JP5668109B2 - 透明基板ならびに透明基板を用いた表示素子、太陽電池および照明素子 - Google Patents
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Description
好ましい実施形態においては、上記エポキシ系末端カップリング剤の含有量は、上記第1の熱可塑性樹脂100重量部に対して、10重量部〜50重量部である。
好ましい実施形態においては、上記第1のキャスティング溶液は環状エーテル化合物および/または環状エーテル化合物の環状部分が開環した化合物をさらに含み、該環状エーテル化合物および/または環状エーテル化合物の環状部分が開環した化合物の含有量は、上記第1の熱可塑性樹脂100重量部に対して、5重量部〜50重量部である。
好ましい実施形態において、上記透明基板の総厚は150μm以下である。
好ましい実施形態において、上記無機ガラスの厚みは100μm以下である。
好ましい実施形態において、上記第1の熱可塑性樹脂層の厚みは20μm以下である。
好ましい実施形態において、上記第2の熱可塑性樹脂のガラス転移温度は150℃〜350℃である。
好ましい実施形態において、上記第2の熱可塑性樹脂層の25℃における弾性率は1.5GPa〜10GPaである。
好ましい実施形態において、上記第2の熱可塑性樹脂層の25℃における破壊靱性値は1.5MPa・m1/2〜10MPa・m1/2である。
好ましい実施形態において、上記透明基板にクラックを入れ屈曲させた際の破断直径が50mm以下である。
好ましい実施形態において、本発明の透明基板は太陽電池、表示素子または照明素子に用いられる。
本発明の別の局面によれば、表示素子が提供される。この表示素子は上記の透明基板を用いる。
本発明のさらに別の局面によれば、太陽電池が提供される。この太陽電池は、上記の透明基板を用いる。
本発明のさらに別の局面によれば、照明素子が提供される。この照明素子は、上記の透明基板を用いる。
図1は、本発明の好ましい実施形態による透明基板の概略断面図である。この透明基板100は、無機ガラス10と無機ガラス10の片側または両側(図示例では両側)にそれぞれ配置された樹脂層20,20’とを有する。樹脂層20,20’は、それぞれ第1の熱可塑性樹脂層21,21’と第2の熱可塑性樹脂層22,22’とを有する。
本発明の透明基板に用いられる無機ガラス10は、板状のものであれば、任意の適切なものが採用され得る。上記無機ガラスは、組成による分類によれば、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウ酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。また、アルカリ成分による分類によれば、無アルカリガラス、低アルカリガラスが挙げられる。上記無機ガラスのアルカリ金属成分(例えば、Na2O、K2O、Li2O)の含有量は、好ましくは15重量%以下であり、さらに好ましくは10重量%以下である。
樹脂層20および20’は、無機ガラス10の片側、または両側に形成される。樹脂層20,20’は、それぞれ第1の熱可塑性樹脂層21,21’、および第2の熱可塑性樹脂層22,22’を含み、無機ガラス10の上に、第1の熱可塑性樹脂層21,21’、第2の熱可塑性樹脂層22,22’の順にそれぞれ積層される。該第2の熱可塑性樹脂層22および22’は、単一の層であっても、複数層であってもよい。本発明の透明基板が、無機ガラス10の両側に樹脂層20および20’を備える場合、該樹脂層20および20’は同一の積層体であっても、異なる積層体であってもよい。また、第1の熱可塑性樹脂層のみが同一であってもよく、第2の熱可塑性樹脂層のみが同一であってもよい。好ましくは、樹脂層20および20’は同一の積層体である。
第1の熱可塑性樹脂層21および21’は、上記第1のキャスティング溶液を無機ガラス10の片側、または両側にそれぞれ直接塗工することにより形成される。上記第1のキャスティング溶液は、末端に水酸基を有する第1の熱可塑性樹脂、およびエポキシ系末端カップリング剤を含む。第1の熱可塑性樹脂層21および21’が無機ガラス10の両側に配置される場合、それぞれの第1の熱可塑性樹脂層21,21’は、同一の組成で構成されてもよく、異なる組成で構成されてもよい。好ましくは、それぞれの第1の熱可塑性樹脂層21,21’は、同一の組成で構成される。
上記第1のキャスティング溶液は、末端に水酸基を有する第1の熱可塑性樹脂を含む。上記第1の熱可塑性樹脂は、末端に水酸基を有する熱可塑性樹脂であれば、任意の適切なものを用いることができる。上記第1の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリアリレート、ポリカーボネート等を末端水酸基変性した熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。このような熱可塑性樹脂を用いれば、高温高湿環境下でも無機ガラスとの密着性に優れ、かつ靭性にも優れる樹脂層を得ることができる。このように靭性に優れる樹脂層を用いれば、切断時のクラックが進展しがたい透明基板を得ることができる。なお、上記末端水酸基変性は、任意の適切な方法が用いられ得る。
上記第1のキャスティング溶液は、エポキシ系末端カップリング剤を含む。上記エポキシ系末端カップリング剤中のエポキシ基は、上記第1の熱可塑性樹脂と化学結合または相互作用し得ると推測され、上記エポキシ系末端カップリング剤中のシリル基は、上記無機ガラスの有する置換基(例えば、水酸基)と化学結合することができるので、第1の熱可塑性樹脂層は上記無機ガラスとの密着性にも優れる。結果として、本発明の透明基板は、無機ガラスと第1の熱可塑性樹脂層との密着性が向上し、高温高湿環境下でも優れた密着性を有する。
上記第1のキャスティング溶液は、好ましくは、環状エーテル化合物および/または環状エーテル化合物の環状部分が開環した化合物をさらに含む。環状エーテル化合物および/または環状エーテル化合物の環状部分が開環した化合物を含有すれば、当該第1の熱可塑性樹脂層と無機ガラスとを安定的に密着させることができるので、高い歩留まりで透明基板を得ることができる。
第2の熱可塑性樹脂層22および22’は、第2のキャスティング溶液を第1の熱可塑性樹脂層21および21’の上にそれぞれ塗工することにより、形成される。第2のキャスティング溶液は、第2の熱可塑性樹脂を含む。第2の熱可塑性樹脂層22および22’が無機ガラス10の両側に配置される場合、それぞれの第2の熱可塑性樹脂層22,22’は、同一の組成で構成されてもよく、異なる組成で構成されてもよい。好ましくは、それぞれの第2の熱可塑性樹脂層は、同一の熱可塑性樹脂で構成される。第2の熱可塑性樹脂層22および22’は、単一の層であっても、複数の層であってもよい。第2の熱可塑性樹脂層22および22’が複数の層である場合、該複数の層は同一の樹脂組成物から形成されていても、異なる樹脂組成物から形成されていてもよい。
本発明の透明基板100は、樹脂層20および20’の無機ガラス10とは反対側(第2の樹脂層22,22’の上)に、さらに任意の適切な層を設けてもよく、例えば、透明導電性層やハードコート層等が挙げられる。
本発明の透明基板100は、任意の適切な方法で製造することができる。例えば、上記無機ガラス10の片側に、上記第1のキャスティング溶液を直接塗工し、第1の熱可塑性樹脂層21を形成する工程、および該第1の熱可塑性樹脂層21の上に、上記第2のキャスティング溶液を直接塗工し、第2の熱可塑性樹脂層22を形成する工程を含む。透明基板100が、無機ガラスの両側に樹脂層20および20’を有する場合、さらに、無機ガラスの他方の面に、上記第1のキャスティング溶液を直接塗工し、第1の熱可塑性樹脂層21’を形成する工程、および該第1の熱可塑性樹脂層21’の上に、上記第2のキャスティング溶液を直接塗工し、第2の熱可塑性樹脂層22’を形成する工程を含む。
本発明の透明基板は、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示素子や、太陽電池、有機EL素子等の照明素子に好適に用いることができる。また、本発明の透明基板は、可撓性、屈曲性および耐衝撃性にも優れるため、フィルム状の表示素子や太陽電池、照明素子にも好適に用いることができる。
末端に水酸基を有するポリエーテルサルホン(スミカエクセル 5003P、住友化学社製)36.2gをシクロペンタノン172g、およびN,N−ジメチルホルムアミド10.8gの混合溶媒に溶かし、末端に水酸基を有するポリエーテルサルホンが16.5重量%の溶液を得た。得られた溶液に、レベリング剤(BYK307、ビックケミー社製)0.027g、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(セロキサイド2021P、ダイセル化学工業社製)1.81g、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(アロンオキセタン OXT−221、東亞合成社製)1.45g、2−メチルイミダゾール1.09g、エポキシ系末端カップリング剤(KBM403、信越化学工業社製)9.05gを添加し、第1のキャスティング溶液を得た。
無機ガラス(厚み:50μm、縦10cm×横4cm)の片面表面をメチルエチルケトンで洗浄後、コロナ処理を行い、上記第1のキャスティング溶液を塗工し、100℃で10分間乾燥させ、さらに170℃で20分間熱処理し、厚みが1μmの第1の熱可塑性樹脂層を形成した。他方の面についても、同様の処理をし、第1の熱可塑性樹脂層を形成した。
ポリアリレート(M−4000、ユニチカ社製)90gをシクロペンタノン600gに溶かし、第2のキャスティング溶液を得た。得られた第2のキャスティング溶液を、上記第1の熱可塑性樹脂層の上に塗工し、90℃で15分間乾燥させた。さらに、他方の面の第1の熱可塑性樹脂層の上にも、第2のキャスティング溶液を塗工し、85℃で10分間乾燥させた。次いで、両面を130℃で10分間乾燥させ、さらに170℃で20分間熱処理し、片側の厚みが36.5μmの第2の熱可塑性樹脂層を形成した。得られた透明基板の総厚は、125μmであった。
ポリアリレート1(M−4000、ユニチカ社製)の代わりに、ポリアリレート2(U−100、ユニチカ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が125μmの透明基板を得た。
第1の熱可塑性樹脂層の厚みを10μmにした以外は、実施例1と同様にして、総厚が143μmの透明基板を得た。
末端に水酸基を有するポリエーテルサルホン(スミカエクセル 5003P、住友化学社製)の代わりに、末端に水酸基を有さないポリエーテルサルホン(スミカエクセル 5200P、住友化学社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、総厚が125μmの積層体を得た。
エポキシ系末端カップリング剤(KBM403、信越化学工業社製)の代わりに、アミノ基含有カップリング剤(KBM603、信越化学工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が125μmの積層体を得た。
ポリアリレート1(M−4000、ユニチカ社製)90gを塩化メチレン600gに溶かし、さらにレベリング剤(BYK307、ビックケミー社製)0.0675gを添加したキャスティング溶液を得た。
無機ガラス(厚み:50μm、縦10cm×横4cm)の片面表面をメチルエチルケトンで洗浄後、コロナ処理を行い、アミノ基含有カップリング剤(KBM−603、信越化学工業社製)を塗布し、110℃で10分間乾燥させた。カップリング処理をした無機ガラスの上に上記キャスティング溶液を塗工し、40℃で15分間乾燥させた。他方の面にも、同様に、カップリング処理をして、上記キャスティング溶液を塗工し、40℃で10分間乾燥させた。次いで、両面を60℃で10分間、110℃で20分間乾燥させた後、200℃で20分間熱処理を行い、総厚が125μmの積層体を得た。
上記実施例、比較例、および参考例で用いた第2の熱可塑性樹脂層および、上記で得られた透明基板および積層体を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
(1)密着性試験
JIS K 5400の碁盤目剥離試験により評価した。すなわち、樹脂層側の表面(第2の熱可塑性樹脂の表面)上10mm角中に1mm間隔にカッターで切れ目を入れ、100個の碁盤目を作り、粘着テープをその上に貼り付けた後、剥離し、無機ガラスから剥離した樹脂層の碁盤目の数により密着性を評価した。
実施例で得られた透明基板、および比較例と参考例で得られた積層体を、温度60℃、湿度90%の環境下に500時間置き、500時間経過後の透明基板について、同様に碁盤目剥離試験により密着性を評価した。
剥離した樹脂層の碁盤目の数が0個の場合は○、1個以上の場合は×とした。
(2)破断直径
(a)実施例で得られた透明基板、および比較例と参考例で得られた積層体を評価用試料として準備した。
(b)無機ガラス露出部分の縦辺端部の中央に5mm以下のクラックを入れた。
(c)評価用試料の縦辺を屈曲させ、クラックが、無機ガラス露出部分を進展し、さらに樹脂等の積層領域において1cm進展した時点での、縦辺を円周とする円の直径を破断直径とした。
(3)ヘイズ
(株)村上色彩技術研究所製ヘイズメーター「HM−150」を用い、JIS K7136に基づき、実施例で得られた透明基板、および比較例と参考例で得られた積層体のヘイズ値を測定した。
(4)弾性率
Hysitron社製 製品名「Tribo Indenter」を用いて、温度25℃において、第2の熱可塑性樹脂層の単一押し込み測定(押し込み因子:Berkovich(三角錐形)、押し込み深さ:230〜280nm)により測定した。
(5)破壊靭性値
各実施例、比較例、および参考例で用いた第2の熱可塑性樹脂を用いて、厚み50μm、幅2cm、長さ15cmの短冊状樹脂サンプルを作製し、短冊長手方向の端部(中央部分)にクラック(5mm)を入れた。オートグラフ(島津製作所製、AG−I)により短冊長手方向に引っ張り応力を加え、温度25℃でのクラックからの樹脂破断時の応力を測定した。試験条件は、チャック間距離を10cm、引っ張り速度を10mm/minとして行った。得られた破断時の引っ張り応力σとクラック長a、サンプル幅bを以下の式に代入し、破断時の破壊靭性値KICを求めた。
各実施例、比較例、および参考例で用いた第2の熱可塑性樹脂を用いて、セイコーインスツールメンツ社製DSC「Exstar6000 DSC6220」を用いて、ピーク値からガラス転移温度を求めた。
実施例1〜3の透明基板は、高温高湿(温度:60℃、湿度:90%)の環境下に500時間置いた後であっても、無機ガラスと樹脂層との密着性に優れていた。さらに、これらの透明基板は、クラックや破断が生じにくいものであり、さらにヘイズ値も抑制されていた。
20,20’ 樹脂層
21,21’ 第1の熱可塑性樹脂層
22,22’ 第2の熱可塑性樹脂層
100 透明基板
Claims (13)
- 厚みが100μm以下の無機ガラスと、
該無機ガラスの片側または両側に熱可塑性樹脂の溶液を塗布することにより形成された樹脂層とを含む透明基板であって、
該樹脂層が、末端に水酸基を有する第1の熱可塑性樹脂およびエポキシ系末端カップリング剤を含む第1のキャスティング溶液を該無機ガラスの上に塗工することにより得られた第1の熱可塑性樹脂層、および、第2の熱可塑性樹脂を含む第2のキャスティング溶液を該第1の熱可塑性樹脂層の上に塗工することにより得られた第2の熱可塑性樹脂層を含み、
該末端に水酸基を有する第1の熱可塑性樹脂が、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリアリレートまたはポリカーボネートを末端水酸基変性した熱可塑性樹脂であり、
該第1の熱可塑性樹脂層の弾性率が、1Gpa以上である、
透明基板。 - 前記エポキシ系末端カップリング剤の含有量が、前記第1の熱可塑性樹脂100重量部に対して、10重量部〜50重量部である、請求項1に記載の透明基板。
- 前記第1のキャスティング溶液が環状エーテル化合物および/または環状エーテル化合物の環状部分が開環した化合物をさらに含み、
該環状エーテル化合物および/または環状エーテル化合物の環状部分が開環した化合物の含有量が、前記第1の熱可塑性樹脂100重量部に対して、5重量部〜50重量部である、請求項1または2に記載の透明基板。 - 総厚が150μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の透明基板。
- 前記第1の熱可塑性樹脂層の厚みが20μm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の透明基板。
- 前記第2の熱可塑性樹脂のガラス転移温度が150℃〜350℃である、請求項1から5のいずれかに記載の透明基板。
- 前記第2の熱可塑性樹脂層の25℃における弾性率が1.5GPa〜10GPaである、請求項1から6のいずれかに記載の透明基板。
- 前記第2の熱可塑性樹脂層の25℃における破壊靱性値が1.5MPa・m1/2〜10MPa・m1/2である、請求項1から7のいずれかに記載の透明基板。
- 前記透明基板にクラックを入れ屈曲させた際の破断直径が50mm以下である、請求項1から8のいずれかに記載の透明基板。
- 太陽電池、表示素子、または照明素子に用いられる、請求項1から9のいずれかに記載の透明基板。
- 請求項1から10のいずれかに記載の透明基板を用いた、表示素子。
- 請求項1から10のいずれかに記載の透明基板を用いた、太陽電池。
- 請求項1から10のいずれかに記載の透明基板を用いた、照明素子。
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