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JP5637965B2 - リードフレーム用アルミニウム板条及びリードフレーム板条 - Google Patents

リードフレーム用アルミニウム板条及びリードフレーム板条 Download PDF

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Description

本発明は、リードフレーム用アルミニウム板条、及び多数のリードフレームパターンを形成したリードフレーム板条に関する。
半導体リードフレームは、銅合金板条(板又は条)をスタンピング加工又はエッチング加工してリードフレームパターンを形成(リードフレームの形状に加工)し、Siチップを乗せるダイパッド部とワイアボンデングでSiチップと接合するインナーリード部にはAgめっきを行い、またプリント基板とはんだ付けするアウターリード部にはSnめっきを行って製造している。
銅合金素材を用いたリードフレームは導電率、強度、曲げ加工性、めっき性、耐食性等の特性に優れることから大量に使用されているが、地球環境問題の観点からの自動車の軽量化、銅地金の高騰等の要因から、銅に代わり、アルミニウム又はアルミニウム合金の使用が検討されるようになって来た。例えば特許文献1にはAl−Mg−Si系合金、特許文献2にはAl−Cu系合金、特許文献3にはAl−Mg−Zn系合金が提案されている。また、特許文献3には、アルミニウム合金にAu、Ag等のめっきを施すにあたり、下地めっきとしてCuめっきやNiめっきを施すこと、及び下地めっきの前処理としてジンケート処理を行うことが記載されている。
特開昭62−96638号公報 特開昭62−96644号公報 特開平2−133554号公報
先に述べたとおり、銅合金材からなるリードフレームのアウターリード部には、プリント基板との半田付け性を改善するためSnめっきが行われている。アルミニウム又はアルミニウム合金からなるリードフレームでも、同じく半田付け性の改善のためアウターリード部にSnめっき、あるいはSn−Ag系、Sn−Bi系、Sn−Cu系などのSn合金めっきを行うことが検討されている。なお、このSnめっき及びSn合金めっきは、従来行われていたPbを含む半田めっき(特開平5−78889号公報参照)に代えて行われるもので、その下地処理として、半田めっきの場合と同様に、ジンケート処理及びNi下地めっきが行われる。
しかし、プリント基板との半田付けにあたり、毒性のあるPbを含む半田の使用が制限されており、一方、Pbフリー半田は、Pbを含む従来の半田に比べて半田付け性が劣る。このため、リードフレームの半田付け性の改善がより求められるようになってきた。また、下地層とSnめっき層の密着性が悪い場合は、半田付け時に下地層から半田が剥離するため、Snめっき層の密着性がより求められ、かつ実装後の接触抵抗の増加を抑制するためSnめっき層の耐熱剥離性もより求められるようになってきた。
本発明は、以上の要請に基づいてなされたもので、Sn被覆層を含む表面被覆層を有するリードフレーム用アルミニウム板条及びリードフレーム板条について、半田付け性、表面被覆層の密着性及び耐熱剥離性を改善することを目的とする。
本発明に係る表面被覆層を有するリードフレーム用アルミニウム板条(リードフレームパターンが形成されていないアルミニウム板条をめっき母材としたもの)は、アルミニウム板条を母材とし、その表面にジンケート処理層が形成され、さらに平均厚さが0.1〜1.0μmのNi被覆層、平均厚さが0.4μm以下のCu被覆層、平均厚さが0.1〜1.0μmのCu−Sn合金被覆層、及び平均厚さが0.1〜10.0μmのSn被覆層からなる表面被覆層が、母材側からこの順に形成されていることを特徴とする。前記Sn被覆層はリフロー処理されていることが望ましい。
本発明に係る表面被覆層を有するリードフレーム板条(リードフレームパターン及び表面処理層が形成されたアルミニウム板条)は、先めっき材と後めっき材の2つがあり、先めっき材は、前記表面被覆層を有するリードフレーム用アルミニウム板条に対し、プレス加工等により多数のリードフレームパターンを形成したものである。一方、後めっき材は、プレス加工等により多数のリードフレームパターンが形成されたアルミニウム板条を母材とし、これに表面被覆層を形成したもので、前記母材の表面がジンケート処理され、さらに平均厚さが0.1〜1.0μmのNi被覆層、平均厚さが0.4μm未満のCu被覆層、平均厚さが0.1〜1.0μmのCu−Sn合金被覆層、及び平均厚さが0.1〜10.0μmのSn被覆層からなる表面被覆層が、母材側からこの順に形成されていることを特徴とする。前記Sn被覆層はリフロー処理されていることが望ましい。
本発明によれば、Sn被覆層を含む表面被覆層を有するリードフレーム用アルミニウム板条及びリードフレーム板条について、半田付け性、表面被覆層の密着性及び耐熱剥離性を改善することができる。
以下、本発明に係る表面被覆層を有するリードフレーム用アルミニウム板条及びリードフレーム板条について、より詳細に説明する。
(1)アルミニウム板条(めっき母材)
本発明でいうアルミニウムには、純アルミニウム及びアルミニウム合金が含まれる。アルミニウムの材質は、板条(板又は条)に加工できるものであれば特に制限がない。板厚、リードの強度、導電率、耐食性などの必要度に応じて、1000系(純アルミニウム)、5000系、6000系等のアルミニウム又はアルミニウム合金を使い分ければよい。
めっき母材として、リードフレームパターンを形成していないアルミニウム板条、又はプレス加工やエッチング等によりリードフレームパターンを形成したアルミニウム板条が用いられる。前者をめっき母材として表面被覆層を形成したものが先めっき材、後者をめっき母材として表面被覆層を形成したものが後めっき材である。
(2)ジンケート処理層
ジンケート処理層は、母材であるアルミニウム板条の表面をZnで置換して形成したZn被膜である。アルミニウムの表面には大気中の酸素によって緻密で強固な酸化膜が形成されており、そのままではめっきの密着性が悪い。ジンケート処理は、アルミニウム表面へのめっきの密着性を向上させるために実施するもので、それ自体公知のものである。Zn被膜の目付量は例えば0.6g/m程度とする。
(3)Ni被覆層
半田付け性の向上のため、アルミニウム板条の表面にSn被覆層を形成するが、ジンケート処理層のZnは卑な金属であることから、電位差の大きいSnを密着性の良い状態で直接ジンケート処理層の上にめっきすることは困難である。そのため、Znとの電位差が小さくジンケート処理層との密着性が良好なNi被覆層をジンケート処理層の上に形成する。Ni被覆層は、ジンケート処理層のZnがSn被覆層へ拡散するのを防止する作用も有する。このNi被覆層の平均厚さは0.1〜1.0μmとされる。Ni被覆層の平均厚さが0.1μmを下回ると半田付け性が低下し、1.0μmを超えると曲げ加工などで割れが生じるなど成形加工性が低下する。Ni被覆層の平均厚さは、好ましくは0.1〜0.5μmである。
本発明でいうNi被覆層は、純Ni又はNi合金からなる。Ni合金としては、例えばNi−P、Ni−B、Ni−W、Ni−Pd等が考えられるが、Ni以外の構成成分の合金含有量は10質量%以下が望ましい。
(4)Cu被覆層
Niが拡散してSn被覆層の表面に達すると、そこにNi酸化物が生成して、半田付け性が低下し、接触抵抗も増加する。そのため、Niの拡散バリアとしてNiめっき層とSnめっき層の間にCuめっき層を形成する。Cu中でのSnの拡散係数が大きいことから、室温程度の温度でも長時間保持すると、Cuめっき層のCuとSnめっき層のSnによりCu−Sn合金被覆層が形成される。形成されたCu−Sn合金被覆層が、NiのSn被覆層表面への拡散バリアとして作用する。
なお、本発明において、めっきで形成されたままの各層をめっき層といい、加熱処理等により所定厚さのCu−Sn合金被覆層が形成された後の各層を被覆層といい、両者を区別している。
Cu−Sn合金被覆層が形成されることに伴い、当初のCuめっき層の一部又は全部が消費される。その結果として残留するCu被覆層の平均厚さは0.4μm以下(0μmを含む)が望ましい。Cu被覆層の平均厚さが0.4μmを越えると、Cu被覆層とCu−Sn合金被覆層の界面で剥離が発生しやすくなる。この剥離が生じると接触抵抗が増加し、リードフレームとして電気的接続が保てなくなる。また、Cu被覆層のCuがSn被覆層表面に拡散し酸化すると、Niほどではないが半田付け性を低下させ接触抵抗を増加させる。このため、Cu被覆層の平均厚さは0.4μm以下でできるだけ薄い方が望ましく、0μmであることが最も望ましい。
本発明でいうCu被覆層は、純Cu又はCu合金からなる。Cu合金としては、例えばCu−Sn、Cu−Zn、Cu−Fe等が考えられるが、Cu以外の構成成分の合金含有量は、Snの場合は50質量%未満、他の元素については5質量%未満が望ましい。
(5)Cu−Sn合金被覆層
Cu−Sn合金被覆層は、Ni及びCuのSn被覆層表面への拡散バリアとして作用する。Cu−Sn合金被覆層の平均厚さが0.1μm未満では、その下のCu被覆層及びNi被覆層からCu及びNiがSn被覆層中へ拡散するのを有効に防止できない。これにより、めっきの耐熱剥離性や半田付け性が低下する。一方、1.0μmを越えると曲げ加工で割れが生じるなど成形加工性が低下する。従って、このCu−Sn合金被覆層の平均厚さは0.1〜1.0μmとする。Cu−Sn合金被覆層の平均厚さは、望ましくは0.3〜1.0μmである。
(6)Sn被覆層
リードフレームのアウターリードとプリント基盤の接合方法として半田付けが行われている。この場合、リードフレームのアウターリードには、Cuめっき層を形成した後、半田との相性が良いSnめっき層が形成される。Cuめっき層とSnめっき層からCu−Sn合金被覆層が形成されることに伴い、当初のSnめっき層の一部が消費される。その結果として残留するSn被覆層の平均厚さは0.1〜10.0μmが望ましい。Sn相の平均厚さが0.1μm未満では、半田付け性が低下する。一方、10μmを超えると必要以上のSnが付着することになり、半田付け時に不必要な部分へ半田が広がり、リード間の短絡を引き起こす可能性が出てくる。Sn被覆層の平均厚さは、望ましくは0.5〜3.0μmである。
本発明でいうSn被覆層は、純Sn又はSn合金からなる。Sn合金としては、Pbフリーの例えばSn−Ag、Sn−Bi、Sn−Cu等が考えられるが、Sn以外の構成成分の合金含有量は、10質量%未満が望ましい。
(7)製造方法
本発明に係る表面被覆層を有するリードフレーム用アルミニウム板条は、アルミニウム板条の表面をジンケート処理し、Niめっき、Cuめっき、Snめっきをこの順に行い、必要に応じて加熱処理を行うことにより製造できる。
この表面被覆層を有するリードフレーム用アルミニウム板条に、プレス打抜き加工等により多数のリードフレームパターンを形成したものが、表面被覆層を有するリードフレーム板条(先めっき材)である。
また、本発明に係る表面被覆層を有するリードフレーム板条(後めっき材)は、アルミニウム板条にプレス打抜き加工等により多数のリードフレームパターンを形成し、続いてこのアルミニウム板条の表面をジンケート処理し、Niめっき、Cuめっき、Snめっきをこの順に行い、必要に応じて加熱処理を行うことにより製造できる。
続いて、この製造方法の各工程について簡単に説明する。
(a)ジンケート処理
アルミニウム板条に対するジンケート処理(その前処理を含む)は、例えば次のような手順で行うことができる。
(ア)脱脂
アルミニウム板条を例えば室温に保持した30%硝酸溶液に30秒間浸漬して、アルミニウム表面の脱脂を行う。酸性脱脂のほか、溶剤脱脂、アルカリ性脱脂も利用できる。
(イ)酸化膜除去
アルミニウム板条を高アルカリ溶液(例えば40℃に保持した5%NaOH溶液)に30秒間浸漬してエッチングし、アルミニウム表面の酸化膜を除去する。
(ウ)表面不純物除去
アルミニウム板条を例えば室温に保持した30%硝酸溶液に30秒間浸漬して、アルミニウム表面に付着したスマットや不純物を除去する。
(エ)ジンケート処理
アルミニウム板条を例えばアルカリ性の亜鉛浴に浸漬して、アルミニウムの表面をZnで置換し、ジンケート処理層(Zn被膜)を形成する。Zn被膜を緻密にして、めっきの密着性を向上させるには、ダブルジンケート処理を行うのが望ましい。例えば、1stジンケート処理として、室温に保持したジンケート処理液(AD−301F(商品名)、上村工業株式会社製)に30秒間浸漬した後、室温に保持した30%硝酸溶液に30秒間浸漬して表面を除去し、2ndジンケート処理(1stジンケート処理と同じ条件)を行う。同様の処理を繰り返すことでさらに緻密なZn被膜を形成できる。
(b)Ni、Cu、Snめっき
Niめっきは、例えば、ワット浴やスルファミン酸浴を用い、浴温度40〜55℃、電流密度3〜20A/dmで行う。電流密度が3A/dm以下の場合は効率が悪く、20A/dm以上の場合はめっき粒子が粗大化し荒れてくる。
Cuめっきは、例えばシアン浴を用い、浴温55〜60℃、2〜10A/dmで行う。硫酸銅めっき浴を使用しても同様の効果を得ることが可能である。
Snめっきは、例えば硫酸錫浴を用い、めっき温度20〜40℃、電流密度2〜10A/dmで行う。
各めっき層の平均厚さは、Cu−Sn合金被覆層形成後のNi、Cu、Cu−Sn、Sn各被覆層の平均厚さが規定範囲内になるように設定する。例えば、Niめっき層は0.1〜1.0μmの範囲内、Cuめっき層は0.1〜0.5μmの範囲内、Snめっき層は0.2〜10.0μmの範囲内で設定すればよい。
なお、Niめっき層は純Ni及びNi合金、Cuめっき層は純Cu及び銅合金、Snめっき層は純Sn及びSn合金からなる。Niめっき層、Cuめっき層及びSnめっき層が、それぞれNi合金、Cu合金及びSn合金からなる場合、先にNi被覆層、Cu被覆層及びSn被覆層に関して説明した各合金を用いることができる。
(c)加熱処理
Ni、Cu、Snのめっき層を形成後、加熱処理を行うことにより、Cuめっき層とSnめっき層の間にCu−Sn合金被覆層が生成する。Cu−Sn合金被覆層は常温でも生成するが、加熱処理を行うことにより早く成長する。Cu−Sn合金被覆層を形成することにより下地Niの拡散を抑制できるため、リードフレームを高温で使用するときにNiの拡散による半田付け性の劣化、接触抵抗の増加を低減できる。また、Snめっき層の内部ストレスが緩和されることで、ウイスカの発生を抑制することができる。
加熱処理は、Snの融点より低い温度では50〜200℃×0.1〜300時間、Snの融点より高い温度では230〜400℃×3〜30秒の範囲内の条件で行えばよい。後者の条件で加熱処理を行う場合、230℃未満ではSnが溶融せず、望ましくは240℃以上であり、400℃以上では母材が軟化する。Cu−Sn合金被覆層を均一に成長させるには、Snの溶融する温度以上で300℃以下のできるだけ少ない熱量で行うことが望ましい。Snの融点より低い温度で加熱するより、溶融(リフロー処理)させたほうがSn被覆層内部のストレスを減少させる効果が大きいので、ウィスカ抑制には有利である。
アルミニウム母材として、5182冷延上がり材(Si:0.10mass%、Fe:0.20mass%、Cu:0.05mass%、Mn:0.45mass%、Mg:4.65mass%、Ti:0.03mass%、残部Al)を用い、下記要領でジンケート処理と、Niめっき、Cuめっき及びSnめっきの1又は2以上をこの順に行い、種々の厚さのNiめっき層、Cuめっき層、Snめっき層を形成した後、加熱処理を行い、実施例1〜6及び比較例1〜7のサンプルを得た。
なお、比較例2,3はCuめっきを行わず、比較例5はNiめっきとCuめっきを行わず、比較例7はNiめっきを行っていない。
(ジンケート処理)
発明を実施するための形態の欄で説明したように、前処理として、室温に保持した30%硝酸溶液に30秒間浸漬して脱脂し、40℃に保持した5%NaOH溶液に30秒間浸漬して酸化膜を除去し、室温に保持した30%硝酸溶液に30秒間浸漬して表面の不純物を除去した。続いて、1stジンケート処理として室温に保持したジンケート処理液(上村工業株式会社製;商品名AD−301F)に30秒間浸漬し、室温に保持した30%硝酸溶液に30秒間浸漬し、2ndジンケート処理を1stジンケート処理と同じ条件で行った。このジンケート処理は各サンプル(実施例1〜6及び比較例1〜7)で共通とした。
(Niめっき)
ワット浴(組成:硫酸ニッケル240g/L、塩化ニッケル45g/L、ホウ酸30g/L)を用い、浴温度:55℃、電流密度5A/dmの条件でNiめっきを行った。
(Cuめっき)
シアン浴(シアン化銅42g/L、シアン化カリウム92g/L)を用い、浴温度:60℃、電流密度6A/dmの条件でCuめっきを行った。
(Snめっき)
硫酸錫浴(組成:硫酸第一錫80g/L、硫酸80g/L、添加剤15ml/L)を用い、浴温度:35度、電流密度3A/dmの条件でSnめっきを行った。
(加熱処理)
各サンプル(実施例1〜6及び比較例1〜7)について表1に示す条件で行った。300℃で行った加熱処理はSnめっき層が溶融するリフロー処理である。
Figure 0005637965
めっき及び熱処理後のサンプルについて、Ni被覆層、Cu被覆層、Cu−Sn合金被覆層、Sn被覆層の各平均厚さを下記要領で測定するとともに、表面被覆層の密着性、半田付け性及び表面被覆層の耐熱剥離性の試験を下記要領で行い、ウィスカの発生状況の観察を下記要領で行った。
(各被覆層の平均厚さ)
Sn被覆層の厚さは、蛍光X線膜厚測定機(セイコーインスツルメンツ株式会社製;型式SFT3200)を使用して全Sn膜厚を測定し、その測定値からCu−Sn合金被覆層又はNi−Sn合金被覆層(比較例2,3ではNi−Sn合金被覆層が形成された)に含まれるSn成分の膜厚の測定値を差し引いたものとした。Cu被覆層の厚さはサンプルを埋め込み研磨し、1000倍光学顕微鏡にて実測した。Cu−Sn合金被覆層又はNi−Sn合金被覆層の厚さは、サンプルをp−ニトロフェノール及び苛性ソーダを成分とする剥離液に10分間浸漬し、Sn被覆層を剥離後、前記蛍光X線膜厚測定機を使用してCu−Sn合金被覆層又はNi−Sn合金被覆層に含まれるSn成分の膜厚を測定した。Ni被覆層の厚さは前記蛍光X線膜厚測定機を使用して測定した。測定結果は表1に示す。
(密着性試験)
JISH8504(めっきの密着性試験方法)の引き剥がし試験方法のうちテープ試験方法の規定に準じて行った。各サンプルから採取した試験片の表面に10×10mm角の中に1辺が1mmの正方形のマスが100個できるように切り込みを入れ、18mm幅の粘着テープ(住友スリーエム株式会社製;Scotch(登録商標)メンディングテープ、カタログNo.810−3−18)を貼り着け、垂直方向に引き剥がした。密着性の評価は、マスの剥離数が0個(剥離面積が1%未満)のものを○(合格)とし、マスの剥離数が1〜4個(剥離面積が1%以上5%未満)のものを△(不合格)、マスの剥離数が5個以上(剥離面積が5%以上)のものを×(不合格)とした。その結果を表1に示す。
(半田付け性試験)
260℃に保持した溶融半田(組成;Sn−3質量%Ag−0.5質量%Cu)中に、各サンプルから採取した試験片を浸漬する。半田濡れ面積が98%以上のものを◎(合格)、95%以上98%未満のものを○(合格)とし、90%以上95%未満のものを△(不合格)、90%未満のものを×(不合格)と評価した。その結果を表1に示す。
(耐熱剥離試験)
各サンプルから採取した試験片を160℃で250時間加熱した後、180°曲げ(曲げR=1.0mm)を行い、次いで元の状態に伸ばした。試験片の曲げ部分の表面に18mm幅の粘着テープ(住友スリーエム株式会社製;Scotch(登録商標)メンディングテープ、カタログNo.810−3−18)を貼り着け、垂直方向に引き剥がした。表面被覆層が剥離しなかったものを○(合格)とし、剥離したものを×(不合格)と評価した。その結果を表1に示す。
(ウイスカの観察)
各サンプルから10枚ずつ採取した試験片(50mmW×100mmL)を、30℃の環境に保管し、30日後に実体顕微鏡にて表面を観察した。各試験片について測定箇所を2cm×5cm(10cm)の範囲に設定し、その範囲内でウイスカの長いものから10個を選び、10個のウイスカ長さを平均して、その試験片のウイスカ長さとした。同様の測定を各サンプルとも10枚の試験片(測定箇所は計10箇所)で実施し、10箇所のウイスカ長さを合計し、その長さが5mm以下のものを○(合格)とし、5mmを超えたものを×(不合格)とした。その結果を表1に示す。
表1に示すように、表面被覆層がNi/Cu/Cu−Sn合金/Snの各被覆層、又は、Ni/Cu−Sn合金/Snの各被覆層からなり、各被覆層の平均厚さが本発明の規定を満たす実施例1〜6は、半田付け性が優れ、表面被覆層の密着性及び耐熱剥離性も優れ、ウイスカの発生も抑えられていた。
これに対し、Ni被覆層、Cu−Sn合金被覆層及びSn被覆層のいずれか1つ以上の被覆層を有しないか、あるいはNi被覆層、Cu被覆層、Cu−Sn合金被覆層及びSn被覆層のいずれか1つ以上の被覆層の平均厚さが本発明の規定を満たさない比較例1〜7は、半田付け性、表面被覆層の密着性及び耐熱剥離性のいずれかの特性が劣り、合わせてウイスカの発生が抑えられなかったものがあった。

Claims (5)

  1. アルミニウム板条を母材とし、その表面にジンケート処理層が形成され、さらに平均厚さが0.1〜1.0μmのNi被覆層、平均厚さが0.4μm以下のCu被覆層、平均厚さが0.1〜1.0μmのCu−Sn合金被覆層、及び平均厚さが0.1〜10.0μmのSn被覆層がこの順に形成されていることを特徴とする表面被覆層を有するリードフレーム用アルミニウム板条。
  2. 前記Sn被覆層がリフロー処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載された表面被覆層を有するリードフレーム用アルミニウム板条。
  3. 請求項1又は2に記載された表面被覆層を有するリードフレーム用アルミニウム板条に多数のリードフレームパターンを形成したことを特徴とする表面被覆層を有するリードフレーム板条。
  4. 多数のリードフレームパターンが形成されたアルミニウム板条を母材とし、前記母材の表面がジンケート処理され、さらに平均厚さが0.1〜1.0μmのNi被覆層、平均厚さが0.4μm未満のCu被覆層、平均厚さが0.1〜1.0μmのCu−Sn合金被覆層、及び平均厚さが0.1〜10.0μmのSn被覆層がこの順に形成されていることを特徴とする表面被覆層を有するリードフレーム板条。
  5. 前記Sn被覆層がリフロー処理されたものであることを特徴とする請求項4に記載された表面被覆層を有するリードフレーム板条。
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