様々な図面内の同じ参照番号および記号表示は、同じ要素を示す。
1つの光学モニタ技法は、研磨中に基板から反射した光スペクトルを測定し、ライブラリから、整合する基準スペクトルを識別することである。いくつかの実装形態では、整合する基準スペクトルは、一連の指数値を提供し、この一連の指数値に関数、たとえば線が適合される。ターゲット値に対する関数の予測を使用して、終点の決定または研磨速度の変更を行うことができる。
上記のように、1つの潜在的な問題は、これらのモデルで使用される堆積層のnおよびkの値は、薄膜の組成および薄膜の堆積の制御に応じて、顧客ごとおよびロットごとに変動することである。たとえば、酸化ケイ素、炭素がドープされた酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭素がドープされた窒化ケイ素、またはポリシリコンなどのいくつかの層では、nおよびkの値が変動する傾向がある。具体的には、表向きは同じ材料組成の層でも、堆積手順における処理条件のためにnおよびkの値は変動する可能性がある。したがって、顧客が薄膜の特性を厳密に制御した場合でも、nおよびkの値に顧客ごとの変動が生じることがある。
これに対処するために、複数の基準スペクトルを生成することができ、これらの複数の基準スペクトルは、同じ層に対する異なる屈折率または消衰係数値に対して生成された基準スペクトルを含む。たとえば、1つまたは複数の屈折率関数のセットおよび1つまたは複数の消衰係数関数のセットを記憶することができる。屈折率関数のセットからの1つの屈折率関数と消衰係数関数のセットからの1つの消衰係数関数とのそれぞれの組合せに対して、1つの基準スペクトルを計算することができる。
上記のように、別の問題は、いくつかの基板が異なる層のスタックを有する領域を含むことである。非常に簡単な例として、一部の領域は、金属層の上に単一の誘電体層を含む可能性があり、他の領域は、金属層の上に2つの誘電体層を含む可能性がある。当然ながら、実際の用途では、層スタックははるかに複雑である可能性が高い。たとえば、バックエンドオブライン処理で基板を研磨するとき、基板の一部の領域は、露出した金属を含む可能性があり、他の領域は、単一の層セットを含む可能性があり、さらに他の領域は、複数の垂直方向に配置された層セットを含む可能性がある。各層セットは、基板の金属相互接続構造内の1つの金属層に対応する可能性がある。たとえば、各層セットは、誘電体層、たとえば低誘電率誘電体と、エッチング停止層、たとえば炭化ケイ素、窒化ケイ素、または炭窒化ケイ素(SiCN)とを含む。
インシトゥモニタ処理中、基板上の光線の配置は精密に制御されない。したがって、光線は、場合によっては1つの層スタックを有する領域に主に届き、また場合によっては異なる層スタックを有する領域に主に届く。手短に言うと、基板上のそれぞれの異なる層スタックからのスペクトルに対する百分率寄与は、測定ごとに変動する可能性がある。しかし、異なる層スタックによる寄与の適当な変動範囲に及ぶ複数の基準スペクトルを生成することが可能である。
別の問題は、いくつかの基板において、光のわずかな部分しか基板上の最も上の層セットを透過できないことである。さらに、最も上の層セットからの光は、第2の層セットおよびそれより下の層セットからの光に比べて、散乱して検出器へ戻り、測定スペクトルに寄与する可能性がはるかに低い。したがって、妥当な近似は、理論的に生成される多重スタック基準スペクトルを計算する際に上部2つの層セットのみを使用することである。
屈折率nは、n=c/vで示されるように、材料中の光の速度に反比例する。ここでnは屈折率であり、cは真空中の光の速度であり、vは材料中の光の速度である。nが大きいということは、光が材料中をゆっくりと進むことを意味する。消衰係数kは、吸収係数に比例する。kが大きいということは、材料が強い吸収を有する(入射光が大幅に減衰する)ことを意味する。k=0の値は、材料が完全に透明であることを意味する。
基板は、第1の層と、第1の層の上に配置された第2の層とを含むことができる。第1の層は誘電体とすることができる。第1の層と第2の層はどちらも、少なくとも半透明である。さらに、第1の層および1つまたは複数の追加の層(存在する場合)は、第2の層の下に層スタックを提供する。
一例として、図1Aを参照すると、基板10が基部構造12、たとえばガラスシートまたは半導体ウエハを含むことができ、さらなる導電性材料または絶縁材料の層を有する可能性もある。基部構造12の上には、導電層14、たとえば銅、タングステン、またはアルミニウムなどの金属が配置される。導電層14の上にはパターン付きの第1の下部誘電体層18が配置され、下部誘電体層18の上にはパターン付きの第2の上部誘電体層22が配置される。下部誘電体層18および上部誘電体層22は、絶縁体、たとえば二酸化ケイ素などの酸化物、または炭素がドープされた二酸化ケイ素などの低誘電率材料、たとえばBlack Diamond(商標)(Applied Materials,Inc.から)もしくはCoral(商標)(Novellus Systems,Inc.から)とすることができる。下部誘電体層18および上部誘電体層22は、同じ材料または異なる材料から構成することができる。
任意選択で、導電層14と下部誘電体層18との間には、パッシベーション層16、たとえば窒化ケイ素が配置される。任意選択で、下部誘電体層18と上部誘電体層22との間には、エッチング停止層20、たとえば誘電体材料、たとえば炭化ケイ素、窒化ケイ素、または炭窒化ケイ素(SiCN)が配置される。上部誘電体層22の上には、少なくとも上部誘電体層22内のトレンチ内へ、下部誘電体層18および上部誘電体層22とは異なる組成のバリア層26が配置される。たとえば、バリア層26は、金属または窒化金属、たとえば窒化タンタルまたは窒化チタンとすることができる。任意選択で、上部誘電体層22とバリア層26との間には、第2の誘電体材料とは異なる別の誘電体材料、たとえば低誘電率キャッピング材料、たとえばテトラエチルオルソシリケート(TEOS)から形成された材料の1つまたは複数の追加の層24が配置される。上部誘電体層22の上には(少なくとも上部誘電体層22のパターンによって設けられるトレンチ内に)、導電性材料28、たとえば銅、タングステン、またはアルミニウムなどの金属が配置される。
バリア層26を含む導電層14と導電性材料28との間のこれらの層は、光学モニタシステムからの光を伝送するのに十分に低い消衰係数を有することができ、かつ/または十分に薄くすることができる。対照的に、導電層14および導電性材料28は、光学モニタシステムからの光に対して不透明になるように十分に厚くすることができ、かつ十分に高い消衰係数を有することができる。
いくつかの実装形態では、上部誘電体層22が第1の層を提供し、バリア層26が第2の層を提供するが、他の層を第1の層および第2の層にすることも可能である。
化学機械研磨を使用して、基板を平坦化して第2の層を露出させることができる。たとえば、図1Bに示すように、最初は、不透明な導電性材料28を研磨して、不透明でない第2の層、たとえばバリア層26を露出させる。次いで、図1Cを参照すると、第2の層のうち第1の層の上に残っている部分を除去し、基板を研磨して、第1の層、たとえば上部誘電体層22を露出させる。さらに、場合によっては、ターゲットの厚さが残るまで、またはターゲット量の材料が除去されるまで、第1の層、たとえば誘電体層22を研磨することが望ましい。図1A〜1Cの例では、平坦化後、導電性材料28のうち上部誘電体層22の凸状のパターン間に残っている部分が、ビアなどを形成する。
1つの研磨方法は、第1の研磨パッド上で導電性材料28を研磨して、少なくとも第2の層、たとえばバリア層26を露出させることである。さらに、たとえば第1の研磨パッドにおける過剰研磨ステップ中に、第2の層の厚さの一部分を除去することができる。次いで基板は、第2の研磨パッドへ移送され、そこで第2の層、たとえばバリア層26が完全に除去され、低誘電率誘電体などの第1の層、たとえば上部誘電体層22の厚さの一部分も除去される。さらに、第1の層と第2の層との間の追加の1つまたは複数の層、たとえばキャッピング層も、存在する場合、第2の研磨パッドにおいて同じ研磨動作で除去することができる。
図2は、研磨装置100の一例を示す。研磨装置100は回転可能なディスク状のプラテン120を含み、プラテン120上に研磨パッド110が位置する。プラテンは、軸125を中心に回転するように動作可能である。たとえば、モータ121は、駆動軸124を回してプラテン120を回転させることができる。研磨パッド110は、外側の研磨層112とより柔らかいバッキング層114とを有する2層式の研磨パッドとすることができる。
研磨装置100は、スラリなどの研磨液132を研磨パッド110上へ投与するためのパッドへのポート130を含むことができる。研磨装置はまた、研磨パッド110を研削して研磨パッド110を一貫した研削状態で維持するための研磨パッドコンディショナーを含むことができる。
研磨装置100は、1つまたは複数のキャリアヘッド140を含む。各キャリアヘッド140は、研磨パッド110に基板10を押し付けた状態で保持するように動作可能である。各キャリアヘッド140は、それぞれの対応する基板に関連する研磨パラメータ、たとえば圧力の独立した制御を有することができる。
具体的には、各キャリアヘッド140は、可撓性の膜144の下で基板10を保定するための保定リング142を含むことができる。各キャリアヘッド140はまた、膜によって画定された独立して制御可能な複数の加圧可能なチャンバ、たとえば3つのチャンバ146a〜146cを含み、これらのチャンバは、独立して制御可能な加圧を可撓性の膜144上、したがって基板10上の関連する区間148a〜148c(図3参照)に加えることができる。図3を参照すると、中心区間148aは実質上円形とすることができ、残りの区間148b〜148cは、中心区間148aの周りで同心円状の環状区間とすることができる。図を簡単にするために、図2および図3では3つのチャンバのみを示すが、1つもしくは2つのチャンバ、または4つ以上のチャンバ、たとえば5つのチャンバが位置することもできる。
図2に戻ると、各キャリアヘッド140は、支持構造150、たとえばカルーセルからつるされており、キャリアヘッドが軸155を中心に回転できるように、駆動軸152によってキャリアヘッド回転モータ154に接続されている。任意選択で、各キャリアヘッド140は、たとえばカルーセル150上の摺動器上を、またはカルーセル自体の回転振動によって、横方向に振動することができる。動作の際には、プラテンは、中心軸125を中心に回転し、各キャリアヘッドは、中心軸155を中心に回転し、研磨パッドの上面を横断して横方向に平行移動する。
1つのキャリアヘッド140のみを示すが、研磨パッド110の表面積を効率的に使用できるように、より多くのキャリアヘッドを設けて追加の基板を保持することができる。したがって、同時研磨処理に対して基板を保持するように適合されたキャリアヘッドアセンブリの数は、少なくとも部分的に研磨パッド110の表面積に基づくことができる。
研磨装置はまた、研磨速度を調整するかどうかを決定し、または以下で論じる研磨速度の調整を決定するために使用できる、インシトゥ光学モニタシステム160、たとえば分光モニタシステムを含む。研磨パッドを通る光学アクセスは、開孔(すなわち、パッドを貫通する孔)または固体の窓118を含むことによって提供される。固体の窓118は、たとえば研磨パッド内の開孔を充填するプラグとして、研磨パッド110に固定することができ、たとえば研磨パッドに成型または接着固定されるが、いくつかの実装形態では、固体の窓は、プラテン120上に支持して研磨パッド内の開孔内へ突出させることができる。
光学モニタシステム160は、光源162、光検出器164、ならびに遠隔コントローラ190、たとえばコンピュータと光源162および光検出器164との間で信号を送受信する回路166を含むことができる。1つまたは複数の光ファイバを使用して、光源162から研磨パッド内の光学アクセスへ光を伝送することができ、基板10から反射した光を検出器164へ伝送することができる。たとえば、二又の光ファイバ170を使用して、光源162から基板10へ、また再び検出器164へ、光を伝送することができる。二又の光ファイバは、光学アクセスに近接して位置決めされた幹線172と、それぞれ光源162および検出器164に接続された2つの支線174および176とを含むことができる。
いくつかの実装形態では、プラテンの上面は凹部128を含むことができ、凹部128内には、二又ファイバの幹線172の一方の端部を保持する光学ヘッド168が嵌合される。光学ヘッド168は、幹線172の上部と固体の窓118との間の垂直方向の距離を調整する機構を含むことができる。
回路166の出力は、デジタル電子信号とすることができ、この信号は、駆動軸124内の回転結合器129、たとえばスリップリングを通過して光学モニタシステムに対するコントローラ190へ進む。同様に、コントローラ190から回転結合器129を通って光学モニタシステム160へ進むデジタル電子信号内の制御コマンドに応答して、光源に電源を投入または遮断することができる。別法として、回路166は、無線信号によってコントローラ190と通信することもできる。
光源162は、白色光を放出するように動作可能とすることができる。一実装形態では、放出される白色光は、200〜800ナノメートルの波長を有する光を含む。適した光源は、キセノンランプまたはキセノン水銀ランプである。
光検出器164は、分光計とすることができる。分光計とは、電磁スペクトルの一部分における光の強度を測定する光学機器である。適した分光計は、格子分光計である。分光計に対する典型的な出力は、波長(または周波数)に応じた光の強度である。
上記のように、光源162および光検出器164は、演算デバイス、たとえばコントローラ190に接続することができ、それによってこの演算デバイスの動作を制御してその信号を受け取るように動作可能になる。演算デバイスは、研磨装置付近に位置するマイクロプロセッサ、たとえば、プラグラム可能なコンピュータを含むことができる。制御に関して、演算デバイスはたとえば、光源の起動とプラテン120の回転とを同期させることができる。
いくつかの実装形態では、インシトゥモニタシステム160の光源162および検出器164は、プラテン120内に設置され、プラテン120とともに回転する。この場合、プラテンが動くことで、センサは各基板を横断して走査する。具体的には、プラテン120が回転すると、コントローラ190は光源162に一連の閃光を放出させることができ、これらの閃光は、光学アクセスが基板10の下を通る直前に開始してその直後に終了する。別法として、演算デバイスは光源162に光を連続して放出させることができ、この光は、各基板10が光学アクセスの上を通る直前に開始してその直後に終了する。いずれの場合も、検出器からの信号をサンプリング期間にわたって統合し、サンプリング周波数でスペクトル測定を生成することができる。
動作の際には、コントローラ190は、たとえば、光源の特定の閃光に対して光検出器が受け取った光のスペクトルまたは検出器の時間枠を示す情報を有する信号を受け取ることができる。したがって、このスペクトルは、研磨中にインシトゥ測定されるスペクトルである。
図4に示すように、検出器がプラテン内に設置された場合、プラテンの回転(矢印204で示す)のため、窓108がキャリアヘッドの下を進むと、光学モニタシステムがサンプリング周波数でスペクトル測定を行うことで、基板10を横切る弧内の位置201でスペクトル測定が行われる。たとえば、点201a〜201kはそれぞれ、モニタシステムによるスペクトル測定の位置を表す(点の数は例示であり、サンプリング周波数に応じて、図示のものより多いまたは少ない測定を行うこともできる)。サンプリング周波数は、窓108を1回掃引するたびに5個から20個の間のスペクトルが収集されるように選択することができる。たとえば、サンプリング期間は、3ミリ秒から100ミリ秒の間とすることができる。
図示のように、プラテンが1回転する間、基板10上の異なる半径からスペクトルが得られる。すなわち、スペクトルの中には、基板10の中心により近い位置から得られるものと、エッジにより近い位置から得られるものがある。したがって、基板を横断する光学モニタシステムの任意の所与の走査に対して、タイミング、モータエンコーダ情報、ならびに基板および/または保定リングのエッジの光学検出に基づいて、コントローラ190は、その走査からの各測定スペクトルに対する径方向の位置(走査されている基板の中心に対して)を計算することができる。研磨システムはまた、どの基板にするかを決定し、かつ測定スペクトルの基板上の位置を決定するための追加のデータを提供するために、回転位置センサ、たとえば固定の光学遮断器を通過するプラテンのエッジに取り付けられたフランジを含むことができる。したがってコントローラは、様々な測定スペクトルと、基板10aおよび10b上の制御可能な区間148b〜148e(図2参照)とを関連付けることができる。いくつかの実装形態では、径方向の位置の正確な計算の代わりとして、スペクトルの測定の時間を使用することができる。
プラテンが数回転する間、各区間に対して、スペクトルのシーケンスを時間とともに得ることができる。いかなる特定の理論にも限定されるものではないが、最も外側の層の厚さの変化のため、基板10から反射した光のスペクトルは、研磨が進行するにつれて(たとえば、基板を横断する1回の掃引ではなく、プラテンが数回転する間に)発展し、それによって時間につれて変動するスペクトルのシーケンスが得られる。さらに、層スタックの特定の厚さによって特定のスペクトルが示される。
いくつかの実装形態では、コントローラ、たとえば演算デバイスは、測定スペクトルと複数の基準スペクトルとを比較し、どの基準スペクトルが最良整合を提供するかを決定するようにプログラムすることができる。具体的には、コントローラは、各区間からの測定スペクトルのシーケンスからの各スペクトルと複数の基準スペクトルとを比較して、最良に整合する基準スペクトルのシーケンスを各区間に対して生成するようにプログラムすることができる。
本明細書では、基準スペクトルとは、基板の研磨前に生成される事前定義されたスペクトルである。実際の研磨速度が予期の研磨速度に従うと仮定して、研磨処理中にスペクトルが現れると予期される時間を表す値と基準スペクトルとの関連付けを、事前定義することができ、すなわち研磨動作前に定義することができる。別法として、または追加として、最も外側の層の厚さなどの基板の特性の値と基準スペクトルとの関連付けを事前定義することもできる。
基準スペクトルは、たとえば試験基板、たとえば既知の最初の層の厚さを有する試験基板からのスペクトルを測定することによって、経験的に生成することができる。たとえば、複数の基準スペクトルを生成するために、スペクトルのシーケンスが収集される間に、デバイスウエハの研磨中に使用されるものと同じ研磨パラメータを使用して、セットアップ基板が研磨される。各スペクトルに対して、研磨処理中にスペクトルが収集された時間を表す値が記録される。たとえば、この値は、経過時間またはプラテンの回転数とすることができる。基板は、過剰研磨することができ、すなわち所望の厚さを超えて研磨することができ、その結果、ターゲットの厚さが実現されるときに基板から反射した光のスペクトルを得ることができる。
各スペクトルと基板特性の値、たとえば最も外側の層の厚さとを関連付けるために、製品基板と同じパターンを有する「セットアップ」基板の最初のスペクトルおよび特性を、計測ステーションで研磨前に測定することができる。最終のスペクトルおよび特性もまた、同じ計測ステーションまたは異なる計測ステーションで研磨後に測定することができる。最初のスペクトルと最終のスペクトルとの間のスペクトルに対する特性は、試験基板のスペクトルが測定された経過時間に基づいて、補間、たとえば線形補間によって決定することができる。
経験的に決定されることに加えて、理論から、たとえば基板層の光学モデルを使用して、基準スペクトルの一部またはすべてを計算することができる。たとえば、光学モデルを使用して、所与の外側層の厚さDに対する基準スペクトルを計算することができる。研磨処理中に基準スペクトルが収集される時間を表す値は、たとえば外側層が均一の研磨速度で除去されると仮定することによって計算することができる。たとえば、特定の基準スペクトルに対する時間Tsは、開始厚さD0および均一の研磨速度Rを仮定することによって簡単に計算することができる(Ts=(D0−D)/R)。別の例として、光学モデルに使用される厚さDに基づいて、研磨前の厚さD1および研磨後の厚さD2(または計測ステーションで測定される他の厚さ)に対する測定時間T1、T2間の線形補間を実行することができる(Ts=T2−T1*(D1−D)/(D1−D2))。
いくつかの実装形態では、ソフトウェアを使用して、複数の基準スペクトルを自動的に計算することができる。入ってくる基板の下層の厚さに変動があるため、製造業者は、下層の少なくとも1つに対して、たとえば複数の下層に対して、厚さ範囲および厚さの増分値を入力することができる。ソフトウェアは、下層の厚さのそれぞれの組合せに対して基準スペクトルを計算する。複数の基準スペクトルは、上層のそれぞれの厚さに対して計算することができる。
たとえば、図1Bに示す構造の研磨のために、光学スタックは、底部の金属層、たとえば導電層14、パッシベーション層、下部の低誘電率誘電体層、エッチング停止層、上部の低誘電率誘電体層、TEOS層、バリア層、および水の層(光が到着する研磨液を表す)を順に含むことができる。一例では、基準スペクトルを計算する目的で、バリア層は、10Åの増分値で300Åから350Åの範囲とすることができ、TEOS層は、50Åの増分値で4800Åから5200Åの範囲とすることができ、上部の低誘電率誘電体の上層は、20Åの増分値で1800Åから2200Åの範囲とすることができる。これらの層の厚さのそれぞれの組合せに対して、基準スペクトルが計算される。これらの自由度では、9*6*21=1134個の基準スペクトルが計算されるはずである。しかし、各層に対して他の範囲および増分値も可能である。
この基準スペクトルを計算するために、以下の光学モデルを使用することができる。薄膜スタックの上層pの反射率R
STACKは、次式のように計算することができる。
上式で、E
p +は、入ってくる光線の電磁界強度を表し、E
p −は、出ていく光線の電磁界強度を表す。
値Ep +およびEp −は、次式のように計算することができる。
Ep +=(Ep+Ηp/μp)/2
Ep −=(Ep−Ηp/μp)/2
任意の層j内の界EおよびHは、下層内の界EおよびHからの伝達行列方法を使用して計算することができる。したがって、層0、1、…、p−1、pからなるスタック内で(ここで層0は底層であり、層pは最も外側の層である)、所与の層j>0に対して、E
jおよびH
jは、次式のように計算することができる。
上式で、μ
j=(n
j−ik
j)・cosφ
jであり、g
j=2π(n
j−ik
j)・t
j・cosφ
j/λである。ここでn
jは層jの屈折率であり、k
jは層jの消衰係数であり、t
jは層jの厚さであり、φ
jは層jに対する光の入射角であり、λは波長である。スタック内の底層、すなわち層j=0の場合、E
0=1であり、H
0=μ
0=(n
0−ik
0)・cosφ
0である。各層に対する屈折率nおよび消衰係数kは、科学文献から決定することができ、波長の関数とすることができる。入射角φは、スネルの法則から計算することができる。
1つの層に対する厚さtは、その層に対してユーザが入力する厚さ範囲および厚さ増分値から計算することができ、たとえば、k=0、1、…、に対してtj≦TMAXjの場合、tj=TMINj+k*TINCjであり、ここでTMINjおよびTMAXjは、層jに対する厚さの範囲の下限および上限であり、TINCjは、層jに対する厚さ増分値である。この計算は、これらの層の厚さ値のそれぞれの組合せに対して反復することができる。
この技法の潜在的な利点は、基板上の層の厚さの異なる組合せに対応できる多数の基準スペクトルを素早く生成し、したがって良好に整合する基準スペクトルを発見する可能性を改善し、光学モニタシステムの精度および信頼性を改善することである。
一例として、図1Cに示す基板から反射した光の強度は、次式のように計算することができる。
上式で、g
4およびμ
4の値は厚さに依存し、基板10の最も外側の層、たとえば上部誘電体層22、たとえば低誘電率材料の屈折率および消衰係数g
3およびμ
3は厚さに依存し、下層、たとえばエッチング停止層20、たとえばSiCNの屈折率および消衰係数g
2およびμ
2は厚さに依存し、別の下層、たとえば下部誘電体層18の屈折率および消衰係数、g
1およびμ
1は厚さに依存し、別の下層、たとえばパッシベーション層、たとえばSiNの屈折率および消衰係数、ならびにμ
0は、底層、たとえば導電層14、たとえば銅の屈折率および消衰係数に依存する。
次いで、反射率R
STACKは、次式のように計算することができる。
図示しないが、この光学モデルでは、基板上に水の層が存在すること(光が到着する研磨液を表す)も説明することができる。
上記の基板および付随する光学スタックは、複数の層の1つの可能なアセンブリにすぎず、多くの他のアセンブリが可能である。たとえば、上記の光学スタックでは、光学スタックの底部で導電層を使用しており、これはバックエンドオブライン処理における基板にとって典型的である。しかし、フロントエンドオブライン処理では、または導電層が透明材料である場合、光学スタックの底部を半導体ウエハ、たとえばケイ素にすることができる。別の例として、一部の基板は、下部誘電体層を含まなくてもよい。
層の厚さの変動に加えて、光学モデルは、光学スタック内の1つまたは複数の層の屈折率および/または消衰係数の変動を含むことができる。1つまたは複数の層は、下層および/または上層を含むことができる。1つまたは複数の層は、酸化ケイ素、炭素がドープされた酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭素がドープされた窒化ケイ素、および/またはポリシリコンの層を含むことができる。基板上のこれらの層に対する組成および堆積方法に応じて、いくつかのスペクトル測定は、屈折率または消衰係数がより高い層を有する基板から行うことができ、他のスペクトル測定は、屈折率または消衰係数がより低い層を有する基板から行うことができる。
いくつかの実装形態では、ソフトウェアを使用して、1つもしくは複数の屈折率関数のセットおよび/または1つもしくは複数の消衰係数関数のセットを識別するユーザ入力を受け取ることができる。1つの屈折率関数は、波長に応じた1つの層の材料に対する屈折率を提供することができる。同様に、1つの消衰係数関数は、波長に応じた1つの層の材料に対する消衰係数を提供することができる。基板間に屈折率の変動がある場合、複数の異なる屈折率関数を使用して、基準スペクトルを生成することができる。同様に、基板間に消衰係数の変動がある場合、複数の消衰係数関数を使用して、基準スペクトルを生成することができる。たとえば、ソフトウェアは、屈折率関数のセットからの1つの屈折率関数と消衰係数関数のセットからの1つの消衰係数関数とのそれぞれの組合せに対して、基準スペクトルを計算することができる。
異なる屈折率関数は、概括的な総称屈折率関数の可変要素とすることができる。たとえば、総称屈折率関数は、波長および1つまたは複数の追加の係数の関数とすることができ、異なる屈折率関数は、係数(複数可)に対して異なる値を構成することができる。係数(複数可)の値は、ユーザ、たとえば半導体製造業者が設定することができる。たとえば、特定の係数に対して、ユーザは、下限値、上限値、および値の増分値または値の総数を入力することによって、これらの値を設定することができる。
同様に、異なる消衰係数関数は、概括的な総称消衰係数関数の可変要素とすることができる。たとえば、総称消衰係数関数は、波長および1つまたは複数の追加の係数の関数とすることができ、異なる消衰係数関数は、係数(複数可)に対する異なる値を構成することができる。係数(複数可)の値は、ユーザ、たとえば半導体製造業者が定義することができる。たとえば、特定の係数に対して、ユーザは、下限値、上限値、および値の増分値または値の総数を入力することによって、これらの値を設定することができる。ユーザはまた、定数および係数の数組の値を定義することができる。したがって、ユーザ定義の値を使用して、異なる組の消衰係数関数を計算することができる。
いくつかの実装形態では、屈折率関数および消衰係数関数をコーシーの等式でモデル化することができる。コーシーモデルを使用して、可視波長範囲内の透明の誘電体に対するn(λ)およびk(λ)をモデル化することができる。これは、次式によって得られる。
上式で、A
n、B
n、C
n、A
k、B
kはユーザによって指定され、C
kは一定である(4000Å)。吸収がなかった場合、A
k=0である。図18は、コーシーによって生成された屈折率関数の一例を示す。コーシーモデルを使用して、n(λ)のみまたはk(λ)のみをモデル化することもできる。
複数のスペクトルを生成するために、基準のコーシーモデルが確立され、次いでAn、Bn、Cn、Ak、およびBkの1つまたは複数をユーザ定義のマージンによって「浮動」させることができる。すなわち、関数を生成するために使用される係数に対する複数の値に関して、たとえばAn、Bn、Cn、Ak、およびBkに対する複数の値に関して、スペクトルRSTACKの計算を反復することができる。たとえば、Anは、1.40から1.50の間を、たとえば0.02の増分値で変動することができる。
この技法の潜在的な利点は、基板上の1つの層内の異なる屈折率または異なる消衰係数に対応できる基準スペクトルを生成し、したがって良好に整合する基準スペクトルを発見する可能性を改善し、光学モニタシステムの精度および信頼性を改善することである。
n(λ)およびk(λ)は、異なるユーザ係数入力によって浮動させることができる。たとえば、ユーザがAn1、Bn1、およびCn1で指定した屈折率であるn(λ1)が可能であり、ユーザがAk1、Bk1、およびCk1で指定した消衰係数であるk(λ1)が可能である。
図19は、n値浮動モデルによる(AnおよびBnを浮動させることによる)厚さ追跡のより良好なスペクトル適合を示す一例である。この特定の例では、k薄膜のパラメータは、An=1.435から1.495、Bn=0.003から0.007として定義されており、スタックの厚さは、誘電体薄膜2300Åから3100Å、エッチング停止層475Åから525Å、誘電体薄膜2400Å、およびエッチング停止層500Åで変動する(順序どおり)。図19は、誘電体層の厚さと研磨時間の関係のグラフを実証する。横軸は研磨時間を秒単位で示し、縦軸は厚さの最良整合をÅ単位で示す。この図は、3つの最良整合の例を実証する。偶然にも、各例の位置は他の位置の上にある。
より概括的な実装形態では、研磨を制御するための基準スペクトルライブラリの生成は、複数の層からなる層スタックに対する光学モデルを記憶することと、屈折指数係数に対する異なる第1の値のセットを定義するユーザ入力を受け入れることと、それぞれの第1の値に対する屈折率関数を計算して、複数の屈折率関数を生成することと、各屈折率関数に対して、屈折率関数、消衰係数関数、および第1の層の第1の厚さに基づいて、光学モデルを使用して基準スペクトルを計算することとを含むことができる。
より概括的な態様では、1つまたは複数の屈折率関数のセットは、複数の異なる屈折率関数を含むことができる。同様に、1つまたは複数の消衰係数関数のセットは、複数の異なる消衰係数関数を含むことができる。
層の厚さの変動に加えて、光学モデルは、金属層のスペクトル寄与の変動を含むことができる。すなわち、製造されているダイ上のパターンに応じて、金属濃度の高い領域内で(たとえば、トレンチ内の金属材料28から)、いくつかのスペクトル測定を行うことができ、金属濃度のより低い領域内で、他のスペクトル測定を行うことができる。
ソフトウェアへのユーザ入力は、基板の第1の層に対して複数の異なる厚さ値をさらに含むことができる。これらの異なる厚さ値の中には、少なくとも第1の厚さ値がある。したがって、スペクトルライブラリで使用するための光学モデルを使用することで、異なる屈折指数の関数、消衰係数関数、および厚さ値の組合せの各組が基準スペクトルを生成するはずである。
ライブラリに追加されるスペクトルR
LIBRARYは、次式のように計算することができる。
上式で、R
STACK1は第1のスペクトルであり、R
STACK2は第2のスペクトルであり、R
REFERENCEは第1のスタックおよび第2のスタックの底層のスペクトルであり、Xは第1のスタックに対する百分率寄与である。
R
LIBRARYは、複数のスタックモデルの組合せとすることができる。たとえば、最も上のスタック(キャップ、誘電体、バリア、および銅基板を含む)のスペクトル寄与であるR
STACK1が可能であり、上部2つのスタック(R
STACK1からの誘電体およびバリア、ならびにその下に位置するはずの誘電体、バリア、および銅基板)のスペクトル寄与であるR
STACK2が可能である。したがって、R
LIBRARYに対する計算は、次式のように見える可能性がある。
上式で、X+Y<1であり、R
STACK1は第1のスペクトルであり、R
STACK2は第2のスペクトルであり、R
METALは第3のスペクトルであり、R
REFERENCEはスタックの底層のスペクトルであり、Xは第1のスタックに対する百分率寄与であり、Yは金属に対する百分率寄与である。
いくつかの実装形態では、たとえば金属層14と金属材料28が同じ材料、たとえば銅である場合、RBASELINEとRMetalは同じスペクトル、たとえば銅に対するスペクトルである。スペクトルRLIBRARYの計算は、Xに対する複数の値に関して反復することができる。たとえば、Xは、0.0から1.0の間を0.2の間隔で変動することができる。引き続き図1Bに示すスタックの例では、これらの自由度で、9*6*21*6=6804個の基準スペクトルが計算されるはずである。この技法の潜在的な利点は、基板上の測定スポット内の異なる金属濃度に対応できる基準スペクトルを生成し、したがって良好に整合する基準スペクトルを発見する可能性を改善し、光学モニタシステムの精度および信頼性を改善することである。
層の厚さの変動に加えて、光学モデルは、金属層のスペクトル寄与の変動を含むことができる。すなわち、製造されているダイ上のパターンに応じて、金属濃度の高い領域内で(たとえば、トレンチ内の金属材料28から)、いくつかのスペクトル測定を行うことができ、金属濃度のより低い領域内で、他のスペクトル測定を行うことができる。屈折率、消衰係数、および厚さによって材料層が定義されるため、所与の材料に対して、その光学特性を特徴付ける屈折率および消衰係数の各関数が存在し、これを測定、経験的に決定、またはモデル化することができる。
したがって、R
LIBRARYに対する計算は、次式のように見える可能性がある。
上式で、X+Y<1であり、R
STACK1は第1のスペクトルであり、R
STACK2は第2のスペクトルであり、R
METALは第3のスペクトルであり、R
REFERENCEはスタックの底層のスペクトルであり、Xは第1のスタックに対する百分率寄与であり、Yは金属に対する百分率寄与である。
いくつかの実装形態では、たとえば金属層14と金属材料28が同じ材料、たとえば銅である場合、RREFERENCEとRMETALは同じスペクトル、たとえば銅に対するスペクトルである。スペクトルRLIBRARYの計算は、XおよびYに対する複数の値に関して反復することができる。たとえば、Xは、0.0から1.0の間を0.1の間隔で変動することができ、Yは、0.0から1.0の間を0.1の間隔で変動することができる。この技法の潜在的な利点は、基板上の測定スポット内の異なる金属濃度に対応できる基準スペクトルを生成し、したがって良好に整合する基準スペクトルを発見する可能性を改善し、光学モニタシステムの精度および信頼性を改善することである。
いくつかの実装形態では、1回の掃引、たとえば1つの区間または基板全体を横断する1回の掃引から収集された複数の測定スペクトルが平均化される。平均化されたスペクトルは、より大きい領域からサンプリングされたものであるため、平均化されたスペクトルでは、様々な層セットからの百分率寄与がより厳密に分布される。これにより、ユーザは、計算で使用される百分率寄与をはるかに狭い範囲に制限することが可能になる。たとえば、XおよびYは、0.2の範囲にわたって0.02の間隔で変動することもできる。
ソフトウェアは、金属層に対して複数の異なる金属寄与百分率を識別するユーザ入力を受け取ることができ、これには、第1のスタックに対する異なる寄与百分率の第1の数を識別するユーザ入力を受け取ることと、第2のスタックに対する異なる寄与百分率の第2の数を識別するユーザ入力を受け取ることとを含むことができる。複数の異なる金属寄与百分率は、異なる寄与百分率の第1の数および異なる寄与百分率の第2の数から計算することができる。
いくつかの実装形態では、第2のスペクトルの計算では、第2の層セットより下の層を無視し、かつ/またはこれらの層の一部の消衰係数を人為的に増大させて、光がそれらの層に到達する可能性が低減されることを表すことができる。
いくつかの実装形態では、第1のスペクトルに対する計算は、スタック反射率R
STACK1を計算することを含むことができる。
上式で、各層j>0に対して、E
jおよびH
jは、次式のように計算される。
上式で、E
0は1であり、H
0はμ
0であり、各層j≧0に対して、μ
j=(n
j−ik
j)・cosφ
jであり、g
j=2π(n
j−ik
j)・t
j・cosφ
j/λである。ここでn
jは層jの屈折率であり、k
jは層jの消衰係数であり、t
jは層jの厚さであり、φ
jは層jに対する光の入射角であり、λは波長である。
同様に、第2のスペクトルを計算することは、スタック反射率R
STACK2を計算することを含むことができる。
上式で、各層j>0に対して、E
jおよびH
jは、次式のように計算される。
上式で、E
0は1であり、H
0はμ
0であり、各層j≧0に対して、μ
j=(n
j−i(k
j+m
j))・cosφ
jであり、g
j=2π(n
j−i(k
j+m
j))・t
j・cosφ
j/λである。ここでn
jは層jの屈折率であり、k
jは層jの消衰係数であり、m
jは層jの消衰係数を増大させる量であり、t
jは層jの厚さであり、φ
jは層jに対する光の入射角であり、λは波長である。
いくつかの実装形態では、第1のスタックは、上部誘電体層およびエッチング停止層、たとえば炭化ケイ素、窒化ケイ素、または炭窒化ケイ素(SiCN)を含むことができる。図20に示すように、上層セットに対して別個の反射寄与が存在する可能性がある。図20を参照すると、層スタック内への光の進行が示されている。光1810、1820、および1830は、入ってくる光および反射する光が異なる層を通過することを表す。光1810は上の金属(M7)から反射し、光1820は第1の層セット(M6より上の層)から反射し、光1830は第2の層セット(M5より上の層)から反射している。M7、M6、およびM5内に金属線が存在するため、光学モニタシステムによって照射される位置201がM5より下の層から反射した光を大量に含む可能性は非常に低い。したがって、光学モデルでは、これらの層を無視することができ(たとえば、このモデルでは、金属層M5がすべてのスタックに対する底層であると仮定する)、またはRSTACK2は、これらすべての層の影響を含むことができ、したがって、異なる百分率寄与を決定する目的で、M6より下の層を単一の実体として実質上処理することができる(しかし場合によっては、上記で論じたように、消衰係数を調整して、散乱によって引き起こされる下の層からの反射が低減されることを表す)。当然ながら、図20は単なる例示であり、異なる数の金属層が存在する可能性があり、カットオフが異なる金属層に位置する可能性もある。
基準スペクトルを計算するために、コンピュータは複数の個々のスペクトルを受け取ることができる。たとえば、基板上の第1の層を含む第1の層スタックの反射率を表す第1のスペクトルを受け取ることができる。基板上の第1のスタック内にない(しかし、第1の層を含む)第2の層を含む第2の層スタックの反射率を表す第2のスペクトルを受け取ることができる。さらに、基板上の第1のスタックおよび第2のスタック内にない第3の層を含む第3の層スタックの反射率を表す第3のスペクトルを受け取ることができる。ユーザ、たとえば半導体製造業者は、これらの収集されたスタックスペクトルの異なる寄与百分率を入力し、基準スペクトルのライブラリを生成することができ、このライブラリは、第1、第2、および第3のスペクトル、第1の寄与百分率、ならびに第2の寄与百分率から計算することができる。
いくつかの実装形態では、光成分の反射は、3つの別個のモデルとしてモデル化することができる。たとえば、最上位の銅線から反射した光などの銅の寄与の場合、理論的な銅の反射率スペクトルを使用することができる。いくつかの実装形態では、水の層によって得られた既知の屈折率および消衰係数の値を使用して、銅の反射率成分を演算することができる。
研磨されている上層セットから反射した光である上層セットの寄与の場合、このスペクトルは、第2の金属層としてモデル化することができる。いくつかの実施形態では、キャッピング層が完全に除去され、上部誘電体層は所与の厚さまで研磨される。この場合、スタックは、水と、TEOSのキャッピング層と、炭素がドープされた酸化ケイ素の誘電体層と、炭化ケイ素のエッチング停止層ブロックと、銅(基板)とを含むことができる。演算モデルでは、TEOSが完全に除去されるため、TEOSを無視することができる。炭素がドープされた酸化ケイ素の誘電体層は、モデル内で最小から最大までの厚さ範囲を有し、これは研磨範囲を表す。炭化ケイ素のエッチング停止層は通常、公称の厚さを有し、予期の下層変動の範囲に関してユーザが指定することができる。
多重スタックの寄与の場合、光は、残りの下層(上層を含む)からの反射を含む。したがって、総反射率は、銅、上層、および多重スタック反射率の線形の組合せである。たとえば、総反射率は、各層セットの反射率の寄与の百分率の和に等しい。ユーザは、たとえば最大値、最小値、およびステップ間隔値を入力することによって、公称の銅の寄与、上層の寄与、および変動範囲を指定することができる。
さらに、「散乱」を相殺する方法が必要とされることがある。光がスタック内をさらに下へ進むと、より下のレベルで散乱するため、後方反射する光はより少なくなる。したがって、下部の低誘電率誘電体およびバリア層は、単により深くに位置し、中に銅線が存在することで一部の反射光が後退するのを阻止するため、スペクトルに与える影響はより小さいはずである。その層の使用中の消衰係数値に追加の消衰係数を加えることが可能な経験的モデルを使用することができる。追加の消衰係数は、より下の層に対する消衰を実質上増大させるユーザ指定の等式とすることができる。
演算モデルでは、別個に処理するときに上層のみがモデル化される場合、モデル化誤差の余地ははるかに小さいはずである。多層スタック全体がモデル化される場合、演算結果はより複雑になり、ならびに誤差を受けやすくなるはずである。したがって、スタックを別個に異なる形で処理することによって、モデルベースのスペクトルライブラリを生成するためにより良好な演算結果を実現することができる。たとえば、最終のスペクトルは、多重スタックスペクトルのより下のレベルの一部分と、上層スペクトルの上層の一部分と、上記2つを全体から引いた後に残っている部分と同等の銅スペクトルの上層の銅の一部分との和とすることができる。
いくつかのタイプの基板、たとえばいくつかの層構造およびダイパターンの場合、光学モデルに基づいて基準スペクトルのライブラリを生成する上記の技法で十分な可能性がある。しかし、いくつかのタイプの基板の場合、この光学モデルに基づく基準スペクトルは、経験的に測定されるスペクトルに対応しない。いかなる特定の理論にも限定されるものではないが、基板上のスタックに追加の層が加えられると、たとえば基板上の異なるパターン付きの金属層からの光の散乱が増大する。手短に言うと、金属層の数が増大するにつれて、基板上のより下の層からの光が後方反射して光ファイバに入り、検出器に到達する可能性がより低くなる。
いくつかの実装形態では、金属層の数を増大させることによって引き起こされる散乱をシミュレートするために、光学モデルにおいて基準スペクトルの計算のために修正済みの消衰係数を使用することができる。修正済みの消衰係数は、層の材料に対する本来の消衰係数より大きい。ウエハにより近い層に対して、消衰係数に加えられる量をより大きくすることができる。
たとえば、上記の等式では、項μjおよびgjは、それぞれμ’jおよびg’jに置き換えることができ、ここでμ’jおよびg’jは、次式のように計算される。
μ’j=(nj−i(kj+mj))・cosφj
g’j=2π(nj−i(kj+mj))・tj・cosφj/λ
上式で、mjは層jの消衰係数を増大させる量である。通常、mjは0以上であり、最大1とすることができる。スタックの上部付近の層の場合、mjは小さくすることができ、たとえば0にすることができる。より深い層の場合、mjは大きくすることができ、たとえば0.2、0.4、または0.6とすることができる。量mjは、jが低減するにつれて単調に増大することができる。量mjは、波長の関数とすることができ、たとえば特定の層に対して、mjは、より長い波長でより大きくすることができ、またはより短い波長でより大きくすることができる。
図5および図6を参照すると、測定スペクトル300(図5参照)と、1つまたは複数のライブラリ310からの基準スペクトル320(図6参照)とを比較することができる。本明細書では、基準スペクトルのライブラリとは、共通の特性を有する基板を表す基準スペクトルの集まりである。しかし、単一のライブラリ内の共通の特性は、基準スペクトルの複数のライブラリ間で変動することがある。たとえば、2つの異なるライブラリは、2つの異なる下の厚さを有する基板を表す基準スペクトルを含むことがある。基準スペクトルの所与のライブラリでは、他の要因(ウエハパターン、下層の厚さ、または層の組成の差など)ではなく、上部層の厚さの変動が、スペクトル強度の差に対する主な原因である可能性がある。
異なるライブラリ310に対する基準スペクトル320は、異なる基板特性(たとえば、下層の厚さまたは層の組成)を有する複数の「セットアップ」基板を研磨し、上記で論じたようにスペクトルを収集することによって生成することができ、1つのセットアップ基板からのスペクトルは、第1のライブラリを提供することができ、異なる下層の厚さを有する別の基板からのスペクトルは、第2のライブラリを提供することができる。別法として、または追加として、異なるライブラリに対する基準スペクトルを理論から計算することもでき、たとえば、第1のライブラリに対するスペクトルは、下層が第1の厚さを有する光学モデルを使用して計算することができ、第2のライブラリに対するスペクトルは、下層が異なる1つの厚さを有する光学モデルを使用して計算することができる。たとえば、この開示では、ライブラリを生成して後にスペクトル測定を行うために銅の基板を使用する。
いくつかの実装形態では、各基準スペクトル320に指数値330が割り当てられる。通常、各ライブラリ310は、基板の予期の研磨時間にわたってプラテンの回転ごとに多くの基準スペクトル320、たとえば1つまたは複数、たとえばちょうど1つの基準スペクトルを含むことができる。この指数330は、研磨処理中に基準スペクトル320が観察されると予期される時間を表す値、たとえば数とすることができる。スペクトルは、特定のライブラリ内の各スペクトルが固有の指数値を有するように指数化することができる。指数化は、試験基板のスペクトルが測定された順序で指数値が並べられるように実施することができる。指数値は、研磨が進行するにつれて単調に変化するように、たとえば増大または低減するように選択することができる。具体的には、基準スペクトルの指数値は、時間またはプラテン回転数の線形関数を形成するように選択することができる(研磨速度はライブラリ内で基準スペクトルを生成するために使用されるモデルまたは試験基板のものに従うものとする)。たとえば、指数値は、試験基板に対して基準スペクトルが測定されたときのプラテン回転数、または光学モデルで見られるはずのプラテン回転数に比例することができ、たとえばそれに等しくすることができる。したがって、各指数値は、整数とすることができる。指数は、関連するスペクトルが見られるはずの予期のプラテン回転を表すことができる。
基準スペクトルおよびそれに関連する指数値は、基準ライブラリ内に記憶することができる。たとえば、各基準スペクトル320およびそれに関連する指数値330は、データベース350のレコード340内に記憶することができる。基準スペクトルの基準ライブラリのデータベース350は、研磨装置の演算デバイスのメモリ内で実施することができる。
上記のように、各基板の各区間に対して、測定スペクトルのシーケンスまたはその区間および基板に基づいて、コントローラ190は、最良に整合するスペクトルのシーケンスを生成するようにプログラムすることができる。最良に整合する基準スペクトルは、測定スペクトルと特定のライブラリからの基準スペクトルとを比較することによって決定することができる。
いくつかの実装形態では、最良に整合する基準スペクトルは、各基準スペクトルに対して、測定スペクトルと基準スペクトルとの間の2乗差の和を計算することによって決定することができる。2乗差の和が最も低い基準スペクトルが、最良の適合を有する。最良に整合する基準スペクトルを発見する他の技法も可能であり、たとえば絶対差の最も低い和を用いることも可能である。
いくつかの実装形態では、最良に整合する基準スペクトルは、2乗差の和以外の整合技法を使用することによって決定することができる。一実装形態では、各基準スペクトルに対して、測定スペクトルと基準スペクトルとの間の相互相関関係が計算され、相関関係が最も大きい基準スペクトルが、整合する基準スペクトルとして選択される。相互相関関係の潜在的な利点は、スペクトルの横方向のシフトの影響を受けにくく、したがって下の厚さ変動の影響を受けにくいことである。相互相関関係を実行するために、測定スペクトルの先端部および後端部を「ゼロ」で埋めて、基準スペクトルが測定スペクトルに対してシフトしたときに基準スペクトルと比較するためのデータを提供することができる。別法として、測定スペクトルの先端部を、測定スペクトルの最先端部の値に等しい値で埋めることができ、測定スペクトルの後端部を、測定スペクトルの最後端部の値に等しい値で埋めることができる。この整合技法をリアルタイムで適用するために、高速フーリエ変換を使用して、相互相関関係の計算の速度を増大させることができる。
別の実装形態では、ユークリッドベクトル距離、たとえばD=1/(λa−λb)・[Σλ=λa to λb|IM(λ)2−IR(λ)2|]の和が計算され、ここでλa to λbは合計した波長であり、IM(λ)は測定スペクトルであり、IR(λ)は基準スペクトルである。別の実装形態では、各基準スペクトルに対して、導関数の差、たとえばD=1/(λa−λb)・[Σλ=λa to λb)|dIM(λ)/(dλ−dIR(λ)/dλ|]の和が計算され、和が最も小さい基準スペクトルが、整合する基準スペクトルとして選択される。
単一の基板の単一の区間のみに対する結果を示す図7を次に参照すると、シーケンス内のそれぞれの最良に整合するスペクトルの指数値を決定して、時間につれて変動する指数値212のシーケンスを生成することができる。この指数値のシーケンスを、指数トレース210と呼ぶことができる。いくつかの実装形態では、指数トレースは、各測定スペクトルとちょうど1つのライブラリからの基準スペクトルとを比較することによって生成される。通常、指数トレース210は、基板の下の光学モニタシステムの1回の掃引につき1つ、たとえばちょうど1つの指数値を含むことができる。
所与の指数トレース210に対して、光学モニタシステムの1回の掃引で特定の区間に対して測定された複数のスペクトル(「現在のスペクトル」と呼ぶ)が存在する場合、現在のスペクトルのそれぞれと、1つまたは複数、たとえばちょうど1つのライブラリの基準スペクトルとの間で、最良整合を決定することができる。いくつかの実装形態では、それぞれの選択された現在のスペクトルは、選択された1つまたは複数のライブラリの各基準スペクトルと比較される。たとえば、現在のスペクトルe、f、およびg、ならびに基準スペクトルE、F、およびGの場合、eとE、eとF、eとG、fとE、fとF、fとG、gとE、gとF、およびgとGという現在のスペクトルと基準スペクトルとの組合せのそれぞれに対して、整合係数を計算することができる。最良整合を示すどの整合係数でも、たとえば最小のものでも、最良に整合する基準スペクトル、したがって指数値を決定する。別法として、いくつかの実装形態では、現在のスペクトルを組み合わせることができ、たとえば平均化することができ、その結果得られる組み合わせたスペクトルと基準スペクトルとを比較して、最良整合、したがって指数値を決定する。
いくつかの実装形態では、いくつかの基板の少なくともいくつかの区間に対して、複数の指数トレースを生成することができる。所与の基板の所与の区間に対して、当該の各基準ライブラリに対する指数トレースを生成することができる。すなわち、所与の基板の所与の区間に対する当該の各基準ライブラリに対して、測定スペクトルのシーケンス内の各測定スペクトルと所与のライブラリからの基準スペクトルとが比較され、最良に整合する基準スペクトルのシーケンスが決定され、最良に整合する基準スペクトルのシーケンスの指数値が、所与のライブラリに対する指数トレースを提供する。
要約すると、各指数トレースは、指数値212のシーケンス210を含み、このシーケンスの特定の各指数値212は、所与のライブラリから、測定スペクトルに最も密接に適合する基準スペクトルの指数を選択することによって生成される。指数トレース210の各指数に対する時間値は、測定スペクトルが測定された時間と同じものとすることができる。
インシトゥモニタ技法を使用して、第2の層の除去および下の層または層構造の露出を検出する。たとえば、時間TCにおける第1の層の露出は、モータトルクもしくは基板から反射した光の総強度の突然の変化によって、または以下でより詳細に論じるように収集されたスペクトルの分散から検出することができる。
図8に示すように、たとえばロバスト線適合を使用して、時間TC後に収集されたスペクトルの指数値のシーケンスに、関数、たとえば既知の次数の多項関数、たとえば1次関数(たとえば、線214)が適合される。この関数を指数値のシーケンスに適合するとき、時間TC前に収集されたスペクトルに対する指数値は無視される。他の関数、たとえば2次の多項関数を使用することもできるが、線を用いると演算が容易になる。研磨は、線214がターゲット指数ITを交差する終点時間TEで停止させることができる。
図9は、製品基板を製造および研磨する方法の流れ図を示す。製品基板は、ライブラリの基準スペクトルを生成するために使用される試験基板と少なくとも同じ層構造および同じパターンを有することができる。
最初に、第1の層が基板上に堆積され、パターンが付けられる(ステップ902)。上記のように、第1の層は、誘電体、たとえば低誘電率材料、たとえば炭素がドープされた二酸化ケイ素、たとえばBlack Diamond(商標)(Applied Materials,Inc.から)またはCoral(商標)(Novellus Systems,Inc.から)とすることができる。
任意選択で、第1の材料の組成に応じて、製品基板上の第1の層の上に、第1の材料、たとえば低誘電率キャッピング材料、たとえばテトラエチルオルソシリケート(TEOS)とは異なる別の誘電体材料の1つまたは複数の追加の層が堆積される(ステップ903)。さらに、第1の層および1つまたは複数の追加の層は、層スタックを提供する。任意選択で、パターン付けは、1つまたは複数の追加の層を堆積させた後に行うことができる(その結果、1つまたは複数の追加の層は、図1Aに示すように第1の層内のトレンチ内へ延びない)。
次に、製品基板の第1の層または層スタックの上に、異なる材料の第2の層、たとえばバリア層、たとえば窒化物、たとえば窒化タンタルまたは窒化チタンが堆積される(ステップ904)。さらに、製品基板の第2の層の上(第1の層のパターンによって設けられるトレンチ内)に、導電層、たとえば金属層、たとえば銅を堆積させることができる(ステップ906)。任意選択で、第1の層のパターン付けは、第2の層を堆積させた後に行うことができる(その場合、第2の層は第1の層内のトレンチ内へ延びないはずである)。
製品基板が研磨される(ステップ908)。たとえば、第1の研磨ステーションで第1の研磨パッドを使用して、導電層および第2の層の一部分を研磨して除去することができる(ステップ908a)。次いで、第2の研磨ステーションで第2の研磨パッドを使用して、第2の層および第1の層の一部分を研磨して除去することができる(ステップ908b)。しかし、いくつかの実装形態では、導電層が存在しておらず、たとえば研磨が開始するときに第2の層が最も外側の層であることに留意されたい。当然ながら、ステップ902〜906は他の場所で実行することもでき、その結果、研磨装置の特定のオペレータの方法は、ステップ908から始まる。
インシトゥモニタ技法を使用して、第2の層の除去および第1の層の露出を検出する(ステップ910)。たとえば、時間TC(図8参照)における第1の層の露出は、モータトルクもしくは基板から反射した光の総強度の突然の変化によって、または以下でより詳細に論じるように収集されたスペクトルの分散から検出することができる。
少なくとも第2の層の除去の検出から始まり(場合によってはより早く、たとえば第2の研磨パッドによる製品基板の研磨の開始から始まる)、たとえば上記のインシトゥモニタシステムを使用して、研磨中に測定スペクトルのシーケンスが得られる(ステップ912)。
測定スペクトルを分析して指数値のシーケンスを生成し、その指数値のシーケンスに関数が適合される。具体的には、測定スペクトルのシーケンス内の各測定スペクトルに対して、最良適合である基準スペクトルに対する指数値を決定し、指数値のシーケンスを生成する(ステップ914)。第2の層の除去が検出された時間TC後に収集されたスペクトルに対する指数値のシーケンスに、関数、たとえば線形関数が適合される(ステップ916)。言い換えれば、この関数の計算では、第2の層の除去が検出された時間TC前に収集されたスペクトルに対する指数値は使用されない。
指数値(たとえば、指数値の新しいシーケンスに適合する線形関数から生成される計算済みの指数値)がターゲット指数に到達した後、研磨を停止させることができる(ステップ918)。ターゲットの厚さITは、研磨動作前にユーザによって設定し、記憶することができる。別法として、ターゲット除去量をユーザによって設定することができ、このターゲット除去量からターゲット指数ITを計算することができる。たとえば、指数差IDは、ターゲット除去量から、たとえば除去量と指数(たとえば、研磨速度)との経験的に決定された比から計算することができ、上層の除去が検出された時間TCにおける指数値ICに、この指数差IDを追加する(図8参照)。
第2の層の除去が検出された後に収集されたスペクトルからの指数値に適合された関数を使用して、研磨の均一性を改善するように、研磨パラメータを調整し、たとえば基板上の1つまたは複数の区間の研磨速度を調整することも可能である。
図10を参照すると、複数の指数トレースが示されている。上記で論じたように、各区間に対して指数トレースを生成することができる。たとえば、第1の区間に対して指数値212(中空の円で示す)の第1のシーケンス210を生成することができ、第2の区間に対して指数値222(中空の正方形で示す)の第2のシーケンス220を生成することができ、第3の区間に対して指数値232(中空の三角形で示す)の第3のシーケンス230を生成することができる。3つの区間を示すが、2つの区間または4つ以上の区間が位置することもできる。これらの区間はすべて同じ基板上に位置することができ、またはこれらの区間のいくつかは、同じプラテン上で同時に研磨されている異なる基板からのものとすることもできる。
上記で論じたように、インシトゥモニタ技法を使用して、第2の層の除去および下の層または層構造の露出を検出する。たとえば、時間TCにおける第1の層の露出は、モータトルクもしくは基板から反射した光の総強度の突然の変化によって、または以下でより詳細に論じるように収集されたスペクトルの分散から検出することができる。
各基板指数トレースに対して、たとえばロバスト線適合を使用して、関連する区間に対する時間TC後に収集されたスペクトルの指数値のシーケンスに、既知の次数の多項関数、たとえば1次関数(たとえば、線)が適合される。たとえば、第1の区間に対する指数値212に第1の線214を適合することができ、第2の区間の指数値222に第2の線224を適合することができ、第3の区間の指数値232に第3の線234を適合することができる。これらの指数値に1つの線を適合することは、この線の勾配S、およびこの線が開始指数値、たとえば0と交差するx軸交差時間Tの計算を含むことができる。この関数は、式I(t)=S・(t−T)で表すことができ、ここでtは時間である。x軸交差時間Tは、基板層の開始厚さが予期の厚さより小さいことを示す負の値を有することができる。したがって、第1の線214は、第1の勾配S1および第1のx軸交差時間T1を有することができ、第2の線224は、第2の勾配S2および第2のx軸交差時間T2を有することができ、第3の線234は、第3の勾配S3および第3のx軸交差時間T3を有することができる。
研磨処理中のある時点で、たとえば時間T0で、少なくとも1つの区間に対する研磨パラメータを調整して、そのような調整を行わない場合より研磨終点時間で複数の区間がターゲットの厚さに近づくように基板のその区間の研磨速度を調整する。いくつかの実施形態では、各区間は、終点時間でほぼ同じ厚さを有することができる。
図11を参照すると、いくつかの実装形態では、1つの区間を基準区間として選択し、基準区間がターゲット指数ITに到達すると予測される終点時間TEが決定される。たとえば、図11に示すように、第1の区間が基準区間として選択されているが、異なる区間および/または異なる基板を選択することもできる。ターゲットの厚さITは、研磨動作前にユーザによって設定され、記憶される。別法として、ターゲットTR除去量をユーザによって設定することができ、このターゲットTR除去量からターゲット指数ITを計算することができる。たとえば、指数差IDは、ターゲット除去量から、たとえば除去量と指数(たとえば、研磨速度)との経験的に決定された比から計算することができ、上層の除去が検出された時間TCにおける指数値ICに、この指数差IDを追加する。
基準区間がターゲット指数に到達すると予測される時間を決定するために、基準区間の線、たとえば線214とターゲット指数ITとの交点を計算することができる。研磨速度が残りの研磨処理を通じて予期の研磨速度から逸脱しないものとすると、指数値のシーケンスは実質上線形の進行を維持すべきである。したがって、予期の終点時間TEは、ターゲット指数IT、たとえばIT=S・(TE−T)に対するこの線の簡単な線形補間として計算することができる。したがって、図11の例では、第1の区間が基準区間として選択され、関連する第1の線214を有し、IT=S1・(TE−T1)、すなわちTE=IT/S1−T1である。
基準区間以外の1つまたは複数の区間、たとえばすべての区間(他の基板上の区間を含む)は、調整可能な区間として定義することができる。予期の終点時間TEを満たす調整可能な区間に対する線が、調整可能な区間に対して予測される終点を定義する。したがって、各調整可能な区間の線形関数、たとえば図11の線224および234を使用して、指数、たとえばEI2およびEI3を外挿することができ、これは、関連する区間に対する予期の終点時間ETで実現される。たとえば、第2の線224を使用して、第2の区間に対する予期の終点時間ETで予期の指数EI2を外挿することができ、第3の線234を使用して、第3の区間に対する予期の終点時間ETで予期の指数EI3を外挿することができる。
図11に示すように、時間T0後のいずれの区間の研磨速度に対しても調整が行われず、すべての区間に対して終点が同時に強制される場合、各区間は異なる厚さを有する可能性がある(これは、欠陥およびスループットの損失を招く可能性があるため望ましくない)。
異なる区間に対して異なる時間にターゲット指数に到達する場合(または同等に、調整可能な区間が基準区間の予測される終点時間で異なる予期の指数を有する場合)、研磨速度を上下に調整することができ、その結果、これらの区間は、そのような調整を行わない場合より密接に同じ時間に、たとえばほぼ同じ時間に、ターゲット指数(したがって、ターゲットの厚さ)に到達するはずであり、またはターゲット時間において、そのような調整を行わない場合より密接に同じ指数値(したがって、同じ厚さ)、たとえばほぼ同じ指数値(したがって、ほぼ同じ厚さ)を有するはずである。
したがって、図11の例では、時間T0から始まり、第2の区間に対する少なくとも1つの研磨パラメータは、その区間の研磨速度を増大させる(その結果、指数トレース220の勾配を増大させる)ように修正される。また、この例では、第3の区間に対する少なくとも1つの研磨パラメータは、第3の区間の研磨速度を低減させる(その結果、指数トレース230の勾配を低減させる)ように修正される。その結果、これらの区間は、ほぼ同じ時間にターゲット指数(したがって、ターゲットの厚さ)に到達するはずである(または、これらの区間に対する圧力が同時に停止した場合、これらの区間はほぼ同じ厚さで終わる)。
いくつかの実装形態では、予期の終点時間ETで予測される指数が、基板の1つの区間がターゲットの厚さの事前定義された範囲内にあることを示す場合、その区間に対する調整は必要とされない。その範囲は、ターゲット指数の2%とすることができ、たとえば1%以内とすることができる。
調整可能な区間に対する研磨速度は、そのような調整を行わない場合より予期の終点時間ですべての区間がターゲット指数に近づくように調整することができる。たとえば、基準基板の基準区間を選択することができ、他のすべての区間に対する処理パラメータは、すべての区間が基準基板の予測される時間前後で終了するように調整することができる。基準区間は、たとえば所定の区間、たとえば中心区間148a、もしくは中心区間を直接取り囲む区間148b、あらゆる基板のあらゆる区間のうちで予測される最も早い終点時間もしくは最も遅い終点時間を有する区間、または1つの基板のうちで予測される所望の終点を有する区間とすることができる。研磨が同時に停止する場合、最も早い時間は最も薄い基板と同等である。同様に、研磨が同時に停止する場合、最も遅い時間は最も厚い基板と同等である。基準基板は、たとえば所定の基板、基板のうちで予測される最も早い終点時間または最も遅い終点時間をもつ区間を有する基板とすることができる。研磨が同時に停止する場合、最も早い時間は最も薄い区間と同等である。同様に、研磨が同時に停止する場合、最も遅い時間は最も厚い区間と同等である。
調整可能な区間のそれぞれに対して、調整可能な区間が基準区間と同時にターゲット指数に到達するように、指数トレースに対する所望の勾配を計算することができる。たとえば、所望の勾配SDは、(IT−I)=SD*(TE−T0)から計算することができ、ここでIは、研磨パラメータを変化させるべき時間T0における指数値(指数値のシーケンスに適合された線形関数から計算される)であり、ITはターゲット指数であり、TEは計算された予期の終点時間である。図11の例では、第2の区間の場合、所望の勾配SD2は、(IT−I2)=SD2*(TE−T0)から計算することができ、第3の区間の場合、所望の勾配SD3は、(IT−I3)=SD3*(TE−T0)から計算することができる。
別法として、いくつかの実装形態では、基準区間が存在しておらず、予期の終点時間は所定の時間とすることができ、たとえば研磨処理前にユーザが設定することができ、または1つもしくは複数の基板からの2つ以上の区間の予期の終点時間の平均もしくは他の組合せから計算することができる(ターゲット指数に対する様々な区間の線を予測することによって計算される)。この実装形態では、所望の勾配は、実質上上記で論じたように計算されるが、第1の基板の第1の区間に対する所望の勾配も計算しなければならず、たとえば所望の勾配SD1は、(IT−I1)=SD1*(TE’−T0)から計算することができる。
別法として、いくつかの実装形態では、異なる区間に対して異なるターゲット指数が存在する。これにより、作為的であるが制御可能な不均一の厚さプロファイルを基板上に創出することが可能になる。これらのターゲット指数は、たとえばコントローラ上の入力デバイスを使用して、ユーザが入力することができる。たとえば、第1の基板の第1の区間は第1のターゲット指数を有することができ、第1の基板の第2の区間は第2のターゲット指数を有することができ、第2の基板の第1の区間は第3のターゲット指数を有することができ、第2の基板の第2の区間は第4のターゲット指数を有することができる。
上記の方法のいずれの場合も、研磨速度は、所望の勾配により近い指数トレースの勾配を得るように調整される。研磨速度は、たとえばキャリアヘッドの対応するチャンバ内の圧力を増大または低減させることによって調整することができる。研磨速度の変化は、たとえば簡単なプレストニアン(Prestonian)モデルを用いて、圧力の変化に正比例すると仮定することができる。たとえば、各基板の各区間に対して、時間T0前に圧力Poldで区間が研磨された場合、時間T0後に印加すべき新しい圧力Pnewは、Pnew=Pold*(SD/S)として計算することができ、ここでSは時間T0前の線の勾配であり、SDは所望の勾配である。
たとえば、圧力Pold1が第1の基板の第1の区間に印加され、圧力Pold2が第1の基板の第2の区間に印加され、圧力Pold3が第2の基板の第1の区間に印加され、圧力Pold4が第2の基板の第2の区間に印加されたと仮定すると、第1の基板の第1の区間に対する新しい圧力Pnew1は、Pnew1=Pold1*(SD1/S1)として計算することができ、第1の基板の第2の区間に対する新しい圧力Pnew2は、Pnew2=Pold2*(SD2/S2)として計算することができ、第2の基板の第1の区間に対する新しい圧力Pnew3は、Pnew3=Pold3*(SD3/S3)として計算することができ、第2の基板の第2の区間に対する新しい圧力Pnew4は、Pnew4=Pold4*(SD4/S4)として計算することができる。
基板がターゲットの厚さに到達すると予測される時間を決定して研磨速度を調整する処理は、研磨処理中に1回だけ、たとえば指定の時間、たとえば予期の研磨時間の40%から60%の時点で実行することができ、または研磨処理中に複数回、たとえば30秒から60秒ごとに実行することができる。研磨処理中の後の時点で、速度を再び適宜調整することができる。研磨処理中、研磨速度の変更は、4回、3回、2回など数回のみ、または1回のみ行うことができる。この調整は、研磨処理の開始付近、途中、または終了付近で行うことができる。
研磨速度が調整された後、たとえば時間T0後、研磨は継続され、光学モニタシステムは引き続き、少なくとも基準区間に対するスペクトルを収集し、基準区間に対する指数値を決定する。いくつかの実装形態では、光学モニタシステムは引き続きスペクトルを収集し、各区間に対する指数値を決定する。基準区間の指数トレースがターゲット指数に到達した後、終点が呼び出され、研磨動作が停止する。
たとえば、図12に示すように、時間T0後、光学モニタシステムは引き続き基準区間に対するスペクトルを収集し、基準区間に対する指数値312を決定する。基準区間にかかる圧力が変化しなかった場合(たとえば、図11の実装形態と同様)、T0前(ただし、TC前ではない)とT0後の両方のデータ点を使用して線形関数を計算し、更新された線形関数314を提供することができ、線形関数314がターゲット指数ITに到達する時間は、研磨終点時間を示す。他方では、基準区間にかかる圧力が時間T0で変化した場合、時間T0後の指数値312のシーケンスから、勾配S’を有する新しい線形関数314を計算することができ、新しい線形関数314がターゲット指数ITに到達する時間は、研磨終点時間を示す。終点を決定するために使用される基準区間は、予期の終点時間を計算するために上記で使用したものと同じ基準区間とすることができ、または異なる区間とすることができる(もしくは、図11を参照して説明したようにすべての区間が調整された場合、終点決定の目的で基準区間を選択することができる)。新しい線形関数314が、元の線形関数214から計算された予測される時間よりわずかに遅く(図12に示す)または早くターゲット指数ITに到達した場合、これらの区間の1つまたは複数は、それぞれわずかに研磨過剰または研磨不足になることがある。しかし、予期の終点時間と実際の研磨時間との間の差は2秒未満になるはずであるため、これは必ずしも研磨の均一性に深刻な影響を与えるわけではない。
いくつかの実装形態では、たとえば銅の研磨の場合、基板に対する終点の検出後、たとえば銅の残留物を除去するために、基板はただちに過剰研磨処理にかけられる。過剰研磨処理は、基板のすべての区間に対して均一の圧力、たとえば1psiから1.5psiで行うことができる。過剰研磨処理は、事前設定された持続時間、たとえば10秒から15秒を有することができる。
特定の区間に対して複数の指数トレースが生成される場合、たとえば特定の区間に対する当該の各ライブラリに1つの指数トレースが生成される場合、その特定の区間に対する終点または圧力制御アルゴリズムで使用するために、これらの指数トレースの1つを選択することができる。たとえば、各指数トレースが同じ区間に対して生成される場合、コントローラ190は、その指数トレースの指数値に線形関数を適合させて、指数値のシーケンスに対するその線形関数の適合度を決定することができる。最良の適合度の指数値をもつ線を有する生成済み指数トレースを、特定の区間および基板に対する指数トレースとして選択することができる。たとえば、たとえば時間T0における調整可能な区間の研磨速度をどのように調整するかを決定するとき、最良の適合度を有する線形関数をその計算で使用することができる。別の例として、最良の適合度を有する線に対して計算された指数(指数値のシーケンスに適合された線形関数から計算される)がターゲット指数に整合し、またはターゲット指数を超過するときは、終点を呼び出すことができる。また、線形関数から指数値を計算するのではなく、指数値自体とターゲット指数とを比較して終点を決定することもできる。
スペクトルライブラリに関連する指数トレースが、そのライブラリに関連する線形関数に対して最良の適合度を有するかどうかを決定することは、関連するロバスト線と別のライブラリに関連する指数トレースとの差と比較して、相対的に、関連するスペクトルライブラリの指数トレースと関連するロバスト線との差が最も小さいかどうか、たとえば最も小さい標準偏差、最も大きい相関関係、または他の分散測定値を決定することを含むことができる。一実装形態では、適合度は、指数データ点と線形関数との間の2乗差の和を計算することによって決定され、2乗差の和が最も小さいライブラリが最良適合を有する。
図13を参照すると、概要の流れ図1300が示されている。上記のように、研磨装置内で同じ研磨パッドによって同時に、1つの基板の複数の区間が研磨される(ステップ1302)。この研磨動作中、各区間は、独立して可変の研磨パラメータ、たとえば特定の区間の上のキャリアヘッド内のチャンバによって印加される圧力によって、他の基板から独立して制御可能な研磨速度を有する。研磨動作中、基板は、上記のように、たとえば各区間から得られる測定スペクトルのシーケンスによって監視される(ステップ1304)。シーケンス内の各測定スペクトルに対して、最良整合である基準スペクトルが決定される(ステップ1306)。最良適合である各基準スペクトルに対する指数値を決定して、指数値のシーケンスを生成する(ステップ1308)。
第2の層の除去が検出される(ステップ1310)。各区間に対して、第2の層の除去が検出された後に収集されたスペクトルに対する指数値のシーケンスに対して、線形関数が適合される(ステップ1302)。一実装形態では、基準区間に対する線形関数がターゲット指数値に到達する予期の終点時間が、たとえば線形関数の線形補間によって決定される(ステップ1314)。他の実装形態では、予期の終点時間は所定のものであり、または複数の区間の予期の終点時間の組合せとして計算される。必要に応じて、他の区間に対する研磨パラメータを調整して、複数の区間がほぼ同じ時間にターゲットの厚さに到達するように、または複数の区間がターゲット時間にほぼ同じ厚さ(もしくはターゲットの厚さ)を有するように、その基板の研磨速度を調整する(ステップ1316)。パラメータが調整された後、研磨は継続され、各区間に対して、スペクトルを測定し、最良に整合する基準スペクトルをライブラリから決定し、最良に整合するスペクトルに対する指数値を決定して、研磨パラメータが調整された後の期間に対する新しい指数値のシーケンスを生成し、線形関数を指数値に適合させる(ステップ1318)。基準区間に対する指数値(たとえば、新しい指数値のシーケンスに適合された線形関数から生成された計算済み指数値)がターゲット指数に到達した後、研磨を停止させることができる(ステップ1330)。
いくつかの実装形態では、指数値のシーケンスを使用して、基板の1つまたは複数の区間の研磨速度を調整するが、別のインシトゥモニタシステムまたは技法を使用して研磨終点を検出する。
上記で論じたように、いくつかの技法およびいくつかの層スタックでは、上層の除去および下層の露出の検出は困難な可能性がある。いくつかの実装形態では、複数のスペクトル群のシーケンスを収集し、各スペクトル群に対する分散パラメータの値を計算して分散値のシーケンスを生成する。上層の除去は、分散値のシーケンスから検出することができる。この技法を使用して、たとえば上記の研磨動作のステップ910または1310で、第2の層の除去および第1の層の露出を検出することができる。
図14は、第2の層の除去および第1の層の露出を検出する方法1400を示す。基板が研磨されるにつれて(ステップ1402)、複数のスペクトル群のシーケンスが収集される(ステップ1404)。図4に示すように、光学モニタシステムが回転プラテンに固定されている場合、基板を横断する光学モニタシステムの1回の掃引において、基板上の複数の異なる位置201b〜201jからスペクトルを収集することができる。1回の掃引から収集されたスペクトルは、1つのスペクトル群を提供する。研磨が進行すると、光学モニタシステムの複数回の掃引が、スペクトル群のシーケンスを提供する。プラテンが回転するたびに1つのスペクトル群を収集することができ、たとえば複数の群をプラテンの回転速度に等しい頻度で収集することができる。通常、各群は、5個から20個のスペクトルを含む。これらのスペクトルは、上記で論じたピーク追跡技法でスペクトルを収集するために使用されるものと同じ光学モニタシステムを使用して収集することができる。
図15Aは、研磨の開始時、たとえば相当な厚さの上層が下層の上に残っているときに基板10から反射した光の測定スペクトル群1500aの一例を提供する。スペクトル群1500aは、基板を横断する光学モニタシステムの第1の掃引において基板上の異なる位置で収集されたスペクトル202a〜204aを含むことができる。図15Bは、上層の除去時またはその前後に基板10から反射した光の測定スペクトル群1500bの一例を提供する。スペクトル群1500bは、基板を横断する光学モニタシステムの異なる第2の掃引において基板上の異なる位置で収集されたスペクトル202b〜204bを含むことができる(スペクトル1500aは、スペクトル1500bとは異なる、基板上の位置から収集することができる)。
最初、図15Aに示すように、スペクトル1500aはかなり類似している。しかし、図15Bに示すように、上層、たとえばバリア層が除去され、下層、たとえば低誘電率またはキャッピング層が露出されると、基板上の異なる位置からのスペクトル1500b間の差は、より目立つようになる傾向がある。
各スペクトル群に対して、その群内のスペクトルの分散パラメータの値が計算される(ステップ1406)。これにより、分散値のシーケンスを生成する。
一実装形態では、スペクトル群に対する分散パラメータを計算するために、強度値(波長に応じる)をともに平均化して平均スペクトルを提供する。すなわち、IAVE(λ)=(1/N)・[Σi=1 to NIi(λ)]であり、ここでnは群内のスペクトルの数であり、Ii(λ)はスペクトルである。次いで、この群内の各スペクトルに対して、たとえば2乗差の和または絶対値の差の和を使用して、スペクトルと平均スペクトルとの間の全体的な差を計算することができ、たとえば、Di=[1/(λa−λb)・[Σλ=λa to λb[Ii(λ)−IAVE(λ)]2]]1/2またはDi=[1/(λa−λb)・[Σλ=λa to λb|Ii(λ)−IAVE(λ)|]]であり、ここでλa to λbは、合計される波長範囲である。
スペクトル群内の各スペクトルに対して差分値が計算された後、それらの差分値から群に対する分散パラメータの値を計算することができる。標準偏差、四分位数間領域、範囲(最大値−最小値)、平均差、メジアン絶対偏差、および平均絶対偏差など、様々な分散パラメータが可能である。分散値のシーケンスを分析および使用して、上層の除去を検出することができる(ステップ1408)。
図16は、研磨時間に応じたスペクトルの標準偏差のグラフ1600を示す(各標準偏差は、スペクトル群の差分値から計算される)。したがって、グラフ内の各点1602は、光学モニタシステムの所与の掃引で収集されたそのスペクトル群の差分値に対する標準偏差である。図示のように、標準偏差分値は、第1の期間1610中はかなり小さいままである。しかし、期間1610後、標準偏差分値はより大きくなり、より分散している。いかなる特定の理論にも限定されるものではないが、厚いバリア層は、反射スペクトルを左右し、バリア層自体およびあらゆる下層の厚さの差を隠す傾向を有することがある。研磨が進行すると、バリア層はより薄くなり、または完全に除去され、反射スペクトルは、下層の厚さの変動の影響をより受けやすくなる。その結果、スペクトルの分散は、バリア層が除去されると増大する傾向がある。
上層が除去されているとき、様々なアルゴリズムを使用して分散値の挙動の変化を検出することができる。たとえば、分散値のシーケンスと閾値とを比較することができ、分散値が閾値を超過した場合、上層が除去されたことを示す信号が生成される。別の例として、分散値のシーケンスのうち、移動窓内の部分の勾配を計算することができ、勾配が閾値を超過した場合、上層が除去されたことを示す信号が生成される。
分散の増大を検出するアルゴリズムの一部として、高周波ノイズを除去するために、分散値のシーケンスをフィルタ、たとえば低域フィルタまたは帯域フィルタにかけることができる。低域フィルタの例には、移動平均フィルタおよびバターワースフィルタが含まれる。
上記の議論では、バリア層の除去の検出に焦点を当てたが、他の状況では、この技法を上層の除去、たとえば誘電体層スタック、たとえば層間誘電体(ILD)を使用する別のタイプの半導体処理における上層の除去、または誘電体層上の薄い金属層の除去の検出に使用することができる。
上記で論じたように特徴の追跡を開始するトリガとしての使用に加えて、上層の除去を検出するこの技法は、研磨動作における他の目的で使用することもでき、たとえば、終点信号自体として使用することができ、露出後に所定の持続時間にわたって下層が研磨されるようにタイマをトリガすることができ、または研磨パラメータを修正するため、たとえば下層の露出時にキャリアヘッドの圧力もしくはスラリの組成を変化させるためのトリガとして使用することができる。
さらに、上記の議論では、回転プラテン内に光学終点モニタが設置されると仮定したが、モニタシステムと基板との間の他のタイプの相対運動に、システムを適用することもできる。たとえば、いくつかの実装形態、たとえば軌道運動では、光源は基板上の異なる位置を横切るが、基板のエッジとは交差しない。そのような場合、収集されたスペクトルをさらに分類することができ、たとえば特定の周波数でスペクトルを収集することができ、期間内に収集されたスペクトルを1つの群の一部と見なすことができる。この期間は、各群に対して5個から20個のスペクトルを収集するのに十分なほど長くするべきである。
本明細書では、基板という用語は、たとえば製品基板(たとえば、複数のメモリまたはプロセッサのダイを含む)、試験基板、裸基板、およびゲーティング基板を含むことができる。基板は、集積回路製造の様々な段階に位置することができ、たとえば基板は、裸ウエハとすることができ、または1つもしくは複数の堆積層および/もしくはパターン付きの層を含むことができる。基板という用語は、円形のディスクおよび方形のシートを含むことができる。
本明細書に記載する本発明の実施形態およびすべての関数の演算は、本明細書に開示する構造的手段およびその構造的均等物、またはそれらの組合せを含む、デジタル電子回路内、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェア内で実施することができる。本発明の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品として、すなわち機械可読記憶媒体内で有形に実施される1つまたは複数のコンピュータプログラムとして実施することができ、データ処理装置、たとえばプラグラム可能なプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータの動作によって実行され、またはこれらの動作を制御する。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとも呼ばれる)は、コンパイル型言語または解釈型言語を含む任意の形式のプログラムミング言語で書くことができ、演算環境での使用に適した独立型プログラム、またはモジュール、構成要素、サブルーチン、もしくは他の単位を含む任意の形式で配備することができる。1つのコンピュータプログラムが、必ずしも1つのファイルに対応するわけではない。1つのプログラムは、他のプログラムもしくはデータを保持するファイルの一部分内、当該プログラム専用の単一のファイル内、または複数の協働ファイル(たとえば、1つもしくは複数のモジュール、サブプログラム、もしくはコード部分を記憶する複数のファイル)内に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上、または1つの箇所に位置する複数のコンピュータ上、もしくは複数の箇所に分散されて通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように配備することができる。本明細書に記載するこれらの処理および論理の流れは、入力データ上で動作して出力を生成することによって機能を実行するように1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプラグラム可能なプロセッサによって実行することができる。また、特殊目的論理回路、たとえばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によってこれらの処理および論理の流れを実行することもでき、こうした特殊目的論理回路として装置を実施することもできる。
図17は、TEOS層の厚さが異なる基板に対して相互相関関係方法および2乗差の和の方法を使用するスペクトル整合に対する指数トレース(プラテンの回転数に応じた最良に整合する基準スペクトルの指数)の比較を示す。厚さ1500ÅのBlack Diamond層、厚さ130ÅのBlok層、および厚さ5200Å、5100Å、または5000ÅのTEOS層からなるスタックを有する製品基板に対するデータが生成された。厚さ5200ÅのTEOS層を有する基準基板に対する基準ライブラリが生成された。トレース1702で示すように、製品基板および基準基板が同じ厚さ、すなわち5200ÅのTEOS層を有する場合、2つの指数トレースは重複しており、測定可能な差はない。しかし、製品基板が厚さ5100ÅのTEOS層を有し、基準基板が厚さ5200ÅのTEOS層を有する場合、2乗差の和を使用して生成される指数トレース1704は、線形の挙動からある程度逸脱する。対照的に、相互相関関係を使用して生成される指数トレースは指数トレース1702に重複する(したがって、グラフ内では見えない)。最後に、製品基板が厚さ5000ÅのTEOS層を有し、基準基板が厚さ5200ÅのTEOS層を有する場合、2乗差の和を使用して生成される指数トレース1706は、線形の挙動およびトレース1702からかなり逸脱するのに対して、相互相関関係を使用して生成される指数トレース1708は、ほぼ線形のままであり、トレース1702にはるかに近接している。要約すると、これは、下層の厚さに変動があるとき、相互相関関係を使用して最良に整合するスペクトルを決定すると、理想により良好に整合するトレースが得られることを示す。コンピュータ処理を低減させるために適用できる方法は、ライブラリのうち、整合スペクトルが検索される部分を制限することである。ライブラリは通常、基板の研磨中に得られるものより広い範囲のスペクトルを含む。基板研磨中、ライブラリの検索は、ライブラリスペクトルの所定の範囲に制限される。いくつかの実施形態では、研磨されている基板の現在の回転指数Nが決定される。たとえば、最初のプラテン回転では、ライブラリのすべての基準スペクトルを検索することによって、Nを決定することができる。後の回転中に得られるスペクトルでは、ライブラリは、Nの自由範囲内で検索される。すなわち、1回の回転中に指数がNであることが分かった場合、X回後の回転である後の回転中、自由がYである場合、(N+X)−Yから(N+X)+Yの範囲が検索される。
前述の研磨装置および方法は、様々な研磨システムで適用することができる。研磨パッドとキャリアヘッドのいずれか、またはその両方は、研磨表面と基板との間の相対運動を提供するように動くことができる。たとえば、プラテンは、回転するのではなく軌道を描くことができる。研磨パッドは、プラテンに固定された円形(または他の形状)のパッドとすることができる。終点検出システムのいくつかの態様は、たとえば、研磨パッドが線形に動く連続するベルト、またはオープンリール式のベルトである場合、線形の研磨システムに適用可能とすることができる。研磨層は、標準的な(たとえば、充填剤の有無にかかわらず、ポリウレタン)研磨材料、軟性材料、または固定の研削材料とすることができる。相対的な位置決めに関する用語が使用されているが、研磨表面および基板は、垂直の配向または他の配向で保持できることを理解されたい。
本発明の特定の実施形態について説明した。他の実施形態も、以下の特許請求の範囲の範囲内である。