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JP5445970B2 - 磁気抵抗効果素子及び磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

磁気抵抗効果素子及び磁気ランダムアクセスメモリ Download PDF

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Description

本発明は、磁気抵抗効果素子、及び磁気ランダムアクセスメモリに関する。特に本発明は磁壁移動方式の磁気抵抗効果素子、及び磁気ランダムアクセスメモリに関する。
磁気ランダムアクセスメモリ(Magnetic Random Access Memory;MRAM)は高速動作、および無限回の書き換えが可能な不揮発性メモリとして期待され、盛んな開発が行われている。MRAMでは記憶素子として磁性体を用い、磁性体の磁化の向きに対応させて情報を記憶する。この磁性体の磁化をスイッチングさせる方法としていくつかの方式が提案されているが、いずれも電流を使う点では共通している。MRAMを実用化する上では、この書き込み電流をどれだけ小さくできるかが非常に重要であり、以下の非特許文献1によれば0.5mA以下への低減、さらに好ましくは0.2mA以下への低減が求められている。
[非特許文献1]Sakimura, N. et al., “MRAM Cell Technology for
Over 500-MHz SoC,” April 2007, IEEE Journal of Solid State Circuits, Vol. 42,
Issue 4, p830-838
MRAMへの情報の書き込み方法のうちで最も一般的なのは、磁性記憶素子の周辺に書き込みのための配線を配置し、この配線に電流を流すことで発生する磁場によって磁性記憶素子の磁化の方向をスイッチングさせる方法である。この方法は磁場による磁化反転となるため、原理的には1ナノ秒以下での書き込みが可能であり、高速MRAMを実現する上では好適である。しかしながら熱安定性、外乱磁場耐性が確保された磁性体の磁化をスイッチングするための磁場は一般的には数10Oe(エールステッド)程度となり、このような磁場を発生させるためには数mA程度の電流が必要となる。この場合、チップ面積が大きくならざるを得ず、また書き込みに要する消費電力も増大するため、他のランダムアクセスメモリと比べて競争力で劣ることになる。これに加えて、素子が微細化されると、書き込み電流はさらに増大してしまい、スケーリングの点でも好ましくない。
近年このような問題を解決する手段として、以下の2つの方法が提案されている。一つ目はスピン注入磁化反転である。この方法では、反転可能な磁化を有する第1の磁性層と、それに電気的に接続され、磁化が固定された第2の磁性層から構成された積層膜が形成される。第2の磁性層と第1の磁性層の間で電流を流したときのスピン偏極した伝導電子と第1の磁性層中の局在電子との間の相互作用を利用して第1の磁性層の磁化を反転することにより情報が記録される。スピン注入磁化反転はある電流密度以上のときに起こることから、素子のサイズが小さくなれば、書き込みに要する電流は低減される。すなわちスピン注入磁化反転方式はスケーリング性に優れていると言うことができる。しかしながら、一般的に第1の磁性層と第2の磁性層の間には絶縁層が設けられ、書き込みの際には比較的大きな電流をこの絶縁層に流さなければならず、書き換え耐性や信頼性が課題となる。また、書き込みの電流経路と読み出しの電流経路が同じになることから、読み出しの際の誤書き込みも懸念される。このようにスピン注入磁化反転はスケーリング性には優れるものの、実用化にはいくつかの障壁がある。
一方で二つ目の方法である電流誘起磁壁移動現象を利用した磁化反転方法は、スピン注入磁化反転の抱える上述のような問題を解決することができる。電流誘起磁壁移動現象を利用したMRAMは例えば以下の特許文献1で開示されている。
[特許文献1]特開2005−191032号公報
電流誘起磁壁移動現象を利用したMRAMは、一般的には反転可能な磁化を有する第1の磁性層において、その両端部の磁化が互いに略反平行となるように固定されている。このような磁化配置のとき、第1の磁性層内には磁壁が導入される。以下の非特許文献2で報告されているように、磁壁を貫通する方向に電流を流したとき、磁壁は伝導電子の方向に移動することから、第1の磁性層内に電流を流すことにより書き込みが可能となる。
[非特許文献2]Yamaguchi, A. et al., “Real-Space Observation
of Current-Driven Domain Wall Motion in Submicron Magnetic Wires,” Physical
Review Letters, Vol. 92, February 2004, number 7, p77205
電流誘起磁壁移動もある電流密度以上のときに起こることから、スピン注入磁化反転と同様にスケーリング性があると言える。これに加えて、電流誘起磁壁移動を利用したMRAM素子では、書き込み電流が絶縁層を流れることはなく、また書き込み電流経路と読み出し電流経路は別となるため、スピン注入磁化反転で挙げられるような上述の問題は解決されることになる。
また非特許文献2では電流誘起磁壁移動に必要な電流密度として1×10[A/cm]程度を要している。この場合、例えば磁壁移動の起こる層の幅を100nm、膜厚を10nmとした場合の書き込み電流は1mAとなる。これは前述の書き込み電流に関する条件を満たすことができない。しかし以下の非特許文献3では、電流誘起磁壁移動が起こる強磁性層として垂直磁気異方性を有する材料を用いることによって、書き込み電流を十分小さく低減できることが報告されている。
[非特許文献3]Fukami, S. et al., “Micromagnetic analysis of
current driven domain wall motion in nano-strips with perpendicular magnetic
anisotropy,” 52nd Annual Conference on Magnetism and Magnetic Materials,
Abstracts, January 2007, p352
このようなことから、電流誘起磁壁移動を利用してMRAMを製造する場合、磁壁移動が起こる層としては垂直磁気異方性を有する強磁性体を用いることが好ましいと言える。以下の非特許文献4においては垂直磁化膜における電流誘起磁壁移動の観測が報告されている。
[非特許文献4]Tanigawa, H. et al., “Current-Driven Domain
Wall Motion in CoCrPt Wires with Perpendicular Magnetic Anisotropy”, Applied
Physics Express, Vol. 1, No. 1, January 11, 2008, p011301
また垂直磁化膜を用いてMRAMを製造する場合、磁壁移動が起こる層に磁壁を導入する必要があるが、非特許文献4ではこの方法として磁壁移動が起こる層に段差を設けることによって磁壁を導入している。
非特許文献4で用いられている磁壁導入、すなわち初期化の方法では、垂直磁化膜に段差を設けることで磁気特性の異なる領域を形成し、これらの領域間の保磁力の違いを利用して複数のステップにわけて外部磁場を印加することで磁壁を導入する。しかしこのような方法は複雑であるだけでなく、磁壁が導入される磁場のマージンを十分に確保しなければならず、大規模なメモリシステムを製造する上では不向きである。加えて、垂直磁気異方性を有する磁性細線において、段差付近に導入された磁壁には、膜面平行方向に大きな磁場が印加される。この磁場により、磁壁のピニング力が過度になることが懸念される。これは、書き込み電流低減の観点で好ましくない。
本発明の第1の目的は、単純、かつ容易な方法により磁壁を導入することが可能な磁気ランダムアクセスメモリを提供することにある。
本発明の第2の目的は、磁壁のピニング力を適切に調整することで、低電流密度での書き込みが可能な磁気ランダムアクセスメモリを提供することにある。
本発明の一側面に係る磁気ランダムアクセスメモリを説明する。本発明の一側面に係る磁気ランダムアクセスメモリは、アレイ状に配置された複数の磁気メモリセルを有しており、各磁気メモリセルは磁気抵抗効果素子を有している。
本発明の一側面に係る磁気抵抗効果素子は、少なくとも第1強磁性層と第2強磁性層群を具備する。第1強磁性層は少なくとも第1磁化固定領域と第2磁化固定領域と磁化自由領域を具備し、第1磁化固定領域、及び第2磁化固定領域は磁化自由領域に接続して設けられる。第2強磁性層群は第2強磁性層と結合層を具備する。また第2強磁性層と結合層は隣接している。また第2強磁性層群は第1磁化固定領域と磁気的に結合している。
第1強磁性層、及び第2強磁性層群は垂直磁気異方性を有する強磁性体を少なくとも一部分において有する。また第1磁化固定領域と第2磁化固定領域は少なくとも一部分において互いに反平行方向に固定された磁化を有する。磁化自由領域は少なくとも一部分において反転可能な磁化を有し、第1磁化固定領域、第2磁化固定領域のいずれかと平行方向を向く。このような磁化配置のとき第1強磁性層群には磁壁が導入される。
第2強磁性層群は、前述の通り、第2強磁性層を具備し、また第1磁化固定領域と磁気的に結合している。さらに第2強磁性層群においては、少なくとも一部分において、第1磁化固定領域の磁化とは反平行方向に固定された磁化を有している。このような反平行方向の磁化(フェリ結合)を実現するために、結合層は第1磁化固定領域と第2強磁性層を反平行方向に磁気的に結合させる。
上述の構成要素の他に、更なる強磁性層、非磁性層、導電層などが適宜設けられる。但し、少なくとも一つの強磁性層と少なくとも一つの非磁性層を具備する。
本発明の一側面に係る磁気抵抗効果素子のメモリ状態を初期化する方法としては、外部磁場が用いられる。当該磁気抵抗効果素子に十分大きな外部磁場が膜面垂直方向に印加された場合、磁化自由領域と第2磁化固定領域と第2強磁性層は外部磁場の方向を向き、また第2強磁性層とフェリ磁性的に結合した第1磁化固定領域は外部磁場と反対方向を向く。これによって第1磁化固定領域と磁化自由領域の境界に磁壁が導入される。
本発明の一側面に係る磁気抵抗効果素子への情報の書き込み方法としては電流誘起磁壁移動現象が用いられる。
また本発明の一側面に係る磁気抵抗効果素子からの情報の読み出し方法としては磁気抵抗効果が用いられる。
第2磁化固定領域と第2強磁性層がフェリ磁性的に結合していることで、1回の外部磁場の印加によってメモリ状態の初期化が可能である。また、第2磁化固定領域と第2強磁性層の磁気特性によっては2段階の外部磁場印加ステップを要するが、この場合にも十分大きな初期化用のマージンが得られる。すなわち単純な初期化プロセスで磁壁の導入が可能である上、容易に大きな初期化用の磁場のマージンを確保することができる。
また本発明の第2の効果として、垂直磁化磁壁移動型MRAMにおいて書き込み電流を低減することができる。これは、段差領域における漏れ磁場を、第2強磁性層群(20)の構成を適切に設計することで、磁壁のピンサイトへの磁場の影響を調整できるためである。
本発明に関する上述の及びその他の目的、利点、特徴は、いくつかの実施形態に関して、添付図面と併せて以下の記載から更に明らかとなるであろう。その添付図面には下記のものが含まれる。
図1Aは、本発明の一実施の形態に係る磁気抵抗効果素子の主要な部分の構造を表す斜視図である。 図1Bは、本発明の一実施の形態に係る磁気抵抗効果素子の主要な部分の構造を表す平面図である。 図1Cは、本発明の一実施の形態に係る磁気抵抗効果素子の主要な部分の構造を表す断面図である。 図2は、本発明の一実施の形態に係る磁気抵抗効果素子の磁化の構造の例を示す断面図である。 図3Aは、本発明の一実施の形態で用いる初期化方法の原理を説明するための模式図である。 図3Bは、本発明の一実施の形態で用いる初期化方法の原理を説明するための模式図である。 図4Aは、積層フェリ結合した積層膜の磁化曲線である。 図4Bは、積層フェリ結合した積層膜の磁化曲線である。 図4Cは、積層フェリ結合した積層膜の磁化曲線である。 図5は、本発明の一実施の形態に係る磁気抵抗効果素子のメモリ状態の初期化の方法を説明するための断面図である。 図6Aは、本発明の一実施の形態に係る磁気抵抗効果素子の他のメモリ状態の初期化の方法を説明するための断面図である。 図6Bは、本発明の一実施の形態に係る磁気抵抗効果素子の他のメモリ状態の初期化の方法を説明するための断面図である。 図7Aは、本発明の一実施の形態に係る磁気抵抗効果素子への情報の書き込み方法を説明するための断面図である。 図7Bは、本発明の一実施の形態に係る磁気抵抗効果素子への情報の書き込み方法を説明するための断面図である。 図8Aは、本発明の一実施の形態に係る磁気抵抗効果素子からの情報の読み出し方法を説明するための断面図である。 図8Bは、本発明の一実施の形態に係る磁気抵抗効果素子からの情報の読み出し方法を説明するための断面図である。 図9は、本発明の一実施の形態に係る磁気メモリセルの1セル分の回路図の例である。 図10Aは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第1の変形例の主要な部分の構造を表す斜視図である。 図10Bは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第1の変形例の主要な部分の構造を表す断面図である。 図10Cは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第1の変形例の主要な部分の構造を表す断面図である。 図11Aは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第2の変形例の主要な部分の構造を表す断面図である。 図11Bは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第2の変形例の作用を説明する模式図である。 図11Cは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第2の変形例の作用を説明する模式図である。 図12は、本発明に係る磁気抵抗効果素子の他の第2の変形例の主要な部分の構造を表す断面図である。 図13は、本発明に係る磁気抵抗効果素子の更に他の第2の変形例の主要な部分の構造を表す断面図である。 図14Aは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第3の変形例の主要な部分の構造を表す斜視図である。 図14Bは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第3の変形例の主要な部分の構造を表す平面図である。 図15は、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第3の変形例の主要な部分の構造を表す断面図である。 図16は、本発明に係る磁気抵抗効果素子の他の第3の変形例の主要な部分の構造を表す断面図である。 図17は、本発明に係る磁気抵抗効果素子の更に他の第3の変形例の主要な部分の構造を表す断面図である。 図18Aは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第4の変形例の主要な部分の構造を表す斜視図である。 図18Bは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第4の変形例の主要な部分の構造を表す平面図である。 図18Cは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第4の変形例の主要な部分の構造を表す断面図である。 図19Aは、第4の変形例における情報の読み出し方法を説明するための断面図である。 図19Bは、第4の変形例における情報の読み出し方法を説明するための断面図である。 図20Aは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第5の変形例の主要な部分の構造を表す平面図である。 図20Bは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の第5の変形例の主要な部分の構造を表す平面図である。 図21Aは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の他の第5の変形例の主要な部分の構造を表す平面図である。 図21Bは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の他の第5の変形例の主要な部分の構造を表す平面図である。 図22Aは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の更に他の第5の変形例の主要な部分の構造を表す平面図である。 図22Bは、本発明に係る磁気抵抗効果素子の更に他の第5の変形例の主要な部分の構造を表す平面図である。 図23Aは、図22A、図22Bで示される第5の変形例における情報の書き込み方法を説明するための平面図である。 図23Bは、図22A、図22Bで示される第5の変形例における情報の書き込み方法を説明するための平面図である。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係る磁気ランダムアクセスメモリを説明する。本実施の形態に係る磁気ランダムアクセスメモリは、アレイ状に配置された複数の磁気メモリセルを有しており、各磁気メモリセルは磁気抵抗効果素子を有している。
(構造)
図1A、図1Bおよび図1Cは本発明に係る磁気抵抗効果素子の主要な部分の実施の形態の一例を模式的に示している。図1Aは斜視図であり、図1B、図1Cは図1Aに示されるx−y−z座標系におけるx−y平面図、及びx−z断面図である。
本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子は、少なくとも第1強磁性層10と第2強磁性層群20を具備する。第1強磁性層10は少なくとも第1磁化固定領域11aと第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12を備える。第1磁化固定領域11a、及び第2磁化固定領域11bは磁化自由領域12に接続して設けられる。図1A、図1Bおよび図1Cでは磁化自由領域12の一方の端部に接続して第1磁化固定領域11aが設けられ、他方の端部に接続して第2磁化固定領域11bが設けられている。第2強磁性層群20は第2強磁性層21と結合層22を備える。また第2強磁性層21と結合層22は隣接している。また第2強磁性層群20は第1磁化固定領域11aと磁気的に結合している。図1A、図1Bおよび図1Cでは第1磁化固定領域11aに隣接して結合層22が設けられ、結合層22に隣接して第1磁化固定領域11aとは反対側に第2強磁性層21が設けられている。
第1強磁性層10、及び第2強磁性層群20は垂直磁気異方性を有する強磁性体を少なくとも一部分において有する。また第1磁化固定領域11aの少なくとも一部分は、第2磁化固定領域11bの少なくとも一部分に対して反平行方向に固定された磁化を有する。磁化自由領域12は少なくとも一部分において反転可能な磁化を有する。この反転可能な磁化は、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11bのいずれかと平行方向を向く。このような磁化配置のとき第1強磁性層群には磁壁が導入される。
第2強磁性層群20は、前述の通り、第2強磁性層21を備え、また第1磁化固定領域11aと磁気的に結合している。さらに第2強磁性層群20は、少なくとも一部分において、第1磁化固定領域11aの磁化とは反平行方向に固定された磁化を有している。このような反平行方向の磁化を実現するために、結合層22は第1磁化固定領域11aと第2強磁性層21を反平行方向に磁気的に結合させる。
図2は本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子の主要な部分の磁化の状態の例を模式的に示している。図2では、第1磁化固定領域11aはz軸正方向に固定された磁化を有し、第2磁化固定領域11bはz軸負方向に固定された磁化を有している。また磁化自由領域12はz軸正負方向のいずれかをとりうる磁化を有している。さらに、第1磁化固定領域11aに隣接して設けられた第2強磁性層群20においては、第2強磁性層21が第1磁化固定領域11aの磁化とは反平行方向であるz軸負方向に固定された磁化を有している。
第1強磁性層10、及び第2強磁性層群20に用いる強磁性体の例としてはCo−Pt合金が例示される。また結合層22に用いる材料の例としてはRuが例示される。
また図示はされていないが、上述の構成要素の他に、更なる強磁性層、非磁性層、導電層などを備えるが、これらには任意性がある。但し、少なくとも一つの強磁性層と少なくとも一つの非磁性層を具備する。これらの具体的な形態については後述される。また各層には、必要に応じて、下地層やキャップ層などが隣接して設けられることが望ましいが、それについては省略する。
(原理)
本実施の形態においては、磁壁移動を用いたMRAMにおいて、その初期化方法として積層フェリ結合(Synthetic Antiferromagnetic Coupling;SyAF Coupling)を適用する。以下に図3A、図3Bを用いて積層フェリ結合について説明する。
いま図3Aのような強磁性層A、結合層、強磁性層Bがこの順で積層した積層膜を考える。結合層として特定の材料を用いたとき、図3Bに示されるように結合層の膜厚の変化に対して強磁性層Aと強磁性層Bの間での結合強度が振動しながら減衰することが知られている。これはしばしばRKKY相互作用と呼ばれている。RKKY相互作用が発現される結合層の材料としては、例えばRu、Cr、Cu、Ir、Os、Reなどが挙げられる。
図3Bを参照すると、結合層の膜厚が0のときはフェロ磁性的、すなわち強磁性層Aと強磁性層Bの間には平行方向の結合力が働く。結合層の膜厚を厚くしていくと、フェリ磁性的、すなわち強磁性層Aと強磁性層Bの間には反平行方向の結合力が働き、さらに膜厚を厚くすると、フェロ磁性的、フェリ磁性的な結合を繰り返す。このようなことから、本実施の形態の場合、結合層22の材料と膜厚を適切に設定することによって、その上下層間で反平行の磁気結合を得ることができ、後に示されるようにメモリ状態を容易に初期化することができる。
図3A、図3Bに示されるような積層膜における磁化曲線の具体的な測定結果が図4A、図4Bおよび図4Cに示されている。実験にあたっては、強磁性層A、強磁性層Bとしてはいずれも垂直磁気異方性を有する材料を用い、外部磁場は基板面に対して垂直方向に印加した。図4Aはある膜構成における磁化曲線である。また図4B、図4Cは別の膜構成における磁化曲線であり、図4Bはそのメジャーループ、図4Cはそのマイナーループを示している。
図4Aでは、(1)の状態において、強磁性層A、強磁性層Bは互いに平行方向に磁化しており、これが(2)の0磁場の状態において反平行方向に磁化していることがわかる。また図4Bでは(1)の正磁場の状態で平行方向に磁化しており、(2)の負磁場の状態では反平行状態に磁化し、さらにこの負磁場を大きくすると再び平行な磁化状態に遷移することがわかる。また図4Cに示されるように、図4Bの磁化曲線において、(2)の状態から負磁場を小さくし、0にした場合には、0磁場においても反平行状態となっていることがわかる。
なお、ここでは反平行結合を得るための方法としてRKKY相互作用を利用する方法について述べたが、実際には反平行結合が得られれば、そのメカニズムはどのようであっても構わない。
(初期化方法)
次に本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子のメモリ状態の初期化の方法について説明する。図5は図1A乃至図2に示されるような構造におけるメモリ状態の初期化の方法の例を示している。
図5に示されている初期化方法においては、一回の外部磁場の印加によってメモリ状態が初期化される。図5ではこの外部磁場として−z方向に磁場が印加される例が示されている。いま、図1A乃至図2に示されるような磁気抵抗効果素子に−z方向に十分大きな外部磁場が印加された場合を考える。このとき、第2磁化固定領域11b、及び磁化自由領域12の磁化は外部磁場と同じ方向を向くため、−z方向に磁化する。次に第1磁化固定領域11aと第2強磁性層群20について考える。第1磁化固定領域11aは結合層22を介して第2強磁性層21とフェリ磁性的に結合している。ここで第2強磁性層21の磁化が第1磁化固定領域11の磁化よりも大きい場合(より厳密には、飽和磁化と膜厚の積が、第2強磁性層21の方が大きいとき)、第2強磁性層21の磁化が優先的に外部磁場の方向、すなわち−z方向を向き、それによって第1磁化固定領域11aの磁化は外部磁場とは逆方向、すなわち+z方向を向く。このようにして図5に示されるような磁化状態が実現される。図5からわかるように、第1強磁性層10には単一の磁壁が導入されており、これは当該磁気抵抗効果素子におけるひとつのメモリ状態を意味している。なお、図5に示されるような初期化方法は、第1磁化固定領域11aと第2強磁性層群20から形成される積層膜の磁化曲線が図4Aのような形状となるときに適用できる。
一方、第1磁化固定領域11aと第2強磁性層群20から形成される積層膜の磁化曲線が図4B、図4Cのような形状となる場合には、図6A、図6Bに示されるような初期化方法によってメモリ状態を初期化することができる。まず−z方向に十分大きな外部磁場を印加すると、すべての磁化は外部磁場方向、すなわち−z方向を向く。この状態は、図4Cの磁化曲線における(1)の状態に対応する。次に、この外部磁場を0にした場合にも、図6Aに示されるように全ての磁化は−z方向を向いた状態を保つ。これは図4Cの磁化曲線における(1)´の状態に相当する。次に図6Bに示されるように比較的小さな外部磁場を+z方向に印加する。このとき、図4Cの磁化曲線の(2)に対応した反平行状態が実現され、第1磁化固定領域11aの磁化のみが+z方向を向く。次にこの外部磁場を0に戻しても、図4Cの磁化曲線の(3)に対応した反平行状態は保たれ、図6Bに示されるような磁化状態が実現される。図6Bでは第1強磁性層10内に単一の磁壁が導入されており、メモリ状態が初期化されたことを意味する。
なお、上述の飽和磁化と膜厚の積に関する条件は、本発明においては必須ではない。これまでは第2強磁性層21の飽和磁化と膜厚の積が第1磁化固定領域11aの飽和磁化と膜厚の積に比べて大きい場合について述べたが、以下にこの逆の場合、すなわち第2強磁性層21の飽和磁化と膜厚の積が第1磁化固定領域11aの飽和磁化と膜厚の積に比べて小さい場合について述べる。この場合に、まず下方向に十分大きな磁場を印加したとき、すべての領域の磁化は下方向を向く。続いて、外部磁場を上向きに変化させ、その値を増加させると、はじめに飽和磁化と膜厚の積が小さな第2強磁性層21の磁化が外部磁場方向、すなわち上方向を向く。この後上方向の外部磁場を更に増加させると、第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12は、第1磁化固定領域11aと比べて第2強磁性層21との反平行磁気結合がない分、早めに反転が起こり、第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12の磁化が上方向を向く。このとき第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界に磁壁が形成される。このようにしてメモリ状態の初期化が可能である。このように本発明においては、飽和磁化と膜厚の積についてはいかような条件であっても外部磁場印加プロセスを適切に設定することでメモリ状態の初期化は可能であり、このことは後述のすべての変形例に関しても言える。
この他、外部磁場をいくつかのステップに分けて印加することでメモリ状態を初期化してもよい。またこの外部磁場は面内方向成分を有していてもよい。
(書き込み方法)
次に本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子への情報の書き込み方法について図7Aおよび図7Bを用いて説明する。前述のように本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を形成する第1強磁性層10においては、磁化自由領域12の磁化方向に応じて磁壁が形成される。本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子においてはこの磁壁を電流によって駆動することにより情報の書き込みを行う。図7A、図7Bはその方法の一例を示している。図7Aは“0”状態からの“1”書き込みの方法を示しており、図7Bは“1”状態からの“0”書き込みの方法を示している。
図7Aに示されるように第1磁化固定領域11aの磁化が上向きに固定され、第2磁化固定領域11bの磁化が下向きに固定され、また磁化自由領域12の磁化が下方向を向いている状態を“0”状態と定義する。図7Bに示されるように磁化自由領域12の磁化が上方向を向いている状態を“1”状態と定義する。ただし“0”状態、“1”状態の定義についてはこの限りではない。
図7Aの“0”状態においては第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界に磁壁(DW)が形成されている。図に点線で示されるように、第2磁化固定領域11bから磁化自由領域12を経由して第1磁化固定領域11aに向かう方向に書き込み電流を導入する。このとき伝導電子は第1磁化固定領域11aから磁化自由領域12を経由して第2磁化固定領域11bへと向かう方向に流れる。この伝導電子によって電流誘起磁壁移動が起こり、磁壁(DW)は第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界から第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界へと移動し、図7Bに示されるような磁化配置となる。このようにして“1”書き込みが行われる。なお、磁壁(DW)が第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界で停止するメカニズムについては後述される。
また図7Bの“1”状態においては第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界に磁壁(DW)が形成されている。ここで図に点線で示されるように、第1磁化固定領域11aから磁化自由領域12を経由して第2磁化固定領域11bに向かう方向に書き込み電流を導入する。このとき伝導電子は第2磁化固定領域11bから磁化自由領域12を経由して第1磁化固定領域11aへと向かう方向に流れる。この伝導電子によって電流誘起磁壁移動が起こり、磁壁(DW)は第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界から第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界へと移動し、図7Aに示されるような磁化配置となる。このようにして“0”書き込みが行われる。
このような書き込み方法を用いるために、好適には第1磁化固定領域11a、及び第2磁化固定領域11bは互いに異なる外部の配線へと接続される。
また図示はされていないが、“0”状態からの“0”書き込み、及び“1”状態からの“1”書き込み、すなわちオーバーライトも可能である。
なお、書き込みの際に、磁壁は、磁化固定領域11と磁化自由領域12の境界を通り越して、磁化固定領域11内へは侵入できない。これは磁化固定領域11においては電流密度が減少するためである。具体的には、以下のように説明される。磁化固定領域11には書き込み電流を導入するための電極が上面、或いは下面に隣接して設けられることが望ましい。図7A、図7Bではその例として電極層50が第1磁化固定領域11a及び第2磁化固定領域11bの下面に隣接して設けられる構造を示している。このとき書き込み電流は電極層50へと流れることになり、電流方向と垂直方向の断面積が磁化固定領域11と磁化自由領域12の境界よりも外側では増加する。従って電流密度は小さくなり、電流誘起磁壁移動に必要な閾値電流密度よりも小さくなるため、磁壁移動が起こらず、そこで停止することになる。
またこのような断面積の増加による電流密度の低減はx−y平面形状の変調によってもコントロールすることができる。例えば磁化固定領域11の幅を磁化自由領域12の幅に比べて広く設定することにより、磁化固定領域11と磁化自由領域12の境界よりも外側での電流密度を低減することができる。このための好適な形状については後述の変形例にて示される。
また、磁化固定領域11と磁化自由領域12の境界で停止した磁壁は、安定してその場にとどまり続けることができる。それは、垂直磁気異方性を有する材料においては、無数のピニングサイトが存在し、それらが十分大きな熱安定性を有するためである。
(読み出し方法)
次に本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子からの情報の読み出し方法について図8Aおよび図8Bを用いて説明する。前述のように本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子においては、第1強磁性層10の磁化自由領域12の磁化方向に応じて情報が記憶される。本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子においてはこの磁化自由領域12の磁化を、磁気抵抗効果を用いて検出することにより情報の読み出しを行う。図8A、図8Bはその方法の一例を示している。図8Aは“0”状態の読み出しの方法を示しており、図8Bは“1”状態の読み出しの方法を示している。
本実施の形態においては情報を読み出すために、少なくとも一つのさらなる強磁性層と、少なくとも一つの非磁性層が設けられる。図8A、図8Bは本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子の構造の一例を示している。図8A、図8Bに示されるように、本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子においては、第1強磁性層10の磁化自由領域12に隣接して第1非磁性層30が設けられ、第1非磁性層30に隣接して磁化自由領域12とは反対側に第3強磁性層40が設けられる。第1強磁性層10、第1非磁性層30、第2強磁性層20により磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction;MTJ)が形成される。
第1非磁性層30は非磁性の材料から形成され、好適には絶縁性の材料から形成されるが、半導体や金属材料によって形成されても構わない。第1非磁性層30の具体的な材料としてはAl−Oが例示される。また第3強磁性層40は垂直磁気異方性を有する強磁性体から構成される。さらに第3強磁性層40の磁化は実質的に一方向に固定されている。なお、第3強磁性層40は図8A、図8Bでは単層の強磁性層として描かれているが、実際には複数の強磁性層からなる積層膜で形成されてもよく、それらの間には非磁性層が含まれてもよい。また隣り合う強磁性層は中間に配置される非磁性層によって反平行方向に磁気結合してもよい。更には反強磁性層を隣接させることによって磁化をより強固に固定することもできる。第3強磁性層40の積層構成としてはCo−Pt/Ru/Co−Pt/PtMnが例示される。
いま、図8A、図8Bに示されるように第3強磁性層40(あるいは第3強磁性層40のうちの第1非磁性層30との界面付近)が下方向に固定されているものとする。ここで図8Aに示されるように、磁化自由領域12が下方向に磁化した“0”状態について考える。この状態で第1強磁性層10、第1非磁性層30、第3強磁性層40を貫通する方向に電流を導入した場合、磁化自由領域12と第3強磁性層40の磁化は平行であるため、この場合のMTJ抵抗は低抵抗となる。一方、図8Bに示されるように、磁化自由領域12が上方向に磁化した“1”状態について考える。この状態で第1強磁性層10、第1非磁性層30、第3強磁性層40を貫通する方向に電流を導入した場合、磁化自由領域12と第3強磁性層40の磁化は反平行であるため、この場合のMTJ抵抗は高抵抗となる。このようにMTJを貫通する方向に電流を流したときの抵抗の差を検出することにより、磁化自由領域12の磁化方向を検出することができ、磁気抵抗効果素子からの情報の読み出しを行うことができる。
なお、第1非磁性層30、第3強磁性層40の位置については任意性があり、図8A、図8Bでは第1強磁性層10よりも下側に配置されているが、これは上側であっても構わない。また、第2強磁性層群と同じ側であってもよいし、反対側であってもよい。
(効果)
本実施の形態の第1の効果として、容易にメモリ状態の初期化が可能な垂直磁化磁壁移動型MRAMが提供される。一般的には、垂直磁化膜において磁壁を導入する方法として、非特許文献4で示されているように段差を設けることが考えられる。すなわち垂直磁化膜に段差を設けることで磁気特性の異なる領域を形成し、これらの領域間の保磁力の違いを利用して複数のステップにわけて外部磁場を印加することで磁壁を導入する。しかしこのような方法は複雑であるだけでなく、磁壁が導入される磁場のマージンを十分に確保しなければならず、大規模なメモリを製造する上では不向きである。しかるに本実施の形態を用いた場合には、単純な初期化プロセスで磁壁の導入が可能である上、容易に大きな初期化用の磁場のマージンを確保することができる。
また本実施の形態の第2の効果として、垂直磁化磁壁移動型MRAMにおいて書き込み電流を低減することができる。非特許文献4で用いられているような段差によって磁壁をピニングする方法を用いた場合には、段差領域において磁化固定領域から大きな漏れ磁場がかかり、これが過度な磁壁のピニング力となることが懸念される。しかし本実施の形態によれば、磁壁のピンサイトへの磁場の影響は低減されるため、過度な磁壁のピニング力が働かなくなるように調整することができる。これによって磁壁をピンサイトからデピンさせるのに必要な電流密度が低減され、書き込みに要する電流値の低減がもたらされる。なお、第2の効果は第2強磁性層群20の積層構成を適切に設計することによってより効果的にもたらされる。詳細については第2の変形例において後述される。
(回路構成)
次に、本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子によって構成される磁気メモリセルにおいて書き込み電流、読み出し電流を導入するための回路構成を説明する。
図9は本実施の形態に係る磁気メモリセルの1ビット分の回路の構成例を示している。図9では当該磁気抵抗効果素子のうち第1強磁性層10、第1非磁性層30、及び第3強磁性層40のみが記されている。
図9に示されるように、第3強磁性層40に接続される端子は読み出しのためのグラウンド線101に接続される。一方第1磁化固定領域11a、及び第2磁化固定領域11bに接続される2つの端子は、それぞれ異なる二つのトランジスタ100a、100bの一方のソース/ドレインに接続される。またトランジスタ100a、100bの他方のソース/ドレインは書き込みのためのビット線102a、102bに接続され、またゲート電極は共通のワード線103に接続される。さらに図9に示した磁気メモリセルはアレイ状に配置され、周辺回路へと接続され、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)が形成される。
次に図9に示された回路での書き込み、読み出し方法について説明する。まず書き込みを行う場合には、ワード線103を“high”に設定し、トランジスタ100a、100bを“ON”に設定する。またビット線102a、102bのいずれか一方を“high”に設定し、他方を“ground”に設定する。ビット線102のどちらを“high”に設定し、どちらを“ground”に設定するかで第1強磁性層10を流れる電流の方向が変わるため、当該磁気抵抗効果素子への情報の書き込みが可能となる。
また、読み出しの際には、ワード線103を“high”に設定し、トランジスタ100a、100bを“ON”に設定する。またビット線102aを“open”に設定し、ビット線102bを“high”に設定する。このときビット線102bから磁気抵抗効果素子を貫通する電流が第1強磁性群層10、第1非磁性層30、第3強磁性層40を経由してグラウンド線101へと流れるため、磁気抵抗効果を利用した高速での読み出しが可能となる。
ただし、図9に示された回路、及びここで述べられた回路の設定は本発明を実施する方法の一例に過ぎず、他の回路構成による実施も可能である。
(材料)
次に各層の材料について例示する。なお、ここで示される材料は全て例であり、実際には前述のような磁化状態が実現できればいかなる材料を用いても構わない。
まず前述の通り第1強磁性層10、第2強磁性層群30は垂直磁気異方性を有する強磁性層を備える。これら強磁性層はFe、Co、Niのうちから選択される少なくとも一つの材料を含む強磁性体により構成される。またPtやPdを含むことにより垂直磁気異方性を安定化することができる。これに加えてB、C、N、O、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Smなどを添加することによって所望の磁気特性が発現されるように調整することができる。具体的にはCo、Co−Pt、Co−Pd、Co−Cr、Co−Pt−Cr、Co−Cr−Ta、Co−Cr−B、Co−Cr−Pt−B、Co−Cr−Ta−B、Co−V、Co−Mo、Co−W、Co−Ti、Co−Ru、Co−Rh、Fe−Pt、Fe−Pd、Fe−Co−Pt、Fe−Co−Pd、Sm−Co、Gd−Fe−Co、Tb−Fe−Co、Gd−Tb−Fe−Coなどが例示される。この他、Fe、Co、Niのうちから選択されるいずれか一つの材料を含む層を、異なる層と積層させることにより垂直方向の磁気異方性を発現させることもできる。具体的にはCo/Pd、Co/Pt、Co/Ni、Fe/Auの積層膜などが例示される。
また第1非磁性層30は絶縁性の材料により構成されることが好ましい。具体的にはMg−O、Al−O、Al−N、Ni−O、Hf−Oなどが例示される。ただし、この他に半導体や金属材料を用いても本発明は実施できる。具体的にはAl、Cr、Cuなどが例示される。
また前述のように第3強磁性層40には反強磁性層を隣接させることで磁化の固定をより強固にすることができる。具体的な反強磁性材料としては、Pt−Mn、Ir−Mn、Fe−Mnなどが例示される。
また、結合層22はRKKY相互作用を発現する材料を用いることが好ましい。具体的にはRu、Cr、Cu、Ir、Os、Reなどが例示される。
(第1の変形例)
図10A、図10Bは本発明に係る磁気抵抗効果素子の第1の変形例の構造を模式的に示している。第1の変形例は第2強磁性層群20の位置に関する。図10Aは斜視図であり、図10Bは図10Aに示されるx−y−z座標系におけるx−z断面図を示している。
上述した本発明の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子においては、第2強磁性層群20は第1磁化固定領域11aに隣接して設けられるが、この位置には任意性がある。すなわち、図1A乃至図1Cではこの第2強磁性層群20が第1強磁性層10よりも上側に配置される例が示されているが、これは図10A、図10Bに示されるように下側であっても構わない。
図10Cは第1の変形例に関する別の実施の形態の断面図を示している。垂直磁気異方性を有する材料としてCo系の合金が知られており、このCo系合金の下地層としてはRuがしばしば用いられる。図10Cは結合層22が第1強磁性層10の下地層を兼ねる例を示している。結合層22としてRuなどを用いることによって、第2強磁性層21と第1強磁性層10の間を積層フェリ結合で結合させると同時に、第1強磁性層10の下地層として第1強磁性層10の結晶配向を整えることができる。
(第2の変形例)
図11A乃至図13は本発明に係る磁気抵抗効果素子の第2の変形例の構造を模式的に示している。第2の変形例は第2強磁性層群20の構成に関する。
本発明に係る磁気抵抗効果素子においては、第2強磁性層群20の構成には任意性がある。図11Aはその一例を示す断面図である。図11Aに示されるように第2強磁性層群20は第1強磁性層10と結合層22に加えて、第4強磁性層23を備える積層膜であってもよい。図11Aでは、第1磁化固定領域11aに隣接して第4強磁性層23が設けられる。第4強磁性層23に隣接して、第1磁化固定領域11aとは反対側に結合層22、第2強磁性層21がこの順で設けられる。第1磁化固定領域11aと第4強磁性層23はフェロ磁性的に結合しており、第2強磁性層21と第4強磁性層23は結合層22を介してフェリ磁性的に結合している。このフェリ磁性的な磁気結合には例えば前述のRKKY相互作用が用いられる。
図11Aに示される構造においては、第2強磁性層21の飽和磁化と膜厚の積が、第1磁化固定領域11aの飽和磁化と膜厚の積と第4強磁性層23の飽和磁化と膜厚の積の和よりも大きいことが好ましい。これはこのような条件によって、図5、図6Aまたは図6Bを用いて説明された方法と同様な外部磁場を印加する方法によってメモリ状態の初期化が可能となるためである。
また図11Aのような構成を用いることにより、より効果的に書き込み電流密度を低減することができる。図11B、図11Cでは、それぞれ第2強磁性層21、第4強磁性層23の磁化が第1強磁性層10付近に形成する磁場の様子が矢印で模式的に表されている。図11Bと図11Cの合成磁場が第1強磁性層10に印加されることになるが、図11Bと図11Cからわかるように、第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界付近において、x方向の磁場は相殺しあって小さくなる。このx方向の磁場は過度なピニング力の原因となることが懸念されるが、本変形例の実施によって、この過度なピニング力は抑制され、より小さな電流密度での書き込みが可能となる。また第2強磁性層21と第4強磁性層23の磁気特性や膜厚を適切に設計することにより、このピニング力の大きさは調整することができる。
図12は本発明に係る磁気抵抗効果素子の第2の変形例の他の実施の形態の例を示す断面図である。図12に示されるように第2強磁性層群20は第1強磁性層10と第1結合層22に加えて、第2結合層24と第4強磁性層23を含む積層膜であってもよい。図12では、第1磁化固定領域11aに隣接して第1結合層22が設けられている。第1結合層22に隣接して第2強磁性層21、第2結合層24、第4強磁性層23がこの順に積層して設けられている。また第1磁化固定領域11aと第2強磁性層21は第1結合層22を介してフェリ磁性的に結合しており、第2強磁性層21と第4強磁性層23は第2結合層24を介してフェリ磁性的に結合している。
図12に示される構造においても、図5乃至図6Bを用いて前述されたような外部磁場印加プロセスによってメモリ状態の初期化が可能である。
また図12に示される構造においても、図11B、図11Cを用いて説明された効果と同等な効果が得られ、書き込み電流の低減が期待される。
次に図13は本発明に係る磁気抵抗効果素子の第2の変形例の更に他の実施の形態の例を示す断面図である。図13に示されるように第2強磁性層群20は第1強磁性層10と結合層22に加えて、反強磁性層25を含む積層膜であってもよい。図13では、第1磁化固定領域11aに隣接して結合層22が設けられている。結合層22に隣接して第2強磁性層21、反強磁性層25がこの順に積層して設けられている。第1磁化固定領域11aと第2強磁性層21は結合層22を介してフェリ磁性的に結合している。
強磁性体に反強磁性層を隣接させ、磁場中での熱処理を加えると、熱処理時の磁場の方向に強磁性体の磁化が固定されることが知られている。この反強磁性層と強磁性体の結合はしばしば交換バイアス結合と呼ばれる。図13に示される実施の形態ではこの交換バイアス結合が第2強磁性層群20に適用される。図5、または図6Aに示される外部磁場による初期化過程の際、高温に保った上で一定時間以上外部磁場を印加した場合、反強磁性層25と第2強磁性層21の間に交換バイアス結合が働く。これによって第2強磁性層21の固定磁化はより強固なものになる。これによって第1磁化固定領域11aの磁化をより強固に固定することができる。また初期化磁場のマージンをより広げることもできる。
反強磁性層25にはPt−Mn、Ir−Mn、Fe−Mnなどを用いることができる。
(第3の変形例)
図14A乃至図17は本発明に係る磁気抵抗効果素子の第3の変形例の構造を模式的に示している。第3の変形例では第2強磁性層群20が複数設けられる。図14Aは斜視図であり、図14Bは図14Aに示されるx−y−z座標系におけるx−y平面図を示している。また図15乃至図17は図14Aに示されるx−y−z座標系におけるx−z断面図を示しており、それらは第3の変形例における異なる実施の形態を示している。
本変形例に係る磁気抵抗効果素子においては、第2強磁性層群20は複数設けられてもよい。図14A乃至図17では第3の変形例におけるこの一例として、第1磁化固定領域11aに隣接して第2−1強磁性層群20aが設けられ、第2磁化固定領域11bに隣接して他の強磁性層群である第2−2強磁性層群20bが設けられる例が示されている。
図15では第2−1強磁性層群20aが第2−1強磁性層21aと第1−1結合層22aから形成され、第2−2強磁性層群20bが第2−2強磁性層21bと第1−2結合層22bから形成される例が示されている。第1磁化固定領域11aと第2−1強磁性層21aは第1−1結合層22aを介してフェリ磁性的に結合しており、第2磁化固定領域11bと第2−2強磁性層21bは第1−2結合層22bを介してフェリ磁性的に結合している。
第2−1強磁性層21aと第2−2強磁性層21bの飽和磁化、または膜厚は異なることが好ましい。より好適には第2−1強磁性層21aの飽和磁化と膜厚の積は第1磁化固定領域11aの飽和磁化と膜厚の積よりも大きく、一方第2−2強磁性層21bの飽和磁化と膜厚の積は第2磁化固定領域11bの飽和磁化と膜厚の積よりも小さいことが好ましい。このような条件において図5で示されるような−z方向の外部磁場が印加された場合を考える。このとき、第1磁化固定領域11aの飽和磁化と膜厚の積に比べて第2−1強磁性層21aの飽和磁化と膜厚の積の方が大きい。そのため、第2−1強磁性層21aの磁化が外部磁場の方向である−z方向を向き、それとフェリ結合した第1磁化固定領域11aの磁化はその反平行方向である+z方向を向く。一方、第2磁化固定領域11bの飽和磁化と膜厚の積に比べて第2−2強磁性層21bの飽和磁化と膜厚の積の方は小さい。そのため、第2磁化固定領域11bの磁化が外部磁場の方向である−z方向を向き、それとフェリ結合した第2−2強磁性層21bの磁化はその反平行方向である+z方向を向く。このようにして第1磁化固定領域11aと第2磁化固定領域11bの磁化を反平行方向に向けることができる。
図15に示されるような構造は、第2−1強磁性層群20aと第2−2強磁性層郡20bを同時に成膜した後、第2−2強磁性層群20bのみを多くエッチングすることにより容易に製造することができる。
図16では第3の変形例の別の実施の形態の例が示されている。図16に示される形態においては、第2−1強磁性層郡20aは第2−1強磁性層21aと第1−1結合層22aと第4−1強磁性層23aから形成され、第2−2強磁性層群20bは第4−2強磁性層23bから形成される例が示されている。
図16に示される構造においては、第2−1強磁性層21aの飽和磁化と膜厚の積が、第1磁化固定領域11aの飽和磁化と膜厚の積と第4−1強磁性層23aの飽和磁化と膜厚の積の和よりも大きいことが好ましい。これはこのような条件によって、図5、図6Aまたは図6Bを用いて説明された方法と同様な外部磁場を印加する方法によってメモリ状態の初期化が可能となるためである。その詳細についてはこれまでの説明から自明であるので省略する。
図16に示されるような構造も、第2−1強磁性層群20aと第2−2強磁性層郡20bを同時に成膜した後、第2−2強磁性層群20bのみを多くエッチングすることにより容易に製造することができる。
図17では第3の変形例の更に別の実施の形態の例が示されている。図17に示される形態においては、第2−1強磁性層郡20aは第2−1強磁性層21aと第1−1結合層22aから形成され、第2−2強磁性層群20bは第2−2強磁性層21bから形成される例が示されている。
図17に示される構造においては、第2−1強磁性層21aの飽和磁化と膜厚の積が、第1磁化固定領域11aの飽和磁化と膜厚の積よりも大きいことが好ましい。これはこのような条件によって、図5、図6Aまたは図6Bを用いて説明された方法と同様な外部磁場を印加する方法によってメモリ状態の初期化が可能となるためである。その詳細についてはこれまでの説明から自明であるので省略する。
図17に示されるような構造は、第1−1結合層22aまで成膜後、磁化自由領域12、および第2磁化固定領域11bの上のみエッチングにより除去し、その後第2−1強磁性層21a及び第2−2強磁性層21bを同時に成膜することで製造することができる。
図17のような構成を用いることによって、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11bの磁化をより強固に固定することができる。また初期化を行ううえでの外部磁場のマージンも拡大することができる。
(第4の変形例)
図18A、図18Bおよび図18Cは本発明に係る磁気抵抗効果素子の第4の変形例の構造を模式的に示している。第4の変形例は本発明に係る磁気抵抗効果素子の読み出し用のMTJに関する。図18Aは斜視図であり、図18B、図18Cはそれぞれ図18Aに示されるx−y−z座標系におけるx−y平面図、x−z断面図を示している。
図8A、図8Bを用いて説明したように、本発明の実施の形態においては磁気抵抗効果を利用して情報の読み出しが行われる。この際のMTJは図8A、図8Bに示されるように第3強磁性層40を含まなくてもよい。図18A、図18Bおよび図18Cに示される第4の変形例によれば、第1強磁性層10の他に、第5強磁性層210、第2非磁性層220、第6強磁性層230が設けられる。またこの他、コンタクト層240が設けられることが好ましい。また、第5強磁性層210、第2非磁性層220、第6強磁性層230はこの順に隣接して設けられ、これらによって磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction;MTJ)が形成される。
好適には第5強磁性層210の重心は第1強磁性層10の磁化自由領域12の重心12に対してx−y面内でずれて設けられる。いまこのずれの方向を第1の方向と定義する。ここで重心とは幾何重心を示すが、各層はそれぞれ密度が概ね均一であるため、重力中心であると考えてもよい。
第5強磁性層210、第6強磁性層230は面内方向に磁気異方性を有する強磁性体から構成される。第5強磁性層210の磁気異方性の方向は面内方向において任意である。一方第6強磁性層230の磁化は実質的に一方向に固定されている。この方向は第1の方向に平行方向であることが望ましい。
本変形例によれば、磁化自由領域12の垂直方向の磁化の方向で記憶された情報を、第5強磁性層210、第2非磁性層220、第6強磁性層230から構成される面内磁化を有するMTJによって読み出すことができる。その原理を、図19Aおよび図19Bを用いて説明する。図19Aは“0”状態での各層の磁化の状態が矢印で示されており、図19Bは“1”状態での磁化の状態が矢印で示されている。なお、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、第6強磁性層230の磁化はそれぞれz軸の正方向、負方向、y軸負方向に固定されているものとして描かれているが、これらの間には任意性がある。この任意性については自明であるので省略する。
図19Aに示されるような磁化自由領域12が下方向に磁化した“0”状態においては第5強磁性層210の磁化は、磁化自由領域12の下方向の磁化によって生ずる漏れ磁束によってy軸負方向を向く。これは第5強磁性層210が磁化自由領域12の下側(z軸負の方向)に配置され、かつ第5強磁性層210の重心が磁化自由領域12に対してy軸の負の方向にずれて設けられているためである。これによって第5強磁性層210、第6強磁性層230の磁化は平行となり、このMTJは低抵抗状態となる。一方、図14Bに示されるような磁化自由領域12が上方向に磁化した“1”状態においては第5強磁性層210の磁化は、磁化自由領域12の上方向の磁化によって生ずる漏れ磁束によってy軸正方向を向く。これによって第5強磁性層210、第6強磁性層230の磁化は反平行となり、このMTJは高抵抗状態となる。かくして磁化自由領域12の垂直方向の磁化として記憶された情報は、面内磁化を有する第5強磁性層210の磁化に伝達され、面内磁化から構成されるMTJによって読み出すことができる。
面内磁化によって構成されるMTJでは一般的に高い磁気抵抗効果比(MR比)を得ることができる。これによって大きな読み出し信号を得ることができる。
なお、図19A、図19Bでは第5強磁性層210、第2非磁性層220、第6強磁性層230は第1強磁性層10に対して下側(z軸負方向)に配置されるものとして描かれているが、この位置には任意性があり、例えば上側であっても構わない。また第5強磁性層210の重心の磁化自由領域12の重心からのずれの方向である第1の方向は、図ではy軸負の方向であるものとして描かれているが、これについても任意性があり、y軸正方向でもよく、或いはx成分を含んでいてもよい。
(第5の変形例)
図20A乃至22Bは本発明に係る磁気抵抗効果素子の第5の変形例の構造を模式的に示している。第5の変形例は第1強磁性層10の形状に関する。
本発明に係る磁気抵抗効果素子においては、第1強磁性層10の形状には任意性がある。図1A乃至図1Cでは第1強磁性層10はx−y面内において長方形であるものとして描かれているが、図20A乃至図22Bは第1強磁性層10の形状に関する変形例を示している。図20A、図20B、図21A、図21B、図22Bはx−y平面図を示している。図22Aは図22Bのような形状を有する第1強磁性層10に関する斜視図を示している。
第1強磁性層10は例えば図20Aに示されるようにノッチが設けられてもよい。このノッチは第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界、及び第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界に設けることによって、磁壁のピニング位置を明確に規定することができる。
また第1強磁性層10は図20Bに示されるように中央部が太くなるように形成されてもよい。磁壁は系全体のエネルギーを下げるために、なるべく細い部分に動く性質があるが、図20Bに示されるように中央部を太く形成することによって、中央部で磁壁が止まりにくくなり、安定した2値状態が実現される。
また第1強磁性層10は図21A、図21Bに示されるように磁化固定領域11が磁化自由領域12に比べて太く形成されてもよい。図21Aには第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11bの両方が太く形成される例が示されている。図21Bには第2磁化固定領域11bのみが太く形成される例が示されている。磁化固定領域11の幅を磁化自由領域12に比べて太く形成することによって、磁壁が磁化自由領域12を通り越して磁化固定領域11に侵入することを防ぐことができる。これは磁化固定領域においては、幅が広がるため、電流密度が下がるためである。
また第1強磁性層10は図22A、図22Bに示されるようにY字型に形成されてもよい。図22A、図22Bにおいては、第1強磁性層10はx方向に延伸して設けられる磁化自由領域12と、その一方の端部(−x側)に接続して設けられる第1磁化固定領域11aと、同じく一方の端部に接続して設けられる第2磁化固定領域11bにより形成される。すなわち第1強磁性層10は三叉路を形成する。この場合も第1磁化固定領域11aと第2磁化固定領域11bの磁化は少なくとも一部分において垂直方向で互いに反平行方向に固定される。また磁化自由領域12の磁化は垂直方向で上下に方向にいずれかをとる。
第1強磁性層10が図22A、図22Bに示されるようなY字型の形状を有する場合の書き込み方法について図23Aおよび図23Bを用いて説明する。図23Aは“0”状態からの“1”書き込みを、図23Bは“1”状態からの“0”書き込みの方法を模式的に示している。いま、図23Aに示されるような磁化自由領域12が下向きに磁化した“0”状態においては、第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界に磁壁(DW)が形成される。ここで図23Aの点線の方向に電流を流せば、電流誘起磁壁移動現象により磁壁(DW)は磁化自由領域12の第1磁化固定領域11aと接続される端部とは反対側へと移動し、図23Bに示されるような“1”状態へと遷移する。同様に図23Bに示されるような磁化自由領域12が上向きに磁化した“1”状態においては、第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界に磁壁(DW)が形成される。ここで図23Bの点線の方向に電流を流せば、電流誘起磁壁移動現象により磁壁(DW)は磁化自由領域12の第2磁化固定領域11bと接続される端部とは反対側へと移動し、図23Aに示されるような“0”状態へと遷移する。このようにして情報の書き換えが可能である。
第1強磁性層10が図22A、図22Bに示されるような三叉路形状に形成されることによって、磁壁が磁化自由領域12の端部に抜かれることによって書き込みが行われる。このような書き込みプロセスによって、より安定した書き込み動作を実現することができる。
(その他)
また、上述のすべての変形例は組み合わせて用いてもよい。
本発明の活用例として、携帯電話、モバイルパソコンやPDAに使用される不揮発性の半導体メモリ装置や、自動車などに使用される不揮発性メモリ内蔵のマイコンが挙げられる。
以上、いくつかの実施形態によって本発明を説明したが、これらの実施の諸形態は単に発明を説明するために挙げられたものであり請求の範囲の内容を限定するために参照されるべきでないことは、当業者には明らかである。
この出願は、2008年4月2日に出願された日本出願特願2008−095757号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (12)

  1. 少なくとも一部分において垂直磁気異方性を有する強磁性体によって構成された第1強磁性層と、
    少なくとも一部分において垂直磁気異方性を有する強磁性体によって構成された第2強磁性層群とを具備し、
    前記第1強磁性層は、第1磁化固定領域と第2磁化固定領域と磁化自由領域とを備え、
    前記第2強磁性層群は、第2強磁性層と、前記第1磁化固定領域と前記第2強磁性層との間に設けられた第1結合層とを備え、
    前記第1磁化固定領域の少なくとも一部分は、前記第2磁化固定領域の少なくとも一部分に対して反平行方向に固定された磁化成分を有し、
    前記第1磁化固定領域の少なくとも一部分は、前記第2強磁性層の少なくとも一部分と磁気的に結合し、前記第2強磁性層の少なくとも一部分に対して反平行方向に固定された磁化成分を有し、
    更に、少なくとも一部分において前記第2磁化固定領域と磁気的に結合する他の強磁性層群を具備し、
    前記他の強磁性層群は、他の強磁性層と、前記第2磁化固定領域と前記他の強磁性層との間に設けられた他の結合層とを備え、
    前記第2強磁性層の飽和磁化と膜厚との積は、前記第1磁化固定領域の飽和磁化と膜厚との積よりも大きく、前記他の強磁性層の飽和磁化と膜厚との積は、前記第2磁化固定領域の飽和磁化と膜厚との積よりも小さい
    磁気抵抗効果素子。
  2. 更に、前記磁化自由領域に隣接して設けられる第1非磁性層と、
    前記第1非磁性層に隣接して、前記磁化自由領域とは反対側に設けられる第3強磁性層とを具備し、
    前記第3強磁性層の少なくとも一部分は、前記第1強磁性層の少なくとも一部分における磁化方向に平行で略一方向に固定された磁化を有する
    請求項1に記載された磁気抵抗効果素子。
  3. 更に、前記第1強磁性層に磁気的に結合する第5強磁性層と、
    前記第5強磁性層に隣接する第2非磁性層と、
    前記第2非磁性層の前記第5強磁性層と反対側に隣接する第6強磁性層とを具備し、
    前記第5強磁性層の重心は、前記磁化自由領域の重心に対して膜面に平行な第1の方向にずれて設けられ、
    前記第5強磁性層は、膜面に平行な方向に反転可能な磁化を有し、
    前記第6強磁性層は、前記第1の方向に略平行な方向に固定された磁化を有する
    請求項1に記載された磁気抵抗効果素子。
  4. 前記第1磁化固定領域は前記磁化自由領域の一方の端部に接続し、
    前記第2磁化固定領域は前記磁化自由領域の他方の端部に接続する
    請求項1乃至3のいずれかに記載された磁気抵抗効果素子。
  5. 前記第1磁化固定領域と前記第2磁化固定領域とは前記磁化自由領域の同じ端部に接続される
    請求項1乃至3のいずれかに記載された磁気抵抗効果素子。
  6. 前記第1磁化固定領域と前記第2磁化固定領域との少なくとも一つが、前記磁化自由領域よりも幅が広い平面形状を有する
    請求項1乃至5のいずれかに記載された磁気抵抗効果素子。
  7. 前記第2強磁性層群が第4強磁性層を備える
    請求項1乃至6のいずれかに記載された磁気抵抗効果素子。
  8. 前記第2強磁性層群が第2結合層を備える
    請求項1乃至7のいずれかに記載された磁気抵抗効果素子。
  9. 前記第2強磁性層群が反強磁性層を備える
    請求項1乃至8のいずれかに記載された磁気抵抗効果素子。
  10. 前記第1結合層が、前記第1強磁性層の下面に隣接して設けられる
    請求項1乃至9のいずれかに記載された磁気抵抗効果素子。
  11. 前記第1結合層が、Ruを含む
    請求項1乃至10のいずれかに記載された磁気抵抗効果素子。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載された磁気抵抗効果素子によって情報を記憶する磁気ランダムアクセスメモリ。
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