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JP6032173B2 - 引張最大強度980MPaを有する耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼板、高強度溶融亜鉛めっき鋼板、並びに、高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

引張最大強度980MPaを有する耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼板、高強度溶融亜鉛めっき鋼板、並びに、高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板 Download PDF

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JP6032173B2
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Description

本発明は、最大引張強度(TS)が980MPa以上で、耐遅れ破壊特性に優れた自動車用の構造用部材、補強用部材、足廻り用部材に特に適した高強度鋼板、高強度溶融亜鉛めっき鋼板、並びに、高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関するものである。本発明におけるめっき鋼板とは、亜鉛めっき鋼板及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板であり、めっき層中には、純亜鉛に加え、Fe、Al、Mg、Mn、Si、Cr、Ni、Cuなどを含有しても構わない。
近年、自動車や建築などに用いられる鋼板の高強度化に対する要求が高まってきており、引張最大強度980MPa以上の高強度冷延鋼板が、自動車の構造用部材へ急速に適用され始めている。しかしながら、高強度鋼板の適用にあたっては遅れ破壊の発生という問題を解決する必要がある。
遅れ破壊とは、PC鋼線やボルトといった使用状況下にあって高い応力が作用する部材が、突然破壊する現象であり、環境から侵入する水素と密接な関係があることが知られている。
その結果、条鋼や厚板分野では、耐遅れ破壊特性を考慮した鋼材の開発が数多く行われてきた。例えば条鋼・ボルト用鋼においては、焼き戻しマルテンサイトを中心に開発が行われ、非特許文献1にCr、Moや Vといった焼き戻し軟化抵抗性を示す添加元素が耐遅れ破壊特性性向上に有効であることが報告されている。これは、合金炭化物を析出させて、これを水素のトラップサイトに活用することで遅れ破壊特性形態を粒界から粒内破壊へと移行させる技術である。しかし、これらの鋼はC量0.4%以上で合金元素も多く含むことから、薄鋼板で要求される加工性や溶接性が劣悪で、さらに、合金炭化物析出には数時間以上という析出熱処理が必要なため、製造性にも問題がある。
また、特許文献1では、Ti、Mgを主体とする酸化物が水素性欠陥を防ぐことに効果があるとされている。しかし、これは対象が厚鋼板であり、特に大入熱の溶接後の遅れ破壊特性については考慮されているものの、薄鋼板に要求される高い成形性と耐遅れ破壊特性の両立に関しては一切考慮されていない。
これに対し、(1)薄鋼板は板厚が薄いため水素が侵入しても短時間で放出されること、(2)加工性の点で980MPa以上の鋼板の利用がほとんどなかったことなどから、遅れ破壊特性に対する問題が小さかった。しかしながら、急速に高強度鋼板の適用に関する要求が高まっていることから、耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼板を開発する必要がある。
しかしながら、耐遅れ破壊特性を向上させる技術はほとんどがボルトや条鋼、厚板といった製品のままでかつ耐力または降伏応力以下で使用されることの多い鋼材に対して開発されてきた。即ち、自動車部材のような切断、部材成形(プレス成形)といった加工性と同時に、耐遅れ破壊特性を求められる鋼材に配慮した技術ではない。特に、成形後の部材には、残留応力と呼ばれる応力が部材内部に残留する。この応力は、局所的ではあるもの、素材の降伏応力を上回るような高い値になる場合があり、この高応力下で水素脆化が生じないことが求められる。
一方、薄鋼板の遅れ破壊特性に関しては、例えば、非特許文献2に残留オーステナイト量の加工誘起変態に起因した遅れ破壊特性の助長について報告されている。これは、薄鋼板の成型加工を考慮したものであるが、耐遅れ破壊特性性を劣化させない残留オーステナイト量の規制について述べられている。すなわち、特定の組織を持つ高強度薄鋼板に関するものであり、根本的な耐遅れ破壊特性向上対策とは言えない。
また、水素トラップ能と成形性を考慮した薄鋼板として、特許文献2に記載の耐つまとび性に優れたホウロウ容器用鋼板に関するものがある。これは、製造時に鋼板中に進入する水素を、鋼板内に含まれる酸化物でトラップすることで、ホウロウがけを行った後に発生するつまとびと呼ばれる表面欠陥を抑制しようとするものである。このことから、鋼板内部には多量の酸化物を含むこととなる。しかしながら、これら酸化物を鋼板内に高密度に分散させることは、成形性の劣化を招くことから、高い成形性が必要とされる自動車用鋼板への適用には問題がある。加えて、これら検討は高強度と耐遅れ破壊特性の両立を図るものでもない。
また、成形後の部材の耐遅れ破壊特性を向上させる手法として、成形後の部材の残留応力を低減する成形手法が考えられる。しかしながら、残留応力は、成形後の部材に残留することから、鋼材の特性に依存する部分が多く、かつ、部材形状も大きく変更できないことから、成形方法を用いて成形後の部材の残留応力を低減する手法には課題が多い。
一般的に、980MPa以上の高強度を確保する手法としては、マルテンサイト単相組織強化が知られている。しかしながら、マルテンサイト組織は、高強度であるものの均一伸びが極めて低く、加工性に乏しいともに、仮に成形できたとしても成形後の部材に大きな残留応力が存在するため、成形後の部材の耐遅れ破壊特性が劣るという問題を有していた。
これら課題を解決する手法として、主相をフェライトとし、硬質組織をマルテンサイトとする複合組織鋼板が知られている。即ち、軟質なフェライトで延性を確保し、硬質なマルテンサイトで強度確保を行う手法である。この手法は、主相を軟質なフェライトとすることで、降伏応力も大幅に低減が可能である。
しかしながら、鋼板の引張強度980MPa以上を確保するためには、マルテンサイト体積率を増加させる必要があり、均一伸びを避けられないという課題を有していた。即ち、マルテンサイト組織の強度は、鋼板成分(特に、C)に強く依存することから、鋼板成分の変更無しに高めることは難しい。この結果、フェライト及びマルテンサイトより成る複相組織鋼板の高強度化には、マルテンサイト体積率の増加が必要不可欠であった。
また、連続焼鈍や連続溶融亜鉛めっきラインのような工程を行う場合、焼鈍、冷却後の過時効帯での焼き戻しや、めっき浴浸漬後の合金化熱処理等の不可避的な熱処理が付加的に行われることによって、マルテンサイト組織が焼き戻しされて軟化するため、更に鋼板の強度が確保し難い。このことから、このような付加的な熱処理を受ける製造設備を用いて、例えば980MPaを超える高強度の鋼板を製造する場合、一般に、マルテンサイト組織が焼き戻しされることによって軟化が生じたとしても、十分な強度を確保できるように、更にマルテンサイト体積率を増加させている。この結果、更なる伸びの劣化が齎される。
このように高強度化と耐遅れ破壊特性を両立することは極めて難しい。
また、マルテンサイトを高強度化する技術としては、例えば、非特許文献3〜非特許文献5に記載の技術がある。非特許文献3には、マルテンサイトの組織形状の一つであるラス(Lath)状組織(ラスマルテンサイト組織)の硬度(強度)が、マルテンサイト中の固溶C量、結晶粒径、炭化物による析出強化、転位強化に依存することが記載されている。また、非特許文献4および非特許文献5には、結晶粒径、とりわけマルテンサイトを構成する組織単位の一つであるブロックサイズの微細化により、マルテンサイトの強度を大きく増大できることが記載されている。
また、高強度鋼板に関する従来の技術としては、例えば、特許文献3〜特許文献8に記載の技術が挙げられる。また、溶融亜鉛めっき鋼板に関する従来の技術としては、例えば、特許文献9に記載の技術が挙げられる。
特開平11―293383号公報 特開平11―100638号公報 特開平11−279691号公報 特開平9−13147号公報 特開2002−363695号公報 特開2003−105514号公報 特開2003−213369号公報 特開2003−213370号公報 特開2002−97560号公報
「遅れ破壊特性解明の新展開」(日本鉄鋼協会、1997年1月発行) CAMP-ISIJ vol.5 No.6 1839〜1842頁、山崎ら、1992年10月、日本鉄鋼協会発行 F. B. Pickering:Hardenability Concepts with Applications to Steel AIME(1978),p179 M. Wang:IS3-2007,p203 T. Ohmura:IS3-2007,p35
本発明は、最大引張強度(TS)980MPa以上で、耐遅れ破壊特性に優れれた高強度鋼板、高強度溶融亜鉛めっき鋼板、並びに、高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を進めた結果、耐遅れ破壊特性に優れた鋼板の特性としては、特定の成分組成を有する鋼板において、鋼板のミクロ組織が、フェライトと、マルテンサイト及びベイナイトの1種又は2種と、残留オーステナイト(含有しない場合を含む)からなり、該ミクロ組織中に含まれるマルテンサイトあるいはベイナイトの形状を、下記(1)式を満たす形状とすることで、その特性確保が可能なことを見出した。
Figure 0006032173
V:マルテンサイト粒の体積
S:マルテンサイト粒の表面積
すなわち、本発明は、最大引張強度(TS)980MPa以上で、耐遅れ破壊特性に優れる高強度鋼板、高強度溶融亜鉛めっき鋼板、及び、高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、その要旨は以下の通りである。
(1)質量%で、
C:0.05〜0.40%、
Si:0.01〜3.0%、
Mn:1.5〜3.5%未満、
P:0.04%以下、
S:0.01%以下、
Al:2.0%以下、
N:0.01%以下、
O:0.006以下、
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなり、
ミクロ組織が、フェライトと、マルテンサイト及びベイナイトの1種又は2種と、残留オーステナイト(含有しない場合を含む)からなり、その割合が、体積分率でフェライトを20%以上含有し、マルテンサイト及びベイナイトの1種又は2種を合計で30〜80%以下含有し、残留オーステナイト体積率を10%未満に制限する鋼板であって、マルテンサイトおよびベイナイトが下記(1)式を満たす形状を有することを特徴とする引張最大強度980MPa以上を有する耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼板。
Figure 0006032173
V:マルテンサイト粒の体積
S:マルテンサイト粒の表面積
)さらに、鋼中に質量%で
Cr:0.05〜1.0%、
Mo:0.01〜1.0%、
Ni:0.05〜1.0%、
Cu:0.05〜1.0%、
Nb:0.005〜0.3%、
Ti:0.005〜0.3%
V:0.005〜0.5%、
B:0.0001〜0.01%、
Ca:0.0005〜0.04%、
Mg:0.0005〜0.04%、
REM:0.0005〜0.04%、
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする()に記載の引張最大強度980MPa以上を有する耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼板。
(3)(1)又は(2)のいずれかに記載の高強度鋼板の表面に、Fe7質量%未満を含有し、残部がZn,Alおよび不可避的不純物からなる溶融亜鉛めっき層を有する引張最大強度980MPa以上を有する耐遅れ破壊特性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
(4)(1)又は(2)のいずれかに記載の高強度鋼板の表面に、Fe7質量%以上15質量%以下を含有し、残部がZn,Alおよび不可避的不純物からなる合金化溶融亜鉛めっき層を有する引張最大強度980MPa以上を有する耐遅れ破壊特性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
本発明は、自動車用の衝撃吸収部材、構造用部材、補強用部材、足廻り用部材に好適な引張強度で、引張最大強度980MPa以上を有する耐遅れ破壊特性に優れる高強度鋼板を安価に提供できる。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、鋼板のミクロ組織に含まれるマルテンサイトおよびベイナイトの形状を下記(1)式の範囲に制御することで、優れた曲げ性を確保できることを発見した。
Figure 0006032173
V:マルテンサイト粒又はベイナイト粒の体積
S:マルテンサイト粒又はベイナイト粒の表面積
以下に本発明の内容を詳細に説明する。
まず、鋼板に含まれるマルテンサイト、あるいは、ベイナイト粒の形状と耐遅れ破壊特性の関係を詳細に調査したところ、マルテンサイト、あるいは、ベイナイト粒の形状を(1)式の範囲とすることで、980MPa以上の引張最大強度と耐遅れ破壊特性の両立が可能なことを見出した。詳細なメカニズムは不明なものの、フェライト/マルテンサイト界面、あるいは、フェライト/ベイナイト界面には、変態時に導入された歪が存在することから、これら歪場が水素のトラップサイトとして作用したものと推定される。これは、マルテンサイト、あるいは、ベイナイトの表面積と体積率が(1)式を満たすことで顕著になる。(1)式の左辺が小さいほど、マルテンサイト、あるいは、ベイナイト粒の表面積は大きくなり、鋼材中の溶存水素が局所領域に集中して水素割れを引き起こすことがなくなる結果、遅れ破壊が生じなくなるものと考えられた。即ち、単位体積の割合が大きくなることから、トラップサイトとしての機能の向上と耐遅れ破壊特性向上が引き起こされたものと考えられる。
(1)式は、本発明者らが、鋼板のミクロ組織と遅れ破壊の関係を丹念に調査した結果得た式である。
(1)式の値を0.008以下とするのは、マルテンサイトあるいはベイナイトを複雑形状とし、遅れ破壊特性を向上させるためである。980MPa以上の引張最大強度と耐遅れ破壊特性の両立を考えた場合、(1)式の数値を0.008以下とする必要がある。このことから、上限を0.008とした。また、延性破壊起点となる変形の集中箇所の分散の観点からも、(1)式を満たすことが望ましい。一方、0.008超では、耐遅れ破壊特性向上効果が小さく、耐遅れ破壊特性に劣る。
マルテンサイトやベイナイトの3次元的な幾何学形状の測定は、マルテンサイトやベイナイトの三次元形状が測定出来ればどのような方法でも良い。例えば、FIB(Field Emission Ion Beam)を用いたSEM(Scanning Electron Microscope)内での研磨や、機械研磨とエッチングを用いたシリアルセクショニング法により、鋼板のミクロ組織を三次元的に観察しても良い。
あるいは、放射光を用いることで、鋼板を破壊することなくマルテンサイトやベイナイトの三次元形状を観察しても良い。本研究では、簡便性と大きな体積の組織形状評価のため、機械研磨、エッチングならびに光学顕微鏡組織観察を組み合わせたシリアルセクショニング法を実施した。観察に当たっては、鋼板を圧延方向に平行に切り出し、研磨、エッチングを行い、組織を光学顕微鏡にて観察した後、0.5μm毎に研磨、エッチング及び光学顕微鏡による組織観察を繰り返した。この際の組織観察位置は、板厚方向厚さの1/4位置とし、得られた画像を重ね合わせることで、三次元組織を再構築した。
観察面積は、100μm×100μm×100μmの領域のマルテンサイト粒やベイナイト粒の三次元形態を評価した。本鋼板は、980MPa以上となることから、圧延方向に平行な二次元断面におけるマルテンサイトやフェライトの平均粒径は、5μm以下とかなり小さく、本測定体積の中には多数のマルテンサイト粒やフェライト粒が含まれていた。このことから、鋼板の組織の三次元形態を評価するのに十分な代表体積であると考えられた。
次に、本発明における各組織の体積率限定理由に関して述べる。
ェライト体積率を20%以上とするのは、良好な伸びを確保するためである。フェライト体積率が20%未満では、加工硬化が低くなりすぎてしまい、成形性が低くなり、成形性に劣る。一方、フェライト体積率が95%超となると、980MPa以上の強度確保が難しい。このことから、フェライト体積率は、20〜70%とする必要がある。
強化組織であるマルテンサイト、あるいは、ベイナイトの体積率の合計を30〜80%とするのは、980MPa以上の引張最大強度を確保するためである。体積率が30%未満では、引張最大強度が980MPa未満となり、遅れ破壊の発生が生じ難い。一方、体積率が80%超では、マルテンサイトやベイナイト体積率が大きすぎてしまい、成形性に劣る。このことから、マルテンサイト及びベイナイト体積率の合計は、80%以下とする必要がある。
マルテンサイトは、その内部に鉄基炭化物(セメンタイトやε炭化物など)を含む焼き戻しマルテンサイト、あるいは、炭化物を含まないフレッシュマルテンサイトのいずれであっても、本発明の条件である三次元形状や体積率を満たすのであれば、本発明の効果を得ることが出来る。
ベイナイト組織は、ベイナイト組織を構成するラス状のフェライト間にセメンタイトを有する上部ベイナイト、ラス内に鉄基炭化物を有する下部ベイナイト、あるいは、ラス状のフェライトとオーステナイトの混合組織のいずれであっても、本発明の条件である三次元形状や体積率を満たすのであれば、本発明の効果を得ることが出来る。
残留オーステナイト体積率は、10%未満に制限する必要がある。残留オーステナイトは、プレス成形時にマルテンサイトへと変態することで、優れた加工硬化と高い均一伸びをもたらす。しかしながら、残留オーステナイトから変態したマルテンサイトは、極めて硬質であり、変形の集中により、ボイドや割れの発生起点になりやすい。その結果、耐遅れ破壊特性を劣化させる。そこで、残留オーステナイト体積率を10%未満に制限する必要がある。
フェライト、マルテンサイト、あるいは、残留オーステナイト以外の組織として、パーライトやセメンタイトなどの鉄基炭化物を含有しても良い。
なお、上記ミクロ組織の各相、フェライト、マルテンサイト、ベイナイト、オーステナイト、パーライトおよび残部組織の同定、存在位置の観察および面積率の測定は、ナイタール試薬および特開昭59−219473号公報に開示された試薬により鋼板圧延方向断面または圧延方向直角方向断面を腐食して、1000倍の光学顕微鏡観察及び1000〜100000倍の走査型および透過型電子顕微鏡により定量化が可能である。
また、シリアルセクショニングによるマルテンサイト粒やベイナイト粒の三次元組織観察の際に、100μm×100μm×100μmの代表体積内に含まれる各組織の体積率を本発明の鋼板に含まれる各組織の体積率としても良い。本発明では、シリアルセクショニングによって観察した代表体積に含まれる各組織の体積率を、本発明の鋼板に含まれる各組織の体積率とした。
粒径については、本発明の形状を満たすのであれば、特に制限しない。特に、二次元断面における組織観察では、マルテンサイト粒やベイナイト粒の一部を観察しているに過ぎず、実際の粒径と一致しない場合が多い。特に、本発明の鋼板に含まれるマルテンサイト粒やベイナイト粒は、製造条件を制御することで、三次元的に複雑な形状に制御している。
この結果、ある二次元断面では、微細で等軸であったとしても、三次元では複雑な形状をしている場合が多い。この結果、三次元的な粒としては、長径が大きい。このことから、マルテンサイトやベイナイトの粒径値自体よりも、式(1)で示す形状を表す指標が重要である。
鋼板強度は、引張最大強度が980MPa以上である必要がある。これは、引張最大強度が980MPa未満の鋼板であれば十分な耐遅れ破壊特性を有し、遅れ破壊発生の懸念が極めて小さいためである。980MPa未満であっても、本発明のマルテンサイト粒やベイナイト粒の形状とすることで、更なる特性向上が引き起こされることから、特性向上のためには望ましい。
次にめっき層について説明する。
鋼板にめっき層を有すことで耐食性が高まるため、めっきをしても良い。
スポット溶接性や塗装性が望まれる場合には、合金化処理によってこれらの特性を高めることができる。具体的には、Znめっき浴に浸漬した後、合金化処理を施すことで、めっき層中にFeが取り込まれ、塗装性やスポット溶接性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。合金化処理後のFe量が7質量%未満ではスポット溶接性が不十分となる。一方、Fe量が15質量%を超えるとめっき層自体の密着性を損ない、加工の際、めっき層が破壊・脱落し金型に付着することで、成形時の疵の原因となる。したがって、合金化処理を行う場合のめっき層中のFe量の範囲は7〜15質量%とする。
また、合金化処理を行わない場合、めっき層中のFe量が7質量%以下未満でも、合金化により得られるスポット溶接を除く効果である耐食性と耐遅れ破壊特性は良好である。
めっき付着量については、特に制約は設けないが、耐食性の観点から片面付着量で5g/m2 以上であることが望ましい。本発明の溶融Znめっき鋼板上に塗装性、溶接性を改善する目的で上層めっきを施すことや、各種の処理、例えば、クロメート処理、りん酸塩処理、潤滑性向上処理、溶接性向上処理等を施しても、本発明を逸脱するものではない。
また、めっき密着性をさらに向上させるために、焼鈍前に鋼板に、Ni、Cu、Co、Feの単独あるいは複数より成るめっきを施しても本発明を逸脱するものではない。
さらには、めっき前の焼鈍については、「脱脂酸洗後、非酸化雰囲気にて加熱し、H2及びN2を含む還元雰囲気にて焼鈍後、めっき浴温度近傍まで冷却し、めっき浴に浸漬」というゼンジマー法、「焼鈍時の雰囲気を調節し、最初、鋼板表面を酸化させた後、その後還元することによりめっき前の清浄化を行った後にめっき浴に浸漬」という全還元炉方式、あるいは、「鋼板を脱脂酸洗した後、塩化アンモニウムなどを用いてフラックス処理を行って、めっき浴に浸漬」というフラックス法等があるが、いずれの条件で処理を行ったとしても本発明の効果は発揮できる。
また、めっき浴は、純亜鉛に加え、Fe、Al、Mg、Mn、Si、Crなどを含有しても構わない。また、めっき層の合金化を行う場合には、460℃以上で行う。合金化処理温度が460℃未満であると合金化の進行が遅く、生産性が悪い。上限は特に限定しないが、600℃を超えると、炭化物が形成し硬質組織(マルテンサイト、ベイナイト、残留オーステナイト)体積率を減少させ、優れた延性の確保が難しくなるので、これが実質的な上限である。
また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合、めっき層の特性を制御するため、めっき浴中の有効Al濃度を0.05〜0.500質量%の範囲に制御することが望ましい。ここでめっき浴中の有効Al濃度とは、浴中のAl濃度から、浴中のFe濃度を引いた値である。
有効Al濃度を0.05〜0.500質量%に限定する理由は、有効Al濃度が0.05質量%よりも低い場合にはドロス発生が顕著で良好な外観が得られない。一方、有効Al濃度が0.500質量%よりも高い場合には、合金化が遅く、生産性に劣る。このことから、浴中の有効Al濃度の上限は、0.500質量%とすることが望ましい。
めっき層中のFe及びAlの含有量を測定するには、めっき層を酸で溶解し、溶解液を化学分析する方法を用いればよい。例えば、30mm×40mmに切断した合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、インヒビタを添加した5%HCl水溶液で、鋼板母材の溶出を抑制しながらめっき層のみを溶解し、溶解液をICP発光分析して得られた信号強度と、濃度既知溶液から作成した検量線からFe及びAlの含有量を定量する方法を用いればよい。また、各試料間の測定ばらつきを考慮して、同じ合金化溶融亜鉛めっき鋼板から切出した、少なくとも3つの試料を測定した平均値を採用すればよい。
次に、成分の限定理由について説明する。なお、%は質量%を意味する。
C:Cは、鋼板の強度を上昇できる元素である。しかしながら、0.05%未満であると980MPa以上の引張強度と加工性を両立することが難しくなる。一方、0.40%超となるとスポット溶接性の確保が困難となる。このため、その範囲を0.05〜0.40%以下に限定した。
Si:Siは、強化元素であり、鋼板の強度を上昇させることに有効である。また、セメンタイトの析出や粗大化の抑制を通じて、高強度化や曲げ性の向上に寄与する。しかしながら、0.01%未満であると高強度化の効果が小さく、また3.0%を超えると加工性が低下する。従って、Si含有量は0.01〜3.0%の範囲に制限した。
Mn:Mnは、強化元素であり、鋼板の強度を上昇させることに有効である。しかしながら、1.5%未満であると980MPa以上の引張強度を得ることが困難である。逆に多いとP、Sとの共偏析を助長し、加工性の著しい劣化を招くことから、3.5%未満とする。より好ましい範囲は、1.8〜3.2%である。
O:Oは、酸化物を形成し、伸び、曲げ性や穴拡げ性を劣化させることから、添加量を抑える必要がある。特に、酸化物は介在物として存在する場合が多く、打抜き端面、あるいは、切断面に存在すると、端面に切り欠き状の傷や粗大なディンプルを形成することから、穴拡げ時や強加工時に、応力集中を招き、亀裂形成の起点となり大幅な穴拡げ性あるいは曲げ性の劣化をもたらす。これは、Oが0.006%を超えると、この傾向が顕著となることから、O含有量の上限を0.006%以下とした。0.0001%と未満とすることは、過度のコスト高を招き経済的に好ましくないことから、これが実質的な下限である。
P:Pは鋼板の板厚中央部に偏析する傾向があり、溶接部を脆化させる。0.04%を超えると溶接部の脆化が顕著になるため、その適正範囲を0.04%以下に限定した。Pの下限値は特に定めないが、0.0001%未満とすることは、経済的に不利であることからこの値を下限値とすることが好ましい。
S:Sは、溶接性ならびに鋳造時および熱延時の製造性に悪影響を及ぼす。このことから、その上限値を0.01%以下とした。Sの下限値は特に定めないが、0.0001%未満とすることは、経済的に不利であることからこの値を下限値とすることが好ましい。また、SはMnと結びついて粗大なMnSを形成することから、曲げ性や穴拡げ性を劣化するため、出来るだけ少なくする必要がある。
Al:Alは、フェライト形成を促進し、延性を向上させるので添加しても良い。また、脱酸剤としても活用可能である。しかしながら、過剰な添加はAl系の粗大介在物の個数を増大させ、穴拡げ性の劣化や表面傷の原因になる。このことから、Al添加の上限を2.0%とした。下限は、特に限定しないが、0.0005%以下とするのは困難であるので、これが実質的な下限である。
N:Nは、粗大な窒化物を形成し、曲げ性や穴拡げ性を劣化させることから、添加量を抑える必要がある。これは、Nが0.01%を超えると、この傾向が顕著となることから、N含有量の範囲を0.01%以下とした。加えて、溶接時のブローホール発生の原因になることから少ない方が良い。下限は、特に定めることなく本発明の効果は発揮されるが、N含有量を0.0005%未満とすることは、製造コストの大幅な増加を招くことから、これが実質的な下限である。
Mo:Moは、強化元素であるとともに焼入れ性の向上に重要である。しかし、0.01%未満ではこれらの効果が得られないため下限値を0.01%とした。逆に、1%超含有すると製造時および熱延時の製造性に悪影響を及ぼすため、上限値を1%とした。
Cr:Crは、強化元素であるとともに焼入れ性の向上に重要である。しかし、0.05%未満ではこれらの効果が得られないため下限値を0.05%とした。逆に、1%超含有すると製造時および熱延時の製造性に悪影響を及ぼすため、上限値を1%とした。
Ni:Niは、強化元素であるとともに焼入れ性の向上に重要である。しかし、0.05%未満ではこれらの効果が得られないため下限値を0.05%とした。逆に、1%超含有すると製造時および熱延時の製造性に悪影響を及ぼすため、上限値を1%とした。加えて、濡れ性の向上や合金化反応の促進をもたらすことから添加しても良い。
Cu:Cuは、強化元素であるとともに焼入れ性の向上に重要である。しかし、0.05%未満ではこれらの効果が得られないため下限値を0.05%とした。逆に、1%超含有すると製造時および熱延時の製造性に悪影響を及ぼすため、上限値を1%とした。加えて、濡れ性の向上や合金化反応の促進をもたらすことから添加しても良い。
Bは、0.0001%以上の添加で粒界の強化や鋼材の強度化に有効であるが、その添加量が0.01%を超えると、その効果が飽和するばかりでなく、熱延時の製造製を低下させることから、その上限を0.01%とした。
Ti:Tiは、強化元素である。析出物強化、フェライト結晶粒の成長抑制による細粒強化および再結晶の抑制を通じた転位強化にて、鋼板の強度上昇に寄与する。添加量が0.005%未満ではこれらの効果が得られないため、下限値を0.005%とした。0.3%超含有すると、炭窒化物の析出が多くなり成形性が劣化するため、上限値を0.3%とした。
Nb:Nbは、強化元素である。析出物強化、フェライト結晶粒の成長抑制による細粒強化および再結晶の抑制を通じた転位強化にて、鋼板の強度上昇に寄与する。添加量が0.005%未満ではこれらの効果が得られないため、下限値を0.005%とした。0.3%超含有すると、炭窒化物の析出が多くなり成形性が劣化するため、上限値を0.3%とした。
V:Vは、強化元素である。析出物強化、フェライト結晶粒の成長抑制による細粒強化および再結晶の抑制を通じた転位強化にて、鋼板の強度上昇に寄与する。添加量が0.005%未満ではこれらの効果が得られないため、下限値を0.005%とした。0.5%超含有すると、炭窒化物の析出が多くなり成形性が劣化するため、上限値を0.5%とした。
Ca、Mg、REMから選ばれる1種または2種以上を合計で0.0005〜0.04%添加できる。Ca、MgおよびREMは脱酸に用いる元素であり、1種または2種以上を合計で0.0005%以上含有することが好ましい。REMとは、Rare Earth Metalである。しかしながら、含有量が合計で0.04%を超えると、成形加工性の悪化の原因となる。そのため、含有量を合計で0.0005〜0.04%とした。なお、本発明において、REMはミッシュメタルにて添加されることが多く、LaやCeの他にランタノイド系列の元素を複合で含有する場合がある。不可避不純物として、これらLaやCe以外のランタノイド系列の元素を含んだとしても本発明の効果は発揮される。 ただし、金属LaやCeを添加したとしても本発明の効果は発揮される。
鋳造に先行する製造方法は特に限定するものではない。すなわち、高炉や電炉等による溶製に引き続いて、各種の二次製錬を行っても良い。次いで、鋳造時のスラブ表面の平均冷却速度は、200℃/秒以下にする必要がある。鋳造時のスラブ表面の平均冷却速度は、本発明の鋼板において最も重要な条件の一つである。即ち、マルテンサイトやベイナイトを(1)で定義された形状に制御するには、鋳造時のMnのミクロ偏析を制御し、これを用いてマルテンサイトやベイナイトの形状を制御する必要がある。
ただし、780MPa以上の高強度鋼板は、多量の合金元素を含むため、ブレイクアウトと呼ばれる連続鋳造時のスラブ割れを抑制する目的で、鋳造時のスラブ表面の平均冷却速度を200℃/秒以上とし、速やかに凝固させる必要があった。しかしながら、大きな冷却速度での製造は、連続鋳造時のブレイクアウトのリスクを小さくするものの、凝固時に形成するデンドライト組織の一次樹間を減少させてしまう。この結果、マルテンサイトやベイナイトは、単純な形態となり、(1)式を満たさず、曲げ性が劣化する。このことから、鋳造時の1400〜1200℃でのスラブ表面での冷却速度は、200℃/秒以下とする必要がある。
鋳造したスラブは、一度低温まで冷却したのち、再度加熱してから熱間圧延しても良いし、鋳造スラブを連続的に熱延しても良い。原料にはスクラップを使用しても構わない。
また、圧延後の冷却については特に規定はせず、それぞれの目的にあった組織制御を行うための冷却パターンをとっても本発明の効果は得られる。巻き取り温度は700℃以下にする必要がある。700℃を超えると熱延組織中に粗大なフェライトやパーライト組織が存在するため、焼鈍後の組織不均一性が大きくなり、最終製品の材質異方性が大きくなる。焼鈍後の組織を微細にして強度延性バランスを向上させる。
また、700℃を超える温度で巻き取ることは、鋼板表面に形成する酸化物の厚さを過度に増大させるため、酸洗性が劣るので好ましくない。下限については特に定めることなく本発明の効果は発揮されるが、室温以下の温度で巻き取ることは技術的に難しいので、これが実質の下限となる。なお、熱延時に粗圧延板同士を接合して連続的に仕上げ圧延を行っても良い。また、粗圧延板を一旦巻き取っても構わない。
このようにして製造した熱延鋼板に、酸洗を行う。酸洗は鋼板表面の酸化物の除去が可能であることから、めっき性向上のためには重要である。また、一回の酸洗を行っても良いし、複数回に分けて酸洗を行っても良い。
酸洗した熱延鋼板を圧下率30〜80%で冷間圧延して、連続溶融亜鉛めっきラインを通板する。圧下率が30%未満では、形状を平坦に保つことが困難である。また、最終製品の延性が劣悪となるのでこれを下限とする。一方、80%を越える冷延は、冷延荷重が大きくなりすぎてしまい冷延が困難となることから、これを上限とする。40〜70%がより好ましい範囲である。圧延パスの回数、各パス毎の圧下率については特に規定することなく本発明の効果は発揮される。
連続焼鈍ラインやめっきラインを通板する場合の加熱速度は、特に定めることなく本発明の効果は発揮される。0.5℃/秒未満の加熱速度は、生産性が大きく損なわれることから好ましくないことから、これが下限となる。一方、加熱速度を100℃/秒超とすることは、過度の設備投資を招き、経済的に好ましくないことから、これが実質的な上限である。
最高加熱温度は、750〜900℃の範囲である。最高加熱温度が750℃未満になると、熱延時に形成した炭化物が再固溶するのに時間がかかりすぎてしまい炭化物、あるいは、その一部が残存することから、980MPa以上の強度が確保し難い。このことから、750℃が最高加熱温度の下限である。一方、過度の高温加熱は、コストの上昇を招くことから経済的に好ましくないばかりでなく、高温通板時の板形状が劣悪になったり、ロールの寿命を低下させたりとトラブルを誘発することから、最高加熱温度の上限を900℃とする。この温度域での熱処理時間は特に限定しないが、炭化物の溶解のために、10秒以上の熱処理が望ましい。一方、熱処理時間が600秒超となると、コストの上昇を招くことから経済的に好ましくない。熱処理についても、最高加熱温度にて等温保持を行っても良いし、傾斜加熱を行い最高加熱温度に到達した後、直ちに、冷却を開始したとしても、本発明の効果は発揮される。
上記焼鈍終了後、500〜750℃まで冷却する。最高加熱温度から500〜750℃までの平均冷却速度は、0.5〜200℃/秒とすることが望ましい。冷却速度を、0.5℃/秒未満とすることは、冷却過程においてオーステナイトがパーライト組織へと変態する、あるいは、多量のフェライトが形成し引張最大強度が980MPa未満となることから、マルテンサイト、あるいは、ベイナイト体積率を30%以上とすることが困難となるので、下限を0.5℃/秒以上とした。冷却速度を大きくしたとしても、材質上なんら問題はないが、過度に冷却速度を上げることは、製造コスト高を招くこととなるので、上限を200℃/秒とすることが好ましい。冷却方法については、ロール冷却、空冷、水冷およびこれらを併用したいずれの方法でも構わない。
その後、500℃〜室温まで冷却を行うことで、マルテンサイトやベイナイトを形成させる。冷却停止温度を500℃超とした場合、オーステナイトがパーライトへと変態するため、マルテンサイトやベイナイトの体積率の合計を30%以上とすることが出来ず980MPa以上の強度確保が難しい。このことから、冷却停止温度の上限を500℃とする。室温以下の温度域への冷却は、その効果が飽和するばかりでなく、過度の設備投資を必要とすることから好ましくない。あるいは、マルテンサイトの特性向上のため、焼き戻しを行う場合、250〜500℃の温度域に再加熱せねばならず、経済性に劣る。このことから、冷却停止温度は、500〜150℃の温度範囲とすることが望ましい。
引き続き、500〜250℃間にて10〜1000秒間で保持することで、マルテンサイトの特性向上を行うための焼き戻しを行う。本熱処理により、マルテンサイトの焼き戻しによる穴広げ性、曲げ性の向上や耐遅れ破壊特性の更なる向上が図られることから実施する必要がある。保持温度の上限を500℃とするのは、この温度以上での焼き戻しは、マルテンサイトの強度低下が顕著になり、980MPa以上の強度が確保し難いためである。一方、250℃未満の温度での保持は、マルテンサイトの特性改善に長時間を要することから、設備が過大となり、生産性に劣る。このことから、保持温度は、500〜250℃とする必要がある。下限を10秒としたのは、10秒未満の保持では、焼き戻しによるマルテンサイトの特性改善が十分でなく、優れた成形性を得ることが出来ない。一方、1000秒を超える保持は、生産性が低下することから好ましくない。なお、保持とは、等温保持のみを指すのではなく、この温度域での徐冷や加熱も含む。
また、焼き戻し後に、めっき浴への浸漬やめっきの合金化処理を行う場合、これらの処理をマルテンサイトの焼き戻しやベイナイト変態の促進に活用できる。めっき浴浸漬板温度は、溶融亜鉛めっき浴温度より40℃低い温度から溶融亜鉛めっき浴温度より50℃高い温度までの温度範囲とすることが望ましい。
浴浸漬板温度が(溶融亜鉛めっき浴温度−40)℃を下回ると、めっき浴浸漬進入時の抜熱が大きく、溶融亜鉛の一部が凝固してしまいめっき外観を劣化させる場合があることから、下限を(溶融亜鉛めっき浴温度−40)℃とする。ただし、浸漬前の板温度が(溶融亜鉛めっき浴温度−40)℃を下回っても、めっき浴浸漬前に再加熱を行い、板温度を(溶融亜鉛めっき浴温度−40)℃以上としてめっき浴に浸漬させても良い。
また、めっき浴浸漬温度が(溶融亜鉛めっき浴温度+50)℃を超えると、めっき浴温度上昇に伴う操業上の問題を誘発する。また、めっき浴は、純亜鉛に加え、Fe、Al、Mg、Mn、Si、Crなどを含有しても構わない。
また、めっき層の合金化を行う場合には、460℃以上で行う。合金化処理温度が460℃未満であると合金化の進行が遅く、生産性が悪い。600℃を超えると、粗大な炭化物が形成し、成形性が劣化するとともに、強度低下も顕著となることから、980MPa以上の引張最大強度と優れた延性の確保が難しくなるので、これが上限である。
上記、焼鈍後やめっき処理後に、一旦、100℃以下まで冷却し、再加熱を行い150〜500℃で熱処理を行っても良い。150〜500℃での熱処理は、マルテンサイトの焼き戻しによる成形性の向上が可能である。150℃未満では、その効果が小さいことから、150℃以上で行うことが望ましい。一方、500℃超での焼き戻しは、マルテンサイトを過度に焼き戻してしまい980MPa以上の強度が確保し難いため好ましくない。
熱処理時間は、1〜1000000秒行う必要がある。1秒未満では効果が得難いため、1秒以上とした。1000000秒を超える熱処理は、効果が飽和するばかりでなく、経済性に劣ることから、その上限を1000000秒とした。加えて、1000秒以下の短時間熱処理を行う場合は、熱処理温度は250℃以上とすることが望ましい。一方、1000秒超となる熱処理であれば、150〜250℃の低温での熱処理であっても同様の効果を得ることができる。
上記熱処理が可能であれば、熱処理はどのような熱処理であっても構わない。例えば、一旦巻き取ったコイルを箱型炉に入れることでの熱処理、インラインでの加熱炉やインダクションヒーターを用いた熱処理を行っても良い。
熱処理後のスキンパス圧延の圧下率は、0.1〜1.5%の範囲が好ましい。0.1%未満では効果が小さく、制御も困難であることから、これが下限となる。1.5%を超えると生産性が著しく低下するのでこれを上限とする。スキンパスは、インラインで行っても良いし、オフラインで行っても良い。また、一度に目的の圧下率のスキンパスを行っても良いし、数回に分けて行っても構わない。
また、本発明の980MPa以上の引張最大強度を有し、遅れ破壊特性に優れた高強度冷延鋼板や高延性溶融亜鉛めっき鋼板の素材は、通常の製鉄工程である精錬、製鋼、鋳造、熱延、冷延工程を経て製造されることを原則とするが、その一部あるいは全部を省略して製造されるものでも、本発明に係わる条件を満足する限り、本発明の効果を得ることができる。
(実施例)
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。
表1に示す成分を有するスラブを、1240℃に加熱し、表2に記載の熱延条件にて熱間圧延を行い、水冷帯にて水冷の後、表2及び3に示す温度で巻き取り処理を行った。熱延板の厚みは、2.5〜3.0mmの範囲とした。熱延板を酸洗した後、冷間圧延後の板厚が1.2mmとなるように、所定の冷延率で冷延を行い、冷延板とした。
表1における鋼種F〜Sは、本発明で規定する成分の鋼種であり、a〜dは、C、Si、Mn含有量が範囲外である比較例である。
Figure 0006032173
Figure 0006032173
Figure 0006032173
Figure 0006032173
Figure 0006032173
その後、これらの冷延板に表2に示す条件で連続焼鈍設備並びに連続合金化溶融亜鉛めっき設備にて、熱処理と溶融亜鉛めっき処理を施した。焼鈍温度から500〜750℃までを表2の冷却速度で冷却し、その後、500〜250℃の温度範囲で5〜300秒保持を行った後、所定の条件に制御した亜鉛めっき浴に浸漬し、その後室温まで冷却した。めっき浴中のめっき浴中の有効Al濃度は、0.09〜0.17質量%の範囲とした。一部の鋼板については、亜鉛めっき浴に浸漬後、各条件にて合金化処理を行い、室温まで冷却した。その際の目付け量としては、両面とも約35g/m2とした。最後に、得られた鋼板について0.4%の圧下率でスキンパス圧延を行った。
引張試験は、圧延方向に直角方向及び平行にJIS5号試験片を採取し、引張特性を評価した。
合金化反応はそれぞれ下記のように評価した。
めっき層中のFe%は下記のように評価した。
まず、30mm×40mmに切断した亜鉛めっき鋼板について、インヒビタを添加した5%HCL水溶液で、鋼板母材の溶出を抑制しながらめっき層のみを溶解し、溶解液をICP発光分析することでめっき層中のFe%を評価した。各試料間の測定ばらつきを考慮して、同じ亜鉛めっき鋼板から、3つの試料を切出し、その測定値を平均したものをFe%とした。
次に、以下に示す方法により、遅れ破壊特性を調べた。
まず、得られた鋼板をシャー切断して、圧延方向に垂直な方向が長手方向となる1.2mm×30mm×100mmの試験片とし、端面を機械研削した。その後、試験片を押し曲げ法にて曲げて、半径5Rの曲げ試験片を作製した。応力除荷後の曲げ試験片の開き量は、40mmとした。その後、表面に歪ゲージを貼り、ボルトで締め付けることで、曲げ試験片を弾性変形させ、その際の歪量を読み取ることで、負荷応力を算出した。その後、曲げ試験片をチオシアン酸アンモニウム水溶液中に浸漬して、電流密度1.0mA/cmの条件にて電解チャージを行うことで、鋼板中に水素を侵入させる遅れ破壊促進試験を行った。
そして、電解チャージ時間が100時間となっても割れが生じ無いものを良好(○)な耐遅れ破壊特性を有する鋼板と評価し、割れが生じたものを不良(×)と評価した。
結果を表3に、(1)式の値等と共に示す。
本発明の鋼板は、耐遅れ破壊性において、好適な性質を具備している。
本発明は、自動車用の構造用部材、補強用部材、足廻り用部材に好適な、引張最大強度980MPa以上を有する耐遅れ破壊特性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板を安価に提供するものであり、自動車の軽量化に大きく貢献することが期待でき、産業上の効果は極めて高い。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.05〜0.40%、
    Si:0.01〜3.0%、
    Mn:1.5〜3.5%未満、
    P:0.04%以下、
    S:0.01%以下、
    Al:2.0%以下、
    N:0.01%以下、
    O:0.006以下、
    を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなり、
    ミクロ組織が、フェライトと、マルテンサイト及びベイナイトの1種又は2種と、残留オーステナイト(含有しない場合を含む)からなり、その割合が、体積分率でフェライトを20%以上含有し、マルテンサイト及びベイナイトの1種又は2種を合計で30〜80%以下含有し、残留オーステナイト体積率を10%未満に制限する鋼板であって、マルテンサイトおよびベイナイトが下記(1)式を満たす形状を有することを特徴とする引張最大強度980MPa以上を有する耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼板。
    Figure 0006032173
  2. さらに、鋼中に質量%で
    Cr:0.05〜1.0%、
    Mo:0.01〜1.0%、
    Ni:0.05〜1.0%、
    Cu:0.05〜1.0%、
    Nb:0.005〜0.3%、
    Ti:0.005〜0.3%、
    V:0.005〜0.5%、
    B:0.0001〜0.01%、
    Ca:0.0005〜0.04%、
    Mg:0.0005〜0.04%、
    REM:0.0005〜0.04%、
    の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の引張最大強度980MPa以上を有する耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼板。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の高強度鋼板の表面に、Fe7質量%未満を含有し、残部がZn,Alおよび不可避的不純物からなる溶融亜鉛めっき層を有する引張最大強度980MPa以上を有する耐遅れ破壊特性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 請求項1又は2のいずれかに記載の高強度鋼板の表面に、Fe7質量%以上15%以下を含有し、残部がZn,Alおよび不可避的不純物からなる合金化溶融亜鉛めっき層を有する引張最大強度980MPa以上を有する耐遅れ破壊特性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
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