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JP5504568B2 - 運動支援装置および運動支援プログラム - Google Patents

運動支援装置および運動支援プログラム Download PDF

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JP5504568B2
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Description

本発明は、スポーツの訓練に好適な運動支援装置および運動支援プログラムに関する。
スポーツを行うプレーヤのパフォーマンスを身体に装着した各種センサの検出値を基に評価し、その結果をトレーニングに活用する試みは、スポーツ工学の分野において広く行われている。非特許文献1には、スイマーの手首に装着した3軸加速度センサの検出値を基にそのスイミングフォームの評価を試みた研究事例が紹介されている。
非特許文献2,3および特許文献1には、最も広く普及しているスポーツの1つであるゴルフの競技力の向上を支援する仕組みが紹介されている。非特許文献2に開示されているゴルフスイングフォーム診断装置や非特許文献3に開示されているゴルフスイング技能評価システムは、スイングを行うゴルファーをビデオ撮影するとともに、その手首や腰、クラブヘッドの加速度をセンサにより検出し、各センサが検出した加速度の変化を示す解析結果をスイングの様子を示す動画像と併せて提示するようになっている。
特許文献1に開示されたゴルフスイング練習装置は、腰、肩、肘などの身体の各部位の動作をセンサにより検出し、検出した各部位の動作とそれらのお手本との一致の程度を和音として表現する。また、特許文献2には、仮想空間内に出現させた各プレーヤのアバタ(化身)の挙動を、センサにより検出されるそれらのプレーヤの実際の動きと連動させ、各プレーヤの運動の俊敏性などを評価するシステムの開示がある。
仰木祐嗣,市川浩,宮地力、加速度ICを用いた水泳のストローク技術考察、「日本機械学会スポーツ工学1999講演論文集」、1999年10月、No.99-41、p.159-163 仰木祐嗣,馬場敏之,坂口勇夫、加速度センサと映像を併用したゴルフスイングフォーム診断装置の開発、「スポーツ工学シンポジウム講演論文集」、日本機械学会、2004年、No.04-26、p.171-181 仰木祐嗣,馬場敏之,坂口勇夫、日立金属技報Vol.20、ピエゾ抵抗型3軸加速度センサを用いたゴルフ技能評価システム、2004年 特開2004−24627 特表2002−516121
ところで、サッカー、バレーボール、野球、カーレース、ヨットレースなどの複数のプレーヤで行うスポーツでは、敵のプレーヤを妨害したり、味方のプレーヤを助けたりするプレーをどれだけ上手く実行できたかにより競技結果の良否が左右される。この種のスポーツのプレーヤは、時々刻々と変化する自らと他のプレーヤの状態を把握した上で、ランやジャンプなどの運動のタイミングや方向を都度判断していかねばならず、自らと他のプレーヤの状態の把握を正確になし得ていないままでそれらの判断を下したり、判断そのもののタイミングが遅れたりすると、たとえプレーヤ個人のパフォーマンスの強度や精度、俊敏性が優れていたとしても、チームとしては良好な成果を得ることができない。
しかしながら、これまでに提案されてきた技術の多くはプレーヤ自身がお手本のとおりに身体を動かしているかを評価するに止まるものであり、自らを含む各プレーヤの状態に最もマッチした運動を判断する能力を高めたいという要望に十分に応えるものではなかった。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、スポーツを行う各プレーヤの状況判断能力の向上を支援する仕組みを提供することを目的とする。
この発明は、複数のプレーヤが行っている連携プレイ等の局面を支援対象プレーヤにフィードバックし、支援対象プレーヤを最善の運動へと誘う技術的手段を提供するものである。
好ましい態様において、この発明による運動支援装置は、複数のプレーヤの各々の状態を検出する状態検出手段と、前記状態検出手段により検出された複数のプレーヤの状態に基づいて、前記複数のプレーヤの少なくとも一部である支援対象プレーヤに最適な運動を行わせる案内音を発生し、前記支援対象プレーヤに提供する案内音提供手段とを備えることを特徴とする。
この態様によると、各プレーヤの状態に基づいて発生された最適な運動の案内音が、支援対象プレーヤに提供される。よって、支援対象プレーヤは、案内音に耳を傾けることにより、複数のプレーヤの各々の状態、具体的には、自らと連携をとる味方のプレーヤが有利な状態にあることや、自らのプレーを妨害する敵のプレーヤが不利な状態にあること、あるいは、まもなくその様な状態になることを、それらのプレーヤを直接見ることなく容易に把握できる。そして、その様な案内音による支援を受けて、自らが行う運動の開始のタイミングを判断したり、その運動を行う方向を判断する訓練を重ねていくことにより、スポーツに必要な状況判断能力を高めることができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態は、サッカーのスルーパスの能力を向上させる支援を行うものである。スルーパスは、ピッチ内における味方のプレーヤと敵のプレーヤの位置が特殊な関係になった、あるいは、間もなくそのような特殊な関係になると判断した時に行われる、敵のプレーヤをかわして味方のプレーヤにボールを「蹴る」という運動である。
図1は、ピッチ内における各プレーヤの位置の関係の一例を示す図である。この図1には、スルーパスの出し手となる攻撃側のプレーヤ10a、スルーパスの受け手となる攻撃側のプレーヤ10b、スルーパスを阻む守備側の4人のプレーヤ10c,10d,10e,10f(以下、適宜「プレーヤ10」と総称する)、およびゴールキーパー11の位置が記されている。各プレーヤ10が図1に示すような各位置にある場合において、エンドライン12に向かって走る受け手のプレーヤ10bがその数秒後に到達するであろう到達点に向けてボール13を蹴る運動がスルーパスである。スルーパスは、ボール13を蹴るタイミング、蹴る方向、蹴る強さなどの多くの条件が揃わないと成功しない難度の高いプレーとされている。ボール13を蹴るタイミングは、オフサイドライン14に向かって走るプレーヤ10bが、オフサイドライン14を超える直前であることが望ましい。蹴るタイミングがその時より僅かでも遅れると、オフサイドと呼ばれるルール違反になるため、スルーパスは失敗に終わる。一方、蹴るタイミングがその時よりも早すぎると、戻る守備側のプレーヤ10の方が先にボール13に追いついてしまうため、やはり失敗に終わる。そして、ゴールにより近く守備側のプレーヤ10からはより遠い、という条件を満たす有利な位置でボール13が受け手のプレーヤ10bに渡るようにするためには、ボール13を蹴るタイミングのコントロールが最重要である。本実施形態による運動支援装置は、このスルーパスにおけるボール13を蹴るタイミングのコントロールの支援を行うものである。
図2は、本実施形態にかかる運動支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。この運動支援装置は、第1送受信機21、第2送受信機22、装着ユニット30−k(k=1〜n)と、システム全体を制御するホスト装置40を有する。以降は、装着ユニット30−k(k=1〜n)を、適宜「装着ユニット30」と総称する。図2において、装着ユニット30−1は図1のプレーヤ10aに、装着ユニット30−2はプレーヤ10bに、装着ユニット30−3はプレーヤ10cに、装着ユニット30−4はプレーヤ10dに、装着ユニット30−5はプレーヤ10eに、装着ユニット30−6はプレーヤ10fにそれぞれ装着される。そして、残りの装着ユニット30は、ピッチ内における残りのプレーヤ10にそれぞれ装着される。
第1送受信機21と第2送受信機22は、図1に示すエンドライン12の外側であってそのエンドライン12上のゴールの左右両脇の各基準位置に一つずつ設置されている。 第1送受信機21と第2送受信機22は、各々が設置された基準位置と各装着ユニット30との距離を測定するための無線信号の送受信を各装着ユニット30との間で行う。詳細は後述する。
図2において、装着ユニット30−k(k=1〜n)は、アンテナ31、無線回路32、CPU(Central Processing Unit)33、メモリ34、オーディオ回路35、イヤホン36L,36Rを有する。アンテナ31、無線回路32、CPU33、メモリ34、オーディオ回路35の各部は、筺体に内蔵される。イヤホン36L,36Rは、装着ユニット30を装着しているプレーヤ10の左右の耳にそれぞれ装着され、筺体から引き出されたケーブルを介してオーディオ回路35と接続される。
各装着ユニット30−k(k=1〜n)の無線回路32は、2つの役割を果たす。
第1の役割は、自らと第1送受信機21および第2送受信機22の各々との距離を測定する測距センサとしての役割である。具体的には、所定の時間(例えば、100分の1秒)ごとに、自らに固有のIDにより変調された測距用無線信号を第1送受信機21および第2送受信機22へ送信する。各送受信機21,22は、各装着ユニット30から各々に固有のIDにより変調された測距用無線信号を受信すると、その無線信号を復調して得た装着ユニット30のIDと自らの設置位置に固有のIDの組によりキャリアを変調した測距用応答無線信号を返信する。各装着ユニット30の無線回路32は、自らのIDと各送受信機21,22の設置位置の各々に固有のIDとにより変調された各測距用応答無線信号をそれらの送受信機21,22から受信する。そして、第1送受信機21との間で無線信号の往復に要した時間を基にその送受信機21のある基準位置までの距離xを算出し、第2送受信機22との間で無線信号の往復に要した時間を基にその送受信機22のある基準位置までの距離yを算出する。
図3に示すように、第1送受信機21のある基準位置を中心とし、第1送受信機21により測定された距離xを半径とする円21cと、第2送受信機22のある基準位置を中心とし、第2送受信機22により測定された距離yを半径とする円22cとをそれぞれ描くことができる。この場合において、円21c,22cの周が交差する2つの点のうち一方に装着ユニット30がある。よって、2つの送受信機21,22からある装着ユニット30までの距離x,yの組をその装着ユニット30の水平面内における位置を示すデータとして取り扱うことが可能である。無線回路32は、この距離x、yの組を示す位置データx,yと自らに固有のIDとにより変調された無線信号をホスト装置40へ送信する。
第2の役割は、後述する案内情報により変調された無線信号をホスト装置40から受信し、その無線信号を復調して得た案内情報をCPU33に供給する役割である。本実施形態において、ホスト装置40は、案内情報により変調された無線信号をスルーパスの出し手のプレーヤ10aが装着する装着ユニット30−1へ送信する。この案内情報は、スルーパスの受け手のプレーヤ10bがオフサイドライン14を越えていない場合にはそのプレーヤ10bのオフサイドライン14までの距離を示し、そのプレーヤ10bがオフサイドライン14を越えている場合はオフサイドライン14を越えた事実のみを示す情報である。なお、この案内情報をどのようにして生成するかについては、後述する。
オーディオ回路35は、音源51を有している。この音源51は、モノラル1チャネルのオーディオ信号を生成し、イヤホン36Lおよび36Rへ供給する。イヤホン36Lおよび36Rは、このオーディオ信号を音としてプレーヤ10の左右の耳に提供する。
装着ユニット30のCPU33は、無線回路32を介して受け取った案内情報に基づいて音源51を制御し、スルーパスの受け手のプレーヤ10bのオフサイドライン14までの接近状況を示す案内音をイヤホン36Lおよび37Rから放音させる。さらに詳述すると、スルーパスの受け手のプレーヤ10bがオフサイドライン14を越えておらず、無線回路32を介して受け取った案内情報がスルーパスの受け手のプレーヤ10bのオフサイドライン14までの距離を示している場合、CPU33は、「ピッ・ピッ・ピッ・ピッ」という断続音のオーディオ信号を音源51に出力させる。また、この場合、スルーパスの受け手のプレーヤ10bのオフサイドライン14までの距離が短くなるのに応じて、断続音の時間間隔を短くしてゆく。一方、スルーパスの受け手のプレーヤ10bがオフサイドライン14を越えていることを無線回路32から受け取った案内情報が示している場合、CPU33は、「ピー」という継続音のオーディオ信号を音源51に出力させる。このように、時間間隔を可変とした断続音または継続音をプレーヤ10に報知することで、プレーヤ10bのオフサイドライン14までの距離をプレーヤ10に直感的に伝えることが可能となる。
ホスト装置40は、ステータス管理テーブル用メモリ41、制御部 44、無線回路46、アンテナ47を有する。ステータス管理テーブル用メモリ41は、ステータス管理テーブルを記憶するメモリである。
図4は、ステータス管理テーブルのデータ構造を示す図である。このテーブルは、複数のプレーヤ10と対応する複数のレコードの集合体である。このテーブルをなす各レコードは、「ID」、「役割」、および「位置」のフィールドを有する。
1人のプレーヤ10に対応した1つのレコードにおいて、「ID」のフィールドには、そのプレーヤ10が装着している装着ユニット30に固有のIDが記憶される。この例において、101は装着ユニット30−1に、102は装着ユニット30−2に、103は装着ユニット30−3に、104は装着ユニット30−4に、105は装着ユニット30−5に,106は装着ユニット30−6に、それぞれ対応するIDである。「役割」のフィールドには、パスの出し手のプレーヤ10であることを示す「passer」、パスの受け手のプレーヤ10であることを示す「receiver」、守備側のプレーヤ10であることを示す「defense」、パスの出し手でも受け手でもない攻撃側のプレーヤ10であることを示す「offense」(図4では図示省略)のうちいずれかの識別子が記憶される。各レコードのそれら2つのフィールドの内容は、図示しない操作子の操作を通じて予め設定される。「位置」のフィールドには、プレーヤ10の2次元平面内での位置を示す位置データx,yが記憶される。
制御部44は、CPU、RAM、ROMなどを有し、ホスト装置40全体の動作を制御する装置である。この制御部44により行われる制御のうち特徴的なものとして、各装着ユニット30から受信した無線信号を基にステータス管理テーブルの各レコードの「位置」のフィールドの位置データx,yを更新する第1の制御と、それらの位置データx,yを基に生成した案内情報をスルーパスの出し手10aの装着ユニット30へ提供する第2の制御がある。
第1の制御において、制御部44は、装着ユニット30の各々から無線信号を受信するたびに、その無線信号を復調してIDと位置データx,yとを取得する。そして、そのIDを「ID」のフィールドに記憶したレコードをステータス管理テーブルから特定し、取得した位置データx,yにより、そのレコードの「位置」のフィールドを更新する。
また、第2の制御において、制御部44は、定期的に(例えば100分の1秒ごとに)、ステータス管理テーブルの各レコードの「位置」のフィールドを参照して各プレーヤ10の位置を求め、各プレーヤ10の位置に基づいて案内情報を生成する。そして、その案内情報をスルーパスの出し手である支援対象プレーヤが装着している装着ユニット30宛てに送信すべき旨の指示を無線回路46に与える。無線回路46は、この指示に従い、案内情報を無線信号としてアンテナ47から送信する。
本実施形態では、以上説明した構成要素のうち、第1送受信機21、第2送受信機22、装着ユニット30のアンテナ31、無線回路32、およびホスト装置40の制御部44、無線回路46、アンテナ47が、「複数のプレーヤの各々の状態を検出する状態検出手段」としての役割を果たし、装着ユニット30のCPU33、オーディオ回路35、イヤホン36L,36R、およびホスト装置40の制御部44が、「前記状態検出手段により検出された複数のプレーヤの状態に基づいて、前記複数のプレーヤの少なくとも一部である支援対象プレーヤに最適な運動を行わせる案内音を発生し、前記支援対象プレーヤに提供する案内音提供手段」としての役割を果たす。
次に本実施形態の動作を説明する。本実施形態においてホスト装置40の制御部44は、ステータス管理テーブルの「位置」フィールドの更新と並行し、本実施形態に特徴的な処理であるスルーパス支援処理を所定の時間ごとに繰り返す。図5は、このスルーパス支援処理の処理内容を示すフローチャートである。望ましくは、制御部44は、このスルーパス支援処理を、ステータス管理テーブルの更新と同程度の時間密度で繰り返す。
スルーパス支援処理において、制御部44は、まず、守備側のプレーヤ10c,10d,10e,10fのうち、エンドライン12に最も近いプレーヤ10を特定する(S100)。エンドライン12に最も近いプレーヤ10の特定は以下の手順に従って行う。まずステータス管理テーブルにおいて「役割」のフィールドに「defense」の識別子が記憶された各レコードを特定する。
次に、それらのレコードの「位置」のフィールドの位置データx、yが示す位置からエンドライン12までの距離hを求める。具体的には、第1送受信機21のある基準位置と第2送受信機22のある基準位置との間の距離aと、第1送受信機21および第2送受信機22の各々と装着ユニット30の間の距離x、yを下記の算出式(1)に入力することにより、各プレーヤ10c,10d,10e,10fに装着された装着ユニット30とエンドライン12の間の距離hを求める。そして、求めた距離hが最も短いプレーヤ10を、エンドライン12に最も近いプレーヤ10として特定する。
Figure 0005504568
続いて、制御部44は、エンドライン12に平行なラインであって、ステップS100で特定したプレーヤ10を通るライン、つまり、オフサイドライン14を特定する(S110)。
さらに、制御部44は、スルーパスの受け手のプレーヤ10bが、ステップS120で特定したオフサイドライン14とエンドライン12の間にいるか否かを判断する(S120)。この判断は、以下の手順に従って行う。まず、ステータス管理テーブルにおいて「役割」のフィールドに「receiver」の識別子が記憶されているレコード、つまり、スルーパスの受け手のプレーヤ10bのレコードを特定する。
次に、そのレコードの「位置」のフィールドの位置データx、yが示す位置からエンドライン12に向かって引いた垂線の長さ、すなわち、スルーパスの受け手のプレーヤ10bからエンドライン12までの距離と、オフサイドライン14からエンドライン12までの距離とを比較する。そして、前者の距離が後者の距離よりも大きければ、スルーパスの受け手のプレーヤ10bは、オフサイドライン14を越えておらず、前者の距離が後者の距離よりも小さければ、スルーパスの受け手のプレーヤ10bは、オフサイドライン14を越え、オフサイドライン14とエンドライン12の間にいると判断する。
ステップS120において、スルーパスの受け手のプレーヤ10bがオフサイドライン14とエンドライン12の間にいないと判断したとき(S120:No)、制御部44は、スルーパスの受け手のプレーヤ10bの位置からオフサイドライン14までの距離を算出する(S130)。
さらに、制御部44は、ステップS130で算出した距離を示す案内情報を、スルーパスの出し手のプレーヤ10aの装着ユニット30に割り当てた通信チャネルの無線信号として送信する(S140)。
この無線信号が装着ユニット30の無線回路32により受信されると、装着ユニット30のCPU33は、その無線信号から復調された案内情報を無線回路32から受け取る。そして、案内情報が示す距離を、断続音の発音間隔に変換し、その発音間隔を示すパラメータをオーディオ回路35へ供給する。パラメータが示す断続音の発音間隔は、案内情報から得た距離が小さいほど短くなる。パラメータの供給を受けたオーディオ回路35の音源51は、アタックの比較的鋭い音のオーディオ信号の出力を、そのパラメータが示す間隔を空けて繰り返す。この結果、イヤホン36L,36Rからは、「ピッ・ピッ・ピッ・ピッ」という断続音が出力され、それらの音の発音の間隔は、スルーパスの受け手のプレーヤ10bとオフサイドライン14の間の距離が小さいほど短くなる。
ステップS120において、スルーパスの受け手のプレーヤ10bがオフサイドライン14とエンドライン12の間にいると判断したとき(S120:Yes)、制御部44は、スルーパスの受け手のプレーヤ10bがオフサイドポジションにいることを示す案内情報を、スルーパスの出し手のプレーヤ10aの装着ユニット30−1に割り当てた通信チャネルの無線信号として送信する(S150)。
この無線信号が装着ユニット30−1の無線回路32により受信されると、装着ユニット30−1のCPU33は、その無線信号から復調された案内情報を無線回路32から受け取る。そして、スルーパスの受け手のプレーヤ10bがオフサイドポジションにいることを案内情報が示しているとCPU33が判断すると、そのCPU33は、継続音の出力を指示するパラメータをオーディオ回路35へ供給する。パラメータの供給を受けたオーディオ回路35の音源51は、オーディオ信号をイヤホン36L,36Rへ供給し続ける。この結果、イヤホン36L,36Rからは、「ピー」という継続音が出力される。
ステップS140またはステップS150を実行した制御部44は、所定の時間が経過すると(S160:Yes)、ステップS100に戻り、以降の処理を繰り返す。
そして、図5に示す一連の処理は、図示しない操作子から終了の指示が下されると、終了になる。
以上説明した本実施形態によると、スルーパスの受け手のプレーヤ10bとオフサイドライン14の間の距離に応じた発音間隔の断続音が、スルーパスの出し手のプレーヤ10aの両耳のイヤホン36L,36Rから出力される。よって、スルーパスの出し手のプレーヤ10aは、自らの装着ユニット30−1のイヤホン36L,36Rから出力される断続音の発音間隔を頼りに受け手のプレーヤ10bがオフサイドライン14を超えるタイミングを感知し、そのタイミングの直前にスルーパスを出す訓練を行うことができ、この訓練を重ねることにより、スルーパスを出す感覚を養うことができる。具体的には、受け手のプレーヤ10bの方を一瞥して得た情報から、その後しばらくの間の各プレーヤ10の状態の変化をイメージ(予測)する、というスルーパスに特有の感覚を養うことができる。この感覚について、詳述する。サッカーのゲームは、敵味方のプレーヤ10が絶えずボール13を奪い合う状況の中で進行するため、スルーパスの出し手のプレーヤ10aは、ボール13を保持している限りそのボール13を奪われるリスクに曝される。スルーパスの出し手のプレーヤ10aは、敵のプレーヤ10によるボール13の奪取に抗う動作(例えば、敵のプレーヤ10とボール13の間に自らの体を入れる動作)にその注意の大半を傾けねばならないので、受け手のプレーヤ10bやその周りの守備側のプレーヤ10の位置取りを目視し続ける余裕はない。優秀なプレーヤ10は、受け手のプレーヤ10bの方向を一瞥しただけでそのプレーヤ10bと周りの守備側のプレーヤ10の位置を把握し、以降のしばらくの間は、その方向に視線を向けることなく、各プレーヤ10の位置の変化をイメージ(予測)する。そして、受け手のプレーヤ10bがオフサイドライン14よりも僅かに手前の位置まで走ったであろうタイミングに合わせてパスを出すのである。この各プレーヤ10の位置の変化をイメージ(予測)する能力は非常に感覚的なもので、従来は、各プレーヤ10の動きを撮影したビデオを後から確認したり、各々の動きの良否についてプレーヤ10同士で議論したり、ピッチ全体を見渡せる位置にいる指導者がスルーパスを出すタイミングを声により知らせる、といった訓練を重ねることでしか習得できなかった。これに対し、本実施形態によると、上述した案内音の提供を通じて、各プレーヤ10の状態の一要素である受け手のプレーヤ10bとオフサイドライン14の距離の変化をイメージ(予測)する能力を、効率的に高めることができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態にかかる運動支援装置は、支援対象プレーヤが「スルーパス」という運動のタイミングを習得するための支援を行った。これに対し、本実施形態にかかる運動支援装置は、支援対象プレーヤが行う運動に関して複数の選択肢がある状況において、支援対象プレーヤに最善の選択肢を選択させる支援を行うものである。より具体的には、本実施形態では、スルーパスの受け手となり得るプレーヤ10を1人から3人に増やす。そして、これらのプレーヤ10の中からエンドライン12に向かって走りかつその加速度が閾値を超えたプレーヤ10を最善の受け手として選択し、この選択したプレーヤ10の位置に音像を定位させた音を、出し手のプレーヤ10aのイヤホン36L,36Rから出力する。
図6は、本実施形態にかかる運動支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。第1実施形態と同様に、この運動支援装置は、第1送受信機21、第2送受信機22、装着ユニット30A−k(k=1〜n)、およびホスト装置40を有する。以降は、装着ユニット30A−k(k=1〜n)を、適宜「装着ユニット30A」と総称する。また、以降の説明では、図1に示すプレーヤ10a,10b,10c,10d,10e,10fが、装着ユニット30A−1,30A−2,30A−3,30A−4,30A−5,30A−6を装着し、スルーパスの受け手として新たに増えた2人のプレーヤ10が、装着ユニット30A−7と装着ユニット30A−8を装着するものとする。
装着ユニット30Aは、地磁気センサ38と加速度センサ39を備え、オーディオ回路35の音源51とイヤホン36L,36Rの間にフィルタ53L,53R、およびアンプ54L,54Rを有する、という点で第1実施形態の装着ユニット30と構成を異にする。
地磁気センサ38は、装着ユニット30Aを装着したプレーヤ10の頭部に貼り付けられ、そのプレーヤ10の顔(頭)の向きを示す信号を出力する。加速度センサ39は、装着ユニット30Aを装着したプレーヤ10の加速度を示す信号を出力する。
無線回路32は、第1実施形態における無線回路32の第1の役割と第2の役割とに加え、地磁気センサ38が検出する顔(頭)の向きを一定時間間隔でサンプリングして向きデータを取得する第3の役割と、加速度センサ39が検出する加速度を一定時間間隔でサンプリングして加速度データを取得する第4の役割とを果たす。そして、無線回路32は、その第3と第4の役割により得た向きデータと加速度データ、および上述の第1の役割により得た位置データx,yを、自らに割り当てられた通信チャネルの無線信号としてアンテナ31から送信する。
このようにして各装着ユニット30Aから送信される向きデータ、加速度データ、および位置データx,yは、ホスト装置40により受信され、スルーパスの最善の受け手のプレーヤ10を求めるための判断資料として利用される。
オーディオ回路35に設けられたフィルタ53L,53Rおよびアンプ54L,54Rは、プレーヤ10に聞かせる案内音の音像定位を制御するための回路である。ここで、フィルタ53L,53Rは、目的とする音像位置から聴者であるプレーヤ10の左右の外耳道入口または鼓膜までの各音響伝達経路のインパルス応答である頭部インパルス応答(HRIR:head related impulse response)をオーディオ信号に各々畳み込むフィルタである。また、アンプ54L,54Rは、目的とする音像位置までの距離感を出すための案内音の音量調整を行う役割を果たす。フィルタ53L,53Rが用いる頭部インパルス応答およびアンプ54L,54RのゲインはCPU33から供給されるパラメータに応じて個別に切り換えられる。
本実施形態にかかるホスト装置40において、ステータス管理テーブル用メモリ41内のステータス管理テーブルのデータ構造は第1実施形態のものと異なる。図7は、本実施形態におけるステータス管理テーブルのデータ構造図である。このテーブルにおいて、各プレーヤ10に対応付けられた各レコードは、「ID」、「役割」、「位置」のフィールドに加えて、「向き」と「加速度」の2つのフィールドを有する。本実施形態の冒頭に記したように、本実施形態においては、スルーパスの受け手のプレーヤ10を1人から3人に増やす。よって、「役割」のフィールドに「receiver」の識別子が記憶されたレコードも、3つになる。また、「ID」のフィールドには、各プレーヤ10が装着している装着ユニット30Aに固有のIDが記憶される。この例において、101は装着ユニット30A−1に、102は装着ユニット30A−2に、103は装着ユニット30A−3に、104は装着ユニット30A−4に、105は装着ユニット30A−5に、106は装着ユニット30A−6に、それぞれ対応するIDである。また、107と108は、新たに増えたスルーパスの受け手のプレーヤ10の装着ユニット30A−7および30A−8にそれぞれ対応するIDである。
「向き」のフィールドには、プレーヤ10の顔の向きを示す向きデータが記憶される。「加速度」のフィールドには、プレーヤ10の加速度を示す加速度データが記憶される。各レコードの「位置」、「向き」、および「加速度」のフィールドの記憶内容は、制御部44によって更新される。「位置」のフィールドの更新の手順は第1実施形態と同様である。また、「向き」と「加速度」のフィールドの更新の手順は以下のとおりである。すなわち、ある装着ユニット30Aからの無線信号が無線回路46により受信され、この受信信号からプレーヤ10の顔の向きを示す向きデータおよびその加速度を示す加速度データが復調されると、制御部44は、ステータス管理テーブルの中から送信元である装着ユニット30Aを装着しているプレーヤ10に対応したレコードを選択し、復調された向きデータおよび加速度データによりそのレコードの「向き」と「加速度」の各フィールドを更新する。
本実施形態では、図6に示す構成要素のうち、第1送受信機21、第2送受信機22、装着ユニット30Aのアンテナ31、無線回路32、地磁気センサ38、加速度センサ39、およびホスト装置40の制御部44、無線回路46、アンテナ47が、「状態検出手段」としての役割を果たし、装着ユニット30AのCPU33、オーディオ回路35、イヤホン36L,36R、およびホスト装置40の制御部44が、「案内音提供手段」としての役割を果たす。
次に本実施形態の動作を説明する。本実施形態においてホスト装置40の制御部44は、ステータス管理テーブルの「位置」、「向き」、および「加速度」のフィールドの更新と並行し、本実施形態に特徴的な処理であるスルーパス支援処理を所定の時間ごとに繰り返す。図8は、本実施形態にかかるスルーパス支援処理の処理内容を示すフローチャートである。本実施形態においては、図1に示すスルーパスの受け手の役割を複数のプレーヤ10に任せてフォーメーショントレーニングを行う。
まず、制御部44は、守備側のプレーヤ10c,10d,10e,10fのうち、エンドライン12に最も近いプレーヤ10を特定した後(S200)、オフサイドライン14を特定する(S210)。これらの両ステップS200,S210は、図5に示すステップS100,S110と同様の手順に従って行われる。次に、制御部44は、スルーパスの受け手の3人のプレーヤ10の少なくとも1人が、エンドライン12から見てオフサイドライン14の向こう側にいるか否かを判断する(S220)。具体的には、「役割」のフィールドに「receiver」の識別子が記憶されている3つのレコードのうちのいずれかの「位置」フィールドの位置データx、yが示す位置からエンドライン12までの距離(すなわち、いずれかのプレーヤ10の位置とエンドライン14との距離)が、オフサイドライン14からエンドライン12までの距離よりも大きいかを判断する。この判断により、オフサイドポジションにいないプレーヤ(あるいはオフサイドポジションにいるプレーヤ)を特定することができる。
ステップS220において、エンドライン12から見てオフサイドライン14の向こう側に少なくとも1人の受け手のプレーヤ10がいると判断したとき(S220:Yes)、制御部44は、それらの受け手のプレーヤ10の中から最善の選択肢となるプレーヤ10を選択するための処理を実行する。具体的には、制御部44は、エンドライン12から見てオフサイドライン14の向こう側にいる受け手の各プレーヤ10について、各々がエンドライン12を向いているか否かを判断する(S230)。この判断は、ステータス管理テーブルにおいて、該当するプレーヤ10に対応したレコードの「向き」のフィールドを参照することにより行われる。そして、エンドライン12を向いている受け手のプレーヤ10がいると判断したとき(S230:Yes)、制御部44は、そのプレーヤ10の加速度が予め設定された閾値よりも大きいか否か判断する(S240)。この判断は、ステータス管理テーブルにおいて、その受け手のプレーヤ10に対応したレコードの「加速度」のフィールドを参照することにより行われる。パスの受け手のプレーヤ10のいずれかが、ディフェンダーの背後への飛び出しを開始すると、ステップS230およびステップS240の判断の結果はいずれも「Yes」となる。ステップS230およびS240の判断結果の両方が「Yes」となる受け手のプレーヤ10が複数名生じる場合も考えられる。この場合の対処方法には各種考えられるが、例えば、それらの複数名の受け手のプレーヤ10のうち最も加速度の大きい者を最善の選択肢とするようにしてもよい。
ステップS240において、最善の選択肢となる受け手のプレーヤ10を決定したとき(S240:Yes)、制御部44は、スルーパスの出し手のプレーヤ10aの位置から見たその受け手のプレーヤ10の位置の方向を特定する(S250)。このステップS250が終了すると、制御部44は、距離算出処理を実行する(S260)。この距離算出処理では、2種類の距離を算出する。1つは、上記第1実施形態と同様、ステップS240において決定したスルーパスの受け手のプレーヤ10のオフサイドライン14までの距離である。もう1つは、スルーパスの出し手のプレーヤ10aからステップS240において決定した受け手のプレーヤ10までの距離である。これらの両距離は、ステータス管理テーブルを参照することにより算出される。そして、制御部44は、ステップS250で特定した方向とステップS260で算出した2種類の距離を示す各情報を含む案内情報を、スルーパスの出し手のプレーヤ10aの装着ユニット30Aに割り当てた通信チャネルの無線信号として送信する(S270)。
ステップS220において、オフサイドライン14の向こう側に受け手のプレーヤ10がいないと判断した場合(S220:No)、ステップS230において、受け手のプレーヤ10がエンドライン12を向いていないと判断した場合(S230:No)、ステップS240において、加速度が閾値と同じかそれよりも小さいと判断した場合(S240:No)、または、ステップS270を実行したときは、制御部44は、所定の時間が経過してから(S280:Yes)、ステップS200に戻り、以降の処理を繰り返す。
そして、図8に示す一連の処理は、図示しない操作子から終了の指示が下されると、終了になる。
装着ユニット30Aの無線回路32は、ホスト装置40から無線信号を受信し、受信信号から案内情報を復調すると、この案内情報をCPU33に引き渡す。CPU33は、この案内情報が示す受け手のプレーヤ10の方向と自らの地磁気センサ38が検出する顔の向きとのずれ量をフィルタ53L,53Rの各々の頭部インパルス応答に変換し、得られた頭部インパルス応答を示すパラメータをフィルタ53L,53Rへそれぞれ供給する。また、案内情報が示す受け手のプレーヤ10までの距離に応じてアンプ54L,54Rの各々のゲインを増減する。さらに詳述すると、CPU33は、受け手のプレーヤ10までの距離が長くなるのに応じて、アンプ54L,54Rのゲインを下げて案内音の音量を下げる。この結果、イヤホン36L,36Rからは、受け手のプレーヤ10の位置に音像を定位させたまま、受け手のプレーヤ10までの距離に応じた音量の案内音が発音される。さらにCPU33は、上記第1実施形態と同様、案内情報が示す受け手のプレーヤ10のオフサイドライン14までの距離に応じて、音源51における断続音のオーディオ信号の発生間隔を制御する。
以上説明した本実施形態では、エンドライン12に向かって走りかつその加速度が閾値を超えたプレーヤ10の位置に音像を定位させた音が、スルーパスの出し手のプレーヤ10aのイヤホン36L,36Rから出力される。よって、出し手のプレーヤ10aは、自らの装着ユニット30A−1のイヤホン36L,36Rから出力される音の音像を頼りに最善の選択肢である受け手のプレーヤ10の位置を感知し、その位置へスルーパスを出す訓練を受けることができる。そして、この訓練を重ねることにより、ディフェンダーの裏への飛び出しの動きを行う味方のプレーヤ10を感知する感覚を養うことができる。上述したように、優秀なプレーヤ10は、受け手のプレーヤ10の方を一瞥して得た情報から、その後しばらくの間の各プレーヤ10の状態の変化をイメージ(予測)する能力に長けている。その能力が未熟であると、せっかく受け手のプレーヤ10がディフェンスの裏へ飛び出す動きを行っても、出し手のプレーヤ10aがその動きを認識し得ないためにパスを出せず、飛び出しの動きが無駄になることが多くなる。これに対し、本実施形態によると、味方の複数のプレーヤ10の状態の変化を同時にイメージ(予測)する能力を、効率的に高めることができ、裏へ飛び出す動きが無駄になる割合を少なくすることができる。
(第3実施形態)
本実施形態にかかる運動支援装置は、バレーボールのレシーブの陣形の隙を解消する能力の向上を支援するものである。
図9は、6人制バレーボールのコートの一方の陣に向けて他方の陣からアタックが撃ち込まれる直前の各プレーヤ10の守備位置の関係を示す図であり、ネット15を挟んで対向するアタッカー16とそのレシーブを準備する6人のプレーヤ10k,10j,10m,10n,10p,10q(以下、適宜「プレーヤ10」と記す)、およびアタッカー16にアタックされるボール13の位置が記されている。レシーブは、自陣内に向かって撃ち込まれるボール13を自らの腕などで上方へ跳ね返す運動である。図9においては、前衛のプレーヤ10kからプレーヤ10jまでの距離とそのプレーヤ10jからプレーヤ10mまでの距離のバランスが悪く、後衛のプレーヤ10n,10p,10qからほぼ同じ距離だけ離れた領域Xに向かってプレーヤ10kとプレーヤ10jの間からボール13が撃ち込まれると、いずれのプレーヤ10もボール13へその着地前に触れることができず、失点となる。つまり、この図9に示す領域Xは、6人のプレーヤ10のレシーブ可能領域17k,17j,17m,17n,17p,17q(以下、適宜「レシーブ可能領域17」と記す)のいずれにもカバーされない、守備陣形の隙となっている。アタックされるボール13に対するレシーブの成功の確率を高めるためには、各プレーヤ10のレシーブ可能領域17のバランスの確保と、敵陣内でのボール13の移動に応じた各々の守備位置の調整とが不可欠である。本実施形態にかかる運動支援装置は、陣形の隙が生じた場合にその所在を各プレーヤ10に知らせ、各プレーヤ10に位置調整を促すシステムである。
図10 は、本実施形態にかかる運動支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、この図において、上記第1実施形態(図2)および第2実施形態(図6)の運動支援装置の各部と共通する部分には、同一の符号が付されている。この運動支援装置は、第1送受信機21、第2送受信機22、第3送受信機23、複数の装着ユニット30B−k(k=1〜6)、ホスト装置40およびボール位置検出ユニット50を有する。以降は、装着ユニット30B−k(k=1〜6)を、適宜「装着ユニット30B」と総称する。
図10において、装着ユニット30B−1は図9のプレーヤ10kに、装着ユニット30B−2はプレーヤ10jに、装着ユニット30B−3はプレーヤ10mに、装着ユニット30B−4はプレーヤ10nに、装着ユニット30B−5はプレーヤ10pに、装着ユニット30B−6はプレーヤ10qにそれぞれ装着される。
第1送受信機21および第2送受信機22は、自陣コートのエンドライン外側と自陣コートから見たネット15の向こう側の各基準位置に設置される。また、第3送受信機23は、サイドラインの中央付近の基準位置に設置される。第1実施形態および第2実施形態と異なり、3個の送受信機21〜23を用いるのは、本実施形態では、高さ方向に位置を変えるボール50が測位対象に含まれており、このボール50の位置を特定するためには、3つの基準位置からの各距離を測定する必要があるからである。
本実施形態の装着ユニット30Bは、第2実施形態のもののような地磁気センサ38および加速度センサ39を有していない。オーディオ回路35は、隙領域の所在位置を知らせる案内音のオーディオ信号を生成する回路である。このオーディオ回路35において、音源51は、正弦波(純音)など、音像定位を付与した効果が聞き取り易く、長時間聞いていても疲れない音のオーディオ信号を出力する。フィルタ53Lおよび53R、アンプ54Lおよび54Rの機能および役割は上記第2実施形態と同様である。
ボール位置検出ユニット50は、ボール13に内蔵される。ボール位置検出ユニット50は、所定の時間(例えば、1/100秒)ごとに、第1送受信機21,第2送受信機22,および第3送受信機23との間で無線信号を送受信し、その送受信に要した時間を基に、自らとそれら送受信機21,22,23の各々との距離x,y,zを算出する。そして、その距離x,y,zを示す位置データx,y,zによりキャリアを変調した無線信号をホスト装置40へ送信する。
本実施形態にかかるホスト装置40の構成は、ステータス管理テーブルのデータ構造を除いて、第2実施形態と同様である。図11は、ステータス管理テーブルのデータ構造図である。このテーブルは、各々が、装着ユニット30Bを装着したプレーヤ10と対応する複数のレコードの集合体である。このテーブルをなす各レコードは、「ID」、「運動能力」および「位置」の各フィールドを有する。
「ID」のフィールドには、各プレーヤ10が装着している装着ユニット30Bに固有のIDが記憶される。この例において、201は装着ユニット30B−1に、202は装着ユニット30B−2に、203は装着ユニット30B−3に、204は装着ユニット30B−4に、205は装着ユニット30B−5に、206は装着ユニット30B−6に、それぞれ対応するIDである。「運動能力」のフィールドには、運動能力パラメータが記憶される。運動能力パラメータは、各プレーヤ10の身長、体重などの体格的特性や、跳躍力、動体視力などといった、各々の運動能力の高さを示すパラメータである。各レコードのそれら2つのフィールドの内容は、図示しない操作子の操作を通じて予め設定される。「位置」のフィールドには、プレーヤ10の水平面内での位置を示す位置データx,yが記憶される。上記第1実施形態と同様、制御部44は、各装着ユニット30Bから受信した無線信号を基にステータス管理テーブルの各レコードの「位置」のフィールドの位置データx,yを更新する。また、制御部44は、ボール位置検出ユニット50から受信する無線信号を復調し、ボール13の3次元空間内の位置を示す位置データx,y,zを取得する。
本実施形態では、図10に示す構成要素のうち、第1送受信機21、第2送受信機22、装着ユニット30Bのアンテナ31、無線回路32、およびホスト装置40の制御部44、無線回路46、アンテナ47が、「状態検出手段」としての役割を果たし、装着ユニット30BのCPU33、オーディオ回路35、イヤホン36L,36R、およびホスト装置40の制御部44が、「案内音提供手段」としての役割を果たす。
次に本実施形態の動作を説明する。本実施形態において、ホスト装置40の制御部44は、ステータス管理テーブルの「位置」のフィールドの更新やボール13の3次元空間内の位置の特定と並行し、レシーブ支援処理を所定の時間ごとに繰り返し実行する。図12は、このレシーブ支援処理の処理内容を示すフローチャートである。
まず、制御部44は、案内音発生可否判断処理を実行する(S300)。この案内音発生可否判断処理は、隙領域を判断してその所在を知らせる案内音を発生させるための処理、具体的にはステップS310〜S350までの処理を実行すべきか否かを判断する処理である。この処理の態様には、各種のものが考えられる。第1の態様において、案内音発生可否判断処理では、ボール位置検出ユニット50から定期的に受信される無線信号を復調して得た位置データx,y,zを基に、ボール13の現在位置が相手陣内にあるか否かを判断し、相手陣内にある場合に、ステップS310〜S350までの処理を実行すべきと判断する。第2の態様において、位置データx,y,zを基にボール13の位置の変化を監視し、相手陣内においてトスが上がったと認められる場合に、ステップS310〜S350までの処理を実行すべきと判断する。具体的には、ボール13の位置が相手陣内にあり、かつ、その高さがネットの上端を超えて極大値となったときにトスが上がったと判断する。第3の態様において、案内音発生可否判断処理では、敵コートからサーブまたはアタックが行われたと認められる場合に、ステップS310〜S350までの処理を実行すべきと判断する。具体的には、位置データx,y,zにより特定されるボール13の現在位置がネットを越えて味方陣内に入った場合に、敵コートからサーブまたはアタックが行われたと判断する。好ましい態様において、制御部44は、図示しない操作子の操作に応じて、上記第1〜第3の態様のいずれかを選択し、選択した態様で案内音発生可否判断処理を実行する。
ステップ300において、ステップS310〜S350までの処理を実行すべきと判断した制御部44は(S300:Yes)、まず、ステータス管理テーブルの内容と位置データx,y,zにより特定されるボール13の位置とに基づき、各プレーヤ10のレシーブ可能領域17を特定する(S310)。レシーブ可能領域17は、自陣に撃ち込まれたボール13へその着地前に触れることができる領域であり、制御部44は、各プレーヤ10k,10j,10m,10n,10p,10qの各々についてこのレシーブ可能領域17を個別に求める。このレシーブ可能領域17の大きさや形状は、プレーヤ10の運動能力や位置、およびボール13の位置に依存して決まる。よって、ステータス管理テーブルから各プレーヤ10と対応するレコードを1つずつ特定し、特定したレコードの「運動能力」と「位置」のフィールドに記憶されたデータおよびボール13の位置を示すデータを、それらの値を変数とするレシーブ可能領域解析関数へ入力する、という処理を繰り返すことにより、自陣内のすべてのプレーヤ10のレシーブ可能領域17が特定される。
制御部44は、各プレーヤ10の位置を中心として、ある広がりを持った領域をレシーブ可能領域17として求める。その際、制御部44は、例えば次のようなルールに従い、レシーブ可能領域17の形状および大きさを決定する。
a.相手コートのどこからアタックが行われるかにより、ボール13への反応が容易なプレーヤ10とそうでないプレーヤ10が異なったものとなる。アタック時のボール13からの距離が長いプレーヤ10は、ボール13が到来するまでの時間が長く、ボール13に反応することが容易である。アタック時のボール13からの距離が短いプレーヤ10は、ボール13が到来するまでの時間が短く、ボール13に反応することが困難である。そこで、ボール13の現在位置の近くにいるプレーヤ程、レシーブ可能領域17を狭くし、ボール13の現在位置から遠く離れているプレーヤ程、レシーブ可能領域17を広くする。
b.例えば敵コートからのサーブが行われるような場合、ボール13は、相手コートから上空を通って味方コート内に飛んでくる。そこで、後衛のレシーブ可能領域17は、前衛のレシーブ可能領域17よりも広くする。
c.前衛でブロックするプレーヤ10は、上記ルールbに従うと、レシーブ可能領域17の面積が狭くなるが、ブロックが成功した場合にはプレーヤ10の背後の領域にボール13が落ちることはない。従って、前衛でブロックするプレーヤ10については、ブロックが成功することを前提とし、プレーヤ10の背後に細長く延びるようにレシーブ可能領域17の形状を調整する。
d.図示しない操作子の操作により指定された場合には、ステータス管理テーブルにより指定された各プレーヤ10の運動能力を参照し、運動能力の高いプレーヤ10はレシーブ可能領域17を全体的に拡げ、運動能力の低いプレーヤ10はレシーブ可能領域17を全体的に縮める。
e.相手コートからプレーヤ10へのボール13の軌跡を自陣コートに投影すると、幾何学的に後方に長い“影”の領域が投影される。従って、プレーヤ10の後方のレシーブ可能領域17は、前方のレシーブ可能領域17より長くする。
自陣内のすべてのプレーヤ10の各々のレシーブ可能領域17を特定した制御部44は、隙領域を特定する(S320)。隙領域は、自陣内の領域であって、いずれのプレーヤ10のレシーブ可能領域17とも重ならない領域である。
隙領域を特定した制御部44は、自陣内のプレーヤ10の各々を支援対象プレーヤとし、各支援対象プレーヤについて、各々の顔面の正面方向を基準とした隙領域の相対的な方向を特定する(S330)。さらに詳述すると、この処理では、支援対象プレーヤがボール13に顔面を向けていることを前提とし、ボール13の水平面上の投影位置とステータス管理テーブルが示す支援対象プレーヤの位置とを結ぶ直線と、隙領域の代表点(例えば隙領域の重心位置)と支援対象プレーヤの位置とを結ぶ直線とがなす角度を求める。そして、この角度を支援対象プレーヤから見た隙領域の相対的な方向を示す情報とする。次に制御部44は、各支援対象プレーヤの位置とその隙領域の代表点との間の距離を特定する(S340)。そして、制御部44は、各支援対象プレーヤについてステップS330で特定した方向とステップS340で特定した距離を示す案内情報を作成し、その支援対象プレーヤの装着ユニット30に割り当てた通信チャネルのキャリアをこの案内情報により変調し、無線信号として送信する(S350)。
ステップS300にて、ステップS310〜S350までの処理を実行すべきでないと判断したとき(S300:No)、または、ステップS350を実行したとき、制御部44は、所定の時間が経過してから(S360:Yes)、ステップS300に戻り、以降の処理を繰り返す。
装着ユニット30Bの無線回路32は、ホスト装置40から無線信号を受信し、受信信号から案内情報を復調したとき、この案内情報をCPU33に引き渡す。装着ユニット30BのCPU33は、この案内情報が引き渡されたとき、案内情報が示す隙領域の方向に音像を定位させる頭部インパルス応答をフィルタ53L,53Rへ設定する。また、CPU33は、案内情報が示す隙領域までの距離をアンプ54L,54Rの各々のゲインに変換し、得られたゲインをアンプ54L,54Rに設定する。この結果、イヤホン36L,36Rからは、隙領域に音像を定位させた案内音が発音される。
図12に示す一連の処理は、図示しない操作子から終了の指示が下されると、終了になる。
以上説明したように、本実施形態では、レシーブの陣形の隙の領域に音像を定位させた音が、その陣形をとるプレーヤ10の各々の耳のイヤホン36L,36Rから出力される。従来は、コート全体を見渡せる位置にいる指導者が、隙となっている領域やその領域をなくすための位置取りの修正をコート内の各プレーヤ10へ声により知らせたり、プレーが途切れている間に各プレーヤ10が各々の位置取りの良否を議論する、といった訓練を重ねることでしか、レシーブの陣形の隙を解消する能力を高めることができなかった。これに対し、本実施形態では、レシーブの陣形をとる各プレーヤ10は、各々の装着ユニット30Bのイヤホン36L,36Rから出力される音の音像を手がかりに陣形の隙を感知し、その隙を埋め合わせるように各々の位置を調整する訓練を受けることができる。よって、従来行われていたような指導者による声の案内やプレーヤ10間の議論を行うことなく、また、プレーを中断させることなく、隙のない陣形を保つ能力を高めることができる。
(第4実施形態)
本実施形態は、ニーラーと呼ばれるレース用の側車付オートバイのドライバーとパッセンジャーを支援対象プレーヤとし、その2人の支援対象プレーヤによる旋回(コーナリング)の能力の向上を支援する。
図13 は、側車が連結された側(左側)へ旋回する側車付オートバイと、その旋回の間のドライバー18とパッセンジャー19の姿勢とを示す図である。側車付オートバイの旋回の間は、旋回の方向と逆の方向へ強い遠心力が発生するので、ドライバー18とパッセンジャー19の両者の重心を旋回方向へ移動させてその遠心力に抗い、側車付オートバイの転倒を防ぎつつ、高速走行を維持する。図13に示すように、パッセンジャー19は、オートバイ自体を操縦するためのハンドル操作を行うことがなく、側車の外側へ身を乗り出すような極端な重心移動を行うことによって、ドライバー18の重心移動量の不足を補う役割を果たす。本実施形態は、この側車付オートバイを旋回させる際に、ドライバー18のハンドリング(ハンドル回転および重心移動)と、パッセンジャー19の重心移動とを調和させる支援を行うものである。
図14 は、本実施形態にかかる運動支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。この運動支援装置は、ハンドリング検出センサ61、重心移動検出センサ81、ADC64、CPU65、メモリ66、イヤホン67L,67R、イヤホン87L,87R、およびオーディオ回路68を有する。図14に示す各部のうち、ハンドリング検出センサ61は、側車付オートバイのハンドルに搭載され、重心移動検出センサ81は、その側車の座席の床面に搭載される。また、イヤホン67L,67Rは、ドライバー18の左右の耳にそれぞれ装着され、イヤホン87L,87Rは、パッセンジャー19の左右の耳にそれぞれ装着される。そして、残りの各部は筺体に内蔵され、その筺体は、図示しない装着部材を介してドライバー18に装着される。
ハンドリング検出センサ61は、ハンドルの回転量(すなわち、角速度[ラジアン/秒])とその方向とを検出するためのセンサである。ハンドリング検出センサ61は、側車付オートバイが直進するときのハンドルの位置(以下、「ニュートラル位置」と呼ぶ)を基準とするハンドルの回転量とその方向を検出し、検出した回転量と方向とを示すアナログ信号をADC64へ出力する。ハンドルの左への回転量が大きくなると、ハンドリング検出センサ61が出力するアナログ信号の振幅は正の側へその回転量の分だけ大きくなり、ハンドルの右への回転量が大きくなると、ハンドリング検出センサ61が出力するアナログ信号の振幅は負の側へその回転量の分だけ大きくなる。
重心移動検出センサ81は、パッセンジャー19が左右の足を載せる左右一対のフォースプレートを有し、これらのフォースプレートに加わる圧力を検出して、パッセンジャー19の重心の移動量(すなわち、角速度[ラジアン/秒])とその方向とを検出するセンサである。重心移動検出センサ81は、側車付オートバイが直進するときの重心(以下、「ニュートラル重心」と呼ぶ)を基準とする重心の移動量とその方向を検出し、検出した移動量とその方向を示すアナログ信号をADC64へ出力する。重心の左への移動量が大きくなると、重心移動検出センサ81が出力するアナログ信号の振幅は正の側へその移動量の分だけ大きくなり、重心の右への移動量が大きくなると、重心移動検出センサ81が出力するアナログ信号の振幅は負の側へその移動量の分だけ大きくなる。
ADC64は、ハンドリング検出センサ61および重心移動検出センサ81からそれぞれ供給されるアナログ信号をデジタル信号に変換してCPU65へ供給する。
オーディオ回路68は、第1音源71、第2音源72、第1基本周波数調整器73、第2基本周波数調整器74、第1減算器56、第2減算器57、第1乗算器77L、第2乗算器77R、第3乗算器78L、第4乗算器78R、第1ミキサー79、第2ミキサー80を有する。第1音源71は、第1の音のオーディオ信号を発生し、第2音源72は、第1の音と和音の関係(すなわち、周波数が整数比の関係)にある第2の音のオーディオ信号を発生する。両音源71,72がそれぞれ発生する音の基本周波数は、両者の間に和音の関係が成立しさえすれば、どのような設定にしてもよい。
第1音源71が発生したオーディオ信号は第1基本周波数調整器73へ、第2音源72が発生したオーディオ信号は第2基本周波数調整器74へそれぞれ供給される。各基本周波数調整器73,74は、音源71,72から供給されるオーディオ信号へ、その基本周波数をシフトする信号処理を施す。基本周波数を高域側と低域側のいずれの方向へどの程度シフトするかは、CPU65からそれらの基本周波数調整器73,74へ供給される基本周波数調整パラメータに応じて決まる。
第1基本周波数調整器73による信号処理を経た第1の音のオーディオ信号は、第1乗算器77Lおよび第2乗算器77Rへそれぞれ供給される。また、第2基本周波数調整器74による信号処理を経た第2の音のオーディオ信号は、第3乗算器78Lおよび第4乗算器78Rへそれぞれ供給される。
乗算器77Lおよび77Rは、第1音源71から出力される第1の音のオーディオ信号から左右2チャネルのオーディオ信号を発生するとともに、これら左右2チャネルのオーディオ信号の音量バランスを調整する手段である。同様に乗算器78Lおよび78Rは、第2音源72から出力される第2の音のオーディオ信号から左右2チャネルのオーディオ信号を発生するとともに、これら左右2チャネルのオーディオ信号の音量バランスを調整する手段である。CPU65は、第1の音の左右の音量バランスを指定する第1のパニング係数パラメータと第2の音の左右の音量バランスを指定する第2のパニング係数パラメータを出力する。これらのパニング係数パラメータは、各々、0から1.0の範囲内の数値である。
減算器56は、第1のパニング係数パラメータを1から減算した数値を出力する。また、減算器57は、第2のパニング係数パラメータを1から減算した数値を出力する。乗算器77Lは、第1のパニング係数パラメータを第1の音のオーディオ信号に乗算し、第1の音のLチャネルのオーディオ信号として出力する。また、乗算器77Rは、減算器56から出力される数値を第1の音のオーディオ信号に乗算し、第1の音のRチャネルのオーディオ信号として出力する。一方、乗算器78Lは、第2のパニング係数パラメータを第2の音のオーディオ信号に乗算し、第2の音のLチャネルのオーディオ信号として出力する。また、乗算器78Rは、減算器57から出力される数値を第2の音のオーディオ信号に乗算し、第2の音のRチャネルのオーディオ信号として出力する。ミキサー79は、乗算器77Lおよび78Lから出力される第1および第2の各音のLチャネルのオーディオ信号をミキシングし、ミキシング結果であるLチャネルのオーディオ信号をLチャネルのイヤホン67Lおよび87Lに出力する。ミキサー80は、乗算器77Rおよび78Rから出力される第1および第2の各音のRチャネルのオーディオ信号をミキシングし、ミキシング結果であるRチャネルのオーディオ信号をRチャネルのイヤホン67Rおよび87Rに出力する。
本実施形態では、図14に示す構成要素のうち、ハンドリング検出センサ61、重心移動検出センサ81、およびADC64が、「状態検出手段」としての役割を果たし、CPU65、オーディオ回路68、およびイヤホン67L,67R,87L,87Rが、「案内音提供手段」としての役割を果たす。
次に本実施形態の動作を説明する。図15は、CPU65から供給されるパラメータとそのパラメータに応じてオーディオ回路68の各部が行う信号処理の内容とを示す図である。
CPU65は、ニュートラル位置から右方向または左方向へのハンドルの回転をハンドリング検出センサ61により検出すると、その回転量に応じた基本周波数のシフト量を指定する第1の基本周波数調整パラメータを第1基本周波数調整器73へ供給するとともに、その回転の方向に応じた第1のパニング係数パラメータを出力する。具体的には、CPU65は、ハンドルの回転の方向が左であるときは第1の音の基本周波数を高域側へシフトさせる第1の基本周波数調整パラメータを生成し且つそのシフト量を回転量に比例させる一方、ハンドルの回転の方向が右であるときは第1の音の基本周波数を低域側へシフトさせる第1の基本周波数調整パラメータを生成し且つそのシフト量を回転量に比例させる。また、ハンドルの回転の方向が左であるときは、0.5よりも大きい所定の係数(例えば、0.75)を示す第1のパニング係数パラメータを供給し、ハンドルの回転の方向が右であるときは、0.5よりも小さい所定の係数(例えば、0.25)を示す第1のパニング係数パラメータを供給する。
上述した第1の基本周波数調整パラメータの供給を受けた第1基本周波数調整器73は、自らを経由する第1の音のオーディオ信号の基本周波数のシフト量と方向を、そのパラメータに応じて切り換える。また、上述した第1のパニング係数パラメータの供給を受けた第1乗算器77Lおよび第2乗算器77Rは、自らを経由する周波数シフト済みのオーディオ信号の音量のレベルの配分の比率をそのパラメータに応じて切り換える。この結果、第1ミキサー79および第2ミキサー80によるミキシングを経て発音される第1の音の音程と音像の方向が、ドライバー18のハンドルの操作に応じて変化する。
また、CPU65は、ニュートラル重心から右方向または左方向への重心の移動を重心移動検出センサ81により検出すると、その移動量に応じた基本周波数のシフト量を指定する第2の基本周波数調整パラメータを第2基本周波数調整器74へ供給するとともに、その移動の方向に応じた第2のパニング係数パラメータを出力する。具体的には、CPU65は、重心の移動の方向が左であるときは第2の音の基本周波数を高域側へシフトさせる第2の基本周波数調整パラメータを生成し且つそのシフト量を移動量に比例させる一方、重心の移動の方向が右であるときは第2の音の基本周波数を低域側へシフトさせる第2の基本周波数調整パラメータを生成し且つそのシフト量を移動量に比例させる。また、重心の移動の方向が左であるときは、0.5よりも大きい所定の係数(例えば、0.75)を示す第2のパニング係数パラメータを供給し、重心の移動の方向が右であるときは、0.5よりも小さい所定の係数(例えば、0.25)を示す第2のパニング係数パラメータを供給する。
上述の第2の基本周波数調整パラメータの供給を受けた第2基本周波数調整器74は、自らを経由する第2の音のオーディオ信号の基本周波数のシフト量と方向を、そのパラメータに応じて切り換える。また、上述の第2のパニング係数パラメータの供給を受けた第3乗算器78Lおよび第4乗算器78Rは、自らを経由する周波数シフト済みのオーディオ信号の音量のレベルの配分の比率をそのパラメータに応じて切り換える。この結果、第1ミキサー79および第2ミキサー80によるミキシングを経て発音される第2の音の音程と音像の方向が、パッセンジャー19の体重の移動に応じて変化する。
ここで、CPU65は、第1基本周波数調整器73と第2基本周波数調整器74へ同じ値の基本周波数調整パラメータが供給されている場合は第1の音と第2の音のオーディオ信号の周波数が元の周波数比(すなわち、和音の関係にある周波数比)を保ったままシフトされるように、第1基本周波数調整器73および第2基本周波数調整器74における基本周波数調整パラメータとシフト量の関係を統合して制御する。
以上説明したところを表に纏めると、以下のようになる。
Figure 0005504568
以上説明したように、本実施形態では、ドライバー18がハンドルを左方向(右方向)に回転させた場合には、ハンドルの回転量に応じた分だけ第1の音の基本周波数が高域側(低域側)にシフトし、パッセンジャー19が左方向(右方向)に重心を移動させた場合には、その移動量に応じた分だけ第2の音の基本周波数が高域側(低域側)にシフトする。ここで、ハンドルの回転方向とパッセンジャー19の重心の移動方向が一致しており、かつ、ハンドルの回転量に対してパッセンジャー19の重心の移動量が適度であるときは、第1および第2の音の各基本周波数は、同じ方向に同一周波数比を維持しつつシフトする。従って、ドライバー18およびパッセンジャー19の耳に聞こえる第1および第2の音は和音を構成する。しかし、ハンドルの回転方向とパッセンジャー19の重心の移動方向が一致していない場合、あるいは、方向が一致していたとしても、ハンドルの回転量に対してパッセンジャー19の重心の移動量が不釣り合いであるときは、第1および第2の音の各基本周波数の周波数比が本来あるべき周波数比から変化し、非調和な状態となる。従って、ドライバー18およびパッセンジャー19は、イヤホンから聞こえる第1および第2の音のハーモニー感に基づき、お互いの運動の調和がとれているか否かを判断することができる。
また、本実施形態においては、ドライバー18によるハンドルの回転の方向とパッセンジャー19による体重の移動の方向が同じであれば、第1の音と第2の音の音像が同じ方向へパニングするようになっている。よって、旋回の間の第1の音と第2の音の音像の方向に注意を傾けることにより、ドライバー18は、自らのハンドルの回転の方向とパッセンジャー19の体重移動の方向が一致していることを確認でき、また、パッセンジャー19も、自らの重心移動の方向とドライバー18によるハンドルの回転の方向が一致していることを確認できる。
(他の実施形態)
本願発明は、種々の変形実施が可能である。
(1)上記第1および第2実施形態では、ピッチの周辺に2機の送受信機21,22を設け、各装着ユニット30が測距用無線信号を送信した送信時と、送受信機21,22から測距用応答無線信号を受信した受信時との間の所要時間に無線信号の空気中の伝播速度を乗じることによって、各装着ユニット30と送受信機21,22の間の距離を求めた。これに対し、ピッチの周辺に3機以上の送受信機を所定の間隔をおいて設置し、各々の送受信機から測距用応答無線信号を発信させてもよい。この変形例によると、例えば、ピッチの全面をカバーするような強い電波強度の無線信号を送受信機が送信することができない場合でも、ピッチ内のプレーヤ10の位置を確実に特定できる。
(2)第1から第3の各実施形態では、装着ユニット30の側から先に測距用無線信号を発信するのではなく、送受信機から装着ユニット30に宛てて発信した測距用無線信号へ装着ユニット30が測距用応答無線信号を返信し、送受信機が、測距用無線信号の送信時と測距用応答無線信号の受信時の間の所要時間を基に装着ユニット30との距離を特定するようにしてもよい。
(3)第1から第3の各実施形態では、ピッチの周辺の複数の基準位置にそれぞれ備え付けた発信装置から発信時刻のタイムコードによりキャリアを変調した無線信号を発信させ、その無線信号を受信した装着ユニット30が、受信した無線信号を復調して得たタイムコードが示す時刻とその受信時の差分を基に各発信装置との距離を求め、求めた距離を基に割り出した自らの位置を示す無線信号を発信するようにしてもよい。この場合、各発信装置と装着ユニット30の距離が0であるときに、無線信号の送信時と受信時の差分が0になるように、発信装置と装着ユニット30のタイマの時刻設定をキャリブレーションした上で、距離の測定を行うようにするとよい。この変形例によると、基準位置と装着ユニット30のうち一方から他方へ無線信号を送信するだけで装着ユニット30の位置を特定でき、第1実施形態や第2実施形態のように無線信号を往復させる必要がなくなる。
(4)上記第1実施形態および第2実施形態では、ディフェンダーの裏への飛び出しを行うプレーヤ10とオフサイドライン14との距離やそのプレーヤ10の位置の感知を促す案内音を、スルーパスの出し手のプレーヤ10aの装着ユニット30から発音するようにした。これに対し、スルーパスを阻む守備側のプレーヤ10の装着ユニット30がその守備陣形を整えるための案内音を発音するようにしてもよい。この変形例は、たとえば、以下のような構成により実現可能である。まず、ディフェンスラインを組む3人または4人のプレーヤ10の位置を特定する。そして、それらの3人または4人のうちエンドライン12に最も近いプレーヤ10がサイドのプレーヤ10であるときは、そのプレーヤ10の装着ユニット30から大音量の警告音を発音する。サッカーにおいては、ほぼ横一列に並ぶ3人または4人のディフェンダーのうち中央の1人または2人がサイドのディフェンダーよりやや後ろに位置していることが、オフサイドトラップと呼ばれる戦術を使うのに都合がよいとされている。よって、右サイドまたは左サイドの守備側のプレーヤ10は、自らの装着ユニット30から大音量の警告音が発音されると、自らの位置がゴールライン12に近すぎることを感知し、中央のプレーヤ10に合わせた位置取りの修正を行うことができる。
上述した変形例の運動支援装置としての概要を示すと、以下のようになる。「複数のプレーヤの各々の状態を検出する状態検出手段と、前記状態検出手段により検出された複数のプレーヤの状態に基づいて、前記複数のプレーヤの少なくとも一部である支援対象プレーヤに最適な運動を行わせる案内音を発生し、前記支援対象プレーヤに提供する案内音提供手段とを備え、前記状態検出手段は、前記複数のプレーヤの状態として、サッカーのオフサイドラインを形成する複数のプレーヤの位置を検出し、前記案内音提供手段は、前記オフサイドラインを形成する複数のプレーヤのうちサイドのプレーヤを支援対象プレーヤとし、前記状態検出手段により検出される複数のプレーヤの位置を基にエンドラインに最も近いプレーヤを求め、その最も近いプレーヤと支援対象プレーヤとが同じプレーヤであると判断すると、その支援対象プレーヤに提供する案内音の発音態様を変化させることを特徴とする運動支援装置」。
(5)第2実施形態では、音源51が発生したオーディオ信号へフィルタ53L,53Rにより頭部インパルス応答を畳み込むことにより、その音像定位を制御した。しかし、フィルタ53L,53Rの代わりに遅延回路を搭載し、この遅延回路の遅延量とその後段のアンプ54L,54Rのゲインの調整により、音像定位を制御してもよい。
(6)第2実施形態および第3実施形態において、イヤホン36L,36Rから出力する案内音を、スルーパスの受け手のプレーヤ10の方向や守備陣形の隙領域の方向へパンニングさせるようにしてもよい。この変形例は、左右2チャネルの音の音量の配分の比率を変える一対の乗算器を、フィルタ53L,53R、アンプ54L,54Rの代わりに搭載することにより、実現することができる。この変形例の場合、スルーパスの受け手のプレーヤ10や守備陣形の隙領域までの距離を案内音を手がかりにして把握することは難しいものの、それらの方向を把握することはできる。
(7)上記第1実施形態および第2実施形態では、スルーパスの受け手のプレーヤ10bとオフサイドライン14の間の距離に応じた発音間隔の音を、スルーパスの出し手のプレーヤ10aの左右の耳に装着されたイヤホン36L,36Rから発音するようにした。これに対し、ピッチの周辺に備え付けたスピーカから発音する音の発音間隔をその距離に応じて変化させるようにしてもよい。これにより、スルーパスの出し手のプレーヤ10aを含むすべてのプレーヤ10が、受け手のプレーヤ10bとオフサイドライン14の間の距離を感知できる。また、スルーパスの出し手のプレーヤ10aのイヤホン36L,36Rから音を発音する第1のモードと、スピーカから発音する第2のモードを選択可能な構成にしてもよい。この変形例で第2実施形態を構成する場合、音源51からスピーカに供給するオーディオ信号の遅延量やゲインを調整することによって、そのスピーカから発音する音の音像定位を制御するとよい。
(8)上記第1実施形態では、スルーパスの受け手のプレーヤ10bがオフサイドライン14に至るまでの間は、出し手のプレーヤ10aの装着ユニット30から断続音を発音させ、オフサイドライン14を超えた瞬間にその断続音を継続音に切り換えるようにした。これに対し、オフサイドライン14を超えた瞬間に消音するようにしてもよい。
(9)上記第2実施形態では、顔がエンドライン方向を向いているプレーヤ10であることをスルーパスの受け手となるための1つの条件とした。しかし、この条件に代えて、エンドライン方向に移動しているプレーヤ10であることをスルーパスの受け手となるための条件としてもよい。あるいは、顔がエンドライン方向を向いており、かつ、エンドライン方向に移動しているプレーヤ10であることをスルーパスの受け手となるための条件としてもよい。
(10)上記第1から第4の各実施形態では、各プレーヤ10の位置、向き、加速度、ドライバー18のハンドリング量とその方向、パッセンジャー19の重心移動量とその方向などの各々の状態を、無線回路32、地磁気センサ38、加速度センサ39、ハンドリング検出センサ61、重心移動検出センサ81などを用いて検出し、その状態に応じて案内音の発音態様を制御した。しかし、この案内音の発音態様を決定づける状態は、上記第1から第4の実施形態のものに限らず、外部から視認可能な静的な状態と動的な状態のいずれであってもよい。ここで、静的な状態は、プレーヤ10の腰、胴体、手、足、頭などの身体の代表点の位置、向きとして定量化し得る状態である。動的な状態は、プレーヤ10の身体の代表点の加速度、速度、角速度(回転モーメント)、傾斜、歪(例えば、筋肉の伸縮)、圧力(例えば、足の蹴りや掌の握りなどの圧縮、引っ張り)として定量化し得る状態である。状態の定量化のスケールは、1軸であってもよいし、2軸や3軸であってもよい。スケールが1軸であれば、プレーヤ10の状態はスカラ量として定量化され、2軸や3軸であれば、その状態はベクトル量として定量化される。
また、それらの状態を検出する手段も、上記第1から第4の実施形態のものに限ならい。地面に平行な面における2軸方向(x,y)の加速度を検出する2軸型加速度センサ、それに加えて高さ方向(z)の加速度をも検出する3軸型加速度センサ、速度を検出する速度センサ、角速度(回転モーメント)を検出する角速度センサ、傾斜センサ、圧力センサなどを、地磁気センサ38、加速度センサ39、ハンドリング検出センサ61、重心移動検出センサ81の代わりに搭載してもよい。また、GPS(global positioning system)の測位情報を用いてプレーヤ10の位置を算出してもよい。
また、各装着ユニット30の加速度センサ39を多軸の加速度センサに置き換えた場合、加速度の大きさに加えてその向きを求め、エンドライン方向に移動しており、かつ、加速度の向きがエンドライン方向であることをスルーパスの受け手となるための1つの条件としてもよい。各プレーヤ10の移動方向は、定期的に検出される各プレーヤ10の位置の時系列的な変化に基づいて求めることが可能である。
(11)上記第3実施形態において、各プレーヤ10の位置、運動能力、ボール13の位置に加えて、プレーヤ自身の顔(頭)の向き、視線、姿勢(姿勢が前傾なほどレシーブ可能領域は広い)、重心位置(重心が低いほどレシーブ可能領域は広い)などといった、レシーブ可能領域の形状や大きさと相関を有する他の変数をセンサによって求め、その変数に基づいて隙の領域を求めるようにしてもよい。具体的には、上記第3実施形態の装着ユニット30Bは、第2実施形態のものと同様に、地磁気センサ38および加速度センサ39を有し、それらのセンサの検出値を用いてレシーブ可能領域をより詳細に算出してもよい。
(12)上記第4実施形態において、第1の音と第2の音の音量バランスを、側車付オートバイのドライバー18のハンドリング量とパッセンジャー19の重心移動量の比に応じて変化させてもよい。この変形例は、例えば、以下のような構成により実現可能である。まず、第1音源71と第2音源72から異なる音色で同じ音量のオーディオ信号をそれぞれ発生させ、2つのアンプの各々によりそれらのオーディオ信号を増幅した上でミキサによりミキシングし、イヤホン67L,67R,87L,87Rから出力する。そして、一方のアンプのゲインをドライバー18のハンドリング量に応じて変化させ、他方のアンプのゲインをパッセンジャー19の重心移動量に応じて変化させる。この変形例によると、旋回によってドライバー18のハンドリング量とパッセンジャー19の重心移動量が変化するたびに両者に聴かせる音の音量が変化する。さらに、ハンドリング量と重心移動量が合っていないと、2つの音のうち一方の音量だけが際立って大きくなるため、ドライバー18とパッセンジャー19は、ハンドリング量と体重移動量のバランスが悪くなっていることを確認できる。
(13)上記第1から第4の各実施形態では、本願発明を、サッカー、バレーボール、そして、側車付オートバイのトレーニングに適用した。しかし、他のスポーツのトレーニングに本発明を適用してもよい。例えば、1対1のプレーヤによって行われるテニスや卓球に必要な状況判断能力は、それらのプレーヤ10の各々に装着ユニット30を装着させて行うトレーニングを通じて養うことができる。また、相対立する1人のプレーヤと守備側の複数のプレーヤが関与する野球のプレーである盗塁やバント処理、複数のプレーヤからなる相対立する2つのチームにより行われる、野球、ラグビー、アメリカンフットボールのゲーム、共働する複数のプレーヤにより行われる、ヨットレース、体操競技、カッターボート、サーカスなどにそれぞれ必要な状況判断能力も、それらのプレーヤ10の各々に装着ユニット30を装着させて行うトレーニングを通じて養うことができる。
(14)第1実施形態では、断続音の発音間隔の長短をスルーパスの受け手のプレーヤ10fとオフサイドライン14の距離に応じて制御した。しかし、無音間隔の長短を両者の距離に応じて制御してもよい。要するに、単位時間あたりの発音回数をスルーパスの受け手のプレーヤ10とオフサイドライン14の距離に応じて制御するようになってさえいればよい。また、両者の距離を断続音の時間間隔に変換するのではなく音高(周波数)に変換するようにしてもよい。この変形例では、スルーパスの受け手のプレーヤ10fとオフサイドライン14の距離が小さい(大きい)ほど、出し手のプレーヤ10aに聴かせる案内音の音高を高く(低く)する。このようにすると、近接、離反する距離の変化をわかりやすく報知できる。
(15)第4実施形態では、基本周波数および左右のチャネルの音量のレベルの配分の変更を経た第1の音と第2の音のミキシング音を、ドライバー18とパッセンジャー19の状態を示す案内音として両者のイヤホン67L,67R,87L,87Rから出力した。しかし、ドライバー18とパッセンジャー19へ別々の案内音を聞かせるようにしてもよい。この変形例では、ハンドリング量と体重移動量とを合算した結果を基に、ドライバー18のハンドリングとパッセンジャー19の体重移動の各々の操作量と方向とを求め、求めた操作量と方向とを示す案内音を各々のイヤホン67L,67R,87L,87Rから出力する。
例えば、右に旋回する側車付オートバイのドライバー18の右へのハンドリング量に比べてパッセンジャー19の右への体重移動量が不足している場合、1つの音源のオーディオ信号(例えば、一定周期の純音のオーディオ信号)を個別に処理して得た2種類の案内音を、ドライバー18のイヤホン67L,67Rとパッセンジャー19のイヤホン87L,87Rからそれぞれ出力する。
具体的には、パッセンジャー19のイヤホン87L,87Rからは、右方向へのさらなる体重移動を促す案内音が出力される。より詳細には、体重移動量がハンドリング量に対して不足している間は、音像を左に定位させた断続音(ピッ、ピッ、ピッ)が出力され、その単位時間当たりの発音回数は、体重移動量の不足量が小さくなるほど短くなる。そして、パッセンジャー19が、その断続音を手がかりにして右方向への体重移動量を大きくし、その体重移動量がドライバー18のハンドリング量と等しくなると、イヤホン87L,87Rから出力される断続音が連続音(ピー)に変わる。
一方、ドライバー18のイヤホン67L,67Rからは、右方向への過剰なハンドリングの緩和を促す案内音が出力される。より詳細には、ハンドリング量が体重移動量に対して過剰である間は、音像を右に定位させた断続音(ピッ、ピッ、ピッ)が出力され、その単位時間あたりの発音回数は、ハンドリング量の過剰量が小さくなるほど短くなる。そして、その断続音を手がかりにしてドライバー18が右方向へのハンドリングを緩め、そのハンドリング量とパッセンジャー19の体重移動量とが等しくなると、イヤホン67L,67Rから出力される断続音が連続音(ピー)に変わる。
上述した変形例の運動支援装置としての概要を示すと、以下のようになる。「複数のプレーヤの各々の状態を検出する状態検出手段と、前記状態検出手段により検出された複数のプレーヤの状態に基づいて、前記複数のプレーヤの少なくとも一部である支援対象プレーヤに最適な運動を行わせる案内音を発生し、前記支援対象プレーヤに提供する案内音提供手段とを備え、前記状態検出手段は、2人の前記支援対象プレーヤのうちの一方のプレーヤである第1の支援対象プレーヤのハンドリングの量と方向とをそのプレーヤの状態として検出するとともに、他方のプレーヤである第2の支援対象プレーヤの体重移動の量と方向とをそのプレーヤの状態として検出し、前記案内音提供手段は、前記体重移動の量に対する前記ハンドリングの量の過不足を埋め合わせる操作方向、または、その操作方向の逆の方向に音像を定位させた案内音であって、単位時間当たりの発音回数を前記体重移動の量と前記ハンドリングの量との差に対応させた案内音を前記第1の支援対象プレーヤに提供するとともに、前記ハンドリングの量に対する前記体重移動の量の過不足を埋め合わせる操作方向、または、その操作方向の逆の方向に音像を定位させた案内音であって、単位時間当たりの発音回数を前記ハンドリングの量と前記体重移動の量との差に対応させた案内音を前記第2の支援対象プレーヤに提供することを特徴とする運動支援装置」。
さらに、この変形例において、ドライバー18とパッセンジャー19とで主従関係を設定し、例えば、ドライバー18のハンドリングにパッセンジャー19の重心移動を合わせるように処理した唯一の案内音をそれらの両者に報知するようにしてもよい。これによると、ドライバー18のハンドリングとパッセンジャー19の体重移動とが調和しているかのみを端的にわかりやすく報知することが可能となる。
(16)第4実施形態において、ドライバー18のハンドリングとパッセンジャー19の体重移動の方向が一致していれば案内音を出力し、一致していなければ出力しない、というように、案内音の発音態様を2値的に切り換えるようにしてもよい。
(17)第4実施形態において、ドライバー18のハンドリングとパッセンジャー19の体重移動の方向を検出せずにそれらの量だけを検出し、ドライバー18のハンドリング量とパッセンジャー19の体重移動量の差に応じて両者に聞かせる案内音の単位時間当たりの発音回数を変えてもよい。側車付きオートバイが左(右)に旋回しているにもかかわらず、パッセンジャー19がその逆の方向に体重移動すること、つまり、両者の運動の方向が完全に逆になることは通常はあり得ないため、ハンドリング量と体重移動量の差だけを案内音により提示することによっても、旋回の訓練を支援することが可能である。
(18)第3実施形態において、ボール13を複数方向から撮影した映像(動画)を解析してそのボール13の位置を特定するボール位置画像解析ユニット50’をボール位置検出ユニット50の代わりに設けてもよい。
(19)上記第1から第4の各第実施形態にかかる運動支援装置の装着ユニット30およびホスト装置40の各部と同じ機能をコンピュータに実現させるプログラムを、WWW(World Wide Web )上のサーバ装置から、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Data Assistance)、携帯電話端末へダウンロードさせてもよい。この場合、それらの端末に標準装備されているセンサ、音源、スピーカなどを、ダウンロードしたプログラムによって制御し、上記運動支援装置と同様の作用を実現することが可能である。また、そのようなプログラムを記憶媒体に記憶させた上で配布するようにしてもよい。
この発明の第1実施形態である運動支援装置の支援対象であるスルーパスを説明する図である。 同運動支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 同実施形態におけるプレーヤと基準位置の関係を説明する図である。 同実施形態におけるステータス管理テーブルのデータ構造を示す図である。 同実施形態においてホスト装置の制御部が実行するスルーパス支援処理の処理内容を示すフローチャートである。 この発明の第2実施形態にかかる運動支援装置のハードウェア構成図である。 同実施形態におけるステータス管理テーブルのデータ構造図である。 同実施形態においてホスト装置の制御部が実行するスルーパス支援処理の処理内容を示すフローチャートである。 レシーブの陣形を説明する図である。 この発明の第3実施形態にかかる運動支援装置のハードウェア構成図である。 同実施形態におけるステータス管理テーブルのデータ構造図である。 同実施形態においてホスト装置の制御部が実行するレシーブ支援処理の処理内容を示すフローチャートである。 側車付オートバイ、ドライバー、パッセンジャーを示す図である。 この発明の第4実施形態にかかる運動支援装置のハードウェア構成図である。 同実施形態においてオーディオ回路の各部が行う信号処理の内容を示す図である。
符号の説明
10…プレーヤ、11…ゴールキーパ、12…ゴールライン、13…ボール、14…オフサイドライン、18…ドライバー、19…パッセンジャー、21…第1送受信機、22…第2送受信機、23…第3送受信機、30…装着ユニット、31,47…アンテナ、32,46…無線回路、33,65…CPU、34,66…メモリ、35,68…オーディオ回路、36,67,87…イヤホン、38…地磁気センサ、39…加速度センサ、40…ホスト装置、41…ステータス管理テーブル用メモリ、44…制御部、50…ボール位置検出ユニット、51…音源,53…フィルタ、54…アンプ、60…ドライバー支援ユニット、61…ハンドリング検出センサ、64…ADC、71…第1音源、72…第2音源、73…第1基本周波数調整器、74…第2基本周波数調整器、77…第1乗算器,第2乗算器、78…第3乗算器,第4乗算器、79…第1ミキサー,80…第2ミキサー 、81…重心移動検出センサ

Claims (2)

  1. サッカーにおけるスルーパスの支援を行う運動支援装置であって、
    前記サッカーを行う複数のプレーヤの位置を検出する状態検出手段と、
    記複数のプレーヤの少なくとも一部である支援対象プレーヤに最適な運動を行わせる案内音を発生し、前記支援対象プレーヤに提供する手段であって、前記状態検出手段により検出される複数のプレーヤの位置に基づいて前記複数のプレーヤから前記スルーパスの受け手のプレーヤを選択するとともに、前記スルーパスの受け手のプレーヤのオフサイドラインまでの距離を求め、前記スルーパスの出し手を支援対象プレーヤとし、この支援対象プレーヤに提供する案内音の発音態様を前記スルーパスの受け手のプレーヤの前記オフサイドラインまでの距離に応じて制御する案内音提供手段と
    を備えることを特徴とする運動支援装置。
  2. サッカーにおけるスルーパスの支援を行う運動支援装置であって、
    前記サッカーを行う複数のプレーヤの位置と、向きと、動きを検出する状態検出手段と、
    前記複数のプレーヤの少なくとも一部である支援対象プレーヤに最適な運動を行わせる案内音を発生し、前記支援対象プレーヤに提供する手段であって、前記状態検出手段により検出される複数のプレーヤの位置、向き、動きに基づいて、前記複数のプレーヤの中から最善のものをスルーパスの受け手のプレーヤとして選択し、前記スルーパスの出し手を支援対象プレーヤとし、この支援対象プレーヤに提供する案内音の音像を、選択したスルーパスの受け手のプレーヤの位置に定位させる案内音提供手段と
    を具備することを特徴とする運動支援装置。
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