JP6036541B2 - 太陽熱発電用の集熱レシーバー及びその補修方法 - Google Patents
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Description
発電容量が20MW程度の太陽熱発電設備においては、集熱レシーバーの受光面の面積は200〜400m2程度である。
特許文献1(特許文献1のFig.2)に示される集熱レシーバーは、多孔質熱吸収体(セラミックハニカム)を多数並べて受光面を形成したものであり、太陽光の照射を受けて多孔質熱吸収体が加熱され、大気が多孔質熱吸収体を通過する間に加熱されて高温の空気となり、太陽熱が回収される。多孔質熱吸収体は個別にサポートに支持され、このサポートは集熱レシーバーの基礎に固定されている。多孔質熱吸収体は6角形をしており、個別にサポートに支持されて、密に配置されている。なお、特許文献1には具体的に記載されていないが、多孔質熱吸収体を交換する際には、地上から高さ100m以上の集光タワー最上部からクレーンを吊り下げ、集熱レシーバーの外側(受光面側)から当該多孔質熱吸収体をサポートごと取り外して交換するものと推定される。極めて高い場所での作業であるので、危険を伴い、交換コストも高い。
また、集熱レシーバーの受光面には、太陽が出ている日中のみ太陽光が集光されて高温になり、夜間は大気に晒されて大気温度まで冷却されるという、加熱・冷却が毎日繰り返される。したがって、上記のような受光面の構成部材の温度分布(温度偏差)の発生も毎日繰り返されることになる。
また、多くのヘリオスタットからの太陽光が受光面に集まるため、受光面内で集光エネルギー密度に大きなばらつきが発生する。
受光面温度が最高1200℃を超えるような集熱レシーバーでは、受光面に、繰り返し応力に対する強度が大きい炭化珪素を主成分とするセラミックハニカムが用いられている。炭化珪素を主成分とするセラミックスは、線膨張係数が概ね3〜4×10−61/℃程度であり、例えば20℃から1200℃まで温度が上がると、長さ1mのセラミックスが3.5〜4.7mm程度伸びる。セラミックハニカムは受光面のみが温度上昇して伸びるが、光が当たらない部分は温度が大きく上昇せず、セラミックス内部に伸び量の分布を生じ、その結果、応力を生じる。この応力がセラミックスの圧縮強度や引張強度を超えるとセラミックスが破壊される。
セラミックハニカムの脱落などが生じると、設備を停止して補修する必要があるが、集熱レシーバーは、高さが100m〜150m程度の集光タワー上部に設置されるため、その補修には多大な費用がかかるばかりでなく、夜間に補修が完了しないと、昼間の発電ができなくなるという機会損失が発生する問題もある。
また、本発明の他の目的は、セラミックハニカムの割れや脱落が生じにくいことに加え、セラミックハニカムを容易且つ安価に組み立てることができ、しかもセラミックハニカムの交換も容易な集熱レシーバーを提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、そのような集熱レシーバーにおいてセラミックハニカムの交換を容易に行うことができる補修方法を提供することにある。
また、セラミックハニカムの保持構造について検討した結果、特定のハニカム保持体にセラミックハニカムを保持させることにより、セラミックハニカムを容易且つ安価に組み立てることができ、しかもセラミックハニカムの交換(補修)を容易に行うことができことが判った。
[1]複数のセラミックハニカム(2)が、熱媒ガス通路であるセル(20)が並列するように並べられ、各セラミックハニカム(2)の端面が受光面(a)を構成する受光集熱体(1)を備え、
熱媒ガスが、受光面(a)側から各セラミックハニカム(2)のセル(20)を通過して反受光面(b)側に流れる過程で、各セラミックハニカム(2)に集熱された太陽熱で加熱されるようにした集熱レシーバーにおいて、
下記(1)式で規定される各セラミックハニカム(2)の相当直径Dが100mm以上150mm以下であり、下記(2)式で規定される各セラミックハニカム(2)の形状比率Rが1.0以上1.5以下であることを特徴とする太陽熱発電用の集熱レシーバー。
D=4M/P …(1)
R=D/Z …(2)
但し D:相当直径(mm)
M:セラミックハニカム(2)の受光面(a)の面積[mm2]
P:セラミックハニカム(2)の受光面(a)の周長[mm]
R:形状比率[−]
Z:セラミックハニカム(2)の受光面(a)と反受光面(b)間の距離[mm]
[3]上記[1]又は[2]の集熱レシーバーにおいて、受光集熱体(1)は、レシーバー下部に支持されるハニカム保持体(3)を備え、
該ハニカム保持体(3)は、横方向のハニカムサポート(4)と縦方向の支柱(5)を格子状に組み立てることで構成され、
ハニカム保持体(3)の格子のマス目に相当する各空間(s)内に、左右2つ・上下2段からなる4つのセラミックハニカム(2)が収納されるとともに、上下及び左右で隣接するセラミックハニカム(2)間にはスペーサ(6)が介装され、
ハニカムサポート(4)が、連結部材(7)を介して、レシーバーが備える支持部材(8)に連結されることを特徴とする太陽熱発電用の集熱レシーバー。
各空間(s)を形成する上下のハニカムサポート(4)のストッパー部(40)間の垂直方向距離Lと、各空間(s)に収納されて上下で隣接する2つのセラミックハニカム(2)の合計高さhと、これら2つのセラミックハニカム(2)間に介装されるスペーサ(6)の厚さtが、L>h、L<h+tの関係を満足することを特徴とする太陽熱発電用の集熱レシーバー。
ハニカムサポート(4)及び支柱(5)を取り外すことなく、隣接するセラミックハニカム(2)間に介装されたスペーサ(6)を取り外した後、セラミックハニカム(2)の取り出しと新たなセラミックハニカム(2)の取り付けを行い、その後、隣接するセラミックハニカム(2)間へのスペーサ(6)の取り付けを行い、セラミックハニカム(2)の交換を完了することを特徴とする集熱レシーバーの補修方法。
また、本発明の集熱レシーバーにおいて、特定の構造のハニカム保持体にセラミックハニカムを保持させることにより、セラミックハニカムを容易且つ安価に組み立てることができ、しかもセラミックハニカムの交換も容易に行うことができ、太陽熱発電の経済性をより高めることができる。
以上のような集熱レシーバーの基本構造や機能は、従来の集熱レシーバーと同様である。
なお、セラミックハニカムとは、蜂の巣のような細い筒状の穴が多数並列的に形成されたセラミックス材料であり、筒状の穴がセルと呼ばれる。ただし、穴の断面形状は六角形に限らず、四角形など任意である。
集光方法としては、集光タワーの北側に直径50cmの鏡を備えたヘリオスタットを多数配置し、鏡の角度を調節して反射光が前記受光集熱体の受光面に集光するようにした。鏡の総数は700枚である。実験を行うにあたっては、太陽光の直達日射量を測定して受光面への入熱エネルギー(入射光強度)を計算した。また、セラミックハニカム内部や、セラミックハニカムの反受光面側に温度計を設置して各部分の温度変化を測定した。
セラミックハニカムH1〜H9の全てについて、受光面−10mm位置(P1)、厚さ方向中心位置(P2)、反受光面−10mm位置(P3)、反受光面+10mm位置(P4)の各4点、合計36点に温度センサーを設置して、各点での温度を測定した。また、図には示さないが、直達日射強度、大気の温度、セラミックハニカムを通過する空気の流量も測定し、熱回収率の計算に使用した。
表2によれば、P1〜P3の温度に示されるように、セラミックハニカム厚さ方向(受光面〜反受光面の方向)に72℃〜270℃の大きな温度偏差が生じていることが判る。各セラミックハニカムでは、このような温度偏差の発生が毎日繰り返されることになる。
また、多くのヘリオスタットからの太陽光が受光面に集まるため、受光面内で集光エネルギー密度にばらつきが発生し、表2のP1に示されるように、受光面内での温度は590℃〜1247℃と大きなばらつきを生じている。
実験は、午前10時から午後2時の、太陽の高度が高く、かつ太陽の方位が南方向にあって、集光条件が良い時間帯を選んで行った。実験後には毎回、集光を止めてセラミックハニカムを大気で冷却し、受光面に割れや脱落が無いか確認した。
D=4M/P …(1)
R=D/Z …(2)
但し D:相当直径(mm)
M:セラミックハニカム2の受光面aの面積[mm2]
P:セラミックハニカム2の受光面aの周長[mm]
R:形状比率[−]
Z:セラミックハニカム2の受光面aと反受光面b間の距離[mm]
以上をまとめると、相当直径Dが150mm以下、形状比率Rが1.0〜1.5において割れが生じていない。一方、相当直径Dが100mm未満であると、必要とする受光面面積を確保するために必要となるセラミックハニカムの数が増加し、これを保持するための部材の数も増加するので、設備費が高くなる。
図1に示すセラミックハニカム2の受光面aは正方形状であるが、受光面aの形状は任意であり、正方形状である必要はない。なお、受光面a及び受光面Aはほぼ鉛直方向に形成されるのが望ましい。
なお、相当直径Dが100mm以上150mm以下であっても、受光面aの縦・横の寸法のいずれかが極端に長い長方形では割れ易いので、受光面aの縦・横の寸法も夫々100mm以上150mm以下であることが好ましい。
受光集熱体1は、レシーバー下部(例えば、レシーバーのケーシングなどの構造部下部)に支持されるハニカム保持体3を備えており、複数のセラミックハニカム2は、このハニカム保持体3に保持されている。
ハニカム保持体3は、横方向のハニカムサポート4と縦方向の支柱5を格子状に組み立てることで構成されている。ハニカムサポート4と支柱5は、それぞれ板状部材により構成されており、ともにセラミックハニカム2と同じセラミックス材料又は同じ熱膨張係数を有する耐熱材料(セラミックス材料、金属材料など)で作られることが好ましい。ここで、ハニカム保持体3は、水平方向で隣接するハニカムサポート4どうしの端部を突き合わせ、その各突き合わせ部に支柱5の下端を載せて支柱5を立て、次いで、その各支柱5の上端に、上段の水平方向で隣接するハニカムサポート4どうしの端部の突き合わせ部を載せ、さらに、その各突き合わせ部に支柱5の下端を載せて支柱5を立てる、という手順を繰り返すことで下側から順次組み立てられる。
このようにしてハニカム保持体3にセラミックハニカム2が収納・保持された状態で、セラミックハニカム2、ハニカムサポート4、支柱5、スペーサ6の垂直加重は、支柱5により支えられる。そのため、支柱5は十分な圧縮強度を有するよう、材料選択、断面の大きさの設計がなされる。
空間s内に収納されたセラミックハニカム2が、その空間s内に確実に拘束されるようにするため、ハニカムサポート4の受光面a側の端部と反受光面b側の端部には、セラミックハニカム2の受光面a側の端部と反受光面b側の端部が各々係合(当接)可能なストッパー部40が突設されている。このストッパー部40は、空間sに収納され、上面又は下面がハニカムサポート4に接するセラミックハニカム2が、受光面・反受光面方向に動いて空間sから出てしまうことを阻止する役目をする。
ハニカムサポート4の反受光面b側の両側端部には、ブラケット9が突設され、このブラケット9には連結部材7を差し込むための差込孔10が形成されている。
図6は、連結部材7の詳細を示すもので、図6(a)は平面図、図6(b)は図6(a)中のVI−VI線に沿う断面図である。この連結部材7は、U字状の本体70と、この本体70の両端部に直角に連設された差込軸部71からなる。この連結部材7は、耐熱性を有する金属又はセラミックスで構成される。
以上のような本実施形態の受光集熱体1は、ハニカムサポート4、支柱5、セラミックハニカム2、スペーサ6、連結部材7を、レシーバー下部(例えば、レシーバーのケーシングなどの構造部下部)から上に向かって順に組み上げることにより、簡単に構成することができ、受光面を形成することができる。
なお、本発明の集熱レシーバーは、上述した受光集熱体1以外の構成に特別な制限はないが、集熱レシーバーとしては、例えば、先端側の開口に受光集熱体1が設置され、後端側に排気口を有するケーシングと、このケーシングの内部に配置される伝熱管(受光集熱体1を通過した熱媒ガスから熱回収するための熱交換器)と、ケーシングの排気口に接続される排気手段を備えたものなどが挙げられる。
2 セラミックハニカム
3 ハニカム保持体
4 ハニカムサポート
5 支柱
6 スペーサ
7 連結部材
8 支持部材
9 ブラケット
10 差込孔
20 セル
40 ストッパー部
70 本体
71 差込軸部
a,A 受光面
b 反受光面
s 空間
Claims (3)
- 複数のセラミックハニカム(2)が、熱媒ガス通路であるセル(20)が並列するように並べられ、各セラミックハニカム(2)の端面が受光面(a)を構成する受光集熱体(1)を備え、
熱媒ガスが、受光面(a)側から各セラミックハニカム(2)のセル(20)を通過して反受光面(b)側に流れる過程で、各セラミックハニカム(2)に集熱された太陽熱で加熱されるようにした集熱レシーバーにおいて、
下記(1)式で規定される各セラミックハニカム(2)の相当直径Dが100mm以上150mm以下であり、下記(2)式で規定される各セラミックハニカム(2)の形状比率Rが1.0以上1.5以下であり、
D=4M/P …(1)
R=D/Z …(2)
但し D:相当直径(mm)
M:セラミックハニカム(2)の受光面(a)の面積[mm2]
P:セラミックハニカム(2)の受光面(a)の周長[mm]
R:形状比率[−]
Z:セラミックハニカム(2)の受光面(a)と反受光面(b)間の距離[mm]
受光集熱体(1)は、レシーバー下部に支持されるハニカム保持体(3)を備え、
該ハニカム保持体(3)は、横方向のハニカムサポート(4)と縦方向の支柱(5)を格子状に組み立てることで構成され、
ハニカム保持体(3)の格子のマス目に相当する各空間(s)内に、左右2つ・上下2段からなる4つのセラミックハニカム(2)が収納されるとともに、上下及び左右で隣接するセラミックハニカム(2)間にはスペーサ(6)が介装され、
ハニカムサポート(4)が、連結部材(7)を介して、レシーバーが備える支持部材(8)に連結され、
ハニカムサポート(4)の受光面(a)側の端部と反受光面(b)側の端部には、セラミックハニカム(2)の受光面(a)側の端部と反受光面(b)側の端部が各々係合可能なストッパー部(40)が突設され、
各空間(s)を形成する上下のハニカムサポート(4)のストッパー部(40)間の垂直方向距離Lと、各空間(s)に収納されて上下で隣接する2つのセラミックハニカム(2)の合計高さhと、これら2つのセラミックハニカム(2)間に介装されるスペーサ(6)の厚さtが、L>h、L<h+tの関係を満足することを特徴とする太陽熱発電用の集熱レシーバー。 - 各セラミックハニカム(2)は、形状が直方体又は角柱状であり、炭化珪素系セラミックスで構成されることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱発電用の集熱レシーバー。
- 請求項1又は2に記載の集熱レシーバーについて、セラミックハニカム(2)を交換する補修を行うに際し、
ハニカムサポート(4)及び支柱(5)を取り外すことなく、隣接するセラミックハニカム(2)間に介装されたスペーサ(6)を取り外した後、セラミックハニカム(2)の取り出しと新たなセラミックハニカム(2)の取り付けを行い、その後、隣接するセラミックハニカム(2)間へのスペーサ(6)の取り付けを行い、セラミックハニカム(2)の交換を完了することを特徴とする集熱レシーバーの補修方法。
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