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JP6098871B2 - 燃料電池用触媒及びカソード - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用触媒に適した複合体に関する。より詳しくは、本発明は、酸素欠損酸化ジルコニウムと所定の被覆を有する固体高分子型燃料電池カソード用触媒に適した複合体及びこの複合体を触媒として用いた固体高分子型燃料電池カソードに関する。
固体高分子型燃料電池は、プロトン導電性の高分子電解質膜を負極及び正極で挟み込んだ構造を有し、負極に水素を含む燃料、例えば、メタノール水溶液を供給し、正極に空気を供給する。負極では、燃料に含まれる水素が酸化され、正極では酸素が還元されて、外部に電気エネルギーが取り出される。上記正極としては、カーボンブラックに白金を担持した電極が用いられている。しかし、高価な白金に代わる材料を用いた正極の開発も進められている。
特許文献1には、酸素欠損を有する酸化ジルコニウム等を主触媒とし、金を助触媒とする酸素還元用電極触媒が開示されている。特許文献2にはZrCNとZrO2からなる電極触媒及びこの触媒を担持した正極用酸素還元電極が開示されている。
WO2006/019128 WO2009/060777
Y. Liu, A. Ishihara, S. Mitsushima, N. Kamiya, K. Ota ; J. Electrochem. Soc. 154,B664-669 (2007). B. A. van Hassel and A. J. Burggraaf ; Appl. Phys. A, 52, 410-417 (1991)
しかし、酸素欠損を有する酸化ジルコニウムを用いた触媒やZrCNとZrO2からなる触媒は、固体高分子型燃料電池の正極用酸素還元電極に用いられる触媒としては、依然として能力が十分ではなかった。
そこで本発明の目的は、固体高分子型燃料電池の正極用酸素還元電極に適した高い触媒性能を有する電極用触媒に適した複合体と、この複合体を触媒として用いた正極用酸素還元電極を提供することにある。
本発明は以下のとおりである。
[1]酸素欠損を有する酸化ジルコニウムであって、硫黄またはフルオロカーボンの被覆を有する複合体。
[2]複合体表面の水接触角が70〜120°の範囲である[1]に記載の複合体。
[3]酸素欠損を有する酸化ジルコニウムはZrO2-x(xは 0.001〜0.1の範囲である)で示される[1]または[2]に記載の複合体。
[4]硫黄の被覆量は、酸素欠損を有する酸化ジルコニウムのジルコニウムに対する硫黄のモル比で0.01〜0.5の範囲である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の複合体。
[5]フルオロカーボンの被覆量は、酸素欠損を有する酸化ジルコニウムのジルコニウムに対するフルオロカーボンのフッ素のモル比で0.01〜0.5の範囲である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の複合体。
[6]固体高分子型燃料電池カソード用触媒として用いられる[1]〜[5]のいずれか1項に記載の複合体。
[7][1]〜[5]のいずれか1項に記載の複合体を触媒として電極担体に担持した、固体高分子型燃料電池用カソード。
本発明によれば、酸性電解質中での酸素還元能及び安定性に優れた、電極用触媒に適した複合体及び酸素還元電極を提供することができる。
活物質の合成に用いる合成装置を図1に示す。 ドープ物質に硫黄またはPTFEを用いた場合の発光スペクトルを図2に示す。 ZrO2原料、S-ZrO2およびCF-ZrO2のSEM像を図3に示す。 XPSスペクトルを示す。図4(a)は70秒間マイクロ波照射したS-ZrO2の最表面と20nmスパッタした内部のZr3dナロースペクトルである。図4(b)は70秒間プラズマ照射したCF-ZrO2の最表面と20nmスパッタした内部のZr3dナロースペクトルである。図4(c)はN2雰囲気中1,200℃で焼成したZrO2の最表面と20nmスパッタした内部のZr3dナロースペクトルである。 図5は合成した70秒間プラズマ照射したCF-ZrO2の最表面と20nmスパッタした内部のF1sナロースペクトルである。 Sプラズマの照射時間とZrO2の重量変化の関係を図6(a)に示す。NおよびCNプラズマの照射時間とZrO2の重量変化の関係を図6(b)に示す。 図7(a-1)に硫黄添加量と硫黄ドープ量の関係を示す。図7(a-2)に硫黄添加量とS-ZrO2電極の撥水性の関係を示す。図7(b-1)にPTFE添加量とドープフルオロカーボンのフッ素の量の関係を示す。図7(b-2)にPTFE添加量とCF-ZrO2電極の撥水性の関係を示す。 図8にZrO2、 S-ZrO2 および CF-ZrO2電極の3、 6、 9サイクルのサイクリックボルタモグラム(CV)を示す。 図9にZrO2、 S-ZrO2 および CF-ZrO2電極のボルタモグラムを示す。 図10に硫黄またはPTFEのドープ量と0.6V vs. RHEでの電流密度iO2-iN2の関係を示す。
<複合体>
本発明は、酸素欠損を有する酸化ジルコニウムであって、硫黄またはフルオロカーボンの被覆を有する複合体に関する。酸素欠損を有する酸化ジルコニウムは、ZrO2-x(xは 0.001〜0.1の範囲である)で示されるものであることができる。酸素欠損量xは、本発明の複合体を固体高分子型燃料電池カソード用触媒として用いる際に、酸性電解質中での酸素還元能及び安定性に優れるという観点から、好ましくは0.01〜0.08の範囲であり、より好ましくは、0.03〜0.06の範囲である。酸化ジルコニウムの酸素欠損量は、例えば、酸化ジルコニウムのXPSスペクトルにおけるZr3dスペクトルのピーク(ZrO2 3d5/2 :182.7eV及びZrO2 3d3/2 :184.7eV)の低エネルギー側へのシフト量から求めることができる。この点については、非特許文献1および2を参照できる。
本発明の複合体における酸素欠損を有する酸化ジルコニウムは、最表面のみならず、最表面から少なく20nmのバルクにおいても、最表面とほぼ同じ量の酸素欠損を示すものである。このように最表面から少なく20nmのバルクにおいても高い酸素欠損を示す酸化ジルコニウムを用いるものであることから、酸性電解質中での酸素還元能及び安定性に優れた触媒を提供できるものと推察される。
複合体は、酸素欠損を有する酸化ジルコニウムの表面の少なく一部に、硫黄またはフルオロカーボンの被覆を有するものである。硫黄の被覆及びフルオロカーボンの被覆は、いずれも、酸素欠損を有する酸化ジルコニウムの表面に物理的に担持されているものであり、硫黄原子と酸化ジルコニウムのジルコニウム原子、あるいはフルオロカーボンのフッ素原子または炭素原子と酸化ジルコニウムのジルコニウム原子とが結合を有するものではない。この点もXPSスペクトルにより確認できる。
硫黄の被覆を有する複合体の場合、硫黄の被覆量は、酸素欠損を有する酸化ジルコニウムのジルコニウムに対する硫黄のモル比で0.01〜0.5の範囲であることができる。硫黄の被覆量は、本発明の複合体を触媒として用いる場合、酸性電解質中での酸素還元能及び安定性に影響を与える。酸性電解質中での酸素還元能及び安定性は、酸化ジルコニウムの酸素欠損量と硫黄の被覆量、さらには、硫黄の被覆状態等により変動することを考慮して適宜選択することができる。酸化ジルコニウムの酸素欠損量xが0.04の場合、酸素欠損を有する酸化ジルコニウムのジルコニウムに対する硫黄のモル比で0.015〜0.035の範囲であることが好ましく、0.02〜0.03の範囲であることがより好ましい。
フルオロカーボンの被覆を有する複合体の場合、フルオロカーボンの被覆量は、酸素欠損を有する酸化ジルコニウムのジルコニウムに対するフルオロカーボンのフッ素のモル比で0.01〜0.5の範囲であることができる。フルオロカーボンの被覆量は、本発明の複合体を触媒として用いる場合、酸性電解質中での酸素還元能及び安定性に影響を与える。酸性電解質中での酸素還元能及び安定性は、酸化ジルコニウムの酸素欠損量とフルオロカーボンの被覆量、さらには、フルオロカーボンの被覆状態等により変動することを考慮して適宜選択することができる。酸化ジルコニウムの酸素欠損量xが0.04の場合、酸素欠損を有する酸化ジルコニウムのジルコニウムに対するフルオロカーボンのフッ素のモル比で0.015〜0.15の範囲であることが好ましく、0.02〜0.12の範囲であることがより好ましい。
酸素欠損を有する酸化ジルコニウムに対する硫黄またはフルオロカーボンの被覆状態は特に制限はない。但し、本発明の複合体が、後述するようにプラズマを用い、かつ静置状態の酸化ジルコニウム粉末に被覆を形成することから、酸化ジルコニウム粉末の表面が均一に被覆されておらず、被覆を有する箇所と被覆を有さない箇所が共存している場合もある。但し、プラズマでの処理において酸化ジルコニウム粉末を断続的に流動化させることで、被覆をより均一に形成することも可能である。
本発明の複合体は、表面の水接触角が、例えば、70〜120°の範囲である。表面の水接触角は、酸化ジルコニウムの酸素欠損量と硫黄またはフルオロカーボンの被覆量、さらには、硫黄またはフルオロカーボンの被覆状態等により変動する。本発明の複合体表面の水接触角は、好ましくは、80〜120°の範囲であり、より好ましくは90〜120°の範囲である。上記水接触角が高いほど、酸性電解質中での酸素還元能及び安定性が優れた複合体となり得る。
本発明の複合体は、固体高分子型燃料電池カソード用触媒として用いられる。本発明の複合体を電極触媒として酸素還元電極に用いると、酸性電解質中での酸素還元能及び安定性が優れている。
本発明の複合体の製造方法は、実施例において詳述するが、市販の酸化ジルコニウム、市販の硫黄及び市販のフルオロカーボンを用いてマイクロ波共振装置を用いて製造することができる。酸化ジルコニウム、硫黄及びフルオロカーボンは、何れも粉末であることができる。特に、酸化ジルコニウムは、固体高分子型燃料電池カソード用触媒として用いることを考慮して、平均粒子径が、例えば、0.01〜100μmの範囲、好ましくは0.1〜10μmの範囲であることができる。但し、この範囲に限定する意図ではない。
マイクロ波共振装置を用いての複合体の製造は、例えば、3層のカーボン製フェルトの各層の間に酸化ジルコニウム及び硫黄またはフルオロカーボンを配置し、装置内を減圧にし、その上で、マイクロ波共振装置を起動して、装置内にプラズマを生成させて所定時間処理する。マイクロ波共振装置の運転条件は、限定されるものではないが、例えば、マイクロ波としては、2.45GHz、出力100〜1000Wとすることができる。処理時間は、上記運転条件及び処理する試料の量や種類に応じて適宜決定できる。例えば、10秒〜10分の範囲とすることができる。但し、この範囲に限定される意図ではない。プラズマ生成時の装置内の減圧度にも特に制限はなく、プラズマ生成に適した条件を適宜選択することができる。
<固体高分子型燃料電池用カソード>
本発明は、上記本発明の複合体を触媒として電極担体に担持した、固体高分子型燃料電池用カソードを包含する。
電極(カソード)は、例えば次のようにして製造することができる。まず、上記本発明の複合体の粉末を公知の導電剤及び結着剤と混合してペーストとし、このペーストを電極担体表面に塗布、乾燥させることで電極を製造することができる。ペーストとするために溶媒を用いることもできる。導電剤及び結着剤は、電極作製用として公知のものから適宜選択できる。導電剤としては、ケッチェンブラックなどのカーボンブラックを用いることができる。結着剤としては、ポエフッ化ビニリデンなどを用いることができる。複合体、導電剤及び結着剤の混合割合には特に制限はなく、複合体、導電剤及び結着剤の種類や電極に必要とされる特性を考慮して適宜決定できる。例えば、複合体、導電剤及び結着剤の質量比は、複合体を1としたときに、例えば、導電剤0.1〜10の範囲、結着剤0.1〜10の範囲とすることができる。担体としては、例えば炭素または導電性酸化物等のシート等を用いることができる。
本発明の電極は、固体高分子型燃料電池用カソードとして有用である。さらに本発明の電極は、水、無機物質、有機物質の電気分解、燃料電池等の酸性電解質を用いる電気化学システムのカソード用電極としても使用できる。また、本発明の電極は、リン酸形燃料電池等、固体高分子型燃料電池以外の酸性電解質を用いる際の酸化剤極としても使用できる。
以下本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定される意図ではない。
実験方法
1)活物質の合成
合成装置を図1に示す。円盤状カーボンフェルトの3ピース(直径3cm、厚さ0.5cm)の間上部に酸化ジルコニウム 0.5gを、下部に所定量のドープ物質(硫黄またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE))をそれぞれ挟み、これを硬質ガラス容器に入れ、マルチモードタイプのマイクロ波空洞共振器内に配置した。0.001 MPaに減圧した後、500W 、2.45 GHzのマイクロ波を所定時間照射した。発生したプラズマにより硫黄またはPTFEをドープした酸化ジルコニウム(S-ZrO2、またはCF-ZrO2)を合成した。
発生したプラズマについてはマルチチャンネルアナライザー(PMA-11、浜松フォトニクス)を用いて発光スペクトルを測定した。合成したS-ZrO2等の構造および結合状態については、X線光電子分光法(PHI社製、Quantum 2000型)により分析した。ドープ硫黄量はICP発光分光装置(サーモフィッシャー社製、iCAP6300)により測定した。撥水性については、自動接触角計(協和界面科学社製、CA-VP)により測定した。
2)電気化学測定
合成したS-ZrO2等に導電剤としてケッチェンブラックおよび結着剤としてポリフッ化ビニリデンを、重量比 10 : 3 : 1 で混合し、カーボンペーパーに塗布して、電極を作製した。電気化学測定には3極式セルを用いた。作用極には作製した電極を、対極には白金を、参照電極には可逆水素電極を、電解液には0.1 M 硫酸水溶液を用いた。電極の安定性は、温度25℃、窒素雰囲気中でのサイクリックボルタンメトリーにより評価した。酸素還元触媒能は、25℃窒素雰囲気中および酸素雰囲気中でのリニアスイープボルタンメトリーにより評価した。
結果及び考察
1)発生プラズマの分析
ドープ物質に硫黄またはPTFEを用いた場合の発光スペクトルを図2に示す。硫黄を添加した場合は、硫黄に起因する発光スペクトルが検出された。PTFEを添加した場合は、N または CN に起因する発光スペクトルが検出された。酸素欠損を引き起こすプラズマはS-ZrO2においてはSプラズマであり、CF-ZrO2においてはNおよびCNプラズマであることが判明した。
2)触媒の構造分析
ZrO2原料、S-ZrO2およびCF-ZrO2のSEM像を図3に示す。いずれも粒子径等のモフォロジーに大きな変化は見られなかった。
これらのプラズマで処理したZrO2の構造を分析するため、XPSスペクトルを測定した。
図4(a)は70秒間マイクロ波照射したS-ZrO2の最表面と20nmスパッタした内部のZr3dナロースペクトルである。これらのピークはZrO2のZr3dスペクトル( ZrO2 3d5/2 :182.7eV、ZrO2 3d3/2 :184.7eV )に比べいずれも低エネルギー側にシフトしている。
図4(b)は70秒間プラズマ照射したCF-ZrO2の最表面と20nmスパッタした内部のZr3dナロースペクトルである。これらのピークもZr3dスペクトルに比べいずれも低エネルギー側にシフトしている。
図4(c)はN2雰囲気中1,200℃で焼成したZrO2の最表面と20nmスパッタした内部のZr3dナロースペクトルである。表面はZr3dスペクトルに比べ低エネルギー側にシフトしているが、バルクはシフトしていなかった。
Zr3dスペクトルの2つのピークの低エネルギー側のシフトは、酸素欠損に起因すると考えられる(非特許文献1および2)。これらの結果から、SまたはNまたはCNのプラズマ処理したZrO2は還元雰囲気で焼成したものに比べての酸素欠損サイトがよりバルク側においても存在するものであることが判明した。
図5は合成した70秒間プラズマ照射したCF-ZrO2の最表面と20nmスパッタした内部のF1sナロースペクトルである。このピークの結合エネルギーはC-F結合のものに一致した。この結果は、Zr-Fの結合は生成せず、フルオロカーボンが生成したことを示唆している。FのZrに対するモル比は表面およびバルクとも0.1程度であった。
また、S-ZrO2のS2pスペクトル(図示せず)においては、ピークは消失した。これはX線照射により硫黄が脱離したためと考えられ、Zr-Sの結合は生成しないことを示唆している。
Sプラズマの照射時間とZrO2の重量変化の関係を図6(a)に示す。Sプラズマが消失するまでは、重量が増大した。これは硫黄がドープされたことによると考えられる。
NおよびCNプラズマの照射時間とZrO2の重量変化の関係を図6(b)に示す。連続的な微量の重量の減少は、粒子の紛失によると推測されるが、マイクロ波照射20秒から60秒の断続的な重量の減少は、酸素欠損によると考えられる。また、この結果は、この条件では、マイクロ波照射70秒以上では酸素欠損が進行しないことを示唆している。この酸素欠損量は約0.5%であり、生成物質の組成はZrO1.96であると推察される。F1sXPSスペクトルの結果と併せると、合成したCF-ZrO2の組成はZrO1.96C0.05F0.1と見積もることができる。
Sプラズマ処理においても硫黄消失後の重量減少は約0.5%であった。このことから、N、CNプラズマ処理と同程度の酸素欠損が生成したと推察される。したがって、マイクロ波照射時間70秒程度でのドープ硫黄重量はZrO2の0.5%程度であると推察され、このS-ZrO2の組成はZrO1.96S0.02と見積もることができる。
次に、SまたはPTFEドープによる撥水性への影響を電極の接触角測定により評価した。マイクロ波照射時間は、酸素欠損量がほぼ一定となる70秒とした。電極は、基板の影響を除くため、Al箔に30μm膜厚でコーターにより塗工したものを用いた。硫黄のドープ量はICP発光分析により測定した。フルオロカーボンのドープ量はXPSにより測定した。
図7(a-1)に硫黄添加量と硫黄ドープ量の関係を示す。図7(a-2)に硫黄添加量とS-ZrO2電極の撥水性の関係を示す。添加量を増やしてもドープ量はそれに比例して増大せず、撥水性も接触角100°程度で一定となる傾向がみられた。
図7(b-1)にPTFE添加量とドープフルオロカーボンのフッ素の量の関係を、図7(b-2)にPTFE添加量とCF-ZrO2電極の撥水性の関係を示す。PTFE添加量に比例してドープフッ素量が増大し、撥水性も増大した。
これらの差異は、硫黄は自体がプラズマ状態で安定化するので、カーボンフェルトの間からガラス容器全体に拡散するのに対し、PTFEはNまたはCNプラズマ等により気化し、カーボンフェルト内で冷却析出するので、ガラス容器全体に拡散しないためと考えられる。
3)電気化学特性
図8にZrO2、 S-ZrO2 および CF-ZrO2電極の3、 6、 9サイクルのサイクリックボルタモグラム(CV)を示す。いすれの電極もサイクルでの変化はなく安定していた。この結果は、硫黄またはPTFEドープによる電極安定性に変化がないことを示唆している。
図9にZrO2、 S-ZrO2 および CF-ZrO2電極のボルタモグラムを示す。縦軸の電流密度は酸素雰囲気中での電流密度iO2から窒素雰囲気中での電流密度iN2を引いた値、すなわち、酸素還元触媒活性を示す。S-ZrO2、CF-ZrO2、ZrO2 の順に高い活性を示し、S-ZrO2は著しく高い活性を示した。CF-ZrO2は、酸素欠損がNまたはCNプラズマにより生成し、気化したPTFEの析出により撥水性が付与される。このため、酸素欠損サイトが撥水されない可能性が高い。それに対し、S-ZrO2は、酸素欠損および撥水性付与どちらもSプラズマにより生じるため、酸素欠損サイト近傍が撥水されると推察される。このため、S-ZrO2がCF-ZrO2に比べて著しく高い酸素還元触媒活性を示したと推察する。
次に、硫黄またはPTFEの濃度の酸素還元触媒活性に与える影響を評価した。図10にドープ量と0.6V vs. RHEでの電流密度iO2 - iN2の関係を示す。S-ZrO2の触媒活性はS / Zr = 0.025すなわち、ZrO1.96S0.025の組成のとき極大であった。これは硫黄ドープ量が少ないと撥水が不十分であり、硫黄ドープ量が多いと酸素欠損サイトが被覆されるためと推察される。CF-ZrO2の触媒活性はF/Zr と相関関係が得られなかった。NまたはCNプラズマにより生成する酸素欠損サイトとPTFEにより撥水されるサイトが一致しないためと考えらえる。
本発明は、燃料電池関連分野に有用である。

Claims (7)

  1. 酸素欠損を有する酸化ジルコニウムであって、硫黄またはフルオロカーボンの被覆を有する複合体。
  2. 複合体表面の水接触角が70〜120°の範囲である請求項1に記載の複合体。
  3. 酸素欠損を有する酸化ジルコニウムはZrO2-x(xは 0.001〜0.1の範囲である)で示される請求項1または2に記載の複合体。
  4. 硫黄の被覆量は、酸素欠損を有する酸化ジルコニウムのジルコニウムに対する硫黄のモル比で0.01〜0.5の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合体。
  5. フルオロカーボンの被覆量は、酸素欠損を有する酸化ジルコニウムのジルコニウムに対するフルオロカーボンのフッ素のモル比で0.01〜0.5の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合体。
  6. 固体高分子型燃料電池カソード用触媒として用いられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合体。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合体を触媒として電極担体に担持した、固体高分子型燃料電池用カソード。
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