JP5942871B2 - 車両の車体構造 - Google Patents
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Description
このような閉断面部を有する車体部材において、軽量でありながら乗り心地性能を向上させるために、当該車体部材に伝達される振動を低減するように構成した諸種の技術が知られている。
上述の車体部材は、フロアフレーム、サイドシル、フロントピラー、センタピラー、リヤピラー、ルーフレール、フロアクロスメンバ等の車両用フレームに設定してもよい。
また、上述の剛結合部は、スポット溶接などによる溶接接合、接着剤による接着接合、ボルト、ナットなどの締結部材による締結結合により構成してもよい。
また、閉断面部の閉断面方向に略平行な第1柔結合部で、ねじりモードと菱形モードとの振動を減衰することができ、閉断面部の閉断面方向に略垂直な第2柔結合部で、曲げモードの振動を減衰することができる。よって、振動減衰効果を高めることができる。
要するに、剛性を確保しつつ、振動を効果的に抑制することができ、特に、ねじりモードおよび菱形モードの振動を減衰するのみならず、曲げモードの振動をも減衰することで、振動減衰効果を高めることができ、よって、乗り心地を向上させ、また騒音の低減を図ることができる。
因に、貯蔵弾性率が0.6MPa未満の場合や500MPaを超過する場合には、歪エネルギ分担率が不充分となる。
上述の曲げモードの折れ点とは、曲げモードの時に曲率が最大となる部位を意味する。
すなわち、柔結合部の減衰効果は、基本的に変形量が大きい部位ほど高くなるので、第1柔結合部を、車体部材の曲げモードの折れ点を含むように配設することで、振動減衰効果をさらに高めることができる。
すなわち、曲げモードにおいて上記フレーム部材の幅方向の中央部は閉断面部の内外方向へ変形する。その際の変形度合が最も大きい幅方向中央部に第2柔結合部を設けることにより、当該曲げモードの振動減衰効果をさらに高めることができる。
図面は車両の車体構造を示し、図1は当該車体構造を示す斜視図、図2はその縦断面図、図3は図1の要部拡大斜視図である。
図1〜図3において、断面ハット状部材10と、平板としてのパネル部材20(図2参照)とで閉断面部30を形成したフレーム部材40を設け、このフレーム部材40で車体部材を構成している。
また、上述のパネル部材20としては偏平な平板部材を例示したが、これは断面ハット状部材10と同様に断面がハット形状の部材であってもよい。
2つの部材(断面ハット状部材10とパネル部材20)により形成され閉断面部30を有するフレーム部材40の内部には、補強体としての節部材50,60を設けるが、この実施例では、図1に示すように、閉断面部30の閉断面方向(矢印X方向)に略平行な第1節部材50と、閉断面部30の閉断面方向(矢印X方向)に略垂直(矢印Y方向参照)な2つの第2節部材60,60とを設け、矢印X方向に延びる第1節部材50に対して、矢印Y方向に延びる2つの第2節部材60,60が交差するように設けられており、断面ハット状部材10の開放方向から見て、これら各節部材50,60を十字状に組合せている。
ここで、閉断面方向は深さ方向と幅方向とに平行な方向、すなわち、第1節部材50に平行な方向である。
また、同図に示すように、上述の各第2節部材60,60は、平板状の節本体61と、この節本体61の第1節部材50側に一体に折曲げ形成された接合フランジ62と、節本体61の上下両端部に一体に折曲げ形成された接合フランジ部63,64とを備えている。
ここで、上述の各接合フランジ部52,53,62は、閉断面部30の深さ方向に延びており、各接合フランジ部54,55は矢印X方向に延びており、また各接合フランジ部63,64は矢印Y方向に延びている。
また、図2に示すように、第1節部材50の一方の側部の接合フランジ部52を断面ハット状部材10の対応する側壁12内面に当接させ、これら両者52,12を複数のスポット溶接部c,cにて接合固定している。
つまり、閉断面部30と補強体である第1、第2の各節部材50,60との接合部は、互に当接した状態で結合された剛結合部を有し、この実施例では各スポット溶接部b,c,d,eが剛結合部を形成するものである。なお、各スポット溶接部b,c,d,eによる溶接箇所の数は図示実施例の数に限定されるものではない。
上述の剛結合部としては、上述のスポット溶接部に代えて、ボルト、ナットなどによる締結結合部であってもよく、あるいは、接着剤による接着接合部であってもよい。ここで、剛結合の接着接合に用いる接着剤は、温度が20℃、かつ加振力の周波数が30Hzである条件下において、貯蔵弾性率が2000MPa以上で、かつ、損失係数が0.05以下である粘弾性部材を用いる。
しかも、上述の柔結合部71,72は、閉断面部30の閉断面方向(矢印X方向)に略平行な第1柔結合部71と、閉断面部30の閉断面方向(矢印X方向)に略垂直な方向(矢印Y方向)の第2柔結合部72と、を備えている。
また、上述の矢印Y方向に延びる2つの第2柔結合部72,72が、矢印X方向に延びる1つの第1柔結合部71と交差して、断面ハット状部材10の開放方向から見て十字状となるように設けられており、これにより、第2柔結合部72,72による曲げモードの振動減衰効果を大きくすべく構成している。
曲げモードの折れ点は、フレーム部材40を構成する断面ハット状部材10の肉厚と、パネル部材20の肉厚とが、その長手方向に均一で、かつ断面形状が長手方向に均一な場合には、拘束部80,80の中間、詳しくは、中央部に形成される。
そこで、上述の第1柔結合部71が、曲げモードの折れ点を含むように、拘束部80,80の中央部位または略中央部位を含むように配設しており、これにより振動減衰効果をさらに高めるように構成している。
フレーム部材40をフロアクロスメンバに適用する場合には、拘束部80はサイドシルとトンネル部とに設定され、フレーム部材40をセンタピラーに適用する場合には、拘束部80はルーフサイドレールとサイドシルとに設定され、フレーム部材40をダッシュクロスメンバに適用する場合には、拘束部80は左右のヒンジピラーに設定され、このように上記拘束部80はフレーム部材40の長手方向両端を拘束する他の車体部材に設定されるものである。
つまり、フレーム部材40はフランジ部14,15の面に平行な方向よりも、図4に示すように、フランジ部14,15の面と垂直な方向へ曲げモードが発生しやすいので、曲げモードが大きくなる上述の内壁部21に柔結合部71,72を設けることで、振動減衰効果、特に、曲げモードの振動減衰効果をさらに高めるように構成したものである。
すなわち、曲げモードにおいて、フレーム部材40の幅方向の中央部は閉断面部30の内外方向へ変形する。例えば、パネル部材20が図2において図示上方に膨らんだり、または図示下方に凹んだりする(曲げモードにおける断面方向の変形)。その際の変形度合が最も大きくなる幅方向中央部に上述の第2柔結合部72を設けることにより、当該曲げモードの振動減衰効果をさらに高めるように構成している。
また、上述の第1および第2の各柔結合部71,72を構成する減衰部材70は、温度が20℃で、かつ加振力の周波数が30Hzである条件下において、貯蔵弾性率が図8に示すように、0.6〜500MPaの範囲で、損失係数が0.2以上である粘弾性部材により構成されている。
ここで、上述の貯蔵弾性率は0.7〜200MPaの範囲がより好ましく、0.9〜60MPaの範囲がさらに好ましい。
この解析結果から貯蔵弾性率が0.6〜500MPaの範囲の時、歪エネルギ分担率が大きく、振動減衰効果が高くなり、貯蔵弾性率が0.7〜200MPaの範囲の時、歪エネルギ分担率がより大きく、振動減衰効果がより高くなり、貯蔵弾性率が0.9〜60MPaの範囲の時、歪エネルギ分担率がさらに大きく、振動減衰効果がさらに高くなることが判明した。
さらに図3に示す矢印X方向の第1柔結合部71の長さに対して、矢印Y方向の2つの第2柔結合部72,72の長さの和が長い方が効果が高い。つまり曲げモードにおいては、閉断面方向(矢印X方向)に比較して長手方向(矢印Y方向)に曲がる曲率半径が大きくなるので、第1柔結合部71の長さより2つの第2柔結合部72,72の矢印Y方向の長さの和が長い方が振動減衰効果が高くなるものである。
図9,図10は車両の車体構造の他の実施例を示すものである。
なお、図9,図10において図3と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
図10に示すH字状のものにおいても、第1柔結合部71に加えて、第2柔結合部72を有するので、特に、曲げモードの振動減衰効果の向上を図ることができる。
図3に示す十字状のものにおいては、第2柔結合部72を有し、かつ、この第2柔結合部72が幅方向の中央に設けられているうえ、第1柔結合部71の矢印Y方向の両側に第2柔結合部72,72がそれぞれ設けられているので、T字状のものに対して、さらに高い振動減衰効果を発揮することができる。
また、閉断面部30の閉断面方向(矢印X方向)に略平行な第1柔結合部71で、ねじりモードと菱形モードとの振動を減衰することができ、閉断面部30の閉断面方向(矢印X方向)に略垂直(矢印Y方向)な第2柔結合部72で、曲げモードの振動を減衰することができ、よって、振動減衰効果を高めることができる。
要するに、剛性を確保しつつ、振動を効果的に抑制することができ、特に、ねじりモードおよび菱形モードの振動を減衰するのみならず、曲げモードの振動をも減衰することで、振動減衰効果を高めることができる。
また、上記第2柔結合部72が上記第1柔結合部71と交差するように設けられたものである(図1,図2,図3参照)。
さらに、上記第1柔結合部71が車体部材(フレーム部材40)の曲げモードの折れ点を含むように配設されたものである(図3,図9,図10参照)。
すなわち、柔結合部の減衰効果は、基本的に変形量が大きい部位ほど高くなるので、第1柔結合部71を、車体部材(フレーム部材40)の曲げモードの折れ点を含むように配設することで、振動減衰効果をさらに高めることができる。
加えて、上記車体部材が、断面ハット状部材10と平板(パネル部材20参照)とを、断面ハット状部材10のフランジ部14,15と平板(パネル部材20)とを接合して形成されたフレーム部材40、または、2つの断面ハット状部材の各フランジ部を接合して形成されたフレーム部材であって、上記柔結合部71,72が、上記フランジ部14,15と略平行な内壁部21と、上記補強体(節部材50,60参照)との間に形成されたものである(図2参照)。
また、上記第2柔結合部72が、上記フレーム部材40の幅方向の中央部を含むように設けられたものである(図3,図9参照)。
すなわち、曲げモードにおいて上記フレーム部材40の幅方向の中央部は閉断面部30の内外方向へ変形する。その際の変形度合が最も大きい幅方向中央部に第2柔結合部72を設けることにより、当該曲げモードの振動減衰効果をさらに高めることができる。
さらに、上記減衰部材70は、温度が20℃で、かつ加振力の周波数が30Hzである条件下において、貯蔵弾性率が0.6〜500MPaで、損失係数が0.2以上である粘弾性部材により構成されたものである(図8参照)。
因に、貯蔵弾性率が0.6MPa未満の場合や500MPaを超過する場合には、歪エネルギ分担率が不充分となる。
この発明の1または2以上の部材は、実施例の断面ハット状部材10とパネル部材20とに対応し、
以下同様に、
車体部材は、フレーム部材40に対応し、
補強体は、節部材50,60に対応し、
剛結合部は、スポット溶接部b,c,d,eに対応し、
平板は、パネル部材20に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
また、上記フレーム部材において曲げモードの折れ点が複数生ずることが予測される場合には、複数の曲げモードの各折れ点に対応して、第1および第2の各柔結合部71,72を設けることが好ましい。
さらに、本発明の車両の車体構造は、フロントサイドフレーム、リヤサイドフレーム、フロアクロスメンバ、ダッシュクロスメンバ、トンネルメンバ、サイドシル、フロントピラー、センタピラー、リヤピラー、クオータピラー、ヒンジピラー、ルーフサイドレール、フロアフレームなどの車両の各部位に適用することができる。
14,15…フランジ部
20…パネル部材(平板)
21…内壁部
30…閉断面部
40…フレーム部材(車体部材)
50…第1節部材(補強体)
51…平板状の節部材
52,53…接合フランジ部
60…第2節部材(補強体)
61…平板状の節本体(節部材)
63,64…接合フランジ部
70…減衰部材
71…第1柔結合部
72…第2柔結合部
b,c,d,e…スポット溶接部(剛結合部)
Claims (6)
- 1または2以上の部材により形成される閉断面部を有する車体部材の内部に結合された補強体を有する車両の車体構造であって、
上記閉断面部と補強体との接合部は、互に当接した状態で結合された剛結合部と、
上記閉断面部と補強体との間に配設された減衰部材を介して結合された柔結合部と、を有し、
上記柔結合部は、上記閉断面部の閉断面方向に略平行な第1柔結合部と、
上記閉断面部の閉断面方向に略垂直な第2柔結合部と、を備え、
上記補強体は、上記閉断面部の閉断面方向に略平行な第1節部材と、上記閉断面部の閉断面方向に略垂直な第2節部材とを備え、
上記第1節部材は、平板状の節部材と、この節部材に折曲げ形成された複数の接合フランジ部とを備えており、
上記第2節部材は、平板状の節部材と、この節部材に折曲げ形成された複数の接合フランジ部とを備えており、
上記第1柔結合部は、上記第1節部材の一の接合フランジ部と閉断面部の内壁部との間に減衰部材を介することにより形成され、
上記第2柔結合部は、上記第2節部材の一の接合フランジ部と閉断面部の内壁部との間に減衰部材を介することにより形成され、
上記剛結合部は、上記第1節部材の他の接合フランジ部と閉断面部の内壁部とを当接した状態で結合することにより、並びに、上記第2節部材の他の接合フランジ部と閉断面部の内壁部とを当接した状態で結合することにより形成されており、
上記減衰部材は、温度が20℃で、かつ加振力の周波数が30Hzである条件下において、
貯蔵弾性率が0.6〜500MPaで、損失係数が0.2以上である粘弾性部材により構成された
車両の車体構造。 - 上記第2柔結合部が上記第1柔結合部と交差するように設けられた
請求項1記載の車両の車体構造。 - 上記第1柔結合部が車体部材の曲げモードの折れ点を含むように配設された
請求項1または2記載の車両の車体構造。 - 上記車体部材が、断面ハット状部材と平板とを、断面ハット状部材のフランジ部と平板とを接合して形成されたフレーム部材、または、2つの断面ハット状部材の各フランジ部を接合して形成されたフレーム部材であって、
上記柔結合部が上記フランジ部と略平行な内壁部と上記補強体との間に形成された
請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の車体構造。 - 上記第2柔結合部が、上記フレーム部材の幅方向の中央部を含むように設けられた
請求項4に記載の車両の車体構造。 - 上記減衰部材は、温度が20℃で、かつ加振力の周波数が30Hzである条件下において、当該減衰部材の貯蔵弾性率が0.7〜200MPaであることを特徴とする
請求項1〜5の何れか1項に記載の車両の車体構造。
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