以下、図面を参照しつつ本発明に係る光源の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面は説明用のために作成されたものであり、説明の対象部位を特に強調するように描かれている。そのため、図面における各部材の寸法比率は、必ずしも実際のものとは一致しない。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る光源の構成を示す断面図である。同図に示す光源1は、質量分析装置の光イオン化源等の分析機器用光源や真空除電用光源として使用されるいわゆる重水素ランプである。
この光源1は、重水素ガスを放電させて光を発生させる発光部2が収容された略円筒状の発光筒部(第1の筐体)3Aと、この発光筒部3Aに連通すると共に発光筒部3Aの側壁から発光部2の発生させる光の光軸Xに沿って突出する略円筒状の導光筒部(第2の筐体)3Bとが一体的に接続されたガラス製の密封容器3を備えている。この密封容器3には、重水素ガスが数百Pa程度封入されている。より詳細には、導光筒部3Bは、光軸Xに沿った方向の一端側が発光筒部3Aに一体化されて連通しており、他端側は発光部2から発生した光を外部に出射させる出射窓部4によって封止されている。この出射窓部4の材質は、例えば、MgF2(フッ化マグネシウム)、LiF(フッ化リチウム)、石英ガラス、サファイアガラス等である。
発光筒部3Aに収容されている発光部2は、陰極部5、陽極部6、陽極部6と陰極部5との間に配置された中心部にアパーチャーが形成された放電路制限部7、及びこれらを取り囲んで配置する収容ケース8によって構成されている。この収容ケース8の導光筒部3B側の面には、発光部2で発生した光を取り出すための矩形状の光通過口8aが、導光筒部3Bの出射窓部4に対向するように形成されると共に、この光通過口8aを取り囲むように導光筒部3Bの側壁に沿って円形状に延びる壁部からなる固定リング(固定部材)8bが固定されている。このような発光部2は、陰極部5と陽極部6との間に電圧が印加されると、その間に存在する重水素ガスを電離、放電させて形成したプラズマ状態を放電路制限部7によって絞り込んで高密度のプラズマ状態にすることによって発生した光(紫外光)を、収容ケース8の光通過口8aから光軸Xに沿った方向に向けて出射させる。
なお、上記の発光部2は、発光筒部3Aの端面に設けられたステム部に立設されたステムピン(図示せず)によって、発光筒部3A内に保持されている。すなわち、この光源1は、光軸Xが発光筒部3Aの管軸に対して交差するサイドオン型の光源である。
このような密封容器3内の出射窓部4と、発光筒部3Aと導光筒部3Bとを接続する部位との間には、略円筒状のアルミニウム製の反射筒部(金属部材)9が挿入固定されている。この反射筒部9は、図2に示すように、アルミニウム製の金属ブロック部材が複数組み合わされて、導光筒部3Bの内径よりも小さい外径を有する略円筒状の形状をなしている。
また、反射筒部9自体の内壁面は、反射筒部9の中心軸線に沿って曲面、又は段階的に傾斜角が変化する多段面である反射面9aとして形成されている。すなわち、この反射面9aは、出射窓部4の外側の所望の面または点に光を集光できるように、反射筒部9の中心軸方向の両端がテーパー状に形成されている。より具体的には、反射筒部9の長手方向の中心部から発光筒部3A側の端部にかけて反射面9aで囲まれる空間の径が徐々に小さくなるように、反射面9aが反射筒部9の中心軸、すなわち、光軸Xに対して傾斜して形成されている。また、反射筒部9の長手方向の中心部から出射窓部4側の端部にかけて反射面9aで囲まれる空間の径が徐々に小さくなるように、反射面9aが反射筒部9の中心軸に対して傾斜して形成されている。なお、反射面9aのテーパー状部は、反射筒部9の中心軸方向の両端ではなく、どちらか一方、例えば発光部2側(一端側)のみを前述したようなテーパー状に形成し、出射窓部4側(他端側)は反射面9aを反射筒部9の中心軸に対して平行に形成しても良い。この反射面9aは、所望の面または点に光を集光したり発散したりできるように設定されている。このような反射面9aは、発光部2によって発生した光を正反射可能な鏡面状態に加工されており、例えば、金属ブロック部材を切削加工し、その内壁に、バフ研磨、化学研磨、電解研磨、それらから派生した研磨方法による研磨、又は、それらを複合した研磨方法による研磨を施した後、洗浄処理や不純物ガス成分を除去するための真空処理等を施すことによって形成される。本実施形態においては、反射筒部9は2つの部材を組み合わせて形成されており、このように複数個の金属ブロック部材で反射面9aが形成される場合には、金属ブロック部材ごとの長さと内径との比(アスペクト比)が小さくできるために、加工整形時に平坦度が出しやすくなる結果、反射面9aの鏡面度が高くなる。
さらに、反射筒部9の外壁面9bの略全面には、高熱放射率の材料を含む熱放射膜10が形成されている。このような熱放射膜10の材料としては、酸化アルミニウム等の反射筒部9の材料よりも熱放射率の高いものが用いられる。ここで、熱放射膜10は、反射筒部9の略全面に形成されているが、反射筒部9の外壁面9bの一端側の一部に形成されてもよい。また、熱放射膜10は、例えば熱放射膜10を構成する材料を反射筒部9の外壁面9b上に蒸着や塗布等によって積層することで形成されるが、特に本実施形態のように反射筒部9がアルミニウムからなる場合には、反射筒部9の外壁面9bを酸化処理することで熱放射膜10としての酸化アルミニウムの層を形成しても良い。
また、反射筒部9の外壁面9bの長手方向の他端側の周縁部には、その外壁面9bに沿って、段差状の突出部となるように円形状に切り欠かれた切り欠き部11が形成されている。この切り欠き部11は、反射筒部9を密封容器3内で位置決めするために設けられる。
このような反射筒部9は、切り欠き部11が形成された縁部に対して反対側の縁部から、その縁部が発光部2の収容ケース8に当接するまで、導光筒部3Bの管軸(光軸X)に沿って挿入されると共に、切り欠き部11にばね部材12が外壁面9bに沿って取り付けられた後に、導光筒部3Bが出射窓部4によって封止される(図1及び図3)。このとき、反射筒部9は、その外壁面9bが導光筒部3Bの内壁面13と離間した状態で収容ケース8の固定リング8bの内側に嵌め込まれる(図3)。このばね部材12は、金属部材、例えば耐熱性の高いステンレスやインコネル材からなる、反射筒部9の位置決め用の部材であり、切り欠き部11と出射窓部4との間に配置されて、反射筒部9を、光軸Xに沿って出射窓部4側から発光部2側に付勢することにより、収容ケース8に押し当てる機能を有する。これにより、反射筒部9は、密封容器3内の出射窓部4と発光部2との間において導光筒部3Bと離間し、かつ発光部2に近接した状態で、光軸Xに沿った方向および光軸Xに直交する方向に位置決めされる。
以上説明した光源1によれば、発光筒部3A内の発光部2から発せられた光が、発光筒部3Aに接続された導光筒部3Bに挿入された筒状の反射筒部9の内部に導かれることにより、導光筒部3Bに設けられた出射窓部4から出射される。ここで、反射筒部9の内壁面が反射面9aに形成されているので、発光部2から出射された光が反射筒部9の内部の反射面9aによって全反射されつつ導光筒部3Bの一端側から他端側に導かれる結果、発光部2から発せられた光を損失することなく導光筒部3Bの出射窓部4まで導くことができる。このとき、反射面9aの傾斜角を適切に設定することで、出射窓部4の外部における出射光の分布を平行光、発散光、及び収束光にすることもでき、所定の照射面での光強度の均一性を高めることもできる。それに併せて、出射窓部4からの光の取り出し効率を向上させ、出射光の総光量及び照射面上での光量を増加させることができる。また、従来の重水素ランプでは出射窓からの光放射パターンが、その出射窓からの距離に応じて変化し、放射光の弱い抜けの部分が生じやすい傾向にあるが、光源1ではそのような光照射パターンの抜けの部分の発生を低減することができる。また、反射筒部9自体をアルミニウムブロック等の金属部材で構成することで、例えば反射筒部9の内部に金属等からなる反射膜を形成した場合と異なり、温度上昇と低下を繰り返す際の、構成材料の膨張係数の違いから発生する反射面9aの剥離または脱落等による性能劣化や異物発生を抑制することができ、長寿命化を実現することができる。また、鏡面度の高い反射面の加工が容易になるので、発生した光を効果的に集光することができ、加えて、発生する紫外光が透過することなく、また、紫外光によって劣化することもないので、発生した光をより効率よく取り出すことができる。
さらに、反射筒部9の外壁面9bと、導光筒部3Bの内壁面13とは離間しているので、反射筒部9と導光筒部3Bとの熱膨張率の違いにより、反射筒部9の位置ずれや反射筒部9または導光筒部3Bの破損を防止することができる。
また、反射筒部9の反射面9aの両端は、テーパー状に形成されているので、反射面9aでの光の反射角が大きくなり、反射回数を低減させることで、出射窓部4からの光の取り出し効率を安定して向上させることができる。
また、反射筒部9は、金属部材からなる位置決め部材であるばね部材12によって付勢されて収容ケース8の固定リング8bに嵌め込まれることによって密封容器3内で位置決めされているので、発生する紫外光によって劣化することなく、密封容器3に対する反射筒部9の位置を安定化して、出射窓部4からの光の取り出し効率を保つことができる。ここで、ばね部材12により収容ケース8に押圧する構造を採用することで、密封容器3に対して反射筒部9を安定して固定することができると共に、反射筒部9の中心軸方向に沿った熱膨張が発生してもばね部材12によって発光筒部3Aに対する位置ずれを吸収することができる。
さらに、反射筒部9の外壁面9bの略全面に熱放射膜10が形成されることにより、反射筒部9の内面に周辺や封入ガスよりも低温の領域を形成することができ、その領域に発光筒部3Aからのスパッタ物等の異物を捕捉して、異物の出射窓部4への拡散や付着及びそれに伴う光透過率の低下を抑制することができる。また、発光筒部3Aに近い外壁面9bの一部に熱放射膜10を形成した場合には、外壁面9bの一端側の熱放射率が外壁面9bの他端側の熱放射率よりも大きくなる結果、出射窓部4から遠い位置にスパッタ物が付着しやすくなるため、出射窓部4の汚染が低減される。
また、このような光源1を光イオン化源としてガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)や液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)といった質量分析装置(MS)に利用すれば、集光性を高めたり光量を大きくすることができるので、光源1の窓部を試料放出口に近づける必要が無くなり、次のデメリットを低減することができる。すなわち、光源内に光学系がない場合、感度向上のために窓位置を試料放出口に近づける必要が生じ、試料温度が高いため、窓材の封着材に悪影響を及ぼしたり、近接できない等のデメリットがある。また、窓位置を試料放出口に近づけた場合、窓材や光源の窓外に近接して設置する光学系が試料や溶剤によって汚染され、測定感度が劣化する。
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態に係る光源の構成を示す断面図、図5(a)は、図4の反射筒部の側面図、図5(b)は、図4の反射筒部の正面図である。同図に示す光源101は、反射筒部9の位置決め構造が第1実施形態のものと異なる。
すなわち、光源101に内蔵される反射筒部109には、その外壁面109bの出射窓部4側の端部において、位置決め部材としての金属バンド112が固定されている。この金属バンド112には、バネ性を有する複数の爪部112aが反射筒部109の外周に沿って形成されており、金属バンド112は、その端部が重ね溶接されることにより外壁面109b上に固定されている。このような反射筒部109は、導光筒部3Bの内壁面13に沿って密封容器3内に挿入され、金属バンド112を除く外壁面109bが内壁面13と離間するように固定される。このような構造により、反射筒部109は、金属バンド112の爪部112aのバネ力により、その端部が収容ケース8の固定リング8bに押し当てられ、密封容器3内で光軸Xに沿った方向に位置決めされる。それとともに、反射筒部109は、金属バンド112の爪部112aにより、その外壁面109bと導光筒部3Bの内壁面13とが一定距離を保って離間された状態で光軸Xの垂直な方向にも位置決めされる。また、反射筒109の金属バンド112装着部に、同バンドの幅に合わせた溝を形成する事で、導光筒部3Bの内径を大きくする事なく、金属バンド112から導光筒部3Bの内壁面13への距離を大きく取れ、爪部112aの角度を大きくする事が可能となり、爪部112aのバネ力を強める事ができる。
このような光源101によっても、反射筒部109と導光筒部3Bとの熱膨張率の違いにより、反射筒部109の位置ずれや反射筒部109または導光筒部3Bの破損を防止することができる。また、反射筒部109は、位置決め部材である金属バンド112によって付勢されて収容ケース8の固定リング8bに嵌め込まれることによって密封容器3内で位置決めされているので、密封容器3に対する反射筒部109の位置を安定化して、出射窓部4からの光の取り出し効率を保つことができる。
[第3実施形態]
図6は、本発明の第3実施形態に係る光源の構成を示す断面図である。同図に示す光源201は、本発明をキャピラリ放電管に適用した場合の例である。
光源201は、発光筒部203Aと導光筒部203Bとが接続された密封容器203を備えている。この発光筒部203Aには、陰極部205、陽極部206、及び陽極部206と陰極部205との間に配置されたキャピラリ207によって構成された発光部202が収容されている。そして、密封容器203内には水素(H2)、キセノン(Xe)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)等のガスが封入されている。このような発光部202は、陰極部205と陽極部206との間に電圧が印加されると、その間に存在するガスが電離、放電され、その結果生じた電子がキャピラリ207内に収束されてプラズマ状態にされることによって、光軸Xに沿って導光筒部203B側に向けて光が出射される。例えば、封入ガスとしてKrを、出射窓部4の材料としてMgF2を用いた場合には、117/122nmの波長での発光が可能とされ、封入ガスとしてArを、出射窓部4の材料としてLiFを用いた場合には、105nmの波長での発光が可能とされる。
この陰極部205は、発光筒部203Aと導光筒部203Bとを隔てる部位に配置された接続部材としての役割も有する。詳細には、陰極部205は、発光部202で発生した光を取り出すための円形状の光通過口208aが形成され、外壁面9bが導光筒部203Bの内壁面と離間するように挿入された反射筒部9の位置決め用の固定部材となる固定リング部材205Aと、導光筒部203Bとリング部材205Aとに接合されるリング部材205Bとの2重構造を成している。なお、陰極部205に対して反射筒部9の位置決め用の部材として別部材を取り付けても良い。
このような光源201の密封容器203への反射筒部9の組み込み時には、陰極部205の固定リング部材205A及びリング部材205Bを、それぞれ、発光筒部203A及び導光筒部203Bに封着させておく。そして、反射筒部9を固定リング部材205Aの段差部に嵌め込むようにしながら、導光筒部203Bの内壁面と離間するように挿入した後に、固定リング部材205A及びリング部材205Bを重ね合わせて真空溶接して組み上げる。なお、反射筒部9を陰極部205に溶接し固定した後に、導光筒部203Bを陰極部205に真空保持可能に接合することで組み上げても良い。
このような光源201によっても、反射筒部9と導光筒部203Bとの熱膨張率の違いにより、反射筒部9の位置ずれや反射筒部9または導光筒部203Bの破損を防止することができる。また、反射筒部9は、位置決め部材であるばね部材12によって付勢されて陰極部205の固定リング部材205Aに嵌め込まれることによって密封容器203内で位置決めされているので、密封容器203に対する反射筒部9の位置を安定化して、出射窓部4からの光の取り出し効率を安定して保つことができる。
また、反射筒部9における、発光筒部203Aに近い一端側の外壁面9bに熱放射膜10が形成されることにより、発光部202に近接する反射筒部9の内側に周辺や封入ガスよりも低温の部分を形成することができ、その部分に発光筒部203Aからのスパッタ物等の異物を捕捉して、異物の出射窓部4への拡散及びそれに伴う光透過率の低下を抑制することができる。
[第4実施形態]
図7は、本発明の第4実施形態に係る光源の構成を示す断面図である。同図に示す光源301は、本発明を電子励起光源に適用した場合の例である。
光源301は、発光筒部303Aと導光筒部303Bとが接続された密封容器303を備えており、その内部が高真空に保持される。この発光筒部303Aには、AlGaN等の結晶薄膜を有する固体発光ターゲット305、電子銃部306、及び固体発光ターゲット305と電子銃部306との間に配置された電子レンズ部307によって構成された発光部302が収容されている。このような発光部302は、電子銃部306によって形成された電子流を、電子レンズ部307によって制御することによって固体発光ターゲット305に向けて加速させた後に衝突させる。これにより、発光部302は、導光筒部203B側に向けて光軸Xに沿った方向に光を発生させることができる。例えば、固体発光ターゲット305の結晶薄膜材としてAlGaNを用いた場合には、200〜300nm程度の波長域での発光が可能とされる。
密封容器203を構成する発光筒部303Aと導光筒部303Bとは、導電性を有する封止用リング部材308によって連結され、封止用リング部材308と発光筒部303A及び導光筒部303Bとの接触部分が真空保持可能なように接合されている。この封止用リング部材308は、発光部302で発生した光を取り出すための円形状の光通過口308aが形成され、外壁面9bが導光筒部303Bの内壁面と離間するように挿入された反射筒部9の位置決め用の固定部材となる固定リング部材308Aと、導光筒部303Bと固定リング部材308Aとに接合されるリング部材308Bとの2重構造を成している。なお、封止用リング部材308に対して反射筒部9の位置決め用の部材として別部材を取り付けても良い。この封止用リング部材308の固定リング部材308Aには、固体発光ターゲット305が接触及び固定され、外部から固定リング部材308Aに電位が印加されることによって、固体発光ターゲット305の電位が設定される。固体発光ターゲット305を固定リング部材308Aに接触及び固定することで、電子入射によって発生した熱を封止用リング部材308や反射筒部9から外部に放出することができ、発光効率や装置寿命が向上する。また、別途電極を設けることで固体発光ターゲット305の電位が設定されても良い。
このような光源301によっても、反射筒部9と導光筒部303Bとの熱膨張率の違いにより、反射筒部9の位置ずれや反射筒部9または導光筒部303Bの破損を防止することができる。また、反射筒部9は、位置決め部材であるばね部材12によって付勢されて封止用リング部材308の固定リング部材308Aの段差部に嵌め込まれることによって密封容器303内で位置決めされているので、密封容器303に対する反射筒部9の位置を安定化して、出射窓部4からの光の取り出し効率を安定して保つことができる。
[第5実施形態]
図8は、本発明の第5実施形態に係る光源の構成を示す断面図である。同図に示す光源401は、本発明をレーザ励起光源に適用した場合の例である。
光源401は、発光筒部403Aと導光筒部403Bとが隔壁を介して封着された密封容器403を備えており、その発光筒部403Aの内部に希ガスが封入され、導光筒部403Bの内部は、不活性ガスが封入されるか、又は真空に保持されている。この発光筒部403Aには、導光筒部403Bの反対側に入射窓部406が封着されており、導光筒部403B側の隔壁には出射窓部407が設けられている。この入射窓部406及び出射窓部407を備える発光筒部403A自体が発光部を構成している。すなわち、このような発光筒部403Aの入射窓部406に光軸Xに沿って図示しないレーザ光源からレーザ光が入射すると、内部の希ガスによって光が励起されて、出射窓部407から光軸Xに沿ってその光が放射される。例えば、希ガスとしてXeを使用し、Nd:YAGレーザの三倍波(355nm)を入射させた場合には、Xeの第三高調波発生法により118nmの波長での発光が可能とされる。
発光筒部403Aと導光筒部403Bとの間の隔壁は、封止用リング部材408によって構成され、封止用リング部材408と発光筒部403A及び導光筒部403Bとの接触部分が真空保持可能に接合されている。この封止用リング部材408は、発光筒部403Aで発生した光を出射窓部407を介して取り出すための円形状の光通過口408aが形成され、外壁面9bが導光筒部403Bの内壁面と離間するように挿入された反射筒部9の位置決め用の固定部材となる固定リング部材408Aと、導光筒部403Bと固定リング部材408Aとに接合されるリング部材408Bとの2重構造を成している。なお、封止用リング部材408に対して反射筒部9の位置決め用の部材として別部材を取り付けても良い。
このような光源401によっても、反射筒部9と導光筒部403Bとの熱膨張率の違いにより、反射筒部9の位置ずれや反射筒部9または導光筒部403Bの破損を防止することができる。また、反射筒部9は、位置決め部材であるばね部材12によって付勢されて封止用リング部材408の固定リング部材408Aの段差部に嵌め込まれることによって密封容器403内で位置決めされているので、密封容器403に対する反射筒部9の位置を安定化して、出射窓部4からの光の取り出し効率を安定して保つことができる。
また、光源401の構造により、レーザ光励起によって発生した熱を封止用リング部材408や反射筒部9から外部に放出することができ、発光効率や装置寿命が向上する。
また、発光筒部403Aに出射窓部407を設けずに、発光筒部403Aと導光筒部403Bとを同じガス圧にしてもよい。
[第6実施形態]
図9は、本発明の第6実施形態に係る光源の構成を示す断面図である。同図に示す光源501は、本発明を、第5実施形態に比較して、レーザ光の代わりに電子で希ガスを励起して発光させる電子励起ガス光源に適用した場合の例である。
光源501は、発光筒部503Aの両端に導光筒部503Bと電子発生筒部503Cとが接続された密封容器503を備えている。この発光筒部503Aは、隔壁である封止用リング部材508Bを介して、その内壁面と反射筒部9の外壁面9bとが離間するように反射筒部9が挿入固定された導光筒部503Bと封着され、隔壁である封止用リング部材508Cを介して電子発生筒部503Cと封着されている。そして、発光筒部503Aの内部に希ガスが封入され、導光筒部503Bの内部は、不活性ガスが封入されるか、又は真空に保持され、電子発生筒部503Cの内部は真空に保持されている。この封止用リング部材508Cには、SiやSiN等の電子透過性を有する材料によって形成される電子透過窓部507Cが設けられ、封止用リング部材508Bには出射窓部507Bが設けられている。なお、封止用リング部材508Bの構造は、第5実施形態にかかる封止用リング部材408の構造と同様である。
密封容器503の一部を構成する電子発生筒部503の内部には、電子銃部509及び電子透過窓部507Cと電子銃部306との間に配置された電子レンズ部510が収容されている。このような電子発生筒部503では、電子銃部509によって形成された電子流を、電子レンズ部510によって制御することによって電子透過窓部507Cに向けて光軸Xに沿って加速させることができる。そして、発光筒部503Aの内部に光軸Xに沿って電子流が入射すると、内部の希ガスによって光が励起されて、出射窓部507Bから光軸Xに沿ってその光が放射されて導光筒部503B内に導かれる。
このような光源501によっても、反射筒部9と導光筒部503Bとの熱膨張率の違いにより、反射筒部9の位置ずれや反射筒部9または導光筒部503Bの破損を防止することができる。また、反射筒部9は、位置決め部材であるばね部材12によって付勢されて封止用リング部材508Bの段差部に嵌め込まれることによって密封容器503内で位置決めされているので、密封容器503に対する反射筒部9の位置を安定化して、出射窓部4からの光の取り出し効率を安定して保つことができる。
また、光源501の構造により、電子励起によって発生した熱を封止用リング部材508Bや反射筒部9から外部に放出することができ、発光効率や装置寿命が向上する。
なお、発光筒部503Aに出射窓部507Bを設けずに、発光筒部503Aと導光筒部503Bとを同じガス圧にしてもよい。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、反射筒部9を発光筒部3A,203A,303A,403A,503A側に設けられた位置決め用の部材に押し当てることにより固定していたが、レーザ溶接等により位置決め部材に直接固定しても良い。
図10には、本発明の変形例である光源601として、反射筒部609がレーザ溶接やスポット溶接によって発光部2の収容ケース8に固定された構造を示している。詳細には、反射筒部609の外壁面609bの端部にステンレスリング614を固定し、その端部のステンレスリング614と収容ケース8の固定リング8bとの接触部分をレーザ溶接やスポット溶接によって溶融し互いに固着する。同図に示す光源601では、導光筒部603Bを短くされているが、反射筒部609をそれに合わせて設計することで出射光の分布を平行光や拡散光にすることができると共に、照射面上での光強度の均一性を高めることができる。また、光源601のように、反射筒部609の発光筒部603A側の端部に突出部615を設け、この突出部615を、荷電粒子の流れを阻害しない範囲で放電路制限部7に近くなるように、収容ケース8内に伸ばして配置させてもよい。これにより、出射窓部4からの光量を増加させることができるとともに、反射筒部609によるスパッタ物等の異物の捕捉を、発光部2の内部から行うことができ、低温度部の出射窓部4へのスパッタ物の付着をより抑制することができる。
また、図6〜図9で示した、第3〜第6実施形態における反射筒部9の固定においても、図10で示したレーザ溶接やスポット溶接を用いても良い。その際、図10と同様に、反射筒部9の端部にステンレスリングを固定し、そのステンレスリングと固定部材とを溶接するのが好ましい。
また、反射筒部609の先端に固定する溶接用の構造体としては、様々な形状のものを採用することができる。
例えば、図11に示すように、反射筒部609の端部609dの外周にステンレス製のC型止め輪等の止め輪714を固定し、その止め輪714と収容ケース8の反射筒部固定用部材とを溶接することで反射筒部609を発光部2に対して固定してもよい。
さらに、図12に示すように、反射筒部609の端部609dの外周部にステンレス製のシート材814を帯状に巻き付け、その終端部を重ね合わせて溶接することにより固定してもよい。このシート材814の端部9d側には、反射筒部609の中心軸に対して垂直に延びる複数のつば部814aが設けられており、このつば部814aと固定用部材とを溶接することで反射筒部609を固定することができる。また、つば部814aを設けないでシート材814と固定用部材との近接部分を溶接することにより反射筒部609を固定してもよい。
図13には、本発明の変形例として、ステム703C、発光筒部703A、及び導光筒部703Bが光軸と同軸上に配置された重水素ランプとしての光源701を示す。このような光源701では、同一の軸方向からの組上げが可能である。詳細には、反射筒部109を、発光部2の固定リング8bに固定し一体化した後に、導光筒部703B及び発光筒部703Aが一体化された密封容器703内に挿入し、ステム703Cで密封容器703を封止して作製することができる。この反射筒部109には、光源601の場合と同様に、端部リング614が圧入および固定されており、この端部リング614と固定リング8bとが溶接されることにより、反射筒部109が固定されている。同時に、反射筒部109には、光源101の場合と同様に、その外壁面109bの出射窓部4側の端部に金属バンド112が固定されている。この金属バンド112により、導光筒部703Bと反射筒部109との同軸性が高められている。このような固定方法以外に、固定リング8bの高さを高くして反射筒部109の挿入部分と固定リング8bとをネジ加工することによって固定したり、固定リング8bにタップ穴を作製して反射筒部109を挿入後ビス等で固定する方法であってもよい。
また、光源1,101,201では、反射筒部9の外壁面9bの一部または全体に熱放射膜10が形成されているが、逆に、外壁面9bの発光筒部3A,203A側の端部を除く部分に、反射筒部9の素材よりも熱放射率の低い材料を形成してもよい。これにより、相対的に一端側の放熱性が向上し、熱放射膜10と同様の効果が期待できる。また、反射筒部9,109の一端側を構成する金属ブロック部材の材料を、他端側を構成する金属ブロック部材の材料よりも熱放射率の大きい材料で構成しても良い。また、発光筒部3A,203A,303A,403A,503Aとしては、他の発光形態を有するもの、例えばエキシマランプを使用しても良い。