JP5751535B2 - 金型の洗浄方法、及び、物品の製造方法 - Google Patents
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Description
(I)前記活性エネルギー線硬化樹脂の膨潤率が3%以上となる溶剤を使用する第1洗浄工程。
(II)前記第1洗浄工程を経た金型が乾燥する前に、第1洗浄工程で使用した溶剤と相溶し、かつ20℃の蒸気圧が2〜10kPaの溶剤を使用する第2洗浄工程。
さらに、本発明の微細凹凸構造を表面に有する物品の製造方法は、少なくとも工程(I)、(II)を含む方法で洗浄した金型を使用して、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、金型と基材との間に挟み、硬化させて、微細凹凸構造が転写された硬化樹脂層を基材の表面に形成し、微細凹凸構造を表面に有する物品を得る工程を含む。
<金型の製造方法>
まず、本発明において用いられる、微細凹凸構造を表面に有する金型の製造方法について説明する。金型は、金型基材の表面に微細凹凸構造を形成して製造される。
金型基材の材料としては、金属(表面に酸化皮膜が形成されたものを含む)、石英、ガラス、樹脂、セラミックス等が挙げられる。金型基材の形状としては、ロール状、円管状、平板状、シート状等が挙げられる。金型の製造方法としては、例えば、下記の方法(i−1)または方法(i−2)が挙げられ、大面積化が可能であり、かつ製造が簡便である点から、方法(i−1)が特に好ましい。
(i−2)金型基材の表面にリソグラフィ法によって微細凹凸構造を形成する方法。
(a)アルミニウム基材を電解液中、定電圧下で陽極酸化してアルミニウム基材の表面に酸化皮膜を形成する工程。
(b)酸化皮膜の少なくとも一部を除去し、アルミニウム基材の表面に陽極酸化の細孔発生点を形成する工程。
(c)アルミニウム基材を電解液中、再度陽極酸化し、細孔発生点に細孔を有する酸化皮膜を形成する工程。
(d)酸化皮膜の一部を除去し、細孔の径を拡大させる工程。
(e)工程(d)の後、電解液中、再度陽極酸化する工程。
(f)工程(d)と工程(e)を繰り返し行い、複数の細孔を有する陽極酸化アルミナがアルミニウム基材の表面に形成された金型を得る工程。
工程(a): 図2に示すように、アルミニウム基材10を陽極酸化すると、細孔12を有する酸化皮膜14が形成される。アルミニウム基材10の形状としては、ロール状、円管状、平板状、シート状等が挙げられる。
‐シュウ酸を電解液として用いる場合−
シュウ酸の濃度は、0.7M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて酸化皮膜の表面が粗くなることがある。
化成電圧が30〜60Vの時、平均間隔が100nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向にある。
硫酸の濃度は0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて定電圧を維持できなくなることがある。
化成電圧が25〜30Vの時、平均間隔が63nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向がある。
細孔12のアスペクト比(細孔の深さ/細孔間の平均間隔)は、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0が特に好ましい。
(ii−1)外部離型剤の希釈溶液に金型本体を浸漬する方法。
(ii−2)外部離型剤またはその希釈溶液を、金型の微細凹凸構造が形成された側の表面に塗布する方法。
(g)金型を水洗する工程。
(h)工程(g)の後、金型にエアーを吹き付け、金型の表面に付着した水滴を除去する工程。
(i)加水分解性シリル基を有するフッ素化合物をフッ素系溶媒で希釈した希釈溶液に、金型を浸漬する工程。
(j)浸漬した金型をゆっくりと溶液から引き上げる工程。
(k)必要に応じて、工程(j)よりも後段にて金型を加熱加湿させる工程。
(l)金型本体を乾燥させる工程。
工程(g): 金型には、微細凹凸構造を形成する際に用いた薬剤(細孔径拡大処理に用いたリン酸水溶液、リソグラフィ法に用いた剥離液等)、不純物(埃等)等が付着しているため、水洗によってこれを除去する。
次に、微細凹凸構造を表面に有する物品の製造方法について説明する。
微細凹凸構造を表面に有する物品の製造は、例えば、従来技術の欄でも説明した図1に示す製造装置を用いて、下記のように行われる。このような物品の製造装置は、上記の方法により製造されたロール状金型20と、ロール状金型20と対向して配置されたニップローラ26と、ロール状金型20とニップローラ26のニップ部との間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を供給するための供給装置22と、ロール状金型20の下方に設置された活性エネルギー線照射装置28と、を備えている。
以下、金型に付着したアクリル系活性エネルギー線硬化樹脂の洗浄方法について説明する。
本発明においては、以下に説明する少なくとも第1洗浄工程および第2洗浄工程を含む洗浄方法を実施することにより、金型の微細凹凸構造の領域に付着した異物や、樹脂幅痕の原因となる微細凹凸構造の内部に入り込んだアクリル系硬化性樹脂を金型から除去する。これにより、金型の表面に硬化樹脂が残留したとしても、金型から樹脂を除去して微細凹凸構造を表面に有する物品を製造することができる。
まず、アクリル系硬化性樹脂が付着した金型に第1洗浄の溶剤を接触させる。第1洗浄の溶剤としては、アクリル系硬化性樹脂の膨潤率が3%以上となる溶剤を使用する。具体的には、第1洗浄の溶剤としては、アセトン、クロロホルム、トルエンなどを用いることができる。また、これらの溶剤を溶媒に溶解したもの、混合したものを用いてもよい。硬化性樹脂の膨潤率が3%以上である溶剤を洗剤として用いることで、微細凹凸構造の内部に固着した硬化性樹脂を取り除くことが可能になる。
本発明においては、第1の洗浄工程の後、第1洗浄の溶剤が乾燥する前に、第2洗浄の溶剤と金型とを接触させて第2の洗浄工程を行う。これにより、第1洗浄の溶剤によってアクリル系硬化性樹脂を膨潤させ、第2洗浄の溶剤によって膨潤させたアクリル系硬化性樹脂を洗い落とすことができる。第1洗浄の溶剤は蒸気圧が高く乾燥時間が短いため、乾燥によって膨潤させた硬化性樹脂が再度乾燥付着し、乾燥ムラを引き起こしやすい。例えば、20℃における蒸気圧としては、アセトンが約25kPa、クロロホルムが約21kPaと、非常に蒸気圧が高い場合が多い。そこで、第1洗浄による溶剤が乾燥する前に、第1洗浄溶剤と相溶し、20℃の蒸気圧が2〜10kPa、より好ましくは3〜9kPaの第2洗浄溶剤を使用して洗浄を行う。第2洗浄溶剤の20℃における蒸気圧が10kPa以下と低いため、乾燥するまでの時間が十分あり、乾燥ムラなく金型に付着したアクリル系硬化性樹脂を洗い落とすことが可能である。また、蒸気圧が2以上であるため、口述の乾燥工程の時間を短縮することができる。具体的には、第2洗浄の溶剤として、エタノール(蒸気圧:約5.8kPa)、イソプロピルアルコール(IPA)(蒸気圧:約4.1kPa)、これらの混合液等を用いることができる。
さらに第2洗浄工程終了後、第2洗浄工程の溶剤が乾燥する前に、第3洗浄工程として純水と金型とを接触させることにより、より効果的に樹脂残りを洗い流すことができる。また、純水による第3の洗浄工程の後、第2洗浄工程で使用する溶剤を再度使用すれば、簡易的に乾燥させることができる。また、第3の洗浄工程として界面活性剤等を含有する洗浄剤を使用して金型の洗浄を行っても良く、第3の洗浄工程後に洗浄剤を使用して金型の洗浄を行っても構わない。洗浄剤としては、起泡剤とノニオン系界面活性剤と金属イオン封鎖剤とを含むものを用いることができる。起泡剤としては、アニオン系界面活性剤が好ましく用いられ、例えばアルキルエーテルカルボン酸塩[R−O−(CH2CH2O)CH2COONa](例えば、商品名Akypo RLM 45NV:日光ケミカル株式会社製)を用いることができる。ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル[R−C6H4−O−(CH2CH2 O)n−H](例えば、商品名NP−10:日光ケミカル株式会社製)を用いることができる。金属イオン封鎖剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸金属塩(例えば、商品名クレワットN2:帝国化学産業株式会社製)を用いることができる。洗浄剤を用いて金型の表面を洗浄した後には、純水等により洗浄剤を金型表面から除去することが好ましい。
金型洗浄後、金型に温風を吹き付ける等により金型を乾燥させる乾燥工程を行う。乾燥工程では、金型を1度以上傾けた状態で乾燥することによって、乾燥ムラを防ぐことが可能となる。
このようにして、洗浄が完了した金型は、再び、上述した微細凹凸構造を表面に有する物品の製造に用いられる。
上記の物品の製造方法において用いられる硬化性樹脂組成物としては、後述する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が挙げられる。
すなわち、硬化性樹脂組成物としては、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物28は、重合性化合物と、重合開始剤と、内部離型剤とを含む組成物である。そのうち少なくとも1種類以上アクリル系硬化性樹脂組成物を含有する。
(重合性化合物)
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
光硬化反応を利用する場合、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が内部離型剤を含むことによって、連続転写性を高めることができる。
(HO)3−n(O=)P[−O−(R2O)m−R1]n ・・・(1)
R1は、アルキル基であり、R2は、アルキレン基であり、mは1〜20の整数であり、nは1〜3の整数である。
R1としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数3〜18のアルキル基がより好ましい。
R2としては、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基がより好ましい。
mは、1〜10の整数が好ましい。
城北化学工業株式会社製:JP−506H(n≒1〜2,m≒1,R1=ブチル,R2=エチレン)、アクセル社製:モールドウイズINT−1856(構造非公開)、日光ケミカルズ株式会社製:TDP−10(n≒3,m≒10,R1=C12〜15,R2=エチレン)、TDP−8(n≒3,m≒8,R1=C12〜15,R2=エチレン)、TDP−6(n≒3,m≒6,R1=C12〜15,R2=エチレン)、TDP−2(n≒3,m≒2,R1=C12〜15,R2=エチレン)、DDP−10(n≒2,m≒10,R1=C12〜15,R2=エチレン)、DDP−8(n≒2,m≒8,R1=C12〜15,R2=エチレン)、DDP−6(n≒2,m≒6,R1=C12〜15,R2=エチレン)、DDP−4(n≒2,m≒4,R1=C12〜15,R2=エチレン)、DDP−2(n≒2,m≒2,R1=C12〜15,R2=エチレン)、TLP−4(n≒3,m≒4,R1=ラウリル,R2=エチレン)、TCP−5(n≒3,m≒5,R1=セチル,R2=エチレン)、DLP−10(n≒3,m≒10,R1=ラウリル,R2=エチレン)。
(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物の量は、重合性化合物の100質量%に対して、0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましく、0.05〜0.1質量%がさらに好ましい。(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物の量が1質量%以下であれば、硬化樹脂層の性能の低下が抑えられる。また、基材との密着性の低下が抑えられ、その結果、金型への樹脂残り(離型不良)や物品からの硬化樹脂層の剥がれが抑えられる。(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物の量が0.01質量%以上であれば、金型からの離型性が十分となり、金型への樹脂残り(離型不良)が抑えられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物、帯電防止剤、防汚性を向上させるためのフッ素化合物等の添加剤、微粒子、少量の溶媒を含んでいてもよい。
アルコキシシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン等が挙げられる。
アルキルシリケート化合物としては、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケート等が挙げられる。
以下、上記の物品の製造方法により製造された物品について説明する。図3は、微細凹凸構造を表面に有する物品40の一例を示す断面図である。
フィルム42は、光透過性フィルムである。フィルムの材料としては、ポリカーボネート、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル系樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
硬化樹脂層44は、アクリル系硬化性樹脂組成物の硬化物からなる膜であり、表面に微細凹凸構造を有する。
また、水が付着しにくいため、着氷防止を期待できる。
以上説明したように、本発明によれば、硬化樹脂の膨潤率が3%以上となる溶剤を使用する第1洗浄工程と、前記第1洗浄工程を経た金型が乾燥する前に、第1洗浄工程で使用した溶剤と相溶し、かつ20℃の蒸気圧が2〜10kPaの溶剤を使用する第2洗浄工程とを行うことにより、金型の表面に硬化樹脂が残留したとしても、金型から樹脂を除去して微細凹凸構造を表面に有する物品を製造することができる。
(陽極酸化アルミナの細孔)
陽極酸化アルミナの一部を削り、断面にプラチナを1分間蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−7400F)を用いて、加速電圧3.00kVの条件にて、断面を観察し、細孔の間隔、細孔の深さを測定した。
(アクリル系硬化性樹脂A)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、カヤラッドDPHA) 25質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業製薬社製、PET−3) 25質量部
・EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、カヤラッドDPEA−12) 25質量部
・ポリエチレングリコールジアクリレート(東亞合成社製、アロニックスM260) 25質量部
・(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル化合物(日光ケミカルズ社製、NIKKOL TDP−2)の0.1質量部
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製、イルガキュア184)の1質量部
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製、イルガキュア819)の0.5質量部。
純度99.99%の5cm角アルミニウム板の上に1mm厚のシリコンゴム製スペーサーを乗せ、アクリル系硬化性樹脂組成物Aを表面に垂らし、ガラス板(松浪硝子社製、S9112)で押し広げながら被覆した。ガラス板側から無電極UVランプ(フュージョンUVシステムズ社製、ライトハンマー6)を用いて200mJ/cm2のエネルギーで紫外線を照射して硬化させ、ガラス板とアルミニウム板を剥離することにより、1mm厚のアクリル系硬化性樹脂を得た。その樹脂板を5mm角にカットすることで、浸漬実験用サンプルに供した。
5mm角の樹脂板を各種溶剤に24時間浸漬させ、浸漬前後の重量を測定することにより、膨潤率を算出した。樹脂重量は電子天秤(METTLER社製、型式:AE200)で測定した。なお、本実施例で用いた各溶剤の膨潤率を図4に示す。
外観評価は、LEDライト(朝日電機社製、DOP−XRE301)を使用し、暗室で目視確認することにより行った。金型については、洗浄工程終了後、全域にわたって異物、樹脂幅痕、乾燥ムラの有無を評価した。フィルムについては、洗浄工程終了後に再度賦形した連続品の200m地点の1m、バッチ品3回目のものを目視確認し、樹脂幅痕の有無を評価した。
なお、表中の○、△、×は下記の意味を表している。
○:欠陥が観察されなかった。
△:欠陥がわずかに観察された。
×:欠陥がはっきり観察された。
〔実施例1〕
(工程(I))
ロール状のアルミニウム基材(純度:99.99%)を用意し、以下の工程(a)〜(g)によりロール状金型aを製造した。
工程(a):該アルミニウム基材について、0.3Mシュウ酸水溶液中で、直流40V、温度16℃の条件で6時間陽極酸化を行った。
工程(b):酸化皮膜が形成されたアルミニウム板を、6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混合水溶液に6時間浸漬して、酸化皮膜を除去した。
工程(c):該アルミニウム基材について、0.3Mシュウ酸水溶液中、直流40V、温度16℃の条件で20秒間陽極酸化を行った。
工程(d):酸化皮膜が形成されたアルミニウム基材を、32℃の5質量%リン酸水溶液に8分間浸漬して、細孔径拡大処理を行った。
工程(e):前記工程(c)および工程(d)を合計で4回繰り返し、最後に工程(d)を行い、平均間隔:100nm、深さ:220nmの略円錐形状の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたロール状金型を得た。
工程(f):金型を、TDP−8(日光ケミカルズ社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬した。
工程(g):金型を一晩風乾して、離型剤で処理されたロール状金型aを得た。
続いて、図1に示す装置を用いて微細凹凸構造を表面に有する物品の製造を行った。製造にはロール状金型a及びアクリル系硬化性樹脂Aを用いた。帯状のフィルム42を、ロール状金型20の回転に同期させてロール状金型20の表面に沿って移動させつつ、ロール状金型20とフィルム42との間に、タンク22からアクリル系硬化性樹脂38を供給した。フィルム42側から、積算光量1000mJ/cm2の紫外線を、アクリル系硬化性樹脂38に照射し、アクリル系硬化性樹脂38を硬化させることによって、フィルム42の表面に硬化樹脂層44を形成した。200m分のフィルム42の表面に硬化樹脂層44を形成した後、供給装置22からの硬化性樹脂38の供給を停止し、その後紫外線の照射を停止した。その後、ロール状金型aの表面を観察すると、樹脂幅痕が形成されていることが確認された。
(工程(II))
第1洗浄工程の溶剤としてアセトンを使用し、かけ流しで4L分を万遍なく金型にかけ流した。
(工程(III))
工程(II)の溶剤が乾燥する前に、第2洗浄工程の溶剤であるエタノール4L分を万遍なく金型aにかけ流した。
(工程(IV))
ロール状金型aを3度傾けた状態で、40℃の温風を吹き付けることにより、ロール状金型aを乾燥させた。
工程(II)〜(IV)を実施したロール状金型の表面を目視で観察したところ、樹脂残り、異物、乾燥ムラはなかった。
(工程(V))
ロール状金型を、TDP−8(日光ケミカルズ社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾することにより、再度ロール状金型に離型処理を施した。
(工程(I))
金型は、5cm角のアルミニウム基材を用意し、ロール状金型aと同様の方法で表面に微細凹凸構造を形成し、5cm角金型bを製造した。バッチでの転写は、5cm角金型bにアクリル系硬化性樹脂Aを滴下し、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、A−4300)を被せた後、フィルム側から、積算光量1000mJ/cm2の紫外線を、硬化性樹脂Aに照射し、硬化性樹脂Aを硬化させることによって、フィルムの表面に硬化樹脂層を形成した。金型の表面を観察すると、樹脂幅痕が形成されていることが確認された。
次いで、樹脂幅痕が形成された5cm角金型bを使用して、室温23℃で工程(II)〜(V)を行った。
(工程(II))
溶剤としてクロロホルムを使用し、5cm角金型全体を10分間浸漬させた。
(工程(III))
工程(II)の金型を取り出し、溶剤が乾燥する前にイソプロプルアルコールに金型を5分間浸漬させた。
(工程(IV))
工程(III)の金型を取り出し、溶剤が乾燥する前に純水を1分間金型にかけ流した。
(工程(V))
工程(IV)に続き、45度傾けた状態でエアブローすることにより、金型を乾燥させた。
工程(II)〜(V)を実施した5cm角金型bの表面を目視で観察したところ、樹脂残り、異物、乾燥ムラはなかった。
(工程(VI))
前記5cm角金型bを、TDP−8(日光ケミカルズ社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾することにより、再度5cm角金型に離型処理を施した。
硬化性樹脂および洗浄工程で使用する溶剤を表1のものに変更した以外は、実施例2と同様の方法で工程(II)〜(VI)を実施した。
工程(V)実施後の金型表面を目視で観察したところ、樹脂幅痕、異物、乾燥ムラはなかった。
硬化性樹脂および洗浄工程で使用する溶剤を表1のものに変更した以外は、実施例2と同様の方法で工程(II)〜(VI)を実施した。
工程(V)実施後の金型表面を目視で観察したところ、異物、乾燥ムラはなく、樹脂幅痕は僅かに視認される程度であった。
さらに、工程(VI)で製造した物品の表面を目視観察し、物品の表面には樹脂幅痕に対応した形状が僅かに視認される程度であることを確認した。
硬化性樹脂および洗浄工程、乾燥方法を表1のものに変更した以外は、実施例1と同様の方法で工程(II)〜(V)を実施した。
工程(IV)実施後のロール状金型の表面を目視で観察したところ、僅かに樹脂幅痕が視認され、乾燥ムラがあった。
さらに、工程(V)で製造した物品の表面を目視観察したところ、物品の表面には樹脂幅痕に対応した形状が僅かに視認された。
硬化性樹脂および洗浄工程、乾燥方法を表1のものに変更した以外は、実施例2と同様の方法で工程(II)〜(VI)を実施した。
工程(V)実施後の金型表面を目視で観察したところ、樹脂幅痕があり、乾燥ムラがあった。
さらに、工程(VI)で製造した物品の表面を目視観察したところ、物品の表面には乾燥ムラ、樹脂幅痕に対応した形状が転写されていた。
硬化性樹脂および洗浄工程、乾燥方法を表1のものに変更した以外は、実施例2と同様の方法で工程(II)〜(VI)を実施した。
工程(V)実施後の金型表面を目視で観察したところ、僅かに樹脂幅痕が視認され、乾燥ムラがあった。
さらに、工程(VI)で製造した物品の表面を目視観察したところ、物品の表面には樹脂幅痕に対応した形状が僅かに視認された。
12 細孔
14 酸化皮膜
16 細孔発生点
18 金型
20 ロール状金型
22 供給装置
24 空気圧シリンダ
26 ニップローラ
28 活性エネルギー線照射装置
38 硬化性樹脂組成物
40 物品
42 基材フィルム
44 硬化樹脂層
Claims (2)
- 可視光領域の波長以下の周期で形成された複数の凹部からなる微細凹凸構造を表面に有する金型の表面に残留した、アクリル系活性エネルギー線硬化樹脂を少なくとも1種類以上含む硬化樹脂を除去するための前記金型の洗浄方法において、
前記硬化樹脂の膨潤率が3%以上となる溶剤を使用して前記金型の表面を洗浄する第1洗浄工程と、
前記第1洗浄工程を経た金型が乾燥する前に、第1洗浄工程で使用した溶剤と相溶し、かつ、20℃における蒸気圧が3〜10kPaの溶剤を使用して前記金型の表面を洗浄する第2洗浄工程と、を有し、
前記第2の洗浄工程で用いる溶剤は、前記第1の洗浄工程で用いる溶剤よりも蒸気圧が低いことを特徴とする金型の洗浄方法。 - 前記第2洗浄工程を経た金型が乾燥する前に、さらに水を使用して前記金型表面を洗浄する第3洗浄工程を有することを特徴とする請求項1記載の金型の洗浄方法。
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