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JP5850311B2 - 熱媒ボイラ - Google Patents

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Description

本発明は、熱媒ボイラに関する。
従来から、高温(250℃〜300℃)の熱を利用するために熱媒油を所望される温度まで加熱して負荷に供給する熱媒ボイラが知られている。
熱媒ボイラは、一般的に、負荷側と熱媒ボイラ間を循環する熱媒油の温度を化石燃料の燃焼による燃焼ガスとの熱交換を行うことによって、ほぼ所定の温度に保つように燃焼制御されている。しかしながら、熱媒油の温度は、利用される温度が高いこともあり、加熱される熱媒油の温度は300℃近傍となるため、熱媒ボイラで加熱したあとの排ガス温度が350℃程度と高く、持ち去られるエネルギーが大きく、例えば、小型貫流型の蒸気ボイラのボイラ効率が92%程度であるのに対して、熱媒ボイラではボイラ効率が80%程度と熱効率が低い。
ボイラ効率を上げるためには、排ガス温度を下げる必要があるが、熱媒ボイラの場合、給水予熱は不可能であり、さらに定常運転時における油の予熱はほとんど効果が期待できないため、熱媒ボイラの排ガス排出部分に、特許文献1に示されているようにレキュペレータ(熱交換器)を用いて、送風機で燃焼用空気をレキュペレータに押し込みながら、燃焼排ガスと熱交換を行い、燃焼用空気を予熱することが行われている。
特開平08−312944号公報
燃焼用空気を加熱した場合、つぎの課題がある。
循環され熱媒ボイラに戻ってくる熱媒油の温度の低下に比例して燃焼量(燃料)を増加させた場合、燃焼量の増加に応じて燃焼用空気を増加させなければならないが、排ガスと熱交換されて予熱された燃焼用空気は体積が膨張するため、送風機の回転数が一定では、ダンパ部分を通過する空気の速度が速くなり、ダンパ部分での圧力損失が増大し、送風機による空気の押し込み量が減り、燃焼用空気の量が減少する。
すなわち、燃焼用の空気が不足(酸素濃度が低下)して燃焼性が悪化する。
さらに、負荷側の変動に伴い燃焼量を変化させることになるが、排ガス温度が変化するため、排ガスとの熱交換量が変化し、燃焼用空気の温度が変化してしまい、空気過多や空気不足が起こり、一酸化炭素の増加や消炎、吹き消えなど燃焼が安定しないといった問題も起こる。
したがって、燃焼用空気の予熱を行う場合には、燃焼量の変化に伴う燃焼用空気の温度変化を的確に捉え、必要な空気量を燃焼部位に送気するように制御を行わなければならない。
このため、特許文献1の技術は、温度上昇による空気の膨張でバーナ部の流速が増大して着火が不安定になることを防止するために、レキュペレータで予熱された空気をバーナに供給する空気流量調整弁を設け、バーナ着火後の所定時間だけ空気流量調整弁を所定の初期開度に保持し、予熱された空気の温度の検出結果に応じて空気流量調整弁の初期開度を変化させてバーナにおいて所定の空気比の範囲内で燃焼を行わせている。
しかしながら、特許文献1の技術では、負荷変動が大きく、バーナ着火後に燃焼量が安定するまでに予熱された燃焼用空気の温度が大きく変化することが予想され、空気比が大きく変化して燃焼が不安定になるおそれがある。
本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、燃焼量の変動に応じて燃焼用空気の供給量を的確に制御することで、燃焼性を良好に保ち、燃焼の安定化を図ることができる熱媒ボイラを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、バーナと、設定された燃焼量に応じて気体燃料を前記バーナに供給する燃料供給手段と、前記バーナに燃焼用空気を供給する送風機と、前記送風機と前記バーナとの間に設けられ、前記バーナによる前記気体燃料の燃焼により生成された排ガスによって前記燃焼用空気を予熱する熱交換器と、前記熱交換器により予熱された前記燃焼用空気の予熱温度を検出する燃焼用空気温度検出手段と、前記熱交換器と前記バーナとを接続する空気供給路に設けられ開度が制御されるダンパと、前記設定された燃焼量に応じて、前記ダンパの開度を制御すると共に、前記燃焼用空気温度検出手段で検出された前記予熱温度により、空気比が予め定められた目標空気比となるように前記送風機の回転数を調整する制御手段とを備え、発熱量が異なる気体燃料毎に、前記予熱温度の上限温度が予め設定されており、前記制御手段は、前記送風機の回転数の調整を、前記燃焼用空気温度検出手段で検出される前記予熱温度が前記設定された上限温度を超えないように行うことを特徴とする。
請求項1および後述する請求項2に記載の発明によれば、設定された燃焼量に応じて、ダンパの開度を制御すると共に、燃焼用空気温度検出手段で検出された燃焼用空気の予熱温度から、空気比が予め定められた目標空気比となるように送風機の回転数を調整するようにした。
したがって、燃焼量の変化に応じて、燃焼用空気の供給量を的確に制御することができるので、空気比を目標空気比となるように制御でき、燃焼性を良好に保ち燃焼の安定性を図ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、燃焼用空気の予熱温度の上限温度を設定し、その温度を超えないように送風機の回転数を調整するので、目標空気比に近い燃焼効率の良い燃焼性を維持するとともに、予熱による燃焼ガス温度の上昇を抑え、NOx(窒素酸化物)の排出を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、バーナと、設定された燃焼量に応じて気体燃料を前記バーナに供給する燃料供給手段と、前記バーナに燃焼用空気を供給する送風機と、前記送風機と前記バーナとの間に設けられ、前記バーナによる前記気体燃料の燃焼により生成された排ガスによって前記燃焼用空気を予熱する熱交換器と、前記熱交換器により予熱された前記燃焼用空気の予熱温度を検出する燃焼用空気温度検出手段と、前記熱交換器と前記バーナとを接続する空気供給路に設けられ開度が制御されるダンパと、前記設定された燃焼量に応じて、前記ダンパの開度を制御すると共に、前記燃焼用空気温度検出手段で検出された前記予熱温度により、空気比が予め定められた目標空気比となるように前記送風機の回転数を調整する制御手段とを備え、発熱量が異なる気体燃料毎に、前記予熱温度の上限温度が予め設定されており、前記熱交換器は、気体燃料毎に設定された前記上限温度以下となるように、前記気体燃料毎に伝熱面積を変えた熱交換器であって、前記気体燃料の種類に合わせて前記予熱温度の上限温度以下となる熱交換器が選択されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、上限温度に対応して定められた伝熱面積を有する熱交換器を用いるので、熱媒ボイラの効率を高めつつ、燃焼効率を向上させるとともに予熱による燃焼ガス温度の上昇を抑え、NOxの排出を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の熱媒ボイラにおいて、前記気体燃料の種類に合わせて選択された熱交換器に対応する前記上限温度を第1上限温度Th1とし、前記第1上限温度Th1に予め定められた温度を加算した温度を第2上限温度Th2としたとき、前記熱交換器は、前記燃焼用空気を前記第2上限温度Th2まで予熱することが可能に構成され、前記制御手段は、前記送風機の回転数の調整を、前記予熱温度が前記第1上限温度Th1以下となるように行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、気体燃料の燃料種に応じて予熱温度の上限値である第1上限温度Th1に予め定めた温度を加算した予熱温度の上限値である第2上限温度Th2を熱交換器が有する性能とし、予熱温度が第1上限温度Th1を超えたとき、予熱温度を第1上限温度Th1以下に下げるように送風機の回転数を調整するようにした。したがって、燃焼用空気の予熱温度は上限温度(第1上限温度T1)あるいは上限温度に近い温度に維持できるので、熱媒ボイラとして高効率を維持できると共に、NOxの排出を抑制することができる。
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱媒ボイラにおいて、前記制御手段による前記送風機の回転数の調整は、前記予熱温度が変化しても空気比を前記目標空気比に維持するに足る燃焼用空気量を前記バーナに供給させるために、前記送風機の回転数と前記予熱温度との相関関係を示す関係式を用いてなされることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、送風機の回転数の調整に要する処理を、関係式を用いて行うようにしたので、送風機の回転数の調整を精密に行うことができる。
本発明によれば、燃焼量の変動に応じて燃焼用空気の供給量を的確に制御することで、燃焼性を良好に保ち、燃焼の安定化を図ることができるとともに、NOxの排出を抑制することができる。
第1の実施の形態に係る熱媒ボイラ100の構成を示す構成図である。 第1の実施の形態に係る熱媒ボイラ100における缶体10、ウインドボックス22、バーナ24、ダンパ42の構造を示す斜視図である。 (A)、(B)、(C)は第1の実施の形態に係る熱媒ボイラ100におけるダンパ42の動作説明図である。 燃焼用空気の予熱温度Tと送風機28の回転数Nとの相関関係を示す関数の線図である。 第1の実施の形態に係る熱媒ボイラ100の動作を示すフローチャートである。 温度差ΔTと補正係数αとを関連付けたテーブルの説明図である。 第2の実施の形態に係る熱媒ボイラ100の動作を示すフローチャートである。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は熱媒ボイラ100の構成を示す構成図である。
熱媒ボイラ100は、缶体10を含んで構成されている。
図2に示すように、缶体10は、コイル状に巻回された加熱管12を備えている。
図1に示すように、加熱管12の上流端は、熱媒体戻りライン14であり、負荷側で熱を放出して温度の低下した熱媒油が熱媒ボイラ100に戻るラインである。加熱管12の下流端は、負荷側に熱媒を供給する熱媒体供給ライン16である。
そして、熱媒油が不図示の循環ポンプによって加熱管12と負荷との間で熱媒体戻りライン14、熱媒体供給ライン16を介して循環される。
コイル状に巻回された加熱管12の内側には燃焼室18が形成され、この燃焼室18内で後述するバーナ24によりガス燃料(気体燃料)が燃焼されることにより、加熱管12を循環する熱媒油が加熱される。
熱媒ボイラ100は、図1に示すように、ウインドボックス22と、バーナ24と、燃料供給手段26と、送風機28と、インバータ30と、熱交換器32と、第1、第2、第3、第4の温度センサ34、36、38、40と、ダンパ42と、制御装置44とを含んで構成されている。
ウインドボックス22は、本例では図2に示すように、缶体10の上部に設けられており、バーナ24が収容保持されている。
ウインドボックス22は、送風機28から供給される燃焼用空気を均一にバーナ24に送るための箱体である。ウインドボックス22から供給された燃焼用空気は、燃料供給手段26からバーナ24に供給される燃料(本実施の形態ではガス燃料)とバーナ24で混合される。
バーナ24は、図2に示すように、燃料供給手段26から供給されるガス燃料と燃焼用空気を混合して燃焼させるものである。燃焼用空気と混合されたガス燃料は、バーナ24により缶体10の加熱管12の内側の燃焼室18で燃焼される。
燃料供給手段26は、設定された燃焼量に応じて燃料をバーナ24に供給するものである。
図1に示すように、本実施の形態では、燃料供給手段26は、ガス燃料供給路2602と、遮断弁2604と、ガバナ2606と、比例弁2608と、後述する制御装置44とを含んで構成されている。
ガス燃料供給路2602は、その上流端が不図示のガス供給源に接続され、下流端がバーナ24に接続されている。
遮断弁2604は、ガス燃料供給路2602に設けられ、制御装置44から供給される制御信号により開閉されるものである。
ガバナ2606は、ガス燃料供給路2602において遮断弁2604の下流側に設けられ、ガス燃料供給路2602を流れるガス燃料の圧力を一定の圧力に調整するものである。
比例弁2608は、ガス燃料供給路2602においてガバナ2606の下流側に設けられ、モータ27により開度が調整されるものである。モータ27はステッピングモータ(パルスモータ)で構成され制御装置44によりモータ27の回転量(回転停止位置)が制御されることで比例弁2608の開度が調整される。
したがって、制御装置44により遮断弁2604の開閉が制御されることでバーナ24へのガス燃料の供給および停止が制御され、制御装置44により比例弁2608の開度が調整されることにより、バーナ24へのガス燃料の供給量、すなわち燃焼量の制御がなされる。
送風機28は、バーナ24に燃焼用空気を供給するものである。
送風機28は、モータ2802と該モータ2802によって回転される不図示のファンとを備え、モータ2802によってファンを回転させることによって、吸入口から常温の空気を吸込み、吐出口から燃焼用空気を吐出する。
インバータ30は、制御装置44から供給される制御信号により、送風機28のモータの回転数を調整するものである。
後述するように、制御装置44によりインバータ30を介して送風機28のモータの回転数が調整されることにより、燃焼用空気の温度に応じて燃焼用空気の供給量が調整される。
熱交換器32(レキュペレータ)は、1次側3202と2次側3204とを備えている。
熱交換器32の1次側3202は、燃焼排ガスを外部に導く排ガス供給路46の途中に接続されている。
熱交換器32の2次側3204は、送風機28の吐出口とウインドボックス22とを接続する空気供給路33の途中に接続されている。
すなわち、熱交換器32は、バーナ24による燃料の燃焼により得られる燃焼ガスと循環する熱媒油との熱交換を行った後の燃焼排ガスによって、送風機28から押し込まれた燃焼用空気を予熱するものである。
以下、熱交換器32によって予熱された燃焼用空気の温度を予熱温度という。
熱交換器32によって燃焼排ガスと燃焼用空気との熱交換を行う場合、燃焼温度は燃焼用空気の予熱温度を上げるほど上昇する。燃焼温度が高くなると、燃焼排ガス中に含まれるNOx濃度が高くなることが知られている。そして、燃焼温度はガス燃料種の違いによって異なる。
発明者らの実験によれば、燃焼排ガスに含まれるNOx濃度を所定濃度以下に抑制するために必要な予熱温度の上限温度は、例えば、都市ガス(13A)の場合300℃程度、液化石油ガス(LPG)の場合200℃程度であることが明らかとなった。予熱温度の上限温度に違いが生じる理由はガス燃料の種類によってその発熱量に違いがあるためである。
したがって、本実施の形態では、NOxの排出を抑制するために、後述するように予熱温度が上限温度を超えないようにしている。
第1の温度センサ34は、送風機28の吐出口の近傍に設けられ、吐出口から空気供給路33に押し込まれる燃焼用空気の温度を検出し、その検出結果を制御装置44に供給するものである。この第1の温度センサ34は、送風機28の吸入口に設けてもよい。
第2の温度センサ36は、熱交換器32により予熱された燃焼用空気の温度、すなわち予熱温度を検出し、その検出結果を制御装置44に供給するものであり、空気供給路33のうち熱交換器32の2次側3204の下流端とウインドボックス22とを接続する部分に設けられている。第2の温度センサ36は、特許請求の範囲における燃焼用空気温度検出手段を構成する。
第3の温度センサ38は、排ガス供給路46のうち熱交換器32の1次側3202の下流端に接続された部分に設けられ、外部に排出される排ガスの温度を検出し、その検出結果を制御装置44に供給するものである。
第4の温度センサ40は、熱媒体供給ライン16のうち缶体10(加熱管12)の出口近傍に設けられ、缶体10から負荷に供給される熱媒油の温度を検出し、その検出結果を制御装置44に供給するものである。
ダンパ42は、図1に示すように、板体4202を含んで構成されている。
板体4202は、空気供給路33のうち熱交換器32の2次側3204の下流端とウインドボックス22とを接続する部分に設けられた回転可能に構成され、前記のモータ27によって比例弁2608と同期して回転される。
したがって、制御装置44から供給される制御信号によりモータ27が回転することにより板体4202が回転し、図3(A)、(B)、(C)に示すようにダンパ42の開度が調整され、ダンパ42の開度は比例弁2608の開度と同期して調整されることになる。
すなわち、モータ27が回転することにより、ダンパ42の開度が制御されて空気供給路33を流れる燃焼用空気の供給量が制御されると共に、比例弁2608の開度が制御されて燃焼量が制御される。
制御装置44は、外部から要求される燃焼量の指令と、第1乃至第4の温度センサ40からの検出信号とを受け付けると共に、燃料供給手段26、送風機28およびダンパ42を制御するものである。
制御装置44は、マイクロコンピュータによって構成することができる。
すなわち、マイクロコンピュータは、CPUと、バスラインを介して接続されたROM、RAM、インタフェースなどを含んで構成されている。ROMはCPUが実行する熱媒ボイラの制御プログラムなどを格納し、RAMはワーキングエリアを提供する。
そして、CPUが前記の制御プログラムを実行することによって、特許請求の範囲の制御手段が実現される。
制御装置44は、第4の温度センサ40の検出温度に基づき、循環する熱媒油の温度を所定温度に維持するよう燃焼量を判断し、遮断弁2604を開き、燃焼量に見合う開度になるように比例弁2608を開くと共に所定範囲の空気比となるようにダンパ42の開度を制御する。制御装置44による燃焼量の設定は、第4の温度センサ40の検出温度と所定温度との温度差に比例してなされる(比例制御でなされる)。
より詳細には、燃焼用空気の予熱温度が予め定められた一定温度(例えば250℃)に維持されているという仮定で、燃焼量毎に、所定範囲の空気比となるダンパ42の開度を実験的に求める。
そして、モータ27の回転により燃焼量(比例弁2608の開度)が設定されると、所定範囲の空気比となるダンパ42の開度が得られるように、言い換えると、モータ27の回転量に応じて比例弁2608の開度とダンパ42の開度とが同期して調整されるように、比例弁2608およびダンパ42を構成しておく。
具体的には、燃焼量毎にモータ27の回転停止位置を決め、燃焼量と回転停止位置とをデータテーブルとして前記ROMに記憶しておく。
制御装置44は、燃焼量を決定すると、決定した燃焼量に基づいて前記データテーブルから読みだした回転停止位置となるようにモータ27を制御する。これにより、燃焼量に対応して所定範囲の空気比となるダンパ42の開度が調整される。
ここで、空気比について説明する。
空気は、大気圧で20.9%の酸素(O)を含んでいる。
空気比は、燃焼用空気の酸素濃度(20.9%)を、該酸素濃度から排ガスの酸素濃度を差し引いた値で割った値であり、式(1)で定義される。
空気比=20.9/(20.9−排ガス中の酸素濃度)……(1)
したがって、供給した燃料に対して、理論上完全な燃焼を行うだけの空気を供給した場合は、空気比=1(理論空気量)となる。熱効率的に見れば、空気比=1は理想であるが、工業的な熱媒ボイラでは、このような理論的な燃焼を達成することが困難であるので、燃料を完全燃焼させるために、理論空気量よりも多い空気、つまり(1)の式に基づけば、空気比>1となるように供給する。
この場合の所定範囲の空気比とは、不完全燃焼による一酸化炭素の急増や火炎の途中消炎が起こらない燃焼性が得られる、およそ1.15〜1.45の範囲である。
そして、制御装置44は、設定されたダンパ開度において、予熱温度を検出する第2の温度センサ36の検出値に基づいて、目標空気比を得るように送風機28の回転数を設定し、該設定した回転数に基づいてインバータ30を介して送風機28を調整する。
ここで目標空気比について説明する。
ダンパ42の開度の設定により前記の所定範囲の空気比あるいはその近傍までの調整は可能であるが、予熱温度は、大気温度、燃焼量や負荷の変動などによって変化する。
この結果、燃焼量によるダンパ42の開度調整だけでは、空気量の変動が大きくなり、所定範囲の空気比を逸脱したり、空気比が低くなり燃焼性を悪化させることが起こり得る。
このため、送風機28の回転数を調整することにより、目標空気比になるように調整することが必要となる。
供給する空気量はできる限り理論空気比=1に近い量が理想であるが、本実施の形態の熱媒ボイラ100の場合は、この目標空気比はおよそ1.201〜1.237である。この過剰な空気量は、熱媒ボイラによっても変わる。
制御装置44(制御手段)による送風機28の回転数の調整は、燃焼用空気の予熱温度Tが変化してもバーナ24の空気比を目標空気比に維持するに足る燃焼用空気量をバーナ24に供給させるための、送風機の回転数Nと予熱温度Tとの相関関係を示す関係式を用いてなされる。
すなわち、制御装置44は、第2の温度センサ36で検出された予熱温度Tから、以下に説明する関係式に基づいて送風機28の回転数Nを設定し調整する。
図4は、予熱温度Tと回転数Nとの相関関係を示す関数の線図であり、横軸は予熱温度T、縦軸は送風機28の回転数Nを示す。
図中、N=f(T)で示されている線が相関関係を示しており、f(T)は、空気比を目標空気比とするための、予熱温度Tに対応する回転数Nを求める関係式(相関式)である。
すなわち、空気比が目標空気比となるように、熱交換器32の出口における予熱温度Tと、送風機28の回転数Nとの相関関係を示す曲線を計算により求め、この曲線を示す相関式を作成し制御装置44の制御プログラムに組み込む。
このような関係式の作成は、従来公知の様々な方法が使用可能である。
熱媒ボイラ100に使用されるガス燃料(ガス種)は、熱媒ボイラ100を使用するユーザによって決定される。
また、前述したように、複数種存在するガス燃料毎に発熱量が変わるので、燃焼用空気の上限温度は熱媒ボイラ100で使用されるガス燃料に対して予め設定されることになる。以下の説明では、熱媒ボイラ100でガス燃料に対して予め設定される予熱温度Tの上限温度をThとする。
そこで、制御装置44は、燃焼用空気の予熱温度Tが上限温度Thを超えないように、該制御装置44により予熱温度Tに基づいて調整された送風機28の回転数Nを調整する。すなわち、制御装置44は、通常時は空気比が目標空気比となるようによる送風機28の回転数Nの調整を行う一方、燃焼用空気の予熱温度Tが上限温度Thを超えようとした場合は、送風機28の回転数Nをさらに上げて空気比がさらに高くなるようにすることで、燃焼用空気の予熱温度Tが上限温度Thを超えないようにする。
次に、熱媒ボイラ100の動作について図5のフローチャートを参照して説明する。
予め熱媒ボイラ100は停止状態にあるものとする。
熱媒ボイラ100が起動されると、前記の循環ポンプは、缶体10と負荷との間での熱媒油の循環を開始する。これと同時に制御装置44が起動することにより図5の処理が実行される。
制御装置44は、第4の温度センサ40により検出された熱媒油の温度と、予め設定された熱媒油の目標温度との温度差に基づいて燃焼量(燃料の量)を設定する(ステップS10、S12)。
次に、制御装置44は、設定された燃焼量に基づいて燃料供給手段26を制御してガス燃料をバーナ24に供給し、設定された燃焼量に応じてダンパ42の開度を設定し、ダンパ42のモータ4204を制御してダンパ42を設定した開度とする(ステップS14)。
次に、制御装置44は、第2の温度センサ36で検出された予熱温度Tの検出結果を受け付け、予熱温度Tが上限温度Th以下であるか否かを判定する(ステップS16、S18)。
制御装置44は、予熱温度Tが上限温度Th以下であれば、予熱温度Tに基づいて前記の関係式から送風機28の回転数Nを算出する(ステップS20)。
次いで、制御装置44は、インバータ30を介して送風機28の回転数が回転数Nとなるように制御し(ステップS22)、ステップS10に戻り、同様の処理を繰り返して実行する。
一方、ステップS18で、予熱温度Tが上限温度Thを超えていれば、制御手段44は、予熱温度Tに基づいて前記の関係式から送風機28の回転数Nを算出し(ステップS24)、予熱温度Tと上限温度Thとの温度差(ΔT=Th−T)に基づいて後述する補正係数αを算出し(ステップS26)、この補正係数αを回転数Nに乗算した回転数αNを算出する(ステップS28)。
ここで補正係数αについて説明する。
図6は、温度差ΔTと補正係数αとを関連付けたテーブルの説明図であり、制御装置44には、予めこのテーブルが格納されている。
図6に示すように、補正係数αは、温度差ΔTの値が大きくなるほど値が大きくなるように定められている。
例えば、ある燃焼量において第2の温度センサ36で検出される予熱温度Tが上限温度Thよりも小さい場合、予熱温度Tに応じて目標空気比となるように送風機28の回転数Nが決定され制御されている(補正係数α=1)。
補正係数αは、第2の温度センサ36で検出される予熱温度Tが上限温度Thよりも大きくなったとき、α=1として回転している送風機28の回転数Nに温度差ΔTに応じて乗じる値である。
このように温度差ΔTに応じて実験的に補正係数αを決めても良い。
あるいは、第2の温度センサ36で予熱温度Tを検出しながら、所定時間毎に、例えば0.01/分の変化率で補正係数αを大きくしながら回転数αNを求めるようにしてもよい。
次いで、制御装置44は、インバータ30を介して送風機28の回転数が回転数αNとなるように制御し(ステップS30)、ステップS18に戻り、同様の処理を繰り返して実行する。
このような処理がなされることにより、燃焼用空気の予熱温度Tは上限温度Th以下となるように制御される。
以上説明したように本実施の形態によれば、設定された燃焼量に応じて、ダンパ42の開度を制御すると共に、第2の温度センサ36で検出された予熱温度Tから、バーナ24の空気比が予め定められた目標空気比となるように送風機28の回転数Nを調整するようにした。
したがって、燃焼量の変動に応じて燃焼用空気の供給量を的確に制御することにより、燃焼用空気を的確に予熱して排ガス温度を下げることでボイラ効率(燃焼効率)を高めることができ、かつ、負荷の増大に応じて燃焼量(燃料)を増加させた場合に、的確に燃焼用空気を増加させつつ、予熱された燃焼用空気の熱膨張に伴う燃焼用空気の供給量の減少を抑制して空気比を目標空気比となるように送風機28を制御できるため、燃焼性を良好に保ち、燃焼の安定化を図ることができる。
したがって、燃焼量の変化に応じて、燃焼用空気の供給量を的確に制御することができるので、空気比を目標空気比となるように制御でき、燃焼性を良好に保ち燃焼の安定性を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、送風機28の回転数Nの調整は、燃焼用空気の予熱温度Tが変化してもバーナ24の空気比を目標空気比に維持するに足る燃焼用空気量をバーナ24に供給させるための、送風機24の回転数Nと予熱温度Tとの相関関係を示す関係式を用いて行うようにしたので、送風機24の回転数Nの調整を精密に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、発熱量が異なるガス燃料毎に、燃焼用空気の予熱温度Tの上限温度Thを予め設定しておき、検出される予熱温度Tが設定された上限温度Thを超えないように送風機24の回転数Nを調整するようにした。
したがって、予熱温度Tが上限温度Thを超えないように制御されるので、目標空気比に近い燃焼効率の良い燃焼性を維持するとともに、予熱による燃焼ガス温度の上昇を抑え、NOxの排出を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
なお、以下の実施の形態において第1の実施の形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第1の実施の形態では、制御装置44によって、予熱温度Tが上限温度Thを超えないように送風機24の回転数Nを調整する場合について説明したが、第2の実施の形態では、予熱温度Tが上限温度Thを超えないようにするために、ガス燃料毎に伝熱面積を変えた熱交換器32を準備しておき、熱媒ボイラ100に使用するガス燃料の種類に合わせて上限温度Th以下となる熱交換器32を選択するようにした。
第2の実施の形態における熱媒ボイラ100の動作について図7のフローチャートを参照して説明する。なお、図1のフローチャートの処理ステップと同一内容の処理ステップについては同一の符号を付して説明する。
制御装置44は、第4の温度センサ40により検出された熱媒油の温度と、予め設定された熱媒油の目標温度との温度差に基づいて燃焼量(燃料の量)を設定する(ステップS10、S12)。
次に、制御装置44は、設定された燃焼量に基づいて燃料供給手段26を制御してガス燃料をバーナ24に供給し、設定された燃焼量に応じてダンパ42の開度を設定し、ダンパ42のモータ4204を制御してダンパ42を設定した開度とする(ステップS14)。
次に、制御装置44は、第2の温度センサ36で検出された予熱温度Tの検出結果を受け付ける(ステップS16)。
制御装置44は、検出された予熱温度Tに基づいて前記の関係式から送風機28の回転数Nを算出する(ステップS20)。
次いで、制御装置44は、インバータ30を介して送風機28の回転数が回転数Nとなるように制御し(ステップS22)、ステップS10に戻り、同様の処理を繰り返して実行する。
このような処理がなされることにより、空気比が理想空気比となるように送風機28の回転数Nの調整が行われる。前述したように、熱交換器32として熱媒ボイラ100に使用するガス燃料の種類に合わせて上限温度Th以下となるものが選択されているため、燃焼用空気の予熱温度Tは上限温度Th以下となるように制御される。
このような第2の実施の形態においては、燃料種に応じた上限温度Thを超えないようにして、燃焼量の変化に応じて、燃焼用空気の供給量を的確に制御することができるので、空気比を目標空気比となるように制御でき、燃焼性を良好に保ち燃焼の安定性を図ることができるとともに、NOxの排出を抑制することができる。
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態で説明では、ガス燃料毎に伝熱面積を変えた熱交換器32を準備しておき、熱媒ボイラ100に使用するガス燃料の種類に合わせて上限温度Th以下となる熱交換器32を選択するようにした。
しかしながら、実際には、大気温度の変化や湿度の変化などによって、燃焼ガスの温度が上下し、予熱温度Tが上限温度Thを上回ってしまう場合や、上限温度Thよりも低い温度となってしまい、熱媒ボイラの効率が低くなってしまうことが懸念される。
そこで、予め大気温度の変化や湿度の変化による影響を考慮し、第3の実施の形態では、熱交換器32での熱交換における予熱温度の最大値が燃料種に応じて設定された予熱温度を超えないようにするのではなく、燃料種に応じて設定された予熱温度の上方に余裕をもたせた設計としておき、これを燃料種に応じて選択できるようにすると共に、送風機28の回転数Nを的確に調整することで燃焼ガス温度の上昇の抑制を図るようにしたものである。
すなわち、第3の実施の形態では、ガス燃料毎に設定された上限温度を第1上限温度Th1とし、第1上限温度Th1に予め定められた温度を加算した温度を第2上限温度Th2とし、熱交換器32は、燃焼用空気を第2上限温度Th2まで予熱することが可能に構成されている。
そして、制御装置44は、送風機28の回転数Nの調整を、予熱温度Tが第1上限温度Th1以下となるように行う。
第3の実施の形態における熱媒ボイラ100の動作は、図5に示した第1の実施の形態と同様であり、図5の上限温度Thを第1上限温度Th1に読み替えたものとなる。
すなわち、制御装置44は、通常時は空気比が目標空気比となるようによる送風機28の回転数Nの調整を行う一方、燃焼用空気の予熱温度Tが第1上限温度Thを超えようとした場合は、送風機28の回転数Nをさらに上げて空気比がさらに高くなるようにすることで、予熱温度Tが第1上限温度Th1以下となるように制御する。
このような第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、燃焼量の変化に応じて、燃焼用空気の供給量を的確に制御することができるので、空気比を目標空気比となるように制御でき、燃焼性を良好に保ち燃焼の安定性を図ることができることは無論のこと以下の効果が奏される。
すなわち、ガス燃料の燃料種に応じて予熱温度Tの上限値である第1上限温度Th1に予め定めた温度を加算した予熱温度Tの上限値である第2上限温度Th2を熱交換器32が有する性能とした。そして、予熱温度Tが第1上限温度Th1を超えたとき、予熱温度Tを第1上限温度Th1以下に下げるように送風機28の回転数Nを調整するようにした。したがって、燃焼用空気の予熱温度Tは上限温度(第1上限温度T1)あるいは上限温度に近い温度に維持できるので、熱媒ボイラとして高効率を維持できると共に、NOxの排出を抑制することができる。
100……熱媒ボイラ
10……缶体
12……加熱管
15……燃焼室
14……熱媒体戻りライン
16……熱媒体供給ライン
18……燃焼室
22……ウインドボックス
24……バーナ
26……燃料供給手段
28……送風機
30……インバータ
32……熱交換器
34……第1の温度センサ
36……第2の温度センサ(燃焼用空気温度検出手段)
38……第3の温度センサ
40……第4の温度センサ
42……ダンパ
44……制御手段(制御手段)
100……熱媒ボイラ

Claims (4)

  1. バーナと、
    設定された燃焼量に応じて気体燃料を前記バーナに供給する燃料供給手段と、
    前記バーナに燃焼用空気を供給する送風機と、
    前記送風機と前記バーナとの間に設けられ、前記バーナによる前記気体燃料の燃焼により生成された排ガスによって前記燃焼用空気を予熱する熱交換器と、
    前記熱交換器により予熱された前記燃焼用空気の予熱温度を検出する燃焼用空気温度検出手段と、
    前記熱交換器と前記バーナとを接続する空気供給路に設けられ開度が制御されるダンパと、
    前記設定された燃焼量に応じて、前記ダンパの開度を制御すると共に、前記燃焼用空気温度検出手段で検出された前記予熱温度により、空気比が予め定められた目標空気比となるように前記送風機の回転数を調整する制御手段とを備え、
    発熱量が異なる気体燃料毎に、前記予熱温度の上限温度が予め設定されており、
    前記制御手段は、前記送風機の回転数の調整を、前記燃焼用空気温度検出手段で検出される前記予熱温度が前記設定された上限温度を超えないように行う
    ことを特徴とする熱媒ボイラ。
  2. バーナと、
    設定された燃焼量に応じて気体燃料を前記バーナに供給する燃料供給手段と、
    前記バーナに燃焼用空気を供給する送風機と、
    前記送風機と前記バーナとの間に設けられ、前記バーナによる前記気体燃料の燃焼により生成された排ガスによって前記燃焼用空気を予熱する熱交換器と、
    前記熱交換器により予熱された前記燃焼用空気の予熱温度を検出する燃焼用空気温度検出手段と、
    前記熱交換器と前記バーナとを接続する空気供給路に設けられ開度が制御されるダンパと、
    前記設定された燃焼量に応じて、前記ダンパの開度を制御すると共に、前記燃焼用空気温度検出手段で検出された前記予熱温度により、空気比が予め定められた目標空気比となるように前記送風機の回転数を調整する制御手段とを備え、
    発熱量が異なる気体燃料毎に、前記予熱温度の上限温度が予め設定されており、
    前記熱交換器は、気体燃料毎に設定された前記上限温度以下となるように、前記気体燃料毎に伝熱面積を変えた熱交換器であって、前記気体燃料の種類に合わせて前記予熱温度の上限温度以下となる熱交換器が選択されている
    ことを特徴とする熱媒ボイラ。
  3. 前記気体燃料の種類に合わせて選択された熱交換器に対応する前記上限温度を第1上限温度Th1とし、前記第1上限温度Th1に予め定められた温度を加算した温度を第2上限温度Th2としたとき、前記熱交換器は、前記燃焼用空気を前記第2上限温度Th2まで予熱することが可能に構成され、
    前記制御手段は、前記送風機の回転数の調整を、前記予熱温度が前記第1上限温度Th1以下となるように行うことを特徴とする、
    請求項2に記載の熱媒ボイラ。
  4. 前記制御手段による前記送風機の回転数の調整は、
    前記予熱温度が変化しても空気比を前記目標空気比に維持するに足る燃焼用空気量を前記バーナに供給させるために、前記送風機の回転数と前記予熱温度との相関関係を示す関係式を用いてなされることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱媒ボイラ。
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