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JP5781235B2 - 同期機制御装置 - Google Patents

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JP5781235B2
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Description

この発明は、同期機を駆動する電力変換手段を備えた同期機の制御装置に関するものである。
周知のように、界磁として永久磁石を有する同期機を、インバータ等の電力変換手段を有する同期機制御装置にて制御する際、同期機の電機子巻線への通電や同期機自身の鉄損等に起因する温度上昇に伴い、界磁としての永久磁石の磁化の強さ、すなわち、磁束が減少する「減磁」と呼ばれる現象が発生し、更に許容温度を超えると温度が常温に下がっても磁束が減磁発生前の状態に戻らない「不可逆減磁」と呼ばれる現象が発生する。
このため、界磁として永久磁石を有する同期機を制御する際、少なくとも永久磁石の温度を不可逆減磁が発生する許容温度以下に抑制するように制御する必要がある。しかし、同期機の構造上のスペースの問題や周囲をケースで防護している等の理由により、温度検出器を永久磁石に直接取り付けることは困難であり、さらに、界磁として永久磁石を有する同期機の多くは回転子側の内部に永久磁石を有することが多く、温度検出器を取りつけることへの更なる大きな障害要因となっている。そのため、何らかの方法で永久磁石の温度、あるいは永久磁石の温度と相関のある磁束を間接的に測定、あるいは推定する技術が求められている。
このような課題の解決を図った同期機制御装置の一例として、インバータと電機子巻線との間において授受される電流を検出する電流センサ、電機子巻線の温度を検出して電機子巻線の抵抗値を補正するための温度センサ、界磁の磁極位置を検出するための磁極位置センサの各センサから得られた電流、温度、回転速度の各情報に基づいて、同期機(回転電機)のモデルと比例積分器で構成された磁束オブザーバにより界磁の永久磁石から電機子巻線に鎖交する磁束を取得するようにした従来の装置がある。(例えば特許文献1)
同様な制御装置の他の例として、永久磁石による誘起電圧と端子電圧との相差角δの値を検出する手段を有し、基準温度における相差角δと検出した相差角δとを参照して磁石温度テーブルに基づいて磁石温度情報を出力するようにした従来の装置がある。(例えば特許文献2)
また、同様な制御装置の他の例として、回転二軸座標(d−q軸)変換を用いた制御において、永久磁石に減磁が生じていないときのq軸電圧操作量をマップとして保持しておき、同期機を比例積分(PI)制御によって電流制御している際のPI制御部出力であるq軸電圧操作量と、前記マップにより保持された(永久磁石に減磁が生じていない時の)q軸電圧操作量と、回転角速度ωとに基づいて減磁量を演算するようにした従来の装置がある。(例えば特許文献3)
また、同期機に対する電圧指令や電機子電流等に基づいて、同期機の回転子位置を演算により推定する技術の例は、特許文献4、及び特許文献5に開示されている。
特開2010−110141号公報 特開平11−69900号公報 特許第4223880号公報 特許第4672236号公報 国際公開WO2010/109528号公報
前記特許文献1に示された従来の装置においては、磁束オブザーバにより界磁の永久磁石から電機子巻線に鎖交する磁束を取得する際に、電機子巻線の温度を検出する温度センサに基づいて補正された電機子巻線の抵抗値を用いるため、電機子巻線の温度を検出するための温度センサを必要とし、制御装置の構成部品が必ず増えるといった課題がある。
前記特許文献2に示された従来の装置においては、磁石温度情報を出力するために必要な磁石温度テーブルを計算により求める場合、同期機のインダクタンスを正確に把握できていないと、相差角δと磁石温度との相関が正確に求まらず、インダクタンス誤差によって磁石温度推定精度が低下する課題がある。また、前記磁石温度テーブルを実測により求める場合、何らかの方法で磁石温度を変えながら計測してマップデータを作成しなくてはならいが、磁石温度を所望の温度に調整する環境を構築することは容易ではなく、マップデータの作成に大きな労力を必要とする課題がある。
前記特許文献3に示された従来の装置においては、減磁の発生の有無は判断できるものの磁石温度あるいは磁石磁束の絶対値(量)を求める方法については開示されておらず、また、減磁の判断を行うためには、d−q軸上の電流指令を減磁発生前と減磁発生後とで同一に設定する必要があることから、減磁が発生した時に減磁発生を判断した上で、減磁量を演算、補正することで減磁分によるトルク低下分を補正できることから、減磁発生を判断するまで同期機が発生するトルクが所望のトルク(指令値)に対して低下する課題がある。
この発明は、従来の同機器制御装置における前述のような課題を解決するためになされたものであり、界磁としての永久磁石を有する同期機を駆動しながら、永久磁石に直接温度検出器を取り付けることなく、永久磁石の温度または磁束の値を高い精度で推定することが可能な同期機制御装置を提供することを目的とするものである。
この発明に係る同期機制御装置は、界磁を構成する永久磁石を有する同期機に対して、電圧指令に基づいて電圧を出力する電力変換手段と、前記同期機の電機子電流を検出する電流検出手段と、前記電圧指令に基づいて前記同期機の電機子鎖交磁束の大きさと発生方向であるγ軸とを推定するとともに、同期機1の回転子位置と推定した前記γ軸とに基づいて、前記電機子電流をγ軸とその直交方向であるδ軸からなるγ−δ軸上の電流へ座標変換する電機子鎖交磁束推定器と、磁束指令と前記電機子鎖交磁束の大きさとに基づいて前記γ軸上の電流を所定の値に制御するためのγ軸電流指令を生成する磁束制御器と、前記γ軸電流指令に対し,δ軸電流指令を加えたγ−δ軸上の電流指令と前記γ−δ軸上の電流とに基づいて前記電圧指令を生成する電流制御器と、前記永久磁石の磁束または温度を推定し出力する磁石状態出力手段とを備え、前記磁石状態出力手段は、γ軸電流とδ軸電流指令と磁束指令とに基づいて永久磁石の磁束または温度を推定する磁石状態推定器を備えると共に、磁石状態補正値演算モードと磁石状態推定モードの2つの動作モードを有し、前記磁石状態補正値演算モードにおいては、前記磁石状態推定器にγ−δ軸上の各軸の電流指令として零を与え、該電流指令の条件下で推定した前記電機子鎖交磁束の大きさと、前記磁石状態推定器に所定の磁束指令とδ軸電流指令とを与えた条件下において前記磁石状態推定器により得られる前記永久磁石の磁束または温度推定値とに基づいて磁石状態補正値を演算し、
前記磁石状態推定モードにおいては、前記所定の磁束指令とδ軸電流指令とを与えた条件下において前記磁石状態推定器により得られる前記永久磁石の磁束または温度推定値を、前記磁石状態補正値で補正する磁石状態補正手段を備えたものである。
この発明の同期機制御装置によれば、同期機の個体バラツキやインダクタンス誤差に起因する永久磁石の磁束または温度の推定誤差を補正できるため、永久磁石の磁束または温度の推定精度を向上することができる。また、同期機が発生するトルクに直接関係する電機子鎖交磁束とδ軸電流とを直接制御できるため、永久磁石に減磁が発生しても所望のトルクに制御することができる。
上述した、またその他の、この発明の目的、特徴、効果は、以下の実施の形態における詳細な説明および図面の記載からより明らかとなるであろう。
この発明の実施の形態1の同期機制御装置を、同期機を含めて示すシステム構成図である。 界磁に永久磁石を有する同期機のベクトル図である。 この発明の実施の形態1による同期機制御装置の変形例を、同期機を含めて示すシステム構成図である。 この発明の実施の形態1の同期機制御装置における磁石状態出力手段の構成の一例を示す構成図である。 この発明の実施の形態1における所定の磁束指令Φ*、δ軸電流指令iδ*条件におけるγ軸電流iγと永久磁石磁束Φmとの関係の一例を示す概念図である。 この発明の実施の形態1の同期機制御装置における、磁石状態推定器の構成の一例を示す構成図である。 界磁に永久磁石を有する同期機のベクトル図において、磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*とが一定の条件下で、基準状態と基準状態に対して減磁が生じた時のベクトル図の差異を示す説明図である。 この発明の実施の形態1の同期機制御装置における電流制御器の構成の一例を示す構成図である。 この発明の実施の形態1における同期機制御装置の、磁石状態補正値演算モードと磁石状態推定モードのタイムチャートの一例を示す図である。 この発明の実施の形態1における同期機制御装置の、磁石状態補正値演算モードのタイムチャートの一例を示す図である。 この発明の実施の形態1における同期機制御装置の、図3とは異なる変形例を同期機を含めて示すシステム構成図である。 この発明の実施の形態2の同期機制御装置を、同期機を含めて示すシステム構成図である。 この発明の実施の形態2の同期機制御装置における、制御指令演算手段の構成の一例を示す構成図である。 図13に示す磁束指令生成器におけるδ軸電流指令iδ*と磁束指令Φ*との関係の一例を示す概念図である。 図13に示す制御指令演算手段の他の構成例を示す構成図である。 図15に示す磁束指令生成器におけるトルク指令τ*と磁束指令Φ*との関係の一例を示す概念図である。 この発明の実施の形態3の同期機制御装置を、同期機を含めて示すシステム構成図である。 この発明の実施の形態3の同期機制御装置における、制御指令演算手段の構成の一例を示す構成図である。
以下、この発明の同期機制御装置の実施の形態につき、図面を用いて説明する。
なお、各図中、同一符号は、同一または相当部分を示すものとする。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による同期機制御装置を、同期機1を含めて示すシステム構成図である。なお、この発明における同期機1は、界磁として永久磁石を有している。以下、実施の形態1における同期機1を駆動する同期機制御装置の構成および構成要素の機能について説明する。
まず、この発明の実施の形態1による同期機制御装置における同期機を駆動するために必要な構成について、電力変換手段2の出力側から順に、電力変換手段2の入力側となる電圧指令の生成までの流れを説明する。
図1において、界磁としての永久磁石を有する同期機1は、この発明の実施の形態1による同期機制御装置により制御される。この同期機制御装置は、入力側が電源13に接続され出力側が同期機1の電機子巻線に接続された電力変換手段2と、同期機1の電機子電流を検出する電流検出手段3と、電機子鎖交磁束推定器4と、磁束制御器5と、電流制御器6と、磁石状態出力手段7と、座標変換器11a、11bと、位置検出手段12とを備える。
電源13は、直流電圧を出力する電源あるいは電池により構成される。単相あるいは三相の交流電源から周知のコンバータによって直流電圧を得るようにした装置は、電源13の概念に含まれる。
電力変換手段2は、周知のPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御されるインバータを含み、入力側に接続された電源13からの直流電力を多相交流電力に変換し、変換された多相交流電力を同期機1の電機子巻線に供給する。更に詳しく述べれば、電力変換手段2は、後述する電流制御器6により得られる電圧指令、厳密には電流制御器6から出力される電圧指令を座標変換した多相交流電圧指令に基づいて多相交流電圧を発生し、その多相交流電圧を同期機1の電機子巻線に印加して同期機1を駆動する。
その結果、同期機1の電機子巻線に出力電流が発生する。この電機子巻線に発生する出力電流を以下、電機子電流と表記する。
同期機1の出力電流である電機子電流は、電流センサ等により構成された電流検出手段3によって検出される。電流検出手段3は、同期機1が三相同期回転電機である場合、同期機1の三相の電機子電流iu、iv、iwの、全相の電機子電流を検出する構成、あるいは、1つの相(例えばw相)の電機子電流iwについては、検出した他の2つの相の電機子電流iu、ivを用いて[iw=−iu−iv]の関係から求めるようにして、2つの相の電機子電流を検出するようにした構成でも良い。
なお、電流検出手段3は、同期機1の各相の電機子電流を直接検出する電流センサ等による構成以外に、電源13と電力変換手段2との間を流れるDCリンク電流から電機子電流を検出する周知の技術を用いたものでも良い。
位置検出手段12は、周知のレゾルバやエンコーダ等により構成され、同期機1の回転子位置θを検出する。ここで、同期機1の回転子位置θとは、u相電機子巻線を基準にした軸に対する、界磁を構成する永久磁石のN極方向の角度を意味するものであり、一般的に、同期機1の回転速度(電気角周波数ωとする)で回転する回転二軸座標(以下、d−q軸と表記する)のd軸は、前述の永久磁石のN極方向に定め、q軸は、そのd軸に対して90°進んだ直交方向に定める。以下の説明もこれに従う。
座標変換器11aは、同期機1の電機子電流iu、iv、iwを回転子位置θに基づいて下記(1)式の演算によりd−q軸上の電流id、iqへ変換する。
Figure 0005781235

電機子鎖交磁束推定器4は、まず、電機子鎖交磁束Φの大きさ|Φ|と該電機子鎖交磁束Φの発生方向であるγ軸を推定、すなわち、推定したd軸に対する電機子鎖交磁束(ベクトル)Φの方向のなす角度∠Φ0を推定した上で、該推定結果に基づいてd−q軸上の電流id、iqをγ−δ軸上の電流iγ、iδへ変換するとともに、u相電機子巻線を基準にとった軸に対する推定した電機子鎖交磁束Φの方向のなす角度∠Φ(以下、電機子鎖交磁束Φの位相と表記)とを求める。
電機子鎖交磁束Φとは、前述の永久磁石が生成する磁束(以下、永久磁石磁束と称する)Φmと前述の電機子電流が生成する磁束(電機子反作用磁束)Φaとの合成磁束のことであり、この発明の実施の形態1では、前述のγ軸に対して90°進んだ直交方向をδ軸とする。
図2は、界磁に永久磁石を有する同期機1のベクトル図であり、前述のγ−δ軸と、d軸に対して電機子鎖交磁束(ベクトル)Φの方向のなす角度∠Φ0との関係等を示している。
以下、電機子鎖交磁束Φの大きさ|Φ|と角度∠Φ0とを推定する好適な一手法について説明する。前述の|Φ|と∠Φ0とを推定する際、まず、d−q軸上の電圧vd、vqと電機子鎖交磁束Φのd軸成分Φd、同q軸成分Φqとの関係式である以下の(2)式に基づいて、Φd、Φqを求め、求めたΦd、Φqから以下の(3)式に基づいて|Φ|を、(4)式に基づいて角度∠Φ0を、角度∠Φ0と位置検出手段12で検出した同期機1の回転子位置θから(5)式に基づいて角度∠Φを演算する。
Figure 0005781235

ここで、Ldはd軸方向のインダクタンス(以下、d軸インダクタンスと表記する)、Lqはq軸方向のインダクタンス(以下、q軸インダクタンスと表記する)、Rは抵抗(同期機1の電機子巻線の抵抗が主であり、同期機1と電力変換手段2との間の配線抵抗の影響が無視できないくらいに大きい場合は、この配線抵抗も考慮した抵抗値とする)、sはラプラス演算子である。なお、ラプラス演算子sの逆数1/sは1回の時間積分を意味する。
ただし、この発明の実施の形態における図1の構成では、d−q軸上の電圧vd、vqの実際の値が不明であるため、d−q軸上の電圧vd、vqの代わりに後述の電流制御器6から出力されるγ−δ軸上の電圧指令vγ*、vδ*を以下の(6)式に基づいてd−q軸上に座標変換することで得られるd−q軸上の電圧指令vd*、vq*を用いて(2)式の演算を行う。
Figure 0005781235


その際、(4)式において求める角度∠Φ0が必要となる。そこで、実際の装置でこれらの処理をマイコンによって所定の演算周期で行う際に、例えば、前回(1演算周期前)の角度∠Φ0の演算結果を用いる、あるいは、演算した角度∠Φ0の値に対して適切なフィルタを通した値を用いて(6)式の座標変換を行う等の対策を施せば良い。
また、同期機1の駆動開始前においてd−q軸上の電圧指令vd*、vq*が0であり、Φd=Φq=0となることから、同期機1の駆動開始におけるΦdの初期値として、基準値等の所定の永久磁石磁束Φmを与えれば良い。
さらに、(2)式において同期機1の回転速度ωを演算に用いていることから、位置検出手段12で検出した回転子位置θを用いて微分演算を行うことで回転速度ωを得る。
(2)式において、電流の変化が緩やかであると仮定してラプラス演算子sを含む項は無視しても良い。
抵抗Rの扱いにおいても、同期機1の温度によって抵抗値が変化することから、同期機1の温度を検出して抵抗Rの値を補正しても良く、さらに、抵抗Rに係る項がその他の項に比較して小さい場合には、これを含む項を無視し、前述の角度∠Φ0演算において同期機1の電機子電流に関する情報を用いずに演算の簡素化を図るようにしても良い。
この発明の実施の形態における図1の構成においては、d−q軸上の電流id、iqを角度∠Φ0に基づいて以下の(7)式によりγ−δ軸上の電流iγ、iδへ変換する座標変換処理について、電機子鎖交磁束推定器4に内包したが、必ずしも内包しなくても良い。
Figure 0005781235


なお、(7)式によって得られるγ軸電流iγが同期機1の電機子鎖交磁束Φを操作する磁化電流に、δ軸電流iδが同期機1のトルク発生に寄与するトルク電流にそれぞれ相当する。
以上がこの発明の実施の形態1における電機子鎖交磁束推定器4の説明である。
磁束制御器5は、磁束指令Φ*と電機子鎖交磁束推定器4において推定した電機子鎖交磁束の大きさ|Φ|との磁束偏差ΔΦが零となるようなγ軸電流指令iγ*を生成する。γ軸電流iγは、同期機1の磁化成分である磁化電流であることから、γ軸電流により電機子鎖交磁束Φを操作することができる。具体的には、磁化電流の増減量と電機子鎖交磁束の増減量は、γ軸方向インダクタンスLγを比例係数として比例関係となることから、磁束偏差ΔΦが零となるように調整するための制御器としては、例えば積分器が好適である。
このことから、以下の(8)式に示されるような積分制御演算を用いて、γ軸電流指令iγ*を生成する。
Figure 0005781235

このような構成にすることで、電機子鎖交磁束Φを所望の磁束指令Φ*に制御することができる。
電流制御器6は、γ−δ軸上の電流iγ、iδを電流指令iγ*、iδ*に一致させるようにγ−δ軸上の電圧指令vγ*、vδ*を出力する。例えば、γ−δ軸上の電流指令iγ*、iδ*とγ−δ軸上の電流iγ、iδとの偏差に基づいて周知の比例積分制御(PI制御)を行い、γ−δ軸上の電圧指令vγ*、vδ*を生成するといった、いわゆる電流フィードバック制御を行う。ただし、電流制御器6は磁石状態出力手段7における動作とも係わるため、電流制御器6の具体的構成については後述する。
電流制御器6から出力されるγ−δ軸上の電圧指令vγ*、vδ*は、座標変換器11bにおいて以下の(9)式の演算により、電機子鎖交磁束推定器4で推定した電機子鎖交磁束Φの位相∠Φに基づいて電圧指令vu*、vv*、vw*に変換された上で、電力変換手段2に出力される。ただし、(9)式において、電流検出手段3で検出された電機子電流iu、iv、iwの値に基づく制御演算が電力変換手段2から出力される電圧vu、vv、vwに反映されるまでの制御演算遅れ時間(無駄時間)を考慮し、位相∠Φに対して制御演算遅れ時間に基づく位相補正量Δθdの分を補正した位相で座標変換しても良い。
電力変換手段2は、実施の形態1の場合と同様に、電圧指令vu*、vv*、vw*に基づいて周知のPWM制御方式等により同期機1に電圧vu、vv、vwを印加する。
Figure 0005781235


図3は、この発明の実施の形態1による同期機制御装置の変形例を、同期機を含めて示すシステム構成図である。前述の図1における位置検出手段12は、周知のレゾルバやエンコーダ等を用いて同期機1の回転子位置θを検出するようにした例であるが、図3に示す同期機制御装置は、周知の適応オブザーバ等を適用して電圧指令や電機子電流等に基づいて回転子位置θを演算により推定する位置検出手段12aを備えている。
この位置検出手段12aの構成は、例えば特許文献4、または特許文献5に示されている構成で実現可能であることから、ここでは説明は省略する。なお、図1と図3の差異は、位置検出手段12(12a)に係る点と、電機子鎖交磁束推定器4において、該推定器で演算されるd−q軸上の電圧指令vd*、vq*を外部に出力する構成にした電機子鎖交磁束推定器4aに変更した点のみであり、その他の構成は同一である。
以上が、この発明の実施の形態1による同期機制御装置において、同期機1を駆動するために必要な構成である。同期機1のトルクは、電機子鎖交磁束Φとδ軸電流iδの積に比例することから、この構成においては、電機子鎖交磁束Φとδ軸電流iδとを直接制御できるため、磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*の両者を適切に設定することで、永久磁石の減磁の有無に係わらず所望のトルクに制御できる。
次に、この発明の実施の形態1による同期機制御装置の特徴である、同期機1が界磁として有している永久磁石の温度または磁束を推定するために必要な構成である磁束状態出力手段7について説明し、また、前述の電流制御器6についても補足説明する。
図4は、図1または図3に示す磁石状態出力手段7の構成の一例を示す構成図である。
図4において、磁石状態推定手段7は、磁石状態推定器8と磁石状態補正手段9とで構成される。
磁石状態推定器8は、所定の磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*とを与えた時の温度変化に伴うγ軸電流iγと永久磁石磁束Φmとの関係を示すマップあるいは数式を記憶しておき、γ軸電流iγが入力されると前述のマップまたは数式を参照して、永久磁石磁束推定値Φm0を出力する。これらのマップあるいは数式は、同期機1の特性(インダクタンス変化や磁石減磁特性等)が予め解析等で判明している場合は、同期機1の特性データを用いて予め求めておき、判明していない場合は実測により特性データを採取することで求めれば良い。また、磁石状態推定器8へ入力するγ軸電流iγに代えて磁束制御器5から出力されるγ軸電流指令iγ*を用いても良い。
図5は、所定の磁束指令Φ*、δ軸電流指令iδ*条件におけるγ軸電流iγと永久磁石磁束Φmとの関係の一例を示す概念図である。図5は、横軸にγ軸電流iγ、縦軸に永久磁石磁束Φmをとっており、γ軸電流iγと永久磁石磁束Φmとの相関を示している。
所定の磁束指令条件Φ*、δ軸電流指令iδ*における図5の特性をマップ(数式)として記憶しておき、該条件と同じ制御指令(Φ*、iδ*)を与えて同期機1を駆動することで、γ軸電流iγから永久磁石磁束Φmを推定し、該推定値Φm0を出力することができる。
また、図6に示すように、磁石状態推定器8において、複数の制御指令、すなわち、磁束指令Φ*とδ軸電流指令Iδ*との組からなる複数の制御指令の各々に対して、γ軸電流と永久磁石磁束(推定値Φm0)との相関を示したマップあるいは数式を有する磁石状態参照手段81(図6の例では81a〜83c)を備えておいても良い。
図6のように磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*との組からなる複数の制御指令の各々に対して、γ軸電流iγに基づいて永久磁石磁束推定値Φm0を出力するようにしておくことで、永久磁石の磁束または温度を推定する際の磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*との組の与え方の自由度、すなわち推定動作を行う際の出力トルクの自由度を高くできる。
同期機1の駆動中における制御指令(Φ*、iδ*)が、予め用意した前記複数の磁石状態参照手段の中の制御指令条件と一致するものが存在すれば、該制御指令条件が一致する磁石状態参照手段81のマップ(または数式)にγ軸電流iγを参照することで、永久磁石磁束推定値Φm0を出力することができる。
もし、同期機1の駆動中における制御指令と、予め用意した前記複数の磁石状態参照手段81の中の制御指令条件とが一致しない場合は、例えば、永久磁石磁束推定動作を行わずに、直近の推定動作時の磁束推定値を保持し、該値を永久磁石磁束推定値Φm0として出力するようにすれば良い。あるいは、予め用意した前記複数の磁石状態参照手段81の中の制御指令条件とトルク(すなわち、磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*との積)が一致するものが存在すれば、該当する磁石状態参照手段81の磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*との条件に制御指令を変更してから永久磁石磁束推定動作を行うような処理を施せば良い。
ここで、所定の制御指令として磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*とを与えたときに、γ軸電流iγに基づいて永久磁石磁束Φmを推定することが可能となる原理について同期機のベクトル図を用いて説明する。
図7は、界磁に永久磁石を有する同期機のベクトル図において、磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*とが一定の条件下で、基準状態と、基準状態に対して減磁が生じた時のベクトル図の差異を示す説明図である。図7において、(A)は基準状態、すなわち、永久磁石に減磁が生じていない時のベクトル図、(B)は、所定の制御指令である磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*とが一定、すなわち、所望に制御されているとの前提で、電機子鎖交磁束の大きさ|Φ|とδ軸電流iδとが一定の定常状態において、同期機1の温度上昇に伴う永久磁石の減磁、すなわちΔΦmagの分だけ磁石磁束の低下が発生したときのベクトル図である。
前述の永久磁石の減磁により電機子鎖交磁束Φの向き、すなわちγ軸の向きが変化するため,磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*が一定に保たれていたとしても、減磁前後でγ軸電流iγに変化が生じる。このγ軸電流iγの変化を捉えることで、永久磁石磁束Φmの変化を捉えることが可能となる。
原理的には磁石状態推定器8のみの構成で永久磁石磁束Φmを推定できるが、同期機1の温度上昇に伴う永久磁石の減磁による磁石磁束変化量は大きくなく、前述の電機子電流の変化による電機子反作用磁束Φaの変化を正確に把握した上で、所定の制御指令(Φ*、iδ*)の条件下におけるγ軸電流iγと永久磁石磁束Φmとの関係を得る必要がある。
電機子反作用磁束Φaの大きさは、電機子電流とd軸あるいはq軸のインダクタンスLd、Lqとに依存する。例えば、予め解析により得られた同期機1の特性データを元に所定の制御指令(Φ*、iδ*)を与えた時の温度変化に伴うγ軸電流iγと永久磁石磁束Φmとの関係を求める際、これらのインダクタンスの値に誤差があると、電機子反作用磁束Φaの大きさを誤って見積もってしまうため、正確なγ軸電流iγと永久磁石磁束Φmとの関係が求まらず、誤ったマップや数式に基づいて永久磁石磁束Φmを推定してしまう可能性がある。
また、同じ定格・仕様の同期機を複数製作した場合、抵抗Rやd軸あるいはq軸のインダクタンスLd、Lq、基準温度における永久磁石磁束の値は変わらないのが理想的であるが、実際には個体バラツキがあるため、同一制御指令におけるγ軸電流iγと永久磁石磁束Φmとの関係が個々によって異なる可能性がある。例えば、複数の同じ定格・仕様の同期機の中から1つ抽出して、実測により特性データを採取し前記マップや数式を求めたとしても、個体バラツキ等の影響により、必ずしも前記とは別に抽出した同期機において、同一制御指令におけるγ軸電流iγと永久磁石磁束Φmとの関係が、前記マップ(数式)と合致するとは限らない
よって、同期機1の個体バラツキやインダクタンス誤差に起因する永久磁石磁束Φmの推定誤差を補正することが望ましく、この発明の実施の形態1による同期機制御装置では、所定の制御指令(Φ*、iδ*)を与えた時に磁石状態推定器8で推定した永久磁石磁束推定値Φm0に対して、磁石状態補正手段9によってこれらの推定誤差分の補正を施す構成とする。
この発明の実施の形態1による同期機制御装置では、同期機1の個体バラツキやインダクタンス誤差に起因する永久磁石磁束の推定誤差を補正するための補正値ΔΦmを演算する「磁石状態補正値演算モード」と、所定の制御指令(Φ*、iδ*)を与え、磁石状態推定器8により永久磁石磁束Φmを推定した上で、磁石状態補正手段9によって該推定値Φm0を前記補正値ΔΦm分補正して補正後の永久磁石磁束推定値Φmagを出力する「磁石状態推定モード」の2つの動作モードを規定する。
この2つのモードを規定するために、この発明の実施の形態1による同期機制御装置では、変数modeによって前記2つのモードを設定することとする。勿論、補正値ΔΦmを演算せず、かつ、永久磁石磁束推定値Φmagも出力しない前記2つのモードとは異なるモードが存在しても良い。
まず、永久磁石磁束の推定誤差を補正するための補正値ΔΦmを演算する「磁石状態補正値演算モード」の動作について説明する。
「磁石状態補正値演算モード」の第1ステップとして、同期機1に流れる電流が零となる無通電状態にして、この状態において電機子鎖交磁束推定器4にて電機子鎖交磁束Φの大きさ|Φ|を求める。
無通電時は、電機子鎖交磁束を構成する磁束は永久磁石磁束Φmのみであるため、電機子鎖交磁束の大きさ|Φ|と永久磁石磁束Φmの大きさとが一致する。
よって、電流制御器6の入力であるγ−δ軸上の電流指令iγ*,iδ*を同期機1の電機子電流が零となるように設定、すなわち、制御指令としてiγ*=iδ*=0と設定すれば、電機子鎖交磁束推定器4による出力Φ0は永久磁石磁束Φmとなる。
無通電状態なので、インダクタンスの影響や主に周知のデッドタイムに起因する電圧変換手段2の電圧出力精度を受けにくく、電機子鎖交磁束推定器4の出力Φ0は永久磁石磁束Φmと概ね一致する。
但し、同期機1を無通電状態にするためには、同期機1の電機子で発生する(無負荷)誘起電圧が電力変換手段2の出力可能電圧以下となるような速度範囲でなければならない。同期機1の電機子で発生する(無負荷)誘起電圧が電力変換手段2の出力可能電圧を超えるような速度範囲においては、少なくても誘起電圧の上昇を抑制するための弱め磁束電流を電機子巻線に通流する必要があるため、無通電状態にはできない。
よって、「磁石状態補正値演算モード」を設定できるのは、同期機1の電機子で発生する(無負荷)誘起電圧が電力変換手段2の出力可能電圧以下となるような速度範囲となる。
ここで同期機1を無通電状態にする方法の一例を電流制御器6の構成を元に説明する。
図8は、図1または図3に示す電流制御器6の構成の一例を示す構成図である。
電流制御器6において周知の比例積分制御(PI制御)を行う場合、例えば、図8中の変数modeが0の時は「磁石状態補正値演算モード」の第1ステップ、modeが1の時は後述の「磁石状態補正値演算モード」の第2ステップ、または、「磁石状態推定モード」といったモードを設定し、modeとして0が入力されれば、γ−δ軸上の電流指令iγ*,iδ*として0を選択し、modeとして1が入力されれば通常の運転と同様にiγ*,iδ*(の値)を選択する。図8においては、iγ*,iδ*の選択動作をスイッチ22a、22bを用いて表しているが、同様な機能を有するスイッチ以外の他の手段を用いても良い。
前記モード設定に応じて選択したγ−δ軸上の電流指令iγ*,iδ*(の値)とγ−δ軸上の電流iγ、iδとの偏差に基づいてPI制御器23a、23bにおいて比例積分制御(PI制御)演算を行うことで、γ−δ軸上の電圧指令vγ*、vδ*が生成され、mode=0の時、すなわち、「磁石状態補正値演算モード」の第1ステップの時は、同期機1が無通電状態となるように制御される。
次に、「磁石状態補正値演算モード」の第2ステップとして、所定の制御指令として磁束指令Φ*=Φ1、δ軸電流指令iδ*=i1とを与えたときの補正値ΔΦm=ΔΦm1を求める。
一般に電機子巻線の温度変化(の時定数)より、永久磁石の温度変化(の時定数)が小さいことから、永久磁石温度変化が小さい時間内、好適には、前記第1ステップと該第2ステップを連続的に行うことで、前記第1ステップと該第2ステップにおいて永久磁石温度(磁束)変化がほとんど無いとみなせるようにする。
第2ステップでは、磁束指令Φ*=Φ1とδ軸電流指令iδ*=i1とを与え、磁石状態推定器8において、該磁束指令とδ軸電流指令の条件下における予め生成したγ軸電流iγと永久磁石磁束Φmとの関係を示すマップ(数式)に基づいて、永久磁石磁束推定値Φm0=Φm1を得る。第1ステップと第2ステップにおいて永久磁石温度(磁束)変化が無く、前記マップが正確に得られておれば、第1ステップで得た電機子鎖交磁束推定器4の出力Φ0と該第2ステップとして得た永久磁石磁束推定値Φm1は一致する。
ただし、前記マップ(数式)に個体バラツキやインダクタンス誤差に起因する誤差があれば、Φ0とΦm1とに誤差が生じることから、このΦ0とΦm1との差違を補正することで、前記マップ(数式)の誤差が生じていても、永久磁石の磁束を精度良く推定できる。
よって、Φ0とΦm1との差違を求めることにより、磁束指令Φ*=Φ1、δ軸電流指令iδ*=i1の条件下における補正値ΔΦm=ΔΦm1を得て、ΔΦm1の値を記憶しておく。
以上が、「磁石状態補正値演算モード」の一連の動作である。
次に、「磁石状態推定モード」の動作について説明する。
前述の「磁石状態補正値演算モード」にて補正値ΔΦm=ΔΦm1を得た時と同じ条件、磁束指令Φ*=Φ1とδ軸電流指令iδ*=i1とを与え、磁石状態推定器8において該制御指令条件で流れたγ軸電流iγを、γ軸電流iγと永久磁石磁束Φmとの関係を示すマップ(数式)に参照し、永久磁石磁束推定値Φm0=Φm1’を出力する。「磁石状態推定モード」と「磁石状態補正値演算モード」において磁石温度が異なれば、前記Φm1とΦm1’とでは磁石温度による磁束変化分差異が生じる。
出力された永久磁石磁束推定値Φm1’に対し、補正値ΔΦm1分補正したΦm1’+ΔΦm1を(補正後の)永久磁石磁束推定値Φmagとして磁石状態出力手段7は出力する。
これら「磁石状態推定モード」と「磁石状態補正値演算モード」の磁石磁束推定動作を図示化したのが図9であり、図9は、この発明の実施の形態1による同期機制御装置の「磁石状態補正値演算モード」と「磁石状態推定モード」のタイムチャートの一例を示す図である。
また、磁束指令Φ*(=Φ1)とδ軸電流指令iδ*(=i1)とを与えることを想定した「磁石状態推定モード」と「磁石状態補正値演算モード」における磁石状態推定器8と磁石状態補正手段9の動作をまとめると以下の通りとなる。
◆「磁石状態補正値演算モード」
・磁石状態推定器8
第1ステップ:動作させなくても良い
第2ステップ:Φm0(=Φm1)を出力
・磁石状態補正手段9
第1ステップ:電機子鎖交磁束推定器4による出力|Φ|(=Φ0)を保持
第2ステップ:Φ0とΦm1との差違から求めた補正値ΔΦm(=ΔΦm1)を保持
◆「磁石状態推定モード」
・磁石状態推定器8:Φm0(=Φm1’)を出力
・磁石状態補正手段9:Φm1’に対する補正量ΔΦm1を出力
また、図6に示した磁束指令Φ*とδ軸電流指令Iδ*との組からなる複数の制御指令の各々に対して磁石状態参照手段81を備えた磁石状態推定器8を有する場合は、「磁石状態補正値演算モード」の第2ステップにおいて、前記制御指令の各々に対する補正値ΔΦmを求めるようにすれば良い。
図10は、この発明の実施の形態1による同期機制御装置において、複数の制御指令の各々に対して磁石状態参照手段81を備えた磁石状態推定器8を有する場合の「磁石状態補正値演算モード」のタイムチャートの一例を示す図である。
図10において、「磁石状態補正値演算モード」の第1ステップに関しては前述と同様の方法で行い、第2ステップとして、まず、所定の制御指令として磁束指令Φ*=Φ1とδ軸電流指令iδ*=i1とを与えたときの補正値ΔΦm=ΔΦm1を前述と同様の方法で求める。
さらに、前記とは異なる磁束指令Φ*=Φ2とδ軸電流指令iδ*=i2とを与えたときの補正値ΔΦm=ΔΦm2を、さらに別の磁束指令Φ*=Φ3とδ軸電流指令iδ*=i3とを与えたときの補正値ΔΦm=ΔΦm3を前述と同様の方法で求めていく。この作業を磁石状態参照手段81における各々の制御指令条件について、永久磁石温度上昇が生じない程度の時間内で順次実施し、前記制御指令の各々に対する補正値ΔΦmを求め、記憶しておく。
個体バラツキやインダクタンス誤差に起因する誤差は同期機1の回転速度にはほとんど依存しないことを踏まえると、永久磁石温度を上昇させないためには、同期機1で発生する鉄損を小さくし、鉄損による発熱を抑制するように同期機1の回転速度が低い状態で補正値ΔΦmを逐次求めていくようにすることが好適である。
「磁石状態推定モード」では、磁石状態参照手段81の複数の制御指令条件の中から、制御指令(Φ*、iδ*)の組を選択した上で、前述の方法と同様に永久磁石磁束推定値Φm0を求め、Φm0に対し、前述の方法で記憶しておいた該制御指令条件における補正値ΔΦmを取得し、ΔΦm分補正することで(補正後の)永久磁石磁束推定値Φmagを得る。
なお、これまでは、所定の制御指令(Φ*、iδ*)を与えて永久磁石磁束Φmを推定する例を示したが、永久磁石磁束Φmを推定する際に同期機1からトルクを発生する必要性が無ければ、δ軸上の電流を零に制御、すなわち、δ軸電流指令iδ*として0を与えて無負荷状態でこれまで示した永久磁石磁束推定動作を実施しても良い。
前述の通り、同期機1のトルクは、電機子鎖交磁束Φとδ軸電流iδの積に比例することから、δ軸電流iδが零ならば磁束指令Φ*に関係なくトルクは零となる。
さらに、δ軸電流Iδが零となるようにγ軸電流Iγのみ通流するようにすると、永久磁石磁束Φm、γ軸電流iγによって生成される電機子反作用磁束Φa、電機子鎖交磁束Φの各ベクトルが全て同軸上に存在し、γ軸とd軸、δ軸とq軸とがそれぞれ同軸となる。すなわち、Φa=Lγ・iγ=Ld・idとなり、q軸インダクタンスLqの誤差が生じていたとしても該誤差による影響を受けなくなる効果がある。
弱め磁束電流を電機子巻線に通流する必要がない低速度域は、例えば、磁束指令Φ*として発熱により減磁が生じた状態(例えば100℃)における永久磁石磁束の値を設定し、該磁束指令Φ*(iδ*=0)におけるγ軸電流iγと永久磁石磁束Φmとの関係を示すマップ(数式)を予め用意しておけば、100℃近傍で磁束指令Φ*と永久磁石磁束Φmとが概ね一致し、電機子反作用磁束Φaはほとんど発生しないため、γ軸電流iγがほとんど流れず、前述のインダクタンス誤差の影響を低減できる。
また、弱め磁束電流を電機子巻線に通流する必要が生じる高速度域は、例えば、磁束指令Φ*として、同期機1の電機子で発生する(無負荷)誘起電圧が電力変換手段2の出力可能電圧以下となるように永久磁石磁束Φmに対して十分小さい値を設定し、該磁束指令Φ*(iδ*=0)におけるγ軸電流iγと永久磁石磁束Φmとの関係を示すマップ(数式)を予め用意しておけば、前述のインダクタンス誤差の影響が生じるような弱め磁束電流を電機子に通流しても、前述の「磁石状態補正値演算モード」と「磁石状態推定モード」との組合せにより、インダクタンス誤差の影響を低減できる。
前述の図1の構成では、磁石状態推定手段7の出力は(補正後の)永久磁石磁束推定値Φmagとなっているが、永久磁石温度と永久磁石磁束とは相関があり、この相関関係を把握しておくことで、磁石状態出力手段7の出力を永久磁石温度推定値Tmagにすることも可能である。
図11は、図1とは異なるこの発明の実施の形態1による同期機制御装置を、同期機1を含めて示すシステム構成図であり、磁石状態出力手段7(図11においては7a)の出力が永久磁石磁束推定値Φmagから永久磁石温度推定値Tmagに代わっている。
例えば、温度上昇10℃に対して1%の割合で減磁が発生する永久磁石の場合、基準となる温度をTb、温度Tbの時の(基準)永久磁石磁束をΦmTbとした場合、永久磁石温度(推定値)Tmagと永久磁石磁束(推定値)Φmagとの関係は以下の(10)式となる。
Figure 0005781235

この(10)式の関係を用いれば、磁石状態出力手段7aの出力を永久磁石温度推定値Tmagにすることができる。また、図示していないが、図4の磁石状態出力手段において、磁石状態推定器8の出力を(補正前の)永久磁石磁束推定値Φm0の代わりに(補正前の)永久磁石温度推定値Tm0に変形することで、磁石状態補正手段9で得られる補正量を磁束補正量ΔΦmではなく温度補正量ΔTmに変形できることは言うまでも無い。
また、特に図示していないが、図11の位置検出手段12の代わりとして、図3における位置検出手段12aを図1同様に適用できる。
以上述べたように、この発明の実施の形態1による同期機制御装置によれば、同期機1の個体バラツキやインダクタンス誤差に起因する永久磁石の磁束または温度の推定誤差を補正できるため、永久磁石の磁束または温度の推定精度を向上できる効果がある。
また、同期機1が発生するトルクに直接関係する電機子鎖交磁束とδ軸電流とを直接制御できるため、永久磁石の磁束または温度の推定を推定しながら、永久磁石に減磁が発生しても所望のトルクに制御できる効果がある。
さらに、複数の磁束指令とδ軸電流指令との組からなる複数の制御指令の各々に対して、γ軸電流に基づいて永久磁石磁束(温度)を出力するようにしておき、前記複数の磁束指令とδ軸電流指令の組の各々について磁石状態補正値を演算することで、永久磁石の磁束または温度を推定する際の磁束指令とδ軸電流指令との組の与え方、すなわち推定動作を行う際の出力トルクの自由度を高くできる効果がある。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2による同期機制御装置について説明する。
図12は、この発明の実施の形態2による同期機制御装置を、同期機1を含めて示すシステム構成図である。この発明の実施の形態2による同期機制御装置は、図12に示すように、この発明の実施の形態1による同期機制御装置に対して、トルク指令τ*に基づいて制御指令(Φ*、iδ*)を生成するための上位の指令生成系である制御指令演算手段10を付加したものである。
なお、特に図示してはいないが、図12の位置検出手段12の代わりとして、図3における位置検出手段12aを図1同様に適用しても良く、また、図11と同様に前述の永久磁石温度と永久磁石磁束との相関関係を用いて、磁石状態出力手段7の出力を永久磁石温度推定値Tmagとする構成でも良い。
図13は、図12に示す制御指令演算手段10の構成の一例を示す構成図である。
図13において、制御指令演算手段10は、δ軸電流指令生成器101、磁束指令生成器102とから構成され、更に好適化するには、磁束制御器5で算出されるγ軸電流指令iγ*(図13中の点線矢印で示す)を用いてδ軸電流指令iδ*を制限するδ軸電流指令制限器103を付加している。
制御指令生成器10は、トルク指令をτ*に基づいて、制御指令である磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*とを生成する。界磁として永久磁石を有する同期機1の場合、同一のトルクを発生させることの可能な磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*との組み合わせが無数に存在することが知られており、制御指令生成器10は、トルク指令τ*に対し、所望の条件(例えば、効率最大、トルク最大等)に合致する適切な磁束指令Φ*とδ軸電流指令iδ*とを出力する。
δ軸電流指令生成器101は、トルク指令τ*と後述の磁束指令生成器102から出力される磁束指令Φ*とに基づいて、以下の(11)式によりδ軸電流指令iδ*を算出する。
Figure 0005781235

ここで、Pmは、同期機1の極対数である。
なお、図12の磁束制御器5において、磁束偏差ΔΦが零になるように制御されることから、前述の(11)式の演算において磁束指令Φ*の代わりに電機子鎖交磁束推定器4において推定した電機子鎖交磁束Φの大きさ|Φ|を用いても良い。
δ軸電流指令制限器103を付加する場合、δ軸電流指令iδ*とγ軸電流指令iγ*との合成電流(指令)が電力変換手段2の仕様等に基づいて決定される電流制限値imax以下となるように、電流制限値imaxとγ軸電流指令iγ*に基づいてδ軸電流指令iδ*を制限する。δ軸電流指令iδ*の上限値iδ*maxは、以下の(12)式で得られ、iδ*maxを逐次求めながら、δ軸電流指令iδ*の絶対値|iδ*|がiδ*max以下となるようにδ軸電流指令iδ*を制限する。
Figure 0005781235

磁束指令生成器102は、入力されたδ軸電流指令iδ*に対して好適な磁束指令Φ*、例えば、同期機1の電機子電流(実効値)一定の条件下において、最大のトルクを出力するような磁束指令Φ*を出力する。
このような条件で同期機1を駆動すると、同期機1の電機子巻線や同期機1と電力変換手段2との間の配線で発生する銅損が小さくなり、また、電力変換手段2で発生する導通損も小さくなることから、同期機1、電力変換手段2の変換効率が上がる。
図14は、前述の最大のトルクを出力する条件を満たすδ軸電流指令とiδ*と磁束指令Φ*との関係の一例を示す概念図であり、この関係を磁束指令生成器102に数式化あるいはテーブルデータの形で予め格納した上で、入力されたδ電流指令iδ*に従い好適な磁束指令Φ*を出力させる。
また、他の好適な磁束指令Φ*としては、図示していないが、δ軸電流指令iδ*に加えて同期機1の回転速度ωをも参照し、δ軸電流指令iδ*に対して速度依存性を有する同期機1の渦電流損やヒステリシス損を含む鉄損を小さくできる磁束指令Φ*がある。
このような条件で同期機1を駆動すると、特に回転速度が高い時に顕著となる同期機1で発生する鉄損が小さくなり、主に高回転速度域における同期機1の変換効率が上がる。
なお、図13に示す制御指令演算手段10において、δ軸電流指令制限器103を付加し、前述の(12)式によりδ軸電流指令iδ*を制限する場合、δ軸電流指令生成器101から磁束指令生成器102の間で計算が循環的となる。
すなわち、トルク指令τ*→(δ軸電流指令生成器101、δ軸電流指令制限器103)→δ軸電流指令iδ*→(磁束指令生成器102)→磁束指令Φ*→(δ軸電流指令生成器101)→δ軸電流指令iδ*・・・、といったループができ、入力されたトルク指令τ*に対するδ軸電流指令iδ*と磁束指令Φ*とを確定するには、δ軸電流指令生成器101から磁束指令生成器102間の演算を繰り返し行い収束させる必要があり、演算処理が困難となる。
そこで、実際の装置で前述の処理をマイコンによって所定の演算周期で行う際に、例えば、δ軸電流指令生成器101が使用する磁束指令Φ*として前回(1演算周期前)の演算結果を用い、該指令値を用いて計算したδ軸電流指令iδ*によって今回の磁束指令Φ*を算出する、あるいは、磁束指令生成器102において、磁束指令Φ*の値を適切なフィルタを通して出力すること等により演算処理の安定性を高める対策を施せば良い。
なお、図12において、図13に示した制御指令演算手段10に代えて、以下に述べる制御指令演算手段10aを用いても良い。図15は、図13に示す制御指令演算手段の他の構成例を示す構成図である。図15において、制御指令演算手段10aは、磁束指令Φ*を、δ軸電流指令iδ*ではなくトルク指令τ*に基づいて生成する。
図15における磁束指令生成器102aは、入力されたトルク指令τ*に対して好適な磁束指令Φ*を出力する。例えば、図14の横軸を、以下の(13)式の関係を用いてトルク指令τ*に変換すれば、入力されたトルク指令τ*に対する磁束指令Φ*を得ることができる。
Figure 0005781235

図16は、図14に示す関係から(13)式によって導出されたトルク指令τ*と磁束指令Φ*との関係を説明する概念図であり、この関係を磁束指令生成器102aに数式化あるいはテーブルデータの形で予め格納した上で、入力されたトルク指令τ*に従い好適な磁束指令Φ*を出力する。
なお、制御指令演算手段10aにおけるδ軸電流指令生成器101、δ軸電流指令制限器103の動作は、前述の制御指令演算手段10のものと同じである。
さらに、制御指令演算手段10、10aを好適にするには、電力変換手段2の仕様によって制限される電圧制限値を考慮した磁束指令Φ*を生成するような構成にすれば良い。
電力変換手段2には、この電力変換手段2の仕様と電源13の出力電圧Vpnとに依存する出力可能電圧最大値Vmax(実効値換算)があり、同期機1の電機子で発生する誘起電圧をVmax以下に抑制するように磁束指令Φ*を制限することが望ましい。該誘起電圧は、同期機1の抵抗Rの電圧降下を無視すれば同期機1の回転速度ωと電機子鎖交磁束Φとの積で決まることから、電力変換手段2の出力可能最大電圧値Vmaxに基づいて、同期機1の回転速度ωに応じた磁束指令最大値Φmaxを、以下の(14)式により逐次演算し、磁束指令生成器102、102aの出力をΦmaxで制限した値を磁束指令Φ*とすればより好適となる。
Figure 0005781235

以上述べたように、この発明の実施の形態2による同期機制御装置によれば、トルク指令に基づいて制御を行うことで、トルクを精度良く制御できる効果がある。
また、前述のδ軸電流指令制限器103を付加することで、電力変換手段2の性能によって制限される同期機1の電機子電流を制限値に以下に抑制できる効果がある。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3による同期機制御装置について説明する。
図17は、この発明の実施の形態3による同期機制御装置を、同期機1を含めて示すシステム構成図である。図17または後述の図18に示すように、この発明の実施の形態3による同期機制御装置は、実施の形態2による同期機制御装置に対して、制御指令演算手段10bは、磁石状態出力手段7から出力される永久磁石の磁束Φmagまたは温度Tmagに応じて同期機1に対するトルク指令τ*を制限し、制限されたトルク指令τ0*に基づいて制御指令(Φ*、iδ*)を生成する構成としたものである。
なお、特に図示していないが、図17の位置検出手段12の代わりとして、図3における位置検出手段12aを図1同様に適用しても良く、また、図11と同様に前述の永久磁石温度と永久磁石磁束との相関関係を用いて、磁石状態出力手段7の出力を永久磁石温度推定値Tmagとする構成でも良い。
図18は、図17に示す制御指令演算手段10bの構成の一例を示す構成図である。
図18において、制御指令演算手段10bは、δ軸電流指令生成器101、磁束指令生成器102、δ軸電流指令制限器103の構成に、磁石状態出力手段7から出力される永久磁石の磁束Φmagまたは温度Tmagに応じてトルク指令τ*を制限し、(制限された)トルク指令τ0*を出力するトルク指令制限器104を付加している。
なお、図18は、図13に示す制御指令演算手段10に対してトルク指令制限器104を付加した構成であるが、勿論、図15に示す制御指令演算手段10aに対してトルク指令制限器104を付加する構成でも良い。
前述の通り、界磁として永久磁石を有する同期機1を、電力変換手段2を有する同期機制御装置にて制御する際、同期機の電機子巻線への通電等に起因する温度上昇に伴い、界磁の永久磁石の磁化の強さ、即ち磁束が減少する「減磁」と呼ばれる現象が発生し、更に許容温度を超えると温度が常温に下がっても磁束が減磁発生前の状態に戻らない「不可逆減磁」と呼ばれる現象が発生する。
このため、少なくとも永久磁石の温度を不可逆減磁が発生する許容温度以下に抑制するように制御しなくてはならない。特に同期機1の発生トルクが大きくなると、永久磁石の温度が上昇し易くなる。
また、前述の通り、γ軸電流iγは同期機1の電機子鎖交磁束Φを操作する磁化電流に相当し、温度上昇に伴う永久磁石の減磁(ΔΦmag分の磁石磁束の低下)が発生すると、制御指令が一定ならば、減磁の分の磁石磁束をγ軸電流iγの増加によって補うように作用する。したがって、γ軸電流iγが増加するに従い、同期機1の電機子電流(実効値)も増加するため、同期機1で発生する熱(電機子巻線の抵抗で発生する熱等)によって永久磁石を含む同期機1の全体の温度も上昇し、永久磁石の減磁がより進行する可能性もある。
そこで、同期機1の温度が上昇した際、更なる温度上昇と同期機1の電機子電流の上限超過を抑制するために、磁石状態出力手段7から出力される永久磁石の磁束Φmagまたは温度Tmagに基づいて永久磁石の温度上昇を判断し、Φmag(またはTmag)に応じてトルク指令τ*を制限することで、間接的に制御指令(Φ*、iδ*)の大きさ(絶対値)を小さくし、電機子電流(実効値)の増加を抑制するような構成とする。
トルク指令制限器104は、トルク指令τ*を前記Φmag(またはTmag)に応じて制限し、(制限後の)トルク指令τ0*を出力する。前記Φmag(またはTmag)とトルク指令τ*の制限値との相関は、駆動条件や同期機1の熱容量や冷却性能、さらには、電力変換手段2の性能に応じて設定される。例えば、所定の制御指令(Φ*、iδ*)において、前記Φmagがある値以下になる、あるいは、前記Tmagがある所定の温度を超えると、永久磁石温度が不可逆減磁に至る温度に漸近したと判断して、トルク指令τ*を下げるように制限する、極端には「0」にする等の処理を施した上で、(制限後の)トルク指令τ0*を出力するといった形態にする。
トルク指令制限器104を付加する点以外、制御指令演算手段10bは、前述の発明の実施の形態2による同期機制御装置における制御指令演算手段10(あるいは10a)と同じであるが、図18のδ軸電流指令生成器101aの入力においてトルク指令τ*が(制限後の)トルク指令τ0*となるため、前述の(11)式の演算においてτ*の代わりにτ0*を用いて演算することとなる。
以上述べたように、この発明の実施の形態3による同期機制御装置によれば、永久磁石の温度上昇時に、トルク指令を制限することで、更なる温度上昇を抑制するように、電機子電流(実効値)の増加分を制限することで不可逆減磁を防止することができる効果がある。
この発明は、界磁として永久磁石を有する同期機を、インバータなどの電力変換手段を用いて制御する同期機の制御装置であり、永久磁石に温度検出器を取り付けることなく、永久磁石の温度または磁束の値を高精度に推定できるものである。
1 同期機、2 電力変換手段、3 電流検出手段、
4、4a 電機子鎖交磁束推定器、5 磁束制御器、6 電流制御器、
7、7a 磁石状態出力手段、8 磁石状態推定器、
9 磁石状態補正手段、10、10a、10b 制御指令演算手段、
11a、11b 座標変換器、12、12a 位置検出手段、13 電源、
21a〜c 加減算器、22a、22b スイッチ、
23a、23b PI制御器、
81a、81b、81c 磁石状態参照手段、
101、101a δ軸電流指令生成器、
102、102a 磁束指令生成器、103 δ軸電流指令制限器、
104 トルク指令制限器。

Claims (4)

  1. 界磁を構成する永久磁石を有する同期機に対して、電圧指令に基づいて電圧を出力する電力変換手段と、
    前記同期機の電機子電流を検出する電流検出手段と、
    前記電圧指令に基づいて前記同期機の電機子鎖交磁束の大きさと発生方向であるγ軸とを推定するとともに、同期機1の回転子位置と、推定した前記γ軸とに基づいて、前記電機子電流をγ軸とその直交方向であるδ軸からなるγ−δ軸上の電流へ座標変換する電機子鎖交磁束推定器と、
    磁束指令と前記電機子鎖交磁束の大きさとに基づいて前記γ軸上の電流を所定の値に制御するためのγ軸電流指令を生成する磁束制御器と、
    前記γ軸電流指令に対し,δ軸電流指令を加えたγ−δ軸上の電流指令と前記γ−δ軸上の電流とに基づいて前記電圧指令を生成する電流制御器と、
    前記永久磁石の磁束または温度を推定し出力する磁石状態出力手段とを備え、
    前記磁石状態出力手段は、γ軸電流とδ軸電流指令と磁束指令とに基づいて永久磁石の磁束または温度を推定する磁石状態推定器を備えると共に、磁石状態補正値演算モードと磁石状態推定モードの2つの動作モードを有し、
    前記磁石状態補正値演算モードにおいては、前記磁石状態推定器にγ−δ軸上の各軸の電流指令として零を与え、該電流指令の条件下で推定した前記電機子鎖交磁束の大きさと、前記磁石状態推定器に所定の磁束指令とδ軸電流指令とを与えた条件下において前記磁石状態推定器により得られる前記永久磁石の磁束または温度推定値とに基づいて磁石状態補正値を演算し、
    前記磁石状態推定モードにおいては、前記所定の磁束指令とδ軸電流指令とを与えた条件下において前記磁石状態推定器により得られる前記永久磁石の磁束または温度推定値を、前記磁石状態補正値で補正する磁石状態補正手段を備えることを特徴とする同期機制御装置。
  2. 前記磁石状態出力手段は、磁石状態補正値演算モードにおいて、複数の所定の前記磁束指令と前記δ軸電流指令の組の各々について、前記磁石状態推定器により得られる前記永久磁石の磁束または温度推定値に基づいて磁石状態補正値を演算し、
    磁石状態推定モードにおいて、前記複数の所定の磁束指令と所定のδ軸電流指令の組の内1組の指令を選定し、該指令を前記磁石状態推定器に与えた際に該磁石状態推定器により得られる前記永久磁石の磁束または温度推定値を、選択した磁束指令とδ軸電流指令の組と対となる前記磁石状態補正値で補正する磁石状態補正手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の同期機制御装置。
  3. 同期機に対するトルク指令に基づいて前記磁束指令と前記δ軸電流指令を生成する制御指令演算手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の同期機制御装置。
  4. 前記制御指令演算手段は、同期機に対するトルク指令を、前記磁石状態出力手段から出力される前記永久磁石の磁束推定値または温度推定値に応じて制限し、該制限後のトルク指令に応じて前記磁束指令と前記δ軸電流指令を出力することを特徴とする請求項3に記載の同期機制御装置。
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