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JP5858030B2 - 自己治癒性セラミック材料を含む排ガスセンサの制御装置 - Google Patents

自己治癒性セラミック材料を含む排ガスセンサの制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、自己治癒性セラミック材料を含む排ガスセンサの制御装置に関する。
近年、使用中に発生した損傷を自発的に修復できる自己治癒能力を有する材料が開発されている。このような材料は極めて高い機械的信頼性と長い使用寿命を示し、したがって次世代の構造及び機械材料として期待されている。
自己治癒機能は化学反応により生じる現象であり、自己治癒材料は、その化学反応によって治癒を達成するための反応体(以後、「治癒発現材料」としても言及する)を母材が内包した複合材の形態を有する。
具体的には、治癒発現材料の高温酸化を利用した自己治癒性セラミック材料が提案されている(特許文献1〜3)。特に、このような自己治癒性セラミック材料としては、炭化ケイ素等の酸化可能な治癒発現材料の粒子を、セラミック母材中に分散複合させ、セラミック母材に割れが生じたときに、その治癒発現材料が酸化及び膨張して割れを充填することによって自己治癒が起こる、粒子分散型の自己治癒性セラミック材料が提案されている(特許文献3)。
このような自己治癒性セラミック材料によれば、セラミック材料の大きな問題点、すなわち耐熱性が大きいものの、靭性が小さく、それによって割れに弱いという問題点を克服することが可能である。したがって、自己治癒性セラミック材料は、耐熱性と機械的強度の両方が求められる用途、例えばガスタービン部材、ジェットエンジン部材、自動車用エンジン部材、セラミックスばね材等の用途において利用することが提案されている(特許文献1)。
なお、自動車用エンジンのような内燃機関では、様々な箇所でセラミック部品が用いられており、上記のような耐熱性と機械的強度の両方が求められるエンジン部材だけでなく、内燃機関からの排気流路においても多くのセラミック部品が用いられている。例えば、内燃機関からの排気流路には、排ガスの空燃比を算出及び/又は制御するために酸素センサや空燃比センサ、さらには排気ガス中のNOxを検出するためのNOxセンサ等の排ガスセンサが用いられており、これらの排ガスセンサでは、その一部にセラミック部品が用いられている。
しかしながら、セラミック部品を使用した排ガスセンサでは、例えば、内燃機関の冷間始動時等の低温下において、排ガス中に含まれる水蒸気等の水分が凝縮し、この凝縮水が排ガスセンサ中のセラミック部品に付着してしまう場合がある。この場合には、当該セラミック部品は、被水による急激な温度変化に伴う熱衝撃等のために比較的容易に割れを生じてしまうという問題がある。
特開2012−148963号公報 特開平10−291853号公報 特開2009−067659号公報
例えば、このようなセラミック部品に自己治癒性セラミック材料を使用した場合に、割れを生じた自己治癒性セラミック材料が自己治癒するためには、高温かつ酸化雰囲気等の条件を満たすことが必要である。しかしながら、例えば、排ガスの雰囲気は、自動車の走行条件等によって大きく変動するため、このような条件を確実に作り出すことは非常に困難である。
そこで、本発明では、自己治癒性セラミック材料を使用した排ガスセンサの制御装置について検討を行った。したがって、本発明の目的は、自己治癒性セラミック材料を含む排ガスセンサの制御装置であって、必ずしも排ガスの雰囲気によらずに自己治癒性セラミック材料を治癒することができる排ガスセンサの制御装置を提供することである。
上記課題を解決する本発明は下記にある。
(1)内燃機関の排気通路内に配置され、固体電解質層と、該固体電解質層の一方の面上に配置されかつ拡散律速層及び/又はトラップ層を介して排ガスに曝される第1電極層と、該固体電解質層のもう一方の面上に配置された第2電極層とを備え、前記固体電解質層が自己治癒性セラミック材料を含むか並びに/あるいは前記拡散律速層及び/又はトラップ層が自己治癒性セラミック材料を含む排ガスセンサ、並びに
前記第1電極層と前記第2電極層の間に電圧を印加するための電圧印加装置
を備え、定期的に及び/又は前記自己治癒性セラミック材料を含む層が破損したと判断した場合に、通常時よりも前記自己治癒性セラミック材料を含む層に流れる酸素量が大きくなるように前記電圧印加装置によって前記第1電極層と前記第2電極層の間に印加される電圧を変更する再生処理を実施するようにした、自己治癒性セラミック材料を含む排ガスセンサの制御装置。
(2)前記自己治癒性セラミック材料を含む層の温度が550℃以上である場合に前記再生処理が実施される、上記(1)に記載の排ガスセンサの制御装置。
(3)前記排ガスセンサが電気ヒータをさらに備え、前記自己治癒性セラミック材料を含む層の温度が550℃未満である場合には、前記再生処理を実施する前に前記自己治癒性セラミック材料を含む層の温度を前記電気ヒータによって550℃以上に加熱するようにした、上記(1)又は(2)に記載の排ガスセンサの制御装置。
(4)前記再生処理が前記内燃機関の始動後に所定の時間にわたり実施される、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
(5)前記再生処理が前記内燃機関の停止後に所定の時間にわたり実施される、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
(6)前記排ガスセンサからの出力値が所定の範囲内にない場合に、前記自己治癒性セラミック材料を含む層が破損したと判断して前記再生処理が所定の時間にわたり実施される、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
(7)前記再生処理前のフューエルカット時における前記排ガスセンサからの出力値と前記再生処理後のフューエルカット時における前記排ガスセンサからの出力値との差が所定の範囲内にない場合には、更なる再生処理を実施するようにした、上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
(8)前記排ガスセンサが、空燃比センサ、酸素センサ、又はNOxセンサである、上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
(9)前記排ガスセンサが空燃比センサであり、該空燃比センサが、
(a)酸素イオン伝導性の前記固体電解質層と、
(b)前記固体電解質層の排ガス側面上に配置された排ガス側電極層である前記第1電極層と、
(c)前記固体電解質層の基準側面上に配置された基準側電極層である前記第2電極層と、
(d)前記排ガス側電極層上に配置された前記拡散律速層及び/又はトラップ層と
を備え、前記拡散律速層及び/又はトラップ層が自己治癒性セラミック材料を含む、上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
(10)前記空燃比センサが前記拡散律速層と前記トラップ層の両方を含み、前記拡散律速層と前記トラップ層が一体的に形成されている、上記(9)に記載の排ガスセンサの制御装置。
(11)前記再生処理が、前記第1電極層の電位が前記第2電極層の電位よりも高くなるように前記電圧印加装置によって前記第1電極層と前記第2電極層の間に電圧を印加することを含む、上記(9)又は(10)に記載の排ガスセンサの制御装置。
(12)前記自己治癒性セラミック材料が、セラミック母材、並びに前記セラミック母材中に分散された金属及び/又は半金属の炭化物の微粒子を有する複合材料である、上記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
(13)前記セラミック母材が、アルミナ、ムライト、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、上記(12)に記載の排ガスセンサの制御装置。
(14)前記金属及び/又は半金属の炭化物の微粒子が、炭化チタン、炭化ケイ素、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化ホウ素、炭化タンタル、炭化タングステン、炭化ハフニウム、炭化クロム、炭化ジルコニウム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、上記(12)又は(13)に記載の排ガスセンサの制御装置。
(15)前記金属又は半金属の炭化物の微粒子が、前記セラミック母材に対して1質量%〜50質量%の割合で含有されている、上記(12)〜(14)のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
本発明の排ガスセンサの制御装置によれば、被水によって排ガスセンサ、特には当該排ガスセンサにおける拡散律速層等に破損又は割れが生じた場合においても、電圧印加装置によって第1電極層と第2電極層の間に印加される電圧を適切に制御することで、当該拡散律速層等に含まれる自己治癒性セラミック材料の自己治癒を達成又は促進させるのに十分な量の酸素を当該拡散律速層等に流通させることができる。その結果として、本発明の排ガスセンサの制御装置によれば、排ガスの雰囲気に依存することなしに、当該自己治癒性セラミック材料中の治癒発現材料の高温酸化を利用した自己治癒を確実に生じさせることができる。さらに、本発明の好ましい実施態様によれば、このような再生処理の前後の排ガスセンサからの出力値を比較しそしてそれらの出力値の差が所定の範囲内にない場合には、更なる再生処理を実施することで、自己治癒性セラミック材料の自己治癒を効率よくかつ確実に実施することが可能である。
(a)は空燃比センサの概略断面図を示し、(b)は当該空燃比センサのエレメント部の模式図を示す。 空燃比センサの動作を概略的に示した模式図である。 各排ガス空燃比におけるセンサ印加電圧Vrと出力電流Irとの関係を示す図である。 空燃比センサにおける排ガス空燃比と限界電流ILとの関係を示す図である。 拡散律速層及びトラップ層を概念的に示す断面図である。 拡散律速層及びトラップ層における自己治癒の効果を概念的に示す断面図である。 本発明による排ガスセンサの制御装置の好ましい実施態様を示す模式図である。 (a)異常出力時、(b)一部治癒状態、及び(c)正常出力時の空燃比センサにおけるセンサ印加電圧Vrと出力電流Irとの関係を示す図である。 空燃比センサを使用した場合における本発明による排ガスセンサの制御装置の再生処理操作を示すフローチャートである。 空燃比センサを使用した場合における本発明による排ガスセンサの制御装置の再生処理操作を示すタイムチャートである。
本発明の自己治癒性セラミック材料を含む排ガスセンサの制御装置は、内燃機関の排気通路内に配置され、固体電解質層と、該固体電解質層の一方の面上に配置されかつ拡散律速層及び/又はトラップ層を介して排ガスに曝される第1電極層と、該固体電解質層のもう一方の面上に配置された第2電極層とを備え、前記固体電解質層が自己治癒性セラミック材料を含むか並びに/あるいは前記拡散律速層及び/又はトラップ層が自己治癒性セラミック材料を含む排ガスセンサ、並びに
前記第1電極層と前記第2電極層の間に電圧を印加するための電圧印加装置
を備え、定期的に及び/又は前記自己治癒性セラミック材料を含む層が破損したと判断した場合に、通常時よりも前記自己治癒性セラミック材料を含む層に流れる酸素量が大きくなるように前記電圧印加装置によって前記第1電極層と前記第2電極層の間に印加される電圧を変更する再生処理を実施するようにしたことを特徴としている。
内燃機関の通常運転時においては排気管が十分に温められているため、排ガス中に含まれる水蒸気等の水分は凝縮することなくそのまま外部へ放出される。しかしながら、内燃機関の冷間始動時等の低温下においては排気管が十分に温められていないため、排ガス中の水蒸気が当該排気管で冷やされて凝縮し、あるいは排ガス中で細かい水滴を形成することがある。一方で、このような低温下では、排気通路内に配置された排ガスセンサによって排ガスのセンシングを行うためには、電気ヒータ等により当該排ガスセンサを所定の温度まで昇温して活性化することが必要である。しかしながら、当該活性化された排ガスセンサ中のセラミック部品に上記のようにして排気管内で発生した水が付着した場合には、当該セラミック部品は、被水による急激な温度変化に伴う熱衝撃等のために比較的容易に割れ(クラック)を生じてしまうという問題がある。
このため、内燃機関の冷間始動時には排ガスセンサを使用することができず、排気悪化を招く虞がある。また、被水による排ガスセンサの破損又は割れを防ぐためには、様々な装備、例えば被水カバーやコーティング技術等による対策が必要となる。しかしながら、このような装備や対策はコストや搭載スペース等の観点からも実現が困難である。また、たとえこのような装備や対策を施したとしても、許容以上の水が発生し又は熱衝撃を受けた場合には、排ガスセンサの破損を回避することができない。
そこで、本発明者らは、このようなセラミック部品に自己治癒性セラミック材料を使用した排ガスセンサについて検討を行った。一方で、排ガスの雰囲気は、自動車の走行条件等によってストイキを中心にリッチ(燃料過剰雰囲気)側又はリーン(燃料希薄雰囲気)側に大きく変動するため、通常のエンジン運転時に、自己治癒性セラミック材料を使用した排ガスセンサにおいて当該自己治癒性セラミック材料が自己治癒する条件、すなわち高温かつ酸化雰囲気等の条件を確実に作り出すことは非常に困難である。
本発明者らは、内燃機関の排気通路内に配置され、固体電解質層と、当該固体電解質層の一方の面上に配置されかつ拡散律速層及び/又はトラップ層を介して排ガスに曝される第1電極層と、当該固体電解質層のもう一方の面上に配置された第2電極層とを備え、当該固体電解質層が自己治癒性セラミック材料を含むか並びに/あるいは当該拡散律速層及び/又はトラップ層が自己治癒性セラミック材料を含む排ガスセンサにおいて、電圧印加装置によって当該第1電極層と当該第2電極層の間に印加される電圧を適切に制御することで、通常時よりも自己治癒性セラミック材料を含む層に流れる酸素量を大きくすることができることを見出した。その結果として、本発明者らは、自己治癒性セラミック材料の自己治癒を達成又は促進させるのに十分な量の酸素を当該自己治癒性セラミック材料を含む層に流通させることができ、それゆえ排ガスの雰囲気に依存することなしに、当該自己治癒性セラミック材料中の治癒発現材料の高温酸化を利用した自己治癒を確実に生じさせることができることを見出した。
なお、本発明において「通常時」とは、通常走行時において排ガスセンサによって排ガス成分の検出又は測定が行われているときを意味するものである。また、例えば、本明細書において「通常時よりも自己治癒性セラミック材料を含む層に流れる酸素量が大きい」という表現は、一般的には自己治癒性セラミック材料を含む層が破損したとき又はその直前に当該自己治癒性セラミック材料を含む層に流れている酸素量の絶対値よりも大きいことを意味するものである。特定の態様においては、当該表現は、通常走行時において排ガスセンサによって排ガス成分の検出又は測定が行われている場合に、自己治癒性セラミック材料を含む層に流れている酸素量の絶対値の最大値よりも大きいことを意味する場合がある。
以下、図面を参照して、本発明の自己治癒性セラミック材料を含む排ガスセンサの制御装置の好ましい実施態様について詳しく説明する。特に、本明細書では、理解を容易にするため、排ガスセンサとして空燃比センサを使用した場合の制御装置についてより詳しく説明する。しかしながら、以下の説明は、本発明の好ましい実施態様の単なる例示を意図するものであって、本発明をこのような特定の実施態様に限定することを意図するものではない。
<空燃比センサの構成>
まず、図1を参照して、本実施態様における空燃比センサ10の構成について詳しく説明する。図1(a)及び(b)は、それぞれ空燃比センサの概略断面図及び当該空燃比センサのエレメント部の模式図を示す。図1(a)及び(b)からわかるように、本実施態様における空燃比センサ10は、固体電解質層及び一対の電極からなるセルが1つである1セル型の空燃比センサである。
図1(b)において示されるように、空燃比センサ10は、酸素イオン伝導性の固体電解質層11と、当該固体電解質層11の排ガス側面上に配置された排ガス側電極層(第1電極層)12と、当該固体電解質層11の基準側面上に配置された基準側電極層(第2電極層)13と、当該排ガス側電極層12上に配置されそして通過する排ガスの拡散律速を行う拡散律速層14と、任意選択で当該拡散律速層14の排ガス側面上に配置された当該拡散律速層14を保護するためのトラップ層15と、さらに任意選択で空燃比センサ10の加熱を行うためのヒータ部16とを備えている。
また、固体電解質層11とヒータ部16との間には基準ガス室17が形成され、この基準ガス室17内には基準ガスが導入されている。本実施態様では、基準ガス室17は大気に開放されており、よって当該基準ガス室17内には基準ガスとして大気が導入されている。基準側電極層13は、基準ガス室17内に配置され、したがって、当該基準側電極層13は、基準ガス(基準雰囲気)に曝されている。さらに、任意選択のヒータ部16には複数の電気ヒータ18が設けられており、これら複数の電気ヒータ18によって空燃比センサ10の温度を制御することができる。
[固体電解質層]
固体電解質層11は、一般的にはZrO2(ジルコニア)、HfO2、ThO2、Bi23等に必要に応じてCaO、MgO、Y23、Yb23等の安定剤を添加した酸素イオン伝導性酸化物の焼結体によって形成することができる。好ましくは、固体電解質層11は、上記の1つ又は複数の安定剤を添加した部分安定化ジルコニアからなる酸素イオン伝導性酸化物の焼結体によって形成することができる。また、固体電解質層11は、以下で詳しく説明される自己治癒性セラミック材料を含むか、主成分が当該自己治癒性セラミック材料であるか、又は当該自己治癒性セラミック材料で構成することもできる。
[拡散律速層及びトラップ層]
拡散律速層14は、一般的にはアルミナ、ムライト等の耐熱性無機物質の多孔質焼結体によって形成することができる。好ましくは、拡散律速層14は、以下で詳しく説明される自己治癒性セラミック材料を含むか、主成分が当該自己治癒性セラミック材料であるか、又は当該自己治癒性セラミック材料で構成することができる。また、任意選択のトラップ層15は、排ガス中の水分等が拡散律速層14に直接付着するのを防止しつつ排ガスが当該拡散律速層14に到達するように多孔質材料で形成することができる。一般的には、トラップ層15は、拡散律速層14と同様の多孔質焼結体によって形成することができる。好ましくは、トラップ層15は、拡散律速層14と同様に、自己治癒性セラミック材料を含むか、主成分が当該自己治癒性セラミック材料であるか、又は当該自己治癒性セラミック材料で構成することができる。
また、拡散律速層14及びトラップ層15のいずれかのみが自己治癒性セラミック材料を含むか、主成分が当該自己治癒性セラミック材料であるか、又は当該自己治癒性セラミック材料で構成してもよい。あるいはまた、拡散律速層14とトラップ層15の両方が自己治癒性セラミック材料を含むか、主成分が当該自己治癒性セラミック材料であるか、又は当該自己治癒性セラミック材料で構成してもよい。さらに、拡散律速層14及びトラップ層15は、異なる材料によって別々に形成してもよいし、あるいはまた同じ材料によって1つの層として一体的に形成してもよい。
[第1電極層及び第2電極層]
排ガス側電極層12(第1電極層)及び基準側電極層13(第2電極層)は、特に限定されないが、一般的には白金等の貴金属によって形成することができる。また、これらの電極層は、固体電解質層11を少なくとも部分的に基準ガス及び排ガスに曝すことができる形状、例えばメッシュ等の形状を有することができるか又は複数の開口部を含む形状を有することができる。
また、排ガス側電極層12と基準側電極層13との間には、電子制御ユニット(ECU)(図示せず)に搭載された電圧印加装置20によってセンサ印加電圧Vrが印加される。加えて、ECUには、電圧印加装置20によってセンサ印加電圧Vrを印加したときに固体電解質層11を介してこれらの電極層12及び13間に流れる電流を検出するための電流検出装置21が設けられている。この電流検出装置21によって検出される電流が空燃比センサ10の出力電流Irである。
<空燃比センサの動作>
次に、図2を参照して、このように構成された空燃比センサ10の動作の基本的な概念について説明する。図2は、空燃比センサ10の動作を概略的に示した模式図である。使用時において、空燃比センサ10は、トラップ層15及び拡散律速層14の外周面が排ガスに曝されるように配置されている。また、空燃比センサ10の基準ガス室17には大気が導入されている。
排ガス側電極層12と基準側電極層13との間には一定のセンサ印加電圧Vrが印加されている。当該センサ印加電圧Vrは、一般的には、図2(a)及び(b)において示されるように、基準側電極層13の電位が排ガス側電極層12の電位よりも高くなるように印加されている。
ここで、図2(a)に示されるように、トラップ層15及び拡散律速層14を通過して排ガス側電極層12に到達した排ガス中に過剰な酸素が含まれているとき、すなわち排ガス側電極層12に到達した排ガスの空燃比(A/F)が理論空燃比(約14.6)よりもリーンであるときには、トラップ層15及び拡散律速層14を通過した排ガス中の酸素(O2)は、センサ印加電圧Vrと固体電解質層11の酸素ポンプ特性とによって酸素イオン(2O2-)として排ガス側電極層12から固体電解質層11中を通って基準側電極層13へと移動する。
次いで、この酸素イオン(2O2-)は、基準側電極層13で電子(e-)を放出して、再び酸素(O2)に戻り、基準ガス室17内に導かれる。なお、「酸素ポンプ特性」とは、固体電解質層の両側に電位差が与えられると、この電位差に応じて固体電解質層の両側で酸素濃度比が生じるように、酸素イオンの移動を引き起こそうとする特性をいうものである。
これに対し、図2(b)に示されるように、トラップ層15及び拡散律速層14を通過して排ガス側電極層12に到達した排ガス中に過剰な未燃物、例えば炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)が含まれているとき、すなわち排ガス側電極層12に到達した排ガスの空燃比(A/F)が理論空燃比よりもリッチであるときには、基準ガス室17内の基準ガス中に含まれる酸素(O2)が、固体電解質層11の酸素電池特性によって酸素イオン(2O2-)として基準側電極層13から固体電解質層11中を通って排ガス側電極層12へと移動する。
次いで、この酸素イオン(2O2-)は、排ガス側電極層12で電子(e-)を放出して、再び酸素(O2)に戻り、少なくともその一部は排ガス側電極層12に到達した未燃物、すなわち炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)等と反応する。なお、「酸素電池特性」とは、酸素濃度の高い側から酸素濃度の低い側へ酸素イオンを移動させようとする起電力が発生する特性をいうものである。
このような酸素イオン(O2-)の移動量は、拡散律速層14の存在により、当該拡散律速層14に到達した排ガスの空燃比に応じた値に制限される。換言すると、当該酸素イオンの移動により生じる出力電流Irは排ガスの空燃比に応じた値(すなわち、限界電流IL)となる(図3を参照)。
したがって、上記のように構成された空燃比センサ10では、図4に示されるように、空燃比と限界電流ILがリニアな関係を示す出力特性が得られる。すなわち、空燃比センサ10では、空燃比が大きくなるほど(すなわち、リーンになるほど)、空燃比センサ10の限界電流ILが大きくなる。加えて、空燃比センサ10は、空燃比が理論空燃比であるときに限界電流ILがゼロになるように構成される。それゆえ、この限界電流ILの大きさを電流検出装置21によって検出することで、排ガスの空燃比を知ることが可能である。
このように、空燃比センサ10においては、拡散律速層14及び任意選択のトラップ層15の外周面が排ガスに曝されるようにして配置され、また、当該拡散律速層14及びトラップ層15は、先に記載したとおり、アルミナ、ムライト等のセラミック材料で構成されている。したがって、本発明の制御装置において、排ガスセンサとして空燃比センサ10を使用した場合には、排気管内で発生した水の付着による熱衝撃等のために当該空燃比センサ10中の拡散律速層14及びトラップ層15において破損又は割れが生じるおそれがある。また、このような場合には、同様にジルコニア等のセラミック材料で構成されている固体電解質層11においても破損又は割れが生じる可能性がある。
そこで、本実施態様によれば、拡散律速層14及び任意選択のトラップ層15は、自己治癒性セラミック材料を含むか、主成分が当該自己治癒性セラミック材料であるか、又は当該自己治癒性セラミック材料で構成される。加えて、本実施態様では、固体電解質層11は、自己治癒性セラミック材料を含むか、主成分が当該自己治癒性セラミック材料であるか、又は当該自己治癒性セラミック材料で構成されてもよい。とりわけ、拡散律速層14及び任意選択のトラップ層15が自己治癒性セラミック材料を含むか、主成分が当該自己治癒性セラミック材料であるか、又は当該自己治癒性セラミック材料で構成することで、排ガス中の水分の付着によって拡散律速層14及びトラップ層15に破損又は割れが生じた場合においても、空燃比センサ10周りにおける排ガスの雰囲気に依存することなしに又は空燃比センサ10がフューエルカット運転時のような極端な酸化性雰囲気にさらされるのを待つことになしに、例えば、基準ガス室17内の基準ガス中に含まれる酸素を利用してこのような破損又は割れを修復(すなわち治癒)することが可能となる。その結果として、本実施態様によれば、空燃比センサ10の初期の出力特性又はそれに近い出力特性を長期間にわたって維持することが可能となる。
[自己治癒性セラミック材料]
本発明によれば、自己治癒性セラミック材料は、セラミック母材、並びに当該セラミック母材中に分散された金属及び/又は半金属の炭化物の微粒子を有する複合材料であってよい。
本発明によれば、このセラミック母材は、例えば、アルミナ、ムライト、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される材料であってよい。
本発明によれば、この金属及び/又は半金属の炭化物の微粒子は、例えば、炭化チタン、炭化ケイ素、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化ホウ素、炭化タンタル、炭化タングステン、炭化ハフニウム、炭化クロム、炭化ジルコニウム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される材料であってよい。
金属及び/又は半金属の炭化物の微粒子は、1μm以下、700nm以下、又は500nm以下の粒子径を有することができる。また、金属及び/又は半金属の炭化物の微粒子は、10nm以上、50nm以上、又は100nm以上の粒子径を有することができる。金属及び/又は半金属の炭化物の微粒子がこのような比較的小さい粒子径を有する場合には、当該微粒子の酸化による自己治癒機能の発現を容易にすることができる。
ここで、本発明において、粒子径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)等によって撮影した画像を元に直接に投影面積円相当粒子径を計測し、集合数100以上からなる粒子群を解析することで、数平均一次粒子径として求めることができる。
金属及び/又は半金属の炭化物の微粒子は、上記のセラミック母材に対して1質量%以上、5質量%以上、又は10質量%以上の割合で含有されていてよい。また、金属及び/又は半金属の炭化物の微粒子は、上記のセラミック母材に対して70質量%以下、50質量%以下、又は30質量%以下の割合で含有されていてよい。
次に、図5及び6を参照して、自己治癒性セラミック材料の自己治癒のメカニズムについて詳しく説明する。
図5は、拡散律速層14及びトラップ層15を概念的に示す断面図である。なお、図5では、拡散律速層14及びトラップ層15は、1つの層として一体的に形成されている。ここで、拡散律速層14及びトラップ層15は、図5(a)に示されるような気孔31によって通気性を提供する多孔質層であってもよいし、あるいはまた、図5(b)に示されるような微細な貫通孔32によって通気性を提供する層であってもよい。
このような拡散律速層14及びトラップ層15が自己治癒性セラミック材料で構成されていることにより、例えば、使用の間に拡散律速層14及びトラップ層15に割れ等が生じて当該拡散律速層14及びトラップ層15における酸素の拡散速度が変化した場合であっても、自己治癒性セラミック材料の自己治癒機能により、このような拡散速度の変化を少なくとも部分的に低減することができる。
例えば、このような効果は、図6で示されるように、拡散律速層14及びトラップ層15がセラミック母材33並びに当該セラミック母材33中に分散された金属及び/又は半金属の炭化物の微粒子34を有する自己治癒性セラミック材料で構成されかつ微細な貫通孔32によって通気性を提供する場合に得ることが可能である。
より具体的に説明すると、当初は、図6(a)で示されるように、貫通孔32を通る排ガスの拡散のみが生じている。その後、使用の間に排気管内において発生した水の付着による熱衝撃等のために、図6(b)で示されるように拡散律速層14及びトラップ層15において割れ35が生じ、それによって当該拡散律速層14及びトラップ層15における酸素の拡散速度が変化する場合がある。しかしながら、このような場合であっても、図6(c)で示されるように、自己治癒性セラミック材料の自己治癒機能によってこの割れ35が塞がれ(図6(c)中の36)、それによって拡散速度の変化を少なくとも部分的に低減することができる。したがって、たとえ拡散律速層14及びトラップ層15において割れが生じても、当該拡散律速層14及びトラップ層15に含まれる自己治癒性セラミック材料の自己治癒機能によってこのような割れを修復して当該拡散律速層14及びトラップ層15を確実に再生することが可能である。
次に、本発明の好ましい実施態様における拡散律速層14及びトラップ層15における再生処理操作についてより詳しく説明する。
<再生処理操作1>
空燃比センサ10周りにおける排ガスの空燃比(A/F)が理論空燃比よりもリーンであるときには、図2(a)に関連して説明したとおり、トラップ層15及び拡散律速層14を通過した排ガス中の酸素(O2)が、センサ印加電圧Vrと固体電解質層11の酸素ポンプ特性とによって酸素イオン(2O2-)として排ガス側電極層12から固体電解質層11中を通って基準側電極層13へと移動する。
このような条件下において、排気管内で発生した水の付着によってトラップ層15及び拡散律速層14に割れが生じたときには、リーン空燃比の値に依存してトラップ層15及び拡散律速層14を通過する酸素の量のみによっては必ずしも当該トラップ層15及び拡散律速層14における自己治癒性セラミック材料の自己治癒機能を十分に働かせることができない場合がある。この場合には、当該自己治癒性セラミック材料を自己治癒させることができないか又は当該自己治癒性セラミック材料の自己治癒を促進させることができないため、トラップ層15及び拡散律速層14における酸素の拡散速度が変化して空燃比センサ10の出力特性が大きく変化してしまうことになる。その結果として、当該空燃比センサ10を利用した内燃機関の燃料供給系及び/又は排気系の正確かつ適切な制御を実施することができなくなる場合がある。
これに対し、本実施態様によれば、電圧印加装置20によって排ガス側電極層12と基準側電極層13の間に印加される電圧を適切に制御することで、通常時よりも拡散律速層14及びトラップ層15に流れる酸素量を大きくすることができ、特には自己治癒性セラミック材料の自己治癒を達成又は促進させるのに十分な酸素量を拡散律速層14及びトラップ層15に流通させることが可能である。その結果として、自己治癒性セラミック材料中の治癒発現材料が酸化及び膨張して割れを充填することによって拡散律速層14及びトラップ層15を確実に再生することができるか又は当該拡散律速層14及びトラップ層15の再生を促進させることができる。
好ましくは、このような再生処理は、空燃比センサ10の出力電流Irがマイナスの値を示すように(図3及び4を参照)、すなわち基準ガス室17内の基準ガス中に含まれる酸素が、基準側電極層13、固体電解質層11及び排ガス側電極層12を介して拡散律速層14及びトラップ層15に導入されるように排ガス側電極層12と基準側電極層13の間により低い電圧を印加することにより実施される。
より好ましくは、このような再生処理は、図7に示すように、排ガス側電極層12と基準側電極層13の間に印加される電圧を負電圧にすること、すなわち排ガス側電極層12(第1電極層)の電位が基準側電極層13(第2電極層)の電位よりも高くなるように電圧印加装置20によって排ガス側電極層12(第1電極層)と基準側電極層13(第2電極層)の間に電圧を印加することを含む。これにより、基準ガス室17内の基準ガス中に含まれる酸素に電圧印加装置20からの電子を基準側電極層13側で強制的に付与することができる。そして、得られた酸素イオンは、酸素イオン伝導性の固体電解質層11を通って排ガス側電極層12において電子を放出して再び酸素に戻り、そうして得られた酸素が自己治癒性セラミック材料の自己治癒を達成又は促進させるのに十分な量で以って当該拡散律速層14及びトラップ層15に導入される。
なお、本実施態様において「通常時よりも拡散律速層14及びトラップ層15に流れる酸素量が大きい」という表現は、一般的には拡散律速層14及び/又はトラップ層15が破損したとき又はその直前の空燃比において当該拡散律速層14及びトラップ層15に流れている酸素量よりも大きいことを意味する。あるいはまた、当該表現は、通常走行時において空燃比センサ10によって排ガスの酸素濃度又は空燃比の検出又は測定が行われている場合に、当該拡散律速層14及びトラップ層15に流れている酸素量の最大値よりも大きいことを意味することもできる。例えば、当該表現は、空燃比(A/F)が20又はそれよりも大きな特定の空燃比に相当する酸素量よりも大きいことを意味することができる。本実施態様では、例えば、上記のように、排ガス側電極層12と基準側電極層13の間に印加される電圧を負電圧にすることで、確実に通常時よりも拡散律速層14及びトラップ層15に流れる酸素量を大きくすることが可能である。
なお、通常時よりも拡散律速層14及びトラップ層15に流れる酸素量が大きいか否かの判断に際し、酸素が流れる方向は特に考慮されない。すなわち、通常時よりも拡散律速層14及びトラップ層15に流れる酸素量が大きいか否かの判断は、酸素が排ガス側電極層12から拡散律速層14及びトラップ層15に流れるか又は拡散律速層14及びトラップ層15から排ガス側電極層12に流れるかに関係なく、通常時の酸素量の絶対値と再生処理時の酸素量の絶対値を単に比較することにより行われる。
一方、空燃比センサ10周りにおける排ガスの空燃比(A/F)が理論空燃比よりもリッチであるときには、図2(b)に関連して説明したとおり、基準ガス室17内の基準ガス中に含まれる酸素(O2)が、固体電解質層11の酸素電池特性によって酸素イオン(2O2-)として基準側電極層13から固体電解質層11中を通って排ガス側電極層12へと移動する。そして、この酸素イオン(2O2-)は、排ガス側電極層12において電子(e-)を放出して、再び酸素(O2)に戻る。
しかしながら、このようにして排ガス側電極層12で生成した酸素の量は一般に非常に少ない。しかも、その一部又は全部は、排ガス側電極層12に到達した排ガス中に含まれるHC及びCO等の未燃物と反応してしまう。したがって、このような条件下において、排気管内で発生した水の付着によってトラップ層15及び拡散律速層14に破損又は割れが生じたとしても、当該トラップ層15及び拡散律速層14における自己治癒性セラミック材料を自己治癒させるのに十分な酸素量を確保できない場合がある。この場合には、空燃比センサ10を利用した内燃機関の燃料供給系及び/又は排気系の正確かつ適切な制御を実施することができなくなる。
これに対し、本実施態様によれば、電圧印加装置20によって排ガス側電極層12と基準側電極層13の間に印加される電圧を適切に制御すること、好ましくはリーン空燃比の場合と同様に排ガス側電極層12と基準側電極層13の間により低い電圧を印加すること、より好ましくは負電圧を印加することによって基準ガス室17内の基準ガス中に含まれる酸素に電圧印加装置20からの電子を基準側電極層13側で強制的に付与することができる(図7を参照)。
その結果として、リッチ空燃比の値に依存して基準側電極層13側で得られる酸素イオンよりも多くの酸素イオンを生成することができる。そして、生成した酸素イオンは、酸素イオン伝導性の固体電解質層11を通って排ガス側電極層12で電子を放出して再び酸素に戻り、自己治癒性セラミック材料の自己治癒を達成又は促進させるのに十分な量で以って拡散律速層14及びトラップ層15に導入することが可能である。したがって、自己治癒性セラミック材料中の治癒発現材料が酸化及び膨張して割れ19を充填することによって拡散律速層14及びトラップ層15を確実に再生することができるか又は当該拡散律速層14及びトラップ層15の再生を促進させることができる。
空燃比センサ10周りにおける排ガスの空燃比(A/F)が理論空燃比(約14.6)であるときには、空燃比センサ10内へ流入する酸素及び未燃ガスの量が化学当量比となっている。その結果として、固体電解質層11の両側面間の酸素濃度比は変動せずに、センサ印加電圧Vrに対応した酸素濃度比のまま維持される。このため、酸素ポンプ特性による酸素イオンの移動は起こらず、図3において示されるように、空燃比センサの出力電流Irはゼロとなる。
このような条件下では、基準ガス室17内の基準ガス中に含まれる酸素を、基準側電極層13、固体電解質層11及び排ガス側電極層12を介して拡散律速層14及びトラップ層15に供給することはできない。したがって、このような場合には、水の付着等により当該拡散律速層14及びトラップ層15に割れが生じたとしても、自己治癒性セラミック材料の自己治癒機能を十分に働かせることができないことがある。
しかしながら、本実施態様によれば、このような場合においても、電圧印加装置20によって排ガス側電極層12と基準側電極層13の間に印加される電圧を適切に制御すること、好ましくはリーン空燃比及びリッチ空燃比の場合と同様に排ガス側電極層12と基準側電極層13の間により低い電圧を印加すること、より好ましくは負電圧を印加することによって基準ガス室17内の基準ガス中に含まれる酸素に電圧印加装置20からの電子を基準側電極層13側で強制的に付与することができる(図7を参照)。
その結果として、基準側電極層13側で多くの酸素イオンを生成することができ、そうして生成した酸素イオンを、酸素イオン伝導性の固体電解質層11を通して排ガス側電極層12へと移動させそして当該排ガス側電極層12側で電子を放出させて再び酸素に戻し、当該酸素を自己治癒性セラミック材料の自己治癒を達成又は促進させるのに十分な量で以って拡散律速層14及びトラップ層15に導入することが可能である。したがって、自己治癒性セラミック材料中の治癒発現材料が酸化及び膨張して割れ19を充填することによって拡散律速層14及びトラップ層15を確実に再生することができるか又は当該拡散律速層14及びトラップ層15の再生を促進させることができる。
それゆえ、本実施態様によれば、空燃比センサ10周りにおける排ガスの雰囲気に依存することなしに又は空燃比センサ10がフューエルカット運転時のような極端な酸化性雰囲気にさらされるのを待つことになしに、例えば、基準ガス室17内の基準ガス中に含まれる酸素を利用して、拡散律速層14及びトラップ層15に生じた破損又は割れを確実に再生することができるか又はその再生を促進することができる。その結果として、本実施態様によれば、空燃比センサ10の初期の出力特性又はそれに近い出力特性を長期間にわたって維持することが可能となる。
上記の再生処理は、拡散律速層14及びトラップ層15の破損又は割れの程度、当該当該拡散律速層14及びトラップ層15に含まれる自己治癒性セラミック材料の特性等に応じて、適切な印加電圧及び時間において実施することができる。特に限定されないが、例えば、当該再生処理は、一般的には−1.0以上0.45V(理論空燃比に相当する電位差)未満、好ましくは−1.0以上0V未満の印加電圧において5秒〜2分の時間にわたって実施することができる。
この再生処理は、自己治癒性セラミック材料を含む層である拡散律速層14及びトラップ層15の温度が550℃以上である場合に実施することが好ましい。
拡散律速層14及びトラップ層15の温度が550℃よりも低い場合には、当該拡散律速層14及びトラップ層15に含まれる自己治癒性セラミック材料の自己治癒機能を十分に働かせることができないか又は当該自己治癒性セラミック材料の自己治癒を促進させることができない場合がある。したがって、本実施態様においては、拡散律速層14及びトラップ層15の温度は、一般的には550℃以上、特には600℃以上、650℃以上、700℃以上、750℃以上、800℃以上、850℃以上、900℃以上、950℃以上又は1,000℃以上であることが好ましい。また、この温度は、一般的には1,500℃以下、特には1,400℃以下、1,300℃以下、1,200℃以下、1,100℃以下であることが好ましい。このような温度において再生処理を実施することで、自己治癒性セラミック材料の自己治癒機能を十分に働かせることができるか又は当該自己治癒性セラミック材料の自己治癒を促進させることができる。
本発明によれば、自己治癒性セラミック材料を含む層である拡散律速層14及びトラップ層15の温度が550℃未満である場合には、再生処理を実施する前に当該温度を任意選択の電気ヒータ18によって上記の温度範囲、例えば550℃以上、特には600℃以上、及び/又は1,500℃以下、特には1,400℃以下に加熱することが好ましい。なお、拡散律速層14及びトラップ層15の温度は、例えば、空燃比センサ10の上流側又は下流側排気通路内に取り付けられた温度センサ等によって検出することが可能である。
本発明によれば、再生処理は、定期的に実施することができ、好ましくは内燃機関の始動後又は停止後に所定の時間にわたり実施することができる。
内燃機関の始動後又は停止後は、排ガス中の水蒸気が排気管等で急激に冷やされて凝縮しあるいは排ガス中で細かい水滴を形成することがある。それゆえ、内燃機関の始動後又は停止後は、被水によって空燃比センサ10、特には拡散律速層14及びトラップ層15に破損又は割れの生じる可能性が当該内燃機関の通常運転時の場合と比較して極めて高い。したがって、このようなタイミングにおいて自己治癒性セラミック材料の再生処理を定期的に所定の時間、例えば5秒〜2分の時間にわたって実施することで、拡散律速層14及びトラップ層15の破損又は割れを比較的早期に修復又は治癒することが可能である。
加えて、拡散律速層14及びトラップ層15の破損又は割れを比較的早期に修復又は治癒することで、再生処理に要する時間を短縮することが可能である。本発明の制御装置では、先に説明したとおり、再生処理の間、空燃比センサ10には、当該空燃比センサ10の通常操作の場合とは異なる電圧が印加される。
とりわけ、再生処理において排ガス側電極層12と基準側電極層13の間に負電圧を印加した場合には、図3において示されるように、センサ印加電圧Vrに比例して出力電流Irが変化するため、いわゆる限界電流ILは生じない。したがって、この場合、再生処理の間は空燃比センサ10の本質的な機能、すなわち限界電流ILの値を測定することによって排ガスの空燃比を検出する機能が失われることになる。それゆえ、拡散律速層14及びトラップ層15に破損又は割れが生じる可能性が高い条件下において定期的に再生処理を実施して当該再生処理に要する時間を短縮することは、空燃比センサ10を利用した内燃機関の燃料供給系及び/又は排気系の正確かつ適切な制御を実施する上で非常に有利である。
上記のとおり、再生処理の間は空燃比センサ10のセンサとしての機能が失われる場合がある。したがって、当該再生処理は、例えば、空燃比センサの機能が求められないタイミングにおいて実施してもよい。特に限定されないが、例えば、当該再生処理は、フューエルカット中や、フューエルカット後のリッチ制御等の時点において実施することも可能である。
再生処理を定期的に実施することに加えて又はそれに代えて、当該再生処理は、自己治癒性セラミック材料を含む層である拡散律速層14及びトラップ層15が破損したと判断した場合に実施することができる。好ましくは、再生処理は、空燃比センサ10からの出力値が所定の範囲内にない場合に、拡散律速層14及びトラップ層15が破損したと判断して所定の時間にわたり実施することができる。
例えば、拡散律速層14及びトラップ層15に破損又は割れが生じた場合には、拡散律速層14及びトラップ層15における酸素の拡散速度が変化する場合がある。この場合には、当該拡散律速層14及びトラップ層15を介して固体電解質層11に供給される酸素の量が変化して空燃比センサ10の出力特性が大きく変化してしまうことになる。より具体的には、拡散律速層14及びトラップ層15における酸素の拡散速度が速くなり、当該拡散律速層14及びトラップ層15を介して固体電解質層11に供給される酸素の量が多くなるため、それに応じて空燃比センサ10の出力電流Irの値が一般に大きくなる。したがって、例えば、当該空燃比センサ10の出力電流Irが所定の値、例えば20mA(既存の空燃比センサに関する値)よりも大きくなった場合には、拡散律速層14及びトラップ層15が破損したと判断して、再生処理を所定の時間、例えば5秒〜2分の時間にわたって実施することが可能である。なお、このような電流値は、空燃比センサ10の電極面積等によって定まる適合値である。
<再生処理操作2>
次に、自己治癒性セラミック材料の自己治癒を効率よくかつ確実に実施することができる本発明による排ガスセンサの制御装置のさらに好ましい実施態様について詳しく説明する。
先に記載したとおり、拡散律速層14及びトラップ層15に破損又は割れが生じた場合には、拡散律速層14及びトラップ層15における酸素の拡散速度が速くなり、それゆえ当該拡散律速層14及びトラップ層15を介して固体電解質層11に供給される酸素の量が多くなる。その結果、空燃比センサ10の出力電流Irの値は、正常出力時の値(図8の(c))と比較して一般に大きくなる(図8の(a)を参照)。例えば、拡散律速層14及びトラップ層15の破損又は割れの程度が比較的大きい場合には、たとえ先に説明した通常の再生処理操作を実施したとしても、実際には当該破損又は割れの一部のみしか再生又は治癒されない場合があり得る。このような場合には、空燃比センサ10の出力電流Irは、正常出力時の値までは回復しない(図8の(b)を参照)。
そこで、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、通常の再生処理前後の空燃比センサ10からの出力値を比較し、それらの出力値の差が所定の範囲内にない場合には、更なる再生処理が実施される。より具体的には、再生処理前のフューエルカット時における空燃比センサ10からの出力値と当該再生処理後のフューエルカット時における空燃比センサ10からの出力値との差が所定の範囲内にない場合には、更なる再生処理を実施することができる。
図9は、空燃比センサを使用した場合における本発明による排ガスセンサの制御装置の再生処理操作を示すフローチャートである。
図9を参照すると、まず初めにステップ100では、空燃比センサ10の上流側又は下流側排気通路内に取り付けられた温度センサ等によって検出される拡散律速層14及びトラップ層15の温度TAが、当該拡散律速層14及びトラップ層15に含まれる自己治癒性セラミック材料の自己治癒機能を十分に働かせることができる所定の温度T1に達しているか否かが判定され、TA≧T1の場合はステップ101に進んで再生処理が、例えば所定の時間にわたり実施される。ここで、温度T1としては、例えば、先に記載したとおり550℃と設定することができる。一方で、ステップ100において、TA<T1の場合には、再生処理は実施せずにルーチンを終了する。
ステップ101における所定時間の再生処理が終了した後、ステップ102において、フューエルカット(F/C)中であるか否かが判定され、フューエルカット中である場合にはステップ103に進む。ステップ103では、空燃比センサ10の温度TBが、当該空燃比センサ10が活性化される所定の温度T2に達しているか否かが判定され、TB≧T2の場合はステップ104に進む。一方で、ステップ103において、TB<T2の場合には、ステップ105に進み、空燃比センサ10を活性化させるために電気ヒータ18をオンにする。ここで、空燃比センサ10の活性化温度T2としては、特に限定されないが、一般的には500℃、特には600℃と設定することができる。
次に、ステップ104において空燃比センサ10の出力学習を行う。具体的には、ステップ104においてフューエルカット中の空燃比センサ10からの出力電流IrAの値を記憶する。次いで、ステップ106において、それを前回のフューエルカット時に記憶した空燃比センサ10からの出力電流IrBの値と比較する。そして、それらの出力電流値の差ΔIrがΔIr≦I1である場合には、空燃比センサ10からの出力電流IrAの値が正常であると判断してステップ107に進む。一方で、ΔIr>I1である場合には、再生処理操作が完了していないと判断して再度ステップ100に戻る。そして、更なる再生処理が実施され、空燃比センサ10からの出力電流値が正常に戻るまで同じ操作が繰り返される。最後に、ステップ107では、電気ヒータがオフであるか否かが判定され、電気ヒータがオフの場合にはそのままルーチンを終了する。一方で、電気ヒータがオンの場合には、ステップ108において電気ヒータをオフにした後、ルーチンを終了する。なお、電気ヒータは、空燃比センサ10の温度TBが所定の温度、例えば1000℃に達した場合にオフとしてもよい。
このような制御を実施することで、先の再生処理操作によって拡散律速層14及びトラップ層15の破損又は割れが十分に再生又は治癒されていない場合でも、後の再生処理操作によって効率よくかつ確実に当該破損又は割れを再生又は治癒することが可能となる。また、このような再生処理操作によって治癒された拡散律速層14及びトラップ層15中の自己治癒性セラミック材料では、当該治癒による微小な気孔率の変化のためにその特性、例えば拡散係数が変化する場合がある。そして、当該自己治癒性セラミック材料の拡散係数が変化した場合には、空燃比センサ10の出力特性もわずかに変化するものと考えられる。したがって、上記の制御を実施することで、治癒による自己治癒性セラミック材料の特性変化についても学習することが可能となる。
なお、本実施態様では、再生処理前後のフューエルカット時における空燃比センサ10からの出力電流値が比較されているが、フューエルカット時の出力電流値を比較すること自体は必ずしも重要ではなく、再生処理の前後で空燃比センサ10が同じ雰囲気にさらされている任意の時点の出力電流値を比較することが可能である。しかしながら、排ガスの雰囲気は、自動車の走行条件等によって大きく変動するため、内燃機関の通常運転時において再生処理の前後で空燃比センサ10が同じ雰囲気にさらされる条件を見出すことは非常に困難である。したがって、本実施態様では、上記のとおり、再生処理の前後で空燃比センサ10が確実に同じ雰囲気にさらされるフューエルカット時における空燃比センサ10からの出力電流値を比較することが好ましい。
<タイムチャートを用いた制御の説明>
図10を参照して、上述したような操作について具体的に説明する。図10は、空燃比センサを使用した場合における本発明による排ガスセンサの制御装置の再生処理操作を示すタイムチャートである。
まず初めに時刻t1〜t2において、センサ印加電圧Vrを負電圧にすることにより通常の再生処理が実施される。次いで、時刻t3でフューエルカット制御が開始され、空燃比センサ10周りの雰囲気が理論空燃比(ストイキ)から大気に変更される。次いで、時刻t4〜t5において空燃比センサ10の出力学習をオンにし、その際の当該空燃比センサ10からの出力値を記憶する。
次に、フューエルカット制御が終了して通常運転が開始された後、時刻t6〜t7において再びセンサ印加電圧Vrを負電圧にすることにより通常の再生処理が実施される。次いで、時刻t8でフューエルカット制御が開始され、空燃比センサ10周りの雰囲気が理論空燃比(ストイキ)から大気に変更される。次いで、時刻t9〜t10において空燃比センサ10の出力学習をオンにし、その際の当該空燃比センサ10からの出力値と前回のフューエルカット時に記憶した出力値とを比較する。そして、それらの出力値の差(図10中のA)が所定の範囲内にない場合には、t11〜t12において更なる再生処理が実施される。図10の例では、再生処理を確実に完了させ又は促進させるために、先の通常の再生処理よりも長い時間にわたって更なる再生処理が実施されている。
なお、本明細書では、理解を容易にするため、排ガスセンサにおける拡散律速層、さらには任意選択のトラップ層が自己治癒性セラミック材料を含む実施態様について詳しく説明した。しかしながら、本発明の制御装置は、拡散律速層等が自己治癒性セラミック材料を含む場合だけでなく、固体電解質層が自己治癒性セラミック材料を含む場合についても適用することが可能である。この場合には、再生処理は、固体電解質層の両側に配置された第1及び第2電極層間に印加する電圧を適切に制御して、当該固体電解質層中の自己治癒性セラミック材料の自己治癒を達成又は促進させるのに十分な酸素量を当該固体電解質層に流通させるように実施することができる。これにより、被水等によって固体電解質層に破損又は割れが生じた場合においても、当該固体電解質層に含まれる自己治癒性セラミック材料の自己治癒機能によってこのような破損又は割れを修復して当該固体電解質層を確実に再生することが可能である。
同様に、本明細書では、理解を容易にするため、排ガスセンサとして空燃比センサ、特には1セル型の空燃比センサを使用した場合の制御装置についてより詳しく説明した。しかしながら、本発明の制御装置は、このような特定の実施態様には限定されず、酸素ポンプセルと、酸素濃度検出セルである起電力セルとを備えたいわゆる2セル型の空燃比センサについても適用することが可能である。また、本発明の制御装置は、例えば、固体電解質層、当該固体電解質層の両側に配置された一対の電極層、及び拡散律速層を備え、当該固体電解質層と当該拡散律速層のうち少なくとも一方がセラミック材料を含み、さらにはこれらの電極層間に電圧を印加することができる任意の排ガスセンサについて適用することが可能である。このような排ガスセンサとしては、上記の空燃比センサ以外にも、酸素センサやNOxセンサを挙げることができる。
例えば、酸素センサは、空燃比がリッチかリーンかに応じて出力値が変化するものであり、一般的には、固体電解質であるZrO2(ジルコニア)を大気に接触する基準電極と排ガスに接触する測定電極とで挟み両電極の酸素濃度差に応じて発生する起電力を検出するものである。したがって、酸素センサは、その検出原理からすると、電極間に電圧を印加する必要はない。しかしながら、一般に使用されている酸素センサでは、センサ抵抗に基づいて酸素センサの温度制御が行われており、それゆえ当該酸素センサには、センサ抵抗を測定するために定期的にパルス電圧を印加する回路が基本的に組み込まれている。したがって、酸素センサを本発明による排ガスセンサの制御装置に適用した場合には、このような回路を利用して電極間に電圧を適切に印加し又はその電圧を制御することで、当該酸素センサにおける拡散律速層、さらには固体電解質層に生じた破損又は割れを確実に再生又は修復することが可能である。
10 空燃比センサ
11 固体電解質層
12 排ガス側電極層(第1電極層)
13 基準側電極層(第2電極層)
14 拡散律速層
15 トラップ層
16 ヒータ部
17 基準ガス室
18 電気ヒータ
19 割れ
20 電圧印加装置
21 電流検出装置
31 気孔
32 貫通孔
33 セラミック母材
34 金属及び/又は半金属の炭化物の微粒子
35 割れ
36 自己治癒によって塞がれた割れ

Claims (15)

  1. 内燃機関の排気通路内に配置され、固体電解質層と、該固体電解質層の一方の面上に配置されかつ拡散律速層及び/又はトラップ層を介して排ガスに曝される第1電極層と、該固体電解質層のもう一方の面上に配置された第2電極層とを備え、前記固体電解質層が自己治癒性セラミック材料を含むか並びに/あるいは前記拡散律速層及び/又はトラップ層が自己治癒性セラミック材料を含む排ガスセンサ、並びに
    前記第1電極層と前記第2電極層の間に電圧を印加するための電圧印加装置
    を備え、定期的に及び/又は前記自己治癒性セラミック材料を含む層が破損したと判断した場合に、通常時よりも前記自己治癒性セラミック材料を含む層に流れる酸素量が大きくなるように前記電圧印加装置によって前記第1電極層と前記第2電極層の間に印加される電圧を変更する再生処理を実施するようにした、自己治癒性セラミック材料を含む排ガスセンサの制御装置。
  2. 前記自己治癒性セラミック材料を含む層の温度が550℃以上である場合に前記再生処理が実施される、請求項1に記載の排ガスセンサの制御装置。
  3. 前記排ガスセンサが電気ヒータをさらに備え、前記自己治癒性セラミック材料を含む層の温度が550℃未満である場合には、前記再生処理を実施する前に前記自己治癒性セラミック材料を含む層の温度を前記電気ヒータによって550℃以上に加熱するようにした、請求項1又は2に記載の排ガスセンサの制御装置。
  4. 前記再生処理が前記内燃機関の始動後に所定の時間にわたり実施される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
  5. 前記再生処理が前記内燃機関の停止後に所定の時間にわたり実施される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
  6. 前記排ガスセンサからの出力値が所定の範囲内にない場合に、前記自己治癒性セラミック材料を含む層が破損したと判断して前記再生処理が所定の時間にわたり実施される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
  7. 前記再生処理前のフューエルカット時における前記排ガスセンサからの出力値と前記再生処理後のフューエルカット時における前記排ガスセンサからの出力値との差が所定の範囲内にない場合には、更なる再生処理を実施するようにした、請求項1〜6のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
  8. 前記排ガスセンサが、空燃比センサ、酸素センサ、又はNOxセンサである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
  9. 前記排ガスセンサが空燃比センサであり、該空燃比センサが、
    (a)酸素イオン伝導性の前記固体電解質層と、
    (b)前記固体電解質層の排ガス側面上に配置された排ガス側電極層である前記第1電極層と、
    (c)前記固体電解質層の基準側面上に配置された基準側電極層である前記第2電極層と、
    (d)前記排ガス側電極層上に配置された前記拡散律速層及び/又はトラップ層と
    を備え、前記拡散律速層及び/又はトラップ層が自己治癒性セラミック材料を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
  10. 前記空燃比センサが前記拡散律速層と前記トラップ層の両方を含み、前記拡散律速層と前記トラップ層が一体的に形成されている、請求項9に記載の排ガスセンサの制御装置。
  11. 前記再生処理が、前記第1電極層の電位が前記第2電極層の電位よりも高くなるように前記電圧印加装置によって前記第1電極層と前記第2電極層の間に電圧を印加することを含む、請求項9又は10に記載の排ガスセンサの制御装置。
  12. 前記自己治癒性セラミック材料が、セラミック母材、並びに前記セラミック母材中に分散された金属及び/又は半金属の炭化物の微粒子を有する複合材料である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
  13. 前記セラミック母材が、アルミナ、ムライト、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項12に記載の排ガスセンサの制御装置。
  14. 前記金属及び/又は半金属の炭化物の微粒子が、炭化チタン、炭化ケイ素、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化ホウ素、炭化タンタル、炭化タングステン、炭化ハフニウム、炭化クロム、炭化ジルコニウム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項12又は13に記載の排ガスセンサの制御装置。
  15. 前記金属又は半金属の炭化物の微粒子が、前記セラミック母材に対して1質量%〜50質量%の割合で含有されている、請求項12〜14のいずれか1項に記載の排ガスセンサの制御装置。
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