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JP6007050B2 - ポリスチレン系樹脂発泡シート及び発泡容器 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂発泡シート及び発泡容器 Download PDF

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JP6007050B2 JP2012218212A JP2012218212A JP6007050B2 JP 6007050 B2 JP6007050 B2 JP 6007050B2 JP 2012218212 A JP2012218212 A JP 2012218212A JP 2012218212 A JP2012218212 A JP 2012218212A JP 6007050 B2 JP6007050 B2 JP 6007050B2
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Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂を含む樹脂組成物が押出発泡されてなるポリスチレン系樹脂発泡シート及び発泡容器に関する。
従来、ポリスチレン系樹脂発泡シートは、真空成形や圧空成形といった熱成形によってトレー型や丼型の食品容器といった発泡容器を形成させるための原材料として広く用いられている。
該ポリスチレン系樹脂発泡シート(以下、単に「発泡シート」ともいう)は、通常、ポリスチレン系樹脂や発泡剤などを含んだ樹脂組成物を押出機内で溶融混練し、この溶融混練物を前記押出機の先端に装着された円環状の吐出口を有するサーキュラーダイから押出して発泡させる押出発泡によって作製されている。
そして、このポリスチレン系樹脂発泡シートは、前記押出発泡における発泡剤の使用量や単位時間当たりの吐出量などといった製造条件が調整されることによって用途ごとに求められる厚みや発泡倍率に調整されている。
前記熱成形によって発泡容器を形成させるような用途においては、該発泡容器に軽量性や材料コストの低減が求められる結果として見掛け密度が低く、且つ坪量と呼ばれる単位面積当たりの質量が小さいポリスチレン系樹脂発泡シートが要望されている。
しかし、過度に発泡倍率を高くして見掛け密度を低くしたり、シート厚みを過度に薄くして坪量を小さくさせたりしたポリスチレン系樹脂発泡シートは、加熱して軟化状態にした状態で伸長を加えると部分的に厚みが薄くなってしまい易く、熱成形における良好な成形性を発揮させることが難しい。
即ち、このようなポリスチレン系樹脂発泡シートは、熱成形に際して良好な伸びを示さずに発泡容器に偏肉やシワを生じさせて外観を損ねたり、場合によっては発泡容器に破れを生じたりするおそれを有する。
このことから、下記特許文献1においては、溶融混練物に高い溶融粘度を発揮させるのに有利な分子量分布がブロードなポリスチレン系樹脂を用いることが記載され、一般に分子量分布を表現するのに用いられる質量平均分子量に対するZ平均分子量の割合が1.8〜4.0のポリスチレン系樹脂を発泡シートの形成に用いることが記載されている。
また、下記特許文献1においては、ポリスチレン系樹脂に高い溶融張力を発揮させるのに有効となるポリスチレン系樹脂中の高分子量成分に着目し、分子量分布の中で高分子量成分の影響が強く反映されるZ平均分子量が所定の値を有するポリスチレン系樹脂を用いて発泡シートを形成させることが示されている。
特開2010−174059号公報
上記のように発泡シートを軽量化しつつも成形性に優れたものとするための取り組みとしては、従来、主として高い溶融張力を有するポリスチレン系樹脂を用いることが検討されている。
しかし、本発明者が上記のような検討によって得た知見によれば、高い溶融張力を有するポリスチレン系樹脂を発泡シートの原材料として採用すると押出発泡において発泡シートに延伸が加わりやすくなり、押出方向(MD)における伸びに優れた発泡シートを得ることが難しい。
そのために、高い溶融張力を示すポリスチレン系樹脂を採用して軽量性に優れた発泡シートを得ようとした場合には、成形性を十分に良好なものとすることが困難になるという問題を有している。
本発明はこのような問題を解決することを課題としており、軽量性と成形性とにおいて従来のものに比べて優れた特性を有するポリスチレン系樹脂発泡シートを提供し、軽量で高品質な発泡容器を提供することを課題としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行い、むしろ、Z平均分子量が小さく、分子量分布も狭いポリスチレン系樹脂を用いてポリスチレン系樹脂発泡シートを作製する方が軽量性と成形性とにおいて優れた特性を有するポリスチレン系樹脂発泡シートを作製するのに有利であること見出して本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、ポリスチレン系樹脂発泡シートに係る本発明は、ポリスチレン系樹脂を含む樹脂組成物が押出発泡されてなるポリスチレン系樹脂発泡シートであって、前記ポリスチレン系樹脂は、メルトマスフローレイトが1.0g/10分以上2.6g/10分以下で、Z平均分子量(Mz)が30万以上42万以下であり、該Z平均分子量を質量平均分子量(Mw)で除した値(Mz/Mw)が1を超え1.7以下であり、厚みが0.7mm以上2.5mm以下で、見掛け密度が0.045g/cm 以上0.120g/cm 以下であり、且つ坪量が80g/m 以上150g/m 以下であることを特徴としている。
また、発泡容器に係る本発明は、上記のようなポリスチレン系樹脂発泡シートが熱成形されてなることを特徴としている。
本発明によれば、軽量性と成形性とにおいて従来のものに比べて優れた特性を有するポリスチレン系樹脂発泡シートを得ることができ、軽量で品質に優れた発泡容器を得ることができる。
本実施形態のポリスチレン系樹脂発泡シートは、ポリスチレン系樹脂を含む樹脂組成物(ポリスチレン系樹脂組成物)が押出発泡されてなるもので、成形性と軽量性とを当該ポリスチレン系樹脂発泡シートに発揮させる上において、前記ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が30万以上60万未満であることが重要である。
また、本実施形態のポリスチレン系樹脂発泡シートを形成させるための前記ポリスチレン系樹脂は、前記のZ平均分子量(Mz)を質量平均分子量(Mw)で除した値(Mz/Mw)が1を超え1.9未満であることが重要である。
(なお、以下においては、この「Mz/Mw」の値を、「分子量分布指標値」と称することがある。)
さらに、前記ポリスチレン系樹脂は、メルトマスフローレイト(以下、「MFR」ともいう)が1.0g/10分以上3.0g/10分以下であることが重要である。
なお、前記ポリスチレン系樹脂としては、ガラス転移点(以下、「Tg」ともいう)が102℃未満であることが好ましい。
なお、ポリスチレン系樹脂発泡シートを形成させるべく押出発泡を実施させる際に、従来のようにポリスチレン系樹脂組成物の主成分としてZ平均分子量が大きく高い溶融張力を示すポリスチレン系樹脂を採用していると前記ポリスチレン系樹脂組成物を押出機内で溶融混練した溶融混練物が高い溶融粘度を示す結果としてサーキュラーダイから吐出する際の樹脂圧を高く設定しないと高い発泡倍率を有する軽量性に優れた発泡シートを得ることが難しくなる。
しかし、樹脂圧を高く設定して押出発泡を行うと、サーキュラーダイの吐出口から押出される溶融混練物がダイ吐出口の開口縁によって押出方向に強くせん断を受けることになる。
また、このとき坪量の小さい発泡シートを得るためには、高い樹脂圧で押出された発泡シートを高速で引き取って該発泡シートに引き落としをかけて厚みを薄くさせる必要が生じるために押出方向に延伸を与えることになる。
このようなことからZ平均分子量が大きく高い溶融張力を示すポリスチレン系樹脂を採用しているとポリスチレン系樹脂が発泡シートの押出方向(MD)に沿って分子配向した状態になり易く、該押出方向(MD)を引張方向とした引張試験を熱成形温度条件などの高温条件下において実施した時の伸びが低い値となってしまうおそれを有する。
即ち、本実施形態において発泡シートの形成に用いる前記ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量、分子量分布指標値、MFRが上記範囲内であることが重要であるのは、前記のような分子配向が生じることを抑制させて軽量性と熱成形における成形性とに優れた発泡シートを得る上において有利であるためである。
このような効果をより確実に発揮させうる点において、前記Z平均分子量は、35万以上50万未満であることが好ましい。
また、前記分子量分布指標値(Mz/Mw)は、1.2以上1.8未満であることが好ましい。
さらに、前記MFRは、1.5g/10分以上2.8g/10分以下であることが好ましい。
前記質量平均分子量及び前記Z平均分子量は、高分子化学の分野において従来規定されているものを意味し、以下の分子量測定によって求められるものである。
詳しくは、前記質量平均分子量及び前記Z平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって求められるものである。
より詳しくは、ポリスチレン系樹脂の質量平均分子量及びZ平均分子量は、試料約30mgをクロロホルム10mLに溶解した溶液を非水系0.45μmクロマトディスクでろ過した後にWaters社製 HPLC(Detector 484、Pump 510)を用いてポリスチレン換算分子量を測定して求めることができる。
測定条件については、カラム「Shodex GPC K−806L(φ8.0×300mm)」(昭和電工社製)を2本用い、カラム温度を40℃とし、移動相をクロロホルムとし、移動相流量を1.2mL/分とし、注入ポンプ温度を室温とし、検出波長を254nmとし、注入量を50μLとすることができる。
検量線作成用の標準ポリスチレンは、昭和電工社製の分子量1,030,000のもの、並びに、東ソー社製の分子量5,480,000、3,840,000、355,000、102,000、37,000、9,100、2,630、及び495のものとすることができる。
前記ポリスチレン系樹脂のメルトマスフローレイト(MFR)は、JIS K7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」B法記載の方法により測定することができる。
具体的には、測定装置「セミオートメルトインデクサー」(東洋精機製作所社製)のシリンダーに測定試料を約6g充填し、充填棒を用いて前記試料を圧縮し、試験温度200℃、試験荷重を規定荷重(49.03N)として測定することができる。
また、その際の予熱時間は4分、試験数を3個とし、該3個の測定結果を算術平均してポリスチレン系樹脂のMFRを求めることができる。
前記ガラス転移点(Tg)は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法に基づいて示差走査熱量計装置(DSC)を用いて測定することができる。
より具体的には、例えば、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製の型名「DSC6220型」を使用し、該DSCのサンプル側には、アルミニウム製測定容器の底にできるだけ隙間ができないように試料を約6.5mg充填したものを置き、リファレンス側にはアルミナを入れたアルミニウム製測定容器を置き、窒素ガス流量25ml/minのもと20℃/minの昇温速度で30℃から200℃まで昇温し、10分間保持後速やかに取出し、25±10℃の環境下にて放冷させた後、再び20℃/minの昇温速度で200℃まで昇温した時に得られるDSC曲線より中間点ガラス転移温度を算出してポリスチレン系樹脂のガラス転移温度を求めることができる。
なお、中間点ガラス転移温度は、同規格の「9.3 ガラス転移温度の求め方」に従って求めることができる。
本実施形態の前記ポリスチレン系樹脂組成物には、上記のようなポリスチレン系樹脂を80質量%以上含んでいることが好ましく、85質量%以上含んでいることがより好ましい。
前記ポリスチレン系樹脂を80質量%以上含んでいることにより、前記ポリスチレン系樹脂組成物を用いて成形された発泡シートにおいて、ポリスチレン系樹脂に起因する優れた機械的特性や成形性をより顕著に発揮させやすくなるという利点がある。
前記ポリスチレン系樹脂は、分子内にスチレン系モノマーを構成単位として有する重合体であり、通常、スチレンモノマーを主たる構成単位として有するものである。
前記ポリスチレン系樹脂としては、スチレンモノマーの単独重合体が挙げられる。
また、前記ポリスチレン系樹脂としては、スチレンと他のモノマーとの共重合体を採用することも可能である。
斯かる共重合体としては、スチレン−無水マレイン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体などが挙げられる。
また、斯かる共重合体としては、スチレン重合体由来の優れた機械的特性や成形性などをより顕著に発泡シートに発揮させる上においてスチレンモノマー60質量%以上と他のモノマー40質量%以下との共重合体が好ましい。
前記ポリスチレン系樹脂は、前記スチレン単独重合体と前記共重合体との混合物であってもよい。
斯かる場合、前記ポリスチレン系樹脂においては、スチレン重合体由来の優れた機械的特性や成形性などをより顕著に発泡シートに発揮させる上においてスチレンモノマーのモノマー換算での含有量が60質量%以上であることが好ましい。
本実施形態の発泡シートを形成させるために用いる前記ポリスチレン系樹脂組成物は、上記のようなポリスチレン系樹脂の他に、発泡剤、気泡調整剤などの添加剤が含まれ得るものである。
前記発泡剤としては、揮発性発泡剤又は分解性発泡剤等が挙げられる。
前記揮発性発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、シクロペンタジエン、ヘキサン等の炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、石油エーテル等のエーテル化合物などが挙げられる。
また、前記揮発性発泡剤としては、二酸化炭素、窒素、アンモニア、水なども採用可能である。
前記揮発性発泡剤としては、大気圧における沸点が−45〜40℃の炭化水素が好ましく、プロパン、ブタン、ペンタン等が好ましい。
なお、前記揮発性発泡剤は、1種が単独で、又は2種以上が組み合わされて用いられ得る。
なかでも前記揮発性発泡剤としては、ノルマルブタンやイソブタンなどのブタンの単独物、又はノルマルブタンとイソブタンとが任意の割合で混合されたブタン混合物などが好ましい。
前記分解性発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの有機系分解性発泡剤、クエン酸などの有機酸又はその塩と重炭酸ナトリウムなどの重炭酸塩とが組み合わされた無機系分解性発泡剤等が挙げられる。
該分解性発泡剤についても、1種単独で、又は2種以上組み合わされて用いられ得る。
前記発泡剤は、前記揮発性発泡剤と前記分解性発泡剤との内の何れか一方のみを用いても良く、これらを組み合わされて用いてもよい。
前記発泡剤は、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して1〜10質量部用いられていることが好ましい。
前記添加剤としては、タルクなどの気泡調整剤、無機充填剤、有機顔料、難燃剤、難燃助剤、滑剤、可塑剤などが挙げられる。
前記発泡シートは、発泡により生じた気泡を内在させたシート状のものであれば特に限定されず、一般的な押出発泡によってシート状に形成されたものを採用することができる。
前記発泡シートは、例えば、円環状の吐出口を有するサーキュラーダイを先端に装着した押出機に前記ポリスチレン系樹脂や気泡調整剤などの添加剤を供給し、該押出機内で前記ポリスチレン系樹脂をその軟化点よりも高温に加熱して前記添加剤などと溶融混練して溶融混練物を形成させるとともにこの押出機の途中から炭化水素系の発泡剤を圧入して前記溶融混練物に混合し、得られた発泡剤を含んだ前記溶融混練物をサーキュラーダイの吐出口から押出させて形成させることができる。
より詳しくは、発泡剤を含んだ溶融混練物をサーキュラーダイの吐出口から押出させて円筒状の発泡体を形成させ、該サーキュラーダイの下流側(押出方向前方)に配した直径が前記吐出口よりも径大な冷却用マンドレルの外周面に前記発泡体の内面を摺接させつつ該発泡体に引取りをかけ、該冷却用マンドレルで発泡体を拡径するとともに該発泡体を内側から冷却し、該冷却用マンドレルの下流側に設けたカッターで前記発泡体を押出方向に向けて連続的に切断して平坦なシートとなるように展開し、長尺帯状となるように作製された発泡シートを本実施形態における発泡シートとして採用可能である。
本実施形態の発泡シートとしては、前記押出発泡における押出方向(MD)を引張方向とした引張試験を100℃において実施した際に伸びが85%以上(通常、上限値は150%程度)となり、前記押出方向と直交する方向(TD)を引張方向とした引張試験を100℃において実施した際に伸びが90%以上、好ましくは、95%以上(通常、上限値は200%程度)となるように形成されたものを採用することが好ましい。
前記発泡シートは、上記のような好ましい伸びを有することで熱成形における成形性を良好なものとすることができ、当該熱成形によって軽量で厚み均一性に優れ、強度や外観にも優れる発泡容器を得られやすくなるという利点を有する。
該伸びはJIS K6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」に準拠して測定することができる。
具体的には、発泡シートから、その長さ方向が押出方向(MD)、巾方向(TD)となるようにそれぞれ切り出した試験片を使って測定することができ、該試験片としては、IS01798規定のダンベル状試験片Type1を採用することができる。
そして、MD、TDの試験片を発泡シートから切り出した後、温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気下にて20時間以上保持し、該試験片の状態を調節し、該調製後の試験片を恒温槽を有する引張試験機で引張試験を行って「伸び」を測定することができる。
測定には、例えば、オリエンテック社製の商品名「テンシロン万能試験機UCT−10T」を使用することができ、該引張試験機を用いての伸びの測定は、恒温槽内の雰囲気温度を100℃に設定し、チャック間距離100mmにて引張治具に試験片を挟み、前記雰囲気温度(100℃)において2.5分間保持した後に試験速度500mm/分の条件で引張速度で試験を行って測定することができる。
また、90℃や110℃といった別の温度における伸びも上記例示の方法と同様にして測定することができる。
前記発泡シートは、厚みが0.7mm〜2.5mmであることが好ましく、0.9mm〜2.0mmであることがより好ましい。
厚みが0.7mm以上であることにより、発泡シートに優れた強度が発揮され易く、該発泡シートを用いて成形された発泡容器等の保形性がより優れたものとなり得る。
また、厚みが2.5mm以下であることにより、発泡シートを、通電したニクロム線などの熱線による切断加工性に優れたものとすることができ、軽量で、嵩の低いものとさせうる。
前記発泡シートは、見かけ密度が0.045〜0.120g/cm3であることが好ましく、0.050〜0.080g/cm3であることがより好ましい。
見かけ密度が0.045g/cm3以上であることにより、発泡シートを強度に優れたものとし易く、該発泡シートを用いて成形される発泡容器等の保形性をより優れたものとし得る。
また、見かけ密度が、0.120g/cm3以下であることにより、発泡シートがより軽量となり、発泡シートの嵩高さを抑えることができるという利点がある。
また、前記発泡シートの軽量化という点で、前記見掛け密度は、0.110g/cm3以下であることが好ましく、0.100g/cm3以下であることがより好ましい。
前記発泡シートの見かけ密度は、JIS K7222:1999「発泡プラスチック及びゴム−見かけ密度の測定」に記載されている方法により測定されたものである。
前記発泡シートは、坪量が70〜150g/m2であることが好ましく、75〜110g/m2であることがより好ましい。
坪量が70g/m2以上であることにより、発泡シートを強度に優れたものとし易く、該発泡シートを用いて成形される発泡容器等の保形性をより優れたものとし得る。
また、坪量が150g/m2以下であることにより、発泡シートが熱線等でより切断し易くなり、より軽量となり、嵩高さが抑えられ得るという利点がある。
また、前記発泡シートの軽量化という点で、前記坪量は、110g/m2以下であることが好ましい。
上記のような好ましい態様の発泡シートは、押出発泡における発泡剤の種類や使用量、押出温度、樹脂圧、サーキュラーダイの吐出口口径(d)に対する冷却マンドレルの外径(D)の比(D/d)、押出発泡後の発泡体に対する冷却条件などによって調製が可能である。
また、得られた発泡シートは、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、マッチモールド成形など、一般的な熱成形によってトレー型食品容器、丼型食品容器、カップ型容器などの発泡容器とすることができる。
なかでも、本実施形態の発泡シートは、主成分たるポリスチレン系樹脂の溶融粘度が低いことから通電したニクロム線のような熱線を使って切断するいわゆるニクロムカットがなされる際に溶融樹脂が糸を引いたような状態になり難く、該熱成形によって製品形状が形成された発泡シートから製品形状の外縁に沿った切断が前記熱線によって実施される用途に適している。
前記ニクロムカットによって作製される発泡容器の中でも、トレー形状の容器本体部と平板状の蓋部とが連設されたフードパックや納豆容器などのように容器本体部との境界部分で蓋部を折り返して容器本体部に蓋をして用いる蓋付容器の原材料として本実施形態の発泡シートは好適なものである。
なお、本発明の発泡シートや発泡容器は、上記例示に限定されるものではない。
また、本発明では、従来公知のポリスチレン系樹脂発泡シート又は発泡容器において採用される種々の形態を、本発明の効果が著しく損なわれない範囲において採用することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は以下のようなものに限定されるものでもない。
(実施例1の発泡シートの作製)
下記のごとく発泡シートを製造した。
ポリスチレン系樹脂として、以下の物性を備えたポリスチレン樹脂(PSジャパン社製 商品名 「HH102」)を用いた。
MFR 2.6g/10分
質量平均分子量(Mw) 2.4×105
Z平均分子量(Mz) 4.1×105
Mz/Mw 1.7
このポリスチレン樹脂100質量部に対して、気泡調整剤としてタルク練り込みポリスチレン(タルク含量60質量% キハラ化成社製 商品名 「SMA−01BE」)0.26質量部をドライブレンドして混合物とした。
次に、二台の押出機が接続されたタンデム押出機(上流側の第1押出機がφ90mmの単軸押出機、下流側の第2押出機がφ120mmの単軸押出機)を用い、上記混合物を、第1押出機のホッパーに供給し、最高温度設定が230℃になるように前記第1押出機内で混合物を加熱溶融混練した。
さらに、発泡剤としてイソブタンとノルマルブタンとの混合ブタン(質量比35:65) を前記ポリスチレン樹脂100質量部に対する割合が4.76質量部となるように第1押出機に圧入して前記混合物との溶融混練を続けた。
続いて、ポリスチレン系樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にいて158℃まで低下させ、該第2押出機の先端に装着された口径φ185mmのサーキュラーダイ(スリットクリアランス0.28mm)から発泡剤を含んだ前記溶融混練物を吐出量210kg/hで押出発泡させて円筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体の内方側及び外方側に、内方側0.53N・m3/分、外方側0.53N・m3/分となる風量で冷却エア(温度28℃)を吹き付け、その後、φ675mm、長さ800mmの冷却マンドレルの外周面を前記発泡体の内面に摺接させて該発泡体を内側から冷却し、該冷却マンドレルの後段側においてこの円筒状の発泡体の左右2箇所を押出方向に沿って連続的に切断し、該発泡体を上下に分割して2枚の長尺帯状の発泡シートを得、これらをそれぞれロール状に巻き取った。
(実施例2)
ポリスチレン系樹脂として、以下の物性を備えたポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製 商品名 「HRM−13N」)を用いた点以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
MFR 2.2g/10分
質量平均分子量(Mw) 2.5×105
Z平均分子量(Mz) 4.2×105
Mz/Mw 1.7
(比較例1)
ポリスチレン系樹脂として、以下の物性を備えたポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製 商品名 「HRM−18」)を用いた点以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
MFR 5.0g/10分
質量平均分子量(Mw) 2.7×105
Z平均分子量(Mz) 6.4×105
Mz/Mw 2.4
(比較例2)
ポリスチレン系樹脂として、以下の物性を備えたポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製 商品名 「HRM−12」)を用いた点以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
MFR 5.4g/10分
質量平均分子量(Mw) 2.5×105
Z平均分子量(Mz) 5.3×105
Mz/Mw 2.1
(比較例3)
ポリスチレン系樹脂として、以下の物性を備えたポリスチレン樹脂(DIC社製 商品名 「XC−515」)を用いた点以外は、実施例1と同様にして製造したが、押出圧力が高い為、吐出量を185kg/hに下げて発泡シートを製造した。
MFR 1.4g/10分
質量平均分子量(Mw) 3.2×105
Z平均分子量(Mz) 6.8×105
Mz/Mw 2.1
各実施例及び各比較例で用いたポリスチレン樹脂について、メルトマスフローレイト(MFR)、質量平均分子量、Z平均分子量を測定した結果を表1に示す。
また、各実施例及び各比較例の発泡シートについて、厚み、坪量、見掛け密度、引張試験(試料長さ方向をそれぞれMD、TDとした試験片を用いての100℃、110℃における伸びの測定)、ガラス転移点(Tg)の測定をした結果を表1に示す。
Figure 0006007050
(成形性、生産性)
また、成形性、生産性について、以下のように評価した結果を、併せて、表1に示す。
<発泡シートの成形性>
各実施例及び各比較例で製造した発泡シートを10cm×10cm×深さ3cmの発泡容器を成形した際の成形性について評価し、発泡容器を10個成形し、成形品に表面割れ(ナキ)が発生しなかったものを「○」、1個でも表面割れ(ナキ)が発生したものを「×」として判定した。
<発泡シートの生産性>
一般的な製造条件で問題なく発泡シートが製造できた場合を「○」、製造条件に大きな制約が加わる場合を「×」として発泡シートの生産性について評価した。
即ち、比較例3以外は、通常の吐出量(190kg/h以上)を確保することができたため「○」判定とし、比較例3は吐出量が190kg/h未満に低下せざるを得なかったために「×」判定とした。
上記のことからも、本発明によれば、軽量性及び成形性に優れたポリスチレン系樹脂発泡シートが得られ、高品質で軽量性に優れた発泡容器が得られることがわかる。

Claims (4)

  1. ポリスチレン系樹脂を含む樹脂組成物が押出発泡されてなるポリスチレン系樹脂発泡シートであって、
    前記ポリスチレン系樹脂は、メルトマスフローレイトが1.0g/10分以上2.6g/10分以下で、Z平均分子量(Mz)が30万以上42万以下であり、該Z平均分子量を質量平均分子量(Mw)で除した値(Mz/Mw)が1を超え1.7以下であり、
    厚みが0.7mm以上2.5mm以下で、見掛け密度が0.045g/cm 以上0.120g/cm 以下であり、且つ坪量が80g/m 以上150g/m 以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シート。
  2. 前記押出発泡における押出方向を引張方向とした引張試験を100℃において実施した際に伸びが85%以上となり、且つ前記押出方向と直交する方向を引張方向とした引張試験を100℃において実施した際に伸びが90%以上となる請求項1記載のポリスチレン系樹脂発泡シート。
  3. 前記ポリスチレン系樹脂のガラス転移点が102℃未満である請求項1又は2記載のポリスチレン系樹脂発泡シート。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂発泡シートが熱成形されてなる発泡容器。
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