図1は、画像データを取得して処理するイメージング・システム10を線図で示す。図示の実施形態では、システム10は、本発明の手法に従ってX線投影データを取得し、投影データを画像として再構成して、画像データを表示及び解析向けに処理するように設計されている計算機式断層写真法(CT)システムである。イメージング・システム10は医用撮像の環境で議論されるが、本書で議論する手法及び構成は、手荷物若しくは小荷物検査、及び/又は製造品質管理のような他の非侵襲型CT撮像の環境においても適用可能である。
図1に示す実施形態では、CTイメージング・システム10は、X線放射線源12を含んでいる。本書で詳細に議論するように、X線放射線源12は、X線放出のための2以上の離散型すなわち別個の放出点又は焦点から成っていてよい。例えば、従来のX線管は、単一の放出点と同等であると考えられる。代替的には、電界放出器を有する固体X線源又は熱イオンX線源のようなX線源は多数の放出点を含み得る。かかる固体X線源又は熱イオンX線源は、それぞれの放出点が静止型若しくは回転式のアレイ、又は静止型の環を形成するように構成され得る。
本書の記載は、従来の第三世代CTシステムに見受けられるようなX線源12の回転を議論する場合があるが、X線源12を回転させるかかる議論はまた、機能的均等構成を包含する。例えば、環として構成されている固体X線源12では、線源12及びそれぞれの放出点が物理的に回転しなくてよい。代わりに、環に沿った複数の放出点を、撮像容積の周りにX線源12を回転させることと実効的に等価である逐次態様又は非逐次態様で起動することができる。従って、X線源12又は放出点が回転すると記載されている場合には、かかる回転は線源12若しくは線源12の諸要素の物理的回転、又はかかる機能的均等構成から帰結し得ることを理解されたい。
前述のように、幾つかの実施形態では、X線源12は、X線が広範囲の焦点スポット(すなわち放出点)位置にわたって発生されることを可能にする分散型X線源であってよい。例えば、分散型X線源の実施形態では、それぞれの放出点が10cm、15cm、20cm、25cm及び30cm等のように数十センチメートルずつ離隔していてよい。かかる分散型X線源は、撮像されている患者若しくは物体の実質的に異なる部分を横断するX線を発生し、且つ/又は実質的に異なる方位角を成して撮像されている患者若しくは物体を横断するX線を発生するのに有用であり得る。
かかる分散型X線源の実例としては、スキャナ視野を包囲する1又は複数のターゲット環を電子ビームで掃引することによりX線を発生する電子ビーム式CTスキャナがある。かかる構成は、高速走査系列において異なる方位角からのX線を発生することができる。他の走査ビーム式X線源にも分散型X線源であるものと理解され得るものがある。加えて、幾つかの実施形態では、分散型X線源は、撮像されている患者又は物体の周りの様々なビューにおいてX線を発生するのに機械的な運動を用いないような静止性質のものであってもよい。かかる静止型の実施形態では、分散型線源は、1若しくは複数の掃引電子ビーム、複数の離散型電子放出器、又はこれら二つの手法の組み合わせに基づくものであってよい。加えて、幾つかの実施形態では、分散型線源アーキテクチャが回転されてもよい。例えば、一つのかかる実施形態では、分散型X線源は、離散型電子放出器の2Dアレイに基づくものであってよい。
幾つかの実施形態では、X線源12はコリメータ14に近接して配置されていてもよい。コリメータ14は、線源12の各々の放出点毎に設けられる鉛又はタングステン製のシャッタのようなコリメート領域から成っていてよい。コリメータ14は典型的には、患者18のような被検体が配置されている領域に流入する1又は複数の放射線流16の寸法及び形状を画定する。放射線流16は、後述する検出器アレイの構成及び所望のデータ取得方法に依存して全体的に円錐形であってよい。放射線20の減弱後の部分が、減弱を与える被検体を通過して参照番号22に全体的に表わす検出器アレイに入射する。
検出器22は一般的には、複数の検出器素子によって形成され、これらの検出器素子は、着目している被検体を透過しまたこの被検体に隣接して通過したX線を検出する。検出器22は、多数の横列を成す検出器素子を含んでいてよい。かかる多列検出器を用いる場合には、放射線流16は、作動している放出点と同じ平面内に位置しない検出器横列については、当該放射線流16に関連する非ゼロのコーン角度を有するものとなる。以下の例は、表現を単純化するためにこのz範囲について抽象化を行なっており、すなわち作動している放出点と同じ平面内に位置する検出器素子に議論を限定することにより抽象化を行なう。但し、以下の幾何学的議論及び実例は、多列検出器にも同等に適用可能である。
各々の検出器素子はX線によって衝突されると、ビームが検出器に入射している時間における当該素子の位置でのX線ビームの強度を表わす電気信号を発生する。典型的には、信号は、複数のラジオグラフィ・ビューが収集され得るように、着目している被検体の周りで多様なビュー角度位置を成して取得される。これらの信号は、後述するように、被検体の体内の諸特徴の画像を再構成するように取得されて処理される。
X線源12はシステム制御器24によって制御され、システム制御器24は、CT検査系列についての電力信号、焦点スポット位置信号及び制御信号等を供給する。また、検出器22もシステム制御器24に結合されており、システム制御器24は、検出器22において発生される信号の取得を命令する。システム制御器24はまた、ダイナミック・レンジの初期調節、及びディジタル画像データのインタリーブ処理等のような様々な信号処理作用及び濾波作用を実行することができる。一般的には、システム制御器24はイメージング・システム10の動作を命令して、検査プロトコルを実行し、取得されたデータを処理する。本書の環境では、システム制御器24はまた、典型的には汎用又は特定応用向けのディジタル・コンピュータを基本要素とする信号処理サーキットリ、及び付設されたメモリ・サーキットリを含んでいる。付設されたメモリ・サーキットリは、プログラム及びルーチン(ここで開示されている主題を具現化するプログラム、ルーチン及び/又はアルゴリズム等)、構成パラメータ、並びに画像データ等を記憶することができる。
図1に示す実施形態では、システム制御器24は、モータ制御器34を介して回転サブシステム26及び線形配置サブシステム28の移動を制御することができる。線源12及び/又は検出器22が回転し得るイメージング・システム10では、回転サブシステム26は、患者18の周りに1回又は多数回にわたってX線源12、コリメータ14、及び/又は検出器22を回転させることができる。尚、回転サブシステム26はガントリを含み得ることを特記しておく。線形配置サブシステム28は、患者18、又はさらに明確に述べると患者テーブルを線形に変位させることができる。このように、患者テーブルをガントリの内部で線形に移動させて、患者18の特定の区域の画像を形成することができる。
放射線源12は、システム制御器24の内部に配設されているX線制御器30によって制御され得る。X線制御器30は、電力信号及びタイミング信号をX線源12に供給するように構成されていてよい。加えて、X線制御器は、X線源12がアレイ又は環として構成された固体X線源又は熱イオンX線源のような分散型線源である場合には、焦点スポット位置すなわち放出点の起動を提供するように構成されていてよい。例えば、X線制御器30は、分散型X線源の個別の焦点スポットすなわち放出点を入切する高電圧切換サーキットリとして具現化されていてよい。かかるサーキットリは、様々な高電圧段階を制御する論理制御器を含み又はこの論理制御器と連絡することができる。
一実施形態では、X線制御器30は、本書で議論するように、X線源12の様々な焦点スポットを動作させる命令系列のような様々な命令又は指示を記憶した系列バッファ32を含み又はこの系列バッファ32と連絡することができる。具体的には、異なるX線焦点スポット命令系列を用いて、画質、雑音、散乱、X線源の熱流(thermal)、対患者線量、又はイメージング・システム10の動作に関連する他のパラメータを変化させることができる。例えば、命令系列は命令のリストであってよく、このリストでは各々の命令が、起動したい焦点スポットの番号、並びに各々の焦点スポット起動時のmA、kVp、焦点スポット寸法及び/又は積算時間(dwell time、パルス持続時間)を含んでいる。系列バッファ32はまた、クロストークの低減を助けるように、焦点スポットの起動と起動との間のハード・コード型又はプログラム可能型「不動時間」を記憶していてもよい。加えて、系列バッファ32に記憶されている命令系列は、動作時にX線制御器30及び/又はデータ取得システム36によって用いられ得る検出器モード(フォトン計数モード対エネルギ積算モード、及び高線束モード対低線束モード等)を含んでいてもよい。実際には、系列バッファ32は、コンピュータで具現化される指示を記憶するのに適したメモリ装置又は他の記憶構造として具現化されていてよい。例えば、系列バッファ32は、固体メモリ装置(プロセッサ型システムのROM若しくはRAMとして用いられ、又は固体ハード・ドライブとして用いられるメモリ・チップ等)、光学記憶装置(光ディスク等)、磁気記憶装置(従来のハード・ドライブ)、又は分散型X線源の個別の焦点スポットの動作及び/若しくはイメージング・システム10の1若しくは複数の検出器22の動作についての指示スクリプトを記憶するのに適した他の任意の適当なデータ記憶構造として具現化され得る。
系列バッファ32のサイズは、系列バッファ32に記憶される指示の長さ及び数に基づいていてよい。一実施形態では、各々の指示系統は、サンプル期間番号(例えばサンプル期間1、5及び15等)用2バイト・フィールド、動作コードすなわち指示(例えばコード「7」は焦点スポット7にトリガを加える指示を示す等)用1バイト・フィールド、動作コード又は指示系統の他の何らかの観点を決定し、修正し、又は補足する修飾子又は変数用の三つの1バイト・フィールド(例えば「27」、「30」及び「45」は、起動される線源スポットが、トリガを受け取ってから45μs後に30μsにわたり27mAで作動されるべきであることを示す等)等を含み得る。この指示系統が典型的なサブ・ビューの6バイトに加算され得る。一つのかかる実施形態では、従って、系列バッファの大きさは、サンプリング速度が7kHzであると仮定すると走査の秒当たり42kB+1kBとなる。他の具現化形態では、系列バッファの大きさは、秒当たり約50kB乃至約60kBとしてよい。
幾つかの実施形態では、系列バッファ32は、システム制御器に存在していなくてもよいし、又は用いられなくてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、プロセッサ及びプロセッサと連絡している適当なメモリ(系列バッファ32又はメモリ40であってもよいしなくてもよい)を用いて、即座の利用のために上述のような命令系列を生成することができ、すなわち命令系列は、予め記憶された又は予め生成された系列に頼らずにアド・ホック又は「オン・ザ・フライ(on-the-fly)」で生成され得る。かかるプロセッサ及び適当なメモリは、システム制御器24、コンピュータ38、又はCTシステム10と連絡している若しくはCTシステム10を形成している他の適当なプロセッサ型システムに付設され得る。このように、かかる実施形態では、系列バッファ32又は他のメモリ構造、例えばメモリ40は、存在していても記憶バッファとして用いられるのではなく生成及び生成された命令系列の即座の利用のための足場区域として用いられ得る。
系列バッファ32が存在しない又はシステム制御器24の一部として設けられていない実施形態では、命令は代替的に、システム制御器24に実時間で送信されてもよく、リンクのデータ・ペイロードを系列バッファの生の内容よりも少なくすることができる。50個の焦点スポット及び20段の可能な格子レベル(すなわちmAレベル)を有する分散型X線源を有する実施形態では、サンプル期間番号が送信されなくてもよいとすると典型的なサンプル期間当たり3バイトであれば十分であり、2個の焦点スポットが同時に起動される場合には6バイトとなる。7kHzのサンプリング速度を仮定すると、ボー・レートが500キロボー以上であれば十分である。
幾つかの実施形態では、焦点スポットの起動と起動との間のμs単位での遅延は、5ビット(すなわち0〜4)のみを用いて符号化され得る。一つのかかる実施形態では、2個の焦点スポットが同じサンプル期間に起動され得るが、トリガの後の時間を異なるものにすることができる。例えば、第一の焦点スポットはトリガから55μs後に起動されるように指示され、第二の焦点スポットはトリガから60μs後に起動されるように指示され得る。かかる具現化形態では、5ビットではこれらの遅延を送信するのに十分でない場合があるが、代わりに系列バッファの指示を実行する論理が、ここでの例では残り時間が31μs未満となるまで等のように、所望の遅延を実効的に達成するのに適当な時間にわたって命令の送信を遅延させることができる。固定された待ち時間を40μsとして提供されるかかるパッキング方式の表現を図2に掲げる。
システム制御器24はまた、検出器22の各セルからのそれぞれの信号を収集して増幅する検出器電子回路のようなデータ取得システム(DAS)36を含み得る。この実施形態の例では、検出器22はシステム制御器24に結合されており、さらに具体的には、データ取得システム36に結合されている。データ取得システム36は、検出器22の読み出し電子回路によって収集されるデータを受け取る。具体的には、データ取得システム36は典型的には、検出器22からサンプリングされたアナログ信号を受け取り、データをディジタル信号へ変換してコンピュータ38による後続の処理に供する。
コンピュータ38は典型的には、システム制御器24に結合されている。データ取得システム36によって収集されるデータは後続の処理及び再構成のためにコンピュータ38に送信され得る。例えば、検出器22から収集されるデータは、データ取得システム36及び/又はコンピュータ38において前処理及び較正を受けて、走査対象の減弱係数の線積分を表わすようにデータを調整することができる。処理済みのデータは一般に投影と呼ばれ、次いで、このデータを再配列し、フィルタ補正し、逆投影して被走査域の画像を構成することができる。一旦、再構成されたら、図1のシステムによって形成される画像は、診断及び評価等のために用いられ得る患者18の体内の着目領域を表わすものとなる。
コンピュータ38は、コンピュータ38によって処理されたデータ又はコンピュータ38によって処理されるべきデータを記憶することのできるメモリ40を含み又はかかるメモリ40と連絡することができる。所望の量のデータ及び/又はコードを記憶することが可能な任意の形式のコンピュータ・アクセス可能なメモリ装置(例えば固体メモリ装置、ハード・ドライブ及び光ディスク等)がかかるシステム例10によって用いられ得ることを理解されたい。また、メモリ40は、システム10に対してローカル及び/又はリモートに位置し得る類似の形式又は異なる形式の固体装置、磁気装置又は光学装置のような1又は複数のメモリ装置を含むことができる。メモリ40は、データ、処理パラメータ、及び/又は本書に記載する工程を実行する1若しくは複数のルーチンを含むコンピュータ・プログラムを記憶することができる。
コンピュータ38はまた、システム制御器24によって可能化される諸特徴すなわち走査動作及びデータ取得等を制御するように構成されていてもよい。さらに、コンピュータ38は、キーボード及び/又は他の入力装置を装備し得る操作者ワークステーション42を介して操作者から命令及び走査パラメータを受け取るように構成され得る。操作者はこれにより、操作者ワークステーション42を介してシステム10を制御することができる。このようにして、操作者は、再構成画像、及びシステムに関連するコンピュータ38からの他データを観察したり、撮像を開始したり等することができる。
操作者ワークステーション42に結合されている表示器44を用いて、再構成画像を観察することができる。加えて、走査画像を操作者ワークステーション42に結合され得るプリンタ46によって印刷することができる。表示器44及びプリンタ46はまた、コンピュータ38に直接接続されていてもよいし、操作者ワークステーション42を介して接続されていてもよい。さらに、操作者ワークステーション42はまた、画像保管及び通信システム(PACS)48に結合されていてもよい。尚、PACS48は、異なる位置の第三者が画像データへのアクセスを得ることができるように、遠隔システム50、放射線科情報システム(RIS)、病院情報システム(HIS)、又は構内網若しくは外部網に結合されていてもよいことを特記しておく。
1又は複数の操作者ワークステーション42がシステム・パラメータを出力する、検査を依頼する、及び画像を表示する等のためにシステムに結合されていてよい。一般的には、表示器、プリンタ、ワークステーション、及びシステムの内部に用意されている類似の装置が、データ取得構成要素に対してローカルに位置していてもよいし、これらの構成要素に対して遠隔に位置していてもよく、施設若しくは病院の構内の他の箇所に位置する、又は全く異なる位置に位置する等のように、インターネット及び仮想私設網等のような1又は複数の構成自在型網を介して画像取得システムに結合されていてよい。
以上に説明したCTイメージング・システム10は、空間分解能及び時間分解能を高め、画質を高め、対患者放射線量を低減し、且つ/又は長手方向視野範囲を改善するように多様な方法で構成され得る。実際に、これらのパラメータの1又は複数を改善する様々な線源12及び検出器22構成を具現化することができる。例えば、本書で議論するように、多数の放出点すなわち焦点スポットを用いたX線源12を用いることができる。各放出点の起動は、交互起動方式を用いること等により一度に一つのみが作動しているように協働させることもできるし、同時起動を許すように協働させることもできることもできる。この態様で、各々の放出点は作動時に、対象を所与の視野の範囲内で再構成するのに必要とされる投影線の部分集合を提供し得る。しかしながら、これらの部分集合を組み合わせると、視野の再構成が可能になる。加えて、視野に関連する投影線の部分集合のみが一度に取得されるような実施形態では、検出器22の平面内広がりを縮小することができる。実際に、検出器22の平面内広がりは、フラット・パネル検出器すなわちラジオグラフィ検出器パネルを用い得る程度まで縮小することができる。
本発明の手法によれば、多様なX線源12の構成及び起動方式を実行することができる。本書では幾つかの例示的な構成及び方式について議論する。但し、所載の実例は本発明の手法の範囲を限定するものではないことを理解されたい。代わりに、本発明の手法は、多数の離散型放出点を考慮した任意のX線源構成、及びかかる放出点のための任意の起動方式を包含するものと広く理解され得る。
例えば、図3及び図4を参照して述べると、異なる分散型X線源12構成の例が記載されている。図3に示す例では、標準的なアレイ−線源反転型幾何学構成のCTアーキテクチャが図示されている。この例では、x方向(方位角方向)及びz方向(長手方向)にそれぞれ分散された20×3点の焦点スポットすなわち放出点70から成るX線源12が図示されている。認められるように、z方向に1、2、3、4、5、…、100又はこれ以上の放出点、及びx方向に2、3、4、…、1,000又はこれ以上の放出点等のように異なる数の放出点70を用いた同様の幾何学的構成を用いてもよい。図示のアーキテクチャは、フラット・パネル検出器のような検出器22を含んでいる。一実施形態では、検出器22は約10cm×10cmである。放出点70は視野72を通って検出器22に入射するX線16を放出する。
図4に示す例では、心臓応用向けの反転型幾何学構成CTアーキテクチャが示されている。この例では、分散型X線源12はx方向(方位角方向)及びz方向(長手方向に)にそれぞれ分散された約30×3点の放出点と、2基の検出器22とを有している。一実施形態では、検出器22は各々約10cm×10cmである。他の各実施形態では、2基よりも多い検出器22を用いてもよい。認められるように、z方向に1、2、3、4、5、…、100又はこれ以上の放出点、及びx方向に2、3、4、…、1,000又はこれ以上の放出点等のように異なる数の放出点70を用いた類似の幾何学的構成を用いてもよい。
分散型X線源の例についての以上の議論を念頭に置いて、以下の単純化された実例はx方向の放出点構成に関して本発明の手法の幾つかの実施形態を記述する。例えば、図5に示すように、方位角方向にオフセットされた一対の離散型放出点70がxy平面において放射線源12として図示されている。放出点70は、フラット・パネル検出器60のような検出器22から同じ垂直距離に位置するように構成されていてもよいし、異なる距離に位置していてもよい。各々の放出点70は、X線管、固体電子放出器又は熱イオン電子放出器に基づく分散型X線源の焦点スポット、又は起動するとX線を放出し得る他の何らかの焦点の何れであってもよい。X線源12、及びそのそれぞれの放出点70は格子配置されていてよい。放出点70はまた、本書で議論するようにz方向にオフセットされていてもよい。
放出点70は、所望の視野72の周りに回転して、各々の放出点70が所望のビュー角度から放射線流16を放出するのを可能にすることができる。放出点70は、回転するにつれて、所与の時刻に1点のみの放出点70がX線を放出するように交互に起動され得る。各々の放出点70は起動されると、図5に示すように視野72の2分の1等のような視野72の部分を境界付けるファン形状の放射線流を放出するように構成され得る。放射線流16は視野72を通過して、フラット・パネル検出器60のような検出器22に入射する前に視野72の範囲内のあらゆる減弱性物質を通過する。放出点70の各回の起動毎に、データ取得システム36(図1)が、検出器22によって発生される信号を読み出して、これらの信号を処理して投影データを生成することができる。放出点70が視野72の周りを回転するにつれて、結合された又は集積された取得投影データが視野全体を記述する。
例えば、図5に示すように、第一の放出点74が、作動時に視野72の2分の1等のような視野72の部分を包囲するファンの内部でX線を放出することができる。従って、投影データは、第一の放出点74が作動しているときに、フラット・パネル検出器60のような検出器22によってこの部分について取得され得る。第一の放出点74が非作動であるときには、第二の放出点76が起動されて、第二の放出点76によって放出されるX線のファンによって包囲される視野72の部分について投影データを取得するのを可能にすることができる。放出点70は、視野72を再構成するための所望の投影データが取得されるまで、各々の所望のビュー角度において交互に起動されながら視野72の周りを回転することができる。
当業者には認められるように、視野72を再構成するのに十分な投影データは、視野72の周りの放出点70の完全回転よりも少ない回転で取得され得る。実際に、2点の放出点70の間の2分の1回転プラス角度(β)すなわち180°+βがあれば、視野72を再構成する投影データを提供するのに十分な回転となり得る。
さらに、放出点70の結合ファンが、作動時に視野72の2分の1のみ又は他の何らかの部分のみを境界付けるすなわち半視野構成となるように多数の放出点70を構成することもできる。例えば、図6を参照すると、作動時に視野72の2分の1の部分のみを包囲するファンの内部でX線を放出する2点の放出点70が図示されている。図示のように、第一及び第二の放出点74、76の結合ファンは、視野72の2分の1のみを境界付ける。各々の放出点70に関連するファン角度αを制限することにより、放出点70が作動しているときに視野72の小部分が撮像されるため、検出器22、ここではフラット・パネル検出器60の平面内広がりをさらに縮小することが可能になる。当業者には認められるように、図6に示すような半視野構成を用いて視野72を再構成するのに十分な投影データは、視野72の周りでの放出点70の完全回転によって取得され得る。
加えて、第一の放出点74及び第二の放出点76によって放出されるX線は、視野72の同じ領域を通過する訳ではないことを認められたい。具体的には、第一の放出点74によって放出されるX線は、撮像されている物体又は患者が典型的には中心に配置されている視野72の中心領域を通過する。反対に、第二の放出点76によって放出されるX線は、空き空間、及び撮像されている患者若しくは物体の比較的着目されていない領域を含み得る視野72の周辺領域を通過する。この関係は、第一及び第二の放出点74、76が視野72の周りを回転する間は真のままであり、すなわち第一の放出点74は視野72の中心領域を継続的に撮像し、第二の放出点76は画像視野72の周縁を継続的に撮像する。
第一及び第二の放出点74、76の間のこの区別のため、第一及び第二の放出点74、76は、視野72の周縁が比較的又は全く着目されていないとき等には、等価に動作させられる必要はない。例えば、所望に応じて、第二の放出点76を用いて相対的に少数のビューを取得することができ、すなわち第二の放出点76を第一の放出点74よりも低い頻度で起動することができる。例えば、所望に応じて、第二の放出点76を一つ置きのビュー又はそれ以下で起動することができる。同様に、第二の放出点76を、第一の放出点74に対して短縮した持続時間若しくはデューティ・サイクルにわたり、又は低いエネルギで動作させてもよい。
同様に、第二の放出点76によって撮像される周辺領域が比較的重要でない場合には、第二の放出点76は、第一の放出点74よりも低い品質すなわち少ない線束及び低い空間分解能等を有していてよい。具体的には、着目領域72の周縁については小さい減弱、低い分解能及び/又は大きい雑音が許容可能である場合には、少線束又は低空間分解能の第二の放出点76が許容可能であり得る。第一及び第二の放出点74、76の差分起動、並びに/又は少線束の第二の放出点76の利用によって、着目領域72の中心及び周縁において異なる線量を患者18に投与することが可能になる。この態様で、患者18が受ける線量を状況に基づいて個別調整することができる。
これらの概念は、半視野構成と完全視野構成との間の任意の構成、又は心臓視野のような明確な中心着目領域80が存在し得るような任意の構成まで拡張されることができる。例えば、図7に示すように、第一及び第二の放出点74、76は各々、視野72の相異なる部分すなわちそれぞれ中心着目領域80及び周辺領域82を境界付けていてよい。当業者には認められるように、図7に関する中心着目領域80及び周辺領域82の議論は、図6に関する関連議論に類似しており詳述されている。
具体的には、図7を参照して述べると、第一の放出点74は作動時に、視野72の範囲内で中心着目領域80を包囲するファンの内部でX線を放出することができる。この態様で、第一の放出点74は、中心着目領域80に関連する投影線を発生することができる。第二の放出点76は作動時に、中心着目領域80の外部の着目領域72の半径方向部分又は周辺部分82を包囲するファンの内部でX線を放出することができる。例えば、第二の放出点76によって放出されるX線のファンの一方のエッジは中心着目領域80に接することができ、他方のエッジは視野72のエッジに接することができる。この態様で、第二の放出点76は、中心着目領域80の範囲内に包含されない視野72の補足部分について投影線を発生することができる。
前の例と同様に、全視野72が単一の放出点70及び検出器22によって網羅される訳ではないので、検出器22の平面内寸法は単一の放出点70を用いた場合よりも小さくてよい。例えば、検出器22は相対的に小さい平面内広がりを有することができ、実際に、フラット・パネル検出器60のように実質的に平坦であってよい。例えば、中心着目領域80の半径が15cmであり視野72の半径が50cmである場合には、検出器22は同じ視野及び単一の放出点70に関連するそれぞれの検出器の寸法の30%以下であってよい。
ハーフ・スキャン式データ取得を用いて、中心着目領域80を再構成するためのデータすなわち(180°+α)度の回転分のデータを取得することができる。さらに、ファン角度αは、単一の放出点70が採用されている場合よりも小さいので、ハーフ・スキャンをさらに高速に実行することができ、これにより心臓のような動的器官を撮像するための高められた時間分解能を提供する。例えば、第二の放出点76を用いるときにはαを50°とする代わりに15°に等しくすることができ、ハーフ・スキャン式データ取得は230°の回転の代わりに第一の放出点74の195°の回転を包含することができる。但し、完全視野72を再構成するすなわち周辺領域82を完全に再構成するデータを取得するためには第一及び第二の放出点74、76の完全回転すなわち360°が必要とされ得る。
gotogoto図6の半視野構成に関して上で述べたように、第二の放出点76によって供給される周辺ビューが比較的重要でないとき等には、第二の放出点76を用いた相対的に少数のビューを所望に応じて取得することができる。同様に、第二の放出点76は、上の例で議論したように第一の放出点74よりも低い頻度又は短縮された持続時間にわたって起動され得る。同様に、前述のように、第二の放出点76によって撮像される周辺領域82が比較的重要でない場合には、第二の放出点76は、第一の放出点74よりも低品質すなわち少線束等を有していてよい。
第一及び第二の放出点74、76の差分起動、並びに/又は少線束の第二の放出点76の利用は、中心着目領域80の内外で異なる線量を患者18に投与することを可能にすることができる。実際に、撮像対象又は器官が中心着目領域80の範囲内にある場合等のような幾つかの例では、第二の放出点76を画像データ取得時に非作動のままにしておくことが可能な場合がある。かかる具現化形態では、周辺領域82に対応して取得されるデータは不完全となるが、撮像対象の何らかの部分が周辺領域82の範囲内に位置している場合等には、所望に応じて特殊な再構成手法を用いて依然再構成され得る。この態様で、患者18が受ける線量を状況に基づいて個別調整することができる。
以上の例は、2点の放出点70を含む具現化形態を議論しているが、この手法は3点以上の放出点70に拡張可能である。例えば、3基以上のX線管を用いてもよいし、又はアレイ若しくは環として構成されたアドレス指定が可能な3点以上の放出点70を含む固体X線源若しくは熱イオンX線源12を用いてもよい。離散型でアドレス指定が可能な放出点70を含む他のX線源12もまた、本発明の手法と共に用いるのに適している場合がある。
例えば、図8は、図5に示すものと類似した完全視野構成における4点の放出点70を示している。放出点70は、フラット・パネル検出器60から同じ垂直距離に位置するように構成されていてもよいし、異なる距離に位置していてもよい。図5に関して議論したように、放出点70は、各々の放出点70が所望のビュー角度から放射線流16を放出し得るように、所望の視野72の周りに回転され得る。
放出点70は、回転するときに、所与の時刻に1点のみの放出点70がX線を放出するように交互に起動され得る。各々の放出点70は起動されると、視野72の部分を境界付けるファン形状の放射線流を放出するように構成され得る。放射線流16は視野72を通過して、フラット・パネル検出器60に入射する前に視野72の範囲内のあらゆる減弱性物質を通過する。放出点70の各回の起動毎に、データ取得システム36(図1)が検出器22によって発生される信号を読み出して、これらの信号を処理して投影データを生成することができる。放出点70が視野72の周りを回転するにつれて、結合された又は集積された取得投影データが視野全体を記述する。前述のように、かかる完全視野構成では、視野72を再構成するのに十分な投影を、幾何学的構成に応じてハーフ・スキャン取得すなわち180°+何らかの加算角度によって取得することができる。
同様に、2点よりも多い放出点70を用いて半視野構成を具現化することもできる。例えば、図9を参照して述べると、4点の放出点70が図示されており、これらの放出点70からのファン形状の放射線流16は、視野72の2分の1又は他の何らかの部分を全体的に境界付ける。各々の放出点70は前述のように、一度に1点のみの放出点70が作動するように交互に起動され得る。各々の放出点70に関連するファン角度αが限定されているため、検出器22は縮小した平面内広がりを有し得る。かかる半視野構成では、視野72を再構成するのに十分な投影データを視野72の周りでの放出点70の完全回転によって取得することができる。
さらに、前述のように、各放出点は、視野72の相異なる半径方向領域を境界付ける。例えば、第一の放出点74は中心領域を画定し、第二の放出点76は次の外側半径方向領域を境界付ける。同様に、第三の放出点86は次の半径方向領域を境界付け、第四の放出点88は周辺領域又は外側半径方向領域を境界付ける。各放出点70は視野72の相異なる半径方向領域を境界付けるので、異なる放出点70を、該放出点70が境界付ける半径方向領域が全く又は殆ど着目されない場合には、撮像系列時に非作動にしておくことができる。例えば、第四の放出点88は、視野72の周辺領域が空き空間を含んでいる又は他の場合には全く着目されない場合には、非作動のままにされ得る。半視野構成の上の議論の場合と同様に、図9に示すように、半視野構成を用いて視野72を再構成するのに十分な投影データを視野72の周りでの放出点70の完全回転によって取得することができる。
同様に、図6及び図7に関して議論したように、第一、第二、第三及び第四の放出点74、76、86、88は、各放出点が境界付ける異なる半径方向領域が、異なるように着目され又は重要性を有する範囲まででは、等価に動作させられる必要はない。例えば、各々の放出点70は、異なるビュー数について起動されてよい。例えば、第一及び第二の放出点74、76がビュー一つ毎に作動し、第三の放出点86が一つ置きのビューについて作動し、第四の放出点88が何れのビューについても作動しないようにすることができる。かかる具現化形態は、画像を視野の中心に向かって良好な品質で構築し、中心の外側では品質を低くし、視野72の周辺領域の画像は生成されないようにすることを可能にし得る。同様に、第四の放出点88のように異なる放出点が、第一の放出点74に対して短縮された持続時間にわたって低いエネルギで動作させられてもよい。同様に、各放出点70は、各放出点70が境界付ける半径方向領域に基づいて品質すなわち線束が変化してもよい。例えば、X線管の具現化形態では、第三及び/又は第四の放出点86、88は低品質すなわち低線束のX線管であってよい。
従って、X線放出点70の数が増加するにつれて、患者18又は撮像される物体に合わせてX線量を適応調整する能力もまた高めることができる。具体的には、可能な半径方向領域の数は、放出点70の数が増大するにつれて増大する。半径方向領域の数が増大するにつれて、起動及び/若しくは持続時間のような差分動作、又は低線束X線管のような異なるハードウェア構成を用いる機会も増す。この態様で、患者18が受ける線量及び画像の相異なる部分の画質も状況に基づいて個別調整することができる。
同様に、この付加的な放出点70の利用を、図7に関して議論したように、任意の構成、又は心臓視野80のような明確な中心着目領域80を有する構成に拡張することができる。例えば、図10を参照して述べると、第一及び第二の放出点74、76が視野72の中心着目領域80を境界付けることができる。反対に、第三及び第四の放出点86、88が視野72の周辺領域82を境界付けることができる。図7及び図9に関して議論したように、各放出点70は、対患者投与線量が状況に基づいて適応調整され又は調節され得るように差分式で動作させられ又は構成され得る。例えば、第三及び/又は第四の放出点86、88は、周辺領域82が比較的又は全く着目されていないときには作動されなくてもよいし、可能なビュー角度の部分集合のみについて作動されてもよい。同様に、周辺領域82が比較的着目されていない場合には、第三及び第四の放出点86、88は、低線束又は大焦点スポット寸法等を用いて低品質で起動されてもよい。
前の例と同様に、全視野72が単一の放出点70及び検出器22によって網羅される訳ではないので、フラット・パネル検出器60のような検出器22の平面内寸法は単一の放出点70を用いた場合よりも小さくてよい。同様に、第一及び第二の放出点74、76を用いたハーフ・スキャン式データ取得を用いて、中心着目領域80すなわち180°+何らかの加算的回転角度を再構成するためのデータを取得することができる。但し、完全視野72を再構成するためのデータを取得するすなわち周辺領域82を完全に再構成するためには、第一、第二、第三及び第四の放出点74、76、86、88の完全回転すなわち360°が必要とされ得る。
以上の例は、本発明の概念の例示説明を単純化するために2点又は4点の放出点70を用いた構成を示しているが、開示される手法は、1よりも多い放出点70が存在しているような他の構成にも拡張される。同様に、図示されている以外の視野構成も、本発明の手法から除外されず、本書で議論されているような多数の放出点70の利用からの利益を享受し得る。
さらに、図3及び図4の分散型X線源構成を念頭に置いて述べると、放出点70をz方向にオフセットさせることが望ましい場合が間々ある。例えば、図11に示すように、zオフセットを連続した放出点70に適用すると、CTスキャナ100の主軸に対して僅かに傾斜した放出点70のアレイを得ることができる。このことはヘリカル・コーン・ビーム取得について特に有用であり得る。というのは、得られたデータ集合を再編成して、単一の放出点によって得られる取得を模擬することができるからである。かかる結果を達成するために、zオフセット、及び従って得られるアレイのピッチは、画像取得時に用いられる螺旋ピッチに依存する。zオフセットを調節して、所望の螺旋ピッチに対処することができる。
加えて、コーン・ビーム及び容積測定CT幾何学的構成について、長手軸に沿って付加的な各放出点70を含めることが望ましい場合がある。具体的には、長手軸に沿った多重放出点70の利用によって、前述の検出器の平面内広がりの縮小の代わりに又はこれに加えて、検出器22の軸方向広がりを縮小するのを可能にすることができる。例えば、図12には、CTスキャナ100の長手軸に沿って拡散配置された3点の放出点70が図示されている。各放出点70は、一度に1点のみの放出点70が作動するように、逐次式等で交互に発火することができる。縮小した軸方向広がりを有するフラット・パネル検出器60のような検出器22は、前の例で議論されたものと類似した態様で多数の長手方向放出点と共に用いられ得る。前の例のように、本発明の手法の具現化形態は、長手方向に小さいコーン角度の利用を可能にし、従って長手方向に小さい検出器22の利用を可能にする。
例えば、図13には、3組の複式放出点94、96、98がCTスキャナ100の長手軸に沿って図示されている。図示の例では、各々の組の複式放出点94、96、98はxy平面内では座標を共有しているが、z軸すなわち長手方向での位置が異なっている。
以上の平面内オフセット及び長手方向オフセットの例で記載したように、本書に開示する手法は多様な利益を提供することができる。例えば、検出器22の平面内広がり及び/又は長手方向広がりが縮小されたため、フラット・パネル検出器60のように小型で安価な検出器を用いることが可能になる(図5〜図10及び図12)。一般的には、小型の検出器、特にフラット・パネル検出器を製造することは比較的容易で安価である。
加えて、本発明の手法は、特にアイソセンタから離隔している場合にさらに高い空間分解能を与えることができる。具体的には、単一の放出点は大きいファン角度を伴い、呼応して大型の検出器を伴い得る。放出点に関連する焦点スポットは、所謂「見かけ」の焦点スポット寸法が増大するため検出器のエッジにおいて大きく見える。見かけの焦点スポット寸法が増大すると、検出器の中心に比較して検出器のエッジでの空間分解能が劣化し得る。本発明の手法(図5〜図10及び図12)と共に用いられる検出器22ではファン角度が小さくなり平面内広がりが縮小して各放出点70の見かけの焦点寸法が小さくなるため、アイソセンタから離隔してすなわち視野の残部にわたって空間分解能を高めることが可能となり得る。
さらに、多重放出点70(図5〜図10)を利用するため、画像取得時の動的線束制御を可能にすることができる。例えば、多重放出点70は、検出器22での信号の一様性を保ち、これにより効率を高めて検出器でのダイナミック・レンジを制限し、又は線量若しくは画質を最適化するために、ビュー角度に基づいて差分式で起動され得る。具体的には、医用撮像の環境では、患者18(図1)は典型的には断面が楕円形であり、結果として患者18を通る変化する経路長を生じ、すなわちX線が患者18を横断する経路長は患者18に対するビュー角度位置に依存して変化する。従来のCT手法は、撮像されている身体領域の全体的な断面に合わせて適応構成されたボウタイ・フィルタを用いて、これらの変化する経路長を補償することができる。
しかしながら、本発明の手法は、患者18の解剖学的構造に基づく実時間線束変調すなわち仮想的な動的ボウタイを考慮している。具体的には、胸及び背を通るような患者18を通る短い経路長に対応するビュー角度では、低線束を有するX線を放出する放出点70が起動され得る。反対に、両肩を通るような長い経路長に対応するビュー角度では、高線束を有するX線を放出する放出点70が起動され得る。同様に、中間の経路長の場合には、放出されたX線の線束を適当に調節することができる。さらに、患者がCTスキャナを通して線形に変位されるのに伴って、あるビュー角度位置に関連する線束を動的に調節してもよい。この態様で、ボウタイ・フィルタの効果が、検出器22における信号の一様性を保つように動的調節を可能にしながら再現され得る。さらにまた、それぞれのX線焦点スポット及びビューの線束を調節して、敏感な器官への放射線線量を最小化し、また着目領域における画像雑音を最適化することができる。
本発明の手法はまた、エネルギ識別CTのようなCT手法が実行され得るように、エネルギ識別検出器のような様々な検出器技術の利用も考慮し得る。平面内方向及び/又は長手方向での検出器広がりが小さいため、かかる新型技術を手頃な経費で具現化することができる。同様に、かかる検出器はまた、さらに容易に製造されて、本発明の手法に関連する縮小した検出器寸法を収容することができる。加えて、本発明の手法に関連するファン角度及びコーン角度は小さくなっているため、X線強度測定の散乱を低下させて、散乱防止グリッドを検出器から省くことを可能にし、これにより検出器効率を高めることができる。
以上の議論は、イメージング・システムに用いるのに適したx次元及びz次元での線源放出点70及び検出器22の様々な物理的構成について述べている。幾つかの実施形態では、各放出点70及び/又は検出器(1又は複数)22は、各々の放出点すなわち焦点スポット及び/又は検出器の幾つかの動作パラメータを別個に画定する命令又は指示の1又は複数の系列に従って動作し得る。例えば、命令系列は、焦点スポットが起動されるすなわち発火される順序、各々の焦点スポットが発火されている持続時間、各々の放出点70が発火されているときのエネルギ、焦点スポット起動に関連するmA、及び焦点スポット起動の持続時間等を画定することができる。このように、所与の命令系列が、同時に発火されている焦点スポットが存在しないような焦点スポット発火パターン、幾つかの焦点スポットが同時に発火されるような焦点スポット発火パターン、幾つかの焦点スポットが他の焦点スポットよりも多く若しくは少なく発火されるような焦点スポット発火パターン、及び/又は各焦点スポットの逐次的若しくは非逐次的発火順序等を画定することができる。この態様で、心臓オーバスキャンを最小限にする、ヘリカル・オーバスキャンを最小限にする、画質を高める、雑音を減少させる、散乱を減少させる、X線源熱流を低減する、及び対患者線量を限定する等のような幾つかの目標を達成する命令系列を選択することができる。所与の患者について適当な命令系列は、幾つかの実施形態では、標準的なボウタイ・フィルタを用いて従来の命令系列を用いて取得される走査のような初期スカウト走査に基づいて算出され得る。認められるように、本書で議論される様々な命令系列のための指示は、図1に関して議論されるように、適当な系列バッファ32に記憶されてかかる系列バッファ32から入手され得る。代替的には、命令系列は、例えば検出器測定に基づいた閉ループ型フィードバックを用いて、アド・ホック又は「オン・ザ・フライ」で算出され得る。
命令系列についての以下の議論に関して図14を参照して述べると、z方向の焦点スポット列にアルファベットすなわちA、B、C等とラベルを付し、x方向の焦点スポット列には番号すなわち1から20までの番号を振る。図示の例では、後にあらためて詳述するように、外側焦点スポット64は、幾つかの実施形態では外側半径方向視野に対応し得る。同様に、内側焦点スポット66は、幾つかの実施形態では心臓視野のような内側の円形視野に対応し得る。
以上の命名規則を念頭に置いて、x及びzにおいて離散型焦点を有する分散型線源のための標準的な逐次的起動系列について説明する。この例では、分散型X線源は図13に示すような焦点の3×20のアレイである。かかる分散型X線源は、図1の系列バッファ32のような系列バッファに記憶されている命令系列を介して相次いで起動され得る。かかる逐次的命令系列は、A1−A2−A3−・|A20−B1−B2−B3−…−B20−C1−C2−C3−…−C20−A1−A2−A3−…−A20−…等のような起動順序に対応し得る。代替的には、逐次的命令系列のもう一つの例は、A1−B1−C1−A2−B2−C2−A3−…−A20−B20−C20−A1−B1−C1−A2−…等であり得る。このように、これらの例では、放出点起動は、横列毎又は縦列毎に相次いで進行し得る。他の例では、螺旋パターン、ジグザグ・パターン及び擬似無作為パターン等のような代替的なパターンを用いることができる。これらの逐次型の例では固定された又は予め決められた順序が存在し、起動はこの固定された予め決められた順序に基づいて相次いで進行する。
他の各実施形態では、命令系列が非一様であってもよい。幾つかのかかる実施形態では、幾つかの焦点スポットを他の焦点スポットよりも頻繁に発火させるすなわち起動することができる。例えば、患者若しくは物体の高減弱部分を通じて発火する焦点スポット及び/又は良好な画質を要求する着目領域を通じて発火する焦点スポットは、高頻度で発火させられることができる(より大きいmA、kW及び/又は積算時間での発火の代わりに若しくは加えて)。反対に、患者若しくは物体の低減弱部分を通じて発火する焦点スポット及び/又は敏感な器官を通じて発火する焦点スポットは、低頻度で発火させられることができる(より小さいmA、kW及び/又は積算時間での発火の代わりに若しくは加えて)。かかる非一様命令系列の一例としては、分散型X線源の焦点スポットの全てを相次いで起動し(A1→C20)、次いで内側焦点スポット66(A6→A15、B6→B15、C6→C15)のみを相次いで起動し、これらのそれぞれの命令系列を繰り返すことを含み得る。このように、この例では内側焦点スポット66は外側焦点スポット64の2倍だけ頻繁に起動される。もう一つの例では、幾つかの焦点スポットを全く起動しなくてもよい。例えば、患者又は物体の小部分のみに着目するような具現化形態では、内側焦点スポット66のみを起動すればよい(A6→A15、B6→B15、C6→C15)。認められるように、異なる焦点スポット又は焦点スポットの異なる部分集合が、他の焦点スポット又は焦点スポットの部分集合よりも高頻度で又は低頻度で起動されるような焦点スポットを発火させる(又は発火させない)他の組み合わせを用いてもよい。
もう一つの実施形態では、2以上の焦点スポットを同時に起動してもよい。かかる実施形態は、同時に起動される焦点スポットが検出器22の異なる部分又は異なる検出器22に入射するX線を発生する場合に有用であり得る。例えば、横列A及びCに関連する焦点スポットは、横列A及びCの焦点スポットが同時に起動される場合に検出器22において殆ど又は全く重なりが生じないように、焦点スポットの各々の横列が検出器22の異なる長手方向部分において発火するように、z方向にコリメートされ得る。この例では、横列A及びCの焦点スポットは、A1C1−B1−A2C2−B2−A3C3−B3−…−A20C20−B20−A1C1−B1−…との命令系列等に従って同時に起動され得る。
図4に示すような1よりも多い検出器22を用いる具現化形態では、焦点スポットは、利用可能な検出器22の一つのみによって検出されるようにコリメートされてよい。かかる具現化形態では、一つの検出器22を照射するようにコリメートされた焦点スポットが、異なる検出器22を照射するようにコリメートされた焦点スポットと同時に起動され得る。この態様で2以上の小型検出器を用いることにより、結果的な散乱の増大を、走査されている解剖学的構造又は物体に合わせて適応構成する方法で管理して緩和することを可能にしつつ、単一の大面積検出器の大線束を達成することができる。
焦点スポットの同時起動を用いたかかる実施形態では、付加的な交差散乱が発生され得る。このように、焦点スポットの同時起動を行なうか否かについての判定は、撮像を受けている対象、各々の焦点スポットについて対象を通る予測経路長(一般に経路長が大きいほど大きい散乱の潜在的可能性に対応する)、各々の焦点スポットの位置(1個の検出器又は互いに過度に近接した複数の検出器に入射するX線を有する焦点スポットを同時に起動することを選択随意で回避するため)、各々の焦点スポットについて予測される検出可能な信号(予測される検出可能な信号に大きな差を有する焦点スポットを同時に起動することを選択随意で回避するため)に基づいて行なわれ得る。幾つかの実施形態では、焦点スポットは、予測経路長が実質的に等価であるような同時起動のために選択され得る。経路長に実質的な差がある場合には、受光される一次線束を均等化して少ない信号を受け取る検出器に入射する交差散乱を低減するように、小さい経路長(従ってさらに少ない減弱)を有する焦点スポットを小さいmAによって起動してもよい。
さらに、幾つかの実施形態では、所与の「サンプル期間」又は起動区間に、1個の焦点スポットが期間の何らかの部分にわたって起動され、他の焦点スポットが最初の期間とは時間的に重なり合っていてもいなくてもよい異なる期間にわたって起動されることができ、すなわち各焦点スポットが相補的な積算時間を有するようにすることができる。正味の交差散乱が存在する範囲までにおいて、線源を他のものと同時にではなく自体によって時折オンにすることにより交差散乱を直接測定することができる。
加えて、幾つかの実施形態では、運動アーティファクトを軽減する命令系列を構築することができる。例えば、大抵の場合にy軸に沿ってxy平面内で移動する冠状血管では、運動の方向に整列した焦点は最小の運動を観測する。このように、起動の頻度又は積算時間の何れかを高めることにより、運動している構造と整列した焦点の起動に重点を置く命令系列を用いて再構成画像の運動アーティファクトを最小限にすることができる。
さらに、幾つかの実施形態では、異なる寸法の焦点スポットが異なる寸法の構造を撮像するのにさらに適したものとなるように、異なる寸法又は縮尺の焦点スポットを用いることができる。例えば、心臓の具現化形態では、冠状血管のような着目領域において小構造を網羅する小さい焦点スポットの起動に重点を置く命令系列を用いることができる。
一般的には、個別の焦点スポットが起動され得る順序の観点、焦点スポットが同時に起動されるか否かの観点、個別の焦点スポットに関連する絶対mAの観点、同時に起動される焦点スポットに関連する相対mAの観点、及び各々の焦点スポットについて提供される相補的積算時間の観点に、融通性がある。代替的に、これらの様々な要因は、検出されたX線が何れの焦点スポットから発したものかについて検出器又は読み出しレベルにおいて混同は起こり得ないと前提すると、すなわち検出器(1又は複数)において重なりが存在しない限りにおいて、個別の焦点スポット・レベルにおいて、又は焦点スポットの幾つか若しくは全てに関して様々であってよい。実際に、幾つかの実施形態では、可能な部分系列又は系列の網羅的評価を行なうことができ、サンプリング、線量効率、散乱、画像雑音、時間分解能及び空間分解能の間に望ましい兼ね合いを与える命令系列が選択される。
焦点の非一様命令系列に加えて、心臓ハーフスキャン・オーバスキャンの問題に対処するのに適した他の命令系列を用いてもよい。従来の第三世代CTシステムでは、「ハーフ・スキャン」は180°+αの回転区間から成り、ここでαはファン角度であり、このファン角度はX線ビームの物理的ファン角度であってもよいし、着目視野に対応するファン角度であってもよい。半回転スキャンにおいて得られるデータ集合は典型的には、平行ビームによって取得された集合に対応するように並べ換え(rebinning)され、又はParkerの加重方式を用いてそのまま再構成される。ファン角度にわたる余分な回転は、パラレル・ビーム取得に比較して、走査されている患者又は物体に対する加算的な線量を生ずる。例えば、図15を参照すると、ハーフ・スキャン取得方式を用いて取得された有用な投影データ80及び無駄な線量82を示す従来技術での図が示されており、rをアイソセンタに対する射線の距離とし、θを垂直軸に対する射線の角度としたr−θ座標において表わされている。
本書で議論するような分散型X線源及び適当な起動方式を用いると、ハーフ・スキャン取得に関連する無駄な線量を低減することができる。例えば、一実施形態では、作動焦点スポットすなわち放出点の範囲は、焦点スポットが180°パラレル・ビーム範囲(又は2基検出器の具現化形態では90°、及び3基検出器の具現化形態では60°等)を回転するにつれて次第に拡大することができる。X線源が、着目しているパラレル・ビーム範囲から出ながら回転するときには、焦点スポットは次第に作動停止され得る。図16を参照すると、この手法に関連する有用データ及び無駄な線量を図示したr−θ座標図が示されている。図15及び図16で分かるように、この例の手法に関連する無駄な線量は、従来のハーフ・スキャン取得手法に対して減少する。
同様に、ヘリカル・スキャン・モードでは、螺旋の端では幾分かのX線量が無駄になる場合がある。分散型線源の空間配列は、焦点スポットを次第に起動しまた作動停止させる起動方式によって制御されると、焦点スポットが長手方向着目領域に出入りするのに伴って、かかる無駄な線量を回避することができる(xに対してzに沿って)。この態様で、ヘリカル・オーバスキャンの問題に対処することができる。
さらに、系列バッファに記憶されている命令は、対応する測定が効率的なデータ並べ換え又は画像再構成のためにr−θ空間(ラドン空間)において十分に整列するように、それぞれのX線パルス及び検出器読み出しのタイミングを最適化することができる。
系列バッファ32に記憶されている命令系列を具現化するときに、ECG系列のような外部情報を考慮に入れてもよい。例えば、先行型(prospective)心同期取得では、ECG信号を用いて、心臓が撮像に望ましい時相にあるときを決定することができる。かかる実施形態では、仮想的ボウタイ・フィルタが命令系列の一部として具現化されている場合のように、系列にガントリ角度依存性が与えられ得る。このように、かかる実施形態においては、バッファの途中までX線が発生されない場合があり、すなわち系列バッファの指示は、所望の条件が最初に満たされるまで何らかの指示が具現化され得ないようにガントリ位置及びECGトリガに対する条件を課すことができる。同様に、関連する実施形態は、一旦、ECGトリガ及び/又はガントリ位置が適当になったと決定されたら、記憶されている系列の「JUMP」命令又は「GOTO」命令を用いて一組の指示を実行するように進行することができる。
代替的には、系列バッファ32に記憶されているDASへの指示の形態で類似のアプローチを具現化することができる。例えば、系列バッファの指示はループ・モードで動作することができ、所望のガントリ角度及び/又はECGトリガが生ずるまで実行せずに通過するようにすることができる。このときには、すなわち取得条件が満たされたときには、「曝射入」命令を発することができ、次のスーパビューが開始したときには系列バッファに記憶されている論理が通常の実行を開始する。
このように、命令系列として記憶されている命令又は指示は、分散型X線源の動作及びX線制御器30の制御に関連していてもよいし、DAS36の動作に関連していてもよい。例えば、データ取得のスケジュール式調節を、系列バッファに対する指示のリストの一部として提供することができる。一例では、線束が低いときには、より長いサブ・ビュー(DASサンプリング区間)に対して電子雑音の利益が存在し得る。このように、X線制御器30への系列バッファ指示が低線束を生ずるときには、対応する指示を系列バッファに配置して、低線束の持続時間にわたってDAS36のサンプリング区間を延長することができる。同様に、二重kVp走査が実行されているときには、kVを切り換える命令を系列バッファ32に記憶させることもできる。
本発明の技術的効果は、視野を撮像するための2以上の離散型放出点及び1又は複数の対応する検出器の利用を含んでいる。2以上の離散型放出点の動作は、互いに対して独立であってよい。それぞれの放出点の動作及び/又は検出器の読み出しは、系列バッファに記憶されている命令に従って実行され得る。
本書の記載は、最良の態様を含めて発明を開示すると共に、任意の装置又はシステムを製造して利用すること及び任意の組み込まれた方法を実行することを含めてあらゆる当業者が発明を実施することを可能にするように、実例を用いている。特許付与可能な発明の範囲は特許請求の範囲によって画定されており、当業者に想到される他の実例を含み得る。かかる他の実例は、特許請求の範囲の書記言語と異ならない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の書記言語と僅かな差しかないような等価の構造要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあるものとする。