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JP5674083B2 - オキシ水酸化鉄ゾル及びその製造方法 - Google Patents

オキシ水酸化鉄ゾル及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はオキシ水酸化鉄ゾルの製造方法及びこの方法により製造されたオキシ水酸化鉄ゾル、とりわけ、アルカリ剤とヒドロキシカルボン酸を巧みに利用し安定性に優れたオキシ水酸化鉄ゾルを簡便な工程で製造する方法及びこの方法により製造されたオキシ水酸化鉄ゾルに関する。
酸化鉄は磁性材料や顔料としてよく知られており、その価数変化の特性から触媒等にも利用されている工業的に有用な物質の一つである。
磁性材料や触媒等の分野では、従来から塩素根や硝酸根、硫酸根等の無機酸根を含まない安定な酸化鉄ゾルが望まれている。このようなイオン性の無機酸根を含まない安定な酸化鉄ゾルを製造する方法として、特許文献1には、クエン酸の存在下で塩化鉄にアルカリ水溶液を添加して鉄水酸化物のゲルを生成させ、これを洗浄後に熟成し、再度洗浄後、クエン酸を添加して水熱処理する方法が提案されている。この方法では、イオン性の無機酸根が洗浄工程において除去され、残存するクエン酸によってゾルが安定化されている。しかし、この方法は反応や洗浄に伴う工程数が多く、工業的製造方法とは言い難い。
一方、本願出願人は、酸化チタンコロイド溶液を製造する方法において、オキシ塩化チタン溶液にアルカリ剤を加え、生成したゲルを洗浄した後、ヒドロキシカルボン酸を添加して水熱処理する方法を開示している(特許文献2参照)。さらに、同様の方法で希土類元素の酸化物ゾルを製造する方法を開示している(特許文献3参照)。しかし、これらの方法を用いて、鉄の水溶性無機化合物からオキシ水酸化鉄ゾルを製造しようとした場合、得られる生成物は経時的に沈降するゲルであり、オキシ水酸化鉄ゾルが得られないという問題があった。
特開2006−182604号公報 特開2002−136869号公報 特開2006−45015号公報
本発明は、安定性に優れたオキシ水酸化鉄ゾルを極めて簡便な工程で製造する方法及びこの方法により製造されたオキシ水酸化鉄ゾルを提供することを目的とする。
本発明者らは、安定性に優れた鉄化合物のゾルの製造方法について鋭意検討を重ねる中で、アルカリ剤とヒドロキシカルボン酸を巧みに利用すれば、極めて簡便な工程でゾルが得られることを発見し、係る知見に基づき本発明を完成したものである。即ち本発明は、
(1)鉄の水溶性無機化合物にアルカリ剤をアルカリ剤/無機酸根(モル比)=0.5〜0.9の範囲で加えて、鉄の水酸化物溶液を得る工程。
(2)工程(1)の鉄の水酸化物溶液に、ヒドロキシカルボン酸を、ヒドロキシカルボン酸/鉄(Fe)(モル比)=0.05〜0.20の範囲で加える工程。
(3)工程(2)のヒドロキシカルボン酸を加えた溶液にアルカリ剤を加えて、pHを6〜12に調整し、粗オキシ水酸化鉄ゾルを得る工程。
(4)工程(3)の粗オキシ水酸化鉄ゾルを分画分子量20000以下の限外ろ過膜でろ過したときのろ液の電気伝導度が1mS/cm以下になるまで洗浄しオキシ水酸化鉄ゾルを得る工程。
上記(1)〜(4)の工程によって製造されるオキシ水酸化鉄ゾルの製造方法及びこの方法により製造されたオキシ水酸化鉄ゾルに関する。
本発明は、アルカリ剤とヒドロキシカルボン酸を巧みに利用し、極めて簡便な工程でオキシ水酸化鉄ゾルを製造する方法であるから、極めて経済的である。そして得られるゾルは優れた安定性を有する。さらに、本発明ゾルは、膜ろ過法や加熱などによる濃縮操作で高濃度化しても安定であり、また、水などで希釈しても優れた安定性を有し、その工業的意義は絶大である。
以下、本発明のオキシ水酸化鉄ゾルの製造方法について詳細に説明する。
(1)の工程では、鉄の水溶性無機化合物の酸性水溶液にアルカリ剤をアルカリ剤/無機酸根(モル比)=0.5〜0.9の範囲で加えて、鉄の水酸化物溶液を得る。
本発明に使用する鉄の水溶性無機化合物としては、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄等無機の水溶性鉄化合物が好例として挙げられ、鉄は第一鉄、第二鉄のいずれであっても良い。第一鉄化合物の場合、酸化剤、例えば過酸化水素等により第二鉄化合物として使用することが好ましい。
本発明においては、先ずこの鉄の水溶性無機化合物の酸性水溶液を調製するが、このときの鉄濃度は格別制約なく適宜選択することができる。鉄濃度が低いと得られるオキシ水酸化鉄ゾルの濃度も低くなり経済的でなく、高きに過ぎるとアルカリ剤との反応後の液の粘度が高くなりハンドリング性が悪くなり生産効率が低下する。一般的には酸化第二鉄(Fe2O3)として0.2〜5質量%程度の濃度が好ましい。調製された鉄の酸性水溶液に、次いでアルカリ剤を添加するが、使用するアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物も使用できるが、ゾルの使用目的によってはナトリウムやカリウムの含有を好まない場合もあるため、アンモニア、炭酸水素アンモニウムあるいは尿素を使用することが好ましい。さて、本発明において最も肝要なることは、先ず最初にアルカリ剤を添加すること及びアルカリ剤の添加量である。鉄の水溶性無機化合物へのアルカリ剤の添加量は、アルカリ剤/無機酸根(モル比)=0.5〜0.9の範囲であり、アルカリ剤添加の目的は鉄の水酸化物溶液を得ることにある。このときの溶液pHはアルカリ剤の種類により若干異なるが概ね1.5〜2.5となる。アルカリ剤を添加することにより当該水溶液は一旦ゲル状態を呈するが、如何なる工程も要することなくこのゲルは次第に解膠し、透明感のあるコロイド粒子分散溶液となる。この事実が本発明に於ける工程簡素化の第一要因となっているものである。尚、鉄の水溶性無機化合物の酸性水溶液にヒドロキシカルボン酸を添加した後アルカリ剤を添加した場合は、このコロイド粒子分散溶液は得られず、最終的に本発明の安定性に優れたオキシ水酸化鉄ゾルを得ることはできない。
アルカリ剤の添加量が、上記モル比の下限を下廻った場合でもこのコロイド粒子分散溶液は得られるが、次工程のヒドロキシカルボン酸添加時にイオン性の鉄が生成し、安定性の高いゾルを得るための工程(4)洗浄時に、これが漏出し収率が低下すると共に粒子中などに取り込まれて洗浄後にも残存する一部のイオン性の鉄によって粒子間のチャージバランスが崩れ安定性に優れたゾルを得ることができない。また、上限を上廻ると撹拌時間を増やしても分散性の良いコロイド粒子分散溶液が得られず、結果、本発明のオキシ水酸化鉄ゾルを製造することができない。何故分散性の良いコロイド粒子分散溶液が得られないかについては定かではないが、一時的に分散剤として機能する無機酸根が、一部アルカリ剤と反応し、機能性無機酸根が不足するためと推定される。
アルカリ剤の使用態様や添加態様、酸性溶液の温度について云えば、特に制限されることはないが、アルカリ剤は水溶液とし、濃度はアルカリ剤の種類により異なるが、一般的には30質量%以下の濃度で使用することが好ましい。アルカリ剤の濃度が低い場合もゾルは得られるが、生産性を考慮すると0.2〜30質量%の濃度が好ましい。また、添加態様は連続的であっても間欠的であってもよい。酸性水溶液の温度は、高温の場合、鉄の水溶性無機化合物の加水分解によって粒子が異常に大きくなる傾向があるため、通常10〜60℃、さらには10〜40℃の範囲が好ましい。
鉄の水溶性無機化合物の酸性水溶液撹拌下にアルカリ剤を添加した直後は、前記の通り液全体が一旦ゲル状態となるが、時間とともに徐々に解膠して、最終的には透明感のある褐色のコロイド粒子分散溶液となる。
次いで(2)の工程では、(1)の工程で得た鉄の水酸化物溶液であるコロイド粒子分散溶液にヒドロキシカルボン酸を、ヒドロキシカルボン酸/鉄(Fe)(モル比)=0.05〜0.20の範囲で添加する。ヒドロキシカルボン酸添加の目的は、生成コロイド粒子の第一段階安定化にあり、このモル比が0.05を下廻ると、本発明のゾルを得ることができない。
一方、0.20を上廻ると、コロイド粒子として存在している鉄成分の一部がイオン化し、高効率で本発明のゾルを製造することができないばかりか不安定ゾルとなる。これはイオン性の鉄によって粒子間のチャージバランスが崩れ、ゾルの不安定性を増幅するものと推定される。
本発明に使用するヒドロキシカルボン酸としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、ヒドロキシ吉草酸、グリセリン酸、トロパ酸、ベンジル酸などが利用できる、特にクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の二価以上のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸が少ない含有量で本発明のオキシ水酸化鉄ゾルを製造できることから好ましい。ヒドロキシカルボン酸の添加の態様については格別制約はないが、水溶液とし、撹拌しながらゆっくり添加することが好ましい。
次いで(3)の工程では、(2)の工程で得たヒドロキシカルボン酸含有溶液にアルカリ剤を加えて、pHを6〜12に調整し、粗オキシ水酸化鉄ゾルを得る。アルカリ剤については前記アルカリ剤と同様でありこれらを適宜使用することができるが、アンモニアが最も好ましい。
pHが6を下廻ると本発明の目的とするゾルを得ることができない。一方、pH12を上廻ってアルカリ剤を添加しても(4)の洗浄工程において更なる洗浄効果即ち、安定化は得られないため経済的でない。何故アルカリ剤添加により安定化が図られるか明らかではないが、機構的にはコロイド状オキシ水酸化鉄を安定化させている鉄原料に由来する塩素根、硝酸根、硫酸根等の無機酸根とヒドロキシカルボン酸との置換を促進しているものと推定される。
次いで(4)の工程では、(3)の粗オキシ水酸化鉄ゾルを洗浄し本発明オキシ水酸化鉄ゾルを得る。この工程の目的は、オキシ水酸化鉄の完全なるゾル化とその安定化にある。即ち、洗浄により、鉄原料に由来するイオン性の無機酸根やアルカリ剤添加により副生した塩類を除去することにより粗オキシ水酸化鉄ゾルを完全にゾル化し、これを安定化させることにある。洗浄方法としては、イオン交換樹脂、膜ろ過等を使用する方法があるが、限外ろ過膜による方法が簡便で、本発明の目的に最も適合し推奨される。なお、(3)の工程において粗オキシ水酸化鉄ゾルと称したのは、この工程でオキシ水酸化鉄の微粒子が生成するが、これに加えてイオン性の無機酸根や可溶性塩類等の不純物・夾雑物を含有しているためである。この工程における溶液の状態は、ヒドロキシカルボン酸を添加した時点で一部ゾルを含むゲル状態となり、次にアルカリ剤を加えても色変化は認められるものの前記状態に大きな変化は認められない。即ち、ほぼゲル状態と言えるものだが、本発明では(3)の工程で得られる溶液を粗オキシ水酸化鉄ゾルと称した。
さて、洗浄の程度に関して云えば、分画分子量が20000以下の限外ろ過膜でろ過したときのろ液の電気伝導度が1mS/cm以下になるまで洗浄する。即ち、ろ液の電気伝導度を1mS/cm以下とすることにより、粗オキシ水酸化鉄ゾルは完全にゾル化し、オキシ水酸化鉄ゾル中に含まれる無機酸根を、鉄に対して、概ね無機酸根/鉄(Fe)のモル比で0.02以下とすることができる。この様な限度にまでゾル中の無機酸根を低減させることにより本発明の目的とする粗オキシ水酸化鉄ゾルのゾル化が完成し、長期間保存安定性があり、濃縮、希釈にも耐える安定なゾルを得ることができる。限外ろ過膜等により容易にこのような限度にまで無機酸根を低減させることができるのは、工程(3)の適正なアルカリ剤添加によるものである。
このようにして得られた本発明のオキシ水酸化鉄ゾルは、褐色で透明感のある溶液状のものである。このゾル中の微粒子は、大部分がオキシ水酸化鉄の微結晶である。これは、ゾルの乾燥物の粉末X線回折が、オキシ水酸化鉄特有のブロードな回折パターンを示すことによって確認できる(図1参照)。
得られた本発明のオキシ水酸化鉄ゾルは、優れた安定性を有することから濃縮して高濃度化するのに最適であり、また水などで希釈して利用するのにも最適である。特に濃縮して利用する場合は、(4)の工程の洗浄後に加熱することで低粘度のまま濃縮することができる。このときの加熱温度や時間の条件は、目的とする濃縮の程度によって適宜選択すればよいが、通常60〜200℃で行うことが好ましい。更に好ましくは、100〜140℃で2〜10時間程度の水熱処理である。本発明ゾルにあっては、加熱処理により、粒子サイズが均一化し分散性が向上するため、例えば、酸化鉄(Fe2O3)として10質量%あるいはそれ以上まで高濃度化が可能である。
このようにして製造された本発明のゾルはイオン性の鉄をほとんど含まないという特徴を有する。この特徴によって、腐食や被毒などの問題が回避され、さまざまな工業用途に用いることができる。また、本発明のゾルは、希釈や濃縮だけでなく、酸やアルカリなどの他の物質やアルコール等の両親媒性の有機溶媒との混合に対しても増粘化あるいはゲル化しにくく、また沈殿しにくいという極めて優れた性質を有する。
本発明のゾルの安定なpH領域は3〜10であり、さらにpH6〜8の範囲でより安定である。通常、(4)の工程後に得られるゾルのpHは6〜12を示すが、必要に応じてゾルが安定な範囲内で酸やアルカリを添加してpH調整をすることができる。例えば、得られたゾルにヒドロキシカルボン酸を加えることでpHを低下させることができ、アンモニア等を添加することでアルカリ性にすることもできる。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。尚、実施例において%は、特に断らない限り全て質量%を示す。
〈分析〉
(1)酸化鉄濃度は、旧JIS K-5407-8に準じてゾルを800℃で焼成した後の焼成残分により算出した。また鉄濃度は、酸化鉄濃度から計算により求めた。
(2)ヒドロキシカルボン酸は、使用原料にはヒドロキシカルボン酸由来以外の炭素源が無いことより、全有機炭素を全有機炭素(TOC)分析装置TOC-Vc(島津製作所(株)製)により測定し、それをヒドロキシカルボン酸の分子量に換算した。
(3)塩素は、硝酸銀をチオシアン酸アンモニウム溶液で逆滴定して定量した。また硝酸は、ケルダール法によりPROGRAM KJELDALH 3(フォス・ジャパン(株)製)を用いて測定した。
(4)ゾルの乾燥物の物質の同定には、X線回折装置XRD-7000(島津製作所(株)製)を用いた。
(5)電気伝導度は、電気伝導度計CM-14S(TOA ELECTRON Ltd.製)を用いて測定した。
(6)メジアン径は、動的光散乱色粒度分布測定装置LB-500(堀場製作所(株)製)を用いて測定した。
〈ろ過法〉
限外ろ過膜として、分画分子量が10000である型式SLP-1053(旭化成(株)製)を用いた限外ろ過装置によりろ過した。
〈鉄成分のろ過漏れ率〉
鉄成分のろ過漏れ率は、ろ過前の鉄成分の質量に対するろ液中の鉄成分の質量の百分率により算出した。
〈保存安定性試験〉
保存安定性試験は、試料を50mL容サンプル瓶に入れて封入し、35℃恒温槽で行った。
[実施例1]
酸化鉄(Fe2O3)換算で2%の塩化第二鉄水溶液10000g(pH1.3)に、28%アンモニア水溶液365g(NH3/Clのモル比=0.8)を撹拌下で添加し、ゲル状態の液を得た。2時間撹拌後、この液は透明感のある褐色のコロイド粒子分散溶液となった。このときのpHは2.1であった。次に、この液に10%クエン酸水溶液481g(クエン酸/Feのモル比=0.10)を撹拌下で添加した後、直ぐに10%アンモニア水溶液によりpHを8.7に調整した。その後、限外ろ過装置を用いて、ろ液の電気伝導度が100μS/cm以下になるまで洗浄し、Fe2O3として10.2%のゾルを得た。このときのろ液中の鉄成分の分析値は検出限界以下だったため、鉄成分のろ過漏れ率は0%とした。得られたゾルのpHは6.6、メジアン径は6nmであり、クエン酸/Fe(モル比)=0.10であった。このゾルの乾燥物の粉末X線回折はFeO(OH)の回折パターンを示したことより、得られたゾルがオキシ水酸化鉄ゾルであることが確認できた。本発明で得た上記オキシ水酸化鉄ゾルをエバポレーターによりFe2O3濃度15.0%まで濃縮したゾル、および上記オキシ水酸化鉄ゾルをイオン交換水で5.0%まで希釈したゾルについて3ヶ月の保存安定性試験を行った結果、安定状態を維持していた。この事から本発明のゾルは極めて安定性が高いことが分かる。
[実施例2]
酸化鉄(Fe2O3)換算で0.5%の硝酸第二鉄水溶液40000g(pH1.3)に、10%炭酸アンモニウム溶液766g(NH3/NO3のモル比=0.6)を撹拌下で添加し、ゲル状の液を得た。2時間撹拌後、この液は透明感のある褐色のコロイド粒子分散溶液となった。このときのpHは1.8であった。次に、この液に10%リンゴ酸水溶液504g(リンゴ酸/Feのモル比=0.15)を撹拌下で添加した後、30分間の撹拌を経て10%アンモニア水溶液によりpHを9.1に調整した。その後、限外ろ過装置を用いて、ろ液の電気伝導度が50μS/cm以下になるまで洗浄し、Fe2O3として15.0%のゾルを得た。このとき、ろ液中に検出された鉄成分のろ過漏れ率は1%であった。
得られたゾルのpHは7.2、メジアン径は10nmであり、リンゴ酸/Fe(モル比)=0.14であった。このゾルの乾燥物の粉末X線回折はFeO(OH)の回折パターンを示したことより、得られたゾルがオキシ水酸化鉄ゾルであることが確認できた。また、3ヶ月の保存安定性試験を行った結果、安定状態を維持していた。
[実施例3]
酸化鉄(Fe2O3)換算で3%の硝酸第二鉄水溶液6667g(pH1.2)に、1%アンモニア水8942g(NH3/NO3のモル比=0.7)を撹拌下で添加し、ゲル状の液を得た。2時間撹拌後、この液は透明感のある褐色のコロイド粒子分散溶液となった。このときのpHは1.9であった。次に、この液に10%酒石酸水溶液752g(酒石酸/Feのモル比=0.20)を撹拌下で添加した後、30分間の撹拌を経て10%アンモニア水溶液によりpHを10.0に調整した。その後、限外ろ過装置を用いて、ろ液の電気伝導度が400μS/cm以下になるまで洗浄し、Fe2O3として5.1%のゾルを得た。このとき、ろ液中に検出された鉄成分のろ過漏れ率は3%であった。
得られたゾルのpHは7.5、メジアン径は11nmであり、酒石酸/Fe(モル比)=0.18であった。このゾルの乾燥物の粉末X線回折はFeO(OH)の回折パターンを示したことより、得られたゾルがオキシ水酸化鉄ゾルであることが確認できた。また、3ヶ月の保存安定性試験を行った結果、安定状態を維持していた。
[比較例1]
酸化鉄(Fe2O3)換算で2%の塩化第二鉄水溶液10000g(pH1.3)に、28%アンモニア水502g(NH3/Clのモル比=1.1)を撹拌下で添加し、ゲル状の液を得た。このときのpHは8.6であり、24時間撹拌後もこの液は透明感のないゲル状であった。その後、実施例1と同様に10%クエン酸水溶液481g(クエン酸/Feのモル比=0.10)を撹拌下で添加した後、直ぐに10%アンモニア水溶液によりpHを8.7に調整した。その後、限外ろ過装置を用いて、ろ液の電気伝導度が100μS/cm以下になるまで洗浄したが、得られた生成物は経時的に沈降するゲルであり、分散性に優れたオキシ水酸化鉄ゾルは得られなかった。即ち、アルカリ剤/無機酸根(モル比)が本発明の範囲を逸脱すると本発明のオキシ水酸化鉄ゾルが得られないことが分かる。
[比較例2]
実施例1と同様にして透明感のある褐色のコロイド粒子分散溶液を得た後、この液に10%クエン酸水溶液4812g(クエン酸/Feのモル比=1.00)を撹拌下で添加した後、直ちに10%アンモニア水溶液によりpH8.7に調整した。その後、限外ろ過装置を用いて、ろ液の電気伝導度が100μS/cm以下になるまで洗浄し、Fe2O3として0.2%のゾルを得た。しかしながら、このときのろ液中に検出された鉄成分のろ過漏れ率は98%であった。即ち、鉄に対するヒドロキシカルボン酸添加量が多きに過ぎ適正でないと殆どゾルを形成しないことが分かる。
[比較例3]
酸化鉄(Fe2O3)換算で2%の塩化第二鉄水溶液10000gに10%クエン酸水溶液481g(クエン酸/Feのモル比=0.10)を撹拌下で添加した後、直ちに10%アンモニア水によりpH8.7に調整した。その後、限外ろ過装置を用いて、ろ液の電気伝導度が100mS/cm以下になるまで洗浄し、Fe2O3として5.1%のゾルを得た。しかし、ろ液中に検出された鉄成分のろ過漏れ率は9%であった。即ち、一部イオン性の鉄となり収率が悪化することが分かる。このオキシ水酸化鉄ゾルをエバポレーターによりFe2O3濃度15%まで濃縮しようとしたところ、濃縮途中で増粘した。また、濃縮前のゾルについて3ヶ月の保存安定性試験を行ったところ、増粘し、本発明のゾルとは性状を著しく異にしゾルと云えるものではなかった。
[比較例4]
実施例1と同様にして透明感のある褐色のコロイド粒子分散溶液を得た後、この液に10%クエン酸水溶液481g(クエン酸/Feのモル比=0.10)を撹拌下で添加した後、直ぐに10%アンモニア溶液によりpHを3.0に調整した。その後、限外ろ過装置を用いて、ろ液の電気伝導度が100mS/cm以下になるまで洗浄したが、得られた生成物は経時的に沈降するゲルであり、分散性に優れたオキシ水酸化鉄ゾルは得られなかった。即ち、工程(3)のアルカリ剤添加後のpHが本発明の範囲を逸脱すると本発明のオキシ水酸化鉄ゾルが得られないことが分かる。また、ろ液中に検出された鉄成分のろ過漏れ率は27%であったことから、アルカリ剤の添加後のpHが本発明の範囲を逸脱した場合はイオン性の鉄が生成し、洗浄時に系外へ除去されることが分かる。
以上の結果を表1にまとめた。

Figure 0005674083
実施例1、実施例2及び実施例3の本発明ゾルの乾燥物の粉末X線回折を示す図である。

Claims (2)

  1. 下記の工程(1)〜(4)によって製造されるオキシ水酸化鉄ゾルの製造方法。
    (1)鉄の水溶性無機化合物にアルカリ剤をアルカリ剤/無機酸根(モル比)=0.5〜0.9の範囲で加えて、鉄の水酸化物溶液を得る工程。
    (2)工程(1)の鉄の水酸化物溶液に、ヒドロキシカルボン酸を、ヒドロキシカルボン酸/鉄(Fe)(モル比)=0.05〜0.20の範囲で加える工程。
    (3)工程(2)のヒドロキシカルボン酸を加えた溶液に、アルカリ剤を加えてpHを6〜12に調整し、粗オキシ水酸化鉄ゾルを得る工程。
    (4)工程(3)の粗オキシ水酸化鉄ゾルを分画分子量20000以下の限外ろ過膜でろ過したときのろ液の電気伝導度が1mS/cm以下になるまで洗浄しオキシ水酸化鉄ゾルを得る工程。
  2. 工程(2)のヒドロキシカルボン酸が、クエン酸、リンゴ酸及び酒石酸から選ばれた1種以上である請求項1記載のオキシ水酸化鉄ゾルの製造方法。
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