本発明者らが電動パワーステアリング装置の試作を重ねていると、電動パワーステアリング装置において振動、異音等の異常が発生した。この異常の原因を検討した結果、その試作の減速機の軸において振動、異音等の異常が発生するという課題を認識した。
図1(A)は、試作の減速機を備える電動パワーステアリング装置における評価関数の周波数特性(伝達関数のゲイン特性)を示す。ここで、本発明者らは、評価関数Evとして、操舵トルクTH(s)から試作の減速機の軸の角速度ωWG(s)までの伝達関数G(s)を以下の式1のように設定した。
Ev=G(s)=ωWG(s)/TH(s) ・・・式1
THは、操向ハンドルでの操舵トルクを意味し、時間tの関数であるTH(t)で表すこともできる。式1におけるラプラス変数sの関数であるTH(s)は、TH又はTH(t)をラプラス変換することによって得ることができる。ωWGは、減速機の軸の回転角θWGの微分(=d(θWG)/dt)である減速機の軸の角速度を意味し、時間tの関数であるωWG(t)で表すこともできる。式1におけるラプラス変数sの関数であるωWG(s)は、ωWG又はωWG(t)をラプラス変換することによって得ることができる。
ラプラス変数sを虚数iと角速度ωとの積で表す時、図1(A)の縦軸のゲイン[dB]は、20Log10|G(s)|=20Log10|G(i・ω)|であり、図1(A)の横軸の周波数f[Hz]は、ω/2πである。
図1(A)の例において、比較例1は、一点鎖線で示されている。周波数fが40[Hz]付近の比較例1での極大値は、比較例1において、振動、異音等の異常が発生することを意味している。また、図1(A)の例において、比較例2は、二点鎖線で示されている。周波数fが40[Hz]付近の比較例2での極大値は、比較例2において、補助トルク(ベース信号)を補正するダンパ補正信号(又は後述の電動機の軸での粘性係数CM)の大きさ(寄与)を増大させる電動パワーステアリング装置において、振動、異音等の異常の発生が抑制されることを意味している。
しかしながら、図1(A)の例において、周波数fが1[Hz]付近の比較例2での極大値は、周波数fが1[Hz]付近の比較例1での極大値よりも大幅に減少している。言い換えれば、周波数fが1[Hz]付近の比較例1での極大値は、比較例1において滑らかな操舵が実行されることを意味している一方、周波数fが1[Hz]付近の比較例2での極大値は、比較例2において滑らかな操舵が実行されないことを意味している。これは、通常1[Hz]程度の操舵をした場合に、操舵フィーリングが悪化していることを示している。図1(B)は、1[Hz]の操舵である操舵トルクTHの時間変化の1例を示す。
図2(A)は、図1(A)の評価関数を導出する時に必要な電動パワーステアリング装置のモデルを示し、図2(B)は、図2(A)のモデルを簡略した時の減速機の軸の共振周波数を示す。
図2(A)の例において、TH、θH及びJHは、それぞれ、操向ハンドルでの操舵トルク(入力トルク)、操舵角及び慣性モーメントを意味する。CCは、入力軸での粘性係数を意味する。K1は、入力軸でのねじり剛性を意味する。KC及びKTSは、それぞれ、ステアリングコラムでのねじり剛性及びトルクセンサでのねじり剛性を意味する。Tdet、Tp及びθpは、それぞれ、入力軸での操舵トルク(検出トルク)、複合トルク、及び回転角を意味する。nMは、減速機の減速比を意味する。KWG、θWG及びωWGは、減速機の軸でのねじり剛性、回転角及び角速度を意味する。TM、JM及びCMは、それぞれ、電動機の軸での補助トルク、慣性モーメント及び粘性係数を意味する。nG及びKWは、減速機構での減速比及びねじり剛性を意味する。CW、TW、θW及びJWは、それぞれ、出力軸での粘性係数、複合トルク、回転角(転舵輪の切れ角)及び慣性モーメントを意味する。
電動パワーステアリング装置が動作して電動機での補助トルクが発生している時に図2(A)で示されるモデルを減速機の軸の共振周波数fWGRに着目して解析した結果、本発明者らは、図2(A)で示されるモデルを図2(B)で示されるモデルに簡略化できることを認識した。減速機の軸の共振周波数fWGRは、以下の式2のように求めることができる。
fWGR=(1/2π)・[(nM2・KWG)・{(JH)+(nM2・JM)}/{(JH)・(nM2・JM)}]0.5 ・・・式2
試作の電動パワーステアリング装置における各種のパラメータを式2に代入すると、減速機の軸の共振周波数fWGRは、ほぼ40[Hz]である。この値は、図1(A)で示される2番目の極大値に対応する周波数fとほぼ一致し、図1(A)で示される2番目の極大値が減速機の軸の共振周波数fWGRに起因していることを理解することができる。
図2(A)の例において、電動パワーステアリング装置における回転運動等の運動方程式は、以下の式3〜式7のように求めることができる。
TH=JH・{d2(θH)/dt2}+CC・{d(θH)/dt}+K1・(θH−θP) ・・・式3
TW=(JW/nG2)・{d2(θP)/dt2}+(CW/nG2)・{d(θH)/dt}+K1・(θP−θH)+nM2・KWG{θP−(θWG/nM)} ・・・式4
TM=JM・{d2(θWG)/dt2}+CM・{d(θWG)/dt}+KWG・{θWG−(nM・θP)} ・・・式5
Tdet=K1・(θH−θP) ・・・式6
TW=−KW・θW=−KW・(θP/nG2) ・・・式7
式3〜式7をラプラス変換することによって上述の式1の伝達関数G(s)を得ることができる。
なお、図2(A)の例において、電動機の軸での補助トルクTMは、電動パワーステアリング装置のアシスト制御によって、入力軸での検出トルクTdetから求めることができる。検出トルクTdetは増幅部で増幅後の検出トルクTBに増幅されて、検出トルクTBは電動機制御部で補助トルクTMに変換される。この時、電動機制御部は、例えば減速機の軸での回転角θWG及び角速度ωWG等を考慮することができる。
本発明の1つの目的は、良好な操舵フィーリングを維持しながら、操舵系と電動機との間に設けられる減速機の軸において発生し得る振動、異音等の異常を抑制可能な電動パワーステアリング装置を提供することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び好ましい実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
本発明に従う第1の態様は、 操舵系に減速機を介して補助トルクを付与する電動機と、
少なくとも前記操舵系の操舵トルクに応じて、前記補助トルクの目標信号の基準となるベース信号を演算するベース信号演算部と、
少なくとも前記操舵系又は前記減速機の軸の回転速度に応じて、前記補助トルクを補正する補正信号を演算する補正信号演算部と、
を備え、
前記補正信号演算部は、前記回転速度のうちの低周波成分を抑制する周波数整形部を有し、前記補助トルクを前記回転速度のうちの高周波成分で補正し、
前記周波数整形部は、前記低周波成分を抽出するローパスフィルタを有し、前記回転速度から前記低周波成分を減算して、前記高周波成分を生成することを特徴とする電動パワーステアリング装置に関係する。
ベース信号に基づき補助トルクで良好な操舵フィーリングを運転者に与えている場合であっても、補助トルクは、減速機の軸において発生し得る振動、異音等の異常の原因となる減速機の軸の共振周波数成分を含むことがある。一般に、例えば10[Hz]以下の周波数領域で操舵フィーリングが決定されるので、回転速度のうちの所定値(例えば操舵の周波数10[Hz]に相当する回転速度の周波数10[Hz])よりも高い高周波成分で補助トルクを補正させることにより、操舵フィーリングを維持しながら、ベース信号又は補助トルクに含まれる減速機の軸の共振周波数成分を抑制することができる。なお、運転者が操向ハンドルを操舵する時の周波数の上限は、10[Hz]程度であり、言い換えれば、通常、10[Hz]よりも高い操舵の周波数で運転者は操向ハンドルを操舵することができない。従って、運転者の操舵の周波数の上限である例えば10[Hz]に相当する回転速度の周波数10[Hz]よりも高い回転速度の高周波成分で補助トルクを補正させることが好ましい。
そして、周波数整形部は、低周波成分を抽出するローパスフィルタを有し、回転速度から低周波成分を減算して、高周波成分を生成する。すなわち、回転速度から、回転速度の高周波成分を抽出する時に、ローパスフィルタを利用することができる。言い換えれば、例えばハイパスフィルタだけで高周波成分を抽出する時に、高周波成分にノイズが増幅し得るので、ローパスフィルタを利用することで、高周波成分を安定させることができる。
第1の態様において、前記周波数整形部は、前記高周波成分と前記回転速度の絶対値とを乗算して、前記補正信号を生成してもよい。
回転速度から、回転速度の高周波成分を抽出する時に、回転速度の高周波成分は、位相の変化を伴う。一方、回転速度の絶対値は、位相の変化を伴わない。回転速度の高周波成分と回転速度の絶対値とを乗算して補正信号を生成することで、高周波成分を抽出する時の位相の変化を低減することができる。このような補正信号によって補助トルクが生成されるので、補正信号は、入力である回転速度に対して補助トルクを安定させることができる。
第1の態様において、電動パワーステアリング装置は、
少なくとも前記回転速度に応じて、前記ベース信号を補正するダンパ補正信号を演算するダンパ補正信号演算部を
さらに備えてもよく、
前記補助トルクは、前記補正信号の前記高周波成分と前記ダンパ補正信号との双方によって補正されてもよい。
ダンパ補正信号でステアリング系の粘性を補償することができ、補正信号の高周波成分は、ダンパ補正信号から独立している。従って、補正信号の高周波成分を独立に調整することで、ベース信号又は補助トルクに含まれる減速機の軸の共振周波数成分を更に抑制することができる。
第1の態様において、操向ハンドルでの前記操舵トルクから前記減速機の軸の前記回転速度までの伝達関数のゲイン特性において、前記減速機の減速比に応じた極大値は、10[Hz]よりも高い周波数領域に存在してもよく、
前記高周波成分は、前記極大値を減少させてもよい。
操向ハンドルでの操舵トルクから減速機の軸の回転数を経由して出力軸での回転角(転舵輪の切れ角)までの全体としての伝達関数ではなく、操向ハンドルでの操舵トルクから減速機の軸の回転速度までの伝達関数を解析して、減速機の軸の共振周波数に対応するゲイン特性上の極大値を発見することができる。この極大値が補正信号の高周波成分によって減少することで、減速機の軸において発生し得る振動、異音等の異常を抑制することができる。
第1の態様において、前記操舵系又は前記減速機の軸の前記回転速度は、前記減速機の軸の角速度であってもよい。
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
以下に説明する好ましい実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
図3は、本発明に従う電動パワーステアリング装置の具体的構成例を示す。本発明は、図3の例に限定されず、概略構成例で本発明に従う電動パワーステアリング装置を構成することができる。言い換えれば、本発明は、図3の例に示される構成要素のすべてを備える必要はない。
図3の例において、電動パワーステアリング装置100は、概略構成例として、操舵系(例えばピニオン軸5)に減速機12,13を介して補助トルクTMを付与する電動機11と、電動機11の電動機電流Iを制御する電動機制御部200,60と、を備えている。図5、図8等で後述するように、電動パワーステアリング装置100又は制御装置200は、電動機制御部200,60として、ベース信号演算部220と、補正信号演算部と、を備えている。ベース信号演算部220は、少なくとも操舵系の操舵トルク(例えば検出トルクTB)に応じて、補助トルクTMの目標信号IMの基準となるベース信号DTを演算する。また、補正信号演算部(例えば制動信号演算部226)は、少なくとも操舵系又は減速機の軸の回転速度(減速機12,13の軸の回転角θWGの微分である角速度ωWG)に応じて、補助トルクTMを補正する補正信号(例えば制動信号IBRK)を演算する。
ベース信号DTに基づき補助トルクTMによるアシストを運転者に与えている場合であっても、補助トルクTMは、減速機12,13の軸において発生し得る振動、異音等の異常の原因となる減速機の軸の共振周波数成分を含むことがある(図1(A)の周波数fが40[Hz]付近の比較例1,2での極大値を参照)。一般に、例えば10[Hz]以下の周波数領域で操舵フィーリングが決定されるので、回転速度のうちの所定値(例えば操舵の周波数10[Hz]に相当する回転速度の周波数10[Hz])よりも高い高周波成分で補助トルクTMを補正することにより、操舵フィーリングを維持しながら、減速機12,13の軸に生じる共振を抑制することができる。なお、運転者が操向ハンドル2を操舵する時の周波数の上限は、10[Hz]程度であり、言い換えれば、通常、10[Hz]よりも高い操舵の周波数で運転者は操向ハンドル2を操舵することができない。従って、運転者の操舵の周波数の上限である例えば10[Hz]に相当する回転速度の周波数10[Hz]よりも高い回転速度の高周波成分で補助トルクを補正させることが好ましい。
図3の例において、電動パワーステアリング装置100は、以下のように、概略構成例以外の構成要素を備えることができる。操向ハンドル2(例えばステアリングホイール)が設けられたメインステアリングシャフト3と、シャフト1と、ピニオン軸5とが、2つのユニバーサルジョイント(自在継手)4,4によって連結され、また、ピニオン軸5の下端部に設けられたピニオンギア7は、車幅方向に往復運動可能なラック軸8のラック歯8aに噛合し、ラック軸8の両端には、タイロッド9,9を介して左右の転舵輪10,10(例えば前輪)が連結されている。この構成により、電動パワーステアリング装置100は、操向ハンドル2の操舵時に車両の進行方向を変えることができる。ここで、ラック軸8、ラック歯8a、タイロッド9,9は転舵機構を構成する。なお、ピニオン軸5は、その下部、中間部、上部を軸受6a,6b,6cを介してステアリングギアボックス20に支持されている。
また、電動機11の出力軸に設けられたウォームギア12が、ピニオン軸5に設けられたウォームホイールギア13に噛合している。図3の例において、減速機12,13は、ウォームギア12とウォームホイールギア13とで構成されているが、例えば特許文献3の図1で示されるようなボールねじ機構で構成してもよい。減速機12,13の軸は、例えば電動機11の出力軸又はウォームギア12の軸、ボールねじ機構のねじ軸等である。なお、一般的には、「ウォームギア」それ自身を減速機と呼ぶ時、「ウォームギア」は、「ウォーム」と「ウォームホイール」とで構成されるが、本明細書(及び特許請求の範囲)において、ウォームギア12は、減速機12,13の一部の構成要素を意味し、一般的な「ウォーム」のギアを意味している。
操舵系(ステアリング系)は、ピニオン軸5、ラック軸8、ラック歯8a、タイロッド9,9等を含んで操向ハンドル2から転舵輪10,10に至り、補助トルク機構(アシストトルク機構)を含んでいない。操舵系に補助トルクTMを与える補助トルク機構は、減速機12,13、電動機11、トルクセンサ30、制御装置200等を含んで、補助トルク機構は、操向ハンドル2を操舵することによって操舵系、例えばピニオン軸5(入力軸)に発生する操舵トルク(検出トルクTdet)をトルクセンサ30等のトルク検出部で検出し、この検出信号を差動増幅回路40等の増幅部で増幅し、この増幅信号TBに基づき制御装置200でベース信号DTを発生し、このベース信号DTに基づき操舵トルクTH、検出トルクTdetに応じた補助トルクTMを電動機11で発生し、減速機12,13を介して補助トルクTMをピニオン軸5に伝達する。
なお、補助トルクTMが操舵系に与えられる箇所によって、電動パワーステアリング装置100は、ピニオンアシスト型、ラックアシスト型、コラムアシスト型等に分類することができる。図3の電動パワーステアリング装置100は、ピニオンアシスト型を示しているが、電動パワーステアリング装置100は、ラックアシスト型、コラムアシスト型等に適用してもよい。
補助トルクTMは、例えばピニオン軸5で操舵トルクTH又は検出トルクTdetと加えられて、複合トルクTPが生成される。複合トルクTP(操舵トルクTH(又はTdet)及び補助トルクTMの合成)は、ピニオン軸5から、ピニオンギア7、ラック歯8a、タイロッド9,9等の減速機構に伝達され、操向ハンドル2での操舵トルクTH又はピニオン軸5での復合トルクTPによって、転舵輪10,10が転舵されて、転舵輪10,10の切れ角が変化する。
好ましくは、車速Vは、車速センサ35によって検出され、車速センサ35からの車速信号VSは、制御装置200又はベース信号演算部220に入力されて、補助トルクTMの目標信号IMの基準となるベース信号DTは、例えば検出トルクの増幅信号であるTB及び車速V(又は車速信号VS)の双方に応じて演算される。
図4は、操舵トルクTH及び車速信号VSと目標信号IMとの関係、即ち操舵トルクTH及び車速信号VSの双方に基づいて目標信号IMを決定できるベースマップの1例を示す。図4の例において、例えば6本の曲線が示され、6本の曲線の各々は、車速Vに対応している。車速Vが0[km/h]を示し、車両が停止している時には、同一の操舵トルクTHに対して目標信号IM又は電動機電流が最大となる一方、車速Vが最高車速[km/h]を示している時には、同一の操舵トルクTHに対して目標信号IM又は電動機電流が最小となる。車速信号VSが大きい時に目標信号IMを小さくすることによって、高速領域では、補助トルクTMが小さくなり、急激な操舵を抑制することができる。なお、最高車速は、車両の重量、大きさ等の車両特性に依存し、車両の種類に応じて設定することができ、車両が実際に走行可能な最高車速でもよく、ベースマップで設定されている最高車速でもよい。
また、図4の例において、ベースマップは、例えば6本の曲線を含んでいるが、ベースマップに含まれる曲線の数は、2本でもよく、3本から5本でもよく、7本以上でもよい。さらに、ベースマップが含む曲線は、1本又は複数の例えば直線に変更してもよく、ベースマップは、車速V毎に決められた特性を有していればよい。図4の例において、ベースマップは、例えば検出トルクの増幅信号TB及び車速信号VSと目標信号IMとの関係を記述してもよい。図3の制御装置200は、ベースマップ内の検出トルクの増幅信号TB及び車速信号VSの双方を参照することで、目標信号IMを決定することができる。具体的には、図4で示されるような特性を数式で表し、その数式に検出トルクの増幅信号TB及び車速信号VSを代入して、目標信号IMを算出又は決定してもよく、或いは、図4で示されるような特性をテーブルで表し、そのテーブルから、検出トルクの増幅信号TB及び車速信号VSに対応する目標信号IMを抽出又は決定してもよい。
なお、ベースマップは、例えば操舵トルクTH(又は検出トルクの増幅信号TB)及び車速信号VSと目標信号IMとの関係を示しているが、車速Vの代わりに、車両の走行状態を表す走行パラメータ、例えばエンジン回転数を用いて、ベースマップを構築してもよく、或いは、車速V、エンジン回転数等の走行パラメータを省略して、例えば操舵トルクTHと目標信号IMとの関係を示すベースマップを構築してもよい。
制御装置200又は制動信号演算部226は、操舵系又は減速機12,13の軸の回転速度に応じて、ベース信号DT又は目標信号IMを補正する補正信号又は制動信号IBRKを演算する。図3の例において、電動パワーステアリング装置100は、レゾルバ50等の回転速度検出部を備え、レゾルバ50は、電動機11の電動機回転角θmを検出する。電動機11は、例えば3相のブラシレスモータであり、3相のブラシレスモータの回転子の回転角(電動機回転角θm)は、ウォームギア12の回転角と一致する。電動機回転角θmと一致するウォームギア12の回転角信号θWGは、制御装置200又は制動信号演算部226に入力されて、回転角信号θWGが微分されて、補正信号又は制動信号IBRKは、例えばウォームギア12の角速度信号ωWGに応じて演算される。
ウォームギア12の角速度信号ωWGは、減速機12,13の軸の回転速度の1例であり、制動信号IBRKは、例えばウォームギア12の回転数信号に応じて演算されてもよく、或いは、制動信号IBRKは、操舵系の軸の回転速度の1例である例えばピニオン軸5の回転数信号に応じて演算されてもよい。
電動機駆動手段60は、例えば3相のFETブリッジ回路のような複数のスイッチング素子を備え、制御装置200からのDUTY(DUTYU,DUTYV,DUTYW)信号を用いて、例えば正弦波電圧を生成し、電動機11を駆動する。また、電動機駆動手段60は、図示しない例えばホール素子を用いて3相の電動機電流I(IU,IV,IW)を検出する機能を備えている。制御装置200は、例えば電動機駆動手段60によって検出された電動機電流Iが目標信号IMに一致するように、DUTY信号を設定することができる。
図5(A)は、制動信号演算部226の構成例を示し、図5(B)は、図5(A)の制動信号演算部226の改良例を示す。図5(A)の例において、制動信号演算部226又は補正信号演算部は、例えばウォームギア12の角速度信号ωWGに応じて制動信号IBRK又は補正信号を演算し、角速度信号ωWGのうちの低周波成分を抑制する周波数整形部を有している。角速度信号ωWGが所定値(例えば操舵の周波数10[Hz]に相当する角速度信号ωWGの周波数10[Hz])以下の低周波成分と所定値よりも高い高周波成分とを含む時に、周波数整形部から出力される制動信号IBRKは、主として、角速度信号ωWGの高周波成分を有する。周波数整形部は、角速度信号ωWGのうちの低周波成分を抽出するローパスフィルタLPFを有し、角速度信号ωWGから低周波成分を減算して、信号HPFを出力する。角速度信号ωWGが低周波成分と高周波成分とを含む時に、周波数整形部から出力される信号HPFは、低周波成分以外の高周波成分のみで構成され、図5(A)に示される周波数整形部は、ハイパスフィルタに相当する。
ローパスフィルタLPFは、以下の式8のように例えば1次のローパスフィルタ型の伝達関数で表すことができ、周波数整形部も、以下の式9のように例えば1次のハイパスフィルタ型の伝達関数で表すことができる。τは、時定数である。
ローパスフィルタLPFの伝達関数=1/(1+τ・s) ・・・式8
図5(A)の周波数整形部の伝達関数=1−{1/(1+τ・s)}={τ・s/(1+τ・s)} ・・・式9
図5(A)の例において、制動信号演算部226は、周波数整形部から出力される信号HPFである{τ・s/(1+τ・s)}・ωWGと係数KBRKとを乗算し、リミッタを介して制動信号IBRKを生成することができる。ベース信号DT又は補助トルクTMに含まれるウォームギア12の共振周波数成分を十分に抑制できるように、伝達関数を規定する時定数τ及び信号HPFのゲインを規定する係数KBRKを調整又は設定することが好ましい。また、電動機電流Iが電動機11に通電できる最大電流値を超えないように、制動信号IBRKの上限及び下限を制限するリミッタを設置することが好ましい。
図5(B)の例において、制動信号演算部226の周波数整形部は、ハイパスフィルタから出力される信号に相当する信号HPFのゲインを設定する係数KBRK'を有することができ、更に、KBRK'・{τ・s/(1+τ・s)}・θWGと例えばウォームギア12の角速度信号ωWGの絶対値を取得することができる。周波数整形部は、乗算器を有して、リミッタを通過する前の制動信号IBRKを以下の式10のように、演算することができる。
図5(B)の制動信号IBRK=KBRK'・{τ・s/(1+τ・s)}・ωWG・|ωWG| ・・・式10
図6(A)、図6(B)及び図6(C)は、角速度信号ωWGが正弦波であり、且つ正弦波の周波数を変化させた時の図5(B)の制動信号IBRKの波形の表示例を示す。図6(A)、図6(B)及び図6(C)での正弦波の周波数は、それぞれ、50[Hz]、10[Hz]及び1[Hz]であり、角速度信号ωWGの最大角速度(振幅)が25[rad/sec](=2π・4[rad/sec])である。
図6(A)、図6(B)及び図6(C)において、符号ωWGは、正弦波である角速度信号ωWGを示し、角速度信号ωWGの波形は、一点鎖線で表されている。図6(A)の例において、正弦波である角速度信号ωWGは、例えば25[rad/sec]である最大角速度を振幅として有し、その振幅は50[Hz]で変化又は振動している。図6(B)の例において、正弦波である角速度信号ωWGは、例えば25[rad/sec]である最大角速度を振幅として有し、その振幅は10[Hz]で変化又は振動している。図6(C)の例において、正弦波である角速度信号ωWGは、例えば25[rad/sec]である最大角速度を振幅として有し、その振幅は1[Hz]で変化又は振動している。
図6(A)、図6(B)及び図6(C)において、符号HPFは、図5(B)で示される係数KBRK'に入力される信号HPFを示し、図5(A)で示される周波数整形部から出力される信号HPFに相当する。信号HPFの波形は、二点鎖線で表されている。図6(A)、図6(B)及び図6(C)において、符号IBRKは、図5(B)で示される制動信号演算部226から出力される制動信号IBRKを示し、制動信号IBRKの波形は、実線で表されている。
このように、図6(C)側又は低周波側で、制動信号IBRK(実線)の振幅は小さい一方、図6(A)側又は高周波側で、制動信号IBRK(実線)の振幅は大きい。このような制動信号IBRKの特性は、式10中の{τ・s/(1+τ・s)}・ωWGの成分(ハイパスフィルタ相当成分)に起因している。また、信号HPF(二点鎖線)は、正弦波である角速度信号ωWG(一点鎖線)に対して位相が変化している一方、制動信号IBRK(実線)は、角速度信号ωWG(一点鎖線)に対して位相の変化が低減されている。このような制動信号IBRKの特性は、式10中の|ωWG|成分(角速度の絶対値成分)に起因している。
図7(A)、図7(B)及び図7(C)は、角速度信号ωWGが正弦波であり、且つ正弦波の周波数を変化させた時の図5(B)の制動信号IBRKの波形の他の表示例を示す。図7(A)、図7(B)及び図7(C)での正弦波の周波数は、それぞれ、50[Hz]、10[Hz]及び1[Hz]であり、角速度信号ωWGの最大角速度(振幅)が57[rad/sec](=2π・9[rad/sec])である。
図7(A)、図7(B)及び図7(C)において、図6(A)〜図6(C)と同様に、符号ωWG、符号HPF及び符号IBRKは、それぞれ、一点鎖線、二点鎖線及び実線に対応する。図7(A)、図7(B)及び図7(C)において、符号|ωWG|は、角速度信号ωWGの絶対値信号を示し、絶対値信号の波形は、点線で表されている。図6(A)〜図6(C)と比較して、図7(A)〜図7(C)における角速度信号ωWGの最大角速度(振幅)が増加すると、|ωWG|の最大値も増加する。言い換えれば、式10中のωWG・|ωWG|成分(角速度の二乗成分)に起因して、角速度信号ωWGの最大角速度(振幅)が増加すると、制動信号IBRKのスイング又は最大値が大きくなる。
図8は、図3の制御装置200の具体的構成例を示す。図3の制御装置200は、図8の例に限定されず、概略構成例で本発明に従う制御装置200を構成することができる。言い換えれば、制御装置200は、図8の例に示される構成要素のすべてを備える必要はない。
図8の例において、制御装置200は、概略構成例として、ベース信号演算部220と、補正信号演算部又は制動信号演算部226と、を備えている。制御装置200は、以下のように、概略構成例以外の構成要素を備えることができる。制御装置200は、ダンパ補正信号演算部を更に備えることが好ましい。ここで、補正信号演算部(例えばダンパ補償信号演算部225)は、少なくとも操舵系又は減速機の軸の回転速度(例えば減速機12,13の軸の回転角θWGの微分である角速度ωWG)に応じて、ベース信号DTを補正するダンパ補正信号(例えばダンパ補償信号IDMP)を演算することができる。ダンパ補正信号IDMPで操舵系の粘性を補償することができる。
好ましくは、車速センサ35からの車速信号VSは、ダンパ補償信号演算部225に入力されて、ダンパ補償信号IDMPは、例えばウォームギア12の角速度ωWG(又は角速度信号)及び車速V(又は車速信号VS)の双方に応じて演算される。上述のように、好ましくは、ベース信号DTは、例えば検出トルクの増幅信号TB及び車速V(又は車速信号VS)の双方に応じて演算される。
図9(A)は、検出トルクの増幅信号TB及び車速信号VSとベース信号DTとの関係の1例を示し、図9(B)は、角速度ωWG及び車速信号VSとダンパ補償信号IDMPとの関係の1例を示す。
図9(A)の例において、ベース信号演算部220のベーステーブル220aが表すベースマップによれば、検出トルクの増幅信号TBが小さい時にベース信号DTがゼロに設定される不感帯N1がベースマップに設けられ、検出トルクの増幅信号TBがこの不感帯N1よりも大きくなるとベース信号DTはゲインG1で直線的に増加する。また、検出トルクの増幅信号TBが第1の所定値よりも大きくなるとベース信号DTはゲインG2で直線的に増加し、さらに検出トルクの増幅信号TBが第1の所定値よりも大きくなるとベース信号DTは飽和する。加えて、車速信号VSによりゲインG1,G2及び不感帯N1が調整される。具体的には、車速信号VSが大きくなる時に、ベース信号演算部220は、ゲインG1,G2を低く、かつ、不感帯N1を大きく設定することができる。
なお、運転者が例えば左に操向ハンドル2を操作した時に検出トルクの増幅信号TBが正である一方、運転者が例えば右に操向ハンドル2を操作した時に検出トルクの増幅信号TBが負である場合、負である検出トルクの増幅信号TBに対してベース信号DTも負になるように、ベースマップを設定することができる。言い換えれば、図9(A)で示されるベースマップは、第1象限でのベース信号DTの特性を表しているが、第1象限でのベース信号DTの特性を原点0に対して対象である第3象限でのベース信号DTの特性で、負である検出トルクの増幅信号TBに対処することができる。
図9(B)の例において、ダンパ補償信号演算部225のダンパテーブル225aが表すダンパマップによれば、ウォームギア12の角速度ωWGが大きく時に、ダンパ補償信号IDMPが増加するとともに、車速信号VSが小さくなる時に、ダンパ補償信号IDMPが減少する。なお、ベースマップと同様に、不感帯がダンパマップに設けられてもよい。また、ダンパマップは、第1象限でのダンパ補償信号の特性だけでなく、第3象限でのダンパ補償信号の特性を表すことができる。
図8の例において、制御装置200は、イナーシャ補償信号演算部210を備えることができる。ここで、イナーシャ補償信号演算部210は、少なくとも操舵系の例えば検出トルクの増幅信号TB)に応じて、ベース信号DTを補正するイナーシャ補償信号を演算することができる。イナーシャ補償信号演算部210は、電動機11の回転子の慣性による応答性の低下を補償している。例えば、イナーシャ補償信号は、例えば検出トルクの増幅信号TBの微分に応じて演算される。イナーシャ補償信号演算部210のイナーシャテーブル215aが表すイナーシャマップによれば、検出トルクの増幅信号TBの微分が大きくなる時にイナーシャ補償信号を大きく設定することができる。
制御装置200は、Q軸(トルク軸)PI制御部240と、D軸(磁極軸)PI制御部245と、加算器250,251,252,253と、2軸3相変換部260と、PWM変換部270と、3相2軸変換部265と、電動機速度算出部280と、励磁電流生成部285とを更に備えることができる。
加算器251は、ベース信号演算部220のベース信号DTとダンパ補償信号演算部225のダンパ補償信号IDMPの反転信号と制動信号演算部226の制動信号IBRKの反転信号とを加算する。言い換えれば、加算器251は、ベース信号演算部220のベース信号DTから、ダンパ補償信号演算部225のダンパ補償信号IDMPと制動信号演算部226の制動信号IBRKとの双方を減算する。この場合、ダンパ補償信号IDMPと制動信号IBRKとが独立して生成されているので、操舵系の粘性の補償とウォームギア12の軸の振動、異音等の異常の抑制とを独立して調整することが容易である。
なお、ダンパ補償信号演算部225と制動信号演算部226とを統合して、制御装置200は、1つの補正信号演算部を備えてもよい。言い換えれば、制御装置200は、制動信号演算部226の代わりに、ダンパ補償信号演算部225と電動機速度算出部280との間に、図5(A)又は図5(B)で示されるような周波数整形部を設けてもよい。この場合、ウォームギア12の軸の振動、異音等の異常の抑制可能な1つの補正信号(ダンパ補償信号と制動信号との合成)を簡易に生成できるが、加算器251は、ベース信号DTから1つの補正信号を減算するので、操舵系の粘性の補償と振動、異音等の異常の抑制とを独立して調整することが容易でない。
加算器250は、加算器251の出力信号とイナーシャ補償信号演算部210の出力信号とを加算して、目標信号IMが加算器250で生成される。図8の例において、目標信号IMは、電動機11での補助トルクTMを規定するQ軸電流の目標信号である。
加算器252は、目標信号IM(目標電流)からQ軸電流IQを減算して、偏差信号IEが加算器252で生成される。Q軸(トルク軸)PI制御部240は、偏差信号IEが減少するように、PI制御を行う。ここで、Q軸電流IQは、3相2軸変換部265からの出力信号であり、3相2軸変換部265は、電動機11の3相電流IU,IV,IWを、Q軸電流IQ及びD軸電流IDに変換する。なお、D軸は、電動機11の回転子の磁極軸であり、Q軸は、このD軸に対して電気的に90度回転した軸である。D軸電流IDは、加算器253に入力される。
励磁電流生成部285は、D軸電流IDの目標信号を生成し、加算器253は、励磁電流生成部285の出力信号(目標信号)からD軸電流IDを減算する。D軸(磁極軸)PI制御部245は、加算器253の出力信号(偏差信号)が減少するようにPI帰還制御を行う。
2軸3相変換部260は、Q軸(トルク軸)PI制御部240の出力信号VQとD軸(磁極軸)PI制御部245の出力信号VDとの2軸信号を3相信号UU,UV,UWに変換する。PWM変換部270は、3相信号Vu,Vv,Vwの大きさに比例したパルス幅のON/OFF信号(PWM信号)であるDUTY信号(DUTYU,DUTYV,DUTYW)を生成する。なお、電動機11の電動機回転角θmと一致するウォームギア12の回転角信号θWGは、2軸3相変換部260、PWM変換部270及び電動機速度算出部280に入力され、電動機速度算出部280は、角度信号θWGを微分演算して角速度信号ωWGを生成する。
図10は、本発明に従う電動パワーステアリング装置100における評価関数の周波数特性(伝達関数のゲイン特性)を示す。図10の例において、図1(A)と同様に、評価関数Evとして、操舵トルクTH(s)からウォームギア12の軸の角速度ωWG(s)までの伝達関数G(s)が設定され、図1(A)の比較例1及び比較例2も示されている。図10の例において、比較例1及び比較例2は、それぞれ一点鎖線及び二点鎖線で示され、実施例は、実線で示されている。図10の例において、減速比12,13の減速比nMに応じた極大値は、周波数fが40[Hz]付近の比較例1での極大値であり、10[Hz]よりも高い周波数領域に存在している。比較例1での極大値の存在は、ウォームギア12の軸の角速度ωWGの元であるベース信号又は補助トルクにウォームギア12の軸の共振周波数成分が含まれていることを意味している。従って、この共振周波数成分を抑制する信号を本発明により加算することによって、伝達関数G(s)のゲイン特性上の周波数fが40[Hz]付近の極大値を減少させることができる。
周波数fが40[Hz]付近の実施例での極大値は、実施例において、共振周波数成分を抑制する信号となる補正信号(例えば制動信号IBRK)を追加する電動パワーステアリング装置において、ウォームギア12の軸の振動、異音等の異常の発生が抑制されることを意味している。加えて、周波数fが1[Hz]付近の実施例での極大値は、周波数fが1[Hz]付近の比較例1での極大値とほぼ一致している。言い換えれば、周波数fが1[Hz]付近の実施例での極大値は、実施例において滑らかな操舵が維持されていることを意味している。
なお、制動信号IBRKを用いないで、比較例1において例えばウォームギア12、ウォームホイールギア13等の材質を変更して、剛性を高め、ウォームギア12の軸の共振周波数成分を抑制することも考えられる。しかしながら、減速機12,13の製造コストが増加してしまう。本発明に従う実施例では、減速機12,13の材質を変更しないで、電動機11の出力トルクTMを制動信号IBRKで制御することによって、この共振周波数成分を抑制している。制動信号IBRKは、例えば、上述の式10で示されるように角速度信号ωWGの二乗の成分を用いて算出することができるが、例えば指数関数的に算出してもよい。
また、例えばウォームホイール13は、一般的に樹脂で構成され、エンジンルーム等の環境の温度によりウォームホイール13の硬度が変化しやすい。ウォームホイール13の硬度が変化するとウォームホイール13の剛性も当然変化する為、温度によりウォームギア12の軸の共振周波数が変化する虞がある。本発明に従う実施例では、常用域以外の周波数すべてに(即ち、10[Hz]以上)、共振周波数成分を抑制するように制動信号IBRKを掛けるので、ウォームホイール13等の環境温度変化に対応することが可能である。言い換えれば、例えば図5(A)、図5(B)に示される周波数整形部がハイパスフィルタに相当させることで、減速機12,13の環境温度変化に対する耐性を高めることができる。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。