[go: up one dir, main page]

JP6016085B2 - 抗真菌外用組成物及び抗真菌外用組成物の適用方法 - Google Patents

抗真菌外用組成物及び抗真菌外用組成物の適用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6016085B2
JP6016085B2 JP2012171477A JP2012171477A JP6016085B2 JP 6016085 B2 JP6016085 B2 JP 6016085B2 JP 2012171477 A JP2012171477 A JP 2012171477A JP 2012171477 A JP2012171477 A JP 2012171477A JP 6016085 B2 JP6016085 B2 JP 6016085B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin
antifungal
terbinafine
tissue
salicylic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012171477A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014019697A (ja
Inventor
眞滋 守金
眞滋 守金
守金 大蔵
大蔵 守金
幸治 関谷
幸治 関谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIA Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
DIA Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIA Pharmaceutical Co Ltd filed Critical DIA Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2012171477A priority Critical patent/JP6016085B2/ja
Publication of JP2014019697A publication Critical patent/JP2014019697A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6016085B2 publication Critical patent/JP6016085B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

発明の詳細な説明
本発明は白癬菌、水虫等の真菌を治療する真菌治療に関し、さらに詳しくは、白癬菌、水虫等の真菌を治療する抗真菌外用組成物および抗真菌外用組成物の適用方法に関する。
白癬菌、水虫等の真菌を治療する真菌治療薬としては、服用して使用する経口内服剤および炎症患部に塗布して使用する外用剤が知られている。炎症患部に塗布して使用する外用剤の形態としては、液体状の液剤、乳化クリーム状のクリーム剤、難水溶性の軟膏、水性ゲル状のゲル剤、面状基材に固定保持された貼付剤、パッチ剤、等の形態が一般的に使用されている。
このような真菌治療用の外用剤として、下記のような種々の形態、成分、適用方法を有する真菌治療用外用剤が提案されている。
特表平9−504536号公報(特許文献1)には、アクリル酸エステル系共重合体から成るポリマーマトリックスの中に糸状菌に有効な抗真菌剤と、抗真菌剤の爪への浸透を促進する爪浸透促進剤とを埋め込んだ構成であって、爪に貼り付けて使用する爪真菌症治療用硬膏が開示されている。爪浸透促進剤として、スルホキシド類、酸アミド類、スルホン酸アルキル類、ポリアルコール類、サリチル酸角質溶解剤、尿素、乳酸、など計7種類の爪浸透促進剤が開示され、また、抗真菌剤として、トルシクラート、スルベンチン、ハロプロジン、グリセオフルビン、シクロピロックス、プロピドンヨウ素、テルビナフィン、ミコナゾール、エコナゾール、イソコナゾール、チオコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、など計13種類の抗真菌剤が開示され、このような硬膏を爪の上に数日間止まるように形成し、これにより、爪を通して抗真菌剤の浸透を長い間保持することができることが開示されている。
特開2001−316247号公報(特許文献2)には、角質溶解性薬剤と湿潤剤を抗真菌薬剤に組み合わせることによって爪全体に高い浸透性を達成する爪ニス剤、スプレー剤であって、抗真菌薬剤としてクリトリマゾール、硝酸ミコナゾール、アムホテリシン、ブテファニン、ブトコナゾール、石炭酸フチシン、チオ硫酸ナトリウム、テルビナフィン、その他12種類、など計20種類が開示され、角質溶解性薬剤として、尿素、硫黄、サリチル酸、ポドフィラム樹脂など計4種類の抗真菌薬剤が開示され、爪全体に高い浸透性を達成し、指と足指に対する抗真菌性薬剤の局所徐放性送達システムが開示されている。
他方、特表2007−523137号公報(特許文献3)には、サリチル酸またはその塩と、加水分解乳タンパク質を含む組成物であって、皮膚に局所塗布するスキンケア組成物であって、ニキビの予防・治療的処置、特に、ニキビの治療的効果を改善するとともに正常な水分−皮膚膜を皮膚上に作り上げる作用に有用であることが開示されている。ニキビの予防・治療的処置に効能を発揮するスキンケア組成物中のサリチル酸含有量は、0.01重量%〜10重量%であり、最も好ましくは、1重量%〜3重量%であることも示唆されている。なお、サリチル酸の過剰な使用は皮膚のピーリング、炎症、発赤のような不快症状を生じさせることも示唆されている。
特表2007−523138号公報(特許文献4)には、サリチル酸またはその塩と、アクリロイルジメチルタウリン含有コポリマーの形のゲル化剤とを含有し、水アルコールゲル分散形態の化粧品として許容されるゲル状スキンケア組成物であって、皮膚の洗浄、及びアクネの予防・治療に有用であることが開示されている。ここでは、サリチル酸またはその塩は、アクネの予防・治療に効能を発揮する有効成分として開示されている。アクネの予防・治療に効能を発揮するゲル状スキンケア組成物中のサリチル酸含有量は、0.1重量%〜5重量%であり、より好ましくは、0.5重量%〜3重量%であることも示唆されている。また、上記組成物に加えて、さらに、トリクラセン、その他、計14種類の抗菌化合物、アシクロビル、その他、計3種類の抗ウイルス化合物、ファルネソール、塩酸テルビナフェン、その他、計16種類の抗真菌化合物、ヒドロコルチゾン、その他計19種類の抗炎症化合物などの局所有効成分を含む化粧品として許容されるスキンケア組成物が開示されている。なお、一般的に、サリチル酸は上皮細胞間質を溶解させることによって働く局所性角質溶解剤であることも示唆されている。
特表2005−519126号公報(特許文献5)、特表2006−519263号公報(特許文献6)には、生体接着性を有する水感受性ポリマーのマトリックス層を有する皮膚用、化粧用、または薬学的活性成分の制御された局所または経皮的デリバリーのためのパッチであって、薬学的活性成分が酸化防止剤、保湿剤、抗炎症剤、抗真菌剤、その他であり、特に、美容的、皮膚科学的、薬学的活性成分の1つ以上が、トリクロサン、ポピドンヨード、レゾルシノール、サリチル酸を含む角質溶解剤、ヨウ素、水銀、銀、フェノール、ニトロフェナロン、アスピリン、イソプロフェン、抗ヒスタミン剤、カラミン、その他、計17種類の活性成分が開示されている。すなわち、サリチル酸は角質溶解剤として作用することが示唆されている。
特開2002−363070号公報(特許文献7)には、粘着剤基剤成分に、抗真菌薬と当該抗真菌薬の結晶析出を防止する溶解剤を含有する経皮吸収貼付剤であって、抗真菌薬としてビホナゾール、テルビナフィン、ナフチフィン、サリチル酸、イオウ、その他、計45種類の抗真菌薬が開示され、これにより、抗真菌薬の結晶析出を抑制し、良好な薬物の放出性及び皮膚への薬物移行性を有し、薬物を皮膚から吸収させることができ、皮膚上の白癬、カンジダ症などの真菌症の治療に充分な効果を発揮することができ、水虫、たむしなどの表在性真菌症等の治療に有用であることが開示されている。
特開平8−20527号公報(特許文献8)には、塩酸ブテナフィン、ビフォナゾール、塩酸エチコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、塩酸テルビナフィン、塩酸アモルフィン、リラナフタート、など計8種類の抗真菌剤のうちの少なくとも一つを配合してなる角質貯留型抗真菌外用組成物において、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、クロタミトン、ハッカ油、メントールなど計5種類のうちのひとつの角質浸透促進剤を配合し、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ゲルクリーム剤の形態を有する角質貯留型抗真菌外用組成物が提案されている。これにより、抗真菌剤の表皮角質への浸透を促進し、さらに、表皮角質層との構成成分との結合、固定化を助ける等の抗真菌剤の角質浸透性・貯留性を高めることが開示されている。
特表平9−504536号公報明細書 特開2001−316247号公報明細書 特表2007−523137号公報明細書 特表2007−523138号公報明細書 特表2005−519126号公報明細書 特表2006−519263号公報明細書 特開2002−363070号公報明細書 特開平8−20527号公報明細書
上記従来技術において、角質溶解剤(又は爪浸透促進剤)と抗真菌剤(又は抗菌剤)とを含有する抗真菌外用剤(又は)抗菌外用剤が開示されている。
特に、爪浸透促進剤として、スルホキシド類、酸アミド類、スルホン酸アルキル類、ポリアルコール類、サリチル酸角質溶解剤、尿素、乳酸、など計7種類が開示されている(特許文献1)。爪スプレー剤の角質溶解剤として、尿素、硫黄、サリチル酸、ポドフィラム樹脂など計4種類が開示されている(特許文献2)。美容的、皮膚科学的、薬学的活性成分における角質溶解剤としてサリチル酸の使用が開示されている(特許文献5、6)。
特に、サリチル酸が、にきび、アクネの予防薬、治療薬としての効果が開示されている(特許文献3、4)。
特に、抗真菌剤として、特許文献1にはテルビナフィンなど計13種類の抗真菌剤が開示され、特許文献2にはテルビナフィンなど計20種類の抗真菌剤が開示され、特許文献4には塩酸テルビナフィンなど計16種類の抗真菌剤が開示され、特許文献7にはテルビナフィンとサリチル酸など計45種類の抗真菌剤が開示されている。
特に、特許文献8には、塩酸テルビナフィンなど計8種類の抗真菌剤と、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、クロタミトン、ハッカ油、メントールなどの5種類の角質浸透促進剤とを含有する角質貯留型抗真菌外用組成物が開示されている。なお、ここで開示されている角質浸透促進剤はサリチル酸メチル、サリチル酸グリコールであり、サリチル酸とは異なる物質である。
このように、従来技術において、角質溶解剤(又は爪浸透促進剤)と抗真菌剤(又は抗菌剤)とを含有する抗真菌外用剤(又は抗菌外用剤)が開示され、角質溶解剤(又は爪浸透促進剤)として10種類を超える多種類の角質溶解剤が列挙して開示され、さらに、抗真菌剤(又は抗菌剤)としても30種類を超える多種類の抗真菌剤が列挙して開示されている。しかしながら、特定の角質溶解剤(又は角質浸透促進剤)と特定の抗真菌剤との双方の成分を含有する抗真菌外用剤については、いずれの従来技術にも開示されていなく、さらに、それらの特定の角質溶解剤(又は角質浸透促進剤)と特定の抗真菌剤との双方の成分を含有する抗真菌外用剤により発揮される作用効果についても明確に開示されていない。
一般に、人体皮膚にかかる白癬菌、水虫等の真菌症において、真菌は皮膚を構成する角質層などの皮膚領域の内部に侵入して増殖する。従って、抗真菌剤が真菌症に対して優れた薬効を奏するためには、薬効成分が強い抗菌性能を奏することに加えて、薬効成分が真菌の存在する皮膚内部に効率よく送達され、薬効成分が有効に真菌に直接に作用し、これにより、真菌症を治癒することが重要である。
一般に、角質溶解剤と抗真菌剤とを含有する抗真菌外用組成物において、含有される角質溶解剤と抗真菌剤のそれぞれの有効成分・種類の組み合わせによって、発揮される真菌症治癒作用効果は異なる。
本発明は、特定の角質浸透促進剤と特定の抗真菌剤との双方の薬効成分を含有する抗真菌外用組成物を真菌症に適用することにより、これらの特定の角質浸透促進剤と特定の抗真菌剤との相乗作用により、皮膚領域の表面に存在する真菌に作用するとともに、さらに、薬効成分が真菌の存在する皮膚領域の内部に効率よく送達され、薬効成分が有効に真菌に直接に作用し、これにより、著しく優れた抗菌性能を奏するとともに真菌症を治癒することが可能になることを見出したものである。
本発明の抗真菌外用組成物は、テルビナフィンと塩酸テルビナフィンのうちの少なくとも一つの抗真菌効能を奏するテルビナフィン系抗真菌剤、前記テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏する皮膚浸透促進効能を有するサリチル酸、水、1,3−ブチレングリコール、ステアリルアルコール、セタノール、パルミチン酸セチル、ポリソルベート60、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、及び、エデト酸ナトリウム、を含有してなり、前記サリチル酸は、組成物全量当たり、0.1重量%〜0.8重量%を含有し、前記テルビナフィン系抗真菌剤は、組成物全量当たり、0.5重量%〜10.0重量%を含有し、少なくとも前記テルビナフィン系抗真菌剤の一部が前記水に溶解され、乳化した状態のクリーム剤の形態であり、角質層を含む表皮とその表皮の内側に位置する真皮とからなる皮膚組織とその皮膚組織の内側に位置する皮下組織とから構成されている皮膚領域の表面に塗布された時、前記サリチル酸は、前記角質層を溶解又は破壊することなく、前記皮膚組織の状態を湿潤、軟化又は膨潤して変質する皮膚状態変質作用を奏する、範囲の濃度で含有され、前記テルビナフィン系抗真菌剤は、前記皮膚領域の表面に存在する真菌に作用するとともに、さらに、前記サリチル酸の皮膚状態変質作用により、状態変質した前記皮膚組織を浸透して、前記皮膚組織および前記皮下組織のうちの少なくとも一つの前記皮膚領域の内部に浸透し、その皮膚領域内部に存在する真菌に作用する、ことを特徴とする。
一般に、人体の皮膚領域は、角質層を含む表皮とその表皮の内側に位置する真皮とからなる皮膚組織と、その皮膚組織の内側に位置する皮下組織とから構成されている。角質層は皮膚の最も外側の最上層のタンパク質を主成分とし、下から新しい真皮ができてくるたびにアカとなって剥がれ落ちることで一定の厚みが保たれている。角質層は真皮細胞が細胞核を失った状態であり、さまざまな役割を担っている。本発明においては、「皮膚領域は皮膚組織と皮下組織から構成され、皮膚組織は角質層を含む表皮と真皮とから構成されている」の構成であるものと定義する。
水虫や白癬菌などの真菌は表皮の表面、角質層などの表皮の中に住み着き存在する。また、真菌症が重傷化した状態の時には、真菌は表皮の内側の真皮および皮下組織の中にまでも浸透して存在する。
このような真菌症の状態において、少なくとも、テルビナフィンと塩酸テルビナフィンのうちの少なくとも一つの抗真菌効能を奏するテルビナフィン系抗真菌剤と、前記抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏する皮膚浸透促進効能を有するサリチル酸と、を含有する抗真菌外用組成物が、真菌が存在する皮膚領域の表面に塗布して適用されることにより、皮膚領域表面および皮膚領域内部に存在する真菌が失活され、又は死滅され、真菌に起因する真菌症が治療される、等の著しく優れた抗菌作用効果が得られる。
望ましくは、このような真菌症の状態において、少なくとも、テルビナフィンと塩酸テルビナフィンのうちの少なくとも一つの抗真菌効能を奏するテルビナフィン系抗真菌剤と、前記抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏する皮膚浸透促進効能を有するサリチル酸と、を含有する抗真菌外用組成物が、皮膚領域の表面に塗布された時、サリチル酸は、皮膚状態変質作用を奏して皮膚組織の状態を変質することにより、テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏し、テルビナフィン系抗真菌剤は、皮膚領域の表面に存在する真菌に作用するとともに、さらに、サリチル酸の皮膚状態変質作用により状態変質した皮膚組織を浸透して、皮膚組織および皮下組織のうちの少なくとも一つの皮膚領域に浸透し、その皮膚領域に存在する真菌に作用する。
すなわち、抗真菌外用組成物が真菌症を発症している皮膚領域の表面に塗布された時、サリチル酸の皮膚状態変質作用により、皮膚組織は湿潤、軟化または膨潤などの状態に変質される。そして、この皮膚変質状態において、テルビナフィン系抗真菌剤は、皮膚領域の表面に存在する真菌に作用するとともに、さらに、サリチル酸の皮膚状態変質作用により状態変質した皮膚組織に浸透して、皮膚組織および皮下組織のうちの少なくとも一つの皮膚領域に浸透し、その皮膚領域に存在する真菌に作用する。このようにして、テルビナフィン系抗真菌剤は、皮膚領域の表面、皮膚組織および皮下組織のうちの少なくとも一つの皮膚領域の内部に存在する真菌に作用して、真菌を失活し、又は死滅し、真菌に起因する真菌症が治療される作用効果が発揮される。
さらに望ましくは、前記抗真菌外用組成物において、前記サリチル酸は、肉眼的観察において前記皮膚組織の状態を変質することなく、角質層を溶解することなく、顕微鏡的観察において前記皮膚組織の状態を変質する皮膚状態変質作用を奏する、範囲の濃度で含有され、前記抗真菌外用組成物が、角質層を含む表皮とその表皮の内側に位置する真皮とからなる皮膚組織と、その皮膚組織の内側に位置する皮下組織とから構成されている皮膚領域の表面に塗布された時、肉眼的観察において前記皮膚組織の状態が変質することなく、角質層が溶解することなく、顕微鏡的観察において前記皮膚組織の状態が変質する皮膚状態変質作用を奏し、これにより、前記テルビナフィン系抗真菌剤は、状態変質した前記皮膚組織を透過して前記皮膚領域の内部に浸透し、前記皮膚領域の内部に存在する真菌に作用する。
すなわち、前記サリチル酸の含有濃度は、肉眼的観察において、前記皮膚組織の状態の変質が認められなく、さらに、角質層の溶解が認められない範囲の濃度であって、顕微鏡的観察において、前記皮膚組織の状態を変質する皮膚状態変質作用を奏する範囲の濃度で含有される。このような濃度のサリチル酸を含有する抗真菌外用組成物が真菌症を発症している皮膚領域の表面に塗布された時、サリチル酸の皮膚状態変質作用により、皮膚組織は、肉眼的観察において前記皮膚組織の状態の変質が認められなく、顕微鏡的観察において、湿潤、軟化または膨潤などの状態に変質される。そして、この皮膚変質状態において、テルビナフィン系抗真菌剤は、皮膚領域の表面に存在する真菌に作用するとともに、さらに、サリチル酸の皮膚状態変質作用により状態変質した皮膚組織に浸透して、皮膚組織および皮下組織のうちの少なくとも一つの皮膚領域に浸透し、その皮膚領域に存在する真菌に作用する。このようにして、テルビナフィン系抗真菌剤は、皮膚領域の表面、皮膚組織および皮下組織のうちの少なくとも一つの皮膚領域の内部に存在する真菌に作用して、真菌を失活し、又は死滅し、真菌に起因する真菌症が治療される作用効果が発揮される。
また、本発明の前記抗真菌外用組成物を所定時間毎に皮膚領域の表面に繰り返して塗布する抗真菌外用組成物の適用方法により、テルビナフィン系抗真菌剤は、サリチル酸の皮膚状態変質作用により更に状態変質した皮膚組織に浸透して、皮膚組織および皮下組織のうちの少なくとも一つの皮膚領域に更に浸透し、皮膚組織の更に深い内部、または、皮下組織の更に深い内部に移動または存在する真菌に作用して抗真菌効能を奏して、真菌を完全に失活又は死滅する。このように、抗真菌外用組成物を所定時間毎に皮膚領域の表面に繰り返して塗布することにより、真菌に起因する真菌症が治療される。
すなわち、抗真菌外用組成物が皮膚領域の表面に塗布された時、皮膚組織表面および皮膚組織内部に存在する真菌に作用して一部の真菌を失活又は死滅するが、しかしながら、一部の真菌は失活・死滅することなく更に皮膚組織または皮下組織の奧に移動して真菌繁殖した状態となることがある。
このような状態において、抗真菌外用組成物を所定時間毎に皮膚領域の表面に繰り返して塗布することにより、更に皮膚組織または皮下組織の奥に移動して繁殖した真菌に対して、繰り返して、上記のサリチル酸の皮膚状態変質作用とテルビナフィン系抗真菌剤の抗真菌効能作用を奏して、完全に、真菌を失活又は死滅する作用効果が発揮される。
なお、本発明の記述において、「皮膚状態変質」、「皮膚組織の状態を変質する」という語句は、「肉眼では皮膚組織の変化が認められなく」、さらに、「皮膚組織を破壊または溶解することなく」、「顕微鏡的観察において、皮膚組織の状態を、湿潤・軟化、等に変質する」を意味する。すなわち、「肉眼的観察においては皮膚組織の状態を変質することなく、顕微鏡的観察においては何らかの皮膚組織の変質が生じる」を意味する。また、「浸透」、「透過」、「通過」という語句は、互いに類似する意味であり、テルビナフィン系抗真菌剤が、「皮膚領域の表面から皮膚領域の内部に、何らかのメカニズムにより、送達または到達する」を意味する。
本発明に適用する人体の皮膚領域の概略模式的構造、及び、その皮膚領域に存在する真菌を説明するための模式的構造図である。
本発明に適用する人体の皮膚領域の概略模式的構造、及び、その皮膚領域に存在する真菌を説明するための模式的構造図が図1に示される。
図1において、皮膚領域10は、角質層2aと表皮機能層2bを含む表皮2とその表皮2の内側に位置する真皮3とからなる皮膚組織20と、その皮膚組織20の内側に位置する皮下組織40と、から構成され、表皮機能層2bは、顆粒層、有棘層、基底層から構成される。また、皮膚領域10には、皮下組織40から角質層2aの表面に達する細孔群(図示なし)と、皮下組織40から真皮3には毛細血管(図示なし)が構成されている。
一般に、白癬菌、水虫等の真菌5は、皮膚領域10の表面、角質層2aの内部またはこれらの境界に存在する。また、真菌症が重傷化した場合には、真菌5は、さらに、角質層2aを含む表皮2と真皮3、等の皮膚組織20、及び皮下組織40にまで存在する。
本発明の抗真菌外用組成物は、少なくとも、テルビナフィンと塩酸テルビナフィンのうちの少なくとも一つの抗真菌効能を奏するテルビナフィン系抗真菌剤と、そのテルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏する皮膚浸透促進効能を有するサリチル酸との、双方の成分を含有する。
塩酸テルビナフィンは、融点203〜208℃(分解)の常温で白色または微黄色結晶であり、メタノール、エタノール、酢酸に溶けやすく、水、無水酢酸に溶けにくく、皮膚真菌症の抗真菌効能を奏する性質ことは公知である。テルビナフィンは、塩酸テルビナフィンの略称として一般に使用されている語句であり、本発明においては、テルビナフィンは塩酸テルビナフィンと同じ物質を意味する。テルビナフィン、塩酸テルビナフィンは前述の特許文献1、2、4、7などで開示されている約30種類以上の抗真菌剤のうちの一つの物質である。
サリチル酸は、融点159℃の常温で無色針状結晶であり、20℃において水100ml当たりの水への溶解度は0.2gであり、古くには鎮痛剤として使用されていたが、前述の特許文献1、2、4、5、6には皮膚の角質溶解剤としての適用が提案され、また、特許文献3、4には、にきび、アクネなどの予防薬、治療薬として効能を奏することが開示されている物質である。サリチル酸は前述の特許文献1、2、4、5、6などで開示されている約10種類以上の角質溶解剤のうちの一つの物質である。
このように、従来技術においてサリチル酸は角質を溶解する作用効果を奏する角質溶解剤としての使用が提案されているが、これに対して、本発明においては、サリチル酸は、テルビナフィン系抗真菌剤と一緒に使用することにより、テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透性を促進する効能を発揮して、テルビナフィン系抗真菌剤が皮膚組織20および皮下組織40にまで浸透して、皮膚組織20および皮下組織40に存在する真菌5に作用して、皮膚の内部の奥に潜む真菌5を失活し、又は死滅する効能を奏することを見出したものである。
すなわち、特に、サリチル酸とテルビナフィン系抗真菌剤との特定の組み合わせ組成物が、皮膚領域10の表面および皮膚領域内部に存在する真菌を失活し、又は死滅し、真菌5に起因する真菌症を治療する、等の著しく優れた抗菌作用効果が得られることを見出した。
特に、「サリチル酸は、皮膚状態変質作用を奏して皮膚組織20の状態を変質することにより、テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏し、テルビナフィン系抗真菌剤は、皮膚領域10の表面に存在する真菌5に作用するとともに、さらに、サリチル酸の皮膚状態変質作用により状態変質した皮膚組織20を浸透して、皮膚組織20および皮下組織40のうちの少なくとも一つの皮膚領域10に浸透し、皮膚領域表面および皮膚領域内部に存在する真菌5が失活され、又は死滅され、真菌5に起因する真菌症が治療される、等の著しく優れた抗菌作用効果が得られる」ということを見出したものである。
すなわち、少なくとも、テルビナフィン系抗真菌剤とサリチル酸とを含有する抗真菌外用組成物が角質層2aを含む表皮2とその表皮2の内側に位置する真皮3とからなる皮膚組織20と、その皮膚組織20の内側に位置する皮下組織40とから構成されている皮膚領域10の表面に塗布された時、サリチル酸は、皮膚状態変質作用を奏して皮膚組織20の状態を変質することにより、テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏し、テルビナフィン系抗真菌剤は、皮膚領域10の表面に存在する真菌5に作用するとともに、さらに、サリチル酸の皮膚状態変質作用により状態変質した皮膚組織20を浸透して、皮膚組織20および皮下組織40のうちの少なくとも一つの皮膚領域10の内部に浸透し、その皮膚領域内部に存在する真菌5に作用して、真菌5を失活し、又は死滅する。このようにして、真菌5に起因する真菌症が治療されて、著しく優れた抗菌作用効果が得られる。
「サリチル酸の皮膚状態変質作用」、及び、「サリチル酸がテルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透を促進する作用」については、学術的に明確に解明していないが、種々の実験を繰り返した結果、「サリチル酸を、テルビナフィン系抗真菌剤と一緒に使用することにより、テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透性を促進する効能を発揮して、テルビナフィン系抗真菌剤が皮膚組織20および皮下組織40にまで浸透して、皮膚組織20および皮下組織40に存在する真菌5に作用して、皮膚の内部の奥に潜む真菌5を失活し、又は死滅する効能を奏することを見出したものである。
少なくともテルビナフィン系抗真菌剤とサリチル酸とを含有する抗真菌外用組成物を皮膚領域10の表面に塗布した時、皮膚組織20は破壊または溶解することなく、皮膚組織20の状態が湿潤または軟化した状態、等の皮膚状態変質状態に変質し、学術的に明確に解明していないが、この皮膚状態変質状態において、テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透が促進されて、テルビナフィン系抗真菌剤が皮膚領域10の内部に存在する真菌5に作用して、皮膚の内部の奥に潜む真菌5を失活し、又は死滅する効能を奏するものであると推測される。このようにして、真菌5に起因する真菌症が治療されて、著しく優れた抗菌作用効果が得られる。
このような、抗真菌外用組成物を所定時間毎に皮膚領域10の表面に繰り返して塗布することにより、更に皮膚組織20または皮下組織40の奥に移動して繁殖した真菌5に対して、繰り返して、上記のサリチル酸の皮膚状態変質作用とテルビナフィン系抗真菌剤の抗真菌効能作用を奏して、完全に、真菌5を失活又は死滅する作用効果が発揮される。
一般的に、テルビナフィン系抗真菌剤とサリチル酸とを含有する抗真菌外用組成物を皮膚領域10の表面に塗布した時、抗真菌外用組成物に含まれるサリチル酸の含有量が増加するに従って、皮膚組織20の状態は、「肉眼的観察においては、皮膚組織20の状態に変質が認められなく、顕微鏡的観察において、湿潤、軟化、膨潤に変質する状態」から、さらに、サリチル酸の含有量が増加した場合には、「肉眼的観察においても、角質層2aの損傷や溶解などの皮膚組織20の破壊が認められる状態」に、皮膚領域10が変化していく。
このような状態において、本発明においては、「サリチル酸は、肉眼的観察において皮膚組織20の状態を変質することなく、角質層2aを溶解することなく、顕微鏡的観察において皮膚組織20の状態を変質する皮膚状態変質作用を奏する、範囲の濃度で含有される構成」が特に望ましい。
このようなサリチル酸の濃度範囲を含有する抗真菌外用組成物が皮膚領域10の表面に塗布された時、サリチル酸の皮膚状態変質作用により、皮膚組織20は、肉眼的観察において皮膚組織20の状態の変質が認められなく、顕微鏡的観察において湿潤、軟化または膨潤などの状態に変質される。そして、この皮膚変質状態において、テルビナフィン系抗真菌剤は、皮膚領域10の表面に存在する真菌5に作用するとともに、さらに、サリチル酸の皮膚状態変質作用により状態変質した皮膚組織20に浸透して、皮膚組織20および皮下組織40のうちの少なくとも一つの皮膚領域10に浸透し、その皮膚領域10に存在する真菌5に作用する。このようにして、テルビナフィン系抗真菌剤は、皮膚領域10の表面、皮膚組織20および皮下組織40のうちの少なくとも一つの皮膚領域10の内部に存在する真菌5に作用して、真菌5を失活し、又は死滅し、真菌5に起因する真菌症が治療される作用効果がさらに著しく発揮される。
サリチル酸が「テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏する皮膚浸透促進効能」を発揮する現象については、学術的に明確に解明されていないが、考えられる見解を説明する。すなわち、抗真菌外用組成物を皮膚領域10の表面に塗布した時、皮膚領域10及びその周辺は、サリチル酸の皮膚状態変質作用により、肉眼的観察においては皮膚組織20の状態の変質は認められないが、顕微鏡的観察においては湿潤、軟化、膨潤などに皮膚組織20の状態が変質し、皮膚領域10に組織されている細孔群も柔軟化されることになり、この状態でテルビナフィン系抗真菌剤が柔軟化された細孔群を通過して皮膚組織20及び皮下組織40に送達されやすくなる。または、テルビナフィン系抗真菌剤とサリチル酸とが何らかの化学的相互作用を発揮して、テルビナフィン系抗真菌剤が皮膚組織20を透過して皮膚組織20及び皮下組織40に送達されやすくなる。
前述したように、サリチル酸は、皮膚表面に塗布された時、皮膚組織20を変質する作用を有し、サリチル酸の含有量が多くなるに従って、皮膚組織20を破壊し、溶解するなどの皮膚に対して有害となる。従って、抗真菌外用組成物に含まれるサリチル酸の含有量は、テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を発揮できる最小限の含有量が望ましい。
本名発明においては、サリチル酸の含有利用は、抗真菌外用組成物全量当たり0.1重量%〜0.8重量%含有することが望ましい。より望ましいサリチル酸の含有量は、抗真菌外用組成物全量当たり0.2重量%〜0.5重量%である。
抗真菌外用組成物に含まれるサリチル酸の含有量が、抗真菌外用組成物全量当たり0.1重量%未満の場合には、テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏する皮膚浸透促進効能が少なく、皮膚組織20および皮下組織40に存在する真菌5を失活し、死滅する効能が少ない。
特に、抗真菌外用組成物にサリチル酸が含有されない場合には、皮膚組織20の状態は、軟化・膨潤に変質することなく、テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を発揮することなく、皮膚組織20および皮下組織40に存在する真菌5を失活・死滅する効能が少ない。
抗真菌外用組成物に含まれるサリチル酸の含有量が、抗真菌外用組成物全量当たり0.8重量%を超える場合には、皮膚組織20が破壊し、角質層が溶解するなどの、皮膚を損傷する傾向が認められる。また、皮下組織40に存在する血管内にして人体の健康を害する傾向がある。
抗真菌外用組成物に含まれるサリチル酸の含有量が、抗真菌外用組成物全量当たり0.1重量%〜0.8重量%含有する場合には、サリチル酸が、角質層2aを溶解することなく、皮膚組織20を破壊することなく、肉眼的観察において皮膚組織20の状態を変質させることなく、皮膚組織20を軟化、膨潤に変質し、そして、その皮膚状態変質状態において、テルビナフィン系抗真菌剤が皮膚浸透を促進する効能を奏する皮膚浸透促進効能が発揮されて、テルビナフィン系抗真菌剤が皮膚組織20および皮下組織40浸透し、テルビナフィン系抗真菌剤が皮膚組織20および皮下組織40に存在する真菌5を失活し、死滅する効能が認められる。
特に、サリチル酸の含有量が、抗真菌外用組成物全量当たり0.2重量%〜0.5重量%である場合には、「肉眼的観察において皮膚組織20の状態を変質させることなく、角質層2aを溶解することなく、皮膚組織を破壊することなく、皮膚組織20の状態は、軟化、膨潤に変質し、テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏する皮膚浸透促進効能が発揮され、皮膚組織20および皮下組織40に存在する真菌5を失活し、死滅する効能」がさらに著しく向上する効果が発揮される。
一般に、テルビナフィン系抗真菌剤などの薬効成分は、人体の中に摂取された場合、その摂取量を適宜に選択することにより、抗真菌効果を発揮するが、しかしながら、その薬効成分の摂取量が多くなるに従って、人体の健康にとって有害になる傾向がある。従って、抗真菌外用組成物に含まれるテルビナフィン系抗真の含有量は、テルビナフィン系抗真菌剤が皮膚を浸透して、抗真菌作用を発揮できる最小限の含有量が望ましい。
テルビナフィン系抗真菌剤は、抗真菌外用組成物全量当たり0.5重量%〜10.0重量%含有することが望ましい。より望ましいテルビナフィン系抗真菌剤の含有量は、抗真菌外用組成物全量当たり0.8重量%〜2.0重量%である。
抗真菌外用組成物に含まれるテルビナフィン系抗真菌剤の含有量が、抗真菌外用組成物全量当たり0.5重量%未満の場合には、テルビナフィン系抗真菌剤が真菌5を失活・死滅する効能が少ない。
抗真菌外用組成物に含まれるテルビナフィン系抗真菌剤の含有量が、抗真菌外用組成物全量当たり10.0重量%を超える場合には、抗真菌外用組成物を皮膚領域10の表面に塗布した時に、皮膚に異常を発症し、又は、血液中のテルビナフィン系抗真菌剤濃度に異常を発症し、人体の健康を損なう傾向が認められる場合がある。
テルビナフィン系抗真菌剤が、抗真菌外用組成物全量当たり0.5重量%〜10.0重量%含有する場合には、サリチル酸のテルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透促進効能を有効に発揮して、テルビナフィン系抗真菌剤が皮膚組織20および皮下組織40に存在する真菌5に作用して、その真菌5を失活し、死滅する効能が認められる。
特に、テルビナフィン系抗真菌剤の含有量は、抗真菌外用組成物全量当たり0.8重量%〜2.0重量%である場合には、テルビナフィン系抗真菌剤の抗真菌効果とサリチル酸のテルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透促進効果との相乗効果により、「皮膚組織20および皮下組織40に存在する真菌5を失活し、死滅する効能」がさらに著しく向上する効果が発揮される。
抗真菌外用組成物に含まれるサリチル酸が抗真菌外用組成物全量当たり0.1重量%〜0.8重量%含有し、テルビナフィン系抗真菌剤が抗真菌外用組成物全量当たり0.5重量%〜10.0重量%含有することが望ましい。より望ましくは、抗真菌外用組成物に含まれるサリチル酸が抗真菌外用組成物全量当たり0.2重量%〜0.5重量%含有し、テルビナフィン系抗真菌剤が抗真菌外用組成物全量当たり0.8重量%〜2.0重量%含有する。
このような抗真菌外用組成物が皮膚領域10の表面に塗布された場合、上記に説明したテルビナフィン系抗真菌剤の抗真菌効果とサリチル酸のテルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透促進効果との相乗効果により、テルビナフィン系抗真菌剤が皮膚領域10の表面に存在する真菌5に作用して真菌5を失活、死滅するとともに、さらに、サリチル酸が、肉眼的観察において皮膚組織20の状態を変質させることなく、角質層2aを溶解することなく、皮膚組織20を破壊することなく、顕微鏡的観察において皮膚組織20の状態を軟化、膨潤に変質し、そして、その皮膚状態変質状態において、テルビナフィン系抗真菌剤が皮膚浸透を促進する効能を奏する皮膚浸透促進効能が発揮されて、テルビナフィン系抗真菌剤が皮膚組織20および皮下組織40に浸透し、テルビナフィン系抗真菌剤が皮膚組織20および皮下組織40に存在する真菌5を失活し、死滅する効能を発揮する。このようにして、皮膚領域10の表面、および、皮下組織40に存在する真菌5が失活し、死滅する。
また、上記に説明した本発明の抗真菌外用組成物を所定時間毎に皮膚領域10の表面に繰り返して塗布する抗真菌外用組成物の適用方法が実施できる。
上記に説明したように、抗真菌外用組成物が皮膚領域10の表面に塗布されることにより、皮膚領域10の表面、および、皮下組織40に存在する真菌が失活し、死滅する。しかしながら、真菌5の一部は、失活・死滅することなく、皮膚組織20および皮下組織40の更に深い内部に移動する。このような真菌5の一部が残存して皮膚領域10の深い内部に移動し存在する状態において、抗真菌外用組成物を所定時間毎に皮膚領域10の表面に繰り返して塗布することにより、テルビナフィン系抗真菌剤は、サリチル酸の皮膚状態変質作用により更に状態変質した皮膚組織20に浸透して、皮膚組織20および皮下組織40のうちの少なくとも一つの皮膚領域10に更に浸透し、皮膚組織20の更に深い内部、または、皮下組織40の更に深い内部に移動または存在する真菌5に作用して抗真菌効能を奏して、真菌5を完全に失活又は死滅する。このように、抗真菌外用組成物を所定時間毎に皮膚領域10の表面に繰り返して塗布することにより、真菌5に起因する真菌症が治療される。
すなわち、抗真菌外用組成物が皮膚領域10の表面に塗布された時、皮膚組織表面および皮膚組織内部に存在する真菌5に作用して一部の真菌5を失活又は死滅するが、しかしながら、一部の真菌5は失活・死滅することなく更に皮膚組織20または皮下組織40の奥に移動して真菌5が繁殖した状態となることがある。
このような、抗真菌外用組成物を所定時間毎に皮膚領域10の表面に繰り返して塗布することにより、更に皮膚組織20または皮下組織40の奥に移動して繁殖した真菌5に対して、繰り返して、上記のサリチル酸の皮膚状態変質作用とテルビナフィン系抗真菌剤の抗真菌効能作用を奏して、完全に、真菌5を失活又は死滅する作用効果が発揮される。
本発明の抗真菌外用組成物の形態としては、特に限定されることなく、クリーム剤、軟膏剤、液剤、ローション剤、スプレー剤、ゲル剤、貼付剤などの形態であって、皮膚領域の表面に塗布して使用される形態で使用される。特に、抗真菌外用組成物の形態が、クリーム剤の形態であることが望ましい。更に望ましくは、抗真菌外用組成物が少なくとも、さらに水を含有し、少なくとも塩酸テルビナフィンの一部が水に溶解し、乳化した状態のクリーム剤の形態であることが望ましい。
本発明の抗真菌外用組成物が水を含有し、乳化したクリーム剤の形態である場合には、塩酸テルビナフィンの一部が水に溶解した状態となるとともに、抗真菌外用組成物がクリーム剤の状態となり、その塩酸テルビナフィンを含有した水が、サリチル酸の皮膚状態変質作用により状態変質した皮膚組織20を浸透して、皮膚組織20または皮下組織40に送達されやすくなり、その結果、皮膚組織20または皮下組織40に送達される塩酸テルビナフィンが増加し、前述の作用および効果が最適に発揮できる。
本発明の抗真菌外用組成物において、テルビナフィン系抗真菌剤とサリチル酸に加えて、さらに、皮膚外用剤に通常配合されるアルコール類、水、油脂類などの基材、乳化剤、安定剤、酸化防止剤、防腐剤、保存剤、保湿剤、キレーと剤、その他の添加剤、賦形剤などを適宜配合することも可能であり、その調製に際しても、通常の皮膚外用剤における調製条件が適用できる。
以下に、実施例により、本発明の抗真菌外用組成物を具体的に説明する。
実施例A
下記の成分からなる抗真菌外用組成物Aを調製する。
サリチル酸(0.35g)
塩酸テルビナフィン(1.0g)
1,3ブチレングリコール(1.0g)
ステアリルアルコール(5.0g)
セタノール(4.0g)
パルミチン酸セチル(4.0g)
ポリソルベート60(1.0g)
ポリオキシエチレンステアリルエーテル(1.0g)
自己乳化型モノステアリン酸グリセリン(1.0g)
エデト酸ナトリウム(0.1g)
精製水(81.55g)
全量(100g)
上記成分のうちの精製水以外のすべての成分の所定量を秤量し、ビーカーに入れて、80℃に加熱し撹拌する。各成分が均一に溶解した後、80℃に加温した精製水を撹拌しながら加える。その後、撹拌しながら室温になるまで冷却する。このようにして、乳化したクリーム状の抗真菌外用組成物Aを調製した。
次に、調製された上記抗真菌外用組成物Aについて、テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏するサリチル酸の皮膚浸透促進効能の判定方法および皮膚浸透促進効能の結果について説明する。
経皮吸収試験機・膜透過実験装置としてフランツ型拡散セル試験方法により、皮膚を透過するテルビナフィン系抗真菌剤の量を測定して、塩酸テルビナフィンの皮膚浸透を促進するサリチル酸の皮膚浸透促進効能を判定する。
すなわち、フランツ型拡散セル試験に、ヘアレスマウス摘出皮膚(冷蔵品、雄、7週齢)をセットし、そのヘアレスマウス摘出皮膚の表面に、調製した所定の抗真菌外用組成物の適量を塗布する。その後、経時的に、拡散セル(拡散セル温度は32℃)からシリンジを用いてレセプター液(PEG−400、40%水溶液)をサンプリングする。そのサンプリングした各レセプター液に、レセプター液と同量のメタノール或いはアセトニトリルを添加し、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)方法により、塩酸テルビナフィンの含有量を定量する。このようにして、ヘアレスマウス摘出皮膚を透過した塩酸テルビナフィン量を測定する。なお、ヘアレスマウス摘出皮膚を透過した塩酸テルビナフィン量(μg/10ml)は、8時間後と24時間後における拡散セル10ml当たりの塩酸テルビナフィンの含有量(μg)を測定した。
その結果、8時間後における皮膚を透過した塩酸テルビナフィンの含有量は、0.21μg/拡散セル10mlであり、24時間後における皮膚を透過した塩酸テルビナフィンの含有量は、5.91μg/拡散セル10mlであった。
また、上記フランツ型拡散セル試験方法とは別に、調製した抗真菌外用組成物をヘアレスマウス摘出皮膚の表面に塗布した後、24時間後の皮膚の状態を肉眼で観察した。その結果、皮膚組織20の変質は認められなく、また、角質層の破壊、溶解などの現象は認められなかった。
実施例B
前記実施例Aの抗真菌外用組成物において、サリチル酸の含有量が0.5gであり、その他の成分の含有量が同じであり、全量が100gになるように、精製水の含有量を加減して、実施例Aと同じ方法により、クリーム状の抗真菌外用組成物Bを調製した。
抗真菌外用組成物Bについて、実施例Aと同じフランツ型拡散セル試験方法により、皮膚を透過するテルビナフィン系抗真菌剤の量を測定して、塩酸テルビナフィンの皮膚浸透を促進するサリチル酸の皮膚浸透促進効能を判定した。その結果、8時間後における皮膚を透過した塩酸テルビナフィンの含有量は0.38μg/拡散セル10mlであり、24時間後における皮膚を透過した塩酸テルビナフィンの含有量は、6.19μg/拡散セル10mlであった。
また、調製した抗真菌外用組成物をヘアレスマウス摘出皮膚の表面に塗布した後、24時間後の皮膚の状態を肉眼で観察した。その結果、皮膚組織20の変質は認められなく、また、角質層の破壊、溶解などの現象は認められなかった。
参考例
前記実施例Aの抗真菌外用組成物において、サリチル酸が含有することなく、その他の成分の含有量が同じであり、全量が100gになるように、精製水の含有量を加減して、実施例Aと同じ方法により、クリーム状の抗真菌外用組成物Cを調製した。
抗真菌外用組成物Cについて、実施例Aと同じフランツ型拡散セル試験方法により、皮膚を透過する塩酸テルビナフィンの量を測定した。その結果、8時間後における皮膚を透過した塩酸テルビナフィンの含有量は、0.1μg/拡散セル10ml未満であった。
このように、実施例A及び実施例Bのように、サリチル酸と塩酸テルビナフィンとの双方を含有する抗真菌外用組成物が皮膚領域10の表面に塗布された時、皮膚組織20を透過浸透する塩酸テルビナフィンの量が多い。これに対して、参考例のように、サリチル酸が含有することなく、塩酸テルビナフィンのみを含有する抗真菌外用組成物Cが皮膚の表面に塗布された時、皮膚組織20を透過浸透する塩酸テルビナフィンの量が著しく少なくなる。
すなわち、サリチル酸とテルビナフィン系抗真菌剤との双方を含有する抗真菌外用組成物において、サリチル酸は、皮膚状態変質作用を奏して皮膚組織20の状態を変質し、これにより、テルビナフィン抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏し、テルビナフィン系抗真菌剤は、サリチル酸の皮膚状態変質作用により状態変質した皮膚組織20を透過浸透して、皮膚組織20および皮下組織40のうちの少なくとも一つの皮膚領域に浸透することが実証される。
少なくとも、テルビナフィンと塩酸テルビナフィンのうちの少なくとも一つの抗真菌効能を奏するテルビナフィン系抗真菌剤と、抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏する皮膚浸透促進効能を有するサリチル酸と、を含有する抗真菌外用組成物が、真菌5が存在する皮膚領域10の表面に塗布して適用されることにより、抗真菌外用組成物が、皮膚領域表面に存在する真菌5に作用するとともに、さらに、薬効成分が真菌5の存在する皮膚組織20の内部に効率よく送達され、薬効成分が有効に真菌5に直接に作用し、これにより、著しく優れた抗菌性能を奏する。
2 表皮
2a 角質層
2b 表皮機能層
3 真皮
5 真菌
10 皮膚領域
20 皮膚組織
40 皮下組織

Claims (1)

  1. テルビナフィンと塩酸テルビナフィンのうちの少なくとも一つの抗真菌効能を奏するテルビナフィン系抗真菌剤、前記テルビナフィン系抗真菌剤の皮膚浸透を促進する効能を奏する皮膚浸透促進効能を有するサリチル酸、水、1,3−ブチレングリコール、ステアリルアルコール、セタノール、パルミチン酸セチル、ポリソルベート60、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、及び、エデト酸ナトリウム、を含有してなり、
    前記サリチル酸は、組成物全量当たり、0.1重量%〜0.8重量%を含有し、
    前記テルビナフィン系抗真菌剤は、組成物全量当たり、0.5重量%〜10.0重量%を含有し、
    少なくとも前記テルビナフィン系抗真菌剤の一部が前記水に溶解され、
    乳化した状態のクリーム剤の形態であり、
    角質層を含む表皮とその表皮の内側に位置する真皮とからなる皮膚組織と、その皮膚組織の内側に位置する皮下組織と、から構成されている皮膚領域の表面に塗布された時、
    前記サリチル酸は、前記角質層を溶解又は破壊することなく、前記皮膚組織の状態を湿潤、軟化又は膨潤して変質する皮膚状態変質作用を奏する、範囲の濃度で含有され、
    前記テルビナフィン系抗真菌剤は、前記皮膚領域の表面に存在する真菌に作用するとと もに、さらに、前記サリチル酸の皮膚状態変質作用により、状態変質した前記皮膚組織を浸透して、前記皮膚組織および前記皮下組織のうちの少なくとも一つの前記皮膚領域の内部に浸透し、その皮膚領域内部に存在する真菌に作用する、
    ことを特徴とする抗真菌外用組成物。
JP2012171477A 2012-07-13 2012-07-13 抗真菌外用組成物及び抗真菌外用組成物の適用方法 Active JP6016085B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012171477A JP6016085B2 (ja) 2012-07-13 2012-07-13 抗真菌外用組成物及び抗真菌外用組成物の適用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012171477A JP6016085B2 (ja) 2012-07-13 2012-07-13 抗真菌外用組成物及び抗真菌外用組成物の適用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014019697A JP2014019697A (ja) 2014-02-03
JP6016085B2 true JP6016085B2 (ja) 2016-10-26

Family

ID=50194992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012171477A Active JP6016085B2 (ja) 2012-07-13 2012-07-13 抗真菌外用組成物及び抗真菌外用組成物の適用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6016085B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3081766B2 (ja) * 1994-05-06 2000-08-28 東興薬品工業株式会社 角質貯留型抗真菌外用組成物
JP2012162511A (ja) * 2011-02-08 2012-08-30 Daiya Seiyaku Kk 白癬治療用外用剤及びその適用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014019697A (ja) 2014-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2528360C (en) Anesthetic composition for topical administration comprising lidocaine, prilocaine and tetracaine
CA2702604C (en) Transdermal drug delivery using an osmolyte and vasoactive agent
JP7559173B2 (ja) 皮膚炎および炎症性皮膚状態のためのカンナビノイド投薬レジメン
US11865217B2 (en) Transdermal drug delivery system
JP5740393B2 (ja) 皮膚および爪の真菌感染症の局所治療に適した組成物
RU2587041C2 (ru) Способ предотвращения или лечения опухоли кожи
US20080138391A1 (en) Skin-friendly drug complexes for transdermal administration
US5652256A (en) Topical composition for fungal treatment
BR112013009578B1 (pt) composição tópica em gel e uso de uma composição tópica em gel
CA2940057C (en) Transdermal composition for treating pain
WO2016015094A1 (en) Topical composition
HUE034680T2 (en) Transdermal pharmaceutical compositions containing SERM
JP2007534764A (ja) 抗真菌薬物送達
EP3319640A1 (en) Composition and methods of treatment
WO2011061155A1 (en) Antifungal formulations and their use
JP6016085B2 (ja) 抗真菌外用組成物及び抗真菌外用組成物の適用方法
US11154542B2 (en) Nail lacquer composition containing ciclopirox
RU2786851C1 (ru) Композиция для местного применения при лечении онихомикозов (варианты)
RU2781009C2 (ru) Эмульсия типа масло-в-воде
RU2238092C2 (ru) Водная лекарственная композиция для лечения заболеваний кожи
TR2021018637A2 (tr) Uzun etki̇li̇ lokal anestezi̇k krem, jel ve sprey formülasyonu
EP3856140A1 (en) Transdermal drug delivery system
BR112020000379A2 (pt) emulsão de óleo em água
BR112021003746B1 (pt) Formulação para distribuição transdérmica de um ingrediente ativo a um mamífero, e kit
BR112020000379B1 (pt) Emulsão de óleo em água

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6016085

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250