JP5694133B2 - 精製したオレフィンによるオレフィンの重合方法 - Google Patents
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Description
更に近年、石油化学工業の基礎原料として、特にポリエチレンとポリプロピレン製造用のモノマー等として、エチレンとプロピレンの需要が急速に高まり、エチレンプラントのロードアップや重質油の流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking Process)等によって工業用エチレンやプロピレンの確保が行われている。
このようにして得られた工業用オレフィン中には、通常、アセチレンやメチルアセチレン等のいわゆる、アセチレン系化合物を始めジエン化合物等の多種の不純物が含有されている。これら不純物、特にアセチレン系化合物はオレフィンの重合において、高活性なメタロセン触媒の被毒物質として注目されるようになり、これらを極力少なくする必要性と要求が高まってきている。
工業用オレフィンにおける不純物の除去方法としては、具体的には、以下のような除去方法が提案されている。
また、その方法を応用した精製方法として、最初にC2及びC3オレフィン系ガスを別々の供給流に分離することなく、気相過程において同時にアセチレン類及びジオレフィン類不純物を選択的に水素化する、アセチレン系及びジオレフィン系不純物を含むC2及びC3オレフィン系供給流の選択的水素化方法が開示されている(特許文献4参照)。しかしながら、いずれの方法においても高価な貴金属元素であるPdを使用することから工業的規模で使用するには経済的に問題があった。そればかりでなく、オレフィン供給流中に水素ガス(H2)を導入し化学的に除去(水添反応)することからH2の供給ラインが必要となり、また、未反応のH2がオレフィン流に残存する問題もあった。
しかしながら、本手法においてもPdなどの高価な貴金属元素を使用する方法も含まれ、分子状水素の供給も必要であって、工業的規模で使用するには経済的に問題があった。
また、アルミナ等の酸化物担体上の触媒を使用した、アルキン等の不飽和化合物を含む炭化水素流中の不飽和化合物を選択的に水素化する方法も開示されている(特許文献7参照)。
これらの手法においては、Pdなどの高価な貴金属元素は使用しないものの、H2の供給は必要であるため、その供給設備が必要で、オレフィン流中にH2が残存する問題は解決されていない。
よって、本発明の第一の発明(基本発明;請求項1)は、アセチレン系化合物を不純物として含有するオレフィンを、活性アルミナとゼオライトの混合物からなるハイブリッド系吸着剤と接触させた後に、メタロセン触媒に接触させて重合することを特徴とする、オレフィンの重合方法となる。
以下においては、本発明の各請求項に係る、本発明のオレフィンの重合方法について、本発明を詳細に説明する。
本発明の重合に使用する原料オレフィンは、ナフサ分解や重質油の流動接触分解等の汎用の各種の手段により慣用的に取得される工業用オレフィンが使用できる。このようにして得られた工業用エチレンやプロピレンなどを含めた重合用オレフィン(以下、単に「重合用オレフィン」ともいう。)は、通常、アセチレンやメチルアセチレン等のいわゆる、アセチレン系化合物を始め多種の不純物が含有されている。
これら原料オレフィンを重合に使用する際には、原料オレフィン中に含有されるアセチレン系化合物は、それぞれ100ppm以下、特に10ppm以下であることが好ましい。仮に、原料オレフィン中に100ppmを超える濃度でアセチレン系化合物が含有されている場合には、予め蒸留やPSA(Pressure Swing Adsorption)法などの他の手段にてアセチレン系化合物の濃度を10ppm以下に低下させておくことが望ましい。
本発明で重合時に使用されるオレフィンのアセチレン系化合物の含有量は、基本的には体積で0.01〜10ppmであり、好ましくは0.05〜10ppm、より好ましくは0.1〜5ppmである。濃度が高過ぎると吸着剤による処理能力が効率的でなくなり、濃度が低過ぎる場合には活性に影響を与えないレベルであり吸着剤の使用は不要である。
(1)吸着の組成
本発明で用いられるハイブリッド系吸着剤は、活性アルミナ及びゼオライトの混合物からなり、活性アルミナ及びゼオライトの合計100重量%中、通常、活性アルミナ20〜80重量%及びゼオライト80〜20重量%、好ましくは活性アルミナ30〜70重量%及びゼオライト70〜30重量%の混合物からなる。ハイブリッド系吸着剤は、市販品を用いてもよい。
好ましい活性アルミナとしては特に制限されるものではないが、γ−アルミナなどが挙げられる。
脱離等温線は相対圧を減少させた場合に得られる曲線である。脱離等温線の方が、吸着等温線に比べて、同一の吸着ガス量に対してより低い相対圧力を示し、結果的により低い自由エネルギー状態を示すために、より真の熱力学的安定に近い状態であると一般的に考えられている。
上記分析装置としては、カンタークロム社(オートソーブ)、日本ベル社(ベルソープ)、コールター社(40オムニソープ)等の一般市販品が使用可能である。細孔分布の計算方法としては、BJH法が最も一般的である。
測定方法の一例を以下具体的に示す。温度77Kで、圧力は相対圧P/P0(P0は、大気圧である)が0.02〜1の範囲で測定する。BJH法により、横軸を細孔直径(単位:オングストローム,Å)、縦軸に細孔容積の微分値(単位:cm3/g)で表現する。測定回数は通常1回で充分である。
上記ゼオライトの平均細孔径は、通常0.2〜1nm、好ましくは0.5〜1nmである。ゼオライトの平均粒径は特に制限はなく、平均細孔径が上記の範囲であると、アセチレン系化合物を含む種々の不純物を効率的に吸着させることができるので好ましい。
オレフィン中に水及びアルコールなどの極性を有する不純物が多く含まれていると、これらの不純物がアセチレン系化合物よりも優先してハイブリッド系吸着剤に吸着されるので、ゼオライト(モレキュラーシーブス)やアルミナ等の吸着剤をハイブリッド系吸着剤の前段に併用することもでき、むしろ、そうする方が好ましい。
本発明において用いられる吸着剤の形状は、特に制限は無く、ペレット状、粉末状、粒状の他、円滴状、円盤状などに成形されたものでもよい。吸着材の形状は、使用態様に応じて適宜選択すればよく、その大きさも、使用条件に応じて適宜選択できる。
(1)ハイブリッド系吸着剤の前処理(活性化処理)
本発明のハイブリッド系吸着剤は前処理として加熱活性化処理されていることが好ましい。
本発明の前処理(活性化処理)温度は、不活性ガス流通下、100〜650℃であり、好ましくは200〜600℃、より好ましくは300〜600℃、最も好ましくは400〜600℃である。前処理温度が高過ぎるとゼオライト結晶の崩れが激しくなり除去効率が低下し、前処理温度が低過ぎると除去効率が低くなる。不活性ガスとしては窒素、アルゴン、ヘリウム等が使用できる。
本発明の前処理(活性化処理)時間は、0.1〜100時間、好ましくは0.5〜50時間、より好ましくは1〜25時間である。
本発明の接触温度は、0〜100℃であり、好ましくは10〜60℃であり、より好ましくは20〜50℃の範囲である。処理温度が高過ぎると液化オレフィンの場合には気化し処理操作が効率的でなくなる。また、気体オレフィンの場合には副反応が生じる懸念がある。同様に処理温度が低過ぎると除去効率が低くなる。
本発明の接触時間としては、オレフィン中のアセチレン系化合物濃度、ハイブリッド系吸着剤量、接触温度、接触圧力等により適宜選択される。通常は1分〜100時間である。
本発明の接触圧力としては、常圧で行なうことができるが、0.2〜5MPa、好ましくは、0.5〜4MPaの圧力下においても行なうことができる。
本発明の接触方法としては、通常はオレフィンをガス状で流通接触させるが、これに限定されるものではなく、プロピレンの場合には液状で接触させても良い。ハイブリッド系吸着剤の充填態様としては、接触塔の形状に応じて適宜選択すればよく、一般的には固定床が用いられるが、移動床、流動床などとして充填することもできる。
ハイブリッド系吸着剤と併用する、追加可能な精製触媒としては、モレキュラーシーブ(MS)3A,4A,5A,13Xのような合成ゼオライト及び活性アルミナ、もしくは酸化銅、酸化亜鉛、パラジウム、ニッケル等の金属酸化物が挙げられる。
(1)モレキュラーシーブ接触後に、ハイブリッド系吸着剤による併用接触
(2)金属酸化物又は金属酸化物の複合酸化物接触後に、ハイブリッド系吸着剤による併用接触
(3)活性アルミナ接触後に、ハイブリッド系吸着剤による併用接触
(4)ハイブリッド系吸着剤処理後に、金属酸化物又は金属酸化物の複合酸化物による併用接触
(5)金属酸化物又は金属酸化物の複合酸化物接触後に、ハイブリッド系吸着剤、次いで金属酸化物又は金属酸化物の複合酸化物による多段併用接触
以上のハイブリッド系吸着剤、及び追加可能な精製触媒による接触処理は、原料オレフィンの性状を考慮して種々の組み合わせの変更及び回数などを、任意に多段に設定できる。
ということは、原料オレフィンを、予めハイブリッド系吸着剤による接触前後に、モレキュラーシーブ接触、金属酸化物又は金属酸化物の複合酸化物接触、或いは活性アルミナなどで接触する併用接触も有益である。また、追加可能な精製触媒部分を任意に多段に併設すること、その接触前後を任意に変えるいずれの態様も本発明の技術範囲に含まれる。
(1)触媒成分
本発明の重合方法に使用される、担持メタロセン触媒は、一般に、(W)共役五員環配位子を有する周期律表(短周期型)第4〜6族の遷移金属化合物からなるメタロセン錯体と、それを活性化させる(X)助触媒、及び必要に応じて使用される(Y)有機アルミニウム化合物、(Z)担体から構成される。
本発明で使用される触媒は、活性点前駆体であるメタロセン錯体を担体に担持したメタロセン触媒である。担持しない場合は粒子性状が悪化して重合系内の付着、閉塞が起こり好ましくない。
本発明において用いられるメタロセン錯体としては、代表的なものとして共役五員環配位子を有する、周期律表第4〜6族の遷移金属化合物のメタロセン錯体が挙げられ、これらのうち、下記一般式(1)で表される架橋メタロセン錯体であることが好ましい。
Qは、二つの共役五員環などの配位子間を任意の位置で架橋する結合性基を表し、具体的にはアルキレン基、シリレン基或いはゲルミレン基であるのが好ましい。
Mは、周期律表第4〜6族から選ばれる遷移金属の金属原子、好ましくは、チタン、ジ
ルコニウム、ハフニウムなどである。特にジルコニウム又はハフニウムが好ましい。
F及びGは、補助配位子であり、成分(X)の助触媒と反応して、オレフィン重合能を有する活性なメタロセンを生成させ、したがって、この目的が達成される限りF及びびGは、配位子の種類が制限されるものではなく、各々水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、或いはヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基などが例示できる。これらのうち好ましいものは炭素数1〜10の炭化水素基、或いはハロゲン原子である。
ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−イソプロピル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4,6−ジイソプロピル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、
ジフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、
メチルフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、
メチルフェニルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1−{2−エチル−4−(1−アントラセニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1−{2−エチル−4−(2−アントラセニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1−{2−エチル−4−(9−フェナンスリル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、
ジメチルメチレンビス[1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、
ジメチルゲルミレンビス[1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4―(3,5−ジメチル−4−トリメチルシリルフェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、などが挙げられる。
ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}{1−
(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ハフニウムジクロリドなどが挙げられる。
ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}]ハフニウムジクロリド、などが挙げられる。
助触媒は、メタロセン錯体を活性化する成分で、メタロセン錯体の補助配位子と反応して当該錯体を、オレフィン重合能を有する活性種に変換させ得る化合物であり、具体的には、下記(X−1)〜(X−4)のものが挙げられる。
(X−1)アルミニウムオキシ化合物
(X−2)成分(W)と反応して成分(W)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸
(X−3)固体酸
(X−4)イオン交換性層状珪酸塩
pKaが−8.2以下の酸点の量は、特開2002−53609号公報に記載の方法で測定しても良いが、精密に測定する場合は、特開2009−144113号公報の実施例に記載のように指示薬の着色を可視紫外スペクトルで定量しながら機器的に定量する方法が好ましい。
ここで、酸とは、物質の分類のカテゴリーの一つであり、ブレンステッド酸又はルイス酸である物質を指すと定義する。また、酸点とはその物質が酸としての性質を示す構成単位であると定義し、その量は、滴定法などの分析手段により、単位重量当たりの中和に要する2,6−ジメチルピリジン量のモル量で把握される。pKaが−8.2以下の酸点は、「強酸点」と呼ばれる。
本発明で用いる成分(X)は、強い酸点を特定量以上含有することによって重合活性が格段に向上する。
上記一般式のうち、(2)及び(3)で表される化合物は、アルミノキサンとも称される化合物であって、これらの中では、メチルアルミノキサン又はメチルイソブチルアルミノキサンが好ましい。上記のアルミノキサンは、各群内及び各群間で複数種併用することも可能である。そして、上記のアルミノキサンは、公知の様々な条件下に調製することができる。
上記一般式(4)で表される化合物は、一種類のトリアルキルアルミニウム又は二種類以上のトリアルキルアルミニウムと、一般式:R2B(OH)2で表されるアルキルボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることができる。一般式中、R1及びR2は、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。
また、上記のようなルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等が例示される。或いは、塩化アルミニウム、塩化マグネシウムなどの金属ハロゲン化物等が例示される。
なお、上記のルイス酸のある種のものは、成分(W)と反応して、成分(W)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物として把握することもできる。
イオン交換性層状珪酸塩(以下、単に「珪酸塩」と略記する場合がある。)は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライトなど)が含まれることが多いが、それらを含んでいてもよい。
倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が挙げられる。モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどのスメクタイト族;バーミキュライトなどのバーミキュライト族;雲母、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母族;パイロフィライト、タルクなどのパイロフィライト−タルク族;Mg緑泥石などの緑泥石族、セピオライト、パリゴルスカイトなどである。
珪酸塩は、上記の混合層を形成した層状珪酸塩であってもよい。主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であるのが好ましく、スメクタイト族であることがより好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。
また、これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常、吸着水及び層間水が含まれるため、不活性ガス流通下で加熱脱水処理するなどして、水分を除去してから使用するのが好ましい。なお、これらの化学処理の程度によってはイオン交換性が小さくなっている場合があるが、化学処理前の原料がイオン交換性層状珪酸塩であれば、特に問題ない。
メタロセン触媒系に、必要に応じて使用される有機アルミニウム化合物としては、ハロゲンを含有しないものが使用され、具体的には以下の一般式(5)
AlR3−iXi (5)
(式(5)中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Xは水素、アルコキシ基、iは0≦i≦3の数を示す。但し、Xが水素の場合は、iは0≦i<3とする。)で示される化合物が使用される。
これらのうち、特にトリアルキルアルミニウム、中でもトリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムが好ましい。
メタロセン触媒系において用いられる担体としては、各種公知の無機或いは有機の微粒子状固体を挙げることができる。
無機固体の例示としては、多孔質酸化物が挙げられ、必要に応じて100〜1,000
℃、好ましくは150〜700℃で焼成して用いられる。
具体的には、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等、又はこれらの混合物、例えばSiO2−MgO、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、SiO2−V2O5、SiO2−Cr2O3、SiO2−TiO2−MgOなどが挙げられる。これらのうち、SiO2又はAl2O3を主成分とするものが好ましい。
有機の微粒子状固体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体或いはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される重合体もしくは共重合体の固体を例示することができる。
また、担体の比表面積は、通常50〜1,000m2/g、好ましくは100〜500m2/gであり、担体の細孔容積は、通常0.1〜2.5cm3/g、好ましくは0.2〜0.5cm3/gである。
また、担体兼助触媒として使用する助触媒(X)についても上記と同じ範囲の平均粒径及び比表面積のものが好ましい。
成分[W]と成分[X](助触媒)と成分[Z](担体)の接触において、接触順番に制限は無いが、例えば、下記のような方法がある。
(i)成分[W]と成分[X]を接触させた後に、成分[Z]を接触させる。
(ii)成分[W]と成分[Z]を接触させた後に、成分[X]を接触させる。
(iii)成分[Z]と成分[X]を接触させた後に、成分[W]を接触させる
(なお、イオン交換性層状珪酸塩などの固体助触媒を担体兼助触媒として使用する場合、成分[Z]と成分[X]は、もともと接触担持されていることになるため、この接触順番となる)。
(iv)成分[W]と成分[X]と成分[Z]を、同時に接触させる。この中で好ましいのは(iii)の順番である。
また、必要に応じて、成分[Y](有機アルミニウム化合物)を使用する場合についても、上記のいずれの段階で成分[Y]を接触させてもよい。好ましくは、成分[Z]と成分[X]を接触させた後に、成分[Y]を接触させ、その後成分[W]を接触させる方法である。
また、成分(W)と成分(Y)を接触させる(その場合成分(X)が存在していてもよい)場合には、有機溶媒を溶媒として存在させるのが好ましい。この場合の成分(W)の有機溶媒中での濃度は、高い方が良く、好ましくは3mM以上、より好ましくは4mM以上、特に好ましくは6mM以上である。
成分(X)がアルミニウムオキシ化合物の場合は、Al/遷移金属のモル比は、通常10以上100,000以下、更に100以上20,000以下、特に100以上10,000以下の範囲が適する。一方、成分(X)としてイオン性化合物或いはルイス酸を用いた場合は、対遷移金属のモル比は、0.1〜1,000、好ましくは1〜100、より好ましくは2〜10の範囲である。
本発明に用いられる触媒は、粒子性の改良のために、予めオレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合処理に付すのが好ましい。使用するオレフィンは、特に限定はないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等を使用することが可能であり、特にプロピレンを使用するのが好ましい。
オレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的に或いは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。
予備重合温度は、特に制限されないが、通常0℃〜100℃、好ましくは10〜70
℃、より好ましくは20〜60℃、である。この範囲を下回ると反応速度が低下したり、活性化反応が進行しないという弊害が生じる可能性があり、上回ると予備重合ポリマーが溶解したり、予備重合速度が速すぎて粒子性状が悪化したり、副反応のため活性点が失活するという弊害が生じる可能性がある。
更に、上記各成分の接触の際、もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの重合体やシリカ、チタニアなどの無機酸化物固体を共存させることも可能である。
本発明のオレフィンの重合は、触媒成分とモノマーが効率良く接触するならば、あらゆる様式の方法を採用することができる。具体的な重合形態として、炭化水素溶媒を用いるスラリー重合、液化させたモノマー中でのバルク重合、又は実質的に溶媒を用いない気相重合等に適用される。
スラリー重合の場合、重合溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン等の炭化水素溶媒が用いられる。
重合反応は連続式重合、半連続式、回分式重合に適用される。更に、重合反応は反応条件の異なる二段以上分けて行う多段重合法も可能である。
℃、である。また、重合圧力は、常圧〜5MPa、好ましくは常圧〜4MPaである。本発明の重合時にはポリマーの分子量を調節する目的で水素を用いることができる。
また、用いられるモノマーとしては、エチレン、プロピレン単独の場合だけでなく、エチレン及びプロピレンと共重合可能なモノマー、例えば共重合において、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等も使用することができる。
本発明のオレフィンからなる単独重合体もしくは該オレフィンと他のオレフィン(例えば、エチレンとプロピレン)からなる共重合体成分としては、分子量に代わる加工する際の目安として有益なメルトフローレート(MFR)(g/10min)で示すと、MFRは、0.1〜1,000程度のものが任意に重合できる。
(1)13C−NMRによるエチレン含量
エチレン含量は、プロトン完全デカップリング法により、以下の条件に従って、13C−NMRスペクトルを解析することにより求める値である。
機種:日本電子(株)製 GSX−400又は同等の装置(炭素核共鳴周波数100MHz以上) 溶媒:o−ジクロロベンゼン+重ベンゼン(4:1(体積比)) 濃度:100mg/mL 温度:130℃ パルス角:90°
パルス間隔:15秒 積算回数:5,000回以上
スペクトルの帰属は、例えば、Macromolecules 17,1950(1984)などを参考に行えばよい。上記条件により測定されたスペクトルの帰属は、表1の通りである。表1中Sαα等の記号はCarmanら(Macromolecules 10,536(1977))の表記法に従い、Pはメチル炭素、Sはメチレン炭素、Tはメチン炭素をそれぞれ表わす。
[PPP]=k×I(Tββ) …(1)
[PPE]=k×I(Tβδ) …(2)
[EPE]=k×I(Tδδ) …(3)
[PEP]=k×I(Sββ) …(4)
[PEE]=k×I(Sβδ) …(5)
[EEE]=k×{I(Sδδ)/2+I(Sγδ)/4} …(6)
ここで、[ ]はトリアッドの分率を示し、例えば[PPP]は全トリアッド中のPPPトリアッドの分率である。
したがって、
[PPP]+[PPE]+[EPE]+[PEP]+[PEE]+[EEE]=1 …(7)
である。
エチレン含有量(モル%)=([PEP]+[PEE]+[EEE])×100
なお、本発明のプロピレンランダム共重合体には少量のプロピレン異種結合(2,1−結合及び/又は1,3−結合)が含まれ、それにより、微小なピークを生じる。正確なエチレン含有量を求めるにはこれら異種結合に由来するピークも考慮して計算に含める必要があるが、異種結合由来のピークの完全な分離・同定が困難であり、また異種結合量が少量であることから、本発明のエチレン含有量は実質的に異種結合を含まないチーグラー・ナッタ系触媒で製造された共重合体の解析と同じく式(1)〜(7)の関係式を用いて求めることとする。
エチレン含有量のモル%から重量%への換算は以下の式を用いて行う。
エチレン含有量(重量%)=(28×X/100)/{28×X/100+42×(1−X/100)}×100 ここで、Xはモル%表示でのエチレン含有量である。
[実施例1]
[固体触媒の製造]
(i)珪酸塩の化学処理
3リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコを使用し、蒸留水1130ml、続いて濃硫酸(96%)750gをゆっくりと添加し、更にモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL;平均粒径25μm,粒度分布10〜60μm,組成(重量%
):Al8.45、Mg2.14、Fe2.34、Si32.8、Na2.62)を300g分散させ、90℃まで1時間かけ昇温し、5.5時間その温度を維持した後、1時間で50℃まで冷却した。このスラリーを減圧濾過し、ケーキを回収した。更に、このケーキを蒸留水で最終洗浄液のpHが3.5を越えるまで洗浄し、窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。
以下の操作は、不活性ガス下、脱酸素、脱水処理された溶媒、モノマーを使用して実施した。先に化学処理したモンモリロナイトを減圧下、200℃で、2時間乾燥を実施した。内容積500mlのガラス製反応器に上記で得た化学処理モンモリロナイト20.0gを秤量し、ヘプタン73.7ml 、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液126.3ml(50.0mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。その後、ヘプタンで洗浄し、最後にスラリー量を200.0mlに調製した。
次に、特開平11−240909号公報の実施例1と同様の合成法に従って合成したrac−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウム218mg(0.3mmol)に混合ヘプタンを87ml添加し、充分撹拌した後に、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.706M)を4.25ml加え、室温にて1時間反応させた。その後、先に調製した珪酸塩スラリーに加え、1時間攪拌後、混合ヘプタンを追加して500mlに調製した。
続いて、窒素で充分置換を行った内容積1.0リットルの攪拌式オートクレーブに、先に調製した珪酸塩/メタロセン錯体スラリーを導入した。温度が40℃に安定したところで、アセチレン除去後の精製プロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度を維持した。4時間後、プロピレンの供給を停止し、50℃に昇温後、更に2時間維持した。サイホンにて予備重合触媒スラリーを回収し、上澄みを約300ml除き、45℃にて減圧下乾燥した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレンが1.9gを含む予備重合触媒が得られた。
内径78mm、高さ1300mmの充填塔に、平均細孔径1〜100nmの活性アルミナと平均細孔径0.9nmのゼオライトから成るAZ−300(#7×14 1.4−2.8mmφ UOP社/ユニオン昭和製)を4kg充填した。次に、この充填塔を250℃、窒素流通下で6時間乾燥を行った。そして、この充填塔にアセチレン4.6ppm含有するエチレンを400g/時の流速で、20℃の温度にて流通させエチレン・プロピレンの共重合に用いた。
内容積3Lの撹拌式オートクレーブ内をアセチレン含有量が検出限界以下の別途精製したプロピレンで充分置換した後に、室温下、トリイソブチルアルミニウム・ヘプタン溶液(2.02M)2.81mlを添加し、水素25ml、精製エチレン15g、続いて精製液体プロピレン750gを導入し、槽内温度を70℃に昇温した。槽内温度を70℃で維持したまま、上記で得られた予備重合触媒のノルマルヘプタンスラリー(10mg−触媒/ml)を1ml、触媒として10mg(予備重合ポリマーの重量は除く)をアルゴンにて圧入し、70℃にて1時間重合した。規定時間重合後、オートクレーブ内にエタノール10mlをアルゴンにて圧入し、残ガスをパージした。得られたポリマーは、110℃にて1時間乾燥した。その結果、288gのポリマーが得られた。触媒活性は、28,800g−PP/g−触媒・時、MFR=2.6(g/10分)、エチレン含量=1.8(重量%)であった。重合結果を表2に示した。
水素を100mlに変更したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。
エチレンを一切の精製触媒処理を行わないこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。
[比較例2]
エチレンを一切の精製触媒処理を行わないこと以外は、実施例2と同様に実験を行った。
一方、本発明の要件を満たさない比較例1,2においてはエチレン中のアセチレン系化合物の影響で触媒活性が低く、物性についても不安定な結果となり本発明の実施例に劣るものであった。
以上の本発明の実施例と比較例との対照において、本発明の構成要件の合理性と有意性及び本発明の卓越性が実証されている。
また、高価な貴金属を含有する精製触媒を使用しないため、その産業上の利用可能性は非常に大きく、更に、水添反応に依る必要もないため、付帯設備の設置が不要で、未反応の水素がオレフィン流に残存する懸念なく安定的に重合体を得ることが可能である。
Claims (6)
- 水及び/又はアルコール並びにアセチレン系化合物を不純物として含有するオレフィンを、モレキュラーシーブ又は活性アルミナと接触後に、活性アルミナとゼオライトの混合物からなるハイブリッド系吸着剤と接触させた後に、メタロセン触媒に接触させて重合することを特徴とする、オレフィンの重合方法。
- ハイブリッド系吸着剤を100〜650℃の温度で前処理することを特徴とする、請求項1に記載されたオレフィンの重合方法。
- 活性アルミナの平均細孔径が1〜100nmであり、ゼオライトの平均細孔径が0.2〜1nmであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載されたオレフィンの重合方法。
- オレフィンがアセチレン系化合物を0.01〜10ppm含有することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載されたオレフィンの重合方法。
- 水及び/又はアルコール並びにアセチレンを不純物として含有するエチレン及び/又はプロピレンを、モレキュラーシーブ又は活性アルミナと接触後に、ハイブリッド系吸着剤と接触させた後に、メタロセン触媒に接触させて重合することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載されたオレフィンの重合方法。
- メタロセン触媒がイオン交換性層状珪酸塩に担持されたものであることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載されたオレフィンの重合方法。
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