JP5635331B2 - 移動式クレーン - Google Patents
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これらのうち大部分は、走行車体に旋回台を搭載し、その旋回台上にブームを起伏自在に取付けブームの旋回と起伏を可能とした構造であるが、旋回台を用いず、ブームを起伏自在に取付けた構造のものも含まれる。
ブームは多段式であり、油圧シリンダで自動伸縮させるものの外に、油圧シリンダを内蔵せずブームの継ぎ足しで長さを可変とするものも含まれる。さらに、ブームの先端に継ぎ足し専用のジブを装着してブーム長さを更に延長するものも含まれる。
このようなクレーンの高揚程化は、建築やその他の産業分野でクレーンの利用可能性を高めるものである。
しかるに、移動式クレーンにおけるブームの多段化と、その結果として得られる伸縮長さの長大化は、ブームの構造的強度の面からの限界が顕在化するに至っている。
しかるに、ブームを倒伏すると、ブームを下向きに曲げようとする縦曲げモーメントが大きくなって、ブームが下向きに撓みやすくなる。
一方、ブームを起立させると、ブームにそれ自体を圧縮する力が大きくなって、これに風や偏荷重等の外力が作用すると、ブームを横に曲げようとする横曲げモーメントが大きくなり、横撓みが発生しやすくなる。
特許文献1の従来技術は、ジブ(ブームともいうが技術的意味は同じである)の上面にガントリーを立設し、ジブ先端から吊下したフックと旋回台上のウインチとの間に掛け廻したロープを、ジブ先端からガントリー上端の滑車にも掛け廻している。このガントリーを介在させてジブ先端との間に張設したロープにより、ジブの縦曲げモーメントに対する抵抗を与え、ジブの縦曲げを抑制しようとするものである。
なお、ジブに対して横方向の安定性を得られるとの記述もあり、ジブの横安定性という課題も示されている。
すなわち、特許文献3の従来技術は、図10に示すように、ジブ101の上面に張線支持具102,102´を配置している。張線支持具102,102´は横方向に傾斜したり(角度α)、前後方向にも傾斜し(角度β)、かつ傾斜角α、βは調節可能となっている。この各張線支持具102,102´を介して、ロープ106,107と106´,107´がジブ101の自由端と基部との間に連結されている。このロープ106,107と106´,107´が、ジブ101の側面変形を抑制している。
第2発明の移動式クレーンは、第1発明において、前記間隔保持手段が、長さが不変な棒材で構成した間隔保持ステーであることを特徴とする。
第3発明の移動式クレーンは、第1発明において、前記間隔保持手段が、長さが可変な油圧シリンダで構成した間隔保持シリンダであることを特徴とする。
a)左マストと右マストとの間に、互いの間隔を保持する間隔保持手段を配設したので、伸縮ブームに縦たわみや横たわみが生じたとしても、左右のマストが撓わまず、それらの先端同士の間隔が広くなったり狭くなったりしない。このため、伸縮ブームに対する左右マストの先端位置が変動せずに保持されるので、安定的かつ効果的に伸縮ブームの縦たわみも横たわみも抑制することができる。
b)旋回テーブルを介して左右のマストをブームの横たわみ方向に正対するよう回動させることができる。このため、左右のロープの張力をブームに対して均等に配分でき、ブームの縦たわみを効果的に防止することができる。
第2発明によれば、間隔保持手段の長さが不変であるため左右マストの間隔を不変に保持でき、第1発明におけるブームの縦たわみと横たわみ抑制効果を承継する外、間隔保持手段が棒材なので軽量にでき、伸縮ブームの吊上能力を低下させることがない。
第3発明によれば、間隔保持手段が長さ可変の油圧シリンダであるため左右マストの間隔を可変に調整でき、間隔を小さくすることによって主ブームからの垂直高さを高くして縦たわみの抑制効果を高くしたり、間隔を広くすることによって主ブームに直交する幅を広くして横たわみの防止効果を高くできる。
以下では、本発明をトラッククレーンに適用した第1実施形態と、たわみ防止理論の第1〜第3例を説明する。
まず、トラッククレーンとしての移動式クレーンLの基本的構造を、図1に基づき説明する。1は公知の走行車体であり、この走行車体1には走行のための原動機や運転室、車輪の外、クレーン作業中の安定を確保するアウトリガ2が設けられている。走行車体1の上面には旋回台3が搭載され、油圧モータ等により水平面内で360°旋回できるようになっている。なお、旋回台3上にはカウンタウエイト4の外、図示しないクレーン運転室や、ウインチその他の設備が設けられている。
このウインチによるフックの上げ下げと、伸縮ブーム5の起伏、旋回、そして伸縮を組合せることにより、立体空間内での荷揚げと荷降ろしが可能となっている。
つぎに、たわみ防止と理論の第1例を説明する。
図1および図2に示すように、符号10は緊張マストであり、主ブーム5Aの上面であって、長手方向における中間部分に取付けられている。なお、本発明では緊張マスト10の取付位置は主ブーム5Aの長手方向における中間部分に限られることなく、その長手方向の基端から先端に至るどの部分であってもよい。
また、主ブーム5Aの基部には左右一対のウインチ14が取付けられている。なお、ウインチ14は各マスト10L,10Rに取付けてもよい。
この棒材を用いた間隔保持ステー41は軽量で、マスト10L,10Rのたわみ防止効果が高く、伸縮ブーム5の吊上げ能力を低下させないという特徴もある。
たわみ防止理論の第2例の移動式クレーンMを図3および図4に基づき説明する。
本例は、緊張マスト10を構成する左右マスト10L,10Rの間隔保持手段として、油圧シリンダで間隔保持シリンダ42を構成したものである。この間隔保持シリンダ42は長さの調整が可能という特徴をもつ点が第1実施形態の間隔保持ステー41と異なっている。
その余の構成は第1実施形態と実質同一であるため、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。
本発明に係る第1実施形態の移動式クレーンNを図5および図6に基づき説明する。
本実施形態は、たわみ防止理論の第1例および第2例の技術思想を継承した外、つぎの特徴を有する。
本実施形態では、緊張マスト10を構成する左マスト10Lおよび右マスト10Rは、いずれも基部が旋回テーブル51を介して主ブーム5Aに取付けられており、旋回テーブル51は、主ブーム5Aの長軸線に対し直交する垂直線まわりに回動自在となっている。
間隔保持手段は図示の間隔保持ステー41を用いてもよく、図6には図示してないが図4に示す間隔保持シリンダ42を用いてもよい。
また、旋回構造は、旋回ベアリング等で支持し油圧モータで正逆転させる等の公知の技術手段を任意に採用しうる。
その余の構成は第1実施形態と実質同一であるため、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。
すなわち、図7に示すように、伸縮ブーム5に左方の横たわみを生じた場合は、旋回テーブル51を介して左右のマスト10L,10Rを反時計方向に回動させると、ブームの横たわみ方向に正対させることができる。また、伸縮ブーム5に右向きの横たわみが生じたときは、旋回テーブル51を時計回りに回動させると、やはりブームの横たわみ方向に左右のマスト10L,10Rを正対させることができる。
このように、左右のマスト10L,10Rを伸縮ブーム5の横たわみ方向に正対させると、左右のロープ10L,10Rの張力をブームに対して均等に配分できるので、ブームの縦たわみを効果的に防止することができる。
たわみ防止理論の第3例を、図8および図9に基づき説明する。
本実施形態の移動式クレーンPは、図8に示すように、緊張マスト10を構成する左右のマスト10L,10Rに傾斜角調整シリンダ37を取付けたものである。傾斜角調整シリンダ37は、公知の一軸の取付ブラケットを介して、各マスト10L,10Rと主ブーム5Aとの間に取付けられている。図示の実施形態では、左右のマスト10L,10Rは主ブーム5Aの前後方向にては起伏しないものであるが、起伏角調整シリンダ36を取付けて起伏させる構造とした場合は、傾斜角調整シリンダ37は球面軸受等を介して取付ければよい。
ウインチ14は図示のごとく、各マスト10L,10Rに取付けてもよく、主ブーム5Aの後端部に設置してもよい。
また、図示していないが、ウインチ14を左右マスト10L,10Rに取付ける場合は、左右マスト10L,10Rを伸縮ブーム5の前方へ倒れないように控えておく控えロープあるいは控えステーも適宜取付けられる。
左右のマスト10L,10Rの基端部は、共通のピン35で共通のブラケット33に取付けられているが、この取付構造は、各マスト10L,10Rの横方向の傾斜を許容するなら、どのような構造を採用するものも任意であり、図4に示すような継手30の採用も可能である。
図9に示すように、伸縮ブーム5が左側への横たわみを生じた場合は、横たわみの反対側である右マスト10Rを横に倒伏するように傾斜させる。この傾斜動作は左マスト10Lの傾斜角調整シリンダ37を伸長させ、右マスト10Rの傾斜角調整シリンダ37を収縮させることで行うが、左マスト10Lと右マスト10Rの交差角は、傾斜動作の前後で一定とする。
この場合、右ロープ20Rによる伸縮ブーム5の左方への横たわみを引き戻す力が大きくなるので、伸縮ブーム5の横たわみを矯正し、あるいは防止しやすくなる。
なお、伸縮ブーム5が右方へ横たわみしたときは左マスト10Lを側方に傾斜させればよく、この場合の横たわみ補正原理は上述と同様である。
このように、本実施形態においては、伸縮ブーム5の横たわみ防止効果が高いので、クレーンの吊上げ能力を向上することができる。
つぎに、本発明の他の実施形態を説明する。
前記第1実施形態では、間隔保持手段として棒材で構成した間隔保持ステー41が用いられたが、棒材の代りにロープを用いてもよく、その場合でも、左右のマスト10L,10Rの上端同士が開くのを防止することができる。このため、左右マスト10L,10Rのたわみを防止して、伸縮ブーム5の吊上げ能力を低下させないようにすることができる。
なお、継ぎ足し専用のジブにも、油圧シリンダを用いた伸縮式のものや、ラチス式ジブを連結して長さを可変とするものが含まれる。
また、伸縮ブーム5自体も、油圧シリンダを用いた自動伸縮式の外、ラチス構造のブームを多段に連結する非自動伸縮式のものであってもよい。特許請求の範囲にいう「主ブームから先端に延びた位置に配置される副ブーム」の意味は、自動伸縮式の外、非自動で連結されるものも含む意味である。
要は、伸縮・起伏するクレーンブームであれば、本発明の各実施形態に係る緊張マスト10や緊張ロープ20を任意に適用して、その吊上げ能力を向上させることができる。
装輪式とは異なる型式のクローラ式走行車体を用いたクレーンは、クローラクレーンと云われるが、このクローラクレーンの伸縮ブームにも、本発明の緊張マスト10や緊張ロープ20を適用することができる。
5 伸縮ブーム
10 緊張マスト
10L 左マスト
10R 右マスト
20 緊張ロープ
20L 左ロープ
20R 右ロープ
37 傾斜角調整シリンダ
41 間隔保持ステー
42 間隔保持シリンダ
51 旋回テーブル
Claims (3)
- 走行車体と、
該走行車体に起伏自在に取付けた伸縮ブームとを備え、
該伸縮ブームが、基端側の主ブームと、該主ブームから先端に伸びた位置に配置される副ブームからなる移動式クレーンであって、
前記主ブームに対し、その基部が枢支された左マストと右マストとからなる緊張マストと、
該緊張マストを介して、前記伸縮ブームの基端部と先端部との間に張設された緊張ロープと備えており、
前記左マストは、前記主ブームの長手方向に対して左斜めに延びる部材であり、前記右マストは、前記主ブームの長手方向に対して右斜めに延びる部材であり、
前記左マストおよび前記右マストが、いずれも基部が旋回テーブルを介して前記主ブームに取付けられており、
前記旋回テーブルが、前記主ブームの長軸線に対し直交する垂直線まわりに回動自在であり、
前記緊張ロープは、前記左マストを介して張設された左ロープと、前記右マストを介して張設された右ロープとかならなり、
前記左マストと前記右マストとの間に、互いの間隔を保持する間隔保持手段を配設した
ことを特徴とする移動式クレーン。 - 前記間隔保持手段が、長さが不変な棒材で構成した間隔保持ステーである
ことを特徴とする請求項1記載の移動式クレーン。 - 前記間隔保持手段が、長さが可変な油圧シリンダで構成した間隔保持シリンダである
ことを特徴とする請求項1記載の移動式クレーン。
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