以下、本実施形態のハニカム構造体およびこれを用いたガス処理装置の一例について説明する。
図1は、本実施形態のハニカム構造体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)におけるB−B’線での断面図である。
ハニカム構造体11は、内部を流体が流れる筒状部5と、筒状部5の内側に、複数の流通孔を設けるように格子状に配置され、通気性を有する隔壁部2と、隔壁部2によって囲まれた流入路3と流出路4となる複数の流通孔を備えている。なお流入路3と流出路4となる流通孔は、それぞれハニカム構造体11の一端と他端が交互に封止材9により封止されている。それにより、筒状部5の内部を流れる流体は、図1に示すAで示す方向に流れる(以下では、流体の流れる方向を、単に軸方向Aともいう)。
また図2は、図1に示す例のハニカム構造体の(a)におけるC−C’線での断面における部分拡大図である。
図2に示すハニカム構造体11は、軸方向Aに対して垂直な断面(以下、単に断面ともいう)において、流入路3の形状が八角形状で、かつ流出路4の形状が四角形状であり、収入路3の開口径が流出路4の開口径よりも大きい例を示しており、本実施形態においては、流入路3が開口径の大きい第1の流通孔に相当し、流出路4が開口径の小さい第2の流通孔に相当する。なお、開口径とは、流入路および流出路を構成する流通孔の開口面積の円相当径に換算したものを意味する。
ここで、図2に示すハニカム構造体11においては、流入路3である開口径の大きい流通孔16および流出路4である開口径の小さい流通孔17が、筒状部5内側の内方から外方に向かってそれぞれ列状に配置されている。そして、流通孔16の配列方向の延長線(図2においてPで示す)上に筒状部5に面する曲面Sを有する第3の流通孔である流通孔18が、流通孔17の配列方向の延長線(図2においてQで示す)上に第4の流通孔である流通孔19が設けられている。なお、流通孔16の配列方向の延長線上とは、流通孔16の中心部を結ぶ線の延長線上を意味し、この線が直線でない場合には、その近似線とすることができる。流通孔17の延長線上についても同意である。
ここで、流通孔18が有する曲面は、筒状部5の表面S1から隔壁部2の表面S2にかけて連続的に変化する曲面の例を示しているが、例えば流通孔16の角部のみが曲面となっていてもよく、流通孔18の筒状部5に面する面全体が曲面となっていてもよい。
それにより、流通孔18の筒状部5に面する面が曲面となっていることから、流通孔18と接する筒状部5に生じる応力が分散されやすくなり、流通孔16の配列方向の延長線P上に位置する筒状部5に生じる応力を緩和することができるので、流通孔17の配列方向の延長線Q上に位置する筒状部5に生じる応力との差が小さくなる。それにより、ハニカム構造体11は、筒状部5の歪を抑制でき、筒状部5にクラックが生じにくく、強度を高く維持することができる。
また、開口径の小さい流通孔17の延長線Q上に位置する流通孔19も、筒状部5に面する曲面を有していてもよく、図2に示すハニカム構造体11においては、流通孔19が筒状部5に面する曲面S’を有している例を示している。
この場合において、流通孔18における曲面の長さは、流通孔19における曲面の長さよりも長いことが好ましい。それにより、流通孔16の配列方向の延長線P上に位置する筒状部5に生じる応力と、流通孔17の配列方向の延長線Q上に位置する筒状部5に生じる応力との差が小さく維持しつつ、流通孔19と接する筒状部5に生じる応力を小さくでき、筒状部5にクラックが生じにくく、強度を高く維持することができる。曲面の長さは、例えばハニカム構造体11を撮影した画像を、画像ソフトにて解析することで求めることができる。
なお、流通孔18,19において、曲面の曲率を変更することで、曲面の長さを変えること
もできる。
また、上述の例において、流通孔18が有する曲面が、筒状部5の表面S1から隔壁部2の表面S2にかけて連続的に変化する曲面であるとは、例えば、図2に示すように、表面S2の傾きが、表面S1に近付くにつれて、表面S1の傾きに近づくように、表面S1と表面S2とが繋がっていることを意味する。また、表面S1から表面S2にかけて連続的に変化している曲面Sの曲率は、例えば2mm−1以上4mm−1以下であって、表面S2が表面S1に近づくにつれて、上記曲率が小さくなっていることが好適である。
また、図2において流通孔19が有する曲面S’は、筒状部5の表面を表面S3,隔壁部2の表面を表面S4としたとき、筒状部5の表面S3から隔壁部2の表面S4にかけて連続的に変化する曲面の例を示しているが、例えば流通孔19の角部のみが曲面となっていてもよく、流通孔19の筒状部5に面する面全体が曲面となっていてもよい。
なおこの場合、流通孔18の曲面Sの曲率が流通孔19の曲面S’の曲率より大きいことが好ましい。より好ましくは、流通孔18の曲面Sの曲率が流通孔19の曲面S’の曲率より4mm−1以上大きければよい。このように、流通孔18の曲面Sの曲率が流通孔19の曲面S’の曲率より4mm−1以上大きければ、ハニカム構造体11に熱応力などの応力が生じたときに発生するクラックを少なくできるので、ハニカム構造体11の強度を高く維持できる。
ここで、このようなハニカム構造体11は、例えば、外径が140〜270mm、軸方向Aの長さLが100〜250mmの円柱形状であって、軸方向Aに対して垂直な断面における流通孔16,17は個数が100mm2当たり5〜124個(32〜800CPSI)である。また、隔壁部2は、厚みが0.05mm以上0.25mm以下であり、封止材9は、厚みが1mm以上5mm以下である。なお、CPSIとはCells Per Square Inchesのことである。
ハニカム構造体11の流入側にディーゼルエンジン,ガソリンエンジン等の内燃機関(図示しない)が配置され、この内燃機関が作動すると、流体である排気ガスが発生し、この排気ガスは、図1(b)に示すようにハニカム構造体11の流入側の封止材9が形成されていない流入路3から導入されるが封止材9によってその流出が遮られる。流出が遮られた排気ガスは、通気性を有する隔壁部2を通過して、隣接する流出路4に導入される。排気ガスが隔壁部2を通過するとき、隔壁部2の壁面や隔壁部2の気孔の表面で排気ガス中の炭素を主成分とする微粒子,硫黄が酸化してできる硫酸塩を主成分とする微粒子および高分子からなる未燃の炭化水素等の微粒子(以下、これらを総称して単に微粒子という)が捕集される。微粒子が捕集された排気ガスは、浄化された状態で、封止材9が形成されていない流出路4から外部に排出される。
図3は、本実施形態のハニカム構造体の他の例を示す、軸方向Aに垂直な断面における部分断面図である。
ハニカム構造体12は、流通孔18,19のそれぞれの内方に隣接する流通孔20,21を構成する隔壁部2の筒状部5側の面Tが曲面であるハニカム構造体である。
ハニカム構造体12は、流通孔20,21を構成する隔壁部2の筒状部5側の面Tが曲面であると、流通孔20,21を構成する隔壁部2に生じる応力が流通孔20,21の筒状部5側の面Tで分散されやすいため、ハニカム構造体12に熱応力などの応力が生じて筒状部5または流通孔20,21より筒状部5側にある隔壁部2などにクラックが生じたとしても、そのクラックが流通孔20,21の筒状部5側の面Tを有する隔壁部2からハニカム構造体12の内方側に伝搬しにくいので、ハニカム構造体12の強度をさらに高く維持することができて好適である。
図4は、本実施形態のハニカム構造体のさらに他の例を示す、軸方向Aに垂直な断面における部分断面図である。
ハニカム構造体13は、断面において、流通孔18の配列方向の延長線上に位置する流通孔18が円形状であるハニカム構造体である。
ハニカム構造体13は、流通孔18が円形状であると、延長線P上に位置する筒状部5に生じる応力がより緩和される傾向となるので、延長線P上に位置する筒状部5と延長線Q上に位置する筒状部5に生じる応力の差が小さくなり、ハニカム構造体13の強度をさらに高く維持できて好適である。なお、流出路3bの延長線Q上に位置して筒状部5に接する流通孔19が円形状であることがハニカム構造体の強度をより高く維持できるので好適であるが、その他の形状であってもかまわない。流通孔18の開口径は、例えば、流通孔19の開口径の1.5倍以上1.9倍以下であることが好適であり、流通孔18,19‘の開口径は、例えば、円相当径にてそれぞれ1.1mm以上1.5mm以下,0.7mm以上0.8mm以下となるのが好ましい。。
図5は、本実施形態のハニカム構造体のさらに他の例を示す、軸方向Aに垂直な断面における部分断面図である。
ハニカム構造体14は、第2の領域N内に位置し、かつ筒状部5に接する流通孔18,19のそれぞれの内方に隣接する流通孔20,21が円形状であるハニカム構造体である。
ハニカム構造体14は、流通孔20,21が円形状であるので、流通孔20,21を構成する隔壁部2に生じる応力が分散されやすいため、ハニカム構造体14に熱応力などの応力が生じて筒状部5または流通孔20,21より筒状部5側にある隔壁部2などにクラックが生じたとしても、そのクラックが第1の領域M側に伝搬しにくいので、ハニカム構造体14の強度をさらに高く維持することができて好適である。
ここで、流通孔20,21の開口径は、例えば、円相当径にてそれぞれ1.1mm以上1.5mm以下,0.7mm以上0.8mm以下である。
図6は、本実施形態のハニカム構造体のさらに他の例を示す、軸方向Aに垂直な断面における部分断面図である。
ハニカム構造体15は、軸方向Aに垂直な断面において、筒状部5に接する流通孔18,19の開口面積が、流通孔18,19のそれぞれの内方に隣接する流通孔20,21の開口面積よりも小さいハニカム構造体である。
ハニカム構造体15は、流通孔18,19の開口面積が、それぞれの内方に隣接する流通孔20,21の開口面積よりも小さいと、ハニカム構造体15のアイソスタティック強度をより高くする傾向となり、さらにハニカム構造体15に熱が加わっても、内方から外方に向かって徐々に冷却される傾向となるので、クラックの発生を抑制することができる。なお、流通孔18,19,20,21の開口面積は、断面を複写機(コピー機)等で複写したコピー画像を解析し、流通孔18,19,20,21の個々の面積を求めて、流通孔18と流通孔20,流通孔19と流通孔21の開口面積をそれぞれ対比すればよい。
ここで、流通孔18,19の開口面積は、対応する流通孔20,21の開口面積に対して80%以上90%以下であることが好適である。
また、図1〜6に示す例のハニカム構造体11〜15では、流入側端面(IF)における、封止されていない流入路3の直径は、封止されている流出路4の直径に対して、1.55倍以上1.95倍以下であることが好適である。このように、直径の比を1.55倍以上とすることで、微粒子を吸着することのできる隔壁部2および封止材9のそれぞれの表面積が大きくなるので、微粒子の捕集量を増大させることができるとともに、直径の比を1.95倍以下とすることで、隔壁部2が極端に薄くならないので、機械的強度が損なわれ難い。ここで、流入路3,流出路4の直径とは、流入側端面(IF)における隔壁部2に接する内接円の直
径をいい、光学顕微鏡を用いて、倍率を例えば50倍以上100倍以下として測定することが
できる。
また、隔壁部2,封止材9および筒状部5をそれぞれ構成する成分は、主成分が、いずれも線膨張係数が小さい成分、例えば、コージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2),β−ユークリプタイト(Li2O・Al2O3・2SiO2),β−スポジュメン(Li2O・Al2O3・4SiO2),炭化珪素(SiC),窒化珪素(Si3N4),サイアロン(Si6−ZAlZOZN8−Z,但しzは固溶量で0.1以上1以下で
ある。),ムライト(3Al2O3・2SiO2),アルミン酸カルシウム(CaAl4O7),燐酸ジルコニウムカリウム(KZr2(PO4))およびチタン酸アルミニウム(Al2TiO5)の少なくともいずれか1種であることが好適である。
ここで、隔壁部2,封止材9および筒状部5の各主成分とは、それぞれ前記各部材を構成する全成分100質量%に対して50質量%以上を占める成分をいい、この成分の同定はX
線回折法によって行ない、また成分の含有量はICP発光分析法または蛍光X線分析法により求めることができる。
また、隔壁部2,封止材9および筒状部5がいずれもチタン酸アルミニウム(Al2TiO5)を主成分とする場合、チタン酸マグネシウム(MgTi2O5)およびチタン酸鉄(Fe2TiO5)をそれぞれ16質量%以上24質量%以下含んでいることが好適である。この比率は、耐熱性に優れたチタン酸アルミニウム(Al2TiO5)、耐食性に優れたチタン酸マグネシウム(MgTi2O5)および耐熱劣化性に優れたチタン酸鉄(Fe2TiO5)の最適比率であり、前記各部材の耐熱性,耐食性および耐熱劣化性が良くなる比率である。
また、隔壁部2,封止材9および筒状部5がいずれもチタン酸アルミニウム(Al2TiO5)を主成分とする場合、隔壁部2,封止材9および筒状部5のそれぞれの粒界相の少なくともいずれかは、珪素酸化物を主成分とすることが好適である。これら粒界相の少なくともいずれかが珪素酸化物を主成分とするときには、その粒界相と隣接する結晶粒子同士を強く結合する傾向があるとともに、結晶粒子の異常な粒成長を抑制するため、機械的強度を高くすることができる傾向がある。
特に、この珪素酸化物は、粒界相を構成するそれぞれの酸化物の合計100質量%に対し
て90質量%以上であることが好適である。
なお、この珪素酸化物は、組成式がSiO2で示される二酸化珪素は安定性が高いため好適であるが、組成式がSiO2−x(ただし、xは0<x<2である。)で示される不定比の酸化珪素であっても何等差し支えない。
また、各粒界相は、アルカリ金属の酸化物を含んでいてもよいが、アルカリ金属の酸化物はエンジンオイルに含まれる硫酸ナトリウム,硫酸カルシウム等の硫酸塩に対する耐食性が低いので、その含有量は少ない方が好ましく、各粒界相をそれぞれ構成する酸化物100質量%に対して、12質量%以下であることが好適である。アルカリ金属の酸化物は、こ
の範囲であれば、硫酸塩に対して、隔壁部2,封止材9および筒状部5は、耐食性が損なわれにくいからである。
特に、酸化リチウムおよび酸化ナトリウムは、粒界相をそれぞれ構成する酸化物の合計100質量%に対して、それぞれ2質量%以下であることがより好適である。
また、酸化アルミニウムも硫酸塩に対する耐性が低いので、粒界相をそれぞれ構成する
酸化物の合計100質量%に対して、15質量%以下であることが好適である。
ところで、図1〜6に示す例の本実施形態のハニカム構造体11〜15では、隔壁部2は気孔率が35体積%以上60体積%以下であって、平均気孔径が5μm以上26μm以下である多孔質のセラミック焼結体からなることが好適である。このような隔壁部2を形成するセラミック焼結体の気孔率および平均気孔径がこの範囲であると、機械的特性を維持しながら、圧力損失の増加を抑制することができるからであり、平均気孔径および気孔率は水銀圧入法に準拠して求めればよい。
具体的には、まず、隔壁部2から質量が0.6g以上0.8g以下となるように平均気孔径および気孔率を測定するための試料を切り出す。
次に、水銀圧入型ポロシメータを用いて、試料の気孔に水銀を圧入し、水銀に加えられた圧力と、気孔内に浸入した水銀の体積を測定する。
この水銀の体積は気孔の体積に等しく、水銀に加えられた圧力と気孔径には以下の式(1)(Washburnの関係式)が成り立つ。
d=−4σcosθ/P・・・(1)
但し、d:気孔径(m)
P:水銀に加えられた圧力(Pa)
σ:水銀の表面張力(0.485N/m)
θ:水銀と気孔の表面との接触角(130°)
式(1)から各圧力Pに対する各気孔径dが求められ、各気孔径dの分布および累積気孔体積を導くことができる。そして、累積気孔体積の百分率が50%に相当する気孔径(D50)を平均気孔径とし、試料の体積に対する累積気孔体積の百分率を気孔率とすればよい。
図7は、本実施形態の一例を模式的に示すガス処理装置の概略断面図である。
ガス処理装置10は、隔壁部2の壁面に触媒(図示しない)を担持した本実施形態のハニカム構造体11を備え、流通孔の封止されていない一端を入口とし、この流通孔と隔壁部2を介した他の流通孔の封止されていない他端を出口として排気ガス(EG)を通過させることによって、排気ガス(EG)中の微粒子を隔壁部2で捕集するガス処理装置である。ハニカム構造体11は、その外周を断熱材層6に保持された状態でケース7に収容され、断熱材層6は、例えばセラミックファイバ,ガラスファイバ,カーボンファイバおよびセラミックウィスカーの少なくとも1種から形成されている。
また、ケース7は、例えば、SUS303,SUS304およびSUS316等のステンレスか
らなり、その中央部が円筒状に、両端部が円錐台状にそれぞれ形成され、排気ガス(EG)が供給されるケース7の流入口7aおよび排気ガス(EG)が排出される流出口7bにはそれぞれ排気管8a,8bが接続されている。
このようなガス処理装置10の流入側には、ディーゼルエンジン(図示しない)が接続され、このディーゼルエンジンが作動して、排気ガス(EG)が排気管8aからケース7に供給されると、ハニカム構造体11の流入側の封止材9が形成されていない流入路3の中に、排気ガス(EG)が導入されるが、流出側に形成された封止材9によってその流出が遮られる。流出が遮られた排気ガス(EG)は、通気性を有する隔壁部2を通過して、隣接する流出路4に導入される。排気ガス(EG)が隔壁部2を通過するとき、隔壁部2の壁面や隔壁部2の気孔の表面で排気ガス(EG)中の微粒子が捕集される。微粒子が捕集さ
れた排気ガス(EG)は、浄化された状態で、封止材9が形成されていない流出路4から排気管8bを介して外部に排出される。
このようなガス処理装置10では、隔壁部2の壁面に担持される触媒は、例えば、ルテニウム,ロジウム,パラジウム,イリジウム,白金等の白金族金属およびその酸化物、金,銀,銅等の周期表第11族金属、酸化バナジウムのうちの少なくともいずれか1種からなり、軽油等の燃料が気化したガスが供給されると、隔壁部2で捕集された排気ガス中の微粒子を酸化して燃焼させる。特に、金,銀,銅等の周期表第11族金属を選んだ場合、その粒子はナノメートルレベルの微粒であることが好適である。
さらに、壁面に担持された触媒と排気ガスとの接触面積を大きくするために、γアルミナ,δアルミナおよびθアルミナ等の比表面積が大きい粉体を隔壁部2の壁面に担持しても好適である。
本実施形態のハニカム構造体11〜15では、上述したように、隔壁部2の壁面に触媒を担持しているときには、低い温度で微粒子を燃焼除去しやすくなるので、隔壁部2には溶損やクラックが生じにくくなる。さらに、壁面のみならず、隔壁部2の気孔の表面に触媒を担持していても好適である。
さらに、排気ガス中の微粒子を酸化して燃焼させるための触媒とともに、窒素酸化物(NOx)を吸蔵して還元するための触媒であるZSM−5,ZSM−11,ZSM−12,ZSM−18,ZSM−23,MCMゼオライト,モルデナイト,ファージャサイト,フェリエライトおよびゼオライトベータの少なくとも1種を隔壁部2の壁面および隔壁部2の気孔の表面の少なくともいずれかに担持させてもよい。
このような本実施形態のガス処理装置10は、例えば、本実施形態の一例であるハニカム構造体11を備えているときには、ハニカム構造体11にクラックが生じにくくなっているので、長期信頼性を向上できる。
なお、本実施形態のガス処理装置10は、本実施形態のハニカム構造体11を備えてなる場合について、上述の通り説明したが、ハニカム構造体11に替えて、ハニカム構造体12〜15のいずれかを用いてもよいことはいうまでもない。
また、本実施形態では流体が気体である排気ガスを用いた例について説明したが、流体として液体を用いることも可能である。例えば、流体として上水または下水を用いることが可能であり、本実施形態のガス処理装置を液体の濾過用としても適用することができる。
次に、ハニカム構造体11〜15の製造方法の一例について説明する。
隔壁部2,封止材9および筒状部5の主成分がいずれもチタン酸アルミニウムであるセラミック焼結体からなるハニカム構造体11〜15を得る場合には、まず、酸化アルミニウムの粉末を27〜33質量%,酸化第二鉄の粉末を13〜17質量%,酸化マグネシウムの粉末を7〜13質量%および残部を酸化チタンの粉末として調合した調合原料を水,アセトンまたは2−プロパノールとともに混合して一次原料を得る。ここで、用いる前記各粉末は、いずれも純度が高い粉末を用いることが好ましく、その純度は99.0質量%以上、特に99.5質量以上であることがさらに好適である。なお、チタン酸マグネシウム(MgTi2O5)およびチタン酸鉄(Fe2TiO5)がチタン酸アルミニウム(Al2TiO5)に固溶することができるのであれば、これら金属酸化物の粉末以外に炭酸塩,水酸化物および硝酸塩などの粉末を用いてもよく、またこれらの化合物の粉末を用いてもよい。
次に、得られた一次原料を大気雰囲気中、温度を1400℃以上1500℃以下として、1時間以上5時間以下で仮焼することにより、元素Ti,Al,MgおよびFeが互いに固溶した擬ブルッカイト型の結晶からなる仮焼粉末を得ることができる。
この仮焼粉末をASTM E 11−61に記載されている粒度番号が230のメッシュの篩い
に通すことによって、例えば、粒径が61μm以下に分級された仮焼粉末を得る。そして、この分級された仮焼粉末に、例えば、平均粒径が1μm以上3μm以下であって、添加量が仮焼粉末100質量部に対して、0.4質量部以上1.2質量部以下である酸化珪素の粉末と、
添加量が仮焼粉末100質量部に対して、1質量部以上13質量部以下であるグラファイト,
澱粉またはポリエチレン樹脂等の造孔剤とを添加した後、さらに可塑剤,増粘剤,滑り剤および水等を加えて、万能攪拌機,回転ミルまたはV型攪拌機等を使って混練物を作製する。そして、この混練物を三本ロールミルや混練機等を用いて混練し、可塑化した坏土を得る。
次に、この坏土を押出成形機を用いて成形する。この押出成形機には成形型が装着され、その成形型は成形体の外径を決定する内径が、例えば155mm以上300mm以下であり、ハニカム構造体11〜15の隔壁部2および筒状部5を形成するためのスリットを有しており、このスリットは、例えば、流通孔18を構成する筒状部5の表面S1と隔壁部2の表面S2に対応するスリットの表面が、表面S1から表面S2にかけて連続的に変化した曲面となっており、ハニカム構造体11〜15のそれぞれの隔壁部2および筒状部5の形状に対応している。
そして、上述したような成形型が装着された押出成形機に坏土を投入し、圧力を加えてハニカム状の成形体を作製し、得られた成形体を乾燥して所定長さに切断する。
次に、切断された成形体の複数の流通孔の流入側および流出側のそれぞれを交互に封止する封止材9を作製する。具体的には、まず、流出側端面(OF)で封止材9が封止する部分ができるように市松模様にマスキングし、成形体の流出側端面(OF)側を、スラリー化された混錬物に浸漬する。なお、マスキングが施されていない流通孔には、流入側端面(IF)から撥水性の樹脂が被覆された先端部を備え、この先端部が平坦に形成されたピンを、予め挿入しておき、流出側で流通孔に浸入したスラリーを常温にて乾燥する。このようにすることによって、成形体の流出側の封止材9が形成される。そして、前記ピンを抜き、上述の作業と同じ作業を成形体の流入側でも行ない、封止材9を形成する。
次に、得られた成形体を、温度を1300〜1500℃として2〜10時間ほど焼成炉の中に保持することにより焼成され、本実施形態のハニカム構造体11〜15を得ることができる。
次に、隔壁部2,封止材9および筒状部5の主成分がいずれもコージェライトであるセラミック焼結体からなるハニカム構造体11〜15を得る場合には、焼結体におけるコージェライトの組成がSiO2が40〜56質量%、Al2O3が30〜46質量%、MgOが12〜16質量%となるように、カオリン、仮焼カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム、シリカ、タルクまたは焼タルクなどのコージェライト化する原料を調合して調合原料を得る。これ以降、ハニカム構造体11〜15を得るまでの工程は、焼成の温度を1300〜1700℃から1350〜1450℃に変更する以外は、主成分がチタン酸アルミニウムの場合と同様である。
このように作製されたハニカム構造体11〜15は、内方側における微粒子の捕集量を低減することなく、外方側の強度を高くすることができるので、ハニカム構造体を再生するために、捕集した微粒子の燃焼除去を頻繁に繰り返したりしても、クラックが生じにくい。
さらに、隔壁部2の壁面に触媒を担持するハニカム構造体11〜15を得るには、上述した製造方法によって得られたハニカム構造体11〜15を、触媒となる、例えば、ルテニウム,ロジウム,パラジウム,オスミウム,イリジウムおよび白金等の白金族金属の可溶性の塩と、ポリビニルアルコール等のバインダーと水とからなるスラリーに、上述した焼成によって得られたハニカム構造体11〜15を浸漬させた後、温度を100℃以上150℃以下で1時間以上48時間以下保持することによって乾燥すればよい。そして、乾燥させた後、温度を600℃以上700℃以下で2時間以上4時間以下熱処理することにより、隔壁部2の壁面に触媒を担持したハニカム構造体11〜15を得ることができる。
ここで、可溶性の塩としては、例えば、硝酸パラジウム(Pd(NO3)2),硝酸ロジウム(Rh(NO)3)3),塩化ルテニウム(RuCl3),塩化イリジウム酸(H2IrCl6・nH2O),塩化白金酸(H2PtCl6・nH2O)およびジニトロジアンミン白金(Pt(NO2)2(NH3)2)等があり、担持させようとする触媒に応じてこれら可溶性の塩から選べばよい。また、不純物の混入を防ぐため、水はイオン交換水であることが好適である。
また、窒素酸化物(NOx)を吸蔵して還元するための触媒であるZSM−5,ZSM−11,ZSM−12,ZSM−18,ZSM−23,MCMゼオライト,モルデナイト,ファージャサイト,フェリエライトおよびゼオライトベータの少なくとも1種を隔壁部2の壁面および隔壁部2の気孔の表面の少なくともいずれかに担持させる場合には、白金族金属に加え、アルカリ金属,アルカリ土類金属,希土類金属から選択される少なくともいずれかをスラリーに添加しておけばよい。
そして、上述した方法によって作製されたハニカム構造体11〜15の外周を断熱材層6で被覆した状態で、ケース7に収容した後、排気管8aをケース7の流入口7aに、また、排気管8bをケース7の流出口7bに、それぞれ接続することで、図7に示す例の本実施形態のガス処理装置10を得ることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
まず、酸化アルミニウムの粉末を30質量%,酸化第二鉄の粉末を15質量%,酸化マグネシウムの粉末10質量%および残部を酸化チタンの粉末として調合した調合原料を水とともに混合したスラリーを噴霧乾燥法で乾燥し、平均粒径が175μmの顆粒を得た。ここで、
前記各粉末の純度は、いずれも99.5質量%とした。
次に、得られた顆粒を大気雰囲気中、温度を1450℃として、3時間で仮焼することにより、元素Ti,Al,MgおよびFeが互いに固溶した擬ブルッカイト型の結晶からなる仮焼粉末を得た。
この仮焼粉末をASTM E 11−61に記載されている粒度番号が230のメッシュの篩い
に通すことによって、粒径が61μm以下に分級された仮焼粉末を得た。そして、この分級された仮焼粉末に、例えば、平均粒径が2μmであって、添加量が仮焼粉末100質量部に
対して0.8質量部である酸化珪素の粉末と、添加量が仮焼粉末100質量部に対して7質量部以下であるグラファイトを添加した後、さらに可塑剤,増粘剤,滑り剤および水等を加えて、万能攪拌機を使って混練物を作製した。そして、この混練物の一部を残し、混練機を用いて混練し、可塑化した坏土を得た。
次に、作製した坏土を用いて、図1および図2に示すハニカム構造体11における、曲面
Sの曲率が7.3mm−1であり、筒状部5の表面S3が隔壁部2の表面S4と直線的に交
わる成形体G1を押出成形法によって得た後、乾燥して所定長さに切断した。
また、同様にして、曲面Sおよび曲面S’の各曲率がそれぞれ7.3mm−1,3.3mm−
1となる成形体G2を押出成形法によって得た後、乾燥して所定長さに切断した。
さらに、同様にして、曲面Sおよび曲面S’の各曲率がそれぞれ7.3mm−1,5mm−1となる成形体G3を押出成形法によって得た後、乾燥して所定長さに切断した。
また、比較例として、筒状部5の表面S1が隔壁部2の表面S2に、また、筒状部5の表面S3が隔壁部2の表面S4に、それぞれ直線的に交わる成形体G4を押出成形法によって得た後、乾燥して所定長さに切断した。
次に、流出側端面(OF)で封止材9が封止する部分ができるように市松模様にマスキングした後、残しておいた混錬物をスラリー化して流出側端面(OF)を浸漬した。そして、スラリーに焼結体の流出側を浸漬した状態で、撥水性の樹脂が被覆された先端部を備え、この先端部が平坦に形成されたピンを、流入側端面(IF)から封止材9を形成する流通孔に挿入して、ピンの先端部の位置を調節して、封止材9の厚みが2.5mmとなるよ
うにした後、流出側で流通孔に浸入したスラリーを常温にて乾燥させることによって、成形体G1〜G4の流出側の封止材9をそれぞれ形成した。そして、ピンを抜き、上述の作業と同じ作業を成形体G1〜G4の流入側でも行ない、流入側の封止材9をそれぞれ形成した。
そして、電気炉を用いて成形体G1〜G4を、焼成温度を1380℃として、3時間保持することにより焼成して試料No.1〜4を得た。
なお、試料No.1〜4は、いずれも外径が144mm、また図1に示す軸方向Aの長さ
Lが156mmであって、軸方向Aに対して垂直な断面における流通孔の単位面積当たりの
個数を300CPSIとした。また、成形体G1〜G4の作製で用いる押出成形機は、成形
体G1〜G4の筒状部5および隔壁部2を形成するためのスリットを有する成形型をそれぞれ装着して用いた。
そして、各試料を、図7に示すガス処理装置10のケース7に収容した後、排気管8aをそれぞれディーゼル微粒子発生装置(図示しない)に接続した。そして、この装置から微粒子を含む、温度25℃の乾燥空気を単位時間当たりの流量を2.27Nm3/分として各試料に向かって噴射して、ハニカム構造体の体積0.001m3に対して、微粒子を12g捕集した
。
そして、ハニカム構造体の流入側端面(IF)側に配置された電気ヒータ(図示しない)を用い、捕集された微粒子を燃焼除去することによってハニカム構造体を再生した。
再生条件は、流入側端面(IF)付近における燃焼温度および燃焼時間をそれぞれ1250℃,10分として、ハニカム構造体に空気を供給し、この空気の単位時間当たりの流量を1.0m3/分とした。各試料を再生させた後、再度、上述した方法と同じ方法で試料No.
1〜4の体積0.001m3に対して、微粒子を12g捕集した。この捕集および再生を1サイ
クルとして、このサイクルを繰り返し、再生した後に、筒状部5を目視で観察し、クラックが初めて観察されたサイクル数を表1に示す。
表1に示すように、試料No.4は、筒状部5に面する曲面を有していないことから、筒状部5に歪が生じやすく、筒状部5にクラックが比較的早い段階で筒状部5に観察された。
一方、試料No.1〜3は、流通孔18が筒状部5に面する曲面を有することから、延長線P上に位置する筒状部5に生じる応力がより緩和され、延長線P上に位置する筒状部5と延長線Q上に位置する筒状部5に生じる応力の差が小さくなり、筒状部5にクラックが生じにくく、ハニカム構造体の強度を高く維持できていることがわかった。
さらに、試料No.2,3は、流通孔19が筒状部5に面する曲面を有することから、延長線Q上に位置する筒状部5に生じる応力が緩和され、筒状部5にクラックがさらに生じにくいことがわかった。
以上のことから、試料No.1〜3は、筒状部5に熱応力などの応力が集中してもクラックが生じにくいので、強度が低下しにくいことがわかった。
次に、実施例1で用いた坏土を用いて、図1および図2に示すハニカム構造体11における、曲面Sの曲率が5mm−1であり、筒状部5の表面S3が隔壁部2の表面S4に直線的に交わる成形体G5を押出成形法によって得た後、乾燥して所定長さに切断した。
また、図3に示すハニカム構造体12における曲面Sの曲率が5mm−1であって、流通孔18,19のそれぞれの内方に隣接する流通孔20,21を構成する隔壁部2の筒状部5側の面(曲面)Tの曲率が5mm−1である成形体G6を押出成形法によって得た後、乾燥して所定長さに切断した。
そして、実施例1に示した方法と同じ方法を用いて、成形体G5およびG6にそれぞれ図1に示すような封止材9を形成した後、電気炉を用いて成形体G5およびG6を、焼成温度1380℃で、3時間保持することにより焼成して、それぞれハニカム構造体11,12である試料No.5および6を得た。
なお、試料No.5および6は、いずれも外径が144mm、また図1に示す軸方向Aの
長さLが156mmであって、軸方向Aに対して垂直な断面における流通孔3の単位面積当
たりの個数を300CPSIとした。また、成形体G5およびG6の作製で用いる押出成形
機は、成形体G5およびG6の筒状部5および隔壁部2を形成するためのスリットを有する成形型をそれぞれ装着して用いた。
そして、各試料を、図7に示すガス処理装置10のケース7に収容した後、排気管8aをそれぞれディーゼル微粒子発生装置(図示しない)に接続した後、実施例1で示した方法と同じ方法で微粒子を捕集し、同じ方法でハニカム構造体を再生した。そして、実施例1
で示した捕集および再生を1サイクルとして、このサイクルを15サイクル終了した後に、ワイヤーソーを用いて、軸方向Aに対して垂直に切断して、筒状部5におけるクラックの有無を目視で観察した。また、筒状部5で観察されたクラックが第1の領域M側に位置する隔壁部2に伝播しているかどうかについて、目視で観察した。
その結果を表2に示す。表2の「良」は、15サイクル終了した後にクラックが観察されたことを、また、表2の「優」は、15サイクル終了してもクラックが観察されなかったことを示す。
表2に示すように、試料No.6は、流通孔20,21を構成する隔壁部2の筒状部5側の面Tが曲面であるので、筒状部5にクラックが生じても、このクラックは内方側の隔壁部2に伝搬しにくくなっていることがわかった。
次に、実施例1で用いた坏土を用いて、図1および図2に示すハニカム構造体11における、曲面Sの曲率が6mm−1であり、筒状部5の表面S1が隔壁部2の表面S2に直線的に交わる成形体G7を押出成形法によって得た後、乾燥して所定長さに切断した。
また、図4に示すハニカム構造体13における、流通孔18および流通孔19が、各開口径がそれぞれ1.3mm,0.8mmの円形状である成形体G8を押出成形法によって得た後、乾燥して所定長さに切断した。
そして、実施例1に示した方法と同じ方法を用いて、成形体G7およびG8にそれぞれ図1に示すような封止材9を形成した後、電気炉を用いて成形体G7およびG8を、焼成温度1380℃で、3時間保持することにより焼成して、それぞれハニカム構造体11,13である試料No.7および8を得た。
なお、試料No.7および8は、いずれも外径が144mm、また図1に示す軸方向Aの
長さLが156mmであって、軸方向Aに対して垂直な断面における流通孔3の単位面積当
たりの個数を300CPSIとした。また、成形体G7およびG8の作製で用いる押出成形
機は、成形体G7およびG8の筒状部5および隔壁部2を形成するためのスリットを有する成形型をそれぞれ装着して用いた。
そして、実施例1と同様にして、各試料の筒状部5にクラックが初めて観察されたサイクル数を表3に示す。
表3に示すように、試料No.8は、断面において、流通孔18,19が円形状であることから、筒状部5に生じる応力をより緩和できるので、クラックが生じにくく、ハニカム構造体の強度をさらに高く維持できることが分かった。
次に、実施例1で用いた坏土を用いて、図1および図2に示すハニカム構造体11における、曲面Sの曲率が6.5mm−1であり、筒状部5の表面S1が隔壁部2の表面S2に直
線的に交わる成形体G9を押出成形法によって得た後、乾燥して所定長さに切断した。
また、図5に示すハニカム構造体14における、流通孔18および流通孔20の各開口径がいずれも1.3mmの円形状であり、流通孔19および流通孔21の各開口径がいずれも0.8mmの円形状である成形体G10を押出成形法によって得た後、乾燥して所定長さに切断した。
また、図6に示すハニカム構造体15における、流通孔18および流通孔20は各開口径がそれぞれ1.1mm,1.3mmの円形状であり、流通孔19および流通孔21の各開口径がそれぞれ0.6mm,0.8mmの円形状である成形体G11を押出成形法によって得た後、乾燥して所定長さに切断した。
そして、実施例1に示した方法と同じ方法を用いて、成形体G9〜G11にそれぞれ図1に示すような封止材9を形成した後、電気炉を用いて成形体G9〜G11を、焼成温度1380℃で、3時間保持することにより焼成して、それぞれハニカム構造体11,14,15である試料No.9〜11を得た。
なお、試料No.9〜11は、いずれも外径が144mm、また図1に示す軸方向Aの長さ
Lが156mmであって、軸方向Aに対して垂直な断面における流通孔3の単位面積当たり
の個数を300CPSIとした。また、成形体G9〜G11の作製で用いる押出成形機は、成
形体G9〜G11の筒状部5および隔壁部2を形成するためのスリットを有する成形型をそれぞれ装着して用いた。
そして、各試料を、図7に示すガス処理装置10のケース7に収容した後、排気管8aをそれぞれディーゼル微粒子発生装置(図示しない)に接続した後、実施例1で示した方法と同じ方法で微粒子を捕集し、同じ方法でハニカム構造体を再生した。そして、実施例1で示した捕集および再生を1サイクルとして、このサイクルを25サイクル終了した後に、ワイヤーソーを用いて、軸方向Aに対して垂直に切断して、実施例2に示した方法と同じ方法で、筒状部5におけるクラックの有無を目視で観察した。また、筒状部5で観察されたクラックが流通孔20,21を仕切る隔壁部2よりも内方側に位置する隔壁部2に伝播しているかどうかについて、隔壁部2を目視で観察した。
また、同じ試料も別途用意し、30サイクル終了した後、上述した方法と同じ方法を用い
て、筒状部5におけるクラックの有無および隔壁部2へのクラックの伝搬を観察した。
その結果を表4に示す。表4の「良」は、それぞれ25サイクル,30サイクル終了した後にクラックが観察されたことを、また、表4の「優」は、それぞれ25サイクル,30サイクル終了してもクラックが観察されなかったことを示す。
表4に示すように、試料No.10,11は、流通孔18,19のそれぞれの内方側に隣接する流通孔20,21が円形状であることから、筒状部5にクラックが生じ、捕集および再生を続けても、クラックは内方側の隔壁部2に伝搬しにくくなっていることがわかった。
特に、試料No.11は、流通孔18,19の開口面積が、流通孔20,21の開口面積よりも小さいことから、筒状部5にクラックが生じ、捕集および再生をさらに続けても、クラックが内方側の隔壁部2に伝搬しにくくなっていることがわかった。
次に、実施例1で用いた坏土を用いて、図1および図2に示すハニカム構造体11の形状で、筒状部5の表面S1から隔壁部2の表面S2にかけて連続的に変化する曲面Sの曲率が5mm−1となる成形体G12を押出成形法によって得た後、乾燥して所定長さに切断した。また、これを繰り返して成形体G12をもう1体作製した。
そして、実施例1に示した方法と同じ方法を用いて、成形体G12にそれぞれ図1に示すような封止材9を形成した後、電気炉を用いて成形体G12を、焼成温度1380℃で、3時間保持することにより焼成して、ハニカム構造体11である試料No.12および13を得た。
そして、試料No.12については、硝酸パラジウム(Pd(NO3)2),ポリビニルアルコールおよび水とからなるスラリーに、上述した焼成によって得られた試料No.8を浸漬させ、温度を130℃で24時間保持することによって乾燥させた後、温度を600℃で2時間熱処理することにより、隔壁部2の壁面に触媒を担持したハニカム構造体とした。
なお、試料No.12および13は、いずれも外径が144mm、また図1に示す軸方向Aの
長さLが156mmであって、軸方向Aに対して垂直な断面における流通孔3の単位面積当
たりの個数を300CPSIとした。
そして、各試料を、図7に示すガス処理装置10のケース7に収容した後、排気管8aをそれぞれディーゼル微粒子発生装置(図示しない)に接続した後、この装置から微粒子を含む、温度25℃の乾燥空気を単位時間当たりの流量を2.27Nm3/分として各試料に向かって噴射して、ハニカム構造体の体積0.001m3に対して、微粒子を12g捕集した。
そして、ハニカム構造体の流入側端面(IF)側に配置された電気ヒータ(図示しない
)を用い、流入側端面(IF)付近における温度を300℃として、捕集された微粒子を10
分間に亘って燃焼除去した。なお、この間、ハニカム構造体には空気を供給し、この空気の単位時間当たりの流量を1.0m3/分とした。
そして、ハニカム構造体の流入側端面(IF)側から微粒子の燃え残りの状態を目視で観察したところ、試料No.12は、隔壁部2の壁面に触媒を担持していることから、隔壁部2の壁面に触媒を担持していない試料No.13よりも微粒子の燃え残りが少ないことがわかった。つまり、試料No.12は、試料No.13に比べて微粒子の燃焼効率が良好なので、より短時間または低温での微粒子の燃焼除去が可能となり、溶損やクラックが隔壁部2にさらに生じにくいといえる。
上述した通り、本実施形態のガス処理装置10は、実施例1〜5で示した本実施形態のハニカム構造体を備えているときには、筒状部5にクラックが生じにくく、また、このクラックが筒状部5に生じても隔壁部2に伝搬しにくくなっているので、長期間に亘って効率よく使用することができるといえる。