JP6010911B2 - 光学フィルム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
かかる状況下、本発明者は鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、本発明は以下の発明を含む。
〔1〕基材、組成物(A)から形成されたA層及び組成物(B)から形成されたB層を、この順に積層してなる光学フィルムであり、
前記組成物(A)は以下の(A−1)及び(A−2)を含有し、前記組成物(B)は以下の(B−1)、(B−2)及び(B−3)を含有する光学フィルム。
(A−1)光配向性ポリマー
(A−2)炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有する化合物
(B−1)重合性液晶化合物
(B−2)炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有する化合物
(B−3)光重合開始剤
〔2〕前記(A−1)が、光照射により架橋構造を形成し得る光配向性ポリマーである、〔1〕記載の光学フィルム。
〔3〕前記(A−2)及び(B−2)はともに、活性水素反応性基としてイソシアナト基を有する化合物である、〔1〕又は〔2〕記載の組成物。
〔4〕前記(A−2)及び(B−2)がそれぞれ独立に、下記式(1)で表される化合物である、〔1〕又は〔2〕記載の光学フィルム。
[式(1)中、
nは1〜10までの整数を表わし、R1は、炭素数2〜20の2価の脂肪族又は脂環式炭化水素基、或いは炭素数5〜20の2価の芳香族炭化水素基を表わす。各繰り返し単位にある2つのR2は、一方が−NH−であり、他方がN−C(=O)−R3で示される基である。R3は、水酸基又は炭素−炭素不飽和結合を有する基を表す。
式(1)中のR3のうち、少なくとも1つのR3は炭素−炭素不飽和結合を有する基である。]
〔5〕前記A層は、前記組成物(A)中に含有される前記(A−1)が架橋して形成されたものである、〔1〕〜〔4〕のいずれか記載の光学フィルム。
〔6〕前記基材が、水酸基を有する材料からなる、〔1〕〜〔5〕のいずれか記載の光学フィルム。
〔7〕前記水酸基を有する材料が、トリアセチルセルロースをケン化して得られる材料である、〔6〕記載の光学フィルム。
〔8〕位相差性を有する、〔1〕〜〔7〕のいずれか記載の光学フィルム。
〔9〕以下の<1>〜<4>の工程を含む光学フィルムの製造方法。
<1>以下の(A−1)及び(A−2)を含有する組成物(A)を基材上に塗布することにより、前記基材上に第1塗布膜を形成する工程;
(A−1)光配向性ポリマー
(A−2)炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有する化合物
<2>前記<1>により前記第1塗布膜中に含まれる前記(A−1)を架橋させることにより、第1塗布膜をA層に転換する工程;
<3>前記<2>により形成された前記A層上に、以下の(B−1)、(B−2)及び(B−3)を含有する組成物(B)を塗布することにより、前記A層上に第2塗布膜を形成する工程;
(B−1)重合性液晶化合物
(B−2)炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有する化合物
(B−3)光重合開始剤
<4>前記<3>により形成された前記第2塗布膜中に含まれる重合性成分を重合する工程
〔10〕〔9〕記載の製造方法により得られる光学フィルム。
〔11〕〔1〕〜〔8〕のいずれか、又は〔10〕記載の光学フィルムを含む偏光板。
〔12〕〔1〕〜〔8〕のいずれか、又は〔10〕記載の光学フィルムを備えたフラットパネル表示装置。
本光学フィルムを構成する基材としては例えば、ガラス、プラスチックシート、プラスチックフィルム、透光性フィルムが好ましい。前記透光性フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー等のポリオレフィンからなるフィルム;ポリビニルアルコールフィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム;ポリメタクリル酸エステルフィルム;ポリアクリル酸エステルフィルム;セルロースエステルフィルム;ポリエチレンナフタレートフィルム;ポリカーボネートフィルム;ポリスルフォンフィルム;ポリエーテルスルホンフィルム;ポリエーテルケトンフィルム;ポリフェニレンスルフィドフィルム及びポリフェニレンオキシドフィルム等が挙げられる。
まず、A層を形成し得る組成物(A)について説明する。
組成物(A)は、(A−1)光配向性ポリマー(以下、場合により「ポリマー(A−1)」という)と(A−2)炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有する化合物(以下、場合により「化合物(A−2)」という)を含有する。
ポリマー(A−1)は、後述する組成物(B)に含有される重合性液晶化合物を配向させるために用いられる。すなわち、A層は、重合性液晶化合物を配向させるための配向層として機能する。
化合物(A−2)は上述のとおり、その分子内に炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有する。ここで、活性水素反応性基とは、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH2)等の活性水素を有する基に対して反応性を有する基を意味し、グリシジル基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジン基、イミド基、イソシアナト基、チオイソシアナト基、無水マレイン酸基等がその代表例である。化合物(A−2)が有する、炭素−炭素不飽和結合及び活性水素反応性基の個数は、それぞれ1〜20個、好ましくは1〜10個である。
[式(1)中、
nは1〜10までの整数を表わし、R1は、炭素数2〜20の2価の脂肪族又は脂環式炭化水素基、或いは炭素数5〜20の2価の芳香族炭化水素基を表わす。各繰り返し単位にある2つのR2は、一方が−NH−であり、他方がN−C(=O)−R3で示される基である。R3は、水酸基又は炭素−炭素不飽和結合を有する基を表す。
式(1)中のR3のうち、少なくとも1つのR3は炭素−炭素不飽和結合を有する基である。]
化合物(2)は市場から容易に入手できる市販品をそのまま又は必要に応じて精製して用いることもできる。該市販品としては、例えば、Laromer(登録商標)LR−9000(BASF社製)等が挙げられる。
前記基材上に、A層を形成するためには、組成物(A)が溶剤、特に有機溶剤を含有するものであると、該基材上に組成物(A)を塗布する方法により、A層を簡便に形成できるので好ましい。用いる溶剤としては、合わせて用いるポリマー(A−1)の種類等により適宜選択できるが、具体的には、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル又はプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート又は乳酸エチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン又はメチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;ペンタン、ヘキサン又はヘプタン等の脂肪族炭化水素溶剤;トルエン又はキシレン等の芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリル等のニトリル溶剤;テトラヒドロフラン又はジメトキシエタン等のエーテル溶剤;クロロホルム又はクロロベンゼン等の塩素系溶剤;等が挙げられる。これら溶剤は、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
次に、B層を形成し得る組成物(B)について説明する。
本発明において、組成物(B)は、(B−1)重合性液晶化合物(以下、場合により「化合物(B−1)」という)、(B−2)炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有する化合物(以下、場合により「化合物(B−2)」という)及び(B−3)光重合開始剤を含有する。
組成物(B)に含有される化合物(B−1)とは、重合性基を有し、かつ液晶状態を示す化合物である。重合性基とは、化合物(B−1)の重合反応に関与する基を意味する。
P11−B11−E11−B12−A11−B13−* (X)
(式(X)中、P11は、重合性基を表す。
A11は、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該炭素数1〜6のアルキル基及び該炭素数1〜6アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
B11は、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NR16−、−NR16−CO−、−CO−、−CS−又は単結合を表す。R16は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
B12及びB13は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−CH2O−、−CF2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。
E11は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アルコキシ基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。また、該アルカンジイル基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
*は結合手を表す。)
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、へキサン−1,6−ジイル基、へプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基及びドデカン−1,12−ジイル基等の炭素数1〜12の直鎖状アルカンジイル基;−CH2−CH2−O−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−及び−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−等である。
[式(P−11)〜(P−15)中、
R17〜R21はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子を表す。]
特に好ましくは、P11−B11−で表される基が、アクリロイルオキシ基又はメタアクリロイルオキシ基である。
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-B16-E12-B17-P12 (I)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-F11 (II)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-E12-B17-P12 (III)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-F11 (IV)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-E12-B17-P12 (V)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-F11 (VI)
(式中、
A12〜A14は、A11と同義であり、B14〜B16は、B12と同義であり、B17は、B11と同義であり、E12は、E11と同義である。
F11は、水素原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、ヒドロキシ基、メチロール基、ホルミル基、スルホ基(−SO3H)、カルボキシ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基及びアルコキシ基を構成する−CH2−は、−O−に置き換っていてもよい。)
化合物(B−2)は、炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有するものであり、その具体例及び好適例は、組成物(A)に含有される化合物(A−2)として説明したものと同じである。化合物(B−2)は例えば、化合物(2)が好ましく、市販のLaromer(登録商標)LR−9000(BASF社製)等を挙げることができる。なお、本光学フィルム製造において、用いる組成物(A)に含有される化合物(A−2)と、用いる組成物(B)に含有される化合物(B−2)とは互いに同じであっても、異なっていてもよいが、両者は同一であると好ましい。化合物(A−2)及び化合物(B−2)がともに例えば、Laromer LR−9000等の市販品であれば、組成物(A)及び組成物(B)が容易に調製できる点で好ましい。
組成物(B)は(B−3)光重合開始剤を含む。光重合開始剤とは、光の作用により活性ラジカルを発生し、化合物(B−1)の重合を開始しうる化合物である。光重合開始剤としては、アルキルフェノン化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物及びオキシム化合物などが挙げられる。
組成物(B)は、本光学フィルム製造におけるB層形成の操作性を良好にするために溶剤、特に有機溶剤を含むことが好ましい。有機溶剤としては、化合物(B−1)など、組成物(B)の構成成分を溶解し得る有機溶剤が好ましく、さらには化合物(B−1)などの重合反応に不活性な溶剤がより好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びフェノールなどのアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び乳酸エチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン及びメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;ペンタン、ヘキサン及びヘプタンなどの非塩素系脂肪族炭化水素溶剤;トルエン及びキシレンなどの非塩素系芳香族炭化水素溶剤;アセトニトリルなどのニトリル系溶剤;テトラヒドロフラン及びジメトキシエタンなどのエーテル系溶剤;クロロホルム及びクロロベンゼンなどの塩素系溶剤;などが挙げられる。これら有機溶剤は、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。これら有機溶剤の中でも、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、非塩素系脂肪族炭化水素溶剤及び非塩素系芳香族炭化水素溶剤が好ましい。特に、組成物(B)を構成する構成成分(化合物(B−1)及び光重合開始剤)は相溶性に優れ、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、非塩素系脂肪族炭化水素溶剤及び塩素系芳香族炭化水素溶剤等にも溶解し得ることから、クロロホルムなどの塩素系溶剤を用いなくとも、A層上にB層を形成して光学フィルムを製造できる。
光増感剤としては、例えば、キサントン及びチオキサントンなどのキサントン類;アントラセン及びアルキルエーテルなどの置換基を有するアントラセン類;フェノチアジン;ルブレンを挙げることができる。
光増感剤を用いることにより、化合物(B−1)などの重合を高感度化することができる。また、光増感剤の使用量としては、化合物(B−1)100質量部に対して、例えば0.1質量部〜30質量部であり、好ましくは0.3質量部〜10質量部である。
レベリング剤としては、有機変性シリコーンオイル系、ポリアクリレート系及びパーフルオロアルキル系のレベリング剤などが挙げられる。具体的には、例えば、DC3PA、SH7PA、DC11PA、SH28PA、SH29PA、SH30PA、ST80PA、ST86PA、SH8400、SH8700、FZ2123(以上、全て東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341、X22−161A、KF6001(以上、全て信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(以上、全てモメンティブ パフォーマンス マテリアルズ ジャパン合同会社製)、フロリナート(fluorinert)(登録商標)FC−72、同FC−40、同FC−43、同FC−3283(以上、全て住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)R−08、同R−30、同R−90、同F−410、同F−411、同F−443、同F−445、同F−470、同F−477、同F−479、同F−482、同F−483(以上、いずれもDIC(株)製)、エフトップ(商品名)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(以上、全て三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S−381、同S−382、同S−383、同S−393、同SC−101、同SC−105、KH−40、SA−100(以上、全てAGCセイミケミカル(株)製)、商品名E1830、同E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、BM−1000、BM−1100、BYK−352、BYK−353、BYK−361N(いずれも商品名:BM Chemie社製)などが挙げられる。これらレベリング剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カイラル剤としては、公知のカイラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)を用いることができる。
カイラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物又は面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン及びこれらの誘導体が挙げられる。
例えば、特開2007−269640号公報、特開2007−269639号公報、特開2007−176870号公報、特開2003−137887号公報、特表2000−515496号公報、特開2007−169178号公報、特表平9−506088号公報に記載されているような化合物が挙げられ、好ましくはBASFジャパン(株)製のpaliocolor(登録商標)LC756が挙げられる。
カイラル剤の使用量は、たとえば化合物(B−1)100質量部に対して、例えば0.1質量部〜30質量部であり、好ましくは1.0質量部〜25質量部である。カイラル剤の使用量が前記の範囲内であれば、組成物(B)に含まれる重合性成分、特に化合物(B−1)を重合する際に、該化合物(B−1)の配向を乱すことをより抑制できる。
本光学フィルムは、光を透過し得るフィルムであって、光学的な機能を有するフィルムである。光学的な機能とは、屈折、複屈折などを意味する。
このような厚さの本光学フィルムを製造し得る点では、基材の厚さは10〜200μmが好ましく、15〜100μmがさらに好ましい。また、A層の厚さ(膜厚)は0.01〜10μm(10〜10000nm)が好ましく、0.01〜1μm(10〜1000nm)がさらに好ましい。B層の厚さ(膜厚)は、基材及びA層の厚さ等を勘案して定められるが、例えば、0.1〜10μmであり、0.2〜5μmが好ましい。また、後述するように本光学フィルムを位相差フィルムとして用いる場合に、その位相差値を勘案して、B層の膜厚を定めることもできる。
光学フィルムの一種である位相差フィルムは本光学フィルム使用の好適な実施態様の一つである。該位相差フィルムは、直線偏光を円偏光や楕円偏光に変換したり、逆に円偏光又は楕円偏光を直線偏光に変換したり、直線偏光の偏光方向を変換したりするために用いられる。
nx>ny≒nzのポジティブAプレート、
nx≒ny>nzのネガティブCプレート、
nx≒ny<nzのポジティブCプレート、
nx≠ny≠nzのポジティブOプレート及びネガティブOプレート
が挙げられる。
前記位相差フィルムを広帯域λ/4板として用いる場合は、Re(549)は113〜163nm、好ましくは130〜150nmに調整すればよい。広帯域λ/2板として用いる場合は、Re(549)は250〜300nm、好ましくは265〜285nmに調整すればよい。位相差値が前記の値であると、広範の波長の光に対し、一様に偏光変換できる傾向があり、好ましい。ここで、広帯域λ/4板とは、各波長の光に対し、その1/4の位相差値を発現する位相差フィルムであり、広帯域λ/2板とは、各波長の光に対し、その1/2の位相差値を発現する位相差フィルムである。ここでいうReについては後述する。
Re(λ)=d×Δn(λ) (Y)
(式中、Re(λ)は、波長λnmにおける位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長λnmにおける複屈折率を表す。)
なお、B層の膜厚は、当該B層形成に用いる組成物(B)中の化合物(B−1)の含有量等により調整できる。
本光学フィルムの製造方法は例えば、以下の<1>〜<4>の工程を含む。なお、この製造方法は、組成物(A)及び組成物(B)がともに溶剤を含有するものを用いる方法であり、基材、A層及びB層を各々1種有する本光学フィルムの製造方法である。
<1>組成物(A)を基材上に塗布することにより、前記基材上に第1塗布膜を形成する工程(第1塗布膜形成工程);
<2>前記<1>により前記第1塗布膜中に含まれる前記(A−1)を架橋させることにより、第1塗布膜をA層に転換する工程(A層形成工程);
<3>前記<2>により形成された前記A層上に、組成物(B)を塗布することにより、前記A層上に第2塗布膜を形成する工程(第2塗布膜形成工程);
<4>前記<3>により形成された前記第2塗布膜中に含まれる重合性成分を重合する工程(B層形成工程)
A層上に、組成物(B)を塗布した形成された第2塗布膜に対し、そのまま光照射を行って、B層を形成することもできるが、当該第2塗布膜を乾燥して、当該第2塗布膜から溶剤等の低揮発成分を除去しておくことが好ましい。
なお、低揮発成分の除去は、重合反応と並行して行ってもよいが、重合を行う前に、ほとんどの溶剤を除去しておくことが好ましい。その除去方法としては、第1塗布膜の乾燥方法として例示したものと同じ方法が採用される。中でも、自然乾燥又は加熱乾燥が好ましく、自然乾燥又は加熱乾燥を行う際の温度は、0℃〜250℃の範囲が好ましく、50℃〜220℃の範囲がより好ましく、80℃〜170℃の範囲がさらに好ましい。加熱時間は、10秒間〜60分間が好ましく、より好ましくは30秒間〜30分間である。加熱温度及び加熱時間が上記範囲内であれば、基材及び/又はA層が、耐熱性が必ずしも十分ではないものを用いることができる。
本光学フィルムは、例えば偏光板製造に用いることができる。当該偏光板は、上述した本光学フィルム(本光学フィルムが位相差フィルムである場合を含む)を少なくとも一つ有するものである。
この偏光板としては、図1(a)〜図1(e)に示すように、(1)本光学フィルム1と、偏光フィルム層2とが、直接積層された偏光板4a(図1(a));(2)本光学フィルム1と偏光フィルム層2とが、接着剤層3’を介して貼り合わされた偏光板4b(図1(b));(3)本光学フィルム1と、本光学フィルム1’とを積層させ、さらに、本発明の本光学フィルム1’と偏光フィルム層2とを積層させた偏光板4c(図1(c));(4)本光学フィルム1と、本光学フィルム1’とを接着剤層3を介して貼り合わせ、さらに、本光学フィルム1’上に偏光フィルム層2を積層させた偏光板4d(図1(d));及び、(5)本光学フィルム1と、本光学フィルム1’とを接着剤層3を介して貼り合わせ、さらに、本光学フィルム1’と偏光フィルム層2とを接着剤層3’を介して貼り合せた偏光板4e(図1(e))等が挙げられる。ここで接着剤とは、接着剤及び/又は粘着剤のことを総称するものである。なお、図1の説明では、光学フィルムとしては、本光学フィルムのみであってもよいし、本光学フィルムに配向膜が積層しているものであってもよいし、本光学フィルムに配向膜及び基材が積層しているものであってもよい。
また、偏光板においては、図1(c)〜図1(e)に示すように、2以上の本発明の光学フィルムを直接または接着剤層を介して貼り合わせてもよい。
本発明のフラットパネル表示装置は、本光学フィルム(本光学フィルムが位相差フィルムである場合を含む)は、フラットパネル表示装置に係る部材として極めて有用である。例えば、本光学フィルムと、液晶パネルとが貼り合わされた液晶パネルを備える液晶表示装置や、本発明の光学フィルムと、発光層とが貼り合わされた有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」ともいう)パネルを備える有機EL表示装置を挙げることができる。本発明のフラットパネル表示装置の実施形態として、液晶表示装置と、有機EL表示装置とについて、簡単に説明する。
液晶表示装置としては、例えば、図2(a)及び図2(b)に示すような液晶表示装置等が挙げられる。図2(a)に示す液晶表示装置10aは、本発明の偏光板4と液晶パネル6とを、接着層5を介して貼り合わせてなるものであり、図2(b)に示す液晶表示装置10bは、本発明の偏光板4と本発明の偏光板4’とを液晶パネル6の両面に接着層5及び接着層5’を介して貼り合わせたものである。上記構成によれば、図示しない電極を用いて、液晶パネルに電圧を印加することにより、液晶分子の配向が変化し、白黒表示ができる。
有機EL表示装置としては、図3に示す有機EL表示装置等が挙げられる。上記有機EL表示装置としては、本発明の偏光板4と、有機ELパネル7とを、接着層5を介して貼り合わせてなる有機EL表示装置11が挙げられる。上記有機ELパネル7は、導電性有機化合物からなる少なくとも1層の層である。上記構成によれば、図示しない電極を用いて、有機ELパネルに電圧を印加することにより、有機ELパネルが有する発光層に含まれる化合物が発光し、白黒表示ができる。
なお、上記有機EL表示装置11において、偏光板4は、広帯域円偏光板として機能するものであることが好ましい。広帯域円偏光板として機能するものであると、有機EL表示装置11の表面において外光の反射を防止することができる。
光配向性ポリマー(Z)を、Macromol. Chem. Phys. 197,1919-1935 (1996)に記載された方法で合成した。
式(Z−a)で示されるモノマー[モノマー(Z−a)]1.5部とメタクリル酸メチル0.1部とをテトラヒドロフラン16部中に溶解させ、60℃で24時間反応させた。次いで、反応液を室温まで放冷後、トルエンとメタノールとの混合液中に滴下することで、光配向性ポリマー(Z)を得た。光配向性ポリマー(Z)の数平均分子量は33000であった。光配向性ポリマー(Z)において、モノマー(Z−a)に由来する構造の含有率は75mol%であった。
装置;HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
カラム;TOSOH TSKgel MultiporeHXL−M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質;TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−288、A−5000、A−500
2.組成物の調製
表1及び表2に示す各成分を混合し、得られた溶液を80℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却して組成物を調製した。
(実施例1、比較例1)
ケン化済トリアセチルセルロースフィルム上に表1の組成物1−1又は組成物1−2で示される光配向性ポリマーのトルエン溶液を塗布し、乾燥後、厚さ280nmの膜を形成した。続いて、面に対して垂直方向から、偏光UV照射冶具付きスポットキュア(SP−7、ウシオ電機(株)製)を用いて 照度15mW/cm2で5分間直線偏光を照射した。偏光UVを施した面に、実施例1においては表2の組成物2−1、比較例1においては表2の組成物2−2を、バーコーターを用いて塗布し、120℃に加熱し、液晶相に配向させた膜を得た。その後、室温まで冷却した状態で紫外線をユニキュア(VB―15201BY−A、ウシオ電機株式会社製)を用いて波長365nmにおいて40mW/cm2の照度で1分間照射することにより、光学フィルムを作製した。
JIS−K5600に則り、コーテック株式会社製クロスカットガイドIシリーズ(CCI−1、1mm間隔、25マス用)を用いて、実施例1及び比較例1で作成したサンプルの剥離耐性を評価した。剥離試験後、液晶層の残存数をカウントした結果を表3に示す。
実施例1及び比較例1で作成したフィルムの位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)により測定した。位相差値Re(λ)は、波長(λ)549nmにおいて測定した。結果を表3に示す。
2、2’:偏光フィルム層、
3、3’:接着剤層、
4a、4b、4c、4d、4e、4、4’:本発明の偏光板、
5、5’:接着層、
6:液晶パネル、
7:有機ELパネル、
10a、10b:液晶表示装置、
11:有機EL表示装置、
Claims (10)
- 基材、組成物(A)から形成されたA層及び組成物(B)から形成されたB層を、この順に積層してなる光学フィルムであり、
前記組成物(A)は互いに異なる以下の(A−1)及び(A−2)を含有し、前記組成物(B)は以下の(B−1)、(B−2)及び(B−3)を含有する光学フィルム。
(A−1)光配向性ポリマー
(A−2)炭素−炭素不飽和結合を有し、少なくとも2つのイソシアナト基を有する化合物
(B−1)重合性液晶化合物
(B−2)炭素−炭素不飽和結合を有し、少なくとも2つのイソシアナト基を有する化合物
(B−3)光重合開始剤 - 前記(A−1)が、光照射により架橋構造を形成し得る光配向性ポリマーである請求項1記載の光学フィルム。
- 前記A層は、前記組成物(A)中に含有される前記(A−1)が架橋して形成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
- 前記基材が、水酸基を有する材料からなる請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム。
- 前記水酸基を有する材料が、トリアセチルセルロースをケン化して得られる材料である請求項5に記載の光学フィルム。
- 位相差性を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルム。
- 以下の<1>〜<4>の工程を含む光学フィルムの製造方法。
<1>以下の(A−1)及び(A−2)を含有する組成物(A)を基材上に塗布することにより、前記基材上に第1塗布膜を形成する工程;
(A−1)光配向性ポリマー
(A−2)炭素−炭素不飽和結合を有し、少なくとも2つのイソシアナト基を有する化合物
<2>前記<1>により前記第1塗布膜中に含まれる前記(A−1)を架橋させることにより、第1塗布膜をA層に転換する工程;
<3>前記<2>により形成された前記A層上に、以下の(B−1)、(B−2)及び(B−3)を含有する組成物(B)を塗布することにより、前記A層上に第2塗布膜を形成する工程;
(B−1)重合性液晶化合物
(B−2)炭素−炭素不飽和結合を有し、少なくとも2つのイソシアナト基を有する化合物
(B−3)光重合開始剤
<4>前記<3>により形成された前記第2塗布膜中に含まれる重合性成分を重合する工程 - 請求項1〜7のいずれかに記載の光学フィルムを含む偏光板。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の光学フィルムを備えたフラットパネル表示装置。
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