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JP5477265B2 - 微細繊維状セルロースコンポジット多孔性シートの製造方法 - Google Patents

微細繊維状セルロースコンポジット多孔性シートの製造方法 Download PDF

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JP5477265B2 JP2010265934A JP2010265934A JP5477265B2 JP 5477265 B2 JP5477265 B2 JP 5477265B2 JP 2010265934 A JP2010265934 A JP 2010265934A JP 2010265934 A JP2010265934 A JP 2010265934A JP 5477265 B2 JP5477265 B2 JP 5477265B2
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Description

本発明は微細繊維状セルロースと高分子を複合化した多孔性シートを効率よく製造する方法に関するものである。
近年、物質をナノメートルサイズの大きさにすることによりバルクや分子レベルとは異なる物性を得ることを目的としたナノテクノロジーが注目されている。一方で、石油資源の代替および環境意識の高まりから再生産可能な天然繊維の応用にも注目が集まっている。
天然繊維の中でもセルロース繊維、とりわけ木材由来のセルロース繊維(パルプ)は主に紙製品として幅広く使用されている。紙に使用されるセルロース繊維の幅は10〜50μmのものがほとんどである。このような繊維を利用して濾紙などの濾材やフィルターが製造され、幅広く利用されている。
一方、セルロース繊維をレファイナーやニーダー、サンドグラインダーなどで処理(叩解、粉砕)し、セルロース繊維を微細化(ミクロフィブリル化)すると繊維幅はナノメートルオーダーとなることが知られ、これらの微細繊維状セルロースを利用した材料が提案されてきている。
また、セルロース繊維は弾性率が高く、熱膨張率の低いセルロース結晶の集合体であり、セルロース繊維を高分子とコンポジット化することによって耐熱寸法安定性が向上するため、積層板などに利用されている。セルロース繊維を機械的に粉砕し、その繊維幅を50nm以下とした微細繊維状セルロースの水分散液は透明である。他方、微細繊維状セルロースシートは空隙を含むため白く乱反射し、不透明度が高くなるが、微細繊維状セルロースシートに樹脂を含浸すると前記空隙が埋まるため、透明なシートが得られる。さらに、微細繊維状セルロースシートの繊維はセルロース結晶の集合体で、非常に剛直であり、また、繊維幅が小さいため、通常のセルロースシート(紙)に比べると同質量において繊維の本数が飛躍的に多くなる。そのため、高分子とコンポジット化すると高分子中で細い繊維がより均一かつ緻密に分散し、耐熱寸法安定性が飛躍的に向上する。また、繊維が細いため透明性が高い。このような特性を有する微細繊維状セルロースのコンポジットは、有機ELや液晶ディスプレイ用のフレキシブル透明基板(曲げたり折ったりすることのできる透明基板)として非常に大きな期待が寄せられている。また、不織布エアフィルターでは一般的に繊維幅の減少により捕集効率は向上するが、圧力損失は増加することが知られている。しかし、ある閾値より繊維幅が細くなると、繊維幅の減少に対して、圧力損失の増加量が減少すると考えられており、そのため、近年、ナノファイバーを用いたフィルターの研究が盛んになってきている。加えて、ナノファイバーからなる緻密な細孔を持つフィルターは水処理などにおける精密フィルターやウィルス捕集フィルターなどにも利用できると考えられる。
セルロース繊維を機械的に粉砕し、その繊維幅を50nm以下とした微細繊維状セルロースはこれらのナノファイバーフィルターへ応用可能であり、加えて弾性率、熱寸法安定性、耐溶剤性等の向上が期待できるが、前記のナノファイバーフィルターは主に樹脂系の高分子が用いられている。
また、セルロース、キトサンといった構造多糖類を用いたナノファイバーも電界紡糸などによって製造されているが、溶解を経ているため、天然由来の秩序構造は失われている。そのため、ミクロフィブリル構造に起因する高弾性率、熱寸法安定性などは期待できない。
水処理フィルターといった水系での使用する際には、耐水性を付与する必要があり、その手段の一つとして、高分子との複合化が考えられる。これによってフィルターに耐水性を付与させるだけではなく、微細繊維状セルロースと高分子のそれぞれの特性を活かした高性能フィルターの作製が期待できる。
微細繊維状セルロースに関する微細化技術、高分子とのコンポジット化技術については数多く開示されているが、工業的な生産性を維持しつつ、微細繊維状セルロースをコンポジットシートにする技術についてはほとんど開示されていないのが現状である。
具体的には特許文献1〜3に、セルロース繊維を微細繊維化する技術が開示されているが、微細繊維化されたセルロースをシート化すると同時に高分子とコンポジット化する技術については開示も示唆もない。
特許文献4〜10には、高分子樹脂に微細繊維状セルロースをコンポジット化させることによって力学強度等の物性を向上させる技術等が開示されているが、コンポジット化を易化させる技術についてはほとんど開示されていない。また、微細繊維状セルロースを用いた多孔性のコンポジットシートは存在しない。
また、特許文献10〜20には、微細繊維状セルロースをシート化する技術が開示されているが、コンポジットシートの多孔化について開示されている技術はない。
特許文献21〜26はナノファイバーを用いてフィルターを作製する技術が開示されているが、天然由来の微細繊維状セルロースを用いたフィルターはない。
特許文献27は微細繊維状セルロースを用いた多孔性材料を作製する技術であるが、セルロース繊維単体での多孔性材料製造技術であり、コンポジット化した多孔性材料を作る技術については開示されていない。また、前記微細繊維状セルロースからなるフィルター材料も報告されているが、本フィルターの繊維間は主に水素結合によって相互作用しているため、水に対して弱く、用途が限られる。
特許文献28は、セルロースミクロフィブリルに無機粒子あるいは高分子粒子からなるフィラー材を含んだ多孔性の複合シートの技術が開示されている。本技術では、多孔性シートを製造した後、熱カレンダー処理することにより高分子粒子が融着して耐水性が向上するとある。しかし、耐水性をさらに強くするために成膜性の良い高分子粒子をフィラー材として混合すると、抄紙工程中の乾燥工程でバインダーが融着して多孔性がなくなってしまうという問題がある。
特開昭56−100801号公報 特開2008−169497号公報 特許第3036354号公報 特許第3641690号公報 特表平9−509694号公報 特開2006−316253号公報 特開平9−216952号公報 特開平11−209401号公報 特開2008−106152号公報 特開2005−060680号公報 特開平8−188981号公報 特開2006−193858号公報 特開2008−127693号公報 特開平5−148387号公報 特開2001−279016号公報 特開2004−270064号公報 特開平8−188980号公報 特開2007−23218号公報 特開2007−23219号公報 特開平10−248872号公報 特開2009−148748号公報 特開2009−6272号公報 特開2008−101315号公報 特開2007−254942号公報 特開2006−289209号公報 特開2005−305289号公報 特開2010−115574号公報 特開2010−202987号公報
本発明は、微細繊維状セルロースを含む水系懸濁液に成膜性を有する高分子エマルションを混合し、この混合液を多孔性の基材上で濾過により脱水した後、有機溶媒を塗布、含浸などしてから乾燥することによって得られる微細繊維状セルロースと高分子のコンポジット多孔性シートの製造方法を提供するものである。
本発明者らは、微細繊維状セルロースを含む水系懸濁液に成膜性を有する高分子エマルションを混合し、この混合液を多孔性の基材上で濾過により脱水した後、有機溶媒を塗布、含浸などしてから、乾燥する方法によって水を多く含む微細繊維状セルロースと高分子のコンポジットシートを効率的に多孔化できるか種々検討し、かかる知見に基づき本発明を完成させた。
本発明は、以下の各発明を包含する。
微細繊維状セルロースおよび成膜性を有する高分子を用いたコンポジット多孔性シートの製造方法であって、微細繊維状セルロースを含む水系懸濁液に成膜性を有する高分子エマルションを混合して混合液を製造する調製工程、前記混合液を多孔性の基材上で濾過により脱水し、水分を含んだシートを形成する抄紙工程、前記水分を含んだシートを有機溶媒で置換する工程、有機溶媒で置換したシートを加熱乾燥する乾燥工程を有する微細繊維状セルロースコンポジット多孔性シートの製造方法である。
前記高分子がポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、酸変性スチレン−ブタジエン共重合体から選択される少なくとも1種である(1)に記載の微細繊維状セルロースコンポジット多孔性シートの製造方法である。
前記高分子エマルションがカチオン性である(1)または(2)に記載の微細繊維状セルロースコンポジット多孔性シートの製造方法である。
前記調製工程において、前記混合液にセルロース凝結剤を配合する(1)〜(3)のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースコンポジット多孔性シートの製造方法である。
前記調製工程において、混合する微細繊維状セルロースの繊維幅が2〜1000nmである(1)〜(4)のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースコンポジット多孔性シートの製造方法である。
本発明によって、微細繊維状セルロースと成膜性を有する高分子のコンポジット多孔性シートを非常に効率よく生産できる製造方法を提供することができ、かつ前記コンポジットシートに耐水強度と多孔性を向上させることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における微細繊維状セルロースは通常製紙用途で用いるパルプ繊維よりもはるかに幅の狭いセルロース繊維あるいは棒状粒子である。微細繊維状セルロースは結晶状態のセルロース分子の集合体であり、その結晶構造はI型(平行鎖)である。微細繊維状セルロースの幅は電子顕微鏡で観察して2nm〜1000nmが好ましく、より好ましくは2nm〜500nm、さらに好ましくは4nm〜100nmである。繊維の幅が2nm未満であると、セルロース分子として水に溶解しているため、微細繊維としての物性(強度や剛性、寸法安定性)が発現しなくなる。1000nmを超えると微細繊維とは言えず、通常のパルプに含まれる繊維にすぎないため、微細繊維としての物性(強度や剛性、寸法安定性)が得られない。また、微細繊維状セルロースのコンポジットに透明性が求められる用途であると、微細繊維の幅は50nm以下が好ましい。
ここで、微細繊維状セルロースがI型結晶構造をとっていることは、グラファイトで単色化したCuKα(λ=1.5418Å)を用いた広角X線回折写真より得られる回折プロファイルにおいて、2θ=14〜17°付近と2θ=22〜23°付近の2箇所の位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。また、微細繊維状セルロースの電子顕微鏡観察による繊維幅の測定は以下のようにして行う。濃度0.05〜0.1質量%の微細繊維状セルロースの水系懸濁液を調製し、前記懸濁液を親水化処理したカーボン膜被覆グリッド上にキャストしてTEM観察用試料とする。幅の広い繊維を含む場合には、ガラス上にキャストした表面のSEM像を観察してもよい。構成する繊維の幅に応じて5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。この際、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定した場合に少なくとも軸に対し、20本以上の繊維が軸と交差するような試料および観察条件(倍率等)とする。この条件を満足する観察画像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維幅を目視で読み取っていく。こうして最低3枚の重なっていない表面部分の画像を電子顕微鏡で観察し、各々2つの軸の交錯する繊維の繊維幅の値を読み取る(最低20本×2×3=120本の繊維幅)。
微細繊維状セルロースの製造方法には特に制限はないが、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、高速回転型解繊機、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナーなどの機械的作用を利用する湿式粉砕でセルロース系繊維を細くする方法が好ましい。また、TEMPO酸化、オゾン処理、酵素処理などの化学処理を施してから微細化してもかまわない。微細化するセルロース系繊維としては、植物由来のセルロース、動物由来のセルロース、バクテリア由来のセルロースなどが挙げられる。より具体的には、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の木材系製紙用パルプ、コットンリンターやコットンリントなどの綿系パルプ、麻や麦わら、バガスなどの非木材系パルプ、ホヤや海草などから単離されるセルロースなどが挙げられる。これらの中でも木材系製紙用パルプや非木材系パルプが入手のし易さという点で好ましい。
本発明においては、前記微細繊維状セルロースを水に懸濁させた水系懸濁液に成膜性を有する高分子エマルションを混合して使用される。
ここで、高分子エマルションとは、天然あるいは合成高分子のエマルションであり、粒子径が0.001〜10μm程度の微細な高分子粒子で、水中に分散した乳白色の液体である。これらの高分子エマルションは、通常乳化重合により製造されるが、高分子ラテックスと称されることもある。乳化重合は、ラジカル重合の一種で、基本的には水系媒体中で媒体に難溶な単量体と乳化剤を混合し、媒体に溶解可能な重合開始剤を加えて行う重合法である。このような高分子エマルションとしては特に限定されないが、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリエステル、ポリウレタン等の樹脂エマルション;天然ゴム;スチレン−ブタジエン共重合体;分子鎖末端が−SH、−CSSH、−SOH、−(COO)M、−(SOMおよび−CO−R(なお、前記官能基において、Mはカチオン、xはMの価数に依存する1〜3の整数であり、Rはアルキル基である)の群から選ばれる少なくとも1つの官能基で変性されたスチレン−ブタジエン共重合体;酸変性、アミン変性、アミド変性、アクリル変性等の変性スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体等が挙げられる。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のような高分子は後乳化法によってエマルション化してもよい。
高分子エマルションに用いられる高分子は成膜性に優れる高分子を選択する必要がある。成膜性を良くするためには、前記高分子のガラス転移温度は60℃以下とする必要があり、50℃以下がさらに好ましく、40℃以下が特に好ましい。なお、本発明でいうガラス転移温度とは、例えば、妹尾学・栗田公夫・矢野彰一郎・澤口孝志著『基礎高分子科学』(共立出版株式会社、2000年)に記載されているような非晶領域における高分子鎖のセグメントがミクロブラウン運動を開始する温度で、共重合体の場合、同書第131〜132頁に記載されているFoxの式により計算されるガラス転移温度である。すなわち、共重合体のガラス転移温度は次式によって計算されたものである。
Figure 0005477265
前記式において、Tgとは共重合体のガラス転移温度であり、絶対温度に換算して計算される。Tg、Tg、・・・・・、Tgは、成分1、2、・・・・・、nのそれぞれのホモポリマー1、2、・・・・・、nのガラス転移温度(絶対温度表示)である。また、W、W、・・・・・、Wは、共重合体成分中における特定の単量体の質量分率である。したがって、種々のガラス転移温度を示すホモポリマーを構成する単量体の質量分率を調整することにより共重合体のガラス転移温度を本発明の所望の範囲に制御することができる。
前記高分子のなかでも成膜性の観点からポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、酸変性スチレン−ブタジエン共重合体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記高分子エマルションの製造方法について説明する。
まず、本発明において使用する高分子エマルションはラジカル重合性単量体を乳化剤の使用により水中に乳化させ、かつこれらの単量体が重合して生成するエマルションを水中で安定化させる能力を十分に有する高分子である。
高分子エマルションの製造方法は、従来の伝統的な乳化重合法によるものである。すなわち、適当な水性媒体中で、過酸化物、アゾ化合物等の重合開始剤、チオール化合物、ジスルフィド化合物等の連鎖移動剤の存在下で、ラジカル重合性単量体(乳化物)をラジカル重合するものである。
前記高分子エマルションには、乳化剤は全単量体に対して0.1〜6質量%の範囲で含有させる。含有量が0.1質量%未満であると重合安定性が不十分となり、反応中に凝集物が発生してしまうおそれがある。また、6質量%を越えると、高分子エマルションの粒子径が小さくなり過ぎ、粘度が高くなるため好ましくない。
前記高分子エマルションに用いられる乳化剤としては、例えば、オレイン酸カリウム、ラウリル酸ナトリウム、トデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンジアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等のアニオン系乳化剤、さらに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)ブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系乳化剤を例示できる。また、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アシルアミノエチルジエチルアンモニウム塩、アシルアミノエチルジエチルアミン塩、アルキルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルピリジニウム硫酸塩、ステアラミドメチルピリジニウム塩、アルキルキノリニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、脂肪酸ポリエチレンポリアミド、アシルアミノエチルピリジニウム塩、アシルコラミノホルミルメチルピリジニウム塩などの第4級アンモニウム塩、ステアロオキシメチルピリジニウム塩、脂肪酸トリエタノールアミン、脂肪酸トリエタノールアミンギ酸塩、トリオキシエチレン脂肪酸トリエタノールアミン、セチルオキシメチルピリジニウム塩、p−イソオクチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩などのエステル結合アミンやエーテル結合第4級アンモニウム塩、アルキルイミダゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−アルキルイミダゾリン、1−アセチルアミノエチル−2−アルキルイミダゾリン、2−アルキル−4−メチル−4−ヒドロキシメチルオキサゾリンなどの複素環アミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、N−アルキルプロピレンジアミン、N−アルキルポリエチレンポリアミン、N−アルキルポリエチレンポリアミンジメチル硫酸塩、アルキルビグアニド、長鎖アミンオキシドなどのアミン誘導体等のカチオン系乳化剤を例示できる。さらに、乳化分散能力を有する比較的低分子量の高分子化合物、例えばポリビニルアルコール、およびその変性物、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール誘導体、ポリカルボン酸共重合体の中和物、カゼイン等を単独あるいは上記の乳化剤と併用して使用できる。
重合時の単量体の濃度は、通常30〜70質量%程度、好ましくは40〜60質量%程度が適当である。また、重合の際に用いる重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などのパーオキサイド化合物、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、ジメチル2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4´−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2´−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2´−アゾビス{2−メチル−N−[1,1´−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2´−アゾビス{2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス{2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェートジハイドレート、2,2´−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]}ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート等のアゾ化合物を用いることができる。
前記高分子エマルションを重合する際の水性媒体としては、水または水にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン類、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン等の芳香族類、ジクロロメタン、1,1,2−トリクロロエタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、イソプロパノール、エタノール、メタノール、メトキシエタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類を配合したものを適宜選択できる。
本発明に用いられる、前記高分子エマルションを構成する単量体として具体的に挙げると、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、モノアルキルマレイン酸、モノアルキルフマル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸含有単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセノールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、これらの少なくとも一種を使用することができる。
連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸等のメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルチウラムジスルフィド等のスルフィド類、ヨードホルム等のハロゲン化炭化水素、ジフェニルエチレン、p−クロロジフェニルエチレン、p−シアノジフェニルエチレン、α−メチルスチレンダイマー、イオウ等を用いることができる。
重合禁止剤としては、フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2´−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4´−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−フェニル−1−ナフチルアミン、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、ハイドロキノン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等を用いることができる。
重合反応は、通常40〜95℃、好ましくは60〜90℃程度の反応温度で、1〜10時間、好ましくは4〜8時間程度行えばよい。単量体の添加方法としては、一括添加法、分割添加法、連続添加法等で、単量体タップ法、単量体プレ乳化タップ法等の方法で行うことができる。好ましくは連続添加法で単量体プレ乳化タップ法である。
このようにして得られた高分子エマルションの濃度は20〜65質量%が好ましく、より好ましくは30〜60質量%程度に調節される。
前記高分子エマルション(ラテックス)のうち、共重合体中にカルボキシル基、スルホ基等を含有する単量体が共重合されている場合、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、各種の第1級、第2級、第3級アミン等の適当なアルカリ性物質で中和することによって安定化してもよい。
次に、後乳化法によって高分子をエマルション化する方法について説明する。
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の熱可塑性樹脂を乳化剤や保護コロイド剤等の分散剤を用いて水に分散させた分散液、いわゆるエマルションを製造する方法は、種々知られている。
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体の場合は、特開昭57−61035号公報に記載のように、先ずエチレン−酢酸ビニル共重合体を加熱溶融し、次いで、前記のようなアニオン系やノニオン系の乳化剤を添加撹拌し、その後、熱水を添加して、ホモミキサー等の機械剪断力を用いて乳化することにより得られる。
また、水溶性又は水分散性のポリウレタンエマルションも多数知られている。その一つとしては、ブロック化イソシアネート基を利用した比較的低〜中分子量域の熱反応型ポリウレタンエマルションが挙げられる。もう一つとしては、直鎖状構造を主体とする比較的高分子量域の熱可塑性ポリウレタンエマルションが挙げられる。これらはウレタン樹脂骨格中にアニオン系、カチオン系、ノニオン系の親水基を導入して自己乳化若しくは分散するか、又は疎水性樹脂に上記のような乳化剤を添加して強制的に水中に分散するものである。
本発明において、微細繊維状セルロースの水系懸濁液と高分子エマルションとを混合し、シート化する際の歩留りや脱水性を考慮すると、高分子エマルションの粒子径は大きいほうがよく、また、大き過ぎるとシートの均一性、光学物性が低下するおそれがあるため、目的に合った適度な大きさである0.001〜10μmが好ましい。なかでも、前記高分子エマルションは表面電荷がカチオン性であることが分散安定性、歩留りなどにおいて有利である。
前記高分子エマルションにカチオン性を付与する方法としてはカチオン性単量体を共重合する方法や、カチオン性乳化剤を用いてエマルションの分散質を重合する方法等が挙げられる。
エマルションの分散質としてポリウレタンを例にしてカチオン性を付与する方法を具体的に説明する。ウレタンプレポリマーにカチオン性を付与する1つの方法として、ウレタンプレポリマーに、3級アミノ基を有する活性水素化合物を反応させることによって、3級アミノ基を導入する方法挙げられる。3級アミノ基を有する活性水素化合物としては、任意のものが使用できる。好ましい活性水素化合物としては、ヒドロキシル基または1級アミノ基のような活性水素含有基と3級アミノ基を有する脂肪族化合物、例えばN,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミンなどが挙げられる。また、3級アミンを有するN,N,N−トリメチロールアミン、N,N,N−トリエタノールアミンを使用することもできる。なかでも、3級アミノ基を有し、かつイソシアネート基と反応性のある活性水素を2個以上含有するポリヒドロキシ化合物が好ましい。
これら3級アミノ基を導入したウレタンプレポリマーのアミン当量値は、10mgKOH/g以上が好ましい。前記アミン当量値(1,2,3級アミンの総量を示すもので、サンプル1gを中和するのに要する塩酸と当量のKOHのmg数)が10mgKOH/g以上であれば、ウレタンプレポリマーに十分な親水性を付与することができる。
前記3級アミノ基を有する活性水素化合物の活性水素含有基と、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基とを反応させることによって、3級アミノ基を有する活性水素化合物をウレタンプレポリマーに結合させる。その後、4級化剤によって、3級アミノ基を4級化すると、水溶性のカチオン性ウレタンプレポリーを得ることができる。
4級化剤としては、非塩素系という観点から、硫酸ジメチルや硫酸ジエチルの使用が好ましい。また、4級化を行わず、3級アミノ基を酸で中和し、塩にすることによって水溶化することもできる。中和酸としては、酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、グルタール酸、アジピン酸、マレイン酸などの有機酸あるいはリン酸や硝酸などの無機酸が好ましい。
ウレタンプレポリマーにカチオン性を付与する2つ目の方法として、ウレタンプレポリマーに、カチオン性化合物を配合し、ウレタンプレポリマーをカチオン性に帯電させる方法が挙げられる。この場合、ウレタンプレポリマーのアミン当量値は10mgKOH/g以下が好ましく、0mgKOH/gでも構わない。
カチオン性化合物としては、例えば、第4級アンモニウム塩を有するカチオン性乳化剤が挙げられる。具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム塩やアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン縮合物などのジシアンジアミド系化合物などが挙げられる。
カチオン性化合物を含む乳化剤を用いてウレタンプレポリマーを水に乳化することによって、ウレタンプレポリマーにカチオン性を付与することができる。
また、3級アミノ基を有しかつイソシアネート基との反応性のある活性水素を少なくとも2個以上含有するポリヒドロキシ化合物を、ウレタンプレポリマーと反応させ、さらにカチオン性化合物を含む乳化剤を用いて水に乳化することによってもウレタンプレポリマーにカチオン性を付与することができる。
このようにして、ウレタンプレポリマーにカチオン性を付与した後、前記ウレタンプレポリマーに水を添加して、ウレタンプレポリマーを水系化(水に溶解あるいは分散させること)しながら、イソシアネート基を架橋(ウレア結合を形成)させる。ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基の含有量は、1〜5質量%の範囲内であることが好ましい。イソシアネート基がこの範囲であれば、ウレタンプレポリマーの調製が容易でかつ、得られるポリウレタンの凝集力が高くなり過ぎることがなく、得られるコンポジットシートに優れた風合いを付与することができる。
水のかわりに、1分子中に2個以上の活性水素を持つ多価アミンを添加し、ウレタンプレポリマーを水に乳化しながらイソシアネート基をアミン架橋させてもよい。
1分子中に2個以上の活性水素を持つ多価アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキシレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
このようにカチオン性ウレタンプレポリマーに水あるいは多価アミンを添加して、乳化しながらカチオン性ウレタンプレポリマーの鎖伸張反応を行い、ついで溶剤を除去すると、ポリウレタンのエマルションが得られる。
本発明において用いる高分子エマルションの濃度は20〜65質量%程度の範囲で任意に変えられるが、セルロースシートの坪量が低くなると繊維による捕捉がなくなり、歩留りが極端に低下するおそれがある。
本発明において使用する微細繊維状セルロースと高分子を含む混合液は、微細繊維状セルロース水系懸濁液に前記高分子エマルションを攪拌しながら投入して調製する。攪拌装置としてはアジテーター、ホモミキサー、パイプラインミキサーなどの装置を用いて均一に混合攪拌する。
本発明においては、調製工程で前記混合液にセルロース凝結剤を配合することが好ましい。前記セルロース凝結剤としては、水溶性無機塩やカチオン性官能基を含む水溶性有機化合物が挙げられる。水溶性無機塩としては塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウムなどが挙げられる。
カチオン性官能基を含む水溶性有機化合物としてはポリアクリルアミド、ポリビニルアミン、尿素樹脂、メラミン樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、第四級アンモニウム塩を含有するモノマーを重合あるいは共重合したポリマーなどが挙げられる。
セルロース凝結剤の配合量は水系懸濁液がゲル化する量以上に添加する。具体的には、微細繊維状セルロース100質量部に対して、セルロース凝結剤を0.5〜10質量部添加するのが好ましい。因みに、セルロース凝結剤の添加量が0.5質量部未満であると、水系懸濁液のゲル化が不充分となり、濾水性向上効果が乏しくなるおそれがある。添加量が10質量部を超えると、ゲル化が進み過ぎ、水系懸濁液の取扱が困難となるおそれがある。より好ましくは1〜8質量部の範囲である。ここで、本発明によるゲル化とは水系懸濁液の粘度が急激かつ大幅に上昇し、流動性を失う状態変化である。ただし、ここで得られるゲルはゼリー状であり、攪拌によって容易に破壊される。ゲル化の判断は急激に流動性を失う状態であるので目視で判断可能であるが、本発明のセルロース凝結剤を含む微細繊維状セルロースの水系懸濁液について濃度0.5質量%、温度25℃でのB型粘度(ロータNo.4、回転数60rpm)で判断する。前記粘度が1000mPa・秒以上であることが好ましく、2000mPa・秒以上であることがより好ましく、3000mPa・秒以上であることが特に好ましい。因みに、B型粘度が1000mPa・秒未満であると水系懸濁液のゲル化が不充分となり、濾水性向上効果が乏しくなるおそれがある。
また、透明性が求められる用途にはカチオン性が弱い化合物をセルロース凝結剤として使用することが好ましい。カチオン性が弱い化合物として炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどの炭酸アンモニウム系化合物やギ酸アンモニム、酢酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウムなどの有機カルボン酸アンモニウム系化合物が挙げられる。これらの中でも60℃以上の加熱で分解、気化してシート中から放出される炭酸アンモニウムや炭酸水素アンモニムが好ましい。
さらに、コロイド滴定法により測定されるカチオン化度が1.0〜3.0meq/gである微カチオン樹脂、例えばポリアミド化合物、ポリアミドポリ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ尿素化合物及びポリアミドアミン化合物などの有機高分子も使用できる。市販品としては、SPI−203(変性アミン系樹脂、田岡化学工業社製)、SPI−106N(変性ポリアミド系樹脂、田岡化学工業社製)、SPI−102A(変性ポリアミド系樹脂、田岡化学工業社製)等が挙げられる。
〔コロイド滴定法〕
カチオン化度の測定に使用されるコロイド滴定法は寺山宏・東京大学理学部教授により提案された高分子電解質の滴定法であり、その原理はポリカチオンとポリアニオンがイオン会合し、瞬時に複合体を形成することに基づくものである。また、滴定の終点検出には色素のメタクロマジー現象が利用されている。コロイド滴定法を用いたカチオン化度の測定には「コロイド滴定セット」(株式会社同仁化学研究所製)を使用することができる。
前記カチオン性が弱い化合物については、微細繊維状セルロース100質量部に対して、セルロース凝結剤を10〜200質量部配合するのが好ましく、より好ましくは20〜150質量部、さらに好ましくは30〜100質量部の範囲である。カイオン性の弱いセルロース凝結剤の配合量が10質量部未満であると、濾水性が悪化するおそれがある。逆に、配合量が200質量部を超えると透明性が悪化するおそれがある。
本発明においては、微細繊維状セルロース及び高分子樹脂を含む水系懸濁液をシート化する方法としては、例えば特願2009−173136に記載の微細繊維を含む分散液を無端ベルトの上面に吐出し、吐出された前記分散液から分散媒を搾水してウェブを生成する搾水セクションと、前記ウェブを乾燥させて繊維シートを生成する乾燥セクションとを備え、前記搾水セクションから前記乾燥セクションにかけて前記無端ベルトが配設され、前記搾水セクションで生成された前記ウェブが前記無端ベルトに載置されたまま前記乾燥セクションに搬送される製造装置を用いる方法等が挙げられる。
本発明で使用できる脱水方法としては紙の製造で通常に使用している脱水方法が挙げられ、長網、円網、傾斜ワイヤーなどで脱水した後、ロールプレスで脱水する方法が好ましい。また、乾燥方法としては紙の製造で用いられている方法が挙げられ、例えば、シリンダードライヤー、ヤンキードライヤー、熱風乾燥、赤外線ヒーターなどの方法が好ましい。
なお、脱水時のワイヤーとして使用できる多孔性の基材としては、一般の抄紙に使用するワイヤーが挙げられる。例えば、ステンレス、ブロンズなどの金属ワイヤーやポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデンなどのプラスチックワイヤーが好ましい。また、セルロースアセテート基材などのメンブレンフィルターやプラスチックや紙などからなる不織布をワイヤーとして使用してもかまわない。ワイヤーの目開きとしては0.2μm〜200μmが好ましく、0.4μm〜100μmがさらに好ましい。目開きが0.2μm未満であると脱水速度が極端に遅くなり好ましくない。200μmを超えて大きいと微細繊維状セルロースの歩留りが低下して好ましくない。
この場合の混合液の濃度としては3質量%以下であることが好ましく、0.1〜1質量%であることがより好ましく、0.2〜0.8質量%であることが特に好ましい。混合液の濃度が3質量%を超えると粘度が高過ぎて取り扱いが困難となるおそれがある。前記混合液の粘度は、B型の粘度で100〜5000mPa・秒程度が好適である。
本発明で得られる微細繊維状セルロースコンポジットシートの坪量は0.1〜1000g/mが好ましく、1〜500g/mがさらに好ましく、5〜100g/mが特に好ましい。坪量が0.1g/m未満になるとシート強度が極端に弱くなり、連続生産が困難となる。1000g/mより超えると脱水に非常に時間がかかり、生産性が極端に低下して好ましくない。
本発明で得られる微細繊維状セルロースコンポジットシートの厚さは0.1〜1000μmが好ましく、1〜500μmがさらに好ましく、5〜100μmが特に好ましい。厚さが0.1μm未満になるとシート強度が極端に弱くなり、連続生産が困難となる。1000μmより超えると脱水速度に非常に時間がかかり、生産性が極端に低下して好ましくない。
本発明で得られる微細繊維状セルロースコンポジットシートは目的の物性を得るために後工程でのサイズプレス、塗工などによって処理されてもよい。
本発明においては前記水分を含む微細繊維状セルロースシートに有機溶媒で置換すること、すなわち有機溶媒を塗布または含浸することが必要であり、その有機溶媒としては、沸点120〜260℃で、水溶性であることが好ましい。
有機溶媒の沸点が120℃より低いと、水を蒸発させる時に有機溶媒が一緒に蒸発する量が増えてしまい、多孔性のシートが得られないおそれがある。逆に、沸点が260℃を超えると、有機溶媒を蒸発させるために高温が必要となり、微細繊維が黄変したり、繊維強度が低下したりするおそれがある。また、水に対する溶解性は20℃において10%以上の溶解性が好ましく、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上である。
このような有機溶媒としては、例えば、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルなどのグライム類、1,2−ブタンジオール、1,6ヘキサンジオールなどの2価アルコール類、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。これらの有機溶媒は2種以上併用してもかまわない。
なかでも、水への溶解性に優れ、沸点と表面張力と分子量のバランスが良いジエチレングリコールジメチルエーテルとジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルが特に好ましい。
本発明において前記水分と有機溶媒を含む微細繊維状セルロースシートに含有される水と有機溶媒との質量割合は、100:10〜10:100が好ましく、100:30〜30:100がより好ましく、100:50〜50:100がさらに好ましい。有機溶媒の割合が10未満であると、シートの多孔性が低下するおそれがある。また、有機溶媒の割合が100を超えると、パルプ濃度が低下しすぎて抄紙効率が低下するし、パルプ濃度を一定のまま有機溶媒の割合が100を超えると粘度が高すぎたり、微細繊維が凝集を起こしたりするおそれがある。
本発明において有機溶媒を塗布または含浸させる方法としては、スプレー、カーテン、グラビア、バー、ブレード、サイズプレス、ゲートロール、キャップコーター、マイクログラビア、ダイコーター、ロッドコーター、コンマコーター、スクリーンコーター等の方法が挙げられるが、塗布量(含浸量)を制御しやすく、均一に可能という理由からスプレー、カーテン、グラビア、バー、ブレード、サイズプレスから選択される少なくとも一種の方法であることが好ましい。水分を含んだシートは強度的に弱く、コーターヘッド接触するとシートに筋が入ったり、ムラが発生するため、非接触の塗布方法であるスプレーやカーテンが最も好ましい。
本発明において、乾燥工程は特に限定されないが、二段階の乾燥とするのが好ましい実施態様である。すなわち、第一乾燥工程において水を蒸発させ、次いで第二乾燥工程において水よりも高沸点の有機溶媒を蒸発させるものである。また、乾燥方法としては紙の製造で通常用いられている方法が好ましく、例えば、シリンダードライヤー、ヤンキードライヤー、熱風乾燥(フローティングドライヤー)、赤外線ヒーターなどの方法が挙げられる。この方法によって得られた微細繊維状セルロースシートには微細な空隙が多数形成され、樹脂を含浸させるのが極めて容易となる。
本発明によって製造される多孔性コンポジットシートはセルロース由来の高弾性率を保持し、かつシワがなく細孔を多く有する低密度シートである。また、本来、水に弱いあるいは湿度に対する寸法変化が大きいセルロースシートに耐水性あるいは耐湿寸法安定性の向上といった高分子樹脂の持つ機能を付与することが可能となる。
本発明において、多孔性とは、コンポジットシートの密度が0.9g/cm以下であり、1μm以下の細孔体積が0.03ml/g以上であり、1μm以下の細孔モード径が0.007μm以上であるものをいう。密度が0.30〜0.90g/cmが好ましく、0.40〜0.85g/cmが特に好ましい。密度が0.30g/cm未満であるとシートの強度が弱く、密度が0.90g/cmを超えると多孔性が低い。1μm以下の細孔体積は0.03ml/g〜0.60ml/gが好ましく、0.05ml/g〜0.55ml/gが特に好ましい。0.03ml/g未満であると多孔性が低い。0.60ml/gであるとシートの強度が低い。1μm以下の細孔モード径は、0.007μm〜0.20μmが好ましく、0.01μm〜0.10μmが特に好ましい。0.007μm未満であると多孔性が低い。0.20μmを超えるとシートの強度が低い。
以下、本発明を更に詳しく説明するために実施例を挙げるが、いうまでもなく本発明はこれらに限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ質量部および質量%を示す。
<微細繊維状セルロース水系懸濁液の製造>
パルプの製造に供するベイマツチップを、チップ厚み分級装置で、厚みが8mmパスで2mmオン分のチップに分級した後、天日でチップの含水率(水分量/水分量を含むチップ全量の割合)を約7%に調節し、木粉化の試料とした。
前記チップを、(株)槙野産業製の粗粉砕機(ハンマークラッシャー HC−400)を用いて、粗粉砕した。それを分級することなく、同社製のDDミル(スクリーン 0.8mmφ、DD−3型)で一次微粉砕した後、さらにDDミル(スクリーン 0.2mmφ、DD−3型)で二次微粉砕した。
前記木粉を2%炭酸ナトリウム水溶液中で攪拌しながら90℃で5時間脱脂処理した。処理後の原料は、10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整した。
脱リグニン工程で、無水酢酸と30%過酸化水素を液量として1:1に混合して調整し、この脱リグニン液を、脱脂処理後の原料(BD30g)に対して過酸化水素当量で4.5%に相当する過酸水溶液を1.5L加え、90℃で1時間処理した。
スラリー状の脱リグニン処理した原料(BD30g)に5%水酸化カリウム水溶液を用いて、室温で24時間浸漬し、脱ヘミセルース処理した。10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水し、蒸留水を加えて2%のパルプ懸濁液を作製した。
前記のパルプスラリーを高速回転型解繊機(エムテクニック社製、商品名:「クレアミックス9S」)にて回転数7000rpmで2時間処理し、濃度0.2%に希釈して微細繊維状セルロース水系懸濁液を得た。
<実施例1>
前記の微細繊維状セルロース水系懸濁液を50部と濃度0.2%に希釈したアニオン性ポリプロピレン樹脂エマルション(商品名:「ハイテックP−5800」(ガラス転移温度:0℃、平均粒子径:0.15μm)、東邦化学社製)50部と混合した後、濃度0.2%のカチオン性凝結剤(商品名:「フィクサージュ614」、栗田工業化学社製)を5部加えて1分間攪拌した。得られた混合液を180℃で熱カレンダー処理した不織布(商品名:「テクノワイパー」、テクノス社製)上で吸引脱水した。
得られたウェットシート上にエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル(EG−t−BE)(東京化成工業社製、分子量118、沸点152℃、表面張力26.3mN/m)をウェットシート固形分100部に対して2400部を均一にスプレー塗布した。さらに減圧して水と有機溶剤を含んだウェットシートを形成した。ウェットシートを70℃のシリンダードライヤーで0.3MPaに加圧しながら40分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第2乾燥工程)シートをテクノワイパーから剥がし、49.3g/mの微細繊維状セルロースコンポジット多孔シートを得た。得られたシートは白く不透明であった。厚さは68μmであった。
前記アニオン性ポリプロピレン樹脂エマルションを添加することで、セルロースのみの場合と比べて水に対する接触角が増加し、湿度伸縮率は低下して、加えて温度寸法安定性、強度性能を向上させることができた。
<実施例2>
アニオン性ポリエチレンエマルション(商品名:「E−2213」(ガラス転移温度:−120℃、平均粒子径:0.07μm)、東邦化学工業社製)を用いた以外は実施例1と同様にして44.7g/mの微細繊維状セルロースコンポジット多孔シートを得た。得られたシートは白く不透明であった。厚さは61μmであった。
<実施例3>
前記の微細繊維状セルロース水系懸濁液を50部と濃度0.2%に希釈したカチオン性ポリウレタンエマルション(商品名:スーパーフレックス650、第一工業製薬製)(ガラス転移温度:40℃)を50部と混合した後、1分間攪拌した。得られた混合液を180℃で熱カレンダー処理した不織布(商品名:「テクノワイパー」、テクノス社製)上で吸引脱水した。得られたウェットシート上にエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル(EG−t−BE)(東京化成工業社製、分子量118、沸点152℃、表面張力26.3mN/m)をウェットシート固形分100部に対して2400部を均一にスプレー塗布した。さらに減圧して水と有機溶剤を含んだウェットシートを形成した。ウェットシートを70℃のシリンダードライヤーで0.3MPaに加圧しながら40分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第2乾燥工程)シートをテクノワイパーから剥がし、45.7g/mの微細繊維状セルロースコンポジット多孔シートを得た。得られたシートは白く不透明であった。厚さは57μmであった。
<実施例4>
前記アニオン性ポリプロピレンエマルションを用いて実施例1と同様に吸引脱水した後、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルをウェットシート固形分100部に対して1200部を均一にカーテン塗布した。さらに減圧して水と有機溶剤を含んだウェットシートを形成した。ウェットシートを70℃のシリンダードライヤーで0.3MPaに加圧しながら40分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第2乾燥工程)シートをテクノワイパーから剥がし、49.7g/mの微細繊維状セルロースコンポジット多孔シートを得た。得られたシートは白く不透明であった。厚さは66μmであった。
<実施例5>
エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルをウェットシート固形分100部に対して4800部を均一にスプレー塗布したこと以外は実施例4と同様にして47.8g/mの微細繊維状セルロースコンポジット多孔シートを得た。得られたシートは白く不透明であった。厚さは69μmであった。
前記アニオン性ポリエチレンエマルションを添加することで、セルロースのみの場合と比べて水の接触角が増加し、湿度伸縮率は低下して、加えて温度寸法安定性、強度性能を向上させることができた。
<比較例1>
前記の微細繊維状セルロース水系懸濁液を100部にし、高分子エマルションを添加しないこと以外は実施例1と同様にして微細繊維状セルロース多孔シートを得た。
<比較例2>
ウェットシート上にエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル(EG−t−BE)を添加しないこと以外は実施例1と同様にして微細繊維状セルロースコンポジットシートを得た。
<比較例3>
ウェットシート上にエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル(EG−t−BE)を添加しないこと以外は実施例2と同様にして微細繊維状セルロースコンポジットシートを得た。
Figure 0005477265
[評価方法]
1.透気度
微細繊維状セルロース/高分子コンポジットシートの透気度をJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000(王研式)に準じて測定した。透気度が低いほど樹脂の含浸性が良好である。
2.細孔体積および細孔表面積
微細繊維状セルロースシートの1μm径以下の細孔体積および細孔表面積を水銀ポロシメーター(島津製作所社製、商品名:「オートポアIV9505」)で測定した。細孔体積および細孔表面積が大きいほど樹脂の含浸性が良好である。細孔体積は0.1以上2mL/g以下が好ましい。細孔体積が0.1mL/g未満になると含浸できなくなる。細孔体積が2ml/gを超えると含浸樹脂に対する微細繊維状セルロースの割合が小さくなり好ましくない。細孔表面積は40m/g以上、200m/g以下が好ましい。40m/g未満であると樹脂の含浸性が悪くなり、200m/gを超えるとシートの強度が低下して好ましくない。
3.ステキヒト法サイズ度
ステキヒト法サイズ度測定はJIS P8122に準じて測定した。サイズ度が高いほど水の浸透性が低い。
4.湿度伸縮測定
湿度伸縮試験は佐川製作所製の湿度伸縮測定装置を用いて行った。20gのおもりで荷重をかけながら、チャンバー内の湿度を(a)50%RH、(b)85%RH、(c)25%RH、(d)85%RH、(e)25%RHの湿度履歴を与えた後に、更に80%RH、25%RHの順に変更し、両者の伸縮量を測定し、下式により湿度伸縮率を計算した。
湿度伸縮率(%)=(湿度80%RH時伸縮量−湿度25%RH時伸縮量)/スパン長×100
5.接触角測定
TAPPI T558に準じて、4μLの蒸留水(20℃)を滴下し、0.1秒後の接触角を動的接触角計(FIBRO system ab製、商品名:「DAT 1100」)で測定した。
表1から明らかなように本発明の微細繊維状セルロース/高分子コンポジットシートは多孔性であり、且つ耐水性といった高分子の特性も有するシートである。この製造方法によればコンポジット多孔性シートが抄紙装置によって容易に製造することができる。そして、湿度寸法安定性および防湿性能を向上させ、しかも多孔性のシートが得られる。
本発明の製造方法によれば、微細繊維状セルロースと高分子を効率よく多孔性のコンポジットシートにすることができ、得られたシートも耐水強度、湿度寸法安定性、防湿性能に優れた特性を示すものであり、耐水性フィルター等に有用である。

Claims (5)

  1. 微細繊維状セルロースおよび成膜性を有する高分子を用いたコンポジット多孔性シートの製造方法であって、微細繊維状セルロースを含む水系懸濁液に成膜性を有する高分子エマルションを混合して混合液を製造する調製工程、前記混合液を多孔性の基材上で濾過により脱水し、水分を含んだシートを形成する抄紙工程、前記水分を含んだシートを有機溶媒で置換する工程、有機溶媒で置換したシートを加熱乾燥する乾燥工程を有することを特徴とする微細繊維状セルロースコンポジット多孔性シートの製造方法。
  2. 前記高分子がポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、酸変性スチレン−ブタジエン共重合体から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の微細繊維状セルロースコンポジット多孔性シートの製造方法。
  3. 前記高分子エマルションがカチオン性であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微細繊維状セルロースコンポジット多孔性シートの製造方法。
  4. 前記調製工程において、前記混合液にセルロース凝結剤を配合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースコンポジット多孔性シートの製造方法。
  5. 前記調製工程において、混合する微細繊維状セルロースの繊維幅が2〜1000nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースコンポジット多孔性シートの製造方法。
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