JP5416060B2 - 車両用電動オイルポンプの制御装置 - Google Patents
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図1において、車両用エンジン(内燃機関)1の出力軸には、トルクコンバータ2及び前後進切換機構3を介して、無段変速機4が接続されている。
前後進切換機構3は、例えば、エンジン出力軸と連結したリングギア、ピニオン及びピニオンキャリア、変速機入力軸と連結したサンギアからなる遊星歯車機構と、変速機ケースをピニオンキャリアに固定する後退ブレーキと、変速機入力軸とピニオンキャリアを連結する前進クラッチと、を含んで構成され、車両の前進と後退とを切換える。後退ブレーキ及び前進クラッチの切換えは、無段変速機4と共通の作動油圧によって行われる。
上記無段変速機4において、プライマリプーリ41の可動円錐板、及び、セカンダリプーリ42の可動円錐板を軸方向に移動させて、ベルト43との接触位置半径を変えることにより、プライマリプーリ41とセカンダリプーリ42との間の回転比つまり変速比を変えることができる。
マイクロコンピュータを内蔵するCVTコントロールユニット5は、車両の運転状態を示す各種のセンサ出力信号を入力し、これらのセンサ出力信号に基づいて変速制御信号を演算し、演算した変速制御信号を調圧機構6に出力する。
機械式オイルポンプ7及び電動オイルポンプ8は、オイルパン11内のオイルを吸い上げ、調圧機構6に供給し、調圧機構6を介して前後進切換機構3及び無段変速機4に供給したオイルは、オイルパン11に戻されて循環する。
また、調圧機構6を介して、変速機構20の冷却・潤滑系10にもオイルを供給する。
また、変速機構20の冷却・潤滑系10に対するオイルの供給を、調圧機構6を介さずに行う構成であってもよく、また、前後進切換機構3,無段変速機4,冷却・潤滑系10などの各部に対するオイルの供給流量を制御する構成であって、調圧機構6を備えない変速機構20であってもよい。
機械式オイルポンプ7はエンジン1で駆動されるため、アイドルストップなどによってエンジン1が一時的に運転を停止した場合、機械式オイルポンプ7も運転を停止し、変速機構20に対するオイルの供給が途絶えてしまい、発進時に変速機構20が動力伝達可能な圧力状態になるまでの応答遅れによって、発進ショックが発生する場合がある。
尚、エンジン1の運転中であっても、機械式オイルポンプ7による冷却用オイル又は潤滑用オイルの供給不足を補うために、電動オイルポンプ8を作動させる場合もあり、電動オイルポンプ8の作動要求の発生を、エンジン1の停止中に限定するものではない。
また、機械式オイルポンプ7と電動オイルポンプ8とが相互に独立したオイル供給経路にオイルを供給する構成であってもよく、更に、エンジン1を制御するユニットが、電動オイルポンプ8を駆動制御する構成であってもよい。
目標値演算部51は、車両の各種センサからの検出信号(車速、ブレーキ作動、アクセル開度、シフト位置、オイル温度TF、エンジン回転速度、バッテリ電圧などの検出信号)を入力し、これら信号に基づいて検出された車両運転状態に応じて、電動オイルポンプ8を駆動するブラシレスモータ81の回転数rpm(またはモータ電流)の目標値を演算する。
フィードバック制御器52は、目標値演算部51からの目標値(目標モータ回転数又は目標モータ電流)を入力すると共に、制御量であるブラシレスモータ81の実回転数又は実モータ電流、及び、ブラシレスモータ81の駆動回路82の実電源電流Ibを入力する。電源電流Ibは、電流センサ53によって検出し、ブラシレスモータ81の実回転数は、センサによって直接計測する他、駆動回路82からブラシレスモータ81の相電圧を入力して検出することも可能である。
ここで、電動オイルポンプ8を回転駆動するブラシレスモータ81では、電動オイルポンプ8が吸引・吐出するオイルの温度TFPが低く粘性が大きい場合には、粘性が低い場合よりも大きなトルクを発生させることが要求され、そのときの粘性に対してモータ発生トルクが不足すると、脱調する可能性がある。一方、低温条件であっても脱調しないような高い電圧を常時印加するようにすると、ブラシレスモータ81における電力消費が増え、結果的に、車両の燃費性能が低下してしまう。
即ち、ブラシレスモータ81を駆動する温度域を低温域に拡大すると、拡大した低温域でも脱調が発生しないように、印加電圧をより高く設定する必要が生じ、印加電圧を高くした分だけ電力消費が増えてしまうので、例えば、アイドルストップの実行がブラシレスモータ81の起動が許可されないことで制限されてしまうことを抑制しつつ、極力印加電圧を低く設定できるように、作動最低温度TFminを適合する。
前記作動最低温度TFminと比較させるオイル温度TFを、例えば、電動オイルポンプ8のポンプ部内で検出すれば、電動オイルポンプ8の負荷となるオイルの粘性に相関するオイル温度TFを高精度に検出することになる。しかし、電動オイルポンプ8内のオイルの温度TFPは、電動オイルポンプ8の停止状態では、循環しているオイルの温度を正しく検出することができず、循環しているオイルの温度を正しく検出するために、油温センサ12は、前述のようにオイルパン11に設けてある。
このため、油温センサ12が検出したオイルの温度TFが作動最低温度TFminに達していても、電動オイルポンプ8付近のオイルの温度TFPは作動最低温度TFminよりも低く、油温センサ12が検出したオイルの温度TFが作動最低温度TFminに達していることに基づいて、ブラシレスモータ81を起動させると、設定よりもオイルの粘性が大きいために、脱調する可能性がある。
そして、電動オイルポンプ8(ブラシレスモータ81)の起動が許可されていない状態では、電動オイルポンプ8の動作が実施条件となるアイドルストップ制御などを禁止し、電動オイルポンプ8(ブラシレスモータ81)の起動が許可されていることを条件にアイドルストップ制御などを実施するようになっている。
機械式オイルポンプ7は、エンジン1で回転駆動されるから、エンジン1の始動に伴ってオイルの供給を開始し、変速機構20に供給されたオイルは、変速機構20から熱を奪ってオイルパン11に戻るので、電動オイルポンプ8の起動前からオイルパン11のオイルの温度TFは上昇変化することになり、温度TFの上昇変化は、変速機構20の発熱量が多く、変速機構20に供給されたオイルの吸熱量が多くなるほど速くなる。
次のステップS102では、ステップS101で演算した温度の上昇速度ΔTFが速いほど、遅延時間TDLとして短い時間を設定する。
油温センサ12が検出するオイルパン11内のオイルの温度TFが作動最低温度TFminに達してから遅れて、電動オイルポンプ8付近に滞留しているオイルの温度TFPが作動最低温度TFminに達することになるが、この作動最低温度TFminに達するまでの遅れ時間は、温度上昇速度ΔTFが速い(変速機構20の発熱量が多い)と短縮し、温度上昇速度ΔTFが遅い(変速機構20の発熱量が少ない)と延びることになるので、温度上昇速度ΔTFが速い場合には遅い場合に比べて前記遅延時間TDLを短い時間に設定する。
ステップS103では、油温センサ12が検出したオイルパン11内のオイルの温度TFが、作動最低温度TFminを下回る状態から作動最低温度TFminに達したか否かを判定する。
これにより、電動オイルポンプ8(ブラシレスモータ81)はエンジン1の始動時から停止状態を維持し、油温が低くオイルの粘性が許容範囲よりも大きい状態で、電動オイルポンプ8(ブラシレスモータ81)が起動され、ブラシレスモータ81が脱調することを抑制できる。
ステップS104では、油温センサ12が検出したオイルパン11内のオイルの温度TFが作動最低温度TFminに達したと判定した時点からの経過時間Tを計測する。
前記遅延時間TDLが経過するまでの間では、温度上昇の遅れによって、電動オイルポンプ8付近に滞留しているオイルの温度TFPは作動最低温度TFminよりも低いので、
ステップS106へ進み、電動オイルポンプ8(ブラシレスモータ81)の起動を不許可とする設定を行うことで、脱調する可能性がある温度条件で電動オイルポンプ8を起動させない。
ステップS107では、電動オイルポンプ8(ブラシレスモータ81)の起動を許可する設定を行う。この起動許可判定時には、電動オイルポンプ8付近のオイルの温度TFPが作動最低温度TFmin以上になっているから、設定よりも粘性が大きなオイルの吸込み・吐出を電動オイルポンプ8が行うことがなく、脱調の発生を抑制できる。
電動オイルポンプ8の起動が許可されることで、アイドルストップの実行が許可され、アイドルストップ中は、電動オイルポンプ8によってオイルを変速機構20に供給する。
従って、電動オイルポンプ8の起動許可に基づき、アイドルストップを実施したときに、ブラシレスモータ81の脱調によって必要なオイル供給を行えず、発進ショックを発生させてしまうことを抑制できる。
尚、上記実施形態では、検出温度TFの上昇速度ΔTFに応じて遅延時間TDLを変更したが、遅延時間TDLを一定時間とすることができる。
ステップS201では、油温センサ12が検出するオイルパン11内のオイルの温度TFの上昇速度ΔTF(単位時間当たりの温度上昇量)を演算する。
次のステップS202では、ステップS201で演算した温度の上昇速度ΔTFが速い場合には遅い場合に比べて、温度閾値ATF(℃)を小さい値に設定する。
即ち、油温センサ12の検出温度TFが作動最低温度TFminよりも温度閾値ATF以上に昇温した時点で、電動オイルポンプ8付近のオイルの温度TFPが作動最低温度TFminに達したものと推定する。
尚、温度閾値ATFは、上昇速度ΔTFに応じて連続的に変更しても良いし、複数段階にステップ的に切り替えるようにも良い。更に、温度閾値ATFを、予め記憶した固定値としてもよい。
ステップS204では、電動オイルポンプ8(ブラシレスモータ81)の起動を不許可とする設定を行う。
また、上記第2実施形態では、オイル温度の判定レベルを変更し、時間計測を行う必要がないので、遅延時間TDLの計測を行う第1実施形態に比べて構成を簡略化できる。
ステップS301では、油温センサ12の検出温度TFが作動最低温度TFminに達しているか否かを判定し、検出温度TFが作動最低温度TFminに達していない場合には、ステップS310へ進み、電動オイルポンプ8(ブラシレスモータ81)の起動を不許可とする設定を行う。
一方、油温センサ12の検出温度TFが作動最低温度TFminに達すると、ステップS302へ進み、油温センサ12の検出温度TFの上昇速度ΔTF(単位時間当たりの温度上昇量)を演算する。
ステップS303では、検出温度TFが作動最低温度TFminに達してからの経過時間と前記上昇速度ΔTFとに基づいて、電動オイルポンプ8付近のオイルの温度TFPを推定する。
尚、温度TFPの推定は、上昇速度ΔTFを用いずに、検出温度TFが作動最低温度TFminに達してからの経過時間に基づいて行うことができる。
ステップS303で推定した温度TFPが前記温度TSCに達していない場合には、ステップS310へ進み、電動オイルポンプ8(ブラシレスモータ81)の起動を不許可とする設定を行う。
ステップS305における起動許可に基づき、ブラシレスモータ81の同期制御を開始し、電動オイルポンプ8の回転駆動を開始すると、次のステップS306では、ブラシレスモータ81の目標回転数などから、電動オイルポンプ8の積算吐出量ΣFLを演算する。前記積算吐出量ΣFLとは、電動オイルポンプ8を起動してからの吐出量の総量である。
ステップS307で積算吐出量ΣFLが閾値SL未満であると判定した場合には、電動オイルポンプ8が吸込み・吐出しているオイルが、停止状態で配管内などに滞留していたオイルであり、油温センサ12が検出するオイルパン11内のオイル温度TFよりも、電動オイルポンプ8が吸込み・吐出しているオイルの温度は低いものと推定できる。
即ち、オイルパン11内のオイルの温度が作動最低温度TFminに達した後に、電動オイルポンプ8付近のオイルの温度TFPが同期制御可能な温度TSC(TSC<TFmin)に達すると、電動オイルポンプ8が吸込み・吐出するオイルの温度が作動最低温度TFminよりも高くなったときに要求される印加電圧よりも高い印加電圧に基づきブラシレスモータ81の駆動を開始する。
係る第3実施形態によると、より早期に電動オイルポンプ8を起動でき、かつ、起動時における脱調の発生を、印加電圧を高くすることで抑制でき、また、起動後にオイルの入れ替えが終わって電動オイルポンプ8が吸込み・吐出するオイルの温度が油温センサ12の検出油温TFと略同等になると、印加電圧を低下させて同期制御を行うので、ブラシレスモータ81における電力消費を抑制できる。
また、電動オイルポンプ8を起動した後、吸込管8aなどの容量分に吐出総量が達しても、配管壁面の吸熱などによって、オイルパン11内のオイルの温度と、電動オイルポンプ8が吸込み・吐出するオイルの温度とに誤差分以上の偏差が生じる場合があるので、電動オイルポンプ8を起動した後、吸込管8aなどの容量分に吐出総量が達した時点から、前記吸熱が収束するまでの遅れ時間が経過してから、油温センサ12の検出温度TFに基づく同期制御に切り替えるようにできる。
また、ブラシレスモータ81の脱調をより発生し難くするために、目標回転数の上昇速度を、冷機時には暖機後よりも遅くすることができる。
Claims (3)
- ブラシレスモータで回転駆動される電動オイルポンプであって、オイルパン内のオイルを吸い上げて車両の変速機構に供給する電動オイルポンプの制御装置であって、
前記オイルパン内のオイル温度の検出値が前記電動オイルポンプの起動を許可する温度に達してから、前記電動オイルポンプの停止状態における前記オイルパン内のオイル温度の上昇に対する前記電動オイルポンプ部でのオイル温度の上昇遅れに応じた遅れをもって前記電動オイルポンプを起動する、電動オイルポンプの制御装置。 - 前記オイルパン内のオイル温度の検出値の上昇速度が速い場合には、遅い場合に比べて、前記オイルパン内のオイル温度の検出値が前記電動オイルポンプの起動を許可する温度に達してから前記電動オイルポンプを起動するまでの遅れを小さくする、請求項1記載の電動オイルポンプの制御装置。
- 前記オイルポンプを起動した後から前記電動オイルポンプの吐出量の総量が所定値に達するまでの間において、前記電動オイルポンプ部でのオイル温度の推定値が前記電動オイルポンプの起動を許可する温度よりも低いときに、前記許可温度よりも高い場合に比べて前記ブラシレスモータの印加電圧を高くする、請求項1又は2記載の電動オイルポンプの制御装置。
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