レンズホルダの外周面に設けた雄ねじ部の開始端を基準位置として、その基準位置から所定位置に複数のホルダ側凹凸部を設け、ケーシングに設けた貫通穴の所定位置に開始端を設定して雌ねじ部を設け、それらのホルダ側凹凸部に治具側凹凸部を係合させる。そして、レンズホルダに対して調整治具が、常に特定の1箇所においてのみ噛み合わされるようにして、レンズホルダの雄ねじ部と貫通穴の雌ねじ部との位置関係が一義的に決定されるようにする。これにより、その後の調整治具の回動操作によって、レンズホルダをフォーカス調整領域まで迅速に移動することができ、更に、レンズホルダに保持された撮像レンズのジャストフォーカスを短時間で正確に実行できる電子カメラを、簡単な構成によって実現した。
図1及び図2は、本発明の電子カメラの実施の形態の第1の例を示すもので、携帯電話に使用して好適な電子カメラ1である。この電子カメラ1は、携帯電話への使用に限定されるものではなく、例えば、パーソナルコンピュータ、車載用カメラ、テレビ電話、デジタルカメラ、その他各種の電子機器に適用可能である。
電子カメラ1は、被写体に対向される撮像レンズ2が保持されたレンズホルダ3と、そのレンズホルダ3を支持するケーシング4と、撮像レンズ2の光軸上に配置される撮像素子5が搭載された回路基板6等を備えて構成されている。レンズホルダ3は、軸方向の一端が円形の正面板3aによって閉じられ、且つ、他端が解放された円筒状をなす有底の筒体からなる。このレンズホルダ3の正面板3aの中央部に、撮像レンズ2を露出させるために軸方向に貫通された中央穴7が設けられている。このレンズホルダ3の内部に、複数枚のレンズを組み合わせた組合せレンズや1枚のレンズからなる単レンズによる撮像レンズ2が、その光軸OLを中央穴7の中心と一致させるようにして一体的に取り付けられている。
レンズホルダ3の外周面には、螺旋状に巻回された雄ねじ部8が、その開始端MEを正面板3aと反対側の端部に設定し且つ終端を正面板3aの近傍まで延在させるようにして設けられている。また、正面板3aの外周縁には、ホルダ側凹凸部の一具体例を示す3つの切欠き部10A,10B,10Cが設けられている。ホルダ側凹凸部の実施の形態は、その数と、その部位(隣接する角度又は周方向の長さ)と、その深さとによって、以下のような組み合わせを採用することができる。
まず、ホルダ側凹凸部の数は、図4A,4Bに示すように、少なくとも2つあれば本発明の目的を達成することができる。また、図5A,5Bに示すように、4つのホルダ側凹凸部を設け、或いは、図示しないが5つ以上のホルダ側凹凸部を設ける構成とすることもできる。しかし、製造工数やフォーカス調整作業等を考慮すると、図1〜図3に示すように、ホルダ側凹凸部を3つ設ける実施の形態が最も好適である。
次に、ホルダ側凹凸部の部位、即ち、周方向におけるホルダ側凹凸部の長さ、隣り合うホルダ側凹凸部間の角度(或いは間隔)は、ホルダ側凹凸部の深さとの関係で取り得る組合せが異なってくる。
まず、全てのホルダ側凹凸部の深さを同一にした場合には、少なくとも2箇所において、隣り合うホルダ側凹凸部間の角度(以下「凹凸部間角度」という。)、或いは、周方向の長さが異なるように設定する。
一方、少なくとも1つのホルダ側凹凸部の深さを他のホルダ側凹凸部の深さと異ならせた場合は、少なくとも2箇所において凹凸部間の角度又は周方向の長さを異ならせる構成とすることは勿論のこと、全ての凹凸部間角度又は周方向長さを等しく設定してもよい。
図1〜図3は、ホルダ側凹凸部として3つの切欠き部10A,10B,10Cを設けた実施の例を示している。3つの切欠き部10A,10B,10Cは、断面形状が長方形をなす空間部が周方向に連続する円弧状の切欠きとして形成されている。3つの切欠き部10A〜10Cの各深さH1,H2,H3は、それぞれ等しく(H1=H2=H3)設定されている。一方、3つの切欠き部10A,10B,10Cの全てである3つの隣り合う凹凸部間角度θ1,θ2,θ3は全て異ならせて設定されている(θ1>θ2>θ3)。また、3つの切欠き部10A〜10Cの周方向長さα,β,γは、2種類の長さに設定されている(α=β>γ)。
即ち、第1の切欠き部10Aは、周方向に50度延在された切欠きαとして形成されており、その深さはH1とされている。第2の切欠き部10Bは、周方向に50度延在された切欠きβとして形成されており、その深さはH2とされている。更に、第3の切欠き部10Cは、周方向に45度延在された切欠きγとして形成されており、その深さはH3とされている。従って、3つの切欠き部10A〜10Cの周方向長さα,β,γの関係は、α=β>γである。また、3つの切欠き部10A〜10Cの深さH1,H2,H3の関係は、H1=H2=H3である。
また、第1の切欠き部10Aと第2の切欠き部10Bとの間の凹凸部間角度θ2は80度に設定されている。そして、第2の切欠き部10Bと第3の切欠き部10Cとの間の凹凸部間角度θ3は40度に設定され、第3の切欠き部10Cと第1の切欠き部10Aとの間の凹凸部間角度θ1は95度に設定されている。従って、3つの凹凸部間角度θ1〜θ3の関係は、θ1>θ2>θ3である。このような構成を有する3つの切欠き部10A〜10Cが、雄ねじ部8の開始端MEとの間に所定の位置関係を持たせてレンズホルダ3に設けられている。この実施例では、雄ねじ部8の開始端MEは、図3Bに示すように、第3の切欠き部10Cの第3の凹凸部間角度θ3側の端部から10度のところに角度φとして設定されている。
しかしながら、雄ねじ部8の開始端MEと3つの切欠き部10A〜10Cとの位置関係は、この実施例に限定されるものでないことは勿論である。即ち、本発明においては、雄ねじ部8の開始端MEに対して3つの切欠き部10A〜10Cの位置関係が明確であればよいものである。
なお、3つの切欠き部10A,10B,10Cからなるホルダ側凹凸部の実施の形態は、上記実施例のものに限定されるものではない。例えば、3つの切欠き部10A〜10Cの各深さを等しくH1=H2=H3と設定した場合において、θ1=θ2>θ3若しくはθ1=θ2<θ3、或いは、α=β<γ若しくはα>β>γのいずれに設定してもよい。また、3つの切欠き部10A〜10Cの各深さを異ならせてH1>H2>H3とした場合において、θ1=θ2=θ3、θ1=θ2>θ3、θ1=θ2<θ3、θ1>θ2>θ3、或いは、α=β=γ、α=β>γ、α=β<γ、α>β>γのいずれとしてもよい。
更に、3つの切欠き部10A〜10Cの1つの深さを異ならせてH1=H2>H3又はH1=H2<H3と設定した場合においても同様である。即ち、H1=H2>H3又はH1=H2<H3において、θ1=θ2=θ3、θ1=θ2>θ3、θ1=θ2<θ3、θ1>θ2>θ3と設定し、或いは、α=β=γ、α=β>γ、α=β<γ、α>β>γと設定する場合のいずれであってもよい。
このような構成を有するレンズホルダ3に対応させて、このレンズホルダ3を回動させるための調整治具11を設けている。調整治具11は、図1に示すような構成を有しており、レンズホルダ3の正面板3a側に嵌り合う円筒状の部材として形成されている。調整治具11の外径は、レンズホルダ3の外径と略同一に設定されており、また、その内径は、3つの切欠き部10A〜10Cの各底面に共通に接する円の直径と略同一に設定されている。そして、調整治具11の軸方向の一方の端部に、レンズホルダ3に設けた3つの切欠き部10A〜10Cと係合される治具側凹凸部の一具体例を示す3つの係合爪12A,12B,12Cが設けられている。
3つの係合爪12A〜12Cは、3つの切欠き部10A〜10Cと嵌り合うことができるように、その部位及び深さがそれぞれ対応するように形成されている。即ち、3つの係合爪12A〜12Cの各高さG1,G2,G3は、それぞれ等しく(G1=G2=G3)設定されている。また、3つの係合爪12A〜12Cの全てである3つの隣り合う凹凸部間角度は、3つの切欠き部10A〜10Cの凹凸部間角度θ1,θ2,θ3に一致させて同様の角度に設定されている(θ1>θ2>θ3)。更に、3つの係合爪12A〜12Cの周方向の長さは、同じく3つの切欠き部10A〜10Cの周方向の長さα,β,γに一致させて同様の長さに設定されている(α=β>γ)。
3つの切欠き部10A〜10Cの構成は、例えば、図6A〜6F及び図7A〜7Eに示すような形状とすることができる。図6A〜6Fは、切欠き部10A〜10Cを、その延在する方向と交差する方向に断面した形状を示すもので、図3BのX−X線断面に相当する部分の説明図である。また、図7A〜7E、切欠き部10A〜10Cを、その側面から見た形状を示す説明図である。
図6Aは、切欠き部10(10A〜10C)の空間形状14を四角形としたもので、図1〜図5に示す実施例のように、ホルダ側凹凸部の基本的な形態をなすものである。この断面四角形の切欠き部10の場合には、調整治具11による回転力を受ける受け面の面積を大きく設定することができ、調整治具11の回転力を確実に伝達することができる。
図6Bは、切欠き部10の空間形状15を直角三角形としたものである。この断面直角三角形の切欠き部10の場合には、ホルダ側凹凸部の空間形状を最小にしつつ、調整治具11による回転力の伝達を可能とすることができる。特に、この実施例の場合、レンズホルダ3の内側に撮像レンズを配置する必要があるため、ホルダ側凹凸部として削除する部位を最小限にして、撮像レンズを保持するための肉厚をできるだけ厚く(大きく)確保することができる。しかも、3つの切欠き部10A〜10Cによってテーパ形状が形成されるため、調整治具11をレンズホルダ3に押圧すると、クサビ効果によって調整治具11とレンズホルダ3の結合力が増加され、調整治具11をレンズホルダ3から外れ難くすることができる。
図6Cは、切欠き部10の空間形状16を四角形領域16aと三角形領域16bとの組合せによって構成した第1の例を示すものである。この四角三角組合せ形の第1の例では、三角形領域16bは、四角形領域16aの底面の略外側半分に形成されている。また、図6Dは、切欠き部10の空間形状17を四角形領域17aと三角形領域17bとの組合せによって構成した第2の例を示すものである。この四角三角組合せ形の第2の例では、三角形領域17bは、四角形領域17aの底面と同じ大きさに形成されている。
図6Eは、切欠き部10の空間形状18を四角形領域18aと台形領域18bとの組合せによって構成した例を示すものである。この四角台形組合せ形の例では、四角形領域18aの内側に台形領域18bが配置されていて、四角形領域18aの一辺に台形領域18bの底辺が連続するように形成されている。また、図6Fは、切欠き部10の空間形状19を台形領域19aと四角形領域19bとの組合せによって構成した例を示すものである。この台形四角組合せ形の例では、台形領域19aの内側に四角形領域19bが配置されていて、台形領域19aの上辺に四角形領域19bの一辺が連続するように形成されている。
図6C〜図6Fに示す実施例は、図6Aに示す四角形の空間形状14を有する切欠き部10と図6Bに示す三角形の空間形状15を有する切欠き部10との混合形とも言うべきもので、両者の利点を併せ持つものである。即ち、空間形状16〜19を有する切欠き部10は、回転力を受ける受け面の面積をできるだけ大きくして調整治具11の回転力を伝達し易くしつつ、肉厚の減少を少なくして強度の低下を抑制することができる。
図7Aは、切欠き部10(10A〜10C)の側面形状を四角形の側面部20として形成したもので、図1〜図5に示す実施例のように、ホルダ側凹凸部の基本的な形態をなすものである。この四角形の側面部20を有するホルダ側凹凸部の場合には、調整治具11による回転力を受ける受け面の面積を大きく設定することができ、調整治具11の回転力を確実に伝達することができる。
図7Bは、切欠き部10の側面形状を三角形の側面部21として形成したものである。この三角形の側面部21を有するホルダ側凹凸部の場合には、調整治具11の治具側凹凸部が三角形の凸部となるため、両者の両側からの係合・離脱をスムースに行うことができると共に、噛み合い時の強度を高くして強固な噛み合いを実現することができる。図7Cは、切欠き部10の側面形状をU字形の側面部22として形成したものである。このU字形の側面部22を有するホルダ側凹凸部の場合には、治具側凹凸部による側面部22に対する係合・離脱動作が、周方向のどちらからでもスムースに行うことができる。
図7Dは、切欠き部10の側面形状をJ字形の側面部23として形成したものである。このJ字形の側面部23を有するホルダ側凹凸部の場合には、治具側凹凸部による側面部23に対する係合・離脱動作が、円弧面のある側から行われる場合にスムースに行うことができる。そして、調整治具11による回転力を受ける受け面の面積を大きく設定することができるため、調整治具11の回転力を確実に伝達することができ、噛み合い時の強度を高くして強固な噛み合いを実現することができる。
図7Eは、切欠き部10の側面形状を台形の側面部24として形成したものである。この台形の側面部24を有するホルダ側凹凸部の場合には、治具側凹凸部による側面部24に対する係合・離脱動作が、傾斜面のある側から行われるスムースに行うことができる。そして、調整治具11による回転力を受ける受け面の面積を大きく設定することができるため、調整治具11の回転力を確実に伝達することができ、噛み合い時の強度を高くして強固な噛み合いを実現することができる。
図1及び図2に示すように、ケーシング4は、一辺の長さがレンズホルダ3の直径よりも適宜に大きな平面形状が四角形をなすブロック状の部材として形成されている。このケーシング4の略中央部に、その表裏面を貫通するように貫通穴30が設けられている。そして、貫通穴30の内周面には、レンズホルダ3の雄ねじ部が螺合される雌ねじ部31が設けられている。雌ねじ部31は、ケーシング4の正面側における開始端WEが、ケーシング4のどの部分にどのような位置関係で設けられているかを明確にさせて設けられている。この実施例では、雌ねじ部31の開始端WEは、ケーシング4の一辺の略中央部に設定されている。
しかしながら、貫通穴30における雌ねじ部31の開始端WEは、この実施例に限定されるものでないことは勿論である。即ち、雌ねじ部31の開始端WEは、貫通穴30のどの位置に設けてもよく、必要なことは、その開始端WEがどこにあるかが明確であればよいものである。
このケーシング4の正面と反対側に、撮像素子5が搭載された回路基板6が固定されている。撮像素子5としては、CMOSイメージセンサ、CCD等を適用することができる。この撮像素子5と図示しない電子機器や光学素子が、回路基板6の一面に設けた配線パターン上に実装されて電気的に接続されている。そして、撮像素子5の受光面の略中央部に撮像レンズ2の光軸が一致するように回路基板6にケーシング4が一体的に固定されている。回路基板6のケーシング4と反対側の面には、図示しない電源や制御装置と電気的に接続するためのフレキシブル配線板35が取り付けられている。
このような構成を有する電子カメラ1は、例えば、次のようにしてフォーカス調整を行うことができる。そのフォーカス調整は、撮像素子5が搭載された回路基板6にケーシング4を固定した後、ケーシング4の貫通穴30にレンズホルダ3を嵌め込み、レンズホルダ3を回転させて位置調整を行うことによって実行される。以下に、図11を参照して、フォーカス調整作業を説明する。
図11は、貫通穴30に嵌合されたレンズホルダ3の光軸OL方向の移動距離と、レンズホルダ3に保持された撮像レンズ2の位置に対応した撮像素子5の解像力評価値との関係を現したグラフである。図11において、符号CZはフォーカス調整領域、FZはフォーカス調整の前段領域、RZは従来の切欠溝を有するレンズホルダに設けた雄ねじ部のねじ精度許容範囲、を夫々示している。また、符号FSはレンズホルダの雄ねじ部と貫通穴の雌ねじ部とが噛み合いを開始するねじ嵌合開始位置、JFは解像度のピーク値(ジャストフォーカス)、を夫々示している。更に、符号S1はレンズホルダを貫通穴に挿入する動作を開始する動作開始位置、S2はフォーカス調整を開始する調整動作上限位置、S3はフォーカス調整の範囲を超える位置を表した調整動作下限位置、を夫々示している。
ねじ精度許容範囲RZは、従来の装置では、雄ねじ部の開始端に対して切欠溝の位置が所定位置に決定されておらず、部品毎に位置関係が決定されていたことによる範囲を示すものである。そのため、従来のレンズホルダとして、例えば3つのレンズホルダ(2−1),(2−2),(2−3)を考えた場合に、第1のレンズホルダ(2−1)の動作開始位置S1は時点r1となる。そして、第2のレンズホルダ(2−2)の動作開始位置S1は時点r2(=S1)となり、第3のレンズホルダ(2−3)の動作開始位置S1は時点r3となる。従って、これらの動作開始位置S1から調整動作上限位置S2までの移動距離は、各レンズホルダによってバラバラになるため、従来のフォーカス調整(2)では、解像度のピーク値JFを検出することが非常に困難となる。
これに対して、本願発明では、雄ねじ部8の開始端MEに対して切欠き部10の位置を予め所定位置に決定しており、3つの切欠き部10A〜10Cと雄ねじ部8の開始端MEとの位置関係が一義的に設定されている。更に、レンズホルダ3の3つの切欠き部10A〜10Cと調整治具11の3つの係合爪12A〜12Cとは、それらの位置及び高さ等の全ての条件が一致する1箇所でのみ係合される構造となっている。そのため、本発明のレンズホルダ3に調整治具11を合わせて、傾いたり浮き上がったりした状態ではなく所定位置まで挿入して完全な状態で係合させると、雄ねじ部8の開始端MEは、予め決定された所定位置に常に位置することになる。
従って、本発明によれば、動作開始位置S1から調整動作上限位置S2までの移動距離が常に一定距離となる。そのため、調整治具11によるレンズホルダ3の移動を高速度で行うことができ、フォーカス調整作業を早期に開始することができる(1)。この点について、従来の装置では、動作開始位置S1がレンズホルダ2−1〜2−3毎に区々であった。そのため、時点t1,t2…tn−1,tnのように、現在位置を確認しながら調整動作上限位置S2を検知する必要があり、フォーカス調整作業を開始するまでに多くの時間が費やされていた(2)。
このようにしてレンズホルダ3が調整動作上限位置S2に到達し、次のフォーカス調整領域CZに入った後の調整作業は、従来と同様である。即ち、レンズホルダ3を前後方向に微調整(時点tn+1、tm+1等)しながら解像度のピーク値(ジャストフォーカスJP)tmを探す。そして、解像度のピーク値JPが得られた位置tmで、レンズホルダ3をケーシング4に接着剤で固着する。これにより、撮像素子5に対して撮像レンズ2のフォーカス調整を迅速且つ確実に行うことができ、精度の高いフォーカス調整を短時間で迅速に実行することができる。
図4A及び図4Bは、本発明の電子カメラ1に係るレンズホルダの第2の実施の例を示すもので、このレンズホルダ40は、ホルダ側凹凸部として2つの切欠き部41A,41Bを設けたものである。レンズホルダ40は、軸方向の一端が円形の正面板40aによって閉じられ、且つ、他端が解放された円筒状をなす有底の筒体からなる。このレンズホルダ40の正面板40aの中央部に中央穴7が設けられ、レンズホルダ40の内部に撮像レンズ2が、光軸OLを中央穴7の中心と一致させるようにして一体的に保持されている。
また、レンズホルダ40の外周面には、螺旋状に巻回された雄ねじ部8が、その開始端MEを正面板40aと反対側の端部に設定し且つ終端を正面板40aの近傍まで延在させるようにして設けられている。更に、正面板40aの外周縁には、ホルダ側凹凸部の第2の具体例を示す2つの切欠き部41A,41Bが設けられている。2つの切欠き部41A,41Bは、断面形状が長方形をなす空間部が周方向に連続する円弧状の切欠きとして形成されている(図6A及び図7A)。
2つの切欠き部41A,41Bの各深さH1,H2は等しく(H1=H2)設定され、2つの隣り合う凹凸部間角度θ1,θ2は異ならせて設定されている(θ1>θ2)。更に、2つの切欠き部41A,41Bの周方向長さα,βも異ならせて設定されている(α>β)。即ち、第1の切欠き部41Aは、周方向に50度延在された切欠きαとして形成されており、その深さはH1とされている。そして、第2の切欠き部41Bは、周方向に45度延在された切欠きβとして形成されており、その深さはH2とされている。
なお、2つの切欠き部41A,41Bからなるホルダ側凹凸部の実施の形態は、上記実施例のものに限定されるものではない。例えば、2つの切欠き部41A,41Bの各深さを等しくH1=H2と設定した場合において、θ1とθ2を同一にしてαとβを異ならせ、又は、αとβを同一にしてθ1とθ2を異ならせる構成としてもよい。また、2つの切欠き部41A,41Bの各深さを異ならせてH1>H2(H1<H2の場合も含む。)とした場合において、θ1とθ2を同一にしてαとβを異ならせ又はαとβを同一にしてθ1とθ2を異ならせ、或いは、θ1とθ2及びαとβを同一又は異ならせる構成とすることもできる。
このような構成を有する2つの切欠き部41A,41Bが、雄ねじ部8の開始端MEとの間に所定の位置関係を持たせてレンズホルダ40に設けられている。この実施例では、雄ねじ部8の開始端MEは、図4Bに示すように、第2の切欠き部41Bの第2の凹凸部間角度θ2側の端部から5度のところに角度φとして設定されている。しかしながら、雄ねじ部8の開始端MEと2つの切欠き部41A,41Bとの位置関係は、この実施例に限定されるものでないことは勿論である。即ち、本発明においては、雄ねじ部8の開始端MEに対して2つの切欠き部41A,41Bの位置関係が明確であればよいものである。このような構成を有するレンズホルダ40に対応させて、このレンズホルダ40を回動させるための、図1に示す調整治具11と同様の形状・構造を有する調整治具が設けられる。
図5A及び図5Bは、本発明の電子カメラ1に係るレンズホルダの第3の実施の例を示すもので、このレンズホルダ50は、ホルダ側凹凸部として4つの切欠き部51A,51B、51C,51Dを設けたものである。レンズホルダ50は、軸方向の一端が円形の正面板50aによって閉じられ、且つ、他端が解放された円筒状をなす有底の筒体からなる。このレンズホルダ50の正面板50aの中央部に中央穴7が設けられ、レンズホルダ50の内部に撮像レンズ2が、光軸OLを中央穴7の中心と一致させるようにして一体的に保持されている。
また、レンズホルダ50の外周面には、螺旋状に巻回された雄ねじ部8が、その開始端MEを正面板50aと反対側の端部に設定し且つ終端を正面板50aの近傍まで延在させるようにして設けられている。更に、正面板50aの外周縁には、ホルダ側凹凸部の第3の具体例を示す4つの切欠き部51A、51B,51C,51Dが設けられている。4つの切欠き部51A〜51Dは、断面形状が長方形をなす空間部が周方向に連続する円弧状の切欠きとして形成されている(図6A及び図7A)。そして、4つの切欠き部51A〜51Dの各深さH1,H2,H3,H4は、互いに等しくH1=H2=H3=H4として設定されている。また、4つの隣り合う凹凸部間角度θ1,θ2,θ3,θ4は、全てが異なる値として設定されている(θ1>θ3>θ2>θ4)。更に、4つの切欠き部51A,51B、51C,51Dの周方向長さα,β,γ,δは、αとγを一致させる一方、βをαより大きく設定し、δはγより小さく設定している(β>α=γ>δ)。
即ち、第1の切欠き部51Aは、周方向に45度延在された切欠きαとして形成されており、その深さはH1とされている。第2の切欠き部51Bは、周方向に50度延在された切欠きβとして形成されており、その深さはH2とされている。第3の切欠き部51Cは、周方向に45度延在された切欠きγとして形成されており、その深さはH3とされている。また、第4の切欠き部51Dは、周方向に30度延在された切欠きδとして形成されており、その深さはH4とされている。
なお、4つの切欠き部51A〜51Dからなるホルダ側凹凸部の実施の形態は、上記実施例のものに限定されるものではない。例えば、4つの切欠き部51A〜51Dの各深さを等しくH1=H2=H3=H4と設定した場合において、θ1〜θ4のいずれか1つ、2つ若しくは3つを異ならせ、或いは、α,β,γ,δのいずれか1つ、2つ若しくは3つを異ならせる構成としてもよい。なお、θ1,θ2,θ3,θ4の全てを同一にした場合には、α,β,γ,δのうち少なくとも1つを異ならせる必要がある。同様に、α,β,γ,δの全てを同一にした場合には、θ1〜θ4のうち少なくとも1つを異ならせる必要がある。
このような構成を有する4つの切欠き部51A〜51Dが、雄ねじ部8の開始端MEとの間に所定の位置関係を持たせてレンズホルダ50に設けられている。この実施例では、雄ねじ部8の開始端MEは、図5Bに示すように、第4の凹凸部間角度θ4の第1の切欠き部51A側の端部から5度のところに角度φとして設定されている。しかしながら、雄ねじ部8の開始端MEと4つの切欠き部51A〜51Dとの位置関係は、この実施例に限定されるものでないことは勿論である。即ち、本発明においては、雄ねじ部8の開始端MEに対して4つの切欠き部51A〜51Dの位置関係が明確であればよいものである。このような構成を有するレンズホルダ50に対応させて、このレンズホルダ50を回動させるための、図1に示す調整治具11と同様の形状・構造を有する調整治具が設けられる。
図8は、上述したような構成を有する電子カメラ1が搭載された電子機器の一具体例を示すカメラ付き携帯電話100の外観斜視図である。カメラ付き携帯電話100は、平面形状が略長方形をなす第1の筐体101と、第1の筐体101とは別個で略同様の形状・大きさを有する第2の筐体102とを備えている。第1の筐体101と第2の筐体102とは、図に表れないヒンジ部によって開閉自在に連結されている。第1の筐体101は表示部を備え、第2の筐体102は操作部を備えており、第2の筐体102に電子カメラ1が設けられている。
図示しないが、表示部は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置によって構成され、操作画面、アドレス帳、メール画面、撮像レンズ2を経て撮像素子5によって撮影された画像等が表示される。また、操作部は、数字や文字等を入力するためのテンキー、表示部に表示された事項を選択するためのカーソルキーや決定キー等を備えており、電子カメラ1のシャッタボタンの機能も備えている。このカメラ付き携帯電話100は、ヒンジ部で折り曲げた状態において、第1の筐体101の表示部と第2の筐体102の操作部とが内側に対向するように重ね合わされる。
図8に示すように、第2の筐体102の操作部と反対側の面に撮像レンズ2が露出するように電子カメラ1が第2の筐体102に取り付けられている。第2の筐体102の電子カメラ1の近傍にはスピーカ104が内蔵されている。また、符号105は、図示しない電池パックを出し入れするために第2の筐体102に開閉可能に取り付けられた電池パックカバーである。なお、この実施形態のカメラ付き携帯電話100は、これら各部のほかに、通常の携帯電話として備える部分、例えば、受話部、送話部、外部機器の接続端子等を備えていることは当然である。
このような装置、機能等を備えるカメラ付き携帯電話100に本実施例の電子カメラ1を用いることにより、カメラ付き携帯電話100の生産性を向上させることができる。即ち、電子カメラ1のフォーカス調整が短時間で迅速に行えるようにして、この種の携帯電話における生産性を高め、性能の向上を図ることができる。
図9及び図10は、本発明の電子カメラの実施の形態の第2の例を示すもので、携帯電話に使用して好適な電子カメラ60である。この電子カメラ60が前述した電子カメラ1と異なる点は、レンズホルダ61にホルダ側凹凸部の第4の具体例を示す3つの突起部62A,62B,62Cを設けた点である。そして、この3つの突起部62A〜62Cに対応して、調整治具63に治具側凹凸部の第4の具体例を示す3つの凹欠部64A,64B,64Cを設ける構成としたものである。その他の構成は、前記実施例と同様であるため、同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図9、図10に示すように、レンズホルダ60は、軸方向の一端が円形の正面板60aによって閉じられ、且つ、他端が解放された円筒状をなす有底の筒体からなり、その正面板60aの中央部に中央穴7が設けられ、その内部に撮像レンズ2が保持されている。同様に、レンズホルダ60の外周面に螺旋状に巻回された雄ねじ部8が設けられており、その雄ねじ部8の開始端MEが、正面板60aと反対側の端部に設定されている。そして、正面板60aの外周縁に、光軸方向に突出する3つの突起部62A、62B,62Cが設けられている。
3つの突起部62A〜62Cは、断面形状が長方形をなす部分が周方向に連続する円弧状の突条として形成されている。3つの突起部62A〜62Cの各高さP1,P2,P3は、互いに等しくP1=P2=P3として設定され、3つの隣り合う凹凸部間角度は、全てが異なる値として設定されている。また、3つの突起部62A〜62Cの周方向の長さは、全てが同一長さとなるように設定されている。
このレンズホルダ60に対応して、このレンズホルダ60を回転動作させるための調整治具63が設けられている。調整治具63は、レンズホルダ60と同程度の外径を有する円柱部材として形成されており、その端面の外周縁に、3つの突起部62A〜62Cに係合可能な3つの凹欠部64A,64B,64Cが設けられている。この3つの突起部62A〜62Cと3つの凹欠部64A〜64Cの周方向の長さ、高さ、凹凸部間角度の関係は、前記実施例の場合と同様であるため、その説明は省略する。また、突起部及び凹欠部の数は、この実施例の3つに限定されるものではなく、2つであってもよく、また、4つ以上であってもよい。このように構成することによっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。
以上説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形実施が可能である。例えば、前述の実施例では、固定焦点式の電子カメラに適用した例について説明したが、オートフォーカス式の電子カメラに適用できることは勿論である。