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JP5878865B2 - ジオレフィン化合物、エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

ジオレフィン化合物、エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Description

本発明は電気電子材料用途に好適な、新規なジオレフィン化合物及びエポキシ樹脂に関する。
エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料、レジストなどの幅広い分野に利用されている。近年、特に半導体関連材料の分野においてはカメラ付き携帯電話、超薄型の液晶やプラズマTV、軽量ノート型パソコンなど軽・薄・短・小がキーワードとなるような電子機器があふれ、これによりエポキシ樹脂に代表されるパッケージ材料にも非常に高い特性が求められてきている。特に先端パッケージはその構造が複雑になり、液状封止でなくては封止が困難な物が増加している。例えばEnhancedBGAのようなキャビティーダウンタイプの構造になっているものは部分封止を行う必要があり、トランスファー成型では対応できない。このようなことから高機能な液状エポキシ樹脂の開発が求められている。
またコンポジット材、車の車体や船舶の構造材として、近年、その製造法の簡便さからRTM(Resin Transfer Molding)が使用されている。このような組成物においてはカーボンファイバー等への含浸のされやすさから低粘度のエポキシ樹脂が望まれている。
また、オプトエレクトロニクス関連分野、特に近年の高度情報化に伴い、膨大な情報を円滑に伝送および処理するために、従来の電気配線による信号伝送に替わり、光信号を生かした技術が開発されている。中でも、光導波路、青色LEDおよび光半導体等の光学部品の分野においては、透明性に優れた樹脂材料の開発が望まれている。これらの要求に対し、脂環式のエポキシ樹脂が注目されている。
脂環式エポキシ化合物はグリシジルエーテルタイプのエポキシ化合物と比較し、電気絶縁性や透明性といった面で優れており、透明封止材料等に種々使用されている。しかしながら、特にLED用途等の高度な熱・光特性が求められる分野においては、より耐熱性や耐光性を向上させた脂環式エポキシ化合物が求められている(特許文献1〜3参照)。
日本国特開2006−52187号公報 日本国特開2007−510772号公報 日本国特開2007−16073号公報
本発明は、耐熱性、光学特性、強靭性に優れる硬化物を与える新規な脂環エポキシ樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは前記したような実状に鑑み、鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、
(1)
下記式(1)
Figure 0005878865

(式中、複数存在するR、Rはそれぞれ独立して存在し、水素原子、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
で表されるジオレフィン化合物、
(2)
前項(1)に記載のジオレフィン化合物を酸化することにより得られるエポキシ樹脂、
(3)
過酸化水素又は過酸を用いてエポキシ化する前項(2)に記載のエポキシ樹脂、
(4)
前項(2)及び(3)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と硬化剤及び/又は硬化促進剤とを含有する硬化性樹脂組成物、
(5)
前項(4)に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物、
に関する。
本発明のエポキシ樹脂は機械特性(特に靭性)に優れた硬化物を与える。本発明のエポキシ樹脂を含む硬化性脂組成物は電気・電子材料、成型材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジスト等の広範囲の用途に有用である。また、本発明のエポキシ樹脂は芳香環を有さないことから、それを含む硬化性樹脂組成物は光学材料に極めて有用である。
本発明は、下記式(1)
Figure 0005878865

(式中、複数存在するR、Rはそれぞれ独立して存在し、水素原子、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
で表されるジオレフィン化合物、及びこれを酸化によりエポキシ化することで得られるエポキシ樹脂に関する。
前記式(1)で表されるジオレフィン化合物はシクロヘキセンメタノール誘導体とデカヒドロナフタレンジカルボン酸誘導体との反応によって得られる。シクロヘキセンメタノール誘導体としてはヒドロキシメチル基を有するシクロヘキセンであれば特に限定されず、好ましくは3−シクロヘキセンメタノール、3−メチル−3−シクロヘキセンメタノール、4−メチル−3−シクロヘキセンメタノール、2−メチル−3−シクロヘキセンメタノールなどが挙げられ、特に好ましくは、3−シクロヘキセンメタノールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
デカヒドロナフタレンジカルボン酸誘導体としては、例えばナフタレンジカルボン酸、もしくはそのエステル体を核水添により水添し、次いで得られる化合物やテトラリンを除くテトラヒドロナフタレンをヒドロホルミル化した後、これを酸化しカルボン酸とする、もしくはさらにアルコールでエステル化することによって得られる。さらに反応性を上げるために、テトラリンジカルボン酸を除くデカヒドロナフタレンジカルボン酸を酸ハライド化しても構わない。
具体的にはデカヒドロナフタレンジカルボン酸、デカヒドロナフタレンジカルボン酸ジメチル、デカヒドロナフタレンジカルボン酸ジエチル、デカヒドロナフタレンジカルボン酸ジプロピル、デカヒドロナフタレンジカルボン酸ジブチル、デカヒドロナフタレンジカルボン酸ジシクロヘキシル、メチルデカヒドロナフタレンジカルボン酸ジメチル、シクロヘキシルデカヒドロナフタレンジカルボン酸ジエチル、等が挙げられる。
シクロヘキセンメタノール誘導体とデカヒドロナフタレンジカルボン酸誘導体との反応としては一般のエステル化方法が適応できる。具体的には、酸触媒を使用したFischer esterification、塩基性条件下での酸ハライド、アルコールの反応、各種縮合剤を利用した縮合反応等が挙げられる(ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY PartB:Reaction and Syntehsis p135、145-147、151等)。また、具体的な事例としては、アルコールとカルボン酸類とのエステル化反応(Tetrahedron vol.36 p.2409 (1980)、Tetrahedron Letter p.4475 (1980)、さらにはカルボン酸エステルのエステル交換反応(日本国特開2006-052187号公報)を利用してもよい。
このようにして合成される前記式(1)のジオレフィン化合物の好ましい構造としては、前記式(1)においてRが水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基のいずれかであることが好ましく、特に、置換基Rがオレフィンに結合する場合、その反応性を向上させるために、オレフィンに結合するRは水素原子、メチル基のいずれかが好ましく、特に好ましくは水素原子である。
デカヒドロナフタレン構造に直結する置換基Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等が好ましい。また市場からの原料の入手のしやすさから水素原子となるものが好ましい。
また、前記式(1)のジオレフィン化合物は、2,6−置換、1,4−置換、2,3−置換、1,8−置換が好ましく、特に2,6−置換のものが好ましい。
前記式(1)に示す、本発明のジオレフィン樹脂は酸化することで本発明のエポキシ樹脂とすることができる。酸化の手法としては過酢酸等の過酸で酸化する方法、過酸化水素水で酸化する方法、空気(酸素)で酸化する方法などが挙げられるが、これらに限らない。
過酸によるエポキシ化の手法としては具体的には日本国特開2006−52187号公報に記載の手法などが挙げられる。使用できる過酸としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、安息香酸、m−クロロ安息香酸、フタル酸などの有機酸およびそれらの酸無水物が挙げられる。これらの中でも、過酸化水素と反応して有機過酸を生成する効率、反応温度、操作の簡便性、経済性などの観点からは、ギ酸、酢酸、無水フタル酸を使用するのが好ましく、特に反応操作の簡便性の観点から、ギ酸または酢酸を使用するのがより好ましい。
過酸化水素水によるエポキシ化の手法においては種々の手法が適応できるが、具体的には、日本国特開昭59−108793号公報、日本国特開昭62−234550号公報、日本国特開平5−213919号公報、日本国特開平11−349579号公報、日本国特公平1―33471号公報、日本国特開2001−17864号公報、日本国特公平3−57102号公報等に挙げられるような手法が適応できる。
以下、本発明のエポキシ樹脂を得るのに特に好ましい方法を例示する。
まず、本発明のジオレフィン化合物、ポリ酸類及び4級アンモニウム塩を有機溶剤と過酸化水素水との二層で反応を行う。
本発明で使用するポリ酸類は、ポリ酸構造を有する化合物であれば特に制限はないが、タングステン又はモリブデンを含むポリ酸類が好ましく、タングステンを含むポリ酸類が更に好ましく、タングステン酸塩類が特に好ましい。
ポリ酸類に含まれる具体的なポリ酸及びポリ酸塩としては、タングステン酸、12−タングストリン酸、12−タングストホウ酸、18−タングストリン酸及び12−タングストケイ酸等から選ばれるタングステン系の酸、モリブデン酸及びリンモリブデン酸等から選ばれるモリブデン系の酸、ならびにそれらの塩等が挙げられる。
これらの塩のカウンターカチオンとしては、アンモニウムイオン、アルカリ土類金属イオン、アルカリ金属イオン等が挙げられる。
具体的にはカルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属イオン等が挙げられるがこれらに限定されない。特に好ましいカウンターカチオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオンである。
ポリ酸類の使用量は本発明のジオレフィン化合物におけるオレフィン1モル(官能基当量)に対し、金属元素換算(タングテン酸ならタングステン原子、モリブデン酸ならモリブデン原子のモル数)で1.0〜20ミリモル、好ましくは2.0〜20ミリモル、さらに好ましくは2.5〜10ミリモルである。
4級アンモニウム塩としては、総炭素数が10以上、好ましくは25〜100、より好ましくは25〜55の4級アンモニウム塩が好ましく使用でき、特にそのアルキル鎖が全て脂肪族鎖であるものが好ましい。
具体的にはトリデカニルメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、トリアルキルメチル(アルキル基がオクチル基である化合物とデカニル基である化合物の混合タイプ)アンモニウム塩、トリヘキサデシルメチルアンモニウム塩、トリメチルステアリルアンモニウム塩、テトラペンチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、ジセチルジメチルアンモニウム塩、トリセチルメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウム塩などが挙げられるがこれらに限定されない。
またこれら塩のアニオン種は、カルボン酸イオンを使用する。カルボン酸イオンとしては、酢酸イオン、炭酸イオン、ギ酸イオンが好ましい。また、特に酢酸イオンが好ましい。
4級アンモニウム塩の炭素数が100を上回ると、疎水性が強くなりすぎて有機層への溶解性が悪くなる場合がある。一方、4級アンモニウム塩の炭素数が10未満であると、親水性が強くなり、同様に有機層への相溶性が悪くなる場合がある。
4級アンモニウム塩には一般にハロゲンが残存する。本発明においては特に、1重量%以下、より好ましくは1000ppm以下、さらに好ましくは700ppm以下である。総ハロゲン量が1重量%を超える場合、生成物に多量にハロゲンが残存するため好ましくない。
タングステン酸類と4級アンモニウムのカルボン酸塩の使用量は使用するタングステン酸類の価数倍の0.01〜0.8倍当量、あるいは1.1〜10倍当量が好ましい。より好ましくは0.05〜0.7倍当量、あるいは1.2〜6.0倍当量であり、さらに好ましくは0.05〜0.5倍当量、あるいは1.3〜4.5倍当量である。
例えば、タングステン酸であればHWOで2価であるので、タングステン酸1モルに対し、4級アンモニウムのカルボン酸塩は0.02〜1.6モル、もしくは2.2〜20モルの範囲が好ましい。またタングストリン酸であれば3価であるので、同様に0.03〜2.4モル、もしくは3.3〜30モル、ケイタングステン酸であれば4価であるので0.04〜3.2モル、もしくは4.4〜40モルが好ましい。
4級アンモニウムのカルボン酸塩の量が、タングステン酸類の価数倍の1.1倍当量よりも低い場合、エポキシ化反応が進行しづらい(場合によっては反応の進行が早くなる)、また副生成物ができやすいという問題が生じる。10倍当量よりも多い場合、過剰の4級アンモニウムのカルボン酸塩の処理が大変であるばかりか、反応を抑制する働きがあり、好ましくない。
カルボン酸イオンをアニオンとする4級アンモニウム塩は、市販品を使用してもよいし、例えば、原料4級アンモニウム塩を金属水酸化物やイオン交換樹脂で処理し、4級アンモニウムハイドロオキサイドに変換し、さらに各種カルボン酸と反応させるなどの方法により製造してもよい。原料4級アンモニウム塩としては、4級アンモニウムのハロゲン化物や各種金属塩等が挙げられる。また好適な4級アンモニウムハイドロオキサイドがあればそれを用いても構わない。
緩衝液としてはいずれも用いることができるが、本反応においてはリン酸塩水溶液を用いるのが好ましい。そのpHとしてはpH4〜10の間に調整されたものが好ましく、より好ましくはpH5〜9である。pH4未満の場合、エポキシ基の加水分解反応、重合反応が進行しやすくなる。またpH10を超える場合、反応が極度に遅くなり、反応時間が長すぎるという問題が生じる。
特に本発明においては触媒であるタングステン酸類を溶解した際に、pH5〜9の間になるように調整されることが好ましい。
緩衝液の使用方法は、例えば好ましい緩衝液であるリン酸−リン酸塩水溶液の場合は過酸化水素に対し、0.1〜10モル%当量のリン酸(あるいはリン酸二水素ナトリウム等のリン酸塩)を使用し、塩基性化合物(たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等)でpH調整を行うという方法が挙げられる。ここでpHは過酸化水素を添加した際に前述のpHになるように添加することが好ましい。また、リン酸二水素ナトリウム又はリン酸水素二ナトリウム等を用いて調整することも可能である。好ましいリン酸塩の濃度は0.1〜60重量%、好ましくは5〜45重量%である。
また、本反応においては緩衝液を使用せず、pH調整無しに、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウムあるいはトリポリリン酸ナトリウム等(またはその水和物)のリン酸塩を直接添加しても構わない。工程の簡略化、という意味合いではpH調整のわずらわしさが無く、直接の添加が特に好ましい。この場合のリン酸塩の使用量は、過酸化水素に対し、通常0.1〜5モル%当量、好ましくは0.2〜4モル%当量、より好ましくは、0.3〜3モル%当量である。この際、過酸化水素に対し、5モル%当量を超えるとpH調整が必要となり、0.1モル%当量未満の場合、生成したエポキシ樹脂の加水分解物が進行しやすくなる、あるいは反応が遅くなる等の弊害が生じる。
本反応は過酸化水素を用いてエポキシ化を行う。本反応に使用する過酸化水素としては、その取扱いの簡便さから過酸化水素濃度が10〜40重量%の濃度である水溶液が好ましい。濃度が40重量%を超える場合、取扱いが難しくなる他、生成したエポキシ樹脂の分解反応も進行しやすくなることから好ましくない。
本反応は有機溶剤を使用する。使用する有機溶剤の量としては、反応基質であるジオレフィン化合物1に対し、重量比で0.3〜10であり、好ましくは0.3〜5、より好ましくは0.5〜2.5である。重量比で10を超える場合、反応の進行が極度に遅くなることから好ましくない。使用できる有機溶剤の具体的な例としてはヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等のアルカン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類が挙げられる。また、場合によっては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、アノン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、蟻酸メチル等のエステル化合物、アセトニトリル等のニトリル化合物等も使用可能である。
具体的な反応操作方法としては、例えばバッチ式の反応釜で反応を行う際は、ジオレフィン化合物、過酸化水素(水溶液)、ポリ酸類(触媒)、緩衝液、4級アンモニウム塩及び有機溶剤を加え、二層で撹拌する。撹拌速度に特に指定は無い。過酸化水素の添加時に発熱する場合が多いことから、各成分を添加した後に過酸化水素を徐々に添加する方法でも構わない。
反応温度は特に限定されないが0〜90℃が好ましく、さらに好ましくは0〜75℃、特に15℃〜60℃が好ましい。反応温度が高すぎる場合、加水分解反応が進行しやすく、反応温度が低いと反応速度が極端に遅くなる。
また反応時間は反応温度、触媒量等にもよるが、工業生産という観点から、長時間の反応は多大なエネルギーを消費することになるため好ましくはない。好ましい範囲としては1〜48時間、好ましくは3〜36時間、さらに好ましくは4〜24時間である。
反応終了後、過剰な過酸化水素のクエンチ処理を行う。クエンチ処理は、塩基性化合物を使用して行なうことが好ましい。また、還元剤と塩基性化合物を併用することも好ましい。好ましい処理方法としては塩基性化合物でpH6〜10に中和調整後、還元剤を用い、残存する過酸化水素をクエンチする方法が挙げられる。pHが6未満の場合、過剰の過酸化水素を還元する際の発熱が大きく、分解物を生じる可能性がある。
還元剤としては亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドラジン、シュウ酸、ビタミンC等が挙げられる。還元剤の使用量としては過剰分の過酸化水素もモル数に対し、通常0.01〜20倍モル、より好ましくは0.05〜10倍モル、さらに好ましくは0.05〜3倍モルである。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等のリン酸塩、イオン交換樹脂、アルミナ等の塩基性固体が挙げられる。
その使用量としては水、あるいは有機溶剤(例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類等の各種溶剤)に溶解するものであれば、その使用量は過剰分の過酸化水素のモル数に対し、通常0.01〜20倍モル、より好ましくは0.05〜10倍モル、さらに好ましくは0.05〜3倍モルである。これらは水、あるいは前述の有機溶剤の溶液として添加しても単体で添加しても構わない。
水や有機溶剤に溶解しない固体塩基を使用する場合、系中に残存する過酸化水素の量に対し、重量比で1〜1000倍の量を使用することが好ましい。より好ましくは10〜500倍、さらに好ましくは10〜300倍である。水や有機溶剤に溶解しない固体塩基を使用する場合は、後に記載する水層と有機層の分離の後、処理を行っても構わない。
過酸化水素のクエンチ後(もしくはクエンチを行う前に)、この際、有機層と水層が分離しない、もしくは有機溶剤を使用していない場合は前述の有機溶剤を添加して操作を行い、水層より反応生成物の抽出を行う。この際使用する有機溶剤は、原料ジオレフィン化合物に対して重量比で0.5〜10倍、好ましくは0.5〜5倍である。この操作を必要に応じて数回繰り返した後に有機層を分離し、必要に応じて該有機層を水洗して精製する。
得られた有機層は必要に応じてイオン交換樹脂や金属酸化物(特に、シリカゲルやアルミナ等が好ましい)、活性炭(中でも特に薬品賦活活性炭が好ましい)、複合金属塩(中でも特に塩基性複合金属塩が好ましい)、粘度鉱物(中でも特にモンモリロナイト等層状粘度鉱物が好ましい)等により、不純物を除去し、さらに水洗及びろ過等を行った後、溶剤を留去し、目的とするエポキシ化合物を得る。場合によってはさらにカラムクロマトグラフィーや蒸留により精製しても構わない。
このようにして得られる本発明のエポキシ樹脂は式(2)
Figure 0005878865

(式中、複数存在するR、Rはそれぞれ独立して存在し、水素原子、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
で表される構造をメイン構造とするが、加水分解物、未反応物、エポキシ基同士の重合した高分子量体や、その他副反応物が反応条件によっては生成する。
得られた本発明のエポキシ樹脂は、例えばエポキシアクリレートおよびその誘導体、オキサゾリドン系化合物もしくは環状カーボネート化合物等の各種樹脂原料として使用できる。
以下、本発明のエポキシ樹脂を含む本発明の硬化性樹脂組成物について記載する。
本発明の硬化性樹脂組成物は本発明のエポキシ樹脂を必須成分として含有する。本発明の硬化性樹脂組成物においては、硬化剤による熱硬化(硬化性樹脂組成物A)と酸を硬化促進剤(硬化触媒)とするカチオン硬化(硬化性樹脂組成物B)の二種の方法が適応できる。
硬化性樹脂組成物Aと硬化性樹脂組成物Bにおいて本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は30質量%以上が好ましく、特に40質量%以上が好ましい。ただし、本発明のエポキシ樹脂を硬化性樹脂組成物の改質剤として使用する場合は、1〜30質量%の割合で添加しても構わない。
本発明のエポキシ樹脂と併用し得る他のエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン又は1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類並びにアルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、シルセスキオキサン系のエポキシ樹脂(鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂)等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特に本発明の硬化性樹脂組成物を光学用途に用いる場合、本発明のエポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂やシルセスキオキサン構造のエポキシ樹脂とを併用して用いることが好ましい。特に脂環式エポキシ樹脂の場合、骨格にエポキシシクロヘキサン構造を有する化合物が好ましく、シクロヘキセン構造を有する化合物の酸化反応により得られるエポキシ樹脂が特に好ましい。
シクロヘキセン構造を有する化合物としては、シクロヘキセンカルボン酸とアルコール類とのエステル化反応あるいはシクロヘキセンメタノールとカルボン酸類とのエステル化反応(Tetrahedron vol.36 p.2409 (1980)、Tetrahedron Letter p.4475 (1980)等に記載の手法)、あるいはシクロヘキセンアルデヒドのティシェンコ反応(日本国特開2003−170059号公報、日本国特開2004−262871号公報等に記載の手法)、さらにはシクロヘキセンカルボン酸エステルのエステル交換反応(日本国特開2006−052187号公報等に記載の手法)によって製造できる化合物が挙げられる。
アルコール類としては、アルコール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されないがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2−ヒドロキシメチル−1,4−ブタンジオールなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどのテトラオール類などが挙げられる。またカルボン酸類としてはシュウ酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれに限らない。
さらに上記以外のシクロヘキセン構造を有する化合物として、シクロヘキセンアルデヒド誘導体と、アルコール体とのアセタール反応によるアセタール化合物が挙げられる。反応手法としては一般のアセタール化反応を応用すれば製造でき、例えば、反応媒体にトルエン、キシレンなどの溶媒を用いて共沸脱水しながら反応を行う方法(米国特許第2945008号明細書)、濃塩酸に多価アルコールを溶解した後アルデヒド類を徐々に添加しながら反応を行う方法(日本国特開昭48−96590号公報)、反応媒体に水を用いる方法(米国特許第3092640号明細書)、反応媒体に有機溶媒を用いる方法(日本国特開平7−215979号公報)、固体酸触媒を用いる方法(日本国特開2007−230992号公報)等が開示されている。構造の安定性から環状アセタール構造が好ましい。
これらエポキシ樹脂の具体例としては、ERL−4221、UVR−6105、ERL−4299(全て商品名、いずれもダウ・ケミカル製)、セロキサイド2021P、エポリードGT401、EHPE3150、EHPE3150CE(全て商品名、いずれもダイセル化学工業製)及びジシクロペンタジエンジエポキシドなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない(参考文献:総説エポキシ樹脂 基礎編I p76−85)。
これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
以下それぞれの硬化性樹脂組成物について言及する。
硬化性樹脂組成物A(硬化剤による熱硬化)
本発明の硬化性樹脂組成物Aが含有する硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、カルボン酸系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂などの含窒素化合物(アミン、アミド化合物);無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物、などの酸無水物;各種アルコール、カルビノール変性シリコーン、と前述の酸無水物との付加反応により得られるカルボン酸樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン又は1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、テルペンとフェノール類の縮合物などのポリフェノール類;イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体の化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明においては特に前述の酸無水物系化合物、カルボン酸系化合物に代表される、酸無水物構造及び/またはカルボン酸構造を有する化合物が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物Aにおける硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.6〜1.2当量が好ましく、0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.6当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
本発明の硬化性樹脂組成物Aにおいては、硬化剤とともに硬化促進剤(硬化触媒)を併用しても差し支えない。用い得る硬化促進剤の具体例としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール及び2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノールや1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、テトラブチルアンモニウム塩、トリイソプロピルメチルアンモニウム塩、トリメチルデカニルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩、トリフェニルベンジルフォスフォニウム塩、トリフェニルエチルフォスフォニウム塩、テトラブチルフォスフォニウム塩などの4級フォスフォニウム塩(4級塩のカウンターイオンはハロゲン、有機酸イオン、水酸化物イオンなど、特に指定は無いが、特に有機酸イオン、水酸化物イオンが好ましい。)、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。硬化促進剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物Aは、リン含有化合物を難燃性付与成分として含有することもできる。リン含有化合物としては反応型のものでも添加型のものでもよい。リン含有化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−ジキシリレニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)及び4,4'−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)等のリン酸エステル類;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドや10(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のホスファン類;エポキシ樹脂と前記ホスファン類の活性水素とを反応させて得られるリン含有エポキシ樹脂、赤リン等が挙げられるが、リン酸エステル類、ホスファン類またはリン含有エポキシ樹脂が好ましく、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4'−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)またはリン含有エポキシ樹脂が特に好ましい。リン含有化合物の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物A中のエポキシ樹脂成分の総量に対して0.6倍以下が好ましい。0.6倍を超える場合には硬化物の吸湿性、誘電特性に悪影響を及ぼす懸念がある。
さらに本発明の硬化性樹脂組成物Aには、必要に応じて酸化防止剤を添加しても構わない。使用できる酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系酸化防止剤が挙げられる。酸化防止剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。酸化防止剤の使用量は、本発明の硬化性樹脂組成物中Aの樹脂成分100重量部に対して、通常0.008〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部である。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。フェノール系酸化防止剤の具体例として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、等のモノフェノール類;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルスルホン酸エチル)カルシウム等のビスフェノール類;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノール等の高分子型フェノール類が例示される。
イオウ系酸化防止剤の具体例として、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルル−3,3’−チオジプロピオネート等が例示される。
リン系酸化防止剤の具体例として、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト等のホスファイト類;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のオキサホスファフェナントレンオキサイド類などが例示される。
これらの酸化防止剤はそれぞれ単独で使用できるが、2種以上を組み合わせて併用しても構わない。特に本発明においてはリン系の酸化防止剤が好ましい。
さらに本発明の硬化性樹脂組成物Aには、必要に応じて光安定剤を添加しても構わない。
光安定剤としては、ヒンダートアミン系の光安定剤、特にHALS等が好適である。HALSとしては特に限定されるものではないが、代表的なものとしては、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’―ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、等が挙げられる。HALSは1種のみが用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
さらに本発明の硬化性樹脂組成物Aには、必要に応じてバインダー樹脂を添加することが出来る。バインダー樹脂としてはブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、NBR−フェノール系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バインダー樹脂の配合量は、硬化物の難燃性、耐熱性を損なわない範囲であることが好ましく、本発明の硬化性樹脂組成物A中の樹脂成分100重量部に対して通常0.05〜50重量部、好ましくは0.05〜20重量部が必要に応じて用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物Aには、必要に応じて無機充填剤を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら無機充填剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物中Aにおいて95質量%以下を占める量が用いられる。更に本発明の硬化性樹脂組成物Aには、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸カルシウム、カルボン酸亜鉛(2−エチルヘキサン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、ミスチリン酸亜鉛)やリン酸エステル亜鉛(オクチルリン酸亜鉛、ステアリルリン酸亜鉛等)等の亜鉛化合物、界面活性剤、染料、顔料、紫外線吸収剤等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物Aを光半導体封止剤に使用する場合、必要に応じて、蛍光体を添加することができる。蛍光体は、例えば、青色LED素子から発せられた青色光の一部を吸収し、波長変換された黄色光を発することにより、白色光を形成する作用を有するものである。蛍光体を、硬化性樹脂組成物に予め分散させておいてから、光半導体を封止する。蛍光体としては特に制限がなく、従来公知の蛍光体を使用することができ、例えば、希土類元素のアルミン酸塩、チオ没食子酸塩、オルトケイ酸塩等が例示される。より具体的には、YAG蛍光体、TAG蛍光体、オルトシリケート蛍光体、チオガレート蛍光体、硫化物蛍光体等の蛍光体が挙げられ、YAlO:Ce、YAl12:Ce,YAl2:Ce、YS:Eu、Sr(POCl:Eu、(SrEu)O・Alなどが例示される。係る蛍光体の粒径としては、この分野で公知の粒径のものが使用されるが、平均粒径としては、1〜250μm、特に2〜50μmが好ましい。これらの蛍光体を使用する場合、その添加量は、樹脂成分に対して100重量部に対して、1〜80重量部、好ましくは、5〜60重量部が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物Aは、前記各成分を均一に混合することにより得られる。本発明の硬化性樹脂組成物Aは、従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば本発明のエポキシ樹脂と硬化剤並びに必要により硬化促進剤、リン含有化合物、バインダー樹脂、無機充填材及び配合剤とを、必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合して硬化性樹脂組成物を得、その硬化性樹脂組成物をポッティング、溶融後(液状の場合は溶融無しに)注型あるいはトランスファー成型機などを用いて成型し、さらに80〜200℃で2〜10時間加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。
また本発明の硬化性樹脂組成物Aを必要に応じてトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等の溶剤に溶解させ、硬化性樹脂組成物ワニスとし、ガラス繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維及び紙などの基材に含浸させて加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明の硬化性樹脂組成物Aの硬化物とすることができる。この際の溶剤は、本発明の硬化性樹脂組成物と該溶剤Aの混合物中で通常10〜70質量%、好ましくは15〜70質量%を占める量を用いる。また液状組成物であれば、そのまま例えば、RTM方式でカーボン繊維を含有するエポキシ樹脂硬化物を得ることもできる。
また本発明の硬化性樹脂組成物Aをフィルム又はシート形状で用いた場合、Bステージにおけるフレキシビリティ特性等に優れるという特性を有する。このようなフィルム又はシート形状の樹脂組成物は、本発明の硬化性樹脂組成物Aを前記硬化性樹脂組成物ワニスとして剥離フィルム上に塗布し、加熱下で溶剤を除去した後、Bステージ化を行うことにより得られる。このフィルム又はシート状の樹脂組成物は多層基板などにおける接着剤(層間絶縁層)として使用することが出来る。
硬化性樹脂組成物B(酸性の硬化促進剤(硬化触媒)によるカチオン硬化)
酸性硬化促進剤を用いて硬化させる本発明の硬化性樹脂組成物Bは、酸性硬化促進剤として光重合開始剤あるいは熱重合開始剤を含有する。さらに、希釈剤、重合性モノマー、重合性オリゴマー、重合開始補助剤、光増感剤等の各種公知の化合物、材料等を含有していてもよい。また、所望に応じて無機充填材、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤等、各種公知の添加剤を含有してもよい。
酸性硬化促進剤としてはカチオン重合開始剤が好ましく、光カチオン重合開始剤が特に好ましい。カチオン重合開始剤としてはヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩等のオニウム塩を有するものが挙げられ、これらは単独または2種以上で使用することができる。
活性エネルギー線カチオン重合開始剤の例は、金属フルオロホウ素錯塩および三フッ化ホウ素錯化合物(米国特許第3379653号明細書)、ビス(ペルフルアルキルスルホニル)メタン金属塩(米国特許第3586616号明細書)、アリールジアゾニウム化合物(米国特許第3708296号明細書)、VIa族元素の芳香族オニウム塩(米国特許第4058400号明細書)、Va族元素の芳香族オニウム塩(米国特許第4069055号明細書)、IIIa〜Va族元素のジカルボニルキレート(米国特許第4068091号明細書)、チオピリリウム塩(米国特許第4139655号明細書)、MF 陰イオンの形のVIb族元素(米国特許第4161478号明細書;Mはリン、アンチモンおよび砒素から選択される。)、アリールスルホニウム錯塩(米国特許第4231951号明細書)、芳香族ヨードニウム錯塩および芳香族スルホニウム錯塩(米国特許第4256828号明細書)、およびビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロ金属塩(Journal of Polymer Science, Polymer Chemistry、第2巻、1789項(1984年))である。その他、鉄化合物の混合配位子金属塩およびシラノール−アルミニウム錯体も使用することが可能である。
また、具体例としては、「アデカオプトマーSP150」、「アデカオプトマーSP170」(いずれも旭電化工業社製)、「UVE−1014」(ゼネラルエレクトロニクス社製)、「CD−1012」(サートマー社製)、「RP−2074」(ローディア社製)等が挙げられる。
該カチオン重合開始剤の使用量は、エポキシ樹脂成分100重量部に対して、好ましくは、0.01〜50重量部であり、より好ましくは、0.1〜10重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物Bには、カチオン重合開始剤に併用して1種または2種以上の重合開始補助剤、および必要に応じて光増感剤を使用することが出来る。
重合開始補助剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノールプロパン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−イソプロピルチオキサトン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、アセトフェノンジメチルケタール、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン等の重合開始剤が挙げられる。重合開始剤等の重合開始補助剤の使用量は、光ラジカル重合可能な樹脂成分100質量部に対して0.01〜30質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。
また、光増感剤の具体例としては、アントラセン、2−イソプロピルチオキサトン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、アクリジン オレンジ、アクリジン イエロー、ホスフィンR、ベンゾフラビン、セトフラビンT、ペリレン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等を挙げることができる。光増感剤の使用量は、エポキシ樹脂成分100質量部に対して0.01〜30質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。
更に、本発明の硬化性樹脂組成物Bには、必要に応じて無機充填剤やシランカップリング材、離型剤、顔料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂の種々の配合剤を添加することができる。具体的な例としては前述の通りである。
本発明の硬化性樹脂組成物Bは、各成分を均一に混合することにより得られる。また本発明の硬化性樹脂組成物Bをポリエチレングリコールモノエチルエーテルやシクロヘキサノン、γブチロラクトン等の有機溶剤に均一に溶解させた後、乾燥により溶剤を除去して使用することも可能である。この際の溶剤は、本発明の硬化性樹脂組成物Bと該溶剤の混合物中で通常10〜70質量%、好ましくは15〜70質量%である。
本発明の硬化性樹脂組成物Bは、加熱及び/または紫外線照射により硬化できる(例えば、参考文献:総説エポキシ樹脂 第1巻 基礎編I p82−84)が、その際の熱量及び/または紫外線照射量は硬化性樹脂組成物Bの組成に依存して異なるため、それぞれの組成に合わせて硬化条件が決定される。基本的には、硬化物が使用目的において必要とされる強度を発現できる硬化条件であれば良い。通常、これら硬化性樹脂組成物は光照射のみで完全に硬化させることが難しいため、耐熱性が求められる用途においては光照射後に加熱により完全に反応を終了させる必要がある。また、光硬化の際の照射光を細部まで透過させることが必要なため、本発明のエポキシ樹脂および硬化性樹脂組成物Bにおいては透明性の高い化合物および組成物が望まれる。
光照射後に加熱を行なう場合は、通常の硬化性樹脂組成物Bの硬化温度域で行なうことができる。例えば常温〜150℃で30分間〜7日間の範囲が好適である。硬化性樹脂組成物Bの配合により変化するが、特に高い温度域であればあるほど光照射後の硬化促進に効果があり、短時間の熱処理で効果がある。また、低温であればあるほど長時間の熱処理を要する。このような熱アフターキュアすることで、エージング処理になるという効果も発現される。
また、これら硬化性樹脂組成物Bを硬化させて得られる硬化物の形状も用途に応じて種々とりうるので特に限定されないが、例えばフィルム状、シート状、バルク状などの形状とすることができる。成形する方法は適応する部位、部材によって異なるが、例えば、キャスト法、注型法、スクリーン印刷法、スピンコート法、スプレー法、転写法、ディスペンサー方式などが挙げられるが、これらに限定されず所望の形状を得るために適当な方法を採用すればよい。成形型には研磨ガラス、硬質ステンレス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリメチルメタクリレート板等を用いることができる。また、成形型と硬化性樹脂組成物Bとの離型性を向上させるためポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等を用いることができる。
例えばカチオン硬化性のレジストに使用する際においては、まず、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルやシクロヘキサノン、γブチロラクトン等の有機溶剤に溶解させた硬化性樹脂組成物Bを、銅張積層板やセラミック基板、ガラス基板等の基板上にスクリーン印刷、スピンコート法などの手法によって5〜160μmの膜厚で塗布し、塗膜を60〜110℃で予備乾燥させる。得られた基板上の硬化性樹脂組成物Bに所望のパターンの描かれたネガフィルムを通して紫外線(例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、レーザー光等)を照射し、次いで、70〜120℃で露光後ベーク処理を行う。その後ポリエチレングリコールモノエチルエーテル等の溶剤で未露光部分を溶解除去(現像)し、さらに必要があれば紫外線の照射及び/または加熱(例えば100〜200℃で0.5〜3時間)によって十分な硬化を行うことで硬化物を得る。このようにしてプリント配線板を得ることも可能である。尚、前述の方法はネガ型レジストの場合であるが、本発明の硬化性樹脂組成物Bはポジ型レジストとして用いることも可能である。
本発明の硬化性樹脂組成物Aおよび硬化性樹脂組成物Bを硬化してなる硬化物は光学部品材料をはじめ各種用途に使用できる。光学用材料とは、可視光、赤外線、紫外線、X線及びレーザーなどの光が、その材料中を通過する用途に用いる材料一般を示す。より具体的には、ランプタイプ、SMDタイプ等のLED用封止材の他、表示体関連分野では、液晶ディスプレイの基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤及び偏光子保護フィルムをはじめとする液晶用フィルムなどが、次世代フラットパネルディスプレイとして期待されるカラーPDP(プラズマディスプレイ)の封止材、反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料及び接着剤などが、LED表示装置に使用されるLEDのモールド材、LEDの封止材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料及び接着剤などが、プラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイにおける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤及び偏光子保護フィルムなどが、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイにおける前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料及び接着剤などが、フィールドエミッションディスプレイ(FED)における各種フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料及び接着剤などが挙げられる。光記録分野では、VD(ビデオディスク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)及び光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ、保護フィルム、封止材及び接着剤などが挙げられる。
光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー及び受光センサー部などが、ビデオカメラの撮影レンズ、及びファインダーなどが、プロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム、封止材、及び接着剤などが、光センシング機器のレンズ用材料、封止材、接着剤及びフィルムなどが挙げられる。光部品分野では、光通信システムでの光スイッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子の封止材及び接着剤などが、光コネクタ周辺の光ファイバー材料、フェルール、封止材及び接着剤などが、光受動部品や光回路部品ではレンズ、導波路、LEDの封止材、CCDの封止材及び接着剤などが、光電子集積回路(OEIC)周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止材及び接着剤などが挙げられる。光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイドなどが、工業用途のセンサー類及び表示・標識類などが、通信インフラ用および家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバーなどが挙げられる。半導体集積回路周辺材料では、LSIや超LSI材料用のマイクロリソグラフィー用のレジスト材料などが挙げられる。自動車・輸送機分野では、自動車用のランプリフレクタ、ベアリングリテーナー、ギア部分、耐蝕コート、スイッチ部分、ヘッドランプ、エンジン内部品、電装部品、各種内外装品、駆動エンジン、ブレーキオイルタンク、自動車用防錆鋼板、インテリアパネル、内装材、保護・結束用ワイヤーハーネス、燃料ホース、自動車ランプ及びガラス代替品などが、鉄道車輌用の複層ガラスなどが、航空機の構造材の靭性付与剤、エンジン周辺部材、保護・結束用ワイヤーハーネス及び耐蝕コートなどが挙げられる。建築分野では、内装・加工用材料、電気カバー、シート、ガラス中間膜、ガラス代替品及び太陽電池周辺材料などが挙げられる。農業用では、ハウス被覆用フィルムなどが挙げられる。次世代の光・電子機能有機材料としては、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止材及び接着剤などが挙げられる。
封止剤としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC及びLSIなどに用いられるポッティング、ディッピング及びトランスファーモールド封止、ICやLSI類のCOB、COF及びTABなどに用いられるポッティング封止、フリップチップなどに用いられるアンダーフィル、BGAやCSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィル)などを挙げることができる。
光学用材料の他の用途としては、硬化性樹脂組成物Aまたは硬化性樹脂組成物Bが使用される一般の用途が挙げられ、例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤及び他の樹脂等への添加剤等が挙げられる。本発明の硬化性樹脂組成物Aまたは硬化性樹脂組成物Bを他樹脂への添加剤として用いる場合には、例えば、封止材あるいは基板用のシアネート樹脂組成物へ硬化剤として用いる場合や、レジスト用硬化剤としてアクリル酸エステル系樹脂等に用いる場合が挙げられる。接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用及び電子材料用が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤及びアンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)及び異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例において、エポキシ当量はJIS K−7236、粘度は25℃、30℃においてE型粘度計を使用して測定を行った。またガスクロマトグラフィー(以下、「GC」という)における分析条件は分離カラムにHP5−MS(0.25mm I.D.x 15m, 膜厚0.25μm)を用いて、カラムオーブン温度を初期温度100℃に設定し、毎分 15℃の速度で昇温させ300℃で90分間保持した。またヘリウムをキャリヤーガスとした。さらにゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)の測定においては以下の通りである。カラムは、Shodex SYSTEM−21カラム(KF−803L、KF−802.5(×2本)、KF−802)、連結溶離液はテトラヒドロフラン、流速は1ml/min.、カラム温度は40℃、また検出はRIで行い、検量線はShodex製標準ポリスチレンを使用した。
実施例1
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、ディーンスターク管を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸ジメチル(三菱瓦斯化学製 H−NDCM)178部、シクロヘキセン−4−メタノール314部、テトラブトキシチタン0.07部を加え、120℃1時間、150℃1時間、170℃1時間、180℃15時間、反応により生成するメタノールを抜きながら反応を行った後、50℃まで冷却した。
冷却終了後、350部のトルエンを加え均一にした後、反応溶液を10重量%水酸化ナトリウム水溶液80部で3回洗浄し、さらに水100部/回で廃水が中性になるまで水洗を繰り返し、ロータリーエバポレータで加熱減圧下、トルエンと未反応のシクロヘキセン−4−メタノールを留去することにより下記式(3)で表される本発明のジオレフィン化合物が285部得られた。
Figure 0005878865
実施例2
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、実施例1で得られた本発明のジオレフィン化合物212部、トルエン212部、水15部、12−タングストリン酸1.8部、リン酸水素二ナトリウム1.6部、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート5.4部(ライオンアクゾ製 50%キシレン溶液、TOMAA−50)を加え、50±3℃に昇温攪拌しながら、35重量%過酸化水素水113部を加え、そのまま50±3℃で9時間攪拌した。GCにて反応の進行を確認したところ、反応終了後の基質のコンバ−ジョンは>99%であり、原料ピークは消失(1%以下)していた。
ついで30%水酸化ナトリウム水溶液でpH9とした後、20%チオ硫酸ナトリウム水溶液25部を加え30分攪拌を行い、静置した。2層に分離した有機層を取り出し、ここに活性炭(味の素ファインテクノ製 CP)50部を加え、室温で4時間攪拌後、ろ過した。得られたろ液を水100部で3回水洗を行なった後有機溶剤を留去することで、下記式(4)
Figure 0005878865
を主成分とする本発明のエポキシ樹脂(EP−1)を215部得た。
GPCの測定結果より、式(4)の骨格の化合物を98%含有していることを確認した。さらに、GC測定においては純度92%であった。またエポキシ当量は251g/eqであり、粘度は79000mPa・s(30℃)であった。
実施例3
得られた本発明のエポキシ樹脂(EP−1)20部に対し、シリカゲル(ワコーゲル C−300 和光純薬製)300部を使用し、酢酸エチル:ヘキサン=1:5→1:4→1:2の展開溶媒を用い(順番に極性を変えながら)、カラムクロマトグラフィーにより精製を行った。
得られた本発明のエポキシ樹脂(EP−2)は16部であり、得られたエポキシ樹脂の純度はGPCの測定結果より、前記式(4)の骨格の化合物を98%以上含有していることを確認した。さらに、GC測定においては純度約98%であった。エポキシ当量は229g/eq.であった。
実施例4、5、6
実施例1、2で得られた本発明のエポキシ樹脂(EP−1)について、硬化剤として、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH700G、以下、H1と称す)、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドHNA−100、以下、H2と称す)、硬化促進剤としてヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(東京化成工業(株)製 25%メタノール溶液、C1と称す)を使用し、下記表1に示す配合比(重量部)で配合した後、20分間脱泡を行うことで、本発明の硬化性組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物を用い、以下に示す要領で、耐熱特性試験を行った。結果を表1に示す。なお硬化条件は120℃×3時間の予備硬化の後150℃×1時間である。
(耐熱特性試験)
実施例4〜6で得られた硬化性樹脂組成物を真空脱泡20分間実施後、横7mm、縦5cm、厚み約800μmの試験片用金型に静かに注型し、その後上からポリイミドフィルムでフタをした。その注型物を前述の条件で硬化させ動的粘弾性用試験片を得た。これらの試験片を用いて下記に示した条件で動的粘弾性試験を実施した結果を表1に示す。
測定条件
動的粘弾性測定器:TA−instruments製、DMA-2980
測定温度範囲:−30℃〜280℃
温速度:2℃/分
試験片サイズ:5mm×50mmに切り出した物を使用した(厚みは約800μm)。
解析条件
Tg:動的粘弾性(DMA)測定に於けるTan−δのピーク点をTgとした。
25℃弾性率:25℃時の弾性率を測定した。
Figure 0005878865
(凹み試験)
実施例7、比較例1
実施例2、3で得られた本発明のエポキシ樹脂(EP−2)5.0部、比較例として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(エポキシ当量 140g/eq.、粘度 205mPa・s(25℃) 以下、EP−3と称す)2.8部について、硬化剤(H1)3.4部、硬化促進剤(C1)0.03部でそれぞれ配合し、20分間脱泡を行い、本発明の硬化性樹脂組成物(F−1)、比較用の硬化性樹脂組成物(F−2)を得た。
得られた硬化性樹脂組成物(F−1)(F−2)を用いLED封止凹み試験を行った。シリンジに充填し精密吐出装置を使用して、中心発光波465nmのチップを搭載した外径5mm角表面実装型LEDパッケージ(内径4.4mm、外壁高さ1.25mm)に注型した。その後、120℃×2時間の予備硬化の後150℃×3時間で硬化させることで、試験用LEDを得た。得られたLEDの表面を目視で観察し、凹みの有無を確認した。その結果、本発明のエポキシ樹脂を使用した硬化性樹脂組成物(F−1)で封止したLEDは凹みがほとんど見られなかったのに対し、比較用の硬化性樹脂組成物(F−2)で封止したLEDはLEDのワイヤーが露出しており、激しく凹みが観察された。
実施例8、比較例2、3
実施例2、3で得られた本発明のエポキシ樹脂(EP−2)、比較例としてエポキシ樹脂(EP−3)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート(エポキシ当量 195g/eq. 粘度 730mPa・s(25℃) 以下、EP−4と称す)について、硬化剤(H1)3.4部、硬化促進剤として4級ホスホニウム塩(日本化学工業製 PX4MP 以下、C2と称す。)を使用し、下記表2に示す配合比(重量部)で配合し、20分間脱泡を行なった。得られた硬化性樹脂組成物を真空脱泡20分間実施後、30mm×20mm×高さ1mmになるように耐熱テープでダムを作成したガラス基板上に静かに注型した。その注型物を、120℃×3時間の予備硬化の後150℃×1時間で硬化させ、厚さ1mmの透過率用試験片を得た。400nmにおけるそれぞれの硬化物の透過率を比較した。また、得られた試験片につき、150℃で96時間熱処理し、熱履歴により着色の度合いを評価した(400nmにおける透過率を測定し比較)。
Figure 0005878865
合成例1
実施例2において、実施例1で得られた本発明のジオレフィン化合物212部を、1,4−シクロヘキサンジメタノールと3−シクロヘキセンカルボン酸との脱水エステル化により合成した下記式(5)
Figure 0005878865

に示される構造のジオレフィン化合物を180部に変えた以外は同様に合成を行い、比較用のエポキシ樹脂(EP−5)を183部得た。エポキシ当量は207g/eq.、粘度は3700mPa・s(25℃)であった。また実施例3と同様の手法によりカラムクロマトグラフィーで精製することでエポキシ当量198g/eq、粘度3010mPa・s(25℃)のエポキシ樹脂(EP−6)を得た。
実施例9、比較例4
実施例3で得られた本発明のエポキシ樹脂(EP−2)、比較例として、合成例1で得られたエポキシ樹脂(EP−6)について、硬化剤として、酸無水物(H1)、硬化促進剤として硬化促進剤(C1)を使用し、下記表3に示す配合比(重量部)で配合し、20分間脱泡を行い、本発明の硬化性樹脂組成物、比較用の硬化性樹脂組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物を用い、以下に示す要領で、LED試験をおこなった結果を表3に合わせて示す。なお、硬化条件は110℃×2時間の予備硬化の後140℃×3時間である。
(LED点灯試験)
得られた硬化性樹脂組成物を真空脱泡20分間実施後、シリンジに充填し精密吐出装置を使用して、中心発光波465nmのチップを搭載した外径5mm角表面実装型LEDパッケージ(内径4.4mm、外壁高さ1.25mm)に注型した。その後、所定の硬化条件で硬化させることで、試験用LEDを得た。
点灯試験は、規定電流の2倍である60mAでの点灯試験を行った。詳細な条件は下記に示した。測定項目としては、各時間点灯前後の照度を積分球を使用して測定し、試験用LEDの照度の保持率を算出した。
点灯詳細条件
発光波長:465nm
駆動方式:定電流方式、60mA(発光素子規定電流は30mA)
駆動環境:85℃、85%
Figure 0005878865
実施例10、比較例5、6
実施例用のエポキシ樹脂としてEP2、比較例用としてEP3、EP6、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH、以下、H3と称す)を、硬化促進剤として2−エチル−4−イミダゾール(2E4MZ 四国化成製)表4に示す配合比(重量部)で配合し、組成物を調製し、金型に流しこみ、120℃2時間160℃で6時間かけて硬化させた。
このようにして得られた硬化物の物性を測定した結果を表4に示す。
尚、物性値の測定は以下の方法で行った。
・IZOD衝撃試験:JIS K−6911に準拠。
・吸水率:直径5cm×厚み4mmの円盤状の試験片を100℃の水中で24時間煮沸した後の重量増加率(%)
・吸湿率:直径5cm×厚み4mmの円盤状の試験片を各条件で吸湿させた後の重量増加率(%)
Figure 0005878865
以上の結果から、本発明のエポキシ樹脂は耐衝撃性・耐水性に優れたエポキシ樹脂であることがわかる。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
なお、本出願は、2010年5月21日付で出願された日本特許出願(特願2010−117176)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。

Claims (7)

  1. 下記式(1)
    Figure 0005878865

    (式中、複数存在するR、Rはそれぞれ独立して存在し、水素原子、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
    で表されることを特徴とするジオレフィン化合物。
  2. 下記式(2)
    Figure 0005878865


    (式中、複数存在するR 、R はそれぞれ独立して存在し、水素原子、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
    で表される構造をメイン構造とするエポキシ樹脂。
  3. 請求項2に記載のエポキシ樹脂と硬化剤及び/又は硬化促進剤とを含有する硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項2に記載のエポキシ樹脂と硬化剤及び/又は硬化促進剤とを含有するLED用硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  6. 請求項1に記載のジオレフィン化合物を酸化するエポキシ樹脂の製造方法。
  7. 過酸化水素又は過酸を用いてエポキシ化する請求項6に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
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