JP6055685B2 - 難燃性スチレン系樹脂粒子の製造方法、発泡性粒子の製造方法、発泡粒子の製造方法及び発泡成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
一方、発泡成形体は燃えやすいといった課題を有している。特に、発泡成形体を建築材料に用いる場合には、それが火災時の延焼原因にもなることから、発泡成形体に難燃剤を含有させることが行われてきた。
しかし、ハロゲン系難燃剤は、難燃化の効果が比較的大きいものの、加工時あるいは廃棄物として燃焼する際に、腐食性又は有毒のガスを発生するという課題がある。そのため、近年、環境問題に対する関心の高まりにより、ハロゲン系難燃剤の使用を抑制することが望まれている。
そのため、機械特性、熱的特性及び加工性に悪影響を及ぼさないフェノキシホスファゼン化合物が注目されている(特表2001−514294号公報:特許文献1)。
前記フェノキシホスファゼン化合物は、それを構成するリン原子の置換可能結合部にフェノキシ基が結合する化合物であり、かつ前記難燃性スチレン系樹脂粒子中に0.3〜40質量%含まれ、
前記スチレン系樹脂粒子は、中心部の吸光度比(D1180/D1070)を1とした場合、表層の吸光度比(D1180/D1070)が、1.1〜7.0の範囲の相対値を示す粒子であり、
前記表層が、前記難燃性スチレン系樹脂粒子の表面から半径の30%以内の領域に対応し、
前記難燃性スチレン系樹脂粒子の製造方法が、
水性媒体中でスチレン系単量体を少なくとも含む単量体を懸濁重合させてスチレン系樹脂粒子を得る重合工程と、
前記単量体を85質量%以上重合させた後にフェノキシホスファゼン化合物とスチレン系樹脂粒子とを接触させる接触工程とを含むことを特徴とする難燃性スチレン系樹脂粒子の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記発泡性粒子を発泡させて発泡粒子を得る発泡粒子の製造方法が提供される。
更に、本発明によれば、上記発泡粒子を発泡成形させて発泡成形体を得る発泡成形体の製造方法が提供される。
また、フェノキシホスファゼン化合物が、環状又は鎖状のフェノキシホスファゼン化合物である場合、難燃性と内部融着性とがより高い次元で両立した発泡成形体を与える難燃性スチレン系樹脂粒子を提供できる。
で表される環状フェノキシホスファゼン化合物、又は下記式(2)
で表される鎖状フェノキシホスファゼン化合物である場合、難燃性と内部融着性とがより高い次元で両立した発泡成形体を与える難燃性スチレン系樹脂粒子を提供できる。
難燃性スチレン系樹脂粒子(難燃性粒子ともいう)は、スチレン系樹脂と、難燃剤としてのフェノキシホスファゼン化合物とから少なくとも構成される。
フェノキシホスファゼン化合物は、難燃性粒子中で偏在している。具体的には、フェノキシホスファゼン化合物は、難燃性粒子の表層に偏在(中心部よりリッチに存在)している。この偏在により、難燃性と内部融着性とが高い次元で両立した難燃性粒子を提供できる。
偏在の程度は、難燃性粒子の断面の顕微FT−IR透過イメージング図から得ることができ、その具体的測定法は、以下の偏在の説明の欄及び実施例の各種測定法の説明の欄に記載されている。例えば、フェノキシホスファゼン化合物が表層に偏在している難燃性粒子は、図1の顕微FT−IR透過イメージング図を示し、均一に分散している難燃性粒子は、図2の顕微FT−IR透過イメージング図を示す。
フェノキシホスファゼン化合物は、リン原子と窒素原子とが二重結合で結合し、リン原子にフェノキシ基が置換基として結合した構造を有している。本発明で使用されるフェノキシホスファゼン化合物は、それを構成するリン原子の置換可能結合部にフェノキシ基が結合する化合物である。このようにフェノキシ基が多数存在する化合物は、スチレン系樹脂への分散性が良好であり、その結果として難燃性を向上できる。
フェノキシホスファゼン化合物としては、環状のもの及び鎖状のものが知られており、本発明では両方とも使用可能である。具体的には、環状フェノキシホスファゼン化合物として、下記式(1)
で表される化合物が挙げられる。式(1)は、複数の−P=N−単位が直接環状に結合していることを意味している。
で表される化合物が挙げられる。
より具体的なフェノキシホスファゼン化合物として、
ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタホスファゼン、ドデカフェノキシシクロヘキサホスファゼン、テトラデカフェノキシシクロヘプタホスファゼン、ヘキサデカフェノキシシクロオクタホスファゼン等の環状フェノキシホスファゼン化合物、直鎖状ジ(ビスフェノキシ)ホスファゼン、直鎖状トリ(ビスフェノキシ)ホスファゼン、直鎖状テトラ(ビスフェノキシ)ホスファゼン、直鎖状ペンタ(ビスフェノキシ)ホスファゼン、直鎖状ヘキサ(ビスフェノキシ)ホスファゼン、直鎖状へプタ(ビスフェノキシ)ホスファゼン等の鎖状フェノキシホスファゼン化合物が挙げられる。これら化合物は、1種のみ使用しても、複数種混合して使用してもよい。
これら化合物中、合成の容易性、入手の容易さを考慮すると、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン及び直鎖状トリ(ビスフェノキシ)ホスファゼンが好ましく、特にヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンが好ましい。
具体的には、まず、五塩化リンと塩化アンモニウムとを溶媒の存在下又は非存在下で反応させて、クロロホスファゼンを得る。得られたクロロホスファゼンを、触媒の存在下又は非存在下でのフェノールとの脱塩化水素縮合、ナトリウムフェノラートとの脱塩化ナトリウム縮合等により、環状又は鎖状のフェノキシホスファゼン化合物を得ることができる。
また、鎖状フェノキシホスファゼン化合物は、市販のヘキサクロロシクロトリフォスファゼンを所望のb値が得られるように開環重合させることによっても得ることが可能である。
スチレン系樹脂としては、特に限定されず、公知の樹脂をいずれも使用できる。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系単量体由来の樹脂が挙げられる。スチレン系樹脂は、これら単量体の一種類から由来する樹脂でも、複数種の混合物から由来する樹脂であってもよい。また、スチレン系樹脂は、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体に由来する架橋成分を含んでいてもよい。
他の樹脂としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート、無水マレイン酸、N−ビニルカルバゾール等の非スチレン系単量体に由来する樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル等が挙げられる。
他の樹脂の存在割合は、50質量%以下であることが好ましい。
フェノキシホスファゼン化合物は、難燃性粒子中に0.3〜40質量%含まれている。含有量が0.3質量%未満の場合、難燃性の向上効果が十分でない。40質量%より多い場合、難燃性粒子から得られる発泡成形体を構成する発泡粒子同士の内部融着性が低下することがある。より好ましい含有量は、0.5〜35質量%、更に好ましくは0.8〜30質量%である。
偏在の程度は、表層と中心部の吸光度比を比較することにより表現できる。具体的には、中心部の吸光度比(D1180/D1070)を1とした場合、表層の吸光度比(D1180/D1070)が、1.1〜7.0の範囲の相対値を示すように表層に偏在している。相対値が1.1未満の場合、フェノキシホスファゼン化合物の表層への偏在の程度が十分ではなく、内部融着性の向上効果に劣ることがある。相対値が7.0より大きい場合、成形時の予備発泡粒子間の接着力が低下することがある。より好ましい相対値は1.1〜6.0であり、更に好ましくは1.2〜6.0である。
吸光度比は、難燃性粒子の中心部から表層に向かって増加する傾向を示していることが好ましい。増加の傾向としては、例えば、中心部から表層に向かって直線的に増加する傾向でもよく、表層に近い領域で大きく増加しその後ほぼ一定値となる傾向でもよい。ここで、表層とは粒子表面から粒子半径の30%以内の領域を、中心部とは粒子中心から粒子半径の約30%以内の領域を、それぞれ意味する。
難燃性粒子の中心部の吸光度比は、0〜1.0の範囲であることが好ましい。吸光度比が1.0より大きい場合、成形品強度が低下することがある。好ましい吸光度比は0〜0.9の範囲であり、より好ましくは0〜0.85の範囲である。
難燃性粒子には、物性を損なわない範囲内において、難燃助剤、可塑剤、滑剤、結合防止剤、融着促進剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、架橋剤、充填剤、着色剤等の添加剤が含まれていてもよい。
難燃助剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの有機過酸化物が挙げられる。
可塑剤としては、フタル酸エステル、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリントリステアレート、ジアセチル化グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ジイソブチルアジペートのようなアジピン酸エステル等が挙げられる。
滑剤としては、パラフィンワックス等が挙げられる。
融着促進剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸トリグリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ソルビタンエステル、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコンオイル等が挙げられる。
気泡調整剤としては、メタクリル酸エステル系共重合ポリマー、エチレンビスステアリン酸アミド、ポリエチレンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
難燃性粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。この内、球状であるのが好ましい。難燃性粒子の平均粒子径は、用途に応じて適宜選択でき、例えば、0.2mm〜5mmの平均粒子径のものを使用できる。また、難燃性粒子を発泡成形体の原料として使用する場合、成形型内への充填性等を考慮すると、平均粒子径は、0.3mm〜2mmがより好ましく、0.3mm〜1.4mmが更に好ましい。
難燃性粒子は、フェノキシホスファゼン化合物を表層に偏在させることができさえすれば、その製造方法は特に限定されない。例えば、以下の方法で製造できる。
即ち、水性媒体中でスチレン系単量体を少なくとも含む単量体を懸濁重合させてスチレン系樹脂粒子を得る重合工程と、
単量体を85質量%以上重合させた後にフェノキシホスファゼン化合物とスチレン系樹脂粒子とを接触させる接触工程と
を少なくとも経ることにより難燃性粒子を製造できる。
重合工程は、例えば、
(i)水性媒体中にスチレン系樹脂種粒子(以下種粒子)を分散させ、これにスチレン系単量体を少なくとも含む単量体を連続的又は断続的に供給し、必要に応じて重合開始剤の存在下、懸濁重合させる方法、いわゆるシード重合法、あるいは
(ii)スチレン系単量体を連続的又は断続的に水性媒体中に供給し、必要に応じて重合開始剤の存在下、懸濁重合させる方法
等を使用できる。
スチレン系単量体としては、上記スチレン系樹脂の欄で挙げたスチレン系単量体が使用される。また、スチレン系単量体に上記スチレン系樹脂の欄で挙げた他の成分を加えてもよい。
(b)水性媒体
水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、低級アルコール)との混合媒体が挙げられる。
(c)重合開始剤
重合開始剤としては、いずれも通常のスチレンの懸濁重合において用いられるラジカル発生型重合開始剤を用いることができる。例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。分子量を調製し、残存単量体を減少させるために、10時間の半減期を得るための分解温度が80〜120℃の範囲にある複数種の重合開始剤を併用することが好ましい。
スチレン系単量体の液滴の分散性を安定させるために懸濁安定剤を用いてもよい。
懸濁安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難溶性無機化合物等が挙げられる。ここで、難溶性無機化合物を用いる場合には、アニオン界面活性剤が通常、併用される。
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸又はその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。
重合は、使用する単量体種、重合開始剤種、重合雰囲気種等により異なるが、通常、60〜150℃の加熱を、1〜10時間維持することにより行われる。
得られたスチレン系樹脂粒子の粒子径の調整は、懸濁重合後の粒子を所定のメッシュの篩で篩い分けることにより行うことができる。
接触工程は、単量体を85質量%以上重合させた後にフェノキシホスファゼン化合物とスチレン系樹脂粒子とを接触させる工程である。この工程は、要するに、単量体の重合終盤のスチレン系樹脂粒子又は、重合後のスチレン系樹脂粒子にフェノキシホスファゼン化合物を接触させることにより、表層にフェノキシホスファゼン化合物を偏在させるものである。なお、接触工程時のフェノキシホスファゼン化合物の添加量は、難燃性粒子に含まれるフェノキシホスファゼン化合物の含有量とほぼ等しい。
例えば、接触工程は、
(i)単量体の重合転化率が85質量%となった後に水性媒体にフェノキシホスファゼン化合物を添加すること、
(ii)スチレン系樹脂を少なくとも含む種粒子にスチレン系単量体と共に前記フェノキシホスファゼン化合物を吸収させつつスチレン系単量体を重合させること、又は
(iii)懸濁重合時の水性媒体中又は新たな水性媒体中で、スチレン系樹脂粒子にフェノキシホスファゼン化合物を吸収させること、
により行うことができる。
方法(ii)は、フェノキシホスファゼン化合物を含まない種粒子に、スチレン系単量体共にフェノキシホスファゼン化合物を吸収させて、スチレン系単量体を重合させることで、フェノキシホスファゼン化合物を表層に偏在させる方法である。種粒子は、難燃性粒子を構成するスチレン系樹脂粒子と同様の方法により製造できる。難燃性粒子と種粒子との質量比は、1:0.85〜0.97であることが好ましく、1:0.86〜0.95であることがより好ましい。なお、フェノキシホスファゼン化合物の吸収は、全単量体量の85質量%が重合した後に行うことが好ましい。
上記いずれの方法でもフェノキシホスファゼン化合物を表層に偏在させることができるが、方法(iii)は、他の方法に比べて表層への偏在程度が高い。また、方法(i)及び(ii)は、方法(iii)に比べてフェノキシホスファゼン化合物の難燃性粒子での保持性が良好である。
本発明の難燃性粒子は、発泡成形体の原料として使用できる。
発泡成形体は、難燃性粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得、発泡性粒子を発泡させて予備発泡粒子を得、予備発泡粒子を発泡成形することで得ることができる。
(1)発泡性粒子
発泡剤としては、特に限定されず、公知のものをいずれも使用できる。特に、沸点がスチレン系樹脂の軟化点以下であり、常圧でガス状又は液状の有機化合物が適している。例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、シクロペンタジエン、n−ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル等の低沸点のエーテル化合物、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン等のハロゲン含有炭化水素、炭酸ガス、窒素、アンモニア等の無機ガス等が挙げられる。これらの発泡剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。この内、炭化水素を使用するのが、オゾン層の破壊を防止する観点、及び空気と速く置換し、発泡成形体の経時変化を抑制する観点で好ましい。炭素水素の内、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン等が更に好ましい。
発泡剤の含浸は、重合後の難燃性粒子に行ってもよく、スチレン系単量体の重合途中の粒子に行ってもよい。重合途中での含浸は、水性媒体中で含浸させる方法(湿式含浸法)により行うことができる。重合後の含浸は、湿式含浸法か、又は媒体非存在下で含浸させる方法(乾式含浸法)により行うことができる。また、重合途中での含浸は、通常重合後期に行うことが好ましい。
発泡性粒子の製造中、難燃助剤、可塑剤、滑剤、結合防止剤、融着促進剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、架橋剤、充填剤、着色剤等の添加剤を適切な段階で使用してもよい。
予備発泡粒子は、熱媒体(例えば、加圧水蒸気等)を用いて所望の嵩密度に発泡性粒子を発泡させることで得られる。
予備発泡粒子の嵩密度は、0.01〜0.20g/cm3の範囲であることが好ましい。予備発泡粒子の嵩密度が0.01g/cm3より小さい場合、次に得られる発泡成形体に収縮が発生して外観性が低下することがある。加えて発泡成形体の断熱性能及び機械的強度が低下することがある。一方、嵩密度が0.20g/cm3より大きい場合、発泡成形体の軽量性が低下することがある。
なお、発泡前に、予備発泡性粒子の表面に、ステアリン酸亜鉛、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、中鎖飽和脂肪酸トリグリセライド、硬化牛脂アミド等の粉末状石鹸類を塗布しておくことが好ましい。塗布しておくことで、発泡性粒子の発泡工程において発泡粒子同士の結合を減少できる。
発泡成形体は、例えば、魚箱、農産箱、食品用容器、家電製品等の緩衝材、建材用断熱材等に使用できる。
発泡成形体の密度は、0.01〜0.20g/cm3の範囲であることが好ましい。発泡成形体の密度が0.01g/cm3より小さい場合、発泡成形体に収縮が発生して外観性が低下することがある。加えて発泡成形体の断熱性能及び機械的強度が低下することがある。一方、密度が0.20g/cm3より大きい場合、発泡成形体の軽量性が低下することがある。
発泡成形体は、予備発泡粒子を多数の小孔を有する閉鎖金型内に充填し、熱媒体(例えば、加圧水蒸気等)で加熱発泡させ、発泡粒子間の空隙を埋めると共に、発泡粒子を相互に融着させることにより一体化させることで、製造できる。その際、発泡成形体の密度は、例えば、金型内への予備発泡粒子の充填量を調整する等して調製できる。
加熱発泡は、例えば、110〜150℃の熱媒体で、5〜50秒加熱することにより行うことが好ましい。熱媒体の成形蒸気圧(ゲージ圧)は、0.04〜0.10MPaの範囲であることが好ましい。
予備発泡粒子は、発泡成形体の成形前に、例えば常圧で、熟成させてもよい。予備発泡粒子の熟成温度は、20〜60℃が好ましい。熟成温度が低いと、予備発泡粒子の熟成時間が長くなることがある。一方、高いと、予備発泡粒子中の発泡剤が散逸して成形性が低下することがある。
重合途中における粒子(以下、成長途上粒子という)に含まれるモノマー量の測定方法は、下記要領で測定されたものをいう。
即ち、成長途上粒子を分散液中から取り出し、表面に付着した水分をガーゼにより拭き取り除去する。成長途上粒子を0.08g採取し、この採取した成長途上粒子をトルエン40ミリリットル中に溶解させてトルエン溶液を作製する。次に、このトルエン溶液中に、ウイス試薬10ミリリットル、5質量%のヨウ化カリウム水溶液30ミリリットル及び1質量%のでんぷん水溶液30ミリリットルを加える。得られた溶液を、N/40チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定した結果を試料の滴定数(ミリリットル)とする。なお、ウイス試薬は、氷酢酸2リットルにヨウ素8.7g及び三塩化ヨウ素7.9gを溶解してなるものである。一方、成長途上粒子を溶解させることなく、トルエン24ミリリットル中に、ウイス試薬10ミリリットル、5質量%のヨウ化カリウム水溶液30ミリリットル及び1質量%のでんぷん水溶液30ミリリットルを加える。得られた溶液を、N/40チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定した結果をブランクの滴定数(ミリリットル)とする。
成長途上粒子中のモノマー量(質量%)=
0.1322×(ブランクの滴定数−試料の滴定数)/試料の滴定数
更に、重合転化率は下記の式で算出される。
重合転化率(%)=
100×(試料質量−成長途上粒子のモノマー量)/試料質量
難燃性粒子を15mg精秤し、測定サンプルとする。次いで以下の方法で検量線を作成、含有量を測定する。ポリスチレンにフェノキシホスファーゼン化合物が1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%となる量を混合し、クロロホルムに約0.1重量%となるように溶解し、孔径0.45μmのフィルターでろ過し測定資料とする。そして、ゲルパーエイミッションクロマトグラフィー(GPC)分析を行う。測定装置は日本分光社製、GULLIVER SYSTEM(AS−950、PU―980、CO―965)を用い、検出器はUV検出器(UV−970)とRI検出器(830−RI)を用いる。カラムはShodexK-802.5、K-805Lをつなぎ、30℃にて測定した。移動相クロロフォルムの流速は1.0ml/分で行う。UV検出器での検量線の相関係数は0.9984、RI検出器での検量線相関係数は0.9981である。これらの検量線を用いて精秤した試料の分析を行う。
スチレン系樹脂粒子を中心付近を通る面でスライスして試料を得る。得られたスライス面を顕微赤外分光光度計を用いて顕微透過イメージング法にて分析する。その結果からスチレン系樹脂成分由来ピーク1070cm-1と、フェノキシホスファゼン化合物由来ピークである1180cm-1の吸光比(1180cm-1/1070cm-1)を算出する。具体的には、以下の手順で測定する。
(a)測定試料の作製
無作為に選択した10個の粒子をプラスティック試料支持台(日新EM社製)に固定する。次いで、粒子をウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ製、LEICA ULTRACUT UCT)を用いてダイヤモンドナイフによって、ほぼ中心を通って約10μm厚みにスライスすることで、スライスサンプルを得る。得られたスライスサンプルを2枚のフッ化バリウム結晶(ピュアーオプテックス社製)で挟む。これを測定試料とする。スライスサンプルの画像を、下記測定装置付属のCCDで取り込む。画像の取り込みは、ウルトラミクロトームの刃の進行方向をY軸とし、それに対して垂直方向をX軸として行う。スライスサンプル中の粒子は、刃の進行方向に、極僅かに潰れが発生している。取り込まれる画像のY軸を刃の進行方向に合わせることで、測定される吸光度比がばらつくことを抑制する。
吸光度D1070及びD1180は、Perkin Elmer社から商品名「高速IRイメージングシステムSpectrum Spotlight 300」で販売されている装置を用いる。この装置を用いて、下記条件にて、スライスサンプル粒子断面の全吸光度イメージ画像を得、スライスサンプル粒子断面の各箇所における赤外吸収スペクトルを得る。
モード:顕微透過イメージング法
ピクセルサイズ:6.25μm
測定領域:4000cm-1〜650cm-1
検出器:MCT
分解能:8cm-1
スキャン/ピクセル:2回
(バックグランド測定条件)
モード:顕微透過イメージング法
ピクセルサイズ:6.25μm
測定領域:4000cm-1〜650cm-1
検出器:MCT
分解能:8cm-1
スキャン/ピクセル:60回
その他:試料の近傍の試料の無い部分のフッ化バリウム結晶を測定した赤外吸収スペクトルをバックグランドとして測定スペクトルに関与しない処理を実施する。
次に、イメージ画像中に中心点Aを通り、X軸に平行な直線を引く。この直線が、粒子(樹脂)が存在する末端の位置(X軸の最大値)と交わる点を点Dとする。点Aと点Dを結ぶ線上の赤外吸収スペクトルをX座標値で12±2μmごとに抽出する。抽出した赤外吸収スペクトルから、吸光度D1070及びD1180をそれぞれ読み取り、中心部から表層部における吸光度比(D1180/D1070)を算出する。10個の粒子について算出した個別吸光度比の相加平均を吸光度比とする。
なお、赤外吸収スペクトルから得られる1180cm-1での吸光度D1180は、フェノキシホスファゼン化合物に由来する吸収スペクトルに対応する吸光度である。この吸光度の測定では、1180cm-1で他の吸収スペクトルが重なっている場合でもピーク分離は実施していない。吸光度D1180は、1130cm-1と1230cm-1を結ぶ直線をベースラインとして、1130cm-1と1230cm-1間の最大吸光度を意味する。また、赤外吸収スペクトルから得られる1070cm-1での吸光度D1070は、スチレン系樹脂に含まれるベンゼン環の面内振動に由来する吸収スペクトルに対応する吸光度である。この吸光度の測定では、1070cm-1で他の吸収スペクトルが重なっている場合でもピーク分離は実施していない。吸光度D1070は、1020cm-1と1120cm-1を結ぶ直線をベースラインとして、1020cm-1と1120cm-1間の最大吸光度を意味する。
予備発泡粒子の嵩密度は、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定する。具体的は、まず、予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させる。メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積Vcm3をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定する。Wg及びVcm3を下記式に代入することで、予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
予備発泡粒子の嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
発泡成形体(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×35mm)の質量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の密度(g/cm3)を求める。
75mm×300mm×35mmの試験片に一対の長辺の中心同士を結ぶ直線に沿ってカッターナイフで深さ約5mmの切り込み線を入れた後、この切り込み線に沿って試験片を手で二分割する。二分割により得られた破断面における発泡粒子100〜150個を含む任意の範囲について、全粒子数(A)と粒子内で破断している粒子数(B)を計数し、以下の式により融着率(%)を算出する。
融着率=(B)×100/(A)
融着率が:
70%以上を特に良好(◎)
50%以上、70%未満を良好(○)
50%未満を不良(×)
と評価する。
得られた発泡成形体から縦200mm×横25mm×高さ10mmの直方体形状の試験片5個をバーチカルカッターにて切り出す。切出物を60℃オーブンで1日間養生後、JIS A9511−2006の測定方法Aに準じて個別消炎時間の測定を行う。試験片5個の個別消炎時間の平均値を消炎時間とする。なお、消炎時間から難燃性を以下の基準で評価した。
不良(×) ・・・消炎時間が10秒以上
良好(○) ・・・消炎時間が5秒以上〜10秒未満
非常に良好(◎) ・・・消炎時間が5秒未満
内部融着性と難燃性の両方が◎の場合は◎、一方が◎で他方が○の場合は○、1つでも×がある場合は×とする。
内容量100リットルの攪拌機付き重合容器に、水40000質量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム50質量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10.0質量部を供給し攪拌しながらスチレン40000質量部並びに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド96.0質量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート28.0質量部を添加した上で90℃に昇温して重合した。そして、この温度で6時間保持し、更に、125℃に昇温してから2時間後に冷却してスチレン系樹脂粒子を得た。
スチレン系樹脂粒子を篩分けし、粒子径0.83〜1.3mmのスチレン系樹脂粒子を難燃性粒子製造用の原料粒子とした。
内容積が100Lの撹拌機付き重合容器に、水38000g、原料粒子36000g、ピロリン酸マグネシウム100g、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム15gを供給して撹拌しつつ75℃に昇温し、粒子懸濁液を作製した。
しかる後、反応容器内の温度を125℃に上げ、2時間に亘って保持した後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却し、生成された粒子を回収、脱水、乾燥を経て難燃性粒子を得た。
得られた難燃性粒子を中心を通る面でカットし、カット面を顕微FT-IR透過イメージング測定した。その結果、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンは粒子中心付近に少なく、表層付近に存在していることを確認した。図1に、IRイメージング図を示す。図1において、表面から中心に向かって約140nmまでの深さの色の変化している領域が、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンがリッチに存在する領域を意味する。
内寸300mm×400mm×30mmの直方体形状のキャビティを有する成形型を備えた発泡ビーズ自動成形機(積水工機製作所社製 商品名「エース3型」)のキャビティ内に難燃性予備発泡粒子を充填し、ゲージ圧0.07MPaの水蒸気で15秒間加熱成形を行った。次に、前記成形型のキャビティ内の発泡成形体を5秒間水冷した後、減圧下にて放冷(冷却工程)して、密度0.020g/cm3の発泡成形体を得た。発泡成形体の内部融着率は90%と良好であった。また、発泡成形体の消炎時間は1秒であり非常に良好であった。
内容量100リットルの攪拌機付き重合容器に、水40000質量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム50質量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10.0質量部を供給し攪拌しながらスチレン40000質量部並びに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド96.0質量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート28.0質量部を添加した上で90℃に昇温して重合した。そして、この温度で6時間保持し、更に、125℃に昇温してから2時間後に冷却してスチレン系樹脂粒子を得た。
スチレン系樹脂粒子を篩分けし、粒子径0.83〜1.3mmのスチレン系樹脂粒子を難燃性粒子製造用の原料粒子とした。
次に、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン1200gを添加し、反応容器内の温度を125℃に昇温し、30分間に亘って保持した後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却して難燃性粒子を得た。得られた難燃性粒子を中心部を通る面でカットし、カット面を顕微FT−IR透過イメージング測定した結果、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンは粒子中心付近に少なく、表層付近に存在していることを確認した。
これ以降、実施例1と同様にして発泡成形体を得た。発泡成形体の内部融着率は90%と良好であった。また、発泡成形体の消炎時間は1秒であり非常に良好であった。
ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンを200g添加した他は、実施例2と同様にして発泡成形体を得た。発泡成形体の内部融着率は95%と非常に良好であった。得られた発泡成形体の消炎時間は9秒であった。なお、得られた難燃性粒子を中心部を通る面でカットし、カット面を顕微IRイメージング測定した結果、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンは粒子中心付近に少なく、表層付近に存在していることを確認した。
実施例4
ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンを4000g添加した他は、実施例2と同様にして発泡成形体を得た。発泡成形体の内部融着率は80%と良好であった。得られた発泡成形体の消炎時間は1秒であった。なお、得られた難燃性粒子を中心部を通る面でカットし、カット面を顕微FT−IR透過イメージング測定した結果、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンは粒子中心付近に少なく、表層付近に存在していることを確認した。
内容量100リットルの攪拌機付き重合容器に、水40000質量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム50質量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10.0質量部を供給し攪拌しながらスチレン40000質量部並びに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド96.0質量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート28.0質量部を添加した上で90℃に昇温して重合した。そして、この温度で6時間保持し、更に、125℃に昇温してから2時間後に冷却してスチレン系樹脂粒子を得た。
スチレン系樹脂粒子を篩分けし、粒子径0.83〜1.3mmのスチレン系樹脂粒子を難燃性粒子製造用の原料粒子とした。
次に、ベンゾイルパーオキサイド108g、t−ブチルパーオキシベンゾエート24.0gをスチレン4000gに溶解させた溶液を粒子懸濁液中に撹拌しつつ供給した後、75℃で1時間保持した。次に反応液を90℃まで30分かけて昇温した。反応液を90℃に維持したまま、スチレン26000gを3時間かけて連続、または断続的に反応器内に供給し、原料粒子内で重合を行った。スチレン滴下開始後、この原料粒子の重合転化率を測定した結果88%であった。この時点でヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン1200gを残りのスチレンに溶解させた溶液を継続して反応器内に供給した。スチレン投入終了後、応容器内の温度を125℃に上げ、2時間に亘って保持した後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却し、生成された粒子を回収、脱水、乾燥を経て難燃性粒子を得た。
内容量100リットルの攪拌機付き重合容器に、水40000質量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム50質量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10.0質量部を供給し攪拌しながらスチレン40000質量部並びに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド96.0質量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート28.0質量部、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン2000質量部添加した上で90℃に昇温して重合した。そして、この温度で6時間保持し、更に、125℃に昇温してから2時間後に冷却してスチレン系樹脂粒子を得た。前記スチレン系樹脂粒子を篩分けし、粒子径0.83〜1.3mmの難燃性粒子を得た。
これ以降、実施例1と同様にして発泡成形体を得た。発泡成形体の内部融着率は30%、消炎時間は3秒であり、難燃性は良好であった。
内容量100リットルの攪拌機付き重合容器に、水40000質量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム50質量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10.0質量部を供給し攪拌しながらスチレン40000質量部並びに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド96.0質量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート28.0質量部を添加した上で90℃に昇温して重合した。そして、この温度で6時間保持し、更に、125℃に昇温してから2時間後に冷却してスチレン系樹脂粒子を得た。
スチレン系樹脂粒子を篩分けし、粒子径0.83〜1.3mmの難燃性粒子製造用の原料粒子とした。
次に内容量5リットルの攪拌機付き重合容器に水3000質量部、難燃性粒子を1000質量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム6.0質量部及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム1.5質量部を供給して攪拌しながら重合容器を密閉し100℃に昇温した。次に発泡剤としてn−ブタン180質量部を重合容器内に圧入して3時間保持した後、30℃以下まで冷却した上で重合容器内から取り出し乾燥させた上で13℃の恒温室内に5日間放置して略球状の発泡性粒子を得た。
得られた発泡性粒子を中心部を通る面でカットし、カット面を顕微FT−IR透過イメージング測定した結果、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンは粒子内に均一に存在していることを確認した。
これ以降、実施例1と同様にして発泡成形体を得た。発泡成形体の内部融着率は20%であった。また、発泡成形体の消炎時間は3秒と良好であった。
口径90mm(L/D=35)の単軸押出機に造粒用ダイス、すなわち、直径0.6mm、ランド長さ3.0mmのノズルを25個もつ目皿(ノズルユニット)が8個樹脂吐出面の円周上に配置され、樹脂吐出面側にノズルユニットに通じる各樹脂流路を両側から挟むように8本のカートリッジヒーター(直径12mm)がヒーター深さ(樹脂吐出面からの距離)15mmの位置に前記円周を横切って放射状に配置され、表面中央部に断熱材を装着した造粒用ダイスを取り付け複数の測温体を配置し、ダイス本体の循環水流入側のヒーター4本と循環水流出側のヒーター4本とにエリアを2分割して制御して、ダイス本体を300℃に保持した(ダイス保持温度300℃)。
これ以降、実施例1と同様にして発泡成形体を得た。発泡成形体の内部融着率は20%であった。得られた発泡成形体の消炎時間は3秒であった。
スチレン樹脂60質量部に微粉末タルク0.3質量部、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン40質量部使用した他は、比較例3と同様に発泡性粒子を得た。前記で得られた発泡性粒子中でヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンは均一に存在していることを確認した。
発泡成形体の内部融着率は10%であった。消炎時間は1秒であり良好であった。
比較例5
ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンを添加しなかった他は、実施例2と同様にして発泡成形体を得た。発泡成形体の内部融着率は95%と非常に良好であったが、消炎しなかった。
スチレン樹脂50質量部に微粉末タルクを0.3質量部、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンを50質量部使用した他は、比較例3と同様に発泡成形体を得た。なお、得られた難燃性粒子を中心部を通る面でカットし、カット面を顕微IRイメージング測定した結果、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンは均一に存在していることを確認した。
しかし、発泡成形体の内部融着率は10%と良好なものは得られなかった。内部融着率が良好でないため、難燃性の試験は行わなかった。
評価結果を表1に示す。
Claims (7)
- スチレン系樹脂と、難燃剤としてのフェノキシホスファゼン化合物とから少なくとも構成される難燃性スチレン系樹脂粒子の製造方法であり、
前記フェノキシホスファゼン化合物は、それを構成するリン原子の置換可能結合部にフェノキシ基が結合する化合物であり、かつ前記難燃性スチレン系樹脂粒子中に0.3〜40質量%含まれ、
前記スチレン系樹脂粒子は、中心部の吸光度比(D1180/D1070)を1とした場合、表層の吸光度比(D1180/D1070)が、1.1〜7.0の範囲の相対値を示す粒子であり、
前記表層が、前記難燃性スチレン系樹脂粒子の表面から半径の30%以内の領域に対応し、
前記難燃性スチレン系樹脂粒子の製造方法が、
水性媒体中でスチレン系単量体を少なくとも含む単量体を懸濁重合させてスチレン系樹脂粒子を得る重合工程と、
前記単量体を85質量%以上重合させた後にフェノキシホスファゼン化合物とスチレン系樹脂粒子とを接触させる接触工程とを含むことを特徴とする難燃性スチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 前記フェノキシホスファゼン化合物が、環状又は鎖状のフェノキシホスファゼン化合物である請求項1に記載の難燃性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記フェノキシホスファゼン化合物が、下記式(1)
(式中、Xはフェノキシ基、aは3〜20である)
で表される環状フェノキシホスファゼン化合物、又は下記式(2)
(式中、X及びYはフェノキシ基、Zは−P(=O)(OPh)2、−S(=O)2(OPh)又は−P(OPh)4、bは2〜19である)
で表される鎖状フェノキシホスファゼン化合物である請求項1又は2に記載の難燃性スチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 前記接触工程が、(i)前記単量体の重合転化率が85質量%となった後に前記水性媒体に前記フェノキシホスファゼン化合物を添加すること、(ii)スチレン系樹脂を少なくとも含む種粒子にスチレン系単量体と共に前記フェノキシホスファゼン化合物を吸収させつつ前記スチレン系単量体を重合させること、又は(iii)前記懸濁重合時の水性媒体中又は新たな水性媒体中で、前記スチレン系樹脂粒子に前記フェノキシホスファゼン化合物を吸収させること、を含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の難燃性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の難燃性スチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る発泡性粒子の製造方法。
- 請求項5に記載の発泡性粒子を発泡させて発泡粒子を得る発泡粒子の製造方法。
- 請求項6に記載の発泡粒子を発泡成形させて発泡成形体を得る発泡成形体の製造方法。
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