図1は実施の形態に係る電子機器1の外観を示す前面図である。図2は図1に示される電子機器1を部分的に拡大して示す図である。図3及び4はそれぞれ電子機器1の外観を示す裏面図及び右側面図である。図5は、図1に示される電子機器1の矢視A−Aにおける断面構造を拡大して示す図である。図6は、図1に示される電子機器1の矢視B−Bにおける断面構造を拡大して示す図である。図7及び8は、それぞれ、電子機器1が備える表示面カバー部材2の裏面図及び前面図である。図7に示される表示面カバー部材2には、電子機器1が備える圧電振動素子190及び表示パネル120が取り付けられている。図9は電子機器1の電気的構成を示すブロック図である。
本実施の形態に係る電子機器1は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機である。以下に、図1〜8を参照して、本実施の形態に係る電子機器1について詳細に説明する。まず電子機器1の電気的構成について説明し、その後に電子機器1の機械的構成について説明する。
<電子機器の電気的構成>
図9に示されるように、電子機器1には、制御部100、無線通信部110、表示パネル120、タッチパネル130、近接センサ140及びマイク150が設けられている。さらに電子機器1には、前面側撮像部160、裏面側撮像部170、外部スピーカ180、圧電振動素子190、操作部200及び電池210が設けられている。これらの構成要素は、電子機器1の後述する機器ケース5内に設けられている。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、DSP(Digital Signal Processor)102及び記憶部103等を備えている。制御部100は、電子機器1の他の構成要素を制御することによって、電子機器1の動作を統括的に管理する。
記憶部103は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の、制御部100(CPU101及びDSP102)が読み取り可能な非一時的な記録媒体で構成されている。記憶部103には、電子機器1を制御するための、具体的には電子機器1が備える無線通信部110、表示パネル120等の各構成要素を制御するための制御プログラムであるメインプログラム及び複数のアプリケーションプログラム等が記憶されている。制御部100の各種機能は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の各種プログラムを実行することによって実現される。
なお記憶部103は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていても良い。記憶部103は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)等を備えていても良い。
無線通信部110は、アンテナ111を有している。無線通信部110は、電子機器1とは別の携帯電話機からの信号、あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置からの信号を基地局を介してアンテナ111で受信する。無線通信部110は、受信信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って制御部100に出力する。制御部100は、入力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる、音声や音楽などを示す音信号(音情報)などを取得する。
また無線通信部110は、制御部100で生成された、音信号等を含む送信信号に対して、アップコンバート及び増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ111から無線送信する。アンテナ111からの送信信号は、基地局を通じて、電子機器1とは別の携帯電話機あるいはインターネットに接続された通信装置で受信される。
表示部である表示パネル120は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルである。表示パネル120は、制御部100によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示する。表示パネル120に表示される情報は、表示面カバー部材2の表示部分2a(図1,5等参照)を通じて、電子機器1の使用者に視認可能となる。
タッチパネル130は、例えば、投影型静電量容量方式のタッチパネルである。タッチパネル130は、表示面カバー部材2の表示部分2aに対する物体の接触を検出する。タッチパネル130は、後述するように、表示面カバー部材2の内側主面20に貼り付けられている(図5等参照)。タッチパネル130は、互いに対向配置されたシート状の二つの電極センサを備えている。二つの電極センサは透明粘着性シートによって貼り合わされている。
一方の電極センサには、それぞれがX軸方向(例えば電子機器1の左右方向)に沿って延在し、かつ互いに平行に配置された複数の細長いX電極が形成されている。他方の電極センサには、それぞれがY軸方向(例えば電子機器1の上下方向)に沿って延在し、かつ互いに平行に配置された複数の細長いY電極が形成されている。表示面カバー部材2の表示部分2aに対して使用者の指等が接触すると、その接触箇所の下にあるX電極及びY電極の間の静電容量が変化する。これにより、タッチパネル130において表示面カバー部材2の表示部分2aに対する操作(接触)が検出される。タッチパネル130は、X電極及びY電極の間の静電容量変化を示す電気的信号を生成して制御部100に出力する。制御部100は当該電気的信号に基づいて表示面カバー部材2の表示部分2aに対して行われた操作の内容を特定し、それに応じた動作を行う。
近接センサ140は、例えば赤外線方式の近接センサである。近接センサ140は、当該近接センサ140に対して物体が所定距離以内に近接すると検出信号を出力する。この検出信号は制御部100に入力される。制御部100は、近接センサ140から検出信号を受け取ると、例えば、タッチパネル130での操作検出機能を停止する。
前面側撮像部160は、撮像レンズ及び撮像素子などで構成されている。前面側撮像部160は、制御部100による制御に基づいて、静止画像及び動画像を撮像する。前面側撮像部160の撮像レンズは、電子機器1の前面に設けられた前面レンズ用透明部11(図1,2等参照)から視認可能となっている。したがって、前面側撮像部160は、電子機器1の前面側(表示面カバー部材2側)に存在する物体を撮像することが可能である。
裏面側撮像部170は、撮像レンズ及び撮像素子などで構成されている。裏面側撮像部170は、制御部100による制御に基づいて、静止画像及び動画像を撮像する。裏面側撮像部170の撮像レンズは、電子機器1の裏面に設けられた裏面レンズ用透明部13(図3参照)から視認可能となっている。したがって、裏面側撮像部170は、電子機器1の裏面側に存在する物体を撮像することが可能である。
マイク150は、電子機器1の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部100に出力する。電子機器1の外部からの音は、当該電子機器1に設けられたマイク穴(図示せず)から当該電子機器1の内部に取り込まれてマイク150に入力される。
外部スピーカ180は、例えばダイナミックスピーカである。外部スピーカ180は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力する。外部スピーカ180から出力される音は、電子機器1の裏面に設けられたスピーカ穴12(図3参照)から外部に出力される。スピーカ穴12から出力される音については、電子機器1から離れた場所でも聞こえるような音量となっている。
圧電振動素子190は、後述するように、電子機器1の前面に設けられた表示面カバー部材2の内側主面20に対して貼り付けられている(図5等参照)。圧電振動素子190は、制御部100から与えられる駆動電圧によって振動させられる。制御部100は、音信号に基づいて駆動電圧を生成し、当該駆動電圧を圧電振動素子190に与える。圧電振動素子190が、制御部100によって音信号に基づいて振動させられることによって、表示面カバー部材2が音信号に基づいて振動する。その結果、表示面カバー部材2から使用者に受話音が伝達される。この受話音の音量は、使用者が表示面カバー部材2に耳を近づけた際に適切に聞こえる程度の音量となっている。表示面カバー部材2から使用者に伝達される受話音については後で詳細に説明する。
操作部200は、複数の操作ボタン201(図1参照)を有している。操作部200は、複数の操作ボタン201のそれぞれについて、当該操作ボタン201が使用者によって押下されると、当該操作ボタン201が押下されたことを示す操作信号を制御部100に出力する。制御部100は、入力される操作信号に基づいて、複数の操作ボタン201のうちのどの操作ボタン201が操作されたかを特定し、操作された操作ボタン201に応じた動作を行う。
電池210は、電子機器1の電源を出力する。電池210から出力された電源は、電子機器1が備える制御部100及び無線通信部110などに含まれる各電子部品に対して供給される。
<電子機器の機械的構成>
図1等に示されるように、電子機器1は、板状であって、平面視において少し丸みをおびた略長方形を成している。電子機器1は、表示パネル120の表示面120a(図5参照)を覆う透明の表示面カバー部材2と、表示面カバー部材2を支持する前面側ケース3と、前面側ケース3に取り付けられる背面側ケース4とを備えている。背面側ケース4は、前面側ケースに取り付けられる、電池210を収納するケース本体40と、ケース本体40に対して電子機器1の裏面側から取り付けられるカバー部材41とで構成されている。ケース本体40に収納された電池210はカバー部材41で覆われている。
本実施の形態では、前面側ケース3及び背面側ケース4によって、各種部品を収納する機器ケース5が構成されている。前面側ケース3と背面側ケース4とで囲まれた空間には、CPU101及びDSP102などの各種部品が搭載されたプリント基板(図示せず)が設けられている。
また、電子機器1は、表示面カバー部材2の上端部を覆う上側カバー部材6と、表示面カバー部材2の下端部を覆う下側カバー部材7とを備えている。上側カバー部材6及び下側カバー部材7は、機器ケース5、詳細には前面側ケース3に取り付けられている。電子機器1の外装は、表示面カバー部材2、上側カバー部材6、下側カバー部材7及び機器ケース5によって構成されている。
前面側ケース3、背面側ケース4、上側カバー部材6及び下側カバー部材7のそれぞれは、例えば、樹脂で形成されている。前面側ケース3、背面側ケース4、上側カバー部材6及び下側カバー部材7を形成する樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂あるいはナイロン系樹脂が採用される。
表示面カバー部材2は一方向に長い板状である。表示面カバー部材2は、表示パネル120の表示面120aと対向する内側主面20と、当該内側主面20とは反対側に位置する外側主面21とを有している。表示面カバー部材2は、サファイア単結晶から成る。ここで、サファイア単結晶とは、アルミナ(Al2O3)の単結晶のことをいい、本明細書では、Al2O3純度が約90%以上の単結晶のことをいう。傷がよりつき難く、割れや欠け等をより確実に抑制する点で、Al2O3純度は99%以上であることが好ましい。
表示面カバー部材2には、表示パネル120の表示が透過する透明の表示部分(表示窓とも呼ばれる)2aが設けられている。表示部分2aは例えば平面視で長方形を成している。表示パネル120から出力される可視光は表示部分2aを通って電子機器1の外部に取り出される。使用者は、電子機器1の外部から、表示部分2aを通じて、表示パネル120に表示される情報が視認可能となっている。
表示面カバー部材2における、表示部分2aを取り囲む周端部(周縁部)2bの大部分は、例えばフィルム等が貼られることによって黒色となっている。これにより、周端部2bの大部分は、表示パネル120の表示が透過しない非表示部分となっている。
図5に示されるように、表示面カバー部材2の内側主面20にはタッチパネル130が貼り付けられている。そして、表示パネル120は、タッチパネル130における、内側主面20側の主面とは反対側の主面に貼り付けられている。つまり、表示パネル120は、タッチパネル130を介して表示面カバー部材2の内側主面20に取り付けられている。そして、表示パネル120は表示面カバー部材2と前面側ケース3とで挟まれている。表示面カバー部材2では、表示パネル120と対向している部分が表示部分2aとなる。使用者は、表示面カバー部材2の表示部分2aを指等で操作することによって、電子機器1に対して各種指示を与えることができる。
本実施の形態では、表示面カバー部材2がサファイアから成るため、表示面カバー部材2の表示部分2a、つまり表示面カバー部材2における、使用者によって操作される部分が傷付きにくくなる。
図5に示されるように、圧電振動素子190は、表示面カバー部材2の内側主面20に対して貼付部材250によって貼り付けられている。貼付部材250としては、両面テープあるいは接着剤が採用される。
図3に示されるように、電子機器1の裏面には、具体的には背面側ケース4のカバー部材41の外側の面には、スピーカ穴12があけられている。また、電子機器1の裏面には、機器ケース5内の裏面側撮像部170が有する撮像レンズが電子機器1の外部から視認できるための裏面レンズ用透明部13が設けられている。
表示面カバー部材2の上側端部には、機器ケース5内の近接センサ140が電子機器1の外部から視認できるための近接センサ用透明部10が設けられている。また、表示面カバー部材2の上側端部には、機器ケース5内の前面側撮像部160が有する撮像レンズが電子機器1の外部から視認できるための前面レンズ用透明部11が設けられている。
図5,6に示されるように、表示面カバー部材2は前面側ケース3に対して貼付部材260によって貼り付けられる。本実施の形態では、表示面カバー部材2の内側主面20の周端部の全周囲が、貼付部材260によって前面側ケース3に貼り付けられる。貼付部材260としては、両面テープあるいは接着剤が採用される。
機器ケース5の内部に設けられた操作部200の複数の操作ボタン201のそれぞれは、いわゆる「ハードキー」である。図1に示されるように、各操作ボタン201の表面は、表示面カバー部材2の下側端部を覆う下側カバー部材7から露出している。
<表示面カバー部材の形状の詳細>
図1,2,5,7,8等に示されるように、表示面カバー部材2は、長方形の板状部材の上側の2つの角部を除去した形状を成している。表示面カバー部材2の内側主面20及び外側主面21のそれぞれは六角形を成している。
図1,2,8等に示されるように、外側主面21の外形は、第1の部分外形線23と、第2の部分外形線24と、第3の部分外形線25と、第4の部分外形線26と、第5の部分外形線27と、第6の部分外形線28とを有している。第1の部分外形線23、第2の部分外形線24、第3の部分外形線25、第4の部分外形線26、第5の部分外形線27及び第6の部分外形線28のそれぞれは直線となっている。
第1の部分外形線23及び第2の部分外形線24は、互いに平行を成して表示面カバー部材2の短手方向DR2(図7,8参照)に沿って延在している。第3の部分外形線25及び第4の部分外形線26は、互いに平行を成して表示面カバー部材2の長手方向DR1(図7,8参照)に沿って延在している。第1の部分外形線23及び第2の部分外形線24は、第3の部分外形線25及び第4の部分外形線26よりも短くなっている。また第1の部分外形線23は、第2の部分外形線24よりも短くなっている。第1の部分外形線23は、第3の部分外形線25の一端から長手方向DR1に沿って外側に延びる仮想線25aと、第4の部分外形線26の一端から長手方向DR1に沿って外側に延びる仮想線26aとの間に位置している。第2の部分外形線24の一端及び他端は、第3の部分外形線25及び第4の部分外形線26の他端とそれぞれ接続されている。
第5の部分外形線27及び第6の部分外形線28のそれぞれは、長手方向DR1及び短手方向DR2の両方に対して傾斜している。第5の部分外形線27は、第1の部分外形線23の一端から、外側に向けて斜め下方向に延びて第3の部分外形線25の一端に達している。第6の部分外形線28は、第1の部分外形線23の他端から、外側に向けて斜め下方向に延びて第4の部分外形線26の一端に達している。
同様に、内側主面20の外形は、図7に示されるように、第1の部分外形線33と、第2の部分外形線34と、第3の部分外形線35と、第4の部分外形線36と、第5の部分外形線37と、第6の部分外形線38とを有している。内側主面20が有する、第1の部分外形線33、第2の部分外形線34、第3の部分外形線35、第4の部分外形線36、第5の部分外形線37及び第6の部分外形線38は、外側主面21が有する、第1の部分外形線23、第2の部分外形線24、第3の部分外形線25、第4の部分外形線26、第5の部分外形線27及び第6の部分外形線28にそれぞれ対応する。
なお、図7,8等に示される表示面カバー部材2では、下側の2つの角部が直角を成していたが、丸くなっていても良い。また、表示面カバー部材2における下側の2つの角部は、上側の2つの角部と同様に、除去されていても良い。
以後、特に断らない限り、長手方向及び短手方向と言えば、表示面カバー部材2の長手方向及び短手方向をそれぞれ意味する。
<上側カバー部材と表示面カバー部材との関係>
図4に示されるように、上側カバー部材6は側面視において略L字形を成している。上側カバー部材6は、図4〜6等に示されるように、電子機器1の上側側面から、電子機器1の前面の上端部にかけて存在している。上側カバー部材6は、図4に示されるように、機器ケース5の上側側面、詳細には前面側ケース3の上側側面と接している。また上側カバー部材6は、機器ケース5の左右方向の側面及び下側側面を覆っていない。
上側カバー部材6は、2つの固定部材220,221によって前面側ケース3に固定されている。固定部材220,221のそれぞれは、例えばビス(ねじくぎ)である。固定部材220,221が、上側カバー部材6及び前面側ケース3に取り付けされることによって(図6参照)、上側カバー部材6と前面側ケース3とが互いに固定される。
上側カバー部材6は、図1,2等に示されるように、表示面カバー部材2の外側主面21の上端部を覆っている。具体的には、上側カバー部材6は、表示面カバー部材2の外側主面21の外形における第1の部分外形線23、第5の部分外形線27及び第6の部分外形線28を覆っている。そして、外側主面21側から見た平面視での上側カバー部材6における、外側主面21との境界線60は、外側主面21側とは反対側に湾曲している。つまり、当該境界線60は電子機器1の上端側に凸の弓形となっている。上側カバー部材6は、外側主面21が有する、第1の部分外形線23、第2の部分外形線24、第3の部分外形線25、第4の部分外形線26、第5の部分外形線27及び第6の部分外形線28のうち、第1の部分外形線23、第5の部分外形線27及び第6の部分外形線28だけを覆っており、第2の部分外形線24、第3の部分外形線25及び第4の部分外形線26は覆っていない。
上側カバー部材6は、表示面カバー部材2の外側主面21の一部を覆っているものの、図5,6等に示されるように、表示面カバー部材2とは接触しないように前面側ケース3に取り付けられている。よって、上側カバー部材6は、表示面カバー部材2には固定されていない。
固定部材220は、図1及び2に示されるように、表示面カバー部材2の外側主面21側から見た平面視において、電子機器1の左上角部に位置している。固定部材220は、図2に示されるように、外側主面21側から見た平面視において、第1の部分外形線23の一端から短手方向に沿って外側に延びる仮想線23aと、第3の部分外形線25の一端から長手方向に沿って外側に延びる仮想線25aと、第5の部分外形線27とで囲まれた領域230内に位置している。固定部材220は、上側カバー部材6における、電子機器1の前面に位置する部分に取り付けられる。なお、固定部材220は、外側主面21側から見た平面視において、当該領域230内に、使用者が視認可能な状態で位置しても良いし、蓋等が取り付けられることにより使用者が視認不可能な状態で位置しても良い。
固定部材221は、図1及び2に示されるように、外側主面21側から見た平面視において、電子機器1の右上角部に位置している。固定部材221は、図2に示されるように、外側主面21側から見た平面視において、第1の部分外形線23の他端から短手方向に沿って外側に延びる仮想線23bと、第4の部分外形線26の一端から長手方向に沿って外側に延びる仮想線26aと、第6の部分外形線28とで囲まれた領域231内に位置している。固定部材221は、上側カバー部材6における、電子機器1の前面に位置する部分に取り付けられる。なお、固定部材221は、外側主面21側から見た平面視において、当該領域231内に、使用者が視認可能な状態で位置しても良いし、蓋等が取り付けられることにより使用者が視認不可能な状態で位置しても良い。
上述のように、本実施の形態では、外側主面21側から見た平面視での上側カバー部材6における、外側主面21との境界線60は湾曲している。したがって、外側主面21における露出面21a(外側主面21において使用者が視認可能な領域)の外形の一部、具体的には当該露出面21aの上端21aaは湾曲している。また、外側主面21側から見た平面視での上側カバー部材6の上端61は外側に湾曲している。つまり、外側主面21側から見た平面視での電子機器1の上端は外側に湾曲している。本実施の形態では、デザイン性の観点から、外側主面21の露出面21aの上端21aaと、外側主面21側から見た平面視での電子機器1の上端とを互いに同じように湾曲させている。
<下側カバー部材と表示面カバー部材との関係>
図4に示されるように、下側カバー部材7は側面視において略L字形を成している。下側カバー部材7は、図4,5に示されるように、電子機器1の下側側面から、電子機器1の前面の下端部にかけて存在している。下側カバー部材7は、図4に示されるように、機器ケース5の下側側面、詳細には前面側ケース3の下側側面に接している。また下側カバー部材7は、機器ケース5の左右方向の側面及び上側側面を覆っていない。
下側カバー部材7は、2つの固定部材222,223によって前面側ケース3に固定されている。固定部材222,223のそれぞれは、例えばビス(ねじくぎ)である。固定部材222,223が、下側カバー部材7及び前面側ケース3に取り付けされることによって、下側カバー部材7と前面側ケース3とが互いに固定される。
下側カバー部材7は、図1等に示されるように、表示面カバー部材2の外側主面21の下側端部を覆っている。具体的には、下側カバー部材7は、表示面カバー部材2の外側主面21における第2の部分外形線24の全部と、外側主面21における第3の部分外形線25及び第4の部分外形線26の下側端部とを覆っている。そして、外側主面21側から見た平面視での下側カバー部材7における、外側主面21との境界線70は、短手方向に沿って延びた直線となっている。
また、外側主面21側から見た平面視での下側カバー部材7の下端71は外側に湾曲している。つまり、外側主面21側から見た平面視での電子機器1の下端は外側に湾曲している。本実施の形態では、デザイン性の観点から、外側主面21側から見た平面視での電子機器1の下端を湾曲させている。
下側カバー部材7は、表示面カバー部材2の外側主面21の一部を覆っているものの、図4,5に示されるように、当該表示面カバー部材2とは接触しないように前面側ケース3に取り付けられている。よって、下側カバー部材7は、表示面カバー部材2には固定されていない。
固定部材222は、図1に示されるように、外側主面21側から見た平面視において、電子機器1の左下角部に位置している。固定部材222は、外側主面21側から見た平面視において、第2の部分外形線24よりも下方に位置している。固定部材222は、下側カバー部材7における、電子機器1の前面に位置する部分に取り付けられる。なお、固定部材222は、外側主面21側から見た平面視において、電子機器1の左下角部に、使用者が視認可能な状態で位置しても良いし、蓋等が取り付けられることにより使用者が視認不可能な状態で位置しても良い。
固定部材223は、図1に示されるように、外側主面21側から見た平面視において、電子機器1の右下角部に位置している。固定部材223は、外側主面21側から見た平面視において、第2の部分外形線24よりも下方に位置している。固定部材223は、下側カバー部材7における、電子機器1の前面に位置する部分に取り付けられる。なお、固定部材223は、外側主面21側から見た平面視において、電子機器1の右下角部に、使用者が視認可能な状態で位置しても良いし、蓋等が取り付けられることにより使用者が視認不可能な状態で位置しても良い。
以上のように、本実施の形態では、外側主面21側から見た平面視での上側カバー部材6における、外側主面21との境界線60を湾曲させることによって、外側主面21の露出面21aの外形の一部、具体的には当該露出面21aの上端21aaを湾曲させている。
これに対して、本実施の形態とは異なり、上側カバー部材6を設けずに、外側主面21の上端が湾曲するように表示面カバー部材2を加工し、表示面カバー部材2の外側主面21が全て露出するようにすることによっても、外側主面21の露出面の上端を湾曲させることは可能である。
しかしながら、サファイアから成る表示面カバー部材2は、ガラス等から成る表示面カバー部材よりも硬いことから、外側主面21の上端が湾曲するように表示面カバー部材2を加工することは困難である。
本実施の形態では、外側主面21側から見た平面視での上側カバー部材6における、外側主面21との境界線60を湾曲させることによって、外側主面21の露出面21aの上端21aaを湾曲させていることから、外側主面21の上端が湾曲するように表示面カバー部材2を加工することなく、外側主面21の露出面21aの上端21aaを簡単に湾曲させることができる。
また、表示面カバー部材2の外側主面21の上側端部は上側カバー部材6によって覆われていることから、上側カバー部材6によって表示面カバー部材2を保護することができる。よって、電子機器1の落下等によって、表示面カバー部材2が傷付いたり、破損したりすることを抑制することができる。
また、表示面カバー部材2の外側主面21の下側端部は下側カバー部材7によって覆われていることから、下側カバー部材7によって表示面カバー部材2を保護することができる。よって、表示面カバー部材2が傷付いたり、破損したりすることを抑制することができる。
また、本実施の形態では、固定部材220は、外側主面21側から見た平面視において、第1の部分外形線23の一端から短手方向に沿って延びる仮想線23aと、第3の部分外形線25の一端から長手方向に沿って延びる仮想線25aと、第5の部分外形線27とで囲まれた領域230内に位置している(図2参照)。つまり、表示面カバー部材2の短手方向の一方の角部が除去されることによって得られた空きスペースが利用されて固定部材220が配置されている。
また、固定部材221は、外側主面21側から見た平面視において、第1の部分外形線23の他端から短手方向に沿って延びる仮想線23bと、第4の部分外形線26の一端から長手方向に沿って延びる仮想線26aと、第6の部分外形線28とで囲まれた領域231内に位置している(図2参照)。つまり、表示面カバー部材2の短手方向の他方の角部が除去されることによって得られた空きスペースが利用されて固定部材221が配置されている。
これに対して、本実施の形態とは異なり、表示面カバー部材2の左右方向の両角部が除去されていないことにより外側主面21が第5の部分外形線27及び第6の部分外形線28を有しておらず、第1の部分外形線23の一端及び他端が第3の部分外形線25及び第4の部分外形線26の一端とそれぞれ接続されている場合を考える。この場合には、外側主面21側から見た平面視において、固定部材220,221は、第1の部分外形線23よりも上側に配置する必要がある。その結果、電子機器1の長手方向の長さが大きくなってしまう。
本実施の形態では、固定部材220は、外側主面21側から見た平面視において、第1の部分外形線23の一端から延びる仮想線23aと、第3の部分外形線25の一端から延びる仮想線25aと、第5の部分外形線27とで囲まれた領域内230に位置していることから、固定部材220は、外側主面21側から見た平面視において、第1の部分外形線23よりも下側に位置する。同様に、外側主面21側から見た平面視において、固定部材221は第1の部分外形線23よりも下側に位置する。したがって、固定部材220,221の存在により、電子機器1の長手方向の長さが大きくなることを抑制することができる。
なお、固定部材220〜223は、ビス以外の部材であっても良い。例えば、固定部材220,221は、上側カバー部材6と前面側ケース3とを貼り合わせる両面テープあるいは接着剤であっても良い。同様に、固定部材222,223は、下側カバー部材7と前面側ケース3とを貼り合わせる両面テープあるいは接着剤であっても良い。
また、本実施の形態とは異なり、表示面カバー部材2の外側主面21の外形(第1の部分外形線24、第2の部分外形線24、第3の部分外形線25、第4の部分外形線26、第5の部分外形線27及び第6の部分外形線28)をすべて覆うようなカバー部材が機器ケース5に取り付けられた場合には、当該カバー部材と表示面カバー材2との間に使用者の爪等が入り易くなり、当該カバー部材がめくれることがある。
本実施の形態では、表示面カバー部材2の外側主面21での短手方向の両辺(第3の部分外形線25と第4の部分外形線26)の大部分は、上側カバー部材6及び下側カバー部材7に覆われていないことから、表示面カバー部材2と上側カバー部材6の間、及び表示面カバー部材2と下側カバー部材7の間に使用者の爪等が入りにくくなる。よって、上側カバー部材6及び下側カバー部材7がめくれることを抑制することができる。
<圧電振動素子の詳細>
図10,11は、それぞれ、圧電振動素子190の構造を示す上面図及び側面図である。図10,11に示されるように、圧電振動素子190は一方向に長い形状を成している。具体的には、圧電振動素子190は、平面視で長方形の細長い板状を成している。圧電振動素子190は、例えばバイモルフ構造を有している。圧電振動素子190は、シム材190cを介して互いに貼り合わされた第1圧電セラミック板190a及び第2圧電セラミック板190bを備えている。
圧電振動素子190では、第1圧電セラミック板190aに対して正の電圧を印加し、第2圧電セラミック板190bに対して負の電圧を印加すると、第1圧電セラミック板190aは長手方向に沿って伸び、第2圧電セラミック板190bは長手方向に沿って縮むようになる。これにより、図12に示されるように、圧電振動素子190は、第1圧電セラミック板190aを外側にして山状に撓むようになる。
一方で、圧電振動素子190では、第1圧電セラミック板190aに対して負の電圧を印加し、第2圧電セラミック板190bに対して正の電圧を印加すると、第1圧電セラミック板190aは長手方向に沿って縮み、第2圧電セラミック板190bは長手方向に沿って伸びるようになる。これにより、図13に示されるように、圧電振動素子190は、第2圧電セラミック板190bを外側にして山状に撓むようになる。
圧電振動素子190は、図12の状態と図13の状態とを交互にとることによって、長手方向に沿って撓み振動を行う。制御部100は、第1圧電セラミック板190aと第2圧電セラミック板190bとの間に、正の電圧と負の電圧とが交互に現れる交流電圧を印加することによって、圧電振動素子190を長手方向に沿って撓み振動させる。
なお、図10〜13に示される圧電振動素子190では、シム材190cを間に挟んで貼り合わされた第1圧電セラミック板190a及び第2圧電セラミック板190bから成る構造が1つだけ設けられていたが、複数の当該構造を積層させても良い。
このような構造を有する圧電振動素子190は、図7に示されるように、表示面カバー部材2の内側主面20の周端部に配置される。具体的には、圧電振動素子190は、表示面カバー部材2の内側主面20の上側端部における、短手方向DR2の中央部に配置される。また、圧電振動素子190は、その長手方向が、表示面カバー部材2の短手方向DR2に沿うように配置される。これにより、圧電振動素子190は、表示面カバー部材2の短手方向DR2に沿って撓み振動を行う。そして、圧電振動素子190の長手方向の中心は、表示面カバー部材2の内側主面20の上側端部における短手方向DR2の中心と一致している。
ここで、上述の図12,13に示されるように、撓み振動を行う圧電振動素子190では、その長手方向の中心が最も変位量が大きくなる。したがって、圧電振動素子190の長手方向の中心が、表示面カバー部材2の内側主面20の上側端部における短手方向DR2の中心と一致することによって、圧電振動素子190における、撓み振動での変位量が最大となる箇所が、表示面カバー部材2の内側主面20の上側端部における短手方向DR2の中心に一致するようになる。
また、内側主面20が有する第5の部分外形線37における、第3の部分外形線35と接続された一端と、内側主面20が有する第6の部分外形線38における、第4の部分外形線36と接続された一端とを通る直線の仮想線39を考える。本実施の形態では、圧電振動素子190の少なくとも一部は、仮想線39と、第5の部分外形線37と、第6の部分外形線38と、第1の部分外形線33とで囲まれた領域240内に配置されている。なお、圧電振動素子190のすべてを当該領域240内に配置しても良い。
<受話音の発生について>
本実施の形態に係る電子機器1では、圧電振動素子190が表示面カバー部材2を振動させることによって、当該表示面カバー部材2から気導音及び伝導音が使用者に伝達される。言い換えれば、圧電振動素子190自身の振動が表示面カバー部材2に伝わることにより、当該表示面カバー部材2から気導音及び伝導音が使用者に伝達される。
ここで、気導音とは、外耳道孔(いわゆる「耳の穴」)に入った音波(空気振動)が鼓膜を振動させることによって、人の脳で認識される音である。一方で、伝導音とは、耳介が振動させられ、その耳介の振動が鼓膜に伝わって当該鼓膜が振動することによって、人の脳で認識される音である。以下に、気導音及び伝導音について詳細に説明する。
図14は気導音及び伝導音を説明するための図である。図14には、電子機器1の使用者の耳の構造が示されている。図12においては、波線400は気道音が脳で認識される際の音信号(音情報)の伝導経路を示している。実線410は伝導音が脳で認識される際の音信号の伝導経路を示している。
表示面カバー部材2に取り付けられた圧電振動素子190が、受話音を示す電気的な音信号に基づいて振動させられると、表示面カバー部材2が振動して、当該表示面カバー部材2から音波が出力される。使用者が、電子機器1を手に持って、当該電子機器1の表示面カバー部材2を当該使用者の耳介300に近づけると、あるいは当該電子機器1の表示面カバー部材2を当該使用者の耳介300に当てると(接触させると)、当該表示面カバー部材2から出力される音波が外耳道孔310に入る。表示面カバー部材2からの音波は、外耳道孔310内を進み、鼓膜320を振動させる。鼓膜320の振動は耳小骨330に伝わり、耳小骨330が振動する。そして、耳小骨330の振動は蝸牛340に伝わって、蝸牛340において電気信号に変換される。この電気信号は、聴神経350を通って脳に伝達され、脳において受話音が認識される。このようにして、表示面カバー部材2から使用者に対して気導音が伝達される。
また、使用者が、電子機器1を手に持って、当該電子機器1の表示面カバー部材2を当該使用者の耳介300に当てると、耳介300が、圧電振動素子190によって振動させられている表示面カバー部材2によって振動させられる。耳介300の振動は鼓膜320に伝わり、鼓膜320が振動する。鼓膜320の振動は耳小骨330に伝わり、耳小骨330が振動する。そして、耳小骨330の振動は蝸牛340に伝わり、蝸牛340において電気信号に変換される。この電気信号は、聴神経350を通って脳に伝達され、脳において受話音が認識される。このようにして、表示面カバー部材2から使用者に対して伝導音が伝達される。図14では、耳介300内部の耳介軟骨300aも示されている。
なお、ここでの伝導音は、骨導音(「骨伝導音」とも呼ばれる)とは異なるものである。骨導音は、頭蓋骨を振動させて、頭蓋骨の振動が直接蝸牛などの内耳を刺激することによって、人の脳で認識される音である。図14においては、例えば下顎骨500を振動させた場合において、骨伝導音が脳で認識される際の音信号の伝達経路を複数の円弧420で示している。
このように、本実施の形態では、圧電振動素子190が前面の表示面カバー部材2を適切に振動させることによって、表示面カバー部材2から電子機器1の使用者に対して気導音及び伝導音を伝えることができる。使用者は、表示面カバー部材2に耳(耳介)を近づけることによって当該表示面カバー部材2からの気導音を聞くことができる。また使用者は、表示面カバー部材2に耳(耳介)を接触させることによって当該表示面カバー部材2からの気導音及び伝導音を聞くことができる。本実施の形態に係る圧電振動素子190では、使用者に対して適切に気導音及び伝導音を伝達できるように、その構造が工夫されている。使用者に対して気導音及び伝導音を伝えることができるように電子機器1を構成することによって様々メリットが発生する。
例えば、使用者は、表示面カバー部材2を耳に当てれば音が聞こえることから、電子機器1において耳を当てる位置をそれほど気にすることなく通話を行うことができる。
また、使用者は、周囲の騒音が大きい場合には、耳を表示面カバー部材2に強く押し当てることによって、伝導音の音量を大きくしつつ、周囲の騒音を聞こえにくくすることができる。よって、使用者は、周囲の騒音が大きい場合であっても、適切に通話を行うことができる。
また、使用者は、耳栓やイヤホンを耳に取り付けた状態であっても、表示面カバー部材2を耳(より詳細には耳介)に当てることによって、電子機器1からの受話音を認識することができる。また、使用者は、耳にヘッドホンを取り付けた状態であっても、当該ヘッドホンに表示面カバー部材2を当てることによって、電子機器1からの受話音を認識することができる。
なお、表示面カバー部材2のうち、圧電振動素子190が取り付けられている部分が比較的振動し易くなる。したがって、使用者は、表示面カバー部材2のうち圧電振動素子190が取り付けられている上側端部(特に上側端部の短手方向DR2の中央部)に対して、耳を近づけたり、耳を押し当てたりすると、表示面カバー部材2からの音が聞こえ易くなる。
また、本実施の形態では、上述のように、表示面カバー部材2の外側主面21の上端部を覆う上側カバー部材6は、表示面カバー部材2に固定されていないことから、表示面カバー部材2が上側カバー部材6によって振動しにくくなることを抑制することができる。よって、上側カバー部材6によって、表示面カバー部材2からの音が使用者に伝達されにくくなることを抑制することができる。
また、本実施の形態では、表示面カバー部材2の外側主面21の下端部を覆う下側カバー部材7は、表示面カバー部材2に固定されていないことから、表示面カバー部材2が下側カバー部材7によって振動しにくくなることを抑制することができる。よって、下側カバー部材7によって、表示面カバー部材2からの音が使用者に伝達されにくくなることを抑制することができる。
なお、上記の例では、第5の部分外形線27,37及び第6の部分外形線28,38の形状は、直線であったが、それ以外の形状であっても良い。例えば、第5の部分外形線27,37及び第6の部分外形線28,38の形状は、曲線であっても良いし、波形であっても良い。
また上記の例では、本願発明を携帯電話機に適用する場合を例にあげて説明したが、本願発明は、スマートフォン等の携帯電話機以外の電子機器、例えばタブレット端末等にも適用することができる。
以上のように、電子機器1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。