以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図2は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型インクジェット記録装置であり、装置本体1の左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド31、32でキャリッジ33を主走査方向に移動可能に保持し、後述する主走査モータによってタイミングベルトを介してキャリッジ主走査方向に移動走査する。
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34a、34b(区別しないときは「記録ヘッド34」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド34は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク35a、35b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このヘッドタンク35には、カートリッジ装填部4に着脱自在に装着される各色のメインタンクであるインクカートリッジ10y、10m、10c、10kから、供給ポンプユニット24によって各色の供給チューブ36を介して、各色の記録液が補充供給される。
また、キャリッジ33の主走査方向に沿ってエンコーダスケール91が配設され、キャリッジ33にはエンコーダスケール91を読み取るエンコーダセンサ92が設けられて、これらのエンコーダスケール91とエンコーダセンサ92によってリニアエンコーダ90を構成し、このリニアエンコーダ90の検出信号によってキャリッジ33の主走査位置(キャリッジ位置)や移動量を検出するようにしている。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト51は、後述する副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロである拍車63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81を配置している。
この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのワイパ部材(ワイパブレード)83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84と、キャリッジ33をロックするキャリッジロック87などとを備えている。
また、このヘッドの維持回復機構81の下方側には維持回復動作によって生じる廃液を収容するための廃液タンク100が装置本体に対して交換可能に装着される。
また、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口部89などを備えている。
さらに、維持回復機構81と搬送ベルト51との間には、記録ヘッド34の複数のノズルの滴吐出状態を検出してノズルが正常か否かを検知する滴吐出検知部(手段)700が配置されている。
滴吐出検知部700は、例えばレーザー光を出射する発光手段と、レーザー光を受光する受光手段とを有し、レーザー光がノズルから吐出された液滴で遮られるか否か(直接光方式)、あるいは、レーザー光が吐出された液滴からの散乱光を受光するか否か(散乱光方式)によって、ノズルからの滴吐出が正常か否(吐出不良)かを検知する。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド部材45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
そして、記録ヘッド34のノズルの維持回復を行うときには、キャリッジ33をホーム位置である維持回復機構81に対向する位置に移動して、キャップ部材82によるキャッピングを行ってノズルからの吸引を行うノズル吸引、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出などの維持回復動作を行うことにより、安定した液滴吐出による画像形成を行うことができる。
次に、ヘッドタンク35の一例について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3は同ヘッドタンク35の1つのノズル列分の模式的上面説明図、図4は同じく模式的正面説明図である。
ヘッドタンク35は、インクを保持するための一側部が開口したインク収容部を形成するタンクケース201を有し、このタンクケース201の開口部は撓むことが可能な部材であるフィルム203で密閉してインク収容部202を形成し、タンクケース201内に配置した弾性部材としてバネ204の復元力によってフィルム203を常時外方へ付勢している。
このように、タンクケース201のフィルム203にバネ204の復元力が作用していることで、タンクケース201のインク収容部202内のインク残量が減少することによって負圧が発生する。
また、タンクケース201の外側には、一端部側を支軸206で揺れ動くことが可能なように支持され、スプリング210によってタンクケース201側に向けて押し付けられているフィラからなる変位部材(以下、単に「フィラ」とも表記することがある。)205がフィルム203に接着などで固定され、フィルム203の動きに連動して変位部材205が変位する。
この変位部材205をキャリッジ33に設ける後述する第1検知手段(第1センサ)251や装置本体側に配置された後述する第2検知手段(第2センサ)301などで検知することでヘッドタンク35内のインク残量や負圧などを検知することができる。
また、タンクケース201の上部には、インクカートリッジ10からインクを供給するための供給口部209があり、インク供給チューブ36に接続されている。また、タンクケース201の側部には、ヘッドタンク35内を大気に開放する大気開放機構207が設けられている。
この大気開放機構207は、ヘッドタンク35内に連通する大気開放路207aを開閉する弁体207b及びこの弁体207bを閉弁状態に付勢するスプリング207cなどを備え、装置本体側の大気開放ソレノイド302によって弁体207bを押すことで開弁されて、ヘッドタンク35内に大気開放状態(大気に連通した状態)になる。
また、ヘッドタンク35内のインク液面高さを検出するための電極ピン208aと208bが取り付けられている。インクは電導性を持っており、電極ピン208aと208bの所までインクが到達すると、電極ピン208aと208b間に電流が流れて両者の抵抗値が変化するため、インク液面高さが所定高さ以下になった、すなわち、ヘッドタンク35の空気量が所定量以上になったことを検出することができる。
次に、この画像形成装置におけるインク供給排出系について図5を参照して説明する。
まず、インクカートリッジ(以下、「メインタンク」という。)10からヘッドタンク35に対するインク供給は、供給ポンプユニット24の送液手段である送液ポンプ241によって供給チューブ36を介して行なわれる。なお、送液ポンプ241は、チューブポンプなどで構成した可逆ポンプであり、インクカートリッジ10からヘッドタンク35にインクを供給する動作と、ヘッドタンク35からインクカートリッジ10にインクを戻す動作とを行なえるようにしている。
また、維持回復機構81は、前述したように記録ヘッド34のノズル面をキャッピングする吸引キャップ82aと、吸引キャップ82aに接続された吸引ポンプ812を有し、キャップ82aでキャッピングした状態で吸引ポンプ812を駆動することで吸引チューブ811を介してノズルからインクを吸引することによってヘッドタンク35内のインクを吸引することができる。なお、吸引された廃インクは廃液タンク100に排出される。
また、装置本体側にはヘッドタンク35の大気開放機構207を開閉する部材である大気開放ソレノイド302が配設され、この大気開放ソレノイド302を作動させることで大気開放機構207を開放することができる。
さらに、キャリッジ33には変位部材205を検知する第1検知手段である光学センサからなる第1センサ251が設けられ、装置本体側には変位部材205を検知する光学センサからなる第2検知手段である第2センサ301が設けられている。後述するように、これらの第1センサ251と第2センサ301の検知結果を使用してヘッドタンク35に対するインク供給動作を制御する。
なお、上述した送液ポンプ241、大気開放ソレノイド302、吸引ポンプ812の駆動制御、本発明に係るインク供給制御動作は、制御部500によって行なわれる。
次に、第1センサ及び第2センサの配置例の異なる例について図6及び図7を参照して説明する。図6及び図7は同配置例の説明に供する側面説明図である。
図6に示す第1例は、ヘッドタンク35の変位部材205に支軸206(支点)からの長さの異なる検知部205A、205Bを下方に設けて設け、キャリッジ33に設けた第1センサ251で検知部205Aを、装置本体側の部材(ベース部材)101に設けた第2センサ301で検知部205Bを検知する構成としている。
図7に示す第2例は、ヘッドタンク35の変位部材205に支軸206(支点)からの長さが同じ検知部205A、205Bを設けて、キャリッジ33の第1センサ251で検知部205Aを、装置本体側の第2センサ301で検知部205Bを検知する構成としている。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図8を参照して説明する。図8は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部500は、この装置全体の制御を司り、本発明における供給制御手段、計測手段、検出する手段、補正する手段などの各種制御手段を兼ねるCPU501と、CPU501が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505とを備えている。
また、記録ヘッド34を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含む印刷制御部508と、キャリッジ33側に設けた記録ヘッド34を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)509と、キャリッジ33を移動走査する主走査モータ554、搬送ベルト51を周回移動させる副走査モータ555、維持回復機構81の維持回復モータ556を駆動するためのモータ駆動部510と、帯電ローラ56にACバイアスを供給するACバイアス供給部511と、ヘッドタンク35の大気開放機構207を開閉する装置本体側に設けられた大気開放ソレノイド302、送液ポンプ241を駆動する供給系駆動部512などを備えている。
また、この制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F506を持っていて、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してI/F506で受信する。
そして、制御部500のCPU501は、I/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含み、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部508から与えられる駆動信号を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド34の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド34を駆動する。このとき、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
I/O部513は、装置に装着されている各種のセンサ群515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ駆動部510、ACバイアス供給部511の制御、ヘッドタンク35に対するインク供給の制御などに使用する。
センサ群515は、前述した第1センサ251、第2センサ301、検知電極ピン208a、208bのほか、用紙の位置を検出するための光学センサや、機内の温度、湿度を監視するためのサーミスタ(環境温度センサ、環境湿度センサ)、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがあり、I/O部513は様々のセンサ情報を処理することができる。
また、制御部500は、滴吐出検知部700を制御して、記録ヘッド34のノズルの滴吐出状態を検知する。
次に、ヘッドタンク35の変位部材205の位置検知について図9及び図10を参照して説明する。図9はヘッドタンクの変位部材の変位の説明に供する模式的説明図、図10は同位置検知の説明に供する模式的平面説明図である。なお、以下の図ではヘッドタンクは簡略化して図示する。
ヘッドタンク35の変位部材205は、内部の液体残量に応じて例えば図9(a)の実線図示の位置と同図(b)の破線図示の位置の間で変位する。
そこで、図10に示すように、装置本体側の第2センサ301にてヘッドタンク35の変位部材205を検知したときのキャリッジ33の位置をエンコーダ90にて記憶しておき、ヘッドタンク35の変位部材205が変位したときに、再度第2センサ301にてヘッドタンク35の変位部材205を検知するまでキャリッジ33を移動させて、その時のキャリッジ33の位置をエンコーダ90で読取ることで、変位部材205の位置ないし変位量をキャリッジ位置の差分として検知することができる。
このとき、変位部材205の初期位置に対応するヘッドタンク35の液体残量と、変位部材205の変位量に対応する液体量を予め把握しておくことで、検出した変位部材205の変位量からヘッドタンク35内の液体残量を把握することができる。
そこで、例えば、第2センサ301を使用してヘッドタンク35の変位部材205を検知することでヘッドタンク35に対する液体供給を制御するときには、印刷動作を停止して、第2センサ301によって変位部材205が検知される位置までキャリッジ33を移動させて液体供給動作を行う。
一方、印刷動作中にヘッドタンク35に液体供給を行うときには、後述するように、第2センサ301によって変位部材205が検知される位置までキャリッジ33を移動させることなく、第1センサ251を使用して液体供給動作を行う。
次に、ヘッドタンク35内の負圧と液体量の関係について図11を参照して説明する。図11はヘッドタンク内負圧とヘッドタンクから排出されたインク量(「排インク量」)又はヘッドタンク内のインク量の関係を説明する説明図である。
前述したように、ヘッドタンク35内にインクを供給した状態で、ヘッドタンク35内のインクをノズルから吸引して排出させ、あるいは、送液ポンプ241によってメインタンク10に逆送することで、フィルム203がバネ204の復元力に抗して内方に引き込まれ、バネ204が圧縮されて負圧が高まる。この状態から、ヘッドタンク35内にインクを供給すると、フィルム203が外方向に押し出されるので、バネ204が伸びて負圧が低下する。
ここで、ヘッドタンク35内の負圧が弱すぎる(負圧が低すぎる)と、記録ヘッド34のノズルからのインク漏れが発生する。逆に、負圧が強すぎる(高すぎる)と、ノズルから空気や塵を内部に引き込んで、吐出不良の原因となる。また、良好な滴吐出のために最適化されたメニスカス形状保持するためには、ヘッドタンク35内の負圧(圧力)を一定の範囲内になるように制御する必要がある。
すなわち、図11に示すように、ヘッドタンク35内の負圧はヘッドタンク35からの排インク量と相関関係にあり、ヘッドタンク35内のインク量が多い(排インク量が少ない)とき、ヘッドタンク35内の負圧は小さく弱い状態であり、インク量が少ない(排インク量が多い)とき、ヘッドタンク35内の負圧は大きく強くなる。
そこで、ヘッドタンク35内からの排インク量を、ヘッドタンク35内の負圧が所定の負圧管理範囲A内に収まる排インク量Bの範囲内になるように、ヘッドタンク35に対するインク供給を制御するようにしている。
この負圧管理範囲Aの下限値(負圧が小さい値、排インク量が少ない値)に対応するヘッドタンク35の排インク量を変位部材205の変位位置で「インク供給上限位置」(インク量で「インク供給上限値」)とし、上限値(負圧が大きい値、排インク量が多い値)に対応するヘッドタンク35の排インク量を変位部材205の変位位置で「インク消費下限位置」(インク量で「インク消費下限値」)とする。図11には各位置におけるヘッドタンク35の状態を付記している。
次に、ヘッドタンク35のインク供給上限位置の設定について図12を参照して説明する。図12は同設定位置の説明に供する説明図である。
本実施形態においては、ヘッドタンク35は大気開放機構(大気開放弁)207を有する構成としている。大気開放機構207を開けると、ヘッドタンク35内に空気が流入し、フィルム103が伸びきるまで変位し、それに伴って変位部材205も変位した位置が大気開放位置となり、これが変位部材205の基準位置となる。そして、本実施形態では、ヘッドタンク35にインクを供給するときの上限位置(インク供給上限値)は、大気開放位置から、変位部材205が、液体残量が減少する方向に所定変位量r1だけ変位した位置に定めている。
なお、前述したように、大気開放位置やインク供給上限位置は、変位部材205を第2センサ301で検知した位置を、キャリッジ33の位置としてエンコーダ90で検出して記憶している。
次に、画像形成装置の周囲環境と変位部材205の変位量の関係について図13を参照して説明する。図13は同関係の説明に供する説明図である。なお、以下、図中では変位部材205を「フィラ」と表記する。
環境の変化は湿度や温度、気圧などの変化などがある。例えば、湿度の変化によってフィルム203が伸縮する場合、大気開放機構207によってヘッドタンク35内を大気開放したとき、ヘッドタンク35内の圧力が大気圧になり、変位部材205がそれに伴い変位した位置は、湿度環境により異なる位置となる。
例えば、図13に示すように、高湿時はフィルム203が伸びることで、低湿時に比べて変位部材205はヘッドタンク35から離れる位置(液体残量で見た場合に液体残量が多くなる方向)となり、低湿時はフィルム20が縮むことで高湿時に比べて、変位部材205はヘッドタンク35に近づく位置(液体残量で見た場合に液体残量が少なくなる方向)に変位する(このときの変位量を変位量r2とする)。
前述したように、変位部材205の基準位置を大気開放位置としているので、大気開放位置の変化に伴ってインク供給上限位置も変化することになる。
そこで、周囲環境の変化を検知可能な環境検知センサ123を設けて、環境変化に伴ってフィルム203が伸縮変化し、ヘッドタンク35内の圧力及び変位部材205の位置が環境変化以前の状態と異なる環境変化を環境検知センサ123で検知したときには、再度、大気開放機構207を開放し、その環境変化での大気開放位置(基準位置)及びインク供給上限位置を、再び測定、記憶する。
これにより、装置が置かれている時点の場所における周囲環境に合ったヘッドタンク35内負圧及びインク量の管理を正確に行なうことが可能となる。
次に、大気開放時にヘッドタンク35内のインク量を充填満タン位置に設定する方法について図14を参照して説明する。図14は同方法の説明に供する説明図である。
前述したように、ヘッドタンク35は、液面を検知可能な電極ピン208を有し、ヘッドタンク35内を大気と連通するための大気開放路207aを有し、大気開放路207aを開閉する大気開放機構207を有している。
ヘッドタンク35内を充填満タン位置に設定する一例としては、まず図14(a)に示す状態から、大気開放機構207を開いてヘッドタンク35内の負圧を開放することで、図14(b)に示すようにヘッドタンク35内の液面が低下する。
なお、このとき、供給口部209の供給口209aは液面下にあることが好ましい。すなわち、供給口209aが液面上になると、供給口209aか供給口部209を介して供給チューブ36に空気が混入し、次にインクを供給したとき、供給口209aからインクと共に気泡が排出されることがあり、そのまま供給を続けると、気泡が大気開放機構207内に付着して、弁の固着や液漏れを生じるおそれがある。
そして、ヘッドタンク35の負圧が開放され、液面が下がった後、図14(c)に示すように、インク300を供給する。インク300を供給することで液面が上昇し、電極ピン208a、208bが所定高さの液面を検知するまで、つまり所定の位置までインク300を供給する。
その後、大気開放機構207を閉じて、例えば所定量インクをノズルから排出し、或いはメインタンク10に逆送することで、所定の負圧値となり、ヘッドタンク35のインク量を所定の負圧値が得られる量にすることができる。
次に、インク供給制御の概要について図15を参照して説明する。図15は同説明に供する説明図である。
本実施形態では、キャリッジ33上に設置したキャリッジ側第1センサ251にて検知する変位部材205の位置(これを「第1位置」とする。)と、本体ベース101側に設置した本体側第2センサ301にて検知した大気開放検知位置(これを「第2位置」とする)の差分であるフィラ変位量を検出し、印刷中は第1センサ251による検知位置を基準として設定したインク供給上限位置(上限値)とインク消費下限位置(下限値)を管理することで、印刷中のインク供給管理を行っている。
このように、印刷中のインク供給制御を行うとき、本来の基準位置となる大気開放位置からキャリッジ側第1センサ251による検知位置に基準を移し、キャリッジ側第1センサ251による検知位置を基準として設定したインク供給上限位置とインク消費下限位置の範囲内で、インク消費とインク供給を繰り返し行い、ヘッドタンク35内のインク残量を常時適正量になるように制御している。
ここで、キャリッジ側第1センサ251のキャリッジ33上への設置位置、ヘッドタンク35の部品寸法、フィルム203の湿度環境影響による伸縮変位など、個々の装置ごとに各種バラツキが存在するため、個々の装置に適したインク供給制御を管理する必要がある。
そこで、各種制御パラメータ値を設定する前準備設定を行っている。この前準備設定について図16ないし図19を参照して説明する。
まず、前準備設定1として、印刷中のインク供給制御では変位部材205のキャリッジ側第1センサ251による検知位置(第1位置)を基準とすることから、本来の基準となる大気開放位置からキャリッジ側第1センサ251による検知位置までの変位部材205の変位距離L[mm]を測定する.
すなわち、図16(a)に示すように、本体側第2センサ301が変位部材205を検知可能な位置にキャリッジ33を移動させる。そして、図16(b)に示すように、変位部材205が大気開放位置にある状態から送液ポンプ241を逆転駆動して、ヘッドタンク35からメインタンク10に逆送し、キャリッジ側第1センサ251が変位部材205を検知するまでヘッドタンク35からインクを排出してから逆送動作を停止する。
その後、図16(c)に示すように、キャリッジ側第1センサ251が変位部材205を検知している状態で、キャリッジ33を、本体側第2センサ301が変位部材205を検知するまで移動させる。このときの移動距離をエンコーダ90で測定することで、大気開放位置からキャリッジ側第1センサ251が変位部材205を検知するまでの変位部材205の変位距離(差分変位量)L[mm]を測定する。
そして、測定した変位距離L[mm]を元に、図17に示すように、ヘッドタンク35内からの排インク量と変位部材205の変位量の相関関係を考慮した、変位距離L[mm]に対するインク量相関係数(換算係数)Rmax[cc/mm]にて、変位距離L[mm]当たりの変位インク量l[cc]を算出する。なお、図17中の矢印S1はインク供給方向、矢印S2はインク消費方向を示している(以下、同様である。)。
図17は算出した変位インク量l[cc]の負圧−ヘッドタンク35内からの排インク量と変位インク量l[cc]との領域を示している。変位インク量lの算出は、次の(1)式で行うことができる。
なお、インク量相関係数Rmax[cc/mm]は、変位部材205の変位量に対する排インク量が最大値となるよう考慮した相関係数である。
次に、前準備設定2として第1センサ251による変位部材205の検知からインク消費下限位置までのインク量W[cc]の設定を行う。
つまり、印刷によってヘッドタンク35内のインクが消費されることで、変位部材205は液体残量が減少する方向に変位する。このとき、キャリッジ側第1センサ251が変位部材205を検知した時点から、記録ヘッド34のノズルから吐出される液滴量(液体消費量)をソフトカウントによって計測したとき、インク消費下限位置(値)を検知するまでのインク量W[cc]を設定する。
なお、ソフトカウントでは、吐出された液滴の滴量毎の滴数をカウントし、滴量×滴数で得られる滴の大きさ毎の滴量の合計値の合計(総和)と、維持回復動作で吸引排出する液体量を合算して液体消費量とする。
図18はこの前準備設定2について説明するものである。インク量W[cc]の設定として、大気開放位置とインク消費下限位置との間のインク量を最大排インク量E[cc]とするとき、最大排インク量E[cc]から、前準備設定1にて算出した変位インク量l[cc]を差し引いたものが、インク量W[cc]となる。
詳しくは、キャリッジ側第1センサ251の設置位置のバラツキやセンサ検知誤差、印刷動作における変位部材205の振動バタツキなどの最大バラツキ、及びソフトカウント量の最大バラツキ(100+Smax)[%]を含めた条件でも、インク消費下限位置(値)以下にならないようなソフトカウント量としてのインク量W[cc]を設定する。このインク量W[cc]の算出は、次の(2)式で行うことができる。
次に、図19は前準備設定3について説明するものである。ここでは、印刷時にインク消費下限値をソフトカウントによって検知した後、送液ポンプ241を駆動してメインタンク10からヘッドタンク35にインクを供給する。このとき、キャリッジ側第1センサ251が変位部材205を検知した時点からの送液ポンプ241の駆動時間t[sec]を設定する。
大気開放位置から算出されるインク供給上限値になる負圧形成用インク量a[cc]と、キャリッジ側第1センサ251や本体側第2センサ301のセンサ検知誤差などバラツキ量を変位距離L[mm]当たりの変位インク量l[cc]から差し引くことで、インク量V1[cc]を求めることができる。
また、変位インク量l[cc]は、前述の(1)式での相関係数Rmaxではなく、Rmin[cc/mm]を用いる。これは、変位部材205の変位量に対する排インク量が最小値となるよう考慮した相関係数である。
そこで、キャリッジ側第1センサ251が変位部材205を検知した後の送液ポンプ241の駆動時間t[sec]は、インク量V1[cc]を送液ポンプ241の最大インク供給流量Qmax[cc/sec]で供給する時間とする。
駆動時間t[sec]は、最大にインク供給してしまう条件、例えば送液ポンプ241の送液流量、ソフト制御遅延、キャリッジ側第1センサ251の検知誤差、変位部材205の振動バタツキなど各々のバラツキの影響を考慮しても、インク供給上限値を超えない時間を設定する。これらのインク量V1[cc]、駆動時間r[sec]の算出は、次の(3)式、(4)式で行うことができる。
なお、負圧形成用インク量a[cc]は、大気開放位置から所定距離A[mm]から換算した負圧形成に必要なインク量とすることもできる。すなわち、大気開放位置−A[mm]=第2位置、とすることもできる。この場合、インク量V1は、(5)式で行ってもよい。
これらの前準備設定は、各メカ的バラツキや、光学的検知バラツキ、制御バラツキの考慮の他に、ヘッドタンク35の負圧特性も考慮して行っている。ヘッドタンク35は、その構成上、前述した図20に示すような、温湿度環境、ヘッドタンク35からのインク排出及び供給によるヒステリシスを有する負圧特性を持つため、これらを考慮した制御範囲内でヘッドタンク35内のインク量を常時コントロールする。
次に、印刷動作中のインク消費、供給制御の基本的な動作について図21を参照して説明する。図21はヘッドタンクの大気開放状態から送液ポンプ駆動停止までの状態遷移の説明に供する説明図である。
状態P1、P2にて、印刷中インク供給制御のための前準備設定である測定、制御値設定を行い、インク供給上限値で待機する。
印刷を実行すると、状態P3からインク消費と共に変位部材205が変位し、状態P4のキャリッジ側第1センサ251によって変位部材205を検知するまでインク消費すると、インク消費量のソフトカウントを開始する。
その後、インク消費量のソフトカウントにて、インク消費下限値までインク量W[cc]をインク消費したことが検知されると、状態P5となり、状態P6である送液ポンプ241の駆動を開始し、メインタンク10からヘッドタンク35にインクを供給する。
インクが供給されることで、ヘッドタンク35の変位部材205が再びキャリッジ側第1センサ251による検知位置まで変位して状態P7となる。
さらに、送液ポンプ241の駆動時間t[sec]分を追加して送液ポンプ241を駆動してインク供給を継続することで、状態P8となって、印刷開始時の初期状態P3に戻る。
このような一連のインク消費及びインク供給制御動作が可能となるのは、キャリッジ側第1センサ251で変位部材205を検知した時点で、ソフトカウント誤差や送液ポンプ241のインク供給量の誤差などの検知誤差の積み上がりをなくすることができるからである。
また、キャリッジ側第1センサ251と本体側第2センサ301の2つのセンサを用いることで、個々の装置の部品精度や、周辺環境による各種バラツキに適合する制御設定が可能となるからである。
次に、上述した制御部による前準備設定について図22のフロー図を参照して説明する。
まず、ヘッドタンク35を大気開放状態にし、第2センサ301で変位部材205を検知する位置(これを「第2位置」とする。)にキャリッジ33を移動する。
そして、送液ポンプ241の逆転動作にて、第1センサ251が変位部材205を検知するまでインク吸引してから逆転動作を停止する。
次いで、第2センサ301が変位部材205を検知する位置までキャリッジ33の移動を開始し、リニアエンコーダ90によるカウントを開始して、第2センサ301が変位部材205を検知したときにカウントを停止する。
これにより、大気開放位置(第2位置)と第1センサ251が変位部材205を検知する第1位置との間の変位部材205の変位量(変位距離)Lを算出する。
その後、前述したように、変位量Lなどから変位インク量lを算出し、インク量Wを設定して、インク量V1を算出し、第2センサ301を使用しないでインク供給を行うときの差分供給量に相当する送液ポンプ241の駆動時間tを設定する。
また、ここでは、大気開放位置を第2位置としているが、前述したように、充填満タン位置そのものを第2位置として、第2位置と第1位置との間の変位量に相当する供給量を差分供給として記憶するようにすることもできる。これは、充填満タン位置の決定の仕方によるものである。
次に、制御部による第2センサを用いないインク充填制御(インク供給制御)について図23のフロー図を参照して説明する。
印刷動作中は、充填満タン状態からインクが消費されることで、変位部材205はヘッドタンク35のインク残量(液体残量)が減少する方向に変位するので、第1センサ251が変位部材205を検知したか否かを判別する。
そして、ヘッドタンク35のインク残量が減少する方向に変位部材205が変位して第1センサ251が変位部材205を検知したときには、その後のインク消費量をソフトカウントで算出し、インク消費量が予め定めた所定液体消費量(所定量:前述のインク消費下限値までのインク量W[cc])以上になったか否かを判別する。
そして、インク消費量が予め定めた所定の液体消費量以上になったときに、送液ポンプ241を正転駆動してメインタンク10からヘッドタンク35へのインク充填(供給)を開始する。
このとき、第1センサ251がヘッドタンク35の変位部材205を検知したか否かを判別し、第1センサ251がヘッドタンク35の変位部材205を検知したときには、そのときから更に駆動時間t分送液ポンプ241を駆動して差分量分のインクを充填し、送液ポンプ241の駆動を停止し、インク消費量の計算値をリセットする。
このようにして、印刷動作中でも、キャリッジ33をホーム位置に戻すことなく、ヘッドタンク35にインクを充填することができる。
次に、上述した印刷動作中の差分量供給制御を行ったときの充填満タン位置と実際の充填位置との齟齬について図24を参照して説明する。
上述したように、印刷動作中に第1センサ251で変位部材205を検知した位置から差分量の供給制御を行うときの供給量設定値(インク量V1)又は供給時間設定値(駆動時間t)は、インク供給過多による液垂れを防止するため、インク供給上限位置に対して余裕(マージン)を持たせて設定する必要がある。
つまり、印刷前の事前学習として、前述したように、インク量V1は、V1[cc]=l[cc]−a[cc]−(Δ1[mm](各バラツキ量)×Rmax[cc/mm])((3)式)、駆動時間tは、t[sec]=V1[cc]/Qmax[cc/sec]((4)式)で算出して、印刷動作(印字動作)中の第1センサ251による検知位置からの供給量設定値又は供給時間設定値としている。
これは、大気開放位置から第1センサ251による検知位置までの変位部材205の変位距離L[mm]に対するインク量l[cc]を求めるため、前述したように変位インク量l[cc]=L[mm]×Rmin[cc/mm]で算出し、インク量相関係数Rmin[cc/mm]の相関係数にて算出しているので、インク供給過多によるインク漏れが起こらないよう、一定以上のマージンを持ってインク供給量を設定している。
また、インク量V1を算出する(3)式における「Rmax[cc/mm]」、Δ[mm](各バラツキ量)についても、同様で、一定以上のマージンを持って設定している。
そのため、印刷動作中のインク供給(充填)制御において、第1センサ251が変位部材205を検知した後差分量相当として設定したインク量V1[cc]分のインク供給を行っても、第2センサ301で充填満タン位置を検知した変位部材205の位置までインク供給は行われない。
つまり、図24に示すように、仮想線位置を変位部材205の充填満タン位置とするとき、第1センサ251が変位部材205を検知した後インク量V1[cc]分のインク供給を行ったときの変位部材205の位置は、上記マージンによる結果、実線図示の位置となり、差分x0が生じることになる。
このように、1回当たりのインク供給量が少なく、次にインク供給するまでの間隔が短くなり、送液ポンプは停止間隔の短い間欠駆動が多数行われることになる。また、1回(1枚)当りの印刷動作での供給駆動回数が多くなることで、送液ポンプやヘッドタンクのフィルムなどの供給流路部品の寿命が短くなることなる。
次に、本発明の第1実施形態について図25を参照して説明する。図25は同実施形態の説明に供する模式的説明図である。
本実施形態は、印刷動作中のインク供給動作における供給量設定値(図22におけるインク量V1又は駆動時間t)を補正する例である。本実施形態では、印刷動作中に第1センサ251にて第1位置(変位部材205)を検知した後に、充填満タン位置となる差分量分のインク供給を行う上での供給量設定値について、より精度良く充填満タン位置までの供給が可能な供給量設定値を設定できる。
つまり、図25(a)に示すように、印刷前において、第2センサ301とキャリッジ位置を測定するエンコーダ90による検出結果から、充填満タン位置(大気開放位置−a[cc]、又は、大気開放位置−A[mm])から第1センサ251による検知位置までの変位距離L1は正確に検出できる。
または、印刷開始時に変位部材205が充填満タン位置でなくても、印刷開始時にホームポジションにあるキャリッジ33が印刷領域へ移動するとき、変位部材205が第2センサ301を通過する。そこで、第2センサ301が変位部材205を検知したときのキャリッジ位置を測定するエンコーダ90による検出結果から、印刷開始時位置から第1センサ205による検知位置(第1位置)までの変位距離L1を正確に検出できる。
ただし、好ましくは印刷開始時には変位部材205は充填満タン位置にある方が良い。つまり、印刷開始時位置は充填満タン位置とすること方が良い。充填満タン位置から第1センサ205による検知位置(第1位置)までの計測領域が大きい方が、インク消費における計測のバラツキが分散されるためである。
そこで、例えば、変位部材205が充填満タン位置にある状態から印刷動作を開始し、インク消費と共に変位部材205が変位して、図25(b)に示すように、第1センサ251が変位部材205を検知する位置(第1位置)までに消費されたインク消費量(これを「インク消費量V2」とする。)を前述したようにソフトカウントで計測する。
そして、変位距離L1と実際のインク消費量V2との相関係数と、現在設定している第1センサ251からのインク量V1[cc]とを比較して、差分を補正用相関係数として取得し、記憶する。なお、前述したインク相関係数「Rmax」、「Rmin」を取得した補正用相関係数Rに置き換えても良い。
言い換えれば、充填満タン位置から第1センサ251による検知位置(第1位置)までの実際のインク消費量を計測して、変位部材205の変位量(変位距離)L1と計測値(インク消費量)V2によって、計算上の差分供給量(インク量V1)を補正する。
これにより、印刷動作中に、第2センサ301を使用しないで第1センサ251が変位部材205から差分供給量(インク量V1)の供給を行うとき、差分供給量の供給を行った時の変位部材205の位置が、第2センサ301で充填満タン位置を検知した変位部材の位置に近似するところまでインク供給を行うことができる。
つまり、図25(c)に示すように、変位部材205の満タン充填位置を破線図示の位置としたとき、差分供給量の供給を行った時の変位部材205の位置は実線図示の位置となって、その差分x1は、前述した図24の差分x0よりも少なくなる(x1≦x0)。
これにより、1回当りの供給量を可及的に上限値まで近づけることができ、供給動作の繰り返し間隔が長くなり、また、1回(1枚)の印刷動作での供給駆動動作が減ることから、送液ポンプやヘッドタンク35のフィルムなどの供給流路部品の寿命を長くすることができる。
このように、印刷開始時位置である例えば充填満タン位置(第2位置)から第1センサ251による検知位置である第1位置までのフィラ変位量を予め計測しておき、実際に印刷を開始して第2位置から第1位置で変位部材205を検知するまでに計測したソフトカウント値(計測値)を比較して、フィラ変位量と実際のインク消費量との相関係数を算出し、これを補正用相関係数として記憶することで、充填満タン位置(第2位置)から第1位置までのフィラ変位量に相当する液体消費量を算出することができ、予め記憶している差分量の精度を高めることができる。
そして、インク充填制御時に、第1センサ251が変位部材205を検知してから充填満タン位置までの充填量の精度が向上し、負圧上限値(インク供給上限値)を超えない安全な負圧管理ができ、また負圧上限値近くまで充填できることで、インク充填動作の繰り返し間隔が長くなって、送液ポンプの細かな間欠駆動がなくなり、送液ポンプの耐久寿命が向上する。
また、この実施形態では、フィラ変位量と実際のインク消費量とから取得、記憶した補正用相関係数を予め記憶している差分量を補正することは、印刷動作中に行うことができ、補正した差分量分のインク供給も同じ印刷動作中に行うことができる。
さらに、印刷動作中に変位部材205の位置と第1位置との変位距離であるフィラ変位量を検出することもできる。
つまり、液体吐出方式の画像形成装置では、印刷動作にてキャリッジ往復走査するうち、吐出していなかったノズル内の増粘インクを排出するため、用紙42の範囲外で空吐出動作を行うことがある。これを維持回復機構81の配置されたホームポジション側のキャップ82aや空吐出受け84に行う場合、キャリッジ33のホームポジションへの移動に伴って、変位部材205は第2センサ301を通過することになる。
そして、変位部材205が第2センサ301を通過さえすれば、変位部材205を第2センサ301にて検知したときのキャリッジ33の位置をエンコーダ90で測定することで、変位部材205の位置を検出することができ、そのときの変位部材205の位置と第1位置との変位距離であるフィラ変位量を検出することができる。
したがって、このときの変位部材205の位置からのインク吐出量をソフトカウントし、第1位置を検知するまでの吐出積算量から補正用相関係数を印刷動作中に取得でき、次の差分量供給に反映することを印刷動作中に繰り返し行うことができる。
次に、本発明の第2実施形態について図26を参照して説明する。図26は同実施形態の説明に供する模式的説明図である。
本実施形態は、印刷動作中にインク供給動作を開始するときために、第1センサ251が変位部材205を検知した後の液体消費量の計測値と比較する閾値(図23の「所定量」)を補正する例である。
すなわち、前述したように、第1センサ251が変位部材205を検知した後、インク消費量をソフトカウントで計測し、計測値が予め定めた所定量(閾値:ソフトカウントでのインク消費下限値)以上になったときに、インク供給動作を開始するようにしている。
ここで、液体消費量の閾値は、前述した図17、図18で説明したように、変位インク量l[cc]=L[mm]×Rmax[cc/mm]((1)式)、インク量W[cc]=(E[cc]−l[cc]-Δ2[mm](各バラツキ量)×Rmax[cc/mm])/((100+Smax)[%]/100)((2)式)で算出して設定している。
この算出式から分かるように、閾値までインクが消費されても、誤差によって、インク吐出過多によるヘッドタンク内強負圧によってノズルダウン(吐出不能)にならないように、一定の余裕(マージン)を持って閾値が設定されている。
これは、次の理由による。ヘッドタンク35の変位部材205は、ヘッドタンク35内のインクが消費されることで、いずれヘッドタンク35のタンクケース201の壁面に接触して変位しなくなる。その時点から更にインクを消費したときは、ヘッドタンク35のフィルム203は変位部材205から離間して内側に変形していくので、フィルム203を内側から押していた負圧形成バネ204のみの荷重がかかるため、変位部材205がタンクケース291の壁面に接触した直後からヘッドタンク35内の圧力は急激に強負圧に変化する。そのため、インク消費下限値は、変位部材205がヘッドタンク35のタンクケース201に接触した位置、または直前、または接触してからの所定量分インク消費したところに定めている。
一方、1回の供給動作で供給できる供給量が多い方が送液ポンプの間欠駆動回数が少なくなる。
したがって、出来る限り正確にインク消費下限値までインクを消費させた方が良いのであるが、予め定めた閾値はバラツキを考慮しなければならないので、インク消費下限値よりもヘッドタンク35内のインク残量が多い側に余裕を持って設定している。
そのため、図24で説明したと同様に、第1センサ251が変位部材205を検知してからのインク消費量が閾値に達するまでのインク量が少ないと、1回当たりのインク供給量が少なく、次にインク供給するまでの間隔が短くなり、送液ポンプは停止間隔の短い間欠駆動が多数行われることになる。また、1回(1枚)当りの印刷動作での供給駆動回数が多くなることで、送液ポンプやヘッドタンクのフィルムなどの供給流路部品の寿命が短くなることなる。
ここで、前記第1実施形態と同様にすれば、印刷開始時位置から第1センサ251による第1位置までのフィラ変位量とインク消費量の相関係数にて上記(2)式の「Rmax」を補正することで、インク量W[cc]の設定値も精度が向上できる。
さらに、本実施形態では、第1センサ251からインク残量が少ない側に変位部材205が変位する側で、フィラ変位量に対応するインク消費量との相関係数から補正用相関係数を取得するようにしている。
つまり、図26に示すように、印刷動作終了後に変位部材205が第1センサ251による検知位置よりもインク残量が少ない側であるとき、又はインク消費量の計測途中であったときには、変位部材205の位置を第2センサ301とエンコーダ90にて測定し、第1センサ251の検知位置である第1位置から現在のフィラ位置までの変位距離Laを検出する。
そして、検出した変位距離Laと計測していたインク消費量の計測値とから、第1センサ251による検知位置よりもインク残量が少ない側の変位部材205の変位距離とインク消費量の相関係数を算出し、補正用相関係数として記憶する。
その後、次回のインク量W[cc]の設定では、W[cc]を算出する(2)式に使用する「Rmax」の値に算出し、記憶した補正用相関係数を代入するか、または修正して、補正し、インク量W[cc]を算出する。
これにより、一定のマージンを持たせて設定していた閾値を、よりインク消費量の多い側へ広げることができるので、1回の供給動作で供給できるインク量が多くなり、供給動作の繰り返し間隔が長くなり、また、1回(1枚)の印刷動作での供給駆動動作が減ることから、送液ポンプやヘッドタンク35のフィルムなどの供給流路部品の寿命を長くすることができる。
また、この実施形態では、ヘッドタンク35の排インク量に対するフィラ変位量が第1センサ251よりもヘッドタンク35内のインク量が多い側と、ヘッドタンク35内のインク量が少ない側とで相関性が異なる場合、より高い効果を得ることができる。
次に、本発明の第3実施形態について図27を参照して説明する。図27は同実施形態の説明に供する模式的説明図である。
本実施形態は、変位部材205の変位方向で一定の幅を有する両端部を使用してインク消費量を計測することで、変位部材205の変位量に対する実際のインク消費量を計測して、変位量とインク消費量の計測値の相関係数を算出する例である。
つまり、図27に示すように、変位部材205としては変位方向に所定の幅を有する検知部205Aを備えるものを使用する。
そして、第1センサ251によって変位部材205の検知部205Aの一方の端部205aを検知したとき(変位部材205が破線図示の位置)からインク消費量の計測を開始し、第1センサ251によって変位部材205の他方の端部205bを検知したとき(変位部材205が実線図示の位置)までのインク消費量を計測する。
これにより、変位部材205の幅分の変位量に対応する実際のインク消費量の相関関係を得ることができる。
また、第1センサ251の配置位置を、大気開放位置からインク消費下限値までの間で最もインク消費量と変位量とが安定する位置に設置し、変位部材205の幅も一定の寸法である場合、変位部材の変位量に対するインク消費量の相関係数は最もバラツキの少ない安定した値となる。
ここで取得した相関係数を補正用相関係数として、差分供給量(インク量V1)の算出式(3)又は(5)、及びインク量Wの算出式(2)の相関係数Rmax[cc/mm]又はRmin[cc/mm]と置き換えて補正してもよい。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態は、上記第3実施形態におけるインク消費量の計測を、キャリッジ33が停止している状態で、かつ、記録ヘッド34から液滴を吐出可能な領域で、記録ヘッド34から液滴を吐出してインクの消費を行うようにしたものである。
つまり、キャリッジ33の移動によってヘッドタンク35に変位部材205が振動することで、第1センサ251による変位部材205の検知にチャタリングが発生し、変位部材205の変位量に振動分の距離が加算される可能性がある。
これに対し、キャリッジ33が停止している状態で計測を行うことで、正確に液体消費量に対する変位部材205の変位量を得ることができる。
また、この場合、できるだけインクが無駄にならないように変位部材205の幅は薄い方が好ましい。
次に、本発明の第5実施形態について図28を参照して説明する。図28は同実施形態の説明に供するフロー図である。
本実施形態は、液体消費量を計測するときに不良ノズルが含まれている場合に、不良ノズルを除外して計測することで計測精度を高める例である。そのため、本実施形態の画像形成装置では、記録ヘッド34の複数のノズルから液滴が正常に吐出されているか否かを検知する公知の滴吐出検知手段を備える。
ここでは、図28に示すように、印刷動作終了後、フィラ変位量に対応する液体消費量の相関係数取得動作を開始する。
まず、滴吐出検知部700で、記録ヘッド34の各ノズルについて吐出不良があるか否かを検知するノズル欠損確認を行う。そして、ノズル欠損検知確認結果から吐出不良ノズルを検知したか否かを判別する。
ここで、吐出不良ノズルを検知していれば、吐出不良ノズルの数が予め定めた所定数以下か否かを判別する。
そして、吐出不良ノズルを検知していないとき、及び、吐出不良ノズルを検知したが吐出不良ノズル数が所定数以下であるときには、フィラ変位量に対応するインク消費量の相関係数を、取得済みか否かを判別する。
ここで、フィラ変位量に対応するインク消費量の相関係数を取得済みであれば、そのまま相関係数を補正用相関係数として記憶し、取得済みでなければ、相関係数の取得動作を行って、取得した補正用相関係数を記憶する。
これに対し、吐出不良ノズルを検知し、吐出不良ノズル数が所定数を超えるときには、相関係数の取得、記憶は行わない。また、印刷動作中に相関係数を取得、記憶していた場合は破棄する。
つまり、吐出不良ノズル数が多くなると、インク消費量の計測値と実際に吐出できた液体量との乖離が大きくなり、インク消費量の計測結果の信頼性が低下することになる(これは、実際に吐出された滴で計測するのではなく、滴数と滴量のデータを用いてソフトカウントで計測していることによる。)。
これにより、フィラ変位量に対応する液体消費量の計測値の信頼性を確保することができ、前記第1、第2実施形態で説明したようなインク供給制御時の補正の信頼性が向上する。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
本実施形態では、液体消費量をソフトカウントで計測するときに、滴吐出検知手段で吐出不良が所定回数以上検知されたノズルについては、ソフトカウントで消費量を計測する計測対象から除外する。
これにより、ノズル詰りが常態化したヘッドについても精度の良い補正用相関係数を得ることができる。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
ヘッドタンク35のフィルム203は、装置の周囲湿度など周囲環境によって変位特性が変化する。例えば、湿度の変化において膨張、収縮による変形がある。そのため、フィル変位量も周囲の環境条件によって変化することになる。
そこで、フィラ変位量と液体消費量との相関係数を取得するときに、装置周囲の環境状態を検知し、取得した補正用相関係数と共に記憶、保持する。
そして、次に印刷動作を行うときに、装置周囲の環境状態を検知し、以前に取得した同環境状態又は一定の範囲内での同一環境状態での補正用相関係数に基づいたインク供給量設定と閾値を設定する。
これにより、装置周囲の環境状態に合わせた適正なインク供給量設定値や閾値を設定することができ、より高精度のインク供給を行うことができる。
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
本実施形態では、前述した各実施形態で取得した補正用相関係数を用いて、印刷動作中にインク供給量設定値や閾値を設定するようにしている。
これにより、例えば超長尺の用紙に印刷を行っている途中でも、1回のインク供給量が適正量に設定されることで、無駄に送液ポンプの駆動回数を増やすことなく、送液ポンプの寿命を高めることができる。
次に、本発明の第8実施形態について図29を参照して説明する。図29は同実施形態の説明に供するフロー図である。
本実施形態では、例えば変位部材205が充填満タン位置(第2位置)にある状態から液体消費が開始されて、液体消費量の計測値が差分量になったにもかかわらず、第1センサ251が変位部材205を検知しなかったときには、印刷動作を停止して、滴吐出検知部700によるノズル欠損の検知を行うようにしている。
また、ここでの差分量とは、上述した(1)式のL[mm]×Rmax[cc/mm]で算出したl[cc]であり、L[mm]に対するインク量の相関が最大となる相関係数Rmax[mm]を用いる。
つまり、まず、変位部材205が充填満タン位置(第2位置)にある状態から印刷動作が開始されたときには、液体消費量の計測を開始する。そして、計測値が差分量になったか否かを判別し、計測値が差分量になったときには、第1センサ251が変位部材205を検知しているか否かを判別する。
なお、印刷開始時に変位部材205が充填満タン位置になくてもよい。前述したように、印刷開始時にキャリッジ33がホームポジション位置から印刷領域へ移動するとき、変位部材205が第2センサ301を通過することで変位部材205を検知したときのキャリッジ位置を測定するエンコーダ90による検出結果から、印刷開始時位置から第1センサ205による検知位置(第1位置)までのフィラ変位量L1を正確に検出できる。
そこで、検出したフィラ変位量L1に対するインク量の相関が最大となる相関係数Rmax[cc/mm]を考慮したインク量を差分量とし、差分量分の液体消費を計測したときには、印刷動作を停止して、滴吐出検知部700によるノズル欠損の検知を行うようにしてもよい。
ここで、第1センサ251が変位部材205を検知していなければ、印刷動作を停止し、ノズル欠損検知の確認を行い、吐出不良ノズルを検知したか否かを判別して、吐出不良ノズルを検知したときにはメンテナンス動作(維持回復動作)を実施し、その後印刷動作を続行する。
このような制御は、特に長尺の用紙に印刷する場合に有効である。毎回のインク供給動作後のインク消費の度に吐出不良の可能性を検知することができ、また、吐出不良の可能性がない場合は、無駄に滴吐出動作を行って吐出不良を確認する必要がないので、時間が無駄にならない。さらに、ノズル詰りを確認できた場合は早急にメンテナンス動作を行うことができるので、画像品質の低下を防止できる。
また、滴吐出状態の検知開始を、キャリッジ走査数やデキャップ時間など不確かなタイミングで行うのでは無く、通常の印刷動作を行う中で吐出不良の可能性を見出すことができるので、無駄に欠損検知動作を行う必要がなくなる。
次に、本発明の第9実施形態について説明する。
本実施形態では、変位部材205の一方の端部を第1センサ251で検知した後、液体消費量の計測を開始し、変位部材205の他方の端部を検知するまでのフィラ幅分の変位量に相当する液体消費量の計測値になったときに、第1センサ251が変位部材205の他方の端部を検知しているか否かを判別して、検知していないときにはノズル欠損検知動作を行うようにしている。
このようにしても、前記第8実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本願において、「用紙」とは材質を紙に限定するものではなく、OHP、布、ガラス、基板などを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。また、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。
また、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「インク」とは、特に限定しない限り、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
また、画像形成装置には、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置及びライン型画像形成装置のいずれも含まれる。