーカシングレンズ455を通過して基板Wの表面に導かれる光を、基板Wの表面に適切に結像させる。
オートフォーカスユニット50は、基板Wの主面内の各位置の高さ位置を検出する位置検出ユニット51を備える。位置検出ユニット51の構成については、後に詳述する。
オートフォーカスユニット50は、さらに、位置検出ユニット51が検出した基板Wの主面内の高さ位置(具体的には、基板Wの主面内における描画光の照射予定位置の高さ位置)に応じて、フォーカシングレンズ455の高さを調整する駆動部52を備える。駆動部52として、具体的には、例えば、回転モータと、Z軸方向に平行に配置されるボールネジと、フォーカシングレンズ455の支持台に固定されるナット部とを有する直動機構を採用することができる。この場合、駆動部52は、回転モータを駆動することによって、フォーカシングレンズ455をZ軸方向に沿って直線的に昇降移動させることができる。
<アライメントマーク撮像部60>
アライメントマーク撮像部60は、支持フレーム107に固設され、ステージ10に保持された基板Wの上面に形成されたアライメントマークを撮像する。アライメントマーク撮像部60が撮像した撮像データは、基板Wが適切な位置にくるように精密に位置合わせする処理(アライメント処理)に供される。
アライメントマーク撮像部60は、具体的には、例えば、鏡筒と、フォーカシングレンズと、エリアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)等により構成されるCCDイメージセンサとを備える。また、アライメントマーク撮像部60は、撮像に用いられる照明光を供給する照明ユニット601とファイバなどを介して接続される。ただし、この照明光としては、基板W上のレジストなどを感光させない波長の光源が採用される。照明ユニット601から出射される光はファイバを介して鏡筒に導かれ、フォーカシングレンズを介して基板Wの上面に導かれる。そして、その反射光が、CCDイメージセンサで受光される。これによって、基板Wの上面の撮像データが取得されることになる。
<搬送装置70>
搬送装置70は、基板Wを搬送する装置であり、具体的には、例えば、基板Wを支持するための2本のハンド71,71と、ハンド71,71を独立に移動(進退移動および昇降移動)させるハンド駆動機構72とを備える。露光装置1の本体外部であって、受渡し領域103に隣接する位置には、カセットCを載置するためのカセット載置部104が配置されており、搬送装置70は、カセット載置部104に載置されたカセットCに収容された未処理の基板Wを取り出して処理領域102に搬入するとともに、処理領域102から処理済みの基板Wを搬出してカセットCに収容する。なお、カセット載置部104に対するカセットCの受渡しは外部搬送装置(図示省略)によって行われる。
<プリアライメント部80>
プリアライメント部80は、基板Wの回転位置を粗く補正する処理(プリアライメント処理)を行う装置である。プリアライメント部80は、例えば、回転可能に構成された載置台と、載置台に載置された基板Wの外周縁の一部に形成された切り欠き部(例えば、ノッチ、オリエンテーションフラット等)の位置を検出するセンサと、載置台を回転させる回転機構とから構成することができる。この場合、プリアライメント部80におけるプリアライメント処理は、まず、載置台に載置された基板Wの切り欠き部の位置をセンサで検出し、続いて、回転機構が、当該切り欠き部の位置が定められた位置となるように載置台を回転させることによって行われる。
<制御部90>
制御部90は、露光装置1が備える各部と電気的に接続されており、各種の演算処理を実行しつつ露光装置1の各部の動作を制御する。
制御部90は、例えば、図4に示されるように、CPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94等がバスライン95を介して相互接続された一般的なコンピュータを含んで構成される。ROM92は基本プログラム等を格納しており、RAM93はCPU91が所定の処理を行う際の作業領域として供される。記憶装置94は、フラッシュメモリ、あるいは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。記憶装置94にはプログラムPが格納されており、このプログラムPに記述された手順に従って、主制御部としてのCPU91が演算処理を行うことにより、各種機能が実現されるように構成されている。プログラムPは、通常、予め記憶装置94等のメモリに格納されて使用されるものであるが、CD−ROMあるいはDVD−ROM、外部のフラッシュメモリ等の記録媒体に記録された形態(プログラムプロダクト)で提供され(あるいは、ネットワークを介した外部サーバからのダウンロードなどにより提供され)、追加的または交換的に記憶装置94等のメモリに格納されるものであってもよい。なお、制御部90において実現される一部あるいは全部の機能は、専用の論理回路等でハードウェア的に実現されてもよい。
また、制御部90では、入力部96、表示部97、通信部98もバスライン95に接続されている。入力部96は、例えば、キーボードおよびマウスによって構成される入力デバイスであり、オペレータからの各種の操作(コマンドや各種データの入力といった操作)を受け付ける。なお、入力部96は、各種スイッチ、タッチパネル等により構成されてもよい。表示部97は、液晶表示装置、ランプ等により構成される表示装置であり、CPU91による制御の下、各種の情報を表示する。通信部98は、ネットワークを介して外部装置との間でコマンドやデータなどの送受信を行うデータ通信機能を有する。
<2.位置検出ユニット51>
次に、オートフォーカスユニット50が備える位置検出ユニット51について、図5、図6を参照しながら説明する。図5は、光源510および受光部520の構成を模式的に示す図である。図6は、位置検出ユニット51の機能構成を示すブロック図である。
位置検出ユニット51は、光源510と受光部520とを備える。また、位置検出ユニット51は、受光部520からの検出情報に基づいて基板Wの上面の位置を検出する位置検出部530と、光源510の出射光量を調整する出射光量調整部540とを備える。位置検出部530および出射光量調整部540は、例えば、制御部90において、プログラムPに記述された手順に従ってCPU91が演算処理を行うことにより実現される。
<2−1.光源510および受光部520>
光源510は、例えばレーザ光を出射するレーザ光源により構成される。また、受光部520は、直線状に配列された複数の画素を備えるラインセンサ(例えば、CMOSラインセンサ、あるいは、CCDラインセンサ)521を含んで構成される。図示の例では、ラインセンサ521の複数の画素は、鉛直方向に沿って配列される。光源510および受光部520は、制御部90と接続されており、制御部90からの指示に応じて動作する。制御部90は、光源510からの光の出射タイミング、光の出射時間、および、出射光量を制御し、また、受光部520が取得した情報を受信する。
光源510は、高さ位置の検出対象となる対象面(ここでは、基板Wの上側の主面)に向けて光を出射する。光源510から出射された光は、具体的には、例えば、照明光学系5111、および、ミラー5112を介して、基板Wの上面まで導かれる。照明光学系5111、および、ミラー5112は、光源510から出射された光を基板Wの上面の法線方向に対して所定の角度だけ傾斜した軸に沿って基板Wの上面に入射させる。基板Wの上面に入射し、そこで反射された反射光は、ミラー5113、リレー光学系5114、および、ミラー5115を介して、受光部520まで導かれる。受光部520においては、ラインセンサ521の各画素が、基板Wの上面での反射光を受光し、ラインセンサ521の出力信号に基づいて、ラインセンサ521の複数の画素に対応する受光光量(具体的には、例えば画素の蓄積電荷量(電圧))の分布を表すデータ(以下「光量分布データ」ともいう)が取得される。
<2−2.位置検出部530>
位置検出部530は、受光部520にて取得された反射光の光量分布データに基づいて、当該反射光が反射された反射面の高さ位置を検出する。
ここで、光量分布データは、具体的には、図7に模式的に例示されるように、ラインセンサ521の各画素の位置情報(画素位置)と、各画素が受光した光の光量情報(具体的には、例えば蓄積電荷量)(受光光量)とを含むデータである。ただし、位置検出部530は、ある画素の受光光量が、定められたカットレベルL1より小さい場合、当該画素の光量情報は、信頼できる情報ではないとして無視する。カットレベルL1より小さい光量情報を無視することによって、ノイズの影響を排除して、高さ位置の検出精度を向上させることができる。受光光量がカットレベルL1以上の画素を、以下「有効画素E」ともいう。
光量分布データには、受光光量が急激に増加し減少するピークが存在する。このピークは、理想的には、ガウス曲線のような形状となる。位置検出部530は、受光部520から光量分布データを取得すると、光量分布データの重心位置を算出し、当該重心位置に対応する画素の位置Xを特定する。そして、この画素の位置Xを、反射光の受光位置とみなす。続いて、位置検出部530は、重心位置に対応する画素の位置Xが、予め定められた基準とされる画素の位置からどれだけずれているかを算出する。このずれ量は、反射面の高さ位置が、基準とされる高さ位置からどれだけずれているかを示す値となっており、位置検出部530は、当該ずれ量に基づいて反射面の高さ位置を特定する。
ただし、受光部520で受光される反射光が強すぎると、ラインセンサ521の少なくとも1個の画素において、その受光光量が感度限界L2以上となる(すなわち、画素の蓄積電荷量(電圧)が、飽和電荷量以上となる)場合がある(受光光量が感度限界L2以上の画素を、以下「光量過多画素G」ともいう)。この場合、図8に示されるような光量分布データが得られることになる。光量分布データに光量過多画素Gが含まれると、当該光量分布データに基づいて位置検出部530が特定した反射面の高さ位置が、実際の高さ位置からずれた値となる可能性が高くなる。すなわち、位置検出部530における反射面の高さ位置の特定精度が低下する。
逆に、受光部520で受光される反射光が弱すぎると、ラインセンサ521の全ての画素において、その受光光量がカットレベルL1より小さくなる場合がある。この場合、図9に示されるように、光量分布データに有効画素Eが現れない。光量分布データに有効画素Eがない場合、位置検出部530は、反射面の高さ位置を特定することができない。
また、有効画素Eがあり、かつ、光量過多画素Gがない光量分布データが得られたとしても、図10、図11に示されるように、光量分布データのピークの高さ(すなわち、光量分布データの最大値であり、以下「最大光量Y」ともいう)が、理想とされる最大光量Yの値(以下「理想最大光量Yo」ともいう)から大きく外れてしまうと、位置検出部530における反射面の高さ位置の特定精度が低下する。つまり、位置検出部530にて反射面の高さ位置を正確に特定するためには、受光部520で取得される光量分布データの最大光量Yが、許容される誤差の範囲内で、理想最大光量Yoと一致していることが好ましい。
<2−3.出射光量調整部540>
上述したとおり、位置検出部530にて反射面の高さ位置を正確に特定するためには、受光部520で取得される光量分布データの最大光量Yが、定められた許容範囲内にあることが好ましい。ここで、受光部520にて受光される反射光の光量は、光源510の出射光量と、反射面(具体的には、基板Wの上面)の反射率との関係から決まってくる。つまり、位置検出部530にて反射面の高さ位置を正確に特定するためには、光源510の出射光量が、基板Wの反射率に対して適切なものとなるように調整されている必要がある。
そこで、位置検出ユニット51は、基板Wの反射率に対して光源510の出射光量が適切なものとなるように(すなわち、受光部520で取得される光量分布データにおいて、その最大光量Yが許容範囲内に収まるように)光源510の出射光量を調整する出射光量調整部540を備える。以下において、出射光量調整部540について具体的に説明する。
<i.出射光量調整部540の構成>
出射光量調整部540は、サンプルデータ取得部541と、修正値算出部542と、出射光量変更部543と、最適値算出部544とを備える。これら各部は、例えば、制御部90において、プログラムPに記述された手順に従ってCPU91が演算処理を行うことにより実現される。
<サンプルデータ取得部541>
サンプルデータ取得部541は、位置検出ユニット51に、基板Wの上面内に規定された複数のサンプル取得位置P(1),P(2),・・,P(N)の各々での反射光の光量分布データ(以下「サンプル光量分布データ」ともいう)F(i)(i=1,2,・・,N)を取得させる。
サンプルデータ取得部541は、具体的には、例えば、次の態様で、位置検出ユニット51にサンプル光量分布データF(i)(i=1,2,・・,N)を取得させる。まず、サンプルデータ取得部541は、ステージ駆動機構20にステージ10を主走査方向(Y軸方向)に沿って移動させて、ステージ10上の基板Wを、位置検出ユニット51に対して相対的に移動させる(プリスキャン)。これによって、位置検出ユニット51は、図12に示されるように、主走査方向に沿うラインLに沿って、基板Wを横断することになる。
基板Wの上面には、ラインLに沿って、複数のサンプル取得位置P(1),P(2),・・,P(N)が間隔をあけて(例えば、等間隔で)規定される。ただし、ここでは、基板Wの主面内において、その端縁から一定の幅dの領域を「端縁領域We」とし、端縁領域Weを除いた領域を「中央領域Wc」として、複数のサンプル取得位置P(1),P(2),・・,P(N)は、この中央領域Wc内に規定される。
一方で、サンプルデータ取得部541は、ステージ位置計測部30からの計測値を取得することによって、位置検出ユニット51と基板Wとの相対的な位置関係を常に検出しており、位置検出ユニット51の下方にサンプル取得位置P(i)(i=1,2,・・,N)が到達すると、位置検出ユニット51の光源510から、サンプル取得位置P(i)に向けて光を出射させるとともに、その反射光を受光部520に受光させる。これによって、当該サンプル取得位置P(i)での反射光のサンプル光量分布データF(i)が取得される。位置検出ユニット51がラインLに沿って基板Wを一度横断すると、複数のサンプル取得位置P(1),P(2),・・,P(N)各々での反射光のサンプル光量分布データF(i)(i=1,2,・・,N)が取得されることになる。
なお、位置検出ユニット51がサンプル取得位置P(i)の真上に到達した際に、サンプルデータ取得部541は、光源510から当該サンプル取得位置P(i)に向けて断続的に複数回(例えば、10回)の光を出射させてもよい。この場合、受光部520にて当該サンプル取得位置P(i)での反射光の光量分布データが複数個取得されることになる。ステージ10は、光源510から光が出射されている間も移動を続けているので、光源510から出射された各光は、厳密には、基板Wの上面の僅かに異なる位置(すなわち、サンプル取得位置P(i)からそれぞれ僅かにずれた位置)に入射することになるが、この位置のずれは処理上無視できるほど小さく、各光は、同じサンプル取得位置P(i)に入射しているとみなすことができる。サンプルデータ取得部541は、1つのサンプル取得位置P(i)での反射光の複数の光量分布データを取得した場合、当該複数の光量分布データの各々を平均した光量分布データを、当該サンプル取得位置P(i)での反射光のサンプル光量分布データF(i)として取得する。具体的には、サンプルデータ取得部541は、例えば、当該複数の光量分布データの各々の最大光量Yを平均した値を、サンプル光量分布データF(i)の最大光量Yとして取得する。また、当該複数の光量分布データの各々の光量過多画素Gの個数を平均した値を、サンプル光量分布データF(i)の光量過多画素Gの個数として取得する。
<修正値算出部542>
修正値算出部542は、サンプル光量分布データF(i)(i=1,2,・・,N)に基づいて、当該サンプル光量分布データF(i)の最大光量Yを理想最大光量Yoに近づけることができるような光源510の出射光量の値を算出し、当該値を光源510の出射光量の修正値(修正出射光量)R(i+1)として取得する。
修正値算出部542は、具体的には、まず、サンプル光量分布データF(i)が以下に説明する3つの類型のいずれに該当するかを判定し、サンプル光量分布データF(i)の類型に応じた式を用いて、修正出射光量R(i+1)を算出する。
(a)第1類型
第1類型は、光量過多画素Gが含まれる光量分布データ(すなわち、1個以上の画素において、その受光光量が感度限界L2以上となっている光量分布データ)である。例えば図8に示される光量分布データは、第1類型となる。
サンプル光量分布データF(i)が第1類型に該当する場合、修正値算出部542は、次の(式1)を用いて、修正出射光量R(i+1)を算出する。ただし、(式1)中、「R(i)」は、サンプル光量分布データF(i)を取得した際の光源510の出射光量である。また、(式1)中、「a」は、理想最大光量Yoの値であり、「c」は、感度限界L2の光量値である(図8参照)。また、(式1)中、「n」は、サンプル光量分布データF(i)に含まれる光量過多画素Gの個数である。また、(式1)中、「k」は、所定の係数であり、光源510の種類などに応じて予め規定される値である。
つまり、サンプル光量分布データF(i)が第1類型に該当する場合、出射光量R(i)の下げ幅ΔR(ΔR=R(i)−R(i+1))は、次の(式2)で表される。
このように、修正値算出部542は、サンプル光量分布データF(i)が第1類型に該当する場合、当該サンプル光量分布データF(i)に含まれる光量過多画素Gの個数(「n」)を加味して、出射光量の下げ幅ΔRを決定する。より具体的には、光量過多画素Gの個数(「n」)が大きいほど、下げ幅ΔRを大きくする。
(b)第2類型
第2類型は、有効画素Eがない光量分布データ(すなわち、全ての画素の受光光量がカットレベルL1より小さい光量分布データ)である。例えば図9に示される光量分布データは、第2類型となる。
サンプル光量分布データF(i)が第2類型に該当する場合、修正値算出部542は、次の(式3)を用いて、修正出射光量R(i+1)を算出する。ただし、(式1)と同様(式3)においても、「R(i)」は、サンプル光量分布データF(i)を取得した際の光源510の出射光量であり、「a」は、理想最大光量Yoの値である。また、(式3)中、「d」は、カットレベルL1の光量値である(図9参照)。
つまり、サンプル光量分布データF(i)が第2類型に該当する場合、出射光量R(i)の上げ幅ΔR(ΔR=R(i+1)−R(i))は、次の(式4)で表される。
このように、修正値算出部542は、サンプル光量分布データF(i)が第2類型に該当する場合、カットレベルL1の光量値(「d」)を加味して、出射光量の上げ幅ΔRを決定する。より具体的には、カットレベルL1の光量値(「d」)が小さいほど、上げ幅ΔRを大きくする。
(c)第3類型
第3類型は、第1類型にも第2類型にも該当しない光量分布データ(すなわち、有効画素Eがあり、かつ、光量過多画素Gがない光量分布データ)である。例えば、図10、図11に示される光量分布データは、第3類型となる。
サンプル光量分布データF(i)が第3類型に該当する場合、修正値算出部542は、次の(式5)を用いて、修正出射光量R(i+1)を算出する。ただし、(式1)と同様(式5)においても、「R(i)」は、サンプル光量分布データF(i)を取得した際の光源510の出射光量であり、「a」は、理想最大光量Yoの値である。また、(式5)中、「e」は、サンプル光量分布データF(i)の最大光量Yの値である(図10、図1参照)。
つまり、サンプル光量分布データF(i)が第3類型に該当する場合、出射光量R(i)の変更幅ΔR(ただし、ΔR=|R(i+1)−R(i)|)は、次の(式6)で表される。
このように、修正値算出部542は、サンプル光量分布データF(i)が第3類型に該当する場合、サンプル光量分布データF(i)の最大光量Yの値(「e」)を加味して、出射光量の変更幅ΔRを決定する。より具体的には、最大光量Yの値(「e」)が理想最大光量Yoの値(「a」)に近くなるほど、変更幅ΔRを小さくする。
<出射光量変更部543>
出射光量変更部543は、i番目(i=1,2,・・)のサンプル光量分布データF(i)に基づいて修正出射光量R(i+1)が算出された場合に、次の(i+1)番目のサンプル光量分布データF(i+1)が取得されるのに先立って、光源510の出射光量を当該修正出射光量R(i+1)に変更する。したがって、(i+1)番目のサンプル光量分布データF(i+1)は、変更後の新たな出射光量の下で取得されることになる(図15参照)。ただし、1番目のサンプル光量分布データF(1)は、定められた初期出射光量R(1)の下で取得される。
<最適値算出部544>
最適値算出部544は、複数のサンプル光量分布データF(1),F(2),・・,F(N)の各々を取得した際の光源510の出射光量(すなわち、初期出射光量R(1)、および、一群の修正出射光量R(2),R(3),・・,R(N))に基づいて、光源510の出射光量の最適値(最適出射光量)Roを算出する。
最適値算出部544は、具体的には、例えば、次の態様で最適出射光量Roを算出する。すなわち、最適値算出部544は、まず、初期出射光量R(1)、および、一群の修正出射光量R(2),・・,R(N)のうち、最大光量Yの理想最大光量Yoからのずれ量が、所定の許容値m(図15参照)よりも小さくなる光量分布データを与えたものを、有効出射光量Reとして抽出する。ただし、許容値mは、例えば、光量分布データの重心計算が可能な範囲とすることができる。そして、最適値算出部544は、抽出された1以上の有効出射光量Reの中から最大の値と最小の値をさらに抽出し、抽出された2つの値の平均を、最適出射光量Roとして取得する(図16参照)。もっとも、抽出された1以上の有効出射光量Reから最適出射光量Roを算出する態様はこれに限られるものではなく、例えば、1以上の有効出射光量Reの平均を、最適出射光量Roとして取得してもよい。
<ii.光源510の出射光量を調整する処理の流れ>
光源510の出射光量を調整する処理の流れについて、図12〜図16を参照しながら説明する。図13は、当該処理の流れを示す図である。図14は、図13のステップS103の処理の流れを示す図である。図15、図16は、当該処理を説明するための図である。
まず、サンプルデータ取得部541が、プリスキャンを開始させる(ステップS101)。具体的には、サンプルデータ取得部541は、ステージ駆動機構20にステージ10を主走査方向(Y軸方向)に沿って移動開始させる。
位置検出ユニット51の下方に1個目のサンプル取得位置P(1)が到達すると、サンプルデータ取得部541は、光源510から、サンプル取得位置P(1)に向けて光を出射させるとともに、その反射光を受光部520に受光させる。これによって、当該サンプル取得位置P(1)での反射光のサンプル光量分布データF(1)が取得される(ステップS102)。ただし、図15に示されるように、このときの光源510の出射光量は、定められた初期出射光量R(1)となっている。
サンプル光量分布データF(1)が取得されると、修正値算出部542が、当該サンプル光量分布データF(1)がどの類型に該当するかを判定し、サンプル光量分布データF(1)の類型に応じた式を用いて、修正出射光量R(2)を算出する(ステップS103)。
ステップS103の処理について図14を参照しながら具体的に説明する。まず、修正値算出部542は、対象となるサンプル光量分布データF(i)に光量過多画素Gがあるか否かを判断する(ステップS201)。
サンプル光量分布データF(i)に光量過多画素Gがある場合(ステップS201でYES)、修正値算出部542は、当該サンプル光量分布データF(i)が第1類型であると判定する。この場合、修正値算出部542は、当該サンプル光量分布データF(i)における光量過多画素Gの個数を計数し(ステップS202)、続いて、上記の(式1)を用いて修正出射光量R(i+1)を算出する(ステップS203)。
一方、サンプル光量分布データF(i)に光量過多画素Gがない場合(ステップS201でNO)、修正値算出部542は、サンプル光量分布データF(i)に、有効画素Eがあるか否かを判断する(ステップS204)。
サンプル光量分布データF(i)に有効画素Eがない場合(ステップS204でNO)、修正値算出部542は、当該サンプル光量分布データF(i)が、第2類型であると判定する。この場合、修正値算出部542は、上記の(式3)を用いて修正出射光量R(i+1)を算出する(ステップS205)。
一方、サンプル光量分布データF(i)に有効画素Eがある場合(ステップS204でYES)、修正値算出部542は、当該サンプル光量分布データF(i)が、第3類型であると判定する。この場合、修正値算出部542は、当該サンプル光量分布データF(i)の最大光量Yを特定し(ステップS206)、続いて、上記の(式5)を用いて修正出射光量R(i+1)を算出する(ステップS207)。
再び図13を参照する。サンプル光量分布データF(1)に基づく修正出射光量R(2)が算出されると、続いて、出射光量変更部543が、光源510の出射光量を、初期出射光量R(1)から当該算出された修正出射光量R(2)に変更する(ステップS104)。ただし、プリスキャンにおけるステージ10の移動速度等が調整されることによって、この変更は、位置検出ユニット51が次のサンプル取得位置P(2)に到達するまでに完了するようになっている。
位置検出ユニット51の下方に2個目のサンプル取得位置P(2)が到達すると、サンプルデータ取得部541が、位置検出ユニット51に当該サンプル取得位置P(2)での反射光のサンプル光量分布データF(2)を取得させる(ステップS102)。ただし、このときの光源510の出射光量は、修正出射光量R(2)(すなわち、サンプル光量分布データF(1)に基づいて算出された修正出射光量R(2))となっている。サンプル光量分布データF(2)が取得されると、修正値算出部542が、当該サンプル光量分布データF(2)に基づいて修正出射光量R(3)を算出し(ステップS103)、出射光量変更部543が、光源510の出射光量を、修正出射光量R(2)から、当該新たに算出された修正出射光量R(3)に変更する(ステップS104)。
以降、位置検出ユニット51の下方にサンプル取得位置P(i)(i=3,・・,N)が到達する度に、ステップS102〜ステップS104の処理が繰り返される。つまり、位置検出ユニット51の下方にi個目(i=3,・・,N)のサンプル取得位置P(i)が到達すると、サンプルデータ取得部541が、位置検出ユニット51に当該サンプル取得位置P(i)での反射光のサンプル光量分布データF(i)を取得させる(ステップS102)。ただし、このときの光源510の出射光量は、修正出射光量R(i)(すなわち、1つ前に取得されたサンプル光量分布データF(i−1)に基づいて算出された修正出射光量R(i))となっている。サンプル光量分布データF(i)が取得されると、修正値算出部542が、当該サンプル光量分布データF(i)に基づいて修正出射光量R(i+1)を算出し(ステップS103)、出射光量変更部543が、光源510の出射光量を、修正出射光量R(i)から、当該新たに算出された修正出射光量R(i+1)に変更する(ステップS104)。
最後のサンプル取得位置P(N)での反射光のサンプル光量分布データF(N)が取得されると(ステップS105でYES)、最適値算出部544が、最適出射光量Roを算出する(ステップS106)。最適値算出部544は、具体的には、例えば、図15、図16に示されるように、N個のサンプル光量分布データF(1),F(2),・・,F(N)のそれぞれを取得した際の光源510の出射光量(すなわち、初期出射光量R(1)、および、一群の修正出射光量R(2),・・,R(N))のうち、理想に近い光量分布データ(すなわち、最大光量Yと理想最大光量Yoとのずれが所定の許容値mよりも小さくなる光量分布データ)を与えたものを、有効出射光量Reとして抽出する。そして、例えば、抽出された1以上の有効出射光量Reの中から最大の値と最小の値をさらに抽出し、抽出された2つの値の平均を、最適出射光量Roとして取得する。
最適出射光量Roが算出されると、制御部90が、光源510の出射光量を、当該算出された最適出射光量Roに設定する(ステップS107)。以上で、光源510の出射光量を調整する処理が終了する。
上記の一連の処理が行われることによって、光源510の出射光量は、基板Wの反射率に対して適切なものとなっている(すなわち、受光部520で取得される光量分布データの最大光量Yが、理想最大光量Yoと許容される誤差範囲以内で一致するようになっている)。したがって、当該基板Wを描画処理する際に、位置検出ユニット51は、基板Wの高さ位置を高精度に検出することができる。ひいては、オートフォーカスユニット50において、適切なオートフォーカスを行うことができる。
<3.露光装置1において実行される処理の流れ>
露光装置1において実行される処理の流れについて、図17を参照しながら説明する。図17は、当該処理の流れを示す図である。以下に説明する一連の動作は、制御部90の制御下で行われる。
露光装置1における処理は、ロット単位で行われる。まず、搬送装置70が、処理対象となるロットの1番目の基板Wを、カセット載置部104に載置されたカセットCから取り出して露光装置1に搬入する(ステップS1)。露光装置1に搬入された基板Wは、プリアライメント部80にてプリアライメント処理を施された後に、搬送装置70によって、ステージ10上に移載される。
ステージ10上に基板Wが載置され、ステージ10が当該基板Wを吸着保持すると、続いて、ステージ駆動機構20が、ステージ10を受け渡し位置からアライメントマーク撮像部60の下方位置まで移動させる。ここで、ステージ10が受け渡し位置からアライメントマーク撮像部60の下方位置まで移動される際に、複数のサンプル光量分布データF(1),F(2),・・,F(N)が取得されるとともに、光源510の出射光量を調整する処理が行われる(ステップS2)。つまり、ここでは、基板Wを保持したステージ10が受け渡し位置からアライメントマーク撮像部60の下方位置まで移動される動作が、プリスキャンを兼ねている。ステップS2の処理の具体的な流れは、上述したとおりである(図13参照)。
ステージ10がアライメントマーク撮像部60の下方に配置されると、続いて、ステージ10上の基板Wが適正な位置にくるように精密に位置合わせする処理(ファインアライメント)が行われる(ステップS3)。具体的には、まず、アライメントマーク撮像部60が、基板W上のアライメントマークを撮像して、当該撮像データを取得する。続いて、制御部90が、アライメントマーク撮像部60により取得された撮像データを画像解析してアライメントマークの位置を検出し、その検出位置に基づいて基板Wの適正位置からのずれ量を算出する。ずれ量が算出されると、ステージ駆動機構20が当該算出されたずれ量だけステージ10を移動させて、基板Wが適切な位置にくるように位置合わせする。
基板Wが位置合わせされると、続いて、パターンの描画処理が行われる(ステップS4)。描画処理について、図18を参照しながら具体的に説明する。図18は、描画処理を説明するための図である。
描画処理は、ステージ駆動機構20がステージ10に載置された基板Wを光学ユニット40,40に対して相対的に移動させつつ、光学ユニット40,40のそれぞれから基板Wの上面に空間変調された光(描画光)を照射させることによって行われる。
具体的には、ステージ駆動機構20は、まず、アライメントマーク撮像部60の下方位置に配置されているステージ10を主走査軸(Y軸)に沿って往路方向(ここでは、例えば、+Y方向であるとする)に移動させることによって、基板Wを光学ユニット40,40に対して主走査軸に沿って相対的に移動させる(往路主走査)。これを基板Wからみると、各光学ユニット40は基板W上を主走査軸に沿って−Y方向に横断することになる(矢印AR11)。その一方で、主走査が開始されると、各光学ユニット40から描画光の照射が開始される。具体的には、制御部90は、記憶装置94に格納されたパターンデータPDのうち、当該主走査で描画対象となるストライプ領域に描画すべきデータを記述した部分を読み出して、空間光変調ユニット44に、当該読み出されたパターンデータPDに応じて空間変調された描画光を形成させる。これによって、基板W上を主走査軸に沿って相対的に移動する光学ユニット40から、描画光が基板Wに向けて断続的に照射され続ける。
ただし、上述したとおり、光学ユニット40から基板Wに向けて描画光が照射される間、制御部90は、オートフォーカスユニット50にオートフォーカスを行わせる。位置検出ユニット51の光源510の出射光量は、ステップS2の処理において、基板Wの反射率に対して適切なものとなるように調整されているので、位置検出ユニット51は高精度に基板Wの高さ位置を特定することができる。その結果、高精度なオートフォーカスが行われ、基板Wの上面に精度よくパターンが描画される。
光学ユニット40が主走査軸に沿って基板Wを1回横断すると、1本のストライプ領域(主走査軸に沿って延在し、副走査軸に沿う幅が描画幅に相当する領域)に、パターン群が描画されることになる。ここでは、2個の光学ユニット40が同時に基板Wを横断するので、一回の往路主走査により2本のストライプ領域のそれぞれにパターン群が描画されることになる。
描画光の照射を伴う往路主走査が終了すると、ステージ駆動機構20は、ステージ10を副走査軸(X軸)に沿って所定方向(例えば、−X方向)に、描画幅に相当する距離だけ移動させることによって、基板Wを光学ユニット40,40に対して副査軸に沿って相対的に移動させる(副走査)。これを基板Wからみると、各光学ユニット40は副走査軸に沿って+X方向に、ストライプ領域の幅分だけ移動することになる(矢印AR12)。
副走査が終了すると、描画光の照射を伴う復路主走査が実行される。すなわち、ステージ駆動機構20は、ステージ10を主走査軸(Y軸)に沿って復路方向(ここでは、−Y方向)に移動させることによって、基板Wを光学ユニット40,40に対して主走査軸に沿って相対的に移動させる(復路主走査)。これを基板Wからみると、各光学ユニット40は、基板W上を、主走査軸に沿って+Y方向に移動して横断することになる(矢印AR13)。その一方で、復路主走査が開始されると、制御部90は、各光学ユニット40から描画光の照射を開始させる。当該復路主走査によって、先の往路主走査で描画されたストライプ領域の隣のストライプ領域に、パターン群が描画されることになる。
描画光の照射を伴う復路主走査が終了すると、副走査が行われた上で、再び、描画光の照射を伴う往路主走査が行われる。当該往路主走査によって、先の復路主走査で描画されたストライプ領域の隣のストライプ領域に、パターン群が描画されることになる。以後も同様に、副走査を挟みつつ、描画光の照射を伴う主走査が繰り返して行われ、描画対象領域の全域にパターンが描画されると、描画処理が終了する。
再び図17を参照する。描画処理が終了すると、搬送装置70が処理済みの基板Wを搬出する(ステップS5)。処理済みの基板WがカセットCに収容されると、搬送装置70は、続いて、2番目の基板WをカセットVから取り出して露光装置1に搬入する(ステップS7)。露光装置1に搬入された基板Wは、プリアライメント部80にてプリアライメント処理を施された後に、搬送装置70によってステージ10上に移載され、続いて、ステップS3〜ステップS5の処理が行われる。なお、同一ロットを構成する一群の基板Wは同じ種類の基板Wである(すなわち、反射率の大きな相違はない)ので、2枚目以降の基板Wに対しては、位置検出ユニット51の光源510の出射光量を調整する処理(ステップS2)は省略できる。もっとも、2枚目以降の各基板Wに対しても、当該処理(ステップS2)を行ってもよい。
ロットを構成する全ての基板Wに対する描画処理が完了すると(ステップS6でYES)、一連の処理が終了する。
<4.効果>
上記の実施の形態によると、サンプル光量分布データF(i)に光量過多画素Gが含まれる場合に、当該サンプル光量分布データF(i)に含まれる光量過多画素Gの個数(「n」)を加味して光源510の出射光量の下げ幅ΔRを決定する。サンプル光量分布データF(i)に光量過多画素Gが含まれる場合、受光部520が受光した反射光の最大光量が測定不能であるため、例えばこの最大光量から下げ幅を特定することができないところ、ここでは、光量過多画素Gの個数を加味して当該下げ幅ΔRを決定することによって、最大光量が不明であっても、適切な下げ幅ΔRを直ちに得ることができる。したがって、光源510の出射光量の調整に要する時間を短縮できる。例えば、露光装置1において、シリコン基板Wを処理した後に、引き続いて、銅基板Wを処理する場合、反射率が大幅に増加するため、光源510の出射光量を大きく下げる必要があるところ、このような場合にも適切な下げ幅ΔRを直ちに得て短時間で光源510の出射光量を調整できる。
また、上記の実施の形態によると、サンプル光量分布データF(i)に、有効画素Eがない場合に、カットレベルL1の光量値(「d」)を加味して光源510の出射光量の上げ幅ΔRを決定する。サンプル光量分布データF(i)に、有効画素Eがない場合、受光部520が受光した反射光の最大光量が不明であるため、例えばこの最大光量から上げ幅を特定することができないところ、ここでは、カットレベルL1の値を加味して当該上げ幅ΔRを決定することによって、最大光量が不明であっても、適切な上げ幅ΔRを直ちに得ることができる。したがって、光源510の出射光量の調整に要する時間を短縮できる。例えば、露光装置1において、銅基板Wを処理した後に、引き続いて、シリコン基板Wを処理する場合、反射率が大幅に減少するため、光源510の出射光量を大きく上げる必要があるところ、このような場合にも適切な上げ幅ΔRを直ちに得て短時間で光源510の出射光量を調整できる。
また、上記の実施の形態によると、サンプル光量分布データF(i)に、有効画素Eがあり、かつ、光量過多画素Gがない場合に、サンプル光量分布データF(i)の最大光量Yの値を加味して、光源510の出射光量の変更幅ΔRを決定する。この構成によると、適切な変更幅ΔRを直ちに得ることができる。したがって、光源510の出射光量の調整に要する時間を短縮できる。
また、上記の実施の形態では、サンプル光量分布データF(i)が取得されるのに先立って、光源510の出射光量を、先のサンプル光量分布データF(i−1)に基づいて算出された修正出射光量R(i)に変更する。そして、複数のサンプル光量分布データF(1),F(2),・・,F(N)の各々を取得した際の光源510の出射光量に基づいて、最適出射光量Roを算出する。この構成によると、基板Wの主面内の各位置で反射率のバラツキがある場合でも、当該バラツキを加味した適切な出射光量を取得することができる。
また、上記の実施の形態によると、全てのサンプル取得位置P(1),P(2),・・,P(N)が、基板Wの主面内における中央領域Wc内に規定される。中央領域Wcは、端縁領域Weに比べて表面状態が安定しているので、適切なサンプル光量分布データF(i)を取得することが可能となり、ひいては、適切な出射光量を得ることができる。
また、仮に、基板Wのエッジ付近に1以上のサンプル取得位置が規定されているとすると、光源510からこのサンプル取得位置に向けて出射された光が、ステージ駆動機構20の駆動誤差などのために、ステージ10上の基板Wの主面内から外れた位置に照射されてしまう可能性もゼロではない。この場合、受光部520では反射光が受光されない。このような状況は、第3類型のサンプル光量分布データF(i)が得られている状況と区別がつきにくい。したがって、光源510から出射された光が基板Wを外れている状態が、第3類型のサンプル光量分布データF(i)が得られている状態と誤認定されて、出射光量が大きく増加されてしまう可能性がある。この場合、以降の調整処理に時間がかかってしまう可能性が高い。上記の実施の形態によると、全てのサンプル取得位置P(1),P(2),・・,P(N)が、中央領域Wc内に配置されているので、このような事態が発生しにくく、調整処理に無駄な時間がかかることがない。
<5.変形例>
上記の実施の形態において、光量過多画素Gの個数(「n」)が比較的大きい場合等に、(式2)にて規定される下げ幅ΔRが非常に大きくなる場合がある。この場合、例えば、次のサンプル取得位置P(i+1)が、反射率が比較的小さい領域にある場合などに、当該サンプル取得位置P(i+1)で取得されるサンプル光量分布データF(i+1)に有効画素Eが現れない(第3類型となってしまう)、といった事態が発生する可能性がある。このような事態の発生を未然に回避するべく、下げ幅ΔRの上限値を設ける構成としてもよい。すなわち、(式1)にて算出された値が、元の出射光量R(i)の例えば半分より小さくなる場合に、(式1)にて算出された値に換えて、元の出射光量R(i)の半分の値を、修正出射光量R(i+1)として採用する構成としてもよい。この場合、元の出射光量R(i)の半分に相当する値が、下げ幅ΔRの上限値とされることになる。もっとも、下げ幅ΔRの上限値は、必ずしもこれに限るものではなく、任意の値を下げ幅ΔRの上限値とすることができる。
また、上記の実施の形態において、プリスキャンと並行して、オートフォーカスユニット50にオートフォーカス動作を行わせてもよい。この場合、位置検出部530は、各サンプル光量分布データF(i)に基づいて、サンプル取得位置P(i)の高さ位置を特定し、駆動部52が、当該特定された高さ位置に基づいて、フォーカシングレンズ455の高さを調整することになる。この構成によると、プリスキャンが完了した時点で、フォーカシングレンズ455の高さ位置が、適切な位置から大きく外れない位置となっている可能性が高い。したがって、描画処理の開始時点でフォーカシングレンズ455を大きく移動させる必要がなく、当該開始時点から、適切なオートフォーカスを行うことができる。
また、上記の実施の形態においては、基板Wを保持したステージ10が受け渡し位置からアライメントマーク撮像部60の下方位置まで移動される際に、複数のサンプル光量分布データF(1),F(2),・・,F(N)が取得されるとともに、光源510の出射光量を調整する処理が行われるとした(図17のステップS2)。しかしながら、当該処理を行うタイミングは、必ずしもこれに限らない。例えば、ファインアライメント(ステップS3)を省略して、描画処理(ステップS4)が行われる場合には、基板Wを保持したステージ10が受け渡し位置から描画開始位置まで移動される際に、複数のサンプル光量分布データF(1),F(2),・・,F(N)を取得するとともに、光源510の出射光量を調整する処理を行えばよい。この場合、基板Wを保持したステージ10が受け渡し位置から描画開始位置まで移動される動作が、プリスキャンを兼ねることになる。
また、上記の実施の形態においては、各光学ユニット40に対応付けてオートフォーカスユニット50を設ける構成を例示したが、これと同様の構成のオートフォーカスユニットを、さらに、アライメントマーク撮像部60と対応付けて設けてもよい。すなわち、アライメントマーク撮像部60のフォーカシングレンズの高さを調整して、フォーカシングレンズを通過して基板Wの表面に導かれる光を基板Wの表面に適切に結像させる、オートフォーカスユニットを設けてもよい。アライメントマーク撮像部60と対応付けられたオートフォーカスユニットにおいて、位置検出ユニットの光源の出射光量を調整する場合、基板W上のアライメントマークの形成位置をサンプル取得位置として採用することが好ましい。また、当該光源の出射光量を調整する処理は、アライメントマーク撮像部60がアライメントマークを撮像するのと並行して行ってもよい。
上記の実施の形態においては、複数のサンプル光量分布データに基づいて、光源510の出射光量を調整していたが、サンプル光量分布データは必ずしも複数取得する必要はなく、1つのサンプル光量分布データのみに基づいて、光源510の出射光量を調整してもよい。
また、上記の実施形態では、空間光変調器441として回折格子型の空間光変調器が用いられていたが、空間光変調器441の構成はこれに限らない。例えば、ミラーのような変調単位が一次元、あるいは、二次元に配列されている空間光変調器などが利用されてもよい。具体的には、例えば、DMD(Digital Micromirror Device:デジタル・マイクロミラー・デバイス)を利用してもよい。
また、上記の実施の形態においては、光学ユニット40は、変調した描画光によって基板W上の感光材料を走査することにより、当該感光材料に直接パターンを露光していたが、光学ユニット40は、光源とフォトマスクを用いて基板W上の感光材料を面状に露光するものであってもよい。
また、上記の実施の形態においては、処理対象となる基板Wは、半導体基板であるとしたが、その他の各種の基板(例えば、プリント基板、液晶表示装置に具備されるカラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置などのフラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板等)が処理対象とされてもよい。