JP5749572B2 - 等方性を維持した成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
プレス成形を行い(第1プレス工程)、次いで1段以上であり、最終段の圧力が第1プレス工程の圧力の1.2倍〜25倍となるような第2プレス工程を行った後、
金型を熱可塑性樹脂の結晶性の場合は融点以下、非晶性の場合はガラス転移温度以下まで冷却し成形させる、強化繊維と熱可塑性樹脂を含む成形体の製造方法であって、
ランダムマットは、強化繊維が25〜3000g/m2の目付けにて実質的に2次元ランダムに配向しており、式(1)で定義される臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合が30Vol%以上90Vol%未満であり、かつ強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が下記式(2)を満たすことを特徴とする強化繊維と熱可塑性樹脂を含む成形体の製造方法およびそれに用いるランダムマットである。
臨界単糸数=600/D (1)
0.7×104/D2<N<6×104/D2 (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
チャージ率(%)=100×基材面積(mm2)/金型キャビティ投影面積(mm2)(3)
(ここで基材面積とは配置した全てのプリプレグの抜き方向への投影面積であり、金型キャビティ投影面積とは抜き方向への投影面積である)
プレス成形を行い(第1プレス工程)、次いで1段以上であり、最終段の圧力が第1プレス工程の圧力の1.2倍〜25倍となるような第2プレス工程を行った後、
金型を熱可塑性樹脂の結晶性の場合は融点以下、非晶性の場合はガラス転移温度以下まで冷却し成形させる、強化繊維と熱可塑性樹脂を含む成形体の製造方法である。本発明は、特定のランダムマットからのプリプレグを用いて成形することで、基材のチャージ率が50%以上90%未満、即ち金型内で基材を流動させつつプレス成形した場合にも、等方性を維持した成形体を製造する方法である。
本発明の製造方法で得られる成形体は、強化繊維と熱可塑性樹脂を含む繊維強化複合材料からなるものである。本発明で得られる成形体は、面内2次元ランダム配向する層を有し、実質的等方性を示す。(ここで実質的等方性とは、複合材料を成形した後、成形板の任意の方向、及びこれと直交する方向を基準とする引張試験を行い、引張弾性率を測定し、測定した引張弾性率の値のうち大きいものを小さいもので割った比(Eδ)が1.3以下であることとする。)
繊維強化複合材料からなる成形体は、強化繊維と熱可塑製樹脂とから構成されるランダムマットを出発物質とする。成形体においても強化繊維の繊維長、および束と単糸の割合はランダムマット中における状態を保っている。
繊維強化複合材料における熱可塑性樹脂の存在量は、好ましくは強化繊維100重量部に対し、50〜1000重量部、より好ましくは50〜500重量部である。
本発明の成形体の製造方法に用いられるランダムマットは、強化繊維と熱可塑性樹脂を含むものである。用いられる強化繊維および熱可塑性樹脂の種類は上記の成形体の項に記載したのものと同様である。
ランダムマットを構成する強化繊維は不連続であり、平均繊維長10〜100mm以下である。ランダムマットはある程度長い強化繊維を含んで強化機能が発現できることを特長とし、好ましくは強化繊維の繊維長が10mm以上50mm以下であり、より好ましくは10mm以上30mm以下である。また後述する好ましい強化繊維のカット方法を採用することで、ランダムマットを構成する強化繊維の長さは固定長とすることができる。
ランダムマットを構成する強化繊維は、サイジング剤が付着されたものを用いることが好ましく、サイジング剤は強化繊維100重量部に対し、0〜10重量部であることが好ましい。
本発明の成形体の製造方法に用いるランダムマットは、式(1)
臨界単糸数=600/D (1)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
で定義する臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合が30Vol%以上90Vol%未満であることを特徴とする。マット中には、強化繊維束(A)以外の強化繊維として、単糸の状態または臨界単糸数未満で構成される繊維束が存在する。
0.7×104/D2<N<6×104/D2 (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
を満たすことを特徴とする。
ランダムマットにおいては、熱可塑性樹脂が、繊維状および/または粒子状で存在することが好ましい。強化繊維と繊維状および/または粒子状の熱可塑性樹脂が混合して存在していることにより、成形時に熱可塑性樹脂を容易に含浸できる。熱可塑性樹脂の種類を2種以上とすることもでき、また繊維状と粒子状のものを併用してもよい。
粒子状の場合、球状、細片状、あるいはペレットのような円柱状が好ましく挙げられる。球状の場合は、真円または楕円の回転体、あるいは卵状ような形状が好ましく挙げられる。球とした場合の好ましい平均粒子径は0.01〜1000μmである。より好ましくは平均粒子径0.1〜900μmものがより好ましく、更に好ましくは平均粒子径1〜800μmものがより好ましい。粒子径分布についてはとくに制限はないが、分布シャープなものがより薄い成形体を得る目的としてはより好ましいが、分級等の操作により所望の粒度分布として用いることが出来る。
細片状の場合、ペレットのような円柱状や、角柱状、リン片状が好ましい形状として挙げられる。この場合ある程度のアスペクト比を有しても良いが、好ましい長さは上記の繊維状の場合と同程度とする。
本発明に用いるランダムマットは以下の工程1〜4より、好ましく製造方法される。
1.強化繊維をカットする工程、
2.カットされた強化繊維を管内に導入し、空気を繊維に吹き付けることにより、繊維束を開繊させる工程、
3.開繊させた強化繊維を拡散させると同時に、繊維状又は粒子状の熱可塑性樹脂とともに吸引し、強化繊維と熱可塑性樹脂を同時に散布する塗布工程、
4.塗布された強化繊維および熱可塑性樹脂を定着させる工程。
[カット工程]
強化繊維のカット方法は、具体的にはナイフを用いて強化繊維をカットする工程である。ナイフとしてはロータリーカッター等が好ましい。
所望の大きさの繊維束とするために、カットに供する繊維束として、ストランド幅が細めのものを用いる、あるいは縦方向に切ってストランド幅を細くすることも好ましい。その場合、繊維方向に平行な刃を有したカッターを用いて、特定の繊維長にカットすると同時に繊維束を縦方向にスリットすることも好ましい。
ロータリーカッターとしては、角度を規定した螺旋状ナイフ又は分繊ナイフを用いることが好ましい。
開繊工程はカットされた強化繊維を管内に導入し、空気を繊維に吹き付けることにより、繊維束を開繊させる工程である。開繊の度合いについては、空気の圧力等により適宜コントロールすることが出来る。ランダムマット製造における強化繊維開繊方法は、空気を強化繊維に吹き付けることを特徴としている。開繊工程において好ましくは圧縮空気吹き付け孔より、風速5〜500m/secにて空気を直接繊維束に吹き付けることにより、より完全に強化繊維を開繊させることができる。具体的には強化繊維の通る管内にΦ1mm程度の孔を数箇所あけ、外側より0.2〜0.8MPa程度の圧力をかけ、圧縮空気を繊維束に直接吹き付けることにより、繊維束を容易に開繊することができる。
塗布工程は開繊させた強化繊維を、拡散させると同時に、繊維状又は粒子状の熱可塑性樹脂とともに吸引し、強化繊維と熱可塑性樹脂を同時に散布する塗布工程である。開繊させた強化繊維と、繊維状又は粒子状の熱可塑性樹脂とを好ましくは同時に、シート上、具体的には開繊装置下部に設けた通気性シート上に塗布する。
塗布工程において、熱可塑性樹脂の供給量は、強化繊維100重量部に対し、50〜1000重量部であることが好ましい。
また下記の定着工程のためにも、吸引機構を持つ可動式の通気性シート上に散布することが好ましい。
ここで強化繊維および熱可塑性樹脂は、ランダムマット中に均等に斑無く散布することが好ましい。
定着工程は、塗布された強化繊維および熱可塑性樹脂を定着させる工程である。好ましくは通気性シート下部よりエアを吸引して繊維を定着させる。強化繊維と同時に散布された熱可塑性樹脂も混合されつつ、繊維状であればエア吸引により、粒子状であっても強化繊維に伴って定着される。
通気性のシートを通して、下部より吸引することにより、2次元配向の高いマットを得ることができる。又、発生する負圧を用いて粒子状、又は繊維状の熱可塑性樹脂を吸引し、更に、管内で発生する拡散流により、強化繊維と容易に混合することができる。得られる強化基材は、強化繊維の近傍に熱可塑性樹脂が存在することにより、含浸工程において、樹脂の移動距離が短く、比較的短時間で樹脂の含浸が可能となる。なお、予め、用いるマトリックス樹脂と同じ材質の通気性の不織布等を定着部にセットし、不織布上に強化繊維及び粒子を吹き付けることも可能である。
得られたランダムマットを熱可塑性樹脂が結晶性の場合は熱可塑性樹脂の融点以上熱分解温度未満の温度まで、非晶性の場合は熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上熱分解温度未満の温度に温度調節された金型内に配置する。金型の温度は例えばKタイプの熱電対を金型内に設置し、加熱炉外に設置した計測機により測定を行うことができる。
金型の形状にとくに限定はないが、金型はコア側とキャビティ側がシェアエッジ構造を有することが好ましい。シェアエッジ構造の説明図を図8に示す。シェアエッジのクリアランスはとくに限定はないが0.05〜0.20mm以下であることが好ましい。シェアエッジ構造のシェアの角度はとくに限定はないが、1°〜3°であることが好ましい。
ランダムマットは下記式(3)で表されるチャージ率が50%以上90%未満となるように金型に配置する。
チャージ率(%)=100×基材面積(mm2)/金型キャビティ投影面積(mm2)(3)
(ここで金型キャビティ投影面積とは抜き方向への投影面積である)
総面積チャージ率(%)=100×基材面積(mm2)/金型キャビティ総面積(mm2) (4)
金型形状の具体例を図2に示すが、図中に4で示した各々金型キャビティ表面の面積の総和が金型キャビティ総面積である。
第2プレス工程の合計のプレス時間は特に限定はないが、成形時間の短縮の観点から0.5〜10分であることが好ましい。
第2プレス工程後、冷却媒体を使用して金型を熱可塑性樹脂の結晶性の場合は融点以下、非晶性の場合はガラス転移温度以下まで冷却し成形体を得る。冷却後の温度は、熱可塑性樹脂の結晶性の場合は融点−200℃以上融点−10℃以下、非晶性の場合はガラス転移温度−200℃以上、ガラス転移温度−10℃以下とすることが好ましい。冷却工程に要する時間は冷却条件等により適宜コントロールできるが、成形時間の短縮の観点から0.5〜5分であることが好ましい。
金型の冷却方法にとくに限定はなく、金型内温調回路に冷却媒体を流すなどの方法により適宜冷却すれば良い。
金型中でのランダムマットの厚みは得ようとする形状の厚みに合わせて適宜選択できる。但し、流動を適切に行う為に、ランダムマットの厚みまたはランダムマットを積層した厚みの総和が0.5mm以上であることが好ましい。
強化繊維束(A)のマットの繊維全量に対する割合の求め方は、以下の通りである。
ランダムマットを100mm×100mmに切り出し、厚み(Ta)と重量を測定する(Wa)。
切り出したマットより、繊維束をピンセットで全て取り出し、繊維束を太さ毎に分類する。本実施例では分類は、太さ0.2mm程度単位で分類した。
分類毎に、全ての繊維束の長さ(Li)と重量(Wi)、繊維束数(I)を測定し、記録する。ピンセットにて取り出すことができない程度に繊維束が小さいものについては、まとめて最後に重量を測定する(Wk)。このとき、1/1000gまで測定可能な天秤を用いる。なお、特に強化繊維を炭素繊維とした場合や、繊維長が短い場合には、繊維束の重量が小さく、測定が困難になる。こういった場合には、分類した繊維束を複数本まとめて重量を測定する。
測定後、以下の計算を行う。使用している強化繊維の繊度(F)より、個々の繊維束の繊維本数(Ni)は次式により求めた。
Ni=Wi/(Li×F)。
強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)は以下の式により求める。
N=ΣNi/I
また、個々の繊維束の体積(Vi)及び、強化繊維束(A)の繊維全体に対する割合(VR)は、使用した強化繊維の繊維比重(ρ)を用いて次式により求めた。
Vi=Wi/ρ
VR=ΣVi/Va×100
ここで、Vaは切り出したマットの体積であり、Va=100×100×Ta
成形体については、500℃×1時間程度、炉内にて樹脂を除去した後、上記のランダムマットにおける方法と同様にして測定した。
複合材料を成形した後、繊維の等方性は、成形板の任意の方向、及びこれと直交する方向を基準とする引張り試験を行い、引張弾性率を測定し、測定した引張弾性率の値のうち大きいものを小さいもので割った比(Eδ)を測定することで確認した。弾性率の比が1に近いほど、等方性に優れる材料である。
得られた成形体に含まれる強化繊維平均繊維長は、500℃×1時間程度、炉内にて樹脂を除去した後、無作為に抽出した強化繊維100本の長さをルーペで1mm単位まで測定して記録し、測定した全ての強化繊維の長さ(Li)から、次式により平均繊維長(La)を求めた。
La=ΣLi/100
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、引張強度4000MPa)を使用した。炭素繊維を20mmの長さにカットし、炭素繊維の供給量を300g/minでテーパー管内に導入し、テーパー管内で空気を炭素繊維に吹き付けて繊維束を部分的に開繊しつつ、テーパー管出口の下部に設置したXY方向に移動可能なテーブル上に、テーブル下部よりブロワにて吸引を行いながら散布した。またマトリックス樹脂としてポリアミド6樹脂(ユニチカ製 A1030)を360g/minでテーパー管内に供給し、炭素繊維と同時に散布することで、平均繊維長20mmの炭素繊維とPA6が混合された厚み5.0mm程度のランダムマットを得た。得られたランダムマットについて、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、式(1)で定義される臨界単糸数は86であり、強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合は35%、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)は240であった。
得られたランダムマットを250℃に加熱された金型にチャージ率80%の割合で配置(図1)し、0.5MPaで加圧した。10分間保持後、10秒かけて2.5MPaまで圧力を上げ、さらに7分間保持した後に冷却媒体を使用して1分かけて金型温度を100℃まで冷却し、厚み1.0mmの成形体を得た。ここで金型の温度は金型表面付近に埋め込まれたKタイプの熱電対にて測定を行った。
図8に用いた金型のシェアエッジ部の模式図を示すが、金型のシェア角度は2度、金型シェアエッジ部のクリアランスは0.1mmであった。
得られた成形体は、材料の割れやシワの発生が無く、表面外観も良好で、製品反りの見られないものであり、金型末端まで樹脂と繊維が充填されていることが断面観察により確認できた。得られた成形体の模式図を図3に示すが、5で示した部分が金型内へ基材のチャージ部分であり、その外側の6で示した部分が、基材が金型キャビティエッジ部まで流動されて得られた流動部である。図中に7で示す箇所についてそれぞれVf(繊維含有率)を調べたところ、流動部の平均が35.0%、基材チャージ部が35.0%となり、流動部も基材チャージも、ほぼ同等の値を示した。流動部について図中に8で示す箇所の引張弾性率を測定したところ、互いに直交する二方向に測定した引張弾性率の値のうち大きいものを小さいもので割った比(Eδ)は1.01であり、等方性を保っていることを確認した。
厚みを1mm程度とした以外は実施例1と同様にしてランダムマットを得た。
得られたランダムマットを10枚積層し、260℃に加熱された金型にチャージ率80%の割合で配置し(図1)、0.8MPaで加圧した。10分間保持後、10秒かけて7.0MPaまで圧力を上げ、さらに7分間保持した後に冷却媒体を使用して2.5分かけて金型温度を100℃まで冷却し、厚み2.4mmの成形体を得た。ここで金型の温度は金型表面付近に埋め込まれたKタイプの熱電対にて測定を行った。
図8に用いた金型のシェアエッジ部の模式図を示すが、金型のシェア角度は2度、金型シェアエッジ部のクリアランスは0.1mmであった。
得られた成形体は、材料の割れやシワの発生が無く、表面外観も良好で、製品反りの見られないものであり、金型末端まで樹脂と繊維が充填されていることが断面観察により確認できた。得られた成形体の模式図を図5に示すが、5で示した部分が金型内へ基材のチャージ部分であり、その外側の6で示した部分が、基材が金型キャビティエッジ部まで流動されて得られた流動部である。図中に7で示す箇所についてそれぞれVfを調べたところ、流動部の平均が35.7%、基材チャージ部が34.9%となり、流動部も基材チャージもほぼ同等の値を示した。流動部について図中に8で示す箇所の引張弾性率を測定したところ、互いに直交する二方向に測定した引張弾性率の値のうち大きいものを小さいもので割った比(Eδ)は1.06であり、等方性を保っていることを確認した。
マトリクス樹脂をポリカーボネート樹脂(帝人化成製 パンライト(登録商標)L−1225L)とし、炭素繊維100重量部に対して300重量部の割合で混合した以外は実施例1と同様にしてランダムマットを得た。得られたランダムマットについて、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、式(1)で定義される臨界単糸数は120であり、強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合は80%、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)は1000であった。
得られたランダムマットを、230℃に加熱された金型にチャージ率80%の割合で配置し(図4)、0.7MPaで加圧した。10分間保持後、10秒かけて3.0MPaまで圧力を上げ、さらに7分間保持した後に冷却媒体を使用して1分かけて金型温度を60℃まで冷却し、厚み0.5mmの成形体を得た。ここで金型の温度は金型表面付近に埋め込まれたKタイプの熱電対にて測定を行った。
図8に用いた金型のシェアエッジ部の模式図を示すが、金型のシェア角度は2度、金型シェアエッジ部のクリアランスは0.1mmであった。
得られた成形体は、材料の割れやシワの発生が無く、表面外観も良好で、製品反りの見られないものであり、金型末端まで樹脂と繊維が充填されていることが断面観察により確認できた。得られた成形体の模式図を図3に示すが、5で示した部分が金型内へ基材のチャージ部分であり、その外側の6で示した部分が、基材が金型キャビティエッジ部まで流動されて得られた流動部である。図中に7で示す箇所についてそれぞれVfを調べたところ、流動部の平均34.8%、基材チャージ部34.8%となり同等の数値を示した。引張弾性率を測定したところ、互いに直交する二方向に測定した引張弾性率の値のうち大きいものを小さいもので割った比(Eδ)は1.04であり、等方性を保っていることを確認した。
厚み2.5mm程度とした以外は実施例1と同様にしてランダムマットを得た。得られたランダムマットを、255℃に加熱されたリブ・ボス形状を有する金型にチャージ率80%の割合で3枚配置し(図6)、0.7MPaで加圧した。8分間保持後、10秒かけて4.0MPaまで圧力を上げ、さらに7分間保持した後に冷却媒体を使用して0.5分かけて金型温度を100℃まで冷却し、厚み0.4mmの成形体を得た。ここで金型の温度は金型表面付近に埋め込まれたKタイプの熱電対にて測定を行った。図8に用いた金型のシェアエッジ部の模式図を示すが、金型のシェア角度は2度、金型シェアエッジ部のクリアランスは0.1mmであった。
得られた成形体は、材料の割れやシワの発生が無く、表面外観も良好で、製品反りの見られないものであり、金型末端まで樹脂と繊維が充填されていることが断面観察により確認できた。得られた成形体の模式図を図7に示すが、5で示した部分が金型内へ基材のチャージ部分であり、その外側の6で示した部分が、基材が金型キャビティエッジ部まで流動されて得られた流動部である。図中に7で示す各部位についてそれぞれ示す各部位のVfを調べたところ、流動部の平均が35.1%、基材チャージ部が35.5%となりほぼ同等の値を示した。流動部の引張弾性率を測定したところ、互いに直交する二方向に測定した引張弾性率の値のうち大きいものを小さいもので割った比(Eδ)は1.10であり、等方性を保っていることを確認した。
実施例1において、小孔からの風速を、50m/secとした以外は同様にランダムマットを作製した。得られたランダムマットについて、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、式(1)で定義される臨界単糸数は86であり、強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合は95%、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)は1500であった。
得られたランダムマットを250℃に加熱された金型にチャージ率80%の割合で配置(図1)し、0.5MPaで加圧した。10分間保持後、10秒かけて2.5MPaまで圧力を上げ、さらに7分間保持した後に冷却媒体を使用して1分かけて金型温度を100℃まで冷却し、成形体を得た。ここで金型の温度は金型表面付近に埋め込まれたKタイプの熱電対にて測定を行った。
図8に用いた金型のシェアエッジ部の模式図を示すが、金型のシェア角度は2度、金型シェアエッジ部のクリアランスは0.1mmであった。
得られた成形体は、得られた成形体は厚みが1.4〜1.8mmと不均一であり、目付けのムラも大きく、裏から光を照射すると透過するものであった。
2 金型キャビティ
3 金型キャビティエッジ部
4 金型キャビティ総面積
5 基材チャージ部
6 流動部
7 Vfの計測点
8 引張弾性率計測店
9 ボス形状部
10 リブ形状部
11 金型のシェアの角度
12 金型のクリアランス
Claims (8)
- 繊維長10〜100mmの強化繊維と熱可塑性樹脂とから構成されるランダムマットを金型に下記式(3)で表されるチャージ率が50%以上90%未満となるように配置し、
金型を熱可塑性樹脂が結晶性の場合は熱可塑性樹脂の融点以上熱分解温度未満の温度まで、非晶性の場合は熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上熱分解温度未満の温度まで昇温しつつ、プレス成形を行い(第1プレス工程)、
次いで1段以上であり、最終段の圧力が第1プレス工程の圧力の1.2倍〜25倍となるような第2プレス工程を行った後、
金型を熱可塑性樹脂の結晶性の場合は融点以下、非晶性の場合はガラス転移温度以下まで冷却し成形させる、強化繊維と熱可塑性樹脂を含む成形体の製造方法であって、
ランダムマットは、強化繊維が25〜3000g/m2の目付けにて実質的に2次元ランダムに配向しており、式(1)で定義される臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合が30Vol%以上90Vol%未満であり、かつ強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が下記式(2)を満たすことを特徴とする強化繊維と熱可塑性樹脂を含む成形体の製造方法。
臨界単糸数=600/D (1)
0.7×104/D2<N<6×104/D2 (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
チャージ率(%)=100×基材面積(mm2)/金型キャビティ投影面積(mm2)(3)
(ここで基材面積とは配置した全てのプリプレグの抜き方向への投影面積であり、金型キャビティ投影面積とは抜き方向への投影面積である) - 第1プレス工程における成形圧力が0.3MPa〜1.0MPaである請求項1に記載の成形体の製造方法。
- ランダムマットにおける熱可塑性樹脂の存在量が、強化繊維100質量部に対し、50〜1000質量部である請求項1に記載の成形体の製造方法。
- ランダムマットを、下記式(4)で表される総面積チャージ率が30%以上90%未満となるように金型に配してプレス成形を行う、請求項1〜3のいずれかに記載の成形体の製造方法。
総面積チャージ率(%)=100×基材面積(mm2)/金型キャビティ総面積(mm2) (4)
(ここで基材面積とは配置した全てのプリプレグの抜き方向への投影面積であり、金型キャビティ総面積とは金型キャビティ表面の面積の総和である) - ランダムマットにおける強化繊維の繊維長が10〜30mmである請求項1に記載の成形体の製造方法。
- 成形に用いる金型のコア側とキャビティ側が、シェアエッジ構造を有する請求項1に記載の成形体の製造方法。
- 任意の方向、及びこれと直交する方向についての引張弾性率の大きいほうの値を小さい方の値で割った比(Eδ)が1.0から1.3となる請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法で得られる成形体。
- 繊維長10〜100mmの強化繊維と熱可塑性樹脂とから構成され、強化繊維が25〜3000g/m2の目付けにて実質的に2次元ランダムに配向しており、式(1)で定義される臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合が30Vol%以上90Vol%未満であり、かつ強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が下記式(2)を満たす、請求項1〜6のいずれかに記載の成形体の製造方法に用いるランダムマット。
臨界単糸数=600/D (1)
0.7×104/D2<N<6×104/D2 (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
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