JP5463555B2 - 黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
体の表面をフツ化物に変化させる提案などもある。これらの技術は、フッ化物皮膜の耐ハロゲンガス性の向上を目的とし、フッ化物皮膜の色彩については全く関心がないばかりか、前記特許文献13の(0010)段落に記載されているように「フッ化イットリウムを用いるだけでは、腐食性ハロゲンによりフッ化イットリウム膜の色が変化する」とし、その変色の原因は、溶射成膜状態のままでは皮膜の耐食性が十分でないことを示唆するものと判断し、その対策として、成膜後の熱処理の施工を提案している。
(1) 前記フッ化物白色溶射皮膜は、気孔率が0.2〜20%の多孔質層で、全体の厚さが30〜500μmであって、そのうちの該溶射皮膜表面から0.1〜3μmまでの範囲が電子ビーム照射またはレーザビーム照射処理によって黒色緻密層に変化していること、
(2)前記アンダーコートは、Al、Al−Ni、Al−Zn、Ni−Al、Ni−Cr、Ni−Cr−Alのうちから選ばれる1種以上の金属質溶射皮膜を、30〜150μmの厚さに形成したものであること、
(3)前記フッ化物白色溶射皮膜は、元素の周期律表IIIa族のYおよび原子番号57〜71のランタノイド系元素から選ばれる1種以上の元素のフッ化物であること、
(4)前記高エネルギー照射処理によって形成される黒色緻密層の部分が、文字や数字、図形、模様あるいは社名や製造番号、識別番号を表示する部分であること、
(5)前記フッ化物白色溶射皮膜を120〜250℃に予熱したのち、前記高エネルギー処理を施し、次いで、1分間当り1℃以下の冷却速度で室温まで冷却すること、
(6)前記高エネルギー照射処理により、前記白色溶射皮膜の表面に、文字や数字、図形、模様あるいは社名や製造番号商標のような識別番号等を表示する黒色緻密化層を形成すること、
(7)白色のフッ化物白色溶射皮膜は、フッ化物溶射粉末材料を、大気プラズマ溶射法や減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法、低温溶射法(コールドスプレー法)などにより、基材の表面に灰色(乳白色)に被覆形成したものであってもよい。
(8)前記のフッ化物白色の溶射皮膜がレーザー や電子ビームなどの高エネルギー源に照射された際、溶融した溶射皮膜が照射後の冷却過程において化学的性質を消失することがない溶射皮膜に対して適用できるものである。従って、高蒸気圧AlF3のように高エネルギー照射時に昇華するような皮膜には、照射条件を検討する必要がある。
(1)本発明によれば、表面が白色〜乳白色であるフッ化物溶射皮膜の外観色一部のみまたは全体を黒色化させることができる。
(2)本発明によれば、黒色化したフッ化物溶射皮膜表面が、緻密化すると共に結晶化する傾向が強いため、皮膜の気孔率の減少に伴う耐食性の向上と耐ハロゲン性などの化学的性質の安定性が向上する。
(3)本発明によれば、黒色化したフッ化物溶射皮膜の表面層は、0.1〜3μmの範囲に限定され、その下層部のフッ化物層は、成膜当初の状態(フッ化物の白色溶射皮膜のままの状態)で存在しているため、黒色化するための高エネルギー照射に起因する熱影響が表層部のみに限定される。そのため、基材に対するフッ化物溶射皮膜の密着性などに悪影響が出ることはなく、成膜時の良好な性状を維持することができる。
(4)本発明によれば、フッ化物白色溶射皮膜の黒色化のための熱源として、レーザビームと電子ビームを使用するため、熱源の特性を利用することによって、皮膜の全面はもとより、文字や数字、複雑な図形、模様を描くなど、部分的、局部的に黒色化させる場合などに対応でき、選択の自由度が高い。
a.具体的には、レーザ熱源を使用すると、ビームの直径を変化させたり、レンズなどを利用することによって、大小さまざまな黒い線をフッ化物白色溶射皮膜の表面に描くことができる。従って、これらのレーザ熱源の特性を利用することによって、白色の溶射皮膜の表面に黒色の線による各種の模様をはじめ、文字、数字、社名、商標、製品番号、記号などを自由に表現することに可能となる。例えば、本発明によれば、半導体加工用装置内に配設される各種のフツ化物溶射皮膜被覆部に対して、黒色の製造番号、管理番号、製造日、責任者名の記入を通して、品質管理体制を充実させることができる。
b.一方、電子ビーム照射の熱源は、広く表面のフッ化物溶射皮膜の黒色化に有利に使用するので、被覆面積の大きい部材の全体を黒色化する場合などに適している。また、フッ化物皮膜の表面層の極浅い層(例えば0.1μm厚さ)のみを黒色化して、実際の半導体加工装置内で使用すると、ハロゲンガスによる化学的腐食作用やプラズマエロージョン性などの物理的作用によって、発生する皮膜の不均等な消耗状況が可視化できる利点がある。そのため、消耗の不均等性を是正するための部材形状の変更や皮膜厚さの増減などの対策が可能となる。
なお、フッ化物溶射皮膜の表面を電子ビーム照射するに際して、予め文字や数字などを切り抜いた高分子膜を貼付し、その上から照射処理を行うと文字や数字のみが黒色として印刷されるので、レーザ照射を同様な目的に利用できる。
(5)上掲の構成に係る本発明によれば、フッ化物白色溶射皮膜に対して電子ビームやレーザビーム照射処理を施して該溶射皮膜の表面部分を再溶融することにより、その表面層部分の開気孔の他、該皮膜内部の空隙を通じて繋がる貫通気孔が、融着現象によって全て封鎖できるので、気孔の存在によって誘発される前述の腐食問題を確実に解決することができる。
(6)本発明によれば、フッ化物溶射皮膜を高エネルギー照射処理したときの再溶融層については、これが急冷されたときに該溶射皮膜の照射面において発生する“ひび割れ”が、基材の予熱や徐冷によってほぼ完全に消滅して無気孔化するので、部材の耐食性をより一層向上すると共に、半導体や液晶の製造・加工装置などに適用した場合に耐プラズマエロージョン性をより一層向上させることができる。
(1)基材および前処理
本発明に適用できる基材は、Alおよびその合金、Tiおよびその合金、ステンレス鋼、その他の合金鋼や炭素鋼、Niおよびその合金などの金属、石英や酸化物、炭化物、硼化物、珪化物、窒化物、およびこれらの混合物からなる無機化合物の焼結体などが好適である。また、本発明に用いる基材としては、表面に金属めっき(電気めっき、CVD、PVD)したものも使用することができる。これらの基材については、必要に応じ、脱脂や粗面化などの前処理を施すことが好ましい。
前述したように、前記基材表面にフッ化物溶射皮膜を形成するに当たっては、JIS H9302に規定されているセラミック溶射作業標準に準拠した前処理を行なうことが好ましい。例えば、基材表面の錆や油脂類などを除去し、その後、Al2O3やSiCなどの研削粒子を吹付けて粗面化し、その表面に直接または金属質のアンダーコートを施した後に、その上にトップコートとしてフッ化物溶射皮膜を形成する。そのフッ化物白色溶射皮膜を基材表面に被覆形成する方法としては、大気プラズマ溶射法や減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法などが好適に用いられるが、特には限定されない。
本発明において用いられるフッ化物溶射皮膜形成用溶射材料としては、元素の周期律表IIIaのY、原子番号57〜71に属するランタノイド系元素のフッ化物の粒子が用いられる。即ち、原子番号57〜71の金属元素としては、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジズプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などがある。
フッ化物共通の物理化学的性質として次のように考えられる。即ち、このフッ化物白色溶射皮膜は、金属皮膜やセラミック皮膜と比較すると、ハロゲン系ガスに対する化学的安定性を有するが、表面エネルギーが小さいために皮膜を構成するフッ化物粒子の相互結合力および基材の密着強さが弱いという問題がある。また、この皮膜は、溶射熱源中で分解(酸化)、蒸気化(気化)、溶融、軟化などの諸現象が極めて短時間(1/100〜1/1000秒)のうちに進行したフッ化物粒子の集合体であることから、多孔質(面積率0.2〜20%)で、皮膜中には大きな残留応力が発生するため、基材が僅かに変形しただけでも、皮膜が剥離することが多い。加えて、フッ化物自体は延性に乏しいため、皮膜が容易に“ひび割れ”し、前記成膜時に発生する気孔部とともに、酸やアルカリ洗浄液などの内部浸入を招き、このことが基材の腐食原因となりやすい。従って、フッ化物そのものの耐食性は良好であるものの、その性質を有効に利用できないという問題もある。
そこで本発明では、基材表面に被覆した前記フッ化物白色溶射皮膜中に存在する貫通気孔部や残留応力に起因して発生する「ひび割れ」防止を、該皮膜表面を電子ビームまたはレーザビームなどの高エネルギー照射処理して再溶融させて緻密な膜にすると同時に、上述した目的に沿って黒色に変化させることにした。例えば、再溶融による緻密化と黒色化のための処理として、本発明では、下記のような高エネルギー照射処理、例えば、下記の条件の電子ビームの照射やレーザービームの照射が好適である。
照射雰囲気:1×10−1〜5×10−3MPaの不活性ガス雰囲気
照射出力:10〜30KeV、好ましくは12〜20KeV
照射速度:1〜50mm/s、好ましくは3〜10mm/s
照射回数:1〜30回(連続または不連続)、好ましくは3〜8回、但し、1回の照射で皮膜は黒色化する。
フッ化物白色照射皮膜の表面に対して、CO2レーザ、YAGレーザ、半導体レーザ、エキシマレーザなどのレーザ熱源を照射して、前記溶射皮膜表面を溶融する。レーザビーム照射処理の雰囲気は、空気中、不活性ガス中、減圧(真空)中など自由に選択できる。なお、レーザビーム照射条件としては、下記のようなものが推奨される。
レーザ出力:1〜10kW、好ましくは3〜6kW
ビーム面積:1〜10mm2、好ましくは1〜3mm2(数字・文字は1mm以下でも可)
ビーム走査速度:1〜20mm/s、好ましくは1〜3mm/s
照射回数:1〜30回(連続または不連続)、このましくは1〜3回、但し、1回の照射で皮膜は黒色化する。
図2は、本発明に係るYF3フッ化白色物溶射皮膜表面への高エネルギー照射による処理事例を示したものである。
a.図2(a)は、白色溶射皮膜を成膜直後のYF3フッ化物溶射皮膜、同図(b)は、そのひまく表面を電子ビーム照射処理した該皮膜表層部(外観)を示すものである。成膜直後のフッ化物溶射皮膜は、白色(乳白色)を呈しているが、この表面を電子ビーム照射すると、全面が均等に黒色化し、両者の色別が容易となるほか、黒色化によって熱放射特性を発揮するようになることがうかがえる。
この実施例では、基材に相当するSS400鋼試験片(寸法:幅50mm×縦70mm×厚3.2mm)の表面に直接、YF3、CeF3、ErF3のフッ化物溶射皮膜を、大気プラズマ溶射法によってそれぞれ100μmの厚さに形成し、その後、その溶射皮膜表面を高エネルギー照射して黒色の再溶融化した黒色緻密層を形成したものを準備し、該皮膜の貫通気孔の有無をフェロキシル試験方法によって調査した。なお、比較例として、高エネルギー照射処理をしないフッ化物白色溶射皮膜および耐プラズマエロージョン用溶射皮膜として知られているY2O3溶射皮膜についても、高エネルギー照射の有無を変動因子としてフェロキシル試験に供した。
このフェロキシル試験としては、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム10gおよび塩化ナトリウム15gを1リットルの蒸留水に溶解し、これを分析用のろ紙に十分含浸させ、その後、このろ紙を試験片表面に貼付し、30分間静置した後、ろ紙を剥がして、ろ紙面での青色斑点の有無を目視判定する方法によった。この方法によれば、アモルファス状膜に貫通気孔が存在するとフェロキシル試験液が浸透し、鉄基材界面に達して鉄イオンを生成させ、これにヘキサシアノ(III)酸カリウム塩が反応して、ろ紙の表面に青色斑点を生成することによって判定することができる。
上記試験結果を表1に示した。この表に示す結果から明らかなように、フッ化物溶射皮膜、酸化物溶射皮膜(Y2O3)のいずれも成膜状態のままでは皮膜に多くの貫通気孔が存在するため、青色斑点が多数発生した(No.1、4、7、10)。また、酸化物溶射皮膜では(No.11、12)高エネルギー照射処理を行って皮膜表面を再溶融しても、溶融部の冷却過程において、皮膜に“ひび割れ”が発生するため、青色斑点数は少なくなるものの完全な緻密膜とはならなかった。
これに対して、フッ化物白色溶射皮膜を高エネルギー照射処理すると、皮膜の再溶融現象によって成膜時の貫通気孔部が消滅し、青色斑点は殆ど認められなくなり、酸、アルカリ、洗浄水などの内部浸入防止効果のあることが確認された。
この実施例では、Al基材(寸法:幅50mm×縦50mm×厚3mm)の表面に、大気プラズマ照射法によって、いずれも白色のフッ化物(YF3、DyF3、CeF3)を80μmの厚さに溶射した後、その表面に対して電子ビーム照射またはレーザビーム照射を行なって再溶融処理して表面を黒色緻密層としたものを供試皮膜とし、これをプラズマエッチング処理を行なって、それぞれの皮膜の耐エロージョン性を評価した。なお、比較例の皮膜として、Y2O3、Dy2O3、CeO2 12mass%Y2O3−88mass%ZrO2溶射皮膜についても同条件でプラズマエッチング処理を行なって比較検討した。
(1)雰囲気ガスと流量条件
(a)含Fガス:CHF3/O2/Ar=80/100/160(1分間当りの流量cm3)
(b)含CHガス:C2H2/Ar=80/100(1分間当りの流量cm3)
(2)プラズマ照射出力
高周波電力:1300W
圧力:4Pa
温度:60℃
(3)プラズマエッチング試験の雰囲気
(a)含Fガス雰囲気中で実施
(b)含CHガス雰囲気中で実施
(C)含Fガス雰囲気1h⇔含CHガス雰囲気1hを交互に繰返す雰囲気中で実施
耐プラズマエロージョン試験は、エッチング処理によって供試皮膜から飛散する皮膜成分のパーティクル数を計測することによって、耐プラズマエロージョン性と耐環境汚染性を調査した。パーティクル類は、試験容器内に配設した直径8インチのシリコンウエハーの表面に付着する粒径0.2μm以上の粒子数が30個に達するまでの時間を測定することにより実施した。
試験結果を表2に示した。この表に示す結果から明らかなように、比較例の溶射皮膜(Nパーティクル発生量が許容値を超えるまでの時間を示した場合、含CHガス中ではパーティクルの発生が少なく、含Fガス中ではやや多くなり、許容値に達する時間が短くなる状況が見られる。しかし、含Fガスと含CHガスを交互に繰返す雰囲気下におけるパーティクル発生数は一段と多くなっていることが判明した。この原因は、含Fガス中におけるフッ化ガスの酸化作用とCHガスの還元作用の繰返しによって、酸化物セラミック皮膜の表面の酸化膜が常に不安定な状態となって飛散するためと考えられる。これに対して、皮膜表面に黒色緻密層を有するフッ化物溶射皮膜(No.2、4、6)は、含Fガス中、含CHガス中およびこれらのガスを交互に繰返し雰囲気中に供給した場合でも化学的に安定な状態を維持し、パーティクルの発生を抑制したものと考えられる。なお、フッ化物溶射皮膜からエロージョンにより削り取られるパーティクルの大きさは、酸化物セラミックからなる溶射皮膜に比較して1/5〜1/10程度小さいのものが多い点も耐環境汚染性をよくしているものと考えられる。
この実施例では、本発明に係る皮膜表面を黒色化したフッ化物溶射皮膜の耐プラズマエロ−ジョン性を調査した。
(1)供試皮膜、
基材として、JIS−H4000に規定のA3003〔寸法:幅50mm×縦50mm×厚5mm〕を用い、その表面に、大気プラズマ溶射法によって白色のYF3溶射材料を、そして、減圧プラズマ溶射法によって白色のEuF3溶射材料を、それぞれ80μmの厚さのフッ化物白色溶射皮膜を形成した。また、このフッ化物白色溶射皮膜の形成に先立って、アンダーコート(Ni−20mass%Cr)を30μmの厚さに施工した場合についても、その影響の有無を調査した。
上記のフッ化物白色溶射皮膜の表面に対して、電子ビームおよびレーザビームを照射して、それぞれの溶射皮膜の表層部全面を黒色化すると同時に再熔融処理に伴う緻密化を行なった。なお、比較例の溶射皮膜として、高エネルギー照射を実施しないフッ化物白色溶射皮膜を準備した。
耐プラズマエロージョン試験は、実施例2の含Fガス雰囲気中で同条件で実施し、
試験結果の評価は試験終了後の各皮膜の減少厚さを測定することによって判定した。
試験結果を表3に示した。この表に示す結果から明らかなように、比較例の白色フッ化物皮膜(No.1、4、7、10)は、アンダーコートの有無に拘らず、プラズマエロージョン損失量が最も多く、2.2〜2.7μmに達した。これに対して、フッ化物白色溶射皮膜の表面を高エネルギー照射して得られた黒色緻密層を表面に形成した溶射皮膜(No.2、3、5、6、8、9、11、12)では損失量は0.6〜0.8μmの範囲にとどまり、優れた耐プラズマエロージョン性が確認された。
また、エロージョン損失量は、大気プラズマ溶射法で形成された多孔質なフッ化物白色皮膜(No.1.4)の方が、気孔率の小さい減圧プラズマ法による皮膜よりやや多くなっていることから、フッ化物溶射皮膜の気孔率が、この種の耐プラズマエロージョン特性に影響を与えることが窺え、皮膜表面が平滑でプラズマ粒子の集中的衝撃の目標とならない平滑な黒色緻密層が有利であることが認められる。
Claims (10)
- 基材と、その表面に直接またはアンダーコートを介して形成された、元素の周期律表IIIa族元素のフッ化物白色溶射皮膜とからなるものにおいて、そのフッ化物白色溶射皮膜の表面に、高エネルギー照射処理して得られる黒色緻密層を設けたことを特徴とする黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 前記フッ化物白色溶射皮膜は、気孔率が0.2〜20%の多孔質層で、全体の厚さが30〜500μmであって、そのうちの該溶射皮膜表面から0.1〜3μmまでの範囲が電子ビーム照射またはレーザビーム照射処理によって黒色緻密層に変化していることを特徴とする請求項1記載の黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 前記アンダーコートは、Al、Al−Ni、Al−Zn、Ni−Cr、Ni−Al、Ni−Cr−Alのうちから選ばれる1種以上の金属質溶射皮膜を、30〜150μmの厚さに形成したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 前記フッ化物白色溶射皮膜は、元素の周期律表IIIa族のYおよび原子番号57〜71のランタノイド系元素から選ばれる1種以上の元素のフッ化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 前記高エネルギー照射処理によって形成される黒色緻密化層の部分が、文字や数字、図形、模様あるいは社名や製造番号、識別番号を表示する部分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 基材の表面に、直接またはアンダーコートを介して、元素の周期律表のIIIa族のYおよび原子番号57〜71のランタノイド系元素のフッ化物からなる多孔質な白色溶射皮膜を形成し、その後、そのフッ化物溶射皮膜の表面を高エネルギー照射処理して黒色緻密化層にすることを特徴とする黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記フッ化物白色溶射皮膜を120〜250℃に予熱したのち、前記高エネルギー処理を施し、次いで、1分間当り1℃以下の冷却速度で室温まで冷却することを特徴とする請求項6に記載の黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記フッ化物白色溶射皮膜は、気孔率が0.2〜20%の多孔質で全体の厚さを30〜500μmに成膜し、その後、電子ビーム照射またはレーザビーム照射処理して該白色溶射皮膜表面から0.1〜3μmまでの範囲を黒色緻密化層に変化させることを特徴とする請求項6または7記載の黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記フッ化物白色溶射皮膜は、元素の周期律表IIIa族のYおよび原子番号57〜71のランタノイド系元素から選ばれる1種以上のフッ化物であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1記載の黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記高エネルギー照射処理により、前記白色溶射皮膜の表面に、文字や数字、図形、模様あるいは社名や製造番号、識別番号を表示する黒色緻密化層を形成することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1に記載の黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材の製造方法。
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